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高等学校学習指導要領(平成11年3月告示、14年5月、15年4月、15年12月一部改正) 農業 第11 農業経営


第11    農業経営

1    目標
   農業経営の設計と管理に必要な知識と技術を習得させ,コスト管理とマーケティングの必要性を理解させるとともに,経営管理の改善を図る能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    農業の動向と農業経営
  ア   農業経営と地域農業     イ   我が国と世界の農業
(2)    農業経営の会計
  ア   取引,勘定,仕訳   イ   仕訳帳と元帳
  ウ   試算表と決算   エ   農産物の原価計算
(3)    農業経営の情報
  ア   農業経営情報の収集と活用   イ   農業経営とマーケティング
  ウ   農業政策と関係法規    
(4)    農業経営の管理
  ア   農業経営の主体と目標   イ   農業生産の要素
  ウ   経営組織の組立て   エ   経営と協同組織
  オ   農業経営の管理    
(5)    農業経営の診断と設計
  ア   農業経営の診断   イ   農業経営の設計

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)から(5)までについては,学校農場や地域の農業経営の身近な事例を通して,具体的に理解させるよう留意すること。
   内容の(2)及び(3)については,演習や実習を通して,簿記の記帳方法及び情報の処理について理解させ,経営の改善を図る合理的な見方と実践力を育てるよう留意すること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,産地形成など地域農業の動向と農業経営及びその相互関係並びに我が国と世界の農業の動向とその相互関係について基本的な内容を扱うこと。
   内容の(2)については,農業会計の原理,農業簿記の仕組み,複式簿記による取引から決算までの処理方法及び原価計算の意義と方法を扱うこと。
   内容の(3)については,農業生産や経営に関する情報の収集,処理,活用,消費者ニーズの調査と生産,販売計画などのマーケティング及び農業政策とそれに関連する法規の概要を扱うこと。
   内容の(5)については,農業所得,労働生産性,資本生産性などの農業経営の診断の指標と診断方法及び労働力,生産基盤,資本などの農業経営の設計に必要な条件と方法を扱うこと。

第12    農業機械

1    目標
   農業機械の取扱いと維持管理に必要な知識と技術を習得させ,機械の構造と作業上の特性を理解させるとともに,農業機械の効率的な利用を図る能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    農業機械の役割
  ア   農業機械化の意義    
イ    農業機械の利用とその現状
(2)    農業機械の操作
  ア   トラクタとその操作   イ   作業機とその操作
  ウ   農業機械と安全作業    
(3)    農業機械の構造と整備
  ア   原動機の構造と整備   イ   トラクタの構造と整備
  ウ   作業機の構造と整備   エ   燃料と潤滑油の特質
(4)    農業生産と農業機械の利用
  ア   農業機械の効率的利用   イ   農業機械化体系の作成

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して,機械の構造と作業特性の相互関係から機械の点検方法について理解させ,機械の維持管理を図る実践力を育てるよう留意すること。また,機械の構造等の理解を深めさせるため,教育用機器の活用に留意すること。
   内容の(2)から(4)までについては,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業機械を選定すること。また,機械及び燃料の取扱いについては,事故の防止に努め,安全の指導に留意すること。なお,機械要素や整備用工具については,羅列的な扱いをしないこと。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,我が国における農業機械の利用の現状及び農業の生産性の向上と農業機械化との相互関係を扱うこと。
   内容の(3)については,原動機とトラクタの各種装置の作動原理と構造,作業機の作業原理と構造,燃料と潤滑油の役割と性質及び農業機械の整備の方法と整備用機器を扱うこと。
   内容の(4)については,学校農場や地域農業の身近な事例を取り上げて,機械の作業能率や利用経費など農業機械の効率的な利用と目的に応じた農業機械化体系の作成を扱うこと。

第13    食品製造

1    目標
   食品製造に必要な知識と技術を習得させ,食品の特性と加工の原理を理解させるとともに,品質と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    食品製造の意義と動向
  ア   食品製造の意義     イ   食品産業の現状と動向
(2)    食品加工の原理と方法
  ア   物理的な方法による加工   イ   化学的な方法による加工
  ウ   生物的な作用による加工    
(3)    食品の加工    
  ア   原材料の処理   イ   穀類,大豆,イモ類の加工
  ウ   野菜,果実の加工   エ   畜産物の加工
  オ   発酵食品の製造   カ   食品の包装と表示
(4)    食品の貯蔵
  ア   食品の変質の要因   イ   食品の貯蔵法
(5)    機械と装置の利用
  ア   製造用の機械と装置の利用   イ   ボイラと冷却装置の利用
  ウ   自動制御の原理    
(6)    食品等の衛生管理    
  ア   食品の安全性   イ   食品製造における衛生
(7)    生産管理の改善    
  ア   品質管理   イ   作業体系の改善

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   指導に当たっては,農業生産,食品製造から食料消費までの食料供給の仕組みを理解させるよう留意すること。
   内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して,食品特性と加工原理を理解させ,食品加工の工夫を図る実践力を育てるよう留意すること。
   実験・実習の指導に当たっては,食品や製造用機械・器具の取扱いにおいて食品衛生上の危害の発生の防止に努めるとともに,安全の指導に留意すること。
   内容の(3)のアからカまでについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,我が国の食生活における食品産業の役割及び食品製造に関する技術の進歩を中心に扱うこと。
   内容の(2)については,原材料の特性を利用した加熱,塩漬や発酵などの食品加工の方法とその基本的な原理を扱うこと。
   内容の(3)については,主な食品の製造工程における操作,検査,包装と表示及び製造用機械・器具の使用方法を扱うこと。なお,原材料や加工食品の分類及び包装材料については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
   内容の(4)については,温度,酸素や微生物による食品の変質とそれに伴う価値の変化及びその防止のための代表的な貯蔵法を扱うこと。
   内容の(5)については,内容の(3)及び(4)で扱う食品製造用の機械や装置の操作と整備を扱い,機械を網羅的に扱うことはしないこと。
   内容の(6)については,食品による危害の要因,法令に則した施設・設備及び食品の安全性確保のための衛生管理を扱うこと。なお,食中毒,感染症及び食品添加物については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
   内容の(7)については,品質維持を図るための工程と生産環境の管理,衛生検査及び作業体系の基本的な内容を扱うこと。

第14    食品化学

1    目標
   食品の分析と検査に必要な知識と技術を習得させ,食品の成分と栄養を理解させるとともに,食品製造及び農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    食品化学の役割
  ア   食品化学の領域     イ   食品製造と食品化学
(2)    食品の成分と栄養
  ア   食品の成分   イ   食品成分の変化
  ウ   食品成分の代謝と栄養   エ   食品の栄養的価値の評価
(3)    食品の成分分析    
  ア   食品分析の基本操作   イ   食品成分の定量分析
  ウ   食品成分の物理・化学分析    
(4)    食品の衛生検査
  ア   食品衛生検査の意義   イ   異物の検査
  ウ   細菌の検査   エ   食品添加物の検査
  オ   水質検査   カ   食品の安全性の確保

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(2)から(4)までについては,地域の食生活の現状や学科の特色に応じて,題材として適切な食品と原材料を選定すること。
   内容の(3)及び(4)については,実験・実習を通して,成分分析や衛生検査の意義と原理について理解させ,食品製造に応用する実践力を育てるよう留意すること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,食品の成分分析や衛生検査が,食品製造や食生活の改善に果たしている役割を中心に扱うこと。
   内容の(2)については,食品中のタンパク質,ビタミンなどの性質,加工や貯蔵時における変化及び体内での働きを中心に扱うこと。
   内容の(2)から(4)までについては,化学式,構造式及び化学反応式については必要最小限の扱いとすること。
   内容の(3)については,食品成分の分析方法とその原理及び分析機器の操作を扱うが,分析方法については網羅的な扱いをしないこと。
   内容の(4)については,食品の安全性確保のために必要な衛生検査の概要,生菌数の測定などの細菌検査,食品添加物の検査,異物の鑑別及び水質検査の原理と方法を扱うこと。なお,食品添加物については,網羅的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。

第15    微生物基礎

1    目標
   食品に関連する微生物の利用に必要な知識と技術を習得させ,微生物の特性と培養を理解させるとともに,農業の各分野で微生物を利用する能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    微生物利用の意義と分野
  ア   微生物利用の意義     イ   食品と微生物利用
(2)    微生物の形態と生理
  ア   微生物の形態   イ   微生物の栄養
  ウ   微生物の増殖と環境    
(3)    微生物の分離と培養    
  ア   微生物実験の基本操作   イ   かびの分離と培養
  ウ   酵母の分離と培養   エ   細菌の分離と培養
(4)    微生物の作用とその利用
  ア   微生物の代謝   イ   微生物の酵素
  ウ   アルコール発酵   エ   有機酸発酵
  オ   アミノ酸発酵   カ   バイオリアクターと物質生産

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(2)については,観察,実験を通して,微生物の形態的特徴と生理的特性を具体的に理解させること。
   内容の(2)から(4)までについては,微生物の特性を理解させ,微生物の活動を制御し,利用する実践力を育てるよう留意すること。なお,地域の食品産業の実態や学科の特色に応じて,発酵や代謝に用いるかび,酵母,細菌のうちから,題材として適切な菌種を選定すること。また,有害微生物の扱いなど安全の指導に留意すること。
   内容の(4)のウからカまでについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,食品や医薬品製造における微生物利用の状況,自然界の物質循環における微生物の役割並びに発酵食品などの食品の製造と保存及び食品の品質の劣化と微生物の関係について基本的な内容を扱うこと。
   内容の(2)については,食品製造における有用微生物と有害微生物の種類と生理・生態及び微生物の増殖の過程の測定と制御の基本的な内容を扱うこと。
   内容の(2)から(4)までについては,微生物の学名や英名及び化学式や構造式については必要最小限の扱いとすること。
   内容の(3)については,微生物の生育条件,培地の種類と調製,器具の殺菌など,かび,酵母と細菌の純粋分離と純粋培養の基本的な内容を扱うこと。
   内容の(4)については,糖質に重点を置いた微生物の代謝,酵素の生化学反応,発酵機構と代謝産物及び生体触媒の固定化の基本的な内容を扱うこと。なお,微生物の酵素については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。

第16    植物バイオテクノロジー

1    目標
   植物に関するバイオテクノロジーの知識と技術を習得させ,植物体の特性とバイオテクノロジーの特質を理解させるとともに,農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    バイオテクノロジーの意義と役割
 
ア    バイオテクノロジーの意義
   
イ    産業社会とバイオテクノロジー
(2)    バイオテクノロジーの特質と基本操作
  ア   植物の構造と機能   イ   無菌操作の基本
(3)    植物の増殖能の利用    
  ア   組織培養の目的と技術体系   イ   培地の組成と調製
  ウ   培養植物体の生育と環境   エ   野菜,草花への応用
  オ   果樹,作物等への応用    
(4)    植物の遺伝情報の利用
  ア   遺伝子組換えの仕組み   イ   細胞融合の仕組み
(5)    バイオマス・エネルギーの利用
  ア   栽培植物の利用   イ   有機廃棄物の利用
(6)    植物バイオテクノロジーの展望

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,植物の分化全能性とその利用について理解させ,組織培養技術を応用する実践力を育てるよう留意すること。
   内容の(2)から(4)までについては,地域農業の実態,学科の特色等に応じて,題材として適切な植物を選定すること。また,雑菌による機器,施設などの汚染防止に留意すること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,植物の繁殖などの機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業等の産業各分野での利用の概要を扱うこと。
   内容の(2)については,茎頂など植物の組織・器官の構造と機能,植物ホルモンの作用及び器具の殺菌など無菌的条件の設定を中心に扱うこと。
   内容の(3)については,植物細胞の分化全能性,培地の調製,組織培養及び培養植物体の順化,育成を中心に扱うこと。
   内容の(4)については,遺伝子の構造,植物のもつ遺伝情報の伝達機能並びに遺伝子組換え及び細胞融合の仕組みについて基本的な内容を扱うこと。
   内容の(5)については,バイオテクノロジーを活用して,セルロースなどの木材成分やもみがらなどの有機廃棄物を変換利用する技術を扱うこと。
   内容の(6)については,組換え植物の利用などバイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基本的な内容を扱うこと。

第17    動物・微生物バイオテクノロジー

1    目標
   動物と微生物に関するバイオテクノロジーの知識と技術を習得させ,動物の核,卵,胚(はい)や微生物の特性とバイオテクノロジーの特質を理解させるとともに,農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    バイオテクノロジーの意義と役割
 
ア    バイオテクノロジーの意義
   
イ    産業社会とバイオテクノロジー
(2)    動物のバイオテクノロジー
  ア   受精卵操作   イ   雌雄の判別
  ウ   核移植とクローニング    
(3)    微生物のバイオテクノロジー    
  ア   微生物の種類とその特性   イ   微生物の培養と利用
  ウ   きのこの培養と改良    
(4)    バイオリアクター
  ア   バイオリアクターの特性   イ   生体触媒の固定化法
  ウ   バイオリアクターの利用    
(5)    動物と微生物のバイオテクノロジーの展望

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(2)及び(3)については,地域農業や食品産業の実態,学科の特色に応じて,題材として適切な動物及び微生物を選定すること。
   内容の(2)から(4)までについては,実験・実習を通して,動物の組織や微生物の機能を理解させ,バイオテクノロジーの応用を図る実践力を育てるよう留意すること。
   内容の(2)から(4)までについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
   内容の(3)及び(4)については,雑菌による機器,施設などの汚染防止に留意すること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,動物の繁殖機能や微生物の増殖機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業,食品産業等の産業各分野での利用の概要を扱うこと。
   内容の(2)については,受精卵移植や雌雄の判別など動物のバイオテクノロジーの基本的な内容を扱うこと。
   内容の(3)については,アミノ酸の発酵生産に用いる微生物を中心にそれらの微生物の種類と利用,きのこの種菌の培養などの基本的な内容を扱うこと。
   内容の(4)については,微生物や酵素を利用するバイオリアクターの原理と構造,生体触媒の種類,特徴と固定化法及び食品産業などの分野における利用を扱うこと。
   内容の(5)については,動物と微生物のバイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基本的な内容を扱うこと。

第18    農業経済

1    目標
   農業及び食品産業の経済活動に関する知識と技術を習得させ,流通及び市場の原理を理解させるとともに,流通の改善を図る能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    我が国の農業と世界の食料需給
  ア   農業と国民経済     イ   世界の食料需給
  ウ   農業と国際経済事情    
(2)    食料供給と農業及び食品産業
  ア   農業生産の役割と特徴   イ   食品産業の役割と特徴
(3)    農産物の流通    
  ア   農産物の需要と供給   イ   流通の構造と機能
  ウ   市場の原理と価格の形成    
(4)    農業生産資材の流通
  ア   農業生産資材の市場   イ   農業生産資材の流通
(5)    農業と協同組織
  ア   農業協同組合   イ   農業生産組織
  ウ   農業金融と保険    
(6)    農業,食品産業の企業形態
  ア   企業の組織と活動   イ   農業関連企業の特質
  ウ   農業情報システム    
(7)    農業・食料政策と関係法規    
  ア   農業・食料政策   イ   農業経済と関係法規

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(2)から(5)までについては,地域の具体的な事例を通して,農業や食品産業の経済活動について理解を深めさせるよう留意すること。
   内容の(5)から(7)までについては,学科の特色や地域の実態に応じて,選択して扱うことができること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,農業と食品産業が我が国の経済活動において果たしている役割,国際的な食料需給の動向が我が国の農業と食品産業に与える影響等について基本的な内容を扱うこと。
   内容の(2)については,食料消費の形態と動向並びに食料供給における農業,食品製造業,食品流通業及び外食産業の役割と動向について基本的な内容を扱うこと。
   内容の(3)及び(4)については,主な農産物と農業生産資材の流通構造,需要と供給の変動の要因及び市場の役割を重点的に扱うこと。
   内容の(5)については,販売事業や信用事業など農業協同組合の事業,共同出荷など生産組合の事業,農業経営における資金と共済制度の意義などについて基本的な内容を扱うこと。
   内容の(6)のア及びイについては,農業及び食品産業の企業的経済活動の意義,活動及び組織を扱うこと。また,アについては,農業法人を重点的に扱うこと。
   内容の(7)については,農業政策及び食料政策とその関係法規の概要を扱うこと。

第19    食品流通

1    目標
   農産物を主とする食品の流通に必要な知識と技術を習得させ,食品の特性と流通構造を理解させるとともに,食品の流通と管理の合理化を図る能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    食品流通と食品産業
  ア   食品産業と国民経済     イ   食品流通とフードシステム
(2)    食品流通の構造と機能
  ア   食品流通の社会的機能   イ   食品流通の構造
  ウ   流通経費と価格形成   エ   食品流通と環境問題
(3)    主な食品の流通    
  ア   米と麦類の流通   イ   青果物の流通
  ウ   畜産物の流通   エ   加工食品の流通
(4)    食品の品質と規格
  ア   食品の機能と安全性   イ   品質と品質保証
  ウ   規格,表示と検査   エ   食品流通と包装
  オ   食品の変質と環境条件    
(5)    食品の輸送と保管
  ア   食品の輸送   イ   食品の保管
  ウ   物流のシステム化   エ   物流と情報処理
(6)    マーケティング
  ア   食品市場の調査   イ   販売計画と仕入計画
  ウ  流通と販売の改善    

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   指導に当たっては,食品流通の具体的な事例を通して,流通の仕組みについて理解を深めさせるよう留意すること。
   内容の(2)及び(3)については,調査や実習を通して,食品の特性と流通構造を理解させ,流通の改善を図る実践力を育てるよう留意すること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,食品産業の国民経済における役割と食料の供給において食品流通が果たす役割を中心に扱うこと。
   内容の(3)については,我が国の主な食品の商品特性及び流通の手段,経路と機能を扱うこと。なお,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な食品を選定すること。
   内容の(4)については,食品の栄養や安全性などの品質の保持と保証,そのための検査,包装及び環境条件の整備を扱うこと。なお,食品の規格や表示については,羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
   内容の(5)については,食品の品質の維持と効率化を図る輸送と保管の技術及びそれを支える物流のシステムについて基本的な内容を扱うこと。
   内容の(6)については,マーケティングの原理,食品市場の調査と情報分析,消費動向,品揃(ぞろ)えと数量などの仕入れ計画及び商品陳列,広告,販売方法などの販売計画について基本的な内容を扱うこと。

第20    森林科学

1    目標
   森林の育成,保全と利用に必要な知識と技術を習得させ,森林生態系と林木の生育特性を理解させるとともに,森林を総合的に利用する能力と態度を育てる。

2    内容
(1)    森林と育林
  ア   森林の役割     イ   育林の意義
(2)    森林の生態と分布
  ア   森林生態系   イ   森林の分布
(3)    林木の生育と環境    
  ア   主な樹種の性状   イ   林木の生育特性
  ウ   林木の生育と環境要因    
(4)    育苗と造林
  ア   林木の育苗と育種   イ   苗畑の管理
  ウ   人工更新と天然更新   エ   主な林木の造林法
(5)    森林の保育と山地の保全
  ア   林木と林地の保育   イ   森林の保護
  ウ   治山   エ   林道
(6)    木材の利用
  ア   林木の伐採   イ   造材と集材
  ウ   木材の運搬    
(7)    森林の総合的利用    
  ア   森林の総合的利用の展開   イ   持続可能な森林経営

3    内容の取扱い
(1)    内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   指導に当たっては,学校林や地域の森林における実習を通して,森林の生態系及び林業の意義と役割について具体的に理解を深めさせるよう留意すること。
   内容の(3)から(5)までについては,観察や実験・実習を通して,林木の生育特性と環境要因を理解させ,長期の森林造成を図る計画的な実践力を育てるよう留意すること。
   内容の(3)から(6)までについては,我が国の森林・林業の状況,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な林木を選定すること。
(2)    内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)については,我が国の森林を中心に扱い,有機物の蓄積をはじめとする森林の機能を維持するための育林の意義を扱うこと。
   内容の(2)については,森林生態系での物質循環と遷移及び森林植生の分布と気候の関係について基本的な内容を扱うこと。
   内容の(3)については,我が国の有用林木の細胞組織などの性状,耐陰性などの生育特性及び環境要因が林木の生育に及ぼす影響を扱うが,樹種の性状については詳細に深入りしないこと。
   内容の(4)については,実生苗や挿し木苗の養成及び造林の基本的な内容を扱い,人工更新については詳細に深入りしないこと。
   内容の(5)については,人工林の維持増進,林木と林地の保育作業,森林の災害からの保護及び治山と林道について基本的な内容を扱うこと。
   内容の(7)については,生産機能や環境保全機能などの森林の多様な機能の総合的な利用と生物の多様性の保全などを図る持続可能な森林経営の概要を扱うこと。