戻る

その他出版物

 1989/3 
小学校学習指導要領 (平成元年3月) 

      
 <この小学校学習指導要領は、図表・記号等を省略した概要版です。>

学校教育法施行規則(抄)

第2章  小学校

第2節  教科

第24条 小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭及び体育の各教科(以下本節中「各教科」という。)、道徳並びに特別活動によって編成するものとする。
2)  私立の小学校の教育課程を編成する場合は、前項の規定にかかわらず、宗教を加えることができる。この場合において、宗教をもって前項の道徳に代えることができる。

第24条の2 小学校の各学年における各教科、道徳及び特別活動のそれぞれの授業時数及び各学年におけるこれらの総授業時数は、別表第1に定める授業時数を標準とする。

第25条 小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。

第25条の2 小学校の第1学年及び第2学年においては、一部の各教科について、これらを合わせて授業を行うことができる。

第26条 児童が心身の状況によって履修することが困難な各教科は、その児童の心身の状況に適合するように課さなければならない。

第26条の2 小学校の教育課程に関し、その改善に資する研究を行うため特に必要があり、かつ、児童の教育上適切な配慮がなされていると文部大臣が認める場合においては、文部大臣が別に定めるところにより、第24条第1項、第24条の2又は第25条の規定によらないことができる。


第6章  特殊教育

第73条の19 小学校又は中学校における特殊学級に係る教育課程については、特に必要がある場合には、第24条第1項、第24条の2及び第25条の規定並びに第53条第1項及び第2項、第54条及び第54条の2の規定にかかわらず、特別の教育課程によることができる。
2) 第73条の12第3項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第73条の12(第1項及び第2項  略)
3)  第1項の規定により特別の教育課程による場合においては、当該学校の設置者は、当該特別の教育課程を、市長村立の盲学校、聾学校及び養護学校にあっては都道府県の教育委員会に、私立の盲学校、聾学校及び養護学校にあっては都道府県知事に、あらかじめ届け出なければならない。

附則(平成元年3月27日文部省令第4号)(抄)

1  この省令は、平成2年4月1日から施行する。ただし、第54条及び別表第2の改正規定は平成3年4月1日から、第24条、第24条の2及び別表第1の改正規定は平成4年4月1日から、第53条の改正規定は平成5年4月1日から、別表第3の改正規定は平成6年4月1日から施行する。

2  平成2年4月1日から新令第24条の2、第54条、別表第1及び別表第2の規定が適用されるまでの間における第24条の2及び第54条の規定の適用については、これらの規定中「学級会活動、クラブ活動及び学級指導(学校給食に係るものを除く。)」とあるのは「学級活動(学校給食に係るものを除く。)及びクラブ活動」とする。

別表第1(第24条の2関係)

●備考
  1  この標準の授業時数の1単位時間は、45分とする。
  2  特別活動の授業時数は、小学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)及びクラブ活動に充てるものとする。
  3  第24条第2項の場合において、道徳のほかに宗教を加えるときは、宗教の授業時数もってこの表の道徳の授業時数の一部に代えることができる。(別表第2の場合においても同様とする。)

○文部省告示第24号
  学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第25条の規定に基づき、小学校学習指導要領(昭和52年文部省告示第155 号)の全部を次のように改正し、平成4年4月1日から施行する。ただし、平成2年4月1日から平成4年3月31日までの間における小学校学習指導要領の必要な特例については、別に定める。
  平成元年3月15日
  文部大臣  西岡  武夫


小学校学習指導要領

目次

第1章  総則
第2章  各教科
    第1節  国語
    第2節  社会
    第3節  算数
    第4節  理科
    第5節  生活
    第6節  音楽
    第7節  図画工作
    第8節  家庭
    第9節  体育
第3章  道徳
第4章  特別活動

第1章  総則

第1  教育課程編成の一般方針

1  各学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い、児童の人間として調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態及び児童の心身の発達段階や特性を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとする。
  学校の教育活動を進めるに当たっては、自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図るとともに、基礎的・基本的な内容の指導を徹底し、個性を生かす教育の充実に努めなければならない。

2  学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行うものとし、道徳の時間はもとより、各教科及び特別活動においても、それぞれの特質に応じて適切な指導を行わなければならない。
  道徳教育を進めるに当たっては、教師と児童及び児童相互の人間関係を深めるとともに、豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。また、家庭や地域社会との連携を図り、日常生活における基本的な生活習慣や望ましい人間関係の育成などにかかわる道徳的実践が促されるよう配慮しなければならない。

3  学校における体育に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に、体力の向上及び健康の保持増進に関する指導については、体育科の時間はもとより、特別活動などにおいても十分行うよう努めることとし、それらの指導を通して、日常生活における適切な体育的活動の実践が促されるとともに、生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。

第2  内容等の取扱いに関する共通的事項
1  第2章以下に示す各教科、道徳及び特別活動(以下「各教科等」という。)の内容に関する事項は、特に示す場合を除き、いずれの学校においても取り扱わなければならない。
  学校において特に必要がある場合には、第2章以下に示していない内容を加えても差し支えないが、その場合には、第2章以下に示す各教科等及び各学年の目標や内容の趣旨を逸脱したり、児童の負担過重となったりすることのないようにしなければならない。

2  第2章以下に示す各教科等の学年別の内容に掲げる事項の順序は、特に示す場合を除き、指導の順序を示すものではないので、学校においては、その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。

3  学校において2以上の学年の児童で編制する学級について特に必要がある場合には、各教科及び道徳の目標の達成に支障のない範囲内で、各教科及び道徳の目標及び内容について学年別の順序によらないことができる。

4  学年の目標を2学年まとめて示した教科については、学校において教育効果を高めるために必要がある場合には、当該学年間において、当該教科の内容につついて学年別の順序によらないことができる。

第3  授業持数等の取扱い
1  各教科等(特別活動については、学級活動(学校給食に係るものを除く。)及びクラブ活動に限る。3において同じ。)の授業は、年間35週(第1学年については34週)以上にわたって行うよう計画し、週当たりの授業時数が児童の負担過重とならないようにするものとする。なお、給食、休憩などの時間については、学校において工夫を加え、適切に定めるものとする。

2  特別活動のうち、児童会活動及び学校行事の授業については、それらの内容に応じ、年間、学期ごと、月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。

3  各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は、45分を常例とし、学校や児童の実態に即して適切に定めるものとする。なお、各教科等の特質に応じ、指導方法の工夫によって教育効果を高めることができる場合には、各教科等の年間授業時数を確保しつつ、適切な計画の下に授業の1単位時間を弾力的に運用することができる。

第4  指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
1  学校においては、次の事項に配慮しながら、学校の創意工夫を生かし、全体として調和とれた具体的な指導計画を作成するものとする。
(1)  各教科等及び各学年相互間の関連を図り、系統的、発展的な指導ができるようにすること。
(2)  学年の目標を2学年まとめて示した教科については、当該学年間を見通して地域や学校及び児童の実態に応じた効果的な指導ができるようにすること。
(3)  各教科の各学年の指導内容については、そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるとともに、教材等の精選を図り、効果的な指導ができるようにすること。
(4)  低学年においては、児童の実態等を考慮し、合科的な指導が十分できるようにすること。

2  以上のほか、次の事項に配慮するものとする。
(1)  学校生活全体を通して、言語に対する意識や関心を高め、言語環境を整え、児童の言語活動が適正に行われるよう努めること。
(2)  各教科等の指導に当たっては、体験的な活動を重視するとともに、児童の興味や関心を生かし、自主的、自発的な学習が促されるよう工夫すること。
(3)  教師と児童及び児童相互の好ましい人間関係を育てるとともに児童理解を深め、生徒指導の充実を図ること。
(4)  各教科等の指導に当たっては、学習内容を確実に身に付けることができるよう、児童の実態等に応じ、個に応じた指導など指導方法の工夫改善に努めること。
(5)  学校の実態等に応じ、教師の特性を生かしたり、教師の協力的な指導を行ったりするなど指導体制の工夫改善に努めること。
(6)  心身に障害のある児童などについては、児童の実態に即した適切な指導を行うこと。
(7)  海外から帰国した児童などについては、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと。
(8)  視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図るとともに、学校図書館を計画的に利用しその機能の活用に努めること。
(9)  指導の過程や成果を評価し、指導の改善を行うとともに、学習意欲の向上に生かすよう努めること。
(10)  地域や学校の実態等に応じ、家庭や地域社会との連携を深めるとともに、学校相互の連携や交流を図ることにも努めること。

第2章  各教科

第1節  国語

第1  目標
  国語を正確に理解し適切に表現する能力を育てるとともに、思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。
第2  各学年の目標及び内容

〔第1学年〕

1  目標
(1)  経験した事などが分かるように、順序を考えて話したり、文と文とを続けて簡単な文章を書いたりすることができるようにするとともに、進んで表現しようとする態度を育てる。
(2)  粗筋をつかみながら話を聞いたり、書かれている事柄の大体を理解しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、易しい読み物を楽しんで読もうとする態度を育てる。

2  内容
  A  表現
(1)  国語による表現力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  尋ねられた事に答えたり、自分から進んで話したりすること。
イ  経験した事の順序を考えて話すこと。
ウ  書くための事柄を考えたり、見付けたりすること。
エ  見聞した事、経験した事などについて順序をたどって簡単な文章を書くこと。
オ  事柄を考えながら、語と語とを続けて簡単な文を作ったり、文と文とを続けて簡単な文章を書いたりすること。
カ  自分の書いた文や文章を読み返す習慣をつけるとともに、間違いなどに注意すること。
キ  正しく視写したり聴写したりすること。
  B  理解
(1)  国語による理解力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  話し手を見ながら聞き、内容を聞き取ること。
イ  話の内容の大体を聞き取ること。
ウ  話や文としてのまとまりを考えながら音読すること。
エ  文章の内容の大体を読み取ること。
オ  場面の様子を想像しながら読むこと。

〔言語事項〕
(1)  国語による表現力及び理解力の基礎を養うため、「A表現」及び「B理解」の指導を通して、次の言語に関する事項について指導する。
ア  発音及び発声に関する事項
(ア)  はっきりした発音で話すこと。
(イ)  姿勢、口形などに注意して発声すること。
(ウ)  声の大きさに気を付けて話すこと。
イ  文字に関する事項
(ア)  平仮名を読み、また、書くこと。
(イ)  片仮名の大体を読み、また、書くとともに、片仮名で書く語に注意すること。
(ウ)  別表の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)の第1学年に配当されている漢字を主として、それらの漢字を読みその大体を書くこと。
(エ)  学習した漢字を文の中で適切に使うようにすること。
ウ  表記に関する事項
(ア)  長音、拗音、促音、撥音などの表記ができ、また、助詞の「は」、「へ」及び「を」を文の中で正しく使うようにすること。
(イ)  句点を打ち、また、読点の打ち方に注意すること。
(ウ)  かぎ(「」)の使い方に注意すること。
エ  語句に関する事項
(ア)  身近な物の名や事象などを表す語句について関心をもつこと。
(イ)  一つ一つの語句の意味や使い方について関心をもつようにすること。
(ウ)  読み方や意味の不明な文字や語句に注意すること。
(エ)  言葉のリズムに親しむこと。
オ  文及び文章の構成に関する事項
(ア)  文の中における主語と述語との照応に注意すること。
カ  言葉遣いに関する事項
(ア)  敬体の文章になじむこと。
(イ)  丁寧な言葉と普通の言葉のあることに注意して話すようにすること。

(2)  文字に関する事項の指導のうち、書写ついては、次の事項を指導する。
ア  書写に関する事項
(ア)  姿勢や用具の持ち方を正しくして書くこと。
(イ)  文字の形に注意して、筆順に従って丁寧に書くこと。
(ウ)  点画の長短、方向などに注意して、文字を正しく書くこと。

〔第2学年〕
1  目標
(1)  事柄の順序がはっきりするように、整理して話したり、語や文の続き方に注意して文章を書いたりすることができるようにするとともに、正しく表現しようとする態度を育てる。
(2)  事柄の順序を考えながら話を聞いたり、事柄の順序や場面の様子の移り変わりなどに注意しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、易しい読み物を進んで読もうとする意欲を高める。

2  内容
  A  表現
(1)  国語による表現力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  相手の話の内容を受けて話したり、自分から進んで話したりすること。
イ  事柄の順序を考え整理して話すこと。
ウ  書こうとする題材について必要な事柄を集めること。
エ  見聞した事、経験した事などについて順序を整理して文章を書くこと。
オ  事柄の順序を考えながら、語と語や文と文との続き方に注意して文章を書くこと。
カ  自分の書いた文章を読み返して、間違いなどを正そうとする習慣をつけること。
キ  正しく視写したり聴写したりすること。
  B  理解
(1)  国語による理解力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  話を最後まで聞き、内容を正しく聞き取ること。
イ  話の順序を考えながら、内容を聞き取ること。
ウ  文章の内容を考えながら音読すること。
エ  時間的な順序、場面の移り変わり、事柄の順序などを考えながら読み取ること。
オ  文章の叙述に即して内容を正しく読み取ろうとすること。
カ  人物の気持ちや場面の様子を想像しながら読むこと。

〔言語事項〕
(1)  国語による表現力及び理解力の基礎を養うため、「A表現」及び「B理解」の指導を通して、次の言語に関する事項について指導する。
ア  発音及び発声に関する事項
(ア)  発音に注意して、はっきりと話すこと。
(イ)  姿勢、口形などに注意して発声すること。
(ウ)  声の大きさや速さに気を付けて話すこと。
イ  文字に関する事項
(ア)  片仮名を読み、また、書くとともに、文や文章の中での片仮名の使い方を理解すること。
(イ)  学年別漢字配当表の第1学年及び第2学年に配当されている漢字を主として、それらの漢字を読みその大体を書くこと。
(エ)  学習した漢字を文の中で進んで使うようにすること。
ウ  表記に関する事項
(ア)  助詞の「は」、「へ」及び「を」を文の中で正しく使い、その他の仮名遣いにも注意すること。
(イ)  句点を打ちながら文章を書き、また、読点の打ち方に注意すること。
(ウ)  かぎ(「」)の使い方を理解し、文章の中で適切に使うこと。
エ  語句に関する事項
(ア)  身近な事物とのかかわりから、反対や対照的な関係の意味を表す語句などに気付くこと。
(イ)  語句の性質や役割に関心をもつこと。
(ウ)  言葉の響きに関心をもつこと。
オ  文及び文章の構成に関する事項
(ア)  文の中における主語と述語との関係及び修飾と被修飾との関係に注意すること。
(イ)  文や文章の中における指示語や接続語の役割と使い方に気付くこと。
カ  言葉遣いに関する事項
(ア)  敬体の文章に慣れること。
(イ)  丁寧な言葉と普通の言葉の使い方の違いを理解すること。

(2)  文字に関する事項の指導のうち、書写ついては、次の事項を指導する。
ア  書写に関する事項
(ア)  姿勢や用具の持ち方を正しくして書くこと。
(イ)  文字の形に注意して、筆順に従って丁寧に書くこと。
(ウ)  点画の接し方、交わり方、方向などに注意して、文字を正しく書くこと。

〔第3学年〕
1  目標
(1)  表現する内容の要点が分かるように、区切りを考えて話したり、事柄ごとにまとまりのある簡単な構成の文章を書いたりすることができるようにするとともに、分かりやすく表現しようとする態度を育てる。
(2)  内容の要点を押さえながら話を聞いたり、内容の要点を正しく理解しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、いろいろな読み物を読もうとする態度を育てる。

2  内容
  A  表現
(1)  国語による表現力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  相手の話の内容を受けて話題に合わせて話すこと。
イ  話の要点が分かるように、区切りを考えて話すこと。
ウ  文章に書く必要のある事柄を選び整理してから書くこと。
エ  事柄ごとの区切りや中心を考えてから文章を書くこと。
オ  事柄と事柄の続き方を考えながら、語と語や文と文との続き方に注意して文章を書くこと。
カ  書こうとするものをよく観察してから書くこと。
キ  自分の書いた文章を読み返して、間違いなどを正すこと。
ク  聞いたり読んだりした内容から素材を見付け、その素材を使って表現してみること。
ケ  正しく視写したり聴写したりして、いろいろな書き表し方があることに気付くこと。
  B  理解
(1)  国語による理解力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  分からないところは聞き返して、話の内容を正確に聞き取ること。
イ  話の要点を聞き取り、自分の立場からまとめてみること。
ウ  文章の内容が表されるように工夫して音読すること。
エ  文章の要点を正しく理解しながら、内容を読み取ること。
オ  文章の叙述に即して内容を正しく読み取ること。
カ  人物の性格や場面の情景を想像しながら読むこと。
キ  聞いたり読んだりした内容について、感想をまとめたり自分ならどうするかなどについて考えたりすること。
ク  自分の立場から大事だと思うことを落とさないで文章を読むこと。

〔言語事項〕
(1)  国語による表現力及び理解力の基礎を養うため、「A表現」及び「B理解」の指導を通して、次の言語に関する事項について指導する。
ア  発音及び発声に関する事項
(ア)  発音のなまりや癖を直すようにして話すこと。
(イ)  その場合の状況に応じて適切な声の大きさや速さを考えて話すこと。
イ  文字に関する事項
(ア)  片仮名で書く語の種類を知り、文や文章の中で適切に使うこと。
(イ)  学年別漢字配当表の第1学年から第3学年までに配当されている漢字を主として、それらの漢字を読みその大体を書くこと。
(ウ)  学習した漢字を文章の中で正しく使うようにすること。
(エ)  漢字のへん、つくりなどの構成についての初歩的な知識をもつこと。
ウ  表記に関する事項
(ア)  送り仮名に注意して書き、また、活用について気付くこと。
(イ)  読点の役割を理解し、必要な箇所に読点を打ちながら文章を書くこと。
(ウ)  かぎ(「」)を適切に使うとともに、その他の主な符号についても使い方を理解すること。
エ  語句に関する事項
(ア)  人の活動や社会の事象などを表す語句を増し、その使い方の範囲を広げること。
(イ)  語句には性質や役割の上で類別があることに気付くこと。
オ  文及び文章の構成に関する事項
(ア)  文の中における主語と述語との関係及び修飾と被修飾との関係を理解すること。
(イ)  文や文章の中における指示語や接続語の役割と使い方に注意すること。
カ  言葉遣いに関する事項
(ア)  文章の敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。
(イ)  相手やその場合の状況に応じて丁寧な言葉を使うようにすること。

(2)  文字に関する事項の指導のうち、書写ついては、次の事項を指導する。
ア  書写に関する事項
(ア)  姿勢や用具の持ち方に注意して、筆順に従って文字を正しく書くこと。
(イ)  文字の組立て方に注意して、文字の形を整えて書くこと。
(ウ)  毛筆を使用して、点画の始筆、送筆(折れ、曲がりなど)、終筆(とめ、はね及びはらい)などの筆使いに注意しながら、文字を丁寧に書くこと。
(エ)  毛筆を使用して、点画の長短、方向などに注意しながら、文字を正しく書くこと。

〔第4学年〕
1  目標
(1)  表現する内容の中心が分かるように、筋道を立てて話したり、段落相互の関係などを考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、内容を整理しながら表現しようとする態度を育てる。
(2)  内容の要点や中心点を正確に押さえながら話を聞いたり、段落相互の関係を考えて中心点を正確に把握しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、読書の範囲を広げるようにする。

2  内容
A  表現
(1)  国語による表現力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  相手や場に応じて内容の軽重を考えて話すこと。
イ  話の中心点が分かるように、筋道を立てて話すこと。
ウ  自分の考えをはっきりさせたりまとめたりしてから表現すること。
エ  書く必要のある事柄の順序や軽重を考え、整理してから書くようにすること。
オ  書こうとする事の中心点が明確になる書き方を考えて文章を書くこと。
カ  段落を考えて書き、また、段落と段落との続き方にも注意して文章を整えて書くこと。
キ  事象を客観的に文章に書き表すこと。
ク  自分の書いた文章を読み返して間違いなどを正し、分かりやすい文章に直すこと。
ケ  聞いたり読んだりした内容から素材を見付け、その表現の仕方を参考にして自分の表現に生かすこと。
B  理解
(1)  国語による理解力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  話の要点や中心点を書きとめながら話の内容を正確に聞き取ること。
イ  話の中心点を聞き取り、自分の感想をまとめてみること。
ウ  事柄の意味、場面の様子、人物の気持ちの変化などが、聞き手にもよく伝わるように音読すること。
エ  段落相互の関係を考えて、文章の中心的事柄を読み取ること。
オ  文章の叙述に即して内容を正しく読み取ること。
カ  人物の気持ちの変化や場面の移り変わりを想像しながら読むこと。
キ  聞いたり読んだりした内容に対して、一人一人の感じ方に違いのあることに気付くこと。
ク  読む目的に応じて大事な事柄をまとめたり、必要なところは細かい点に注意したりしながら文章を読むこと。
ケ  表現の優れている文章を視写して、理解を深めたり自分の表現にも役立てたりすること。

〔言語事項〕
(1)  国語による表現力及び理解力の基礎を養うため、「A表現」及び「B理解」の指導を通して、次の言語に関する事項について指導する。
ア  発音及び発声に関する事項
(ア)  なまりや癖のない正しい発音で話すこと。
(イ)  目的に応じた適切な音量や速さで話すこと。
イ  文字に関する事項
(ア)  学年別漢字配当表の第1学年から第4学年までに配当されている漢字を主として、それらの漢字を読みその大体を書くこと。
(イ)  学習した漢字を文章の中で正しく使うようにすること。
(ウ)  漢字の構成についての知識をもつこと。
(エ)  日常使われる簡単な単語について、ローマ字で表記されたものを読み、また、ローマ字で書くこと。
ウ  表記に関する事項
(ア)  送り仮名に注意して書き、また、活用についての意識をもつこと。
(イ)  句読点を適切に打ち、段落の初め、会話の部分などの必要な箇所は行を改めて書くこと。
エ  語句に関する事項
(ア)  語句には様々な意味があることを事象に基づいて理解し、また、語句の量を増すこと。
(イ)  語句の性質や役割について理解し、類別ごとの特質が分かること。
(ウ)  表現したり理解したりするために必要な文字や語句について、辞書を利用して調べる方法を理解すること。
オ  文及び文章の構成に関する事項
(ア)  文の構成について初歩的な理解をもつこと。
(イ)  文と文との意味のつながりを考えながら、指示語や接続語を適切に使うこと。
カ  言葉遣いに関する事項
(ア)  文章の敬体と常体との違いを理解すること。
(イ)  必要に応じて丁寧な言葉を正しく使うこと。
(ウ)  共通語と方言とでは違いがあることを理解し、また、必要に応じて共通語で話すようにすること。

(2)  文字に関する事項の指導のうち、書写ついては、次の事項を指導する。
ア  書写に関する事項
(ア)  文字の組立て方に注意して、文字の形を整えて書くこと。
(イ)  文字の大きさや配列に注意して読みやすく書くこと。
(ウ)  毛筆を使用して、点画の接し方、交わり方、方向などに注意しながら、文字を正しく書くこと。
(エ)  毛筆を使用して、文字の中心、画と画との間などに注意しながら、文字の形を整えて書くこと。

〔第5学年〕
1  目標
(1)  主題や要旨のはっきりした表現をするため、意図や根拠を明らかにして話したり、全体の構成を考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、相手や場面の状況を考えて表現しようとする態度を育てる。
(2)  話し手の意図をつかみながら聞いたり、主題や要旨を理解しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、読書を通して考えを深めるようにすること。

2  内容
  A  表現
(1)  国語による表現力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  相手や場に応じて適切な言葉を使い、それらの状況を考えて話すこと。
イ  意図をはっきりさせて根拠を明らかにしながら話すこと。
ウ  聞き手にも内容が分かるように朗読すること。
エ  自分の考えを明確にし、表現することによって更に考えを確かにすること。
オ  主題や要旨を考えて事柄を選び、観点ごとに整理してから書くようにすること。
カ  主題や要旨が明確に表れるように、構成を考えて文章を書くこと。
キ  段落のはっきりした文章を書き、また、段落相互の関係を考えて文章を書くこと。
ク  事象と感想、意見などとを区別して文章に書き表そうとすること。
ケ  自分の書いた文章を読み返し、叙述の仕方について工夫すること。
コ  聞いたり読んだりした内容から素材を選び、構成や叙述などの優れている点を参考にして表現すること。
  B  理解
(1)  国語による理解を育てるため、次の事項について指導する。
ア  細かい点にも注意して話の内容を正確に聞き取ること。
イ  話し手の意図を理解し、自分の感想や意見をまとめること。
ウ  文章の主題や要旨を考えながら内容を読み取ること。
エ  文章の叙述に即して、細かい点にまで注意しながら内容を正確に読み取ること。
オ  人物の気持ちや場面の情景の叙述や描写を味わいながら読むこと。
カ  話し手や書き手のものの見方、考え方、感じ方などについて理解すること。
キ  必要な事柄を調べるため、また、必要な情報を得るため、文章を読むこと。
ク  聞いたり読んだりした内容について、自分の立場から再構成して表現するようにすること。
ケ  表現の優れている文章を視写して、理解や鑑賞を深めたり自分の表現にも役立てたりすること。

〔言語事項〕
(1)  国語による表現力及び理解力の基礎を養うため、「A表現」及び「B理解」の指導を通して、次の言語に関する事項について指導する。
ア  発音及び発声に関する事項
(ア)  正しい発音で話すこと。
(イ)  言葉の抑揚、強弱などに注意して話すこと。
イ  文字に関する事項
(ア)  学年別漢字配当表の第1学年から第5学年までに配当されている漢字を主として、それらの漢字を読みその大体を書くこと。
(イ)  文章の中で漢字が果たしている役割を理解して、知っている漢字を文章の中で適切に使うようにすること。
(ウ)  漢字の由来、特質などについての初歩的な知識をもつこと。
ウ  表記に関する事項
(ア)  送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。
(イ)  句読点の打ち方、改行の仕方などを適切にして文章を書くこと。
エ  語句に関する事項
(ア)  語句の組立て方を理解すること。
(イ)  語句に関する類別の理解を深めること。
(ウ)  表現したり理解したりするために必要な語句について、辞書を利用して調べること。
(エ)  語感、言葉の使い方に対する感覚などについて関心をもつこと。
オ  文語調の文章に関する事項
(ア)  易しい文語調の文章を読んで、文語の調子に親しむこと。
カ  文及び文章の構成に関する事項
(ア)  文の中で語句の係り方や照応の仕方を理解して、いろいろな文の構成があることを理解すること。
(イ)  文と文との意味のつながりを考えながら、指示語や接続語を的確に使うこと。
カ  言葉遣いに関する事項
(ア)  敬体と常体とを使い分けて文章を書くこと。
(イ)  日常よく使われる敬語を正しく使うこと。
(ウ)  必要な場合には、共通語で話すこと。

(2)  文字に関する事項の指導のうち、書写ついては、次の事項を指導する。
ア  書写に関する事項
(ア)  書かれた文字の形、大きさ、配列などのよしあしを見分け、文字を書くときに役立てること。
(イ)  毛筆を使用して、文字の組立て方に注意しながら、文字の形を整えて書くこと。
(ウ)  毛筆を使用して、文字の大きさなどに注意しながら、字配りよく書くこと。

〔第6学年〕
1  目標
(1)  目的や意図に応じた表現をするため、全体を見通して適切に話したり、組立ての効果を考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、適切で効果的な表現をしようとする態度を育てる。
(2)  目的に応じて効果的に話を聞いたり、目的や文章の種類などに応じて正確な読み方で文章を読んだりすることができるようにするとともに、適切な読み物を選んで読む習慣をつける。

2  内容
  A  表現
(1)  国語による表現力を育てるため、次の事項について指導する。
ア  目的に応じて時間や話題の順序などを考え、計画的に話すこと。
イ  目的や意図に応じて適切に話すこと。
ウ  聞き手にも内容がよく味わえるように朗読すること。
エ  主題や意図をはっきりさせ、表現することによって更に自分の考えを深めること。
オ  目的に応じて必要な事柄を集め、全体を見通し整理してから書くようにすること。
カ  全体の構成を考え、目的に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすること。
キ  目的に応じて、文や文章の組立ての効果を考えたり、文章全体の流れを考えたりして書くこと。
ク  根拠となる事象と感想、意見などとを区別して文章に書き表すこと。
ケ  自分の書いた文章を読み返し、効果的な叙述の仕方について工夫すること。
コ  文章や話の内容、事柄などを要約したり敷衍したりして表現すること。
  B  理解
(1)  国語による理解を育てるため、次の事項について指導する。
ア  事象と感想、意見の関係を考えながら、話の内容を正確に聞き取ること。
イ  話の内容と自分の生活や意見とを比べながら聞くこと。
ウ  目的や文章の種類や形態などに応じて内容を読み取ること。
エ  文章の叙述に即して、細かい点にまで注意しながら内容を正確に読み取ること。
オ  事象を客観的に述べているところと、書き手の感想、意見を述べているところとの関係を押さえながら読むこと。
カ  優れた描写や叙述を味わいながら読むこと。
キ  話し手や書き手のものの見方、考え方、感じ方などについて、自分の考えをはっきりさせながら理解すること。
ク  目的に応じて、適切な本を読んだり、効果的な読み方を工夫したりすること。
ケ  聞いたり読んだりした内容について、目的に応じて再構成して表現すること。
ケ  表現の優れている文章を視写して、理解や鑑賞を深めたり自分の表現にも役立てたりすること。

〔言語事項〕
(1)  国語による表現力及び理解力の基礎を養うため、「A表現」及び「B理解」の指導を通して、次の言語に関する事項について指導する。
ア  発音及び発声に関する事項
(ア)  正しい発音で話すこと。
(イ)  言葉の抑揚、強弱などに注意して話すこと。
イ  文字に関する事項
(ア)  学年別漢字配当表の第1学年から第6学年までに配当されている漢字を主として、それらの漢字を読みその大体を書くこと。
(イ)  漢字仮名交じりの文である現代の文章の中で漢字が果たしている役割に対する理解を深め、知っている漢字を文章の中で適切に使うようにすること。
(ウ)  仮名及び漢字の由来、特質などについて理解すること。
ウ  表記に関する事項
(ア)  送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。
エ  語句に関する事項
(ア)  語の構成、変化などについての理解を深めること。
(イ)  語句の由来などに関心をもつこと。
(ウ)  主語と述語を結び付けたり、これらの語を助けたりする語句などの働きに気付くこと。
(エ)  表現したり理解したりするために必要な語句について、辞書を利用する習慣をつけること。
(エ)  語感、言葉の使い方に対する感覚などについての関心を深めること。
オ  文語調の文章に関する事項
(ア)  易しい文語調の文章を読んで、文語の調子に親しむこと。
カ  文及び文章の構成に関する事項
(ア)  文や文章にはいろいろな構成があることについて理解を深めること。
カ  言葉遣いに関する事項
(ア)  文章を書く目的に応じて敬体と常体とを使い分けて書くこと。
(イ)  日常よく使われる敬語の使い方に慣れること。
(ウ)  必要な場合には、共通語で話すこと。

(2)  文字に関する事項の指導のうち、書写ついては、次の事項を指導する。
ア  書写に関する事項
(ア)  文字の形、大きさ、配列などを理解して書くこと。
(イ)  毛筆を使用して、文字の組立て方を理解しながら、文字の形を整えて書くこと。
(ウ)  毛筆を使用して、文字の大きさなどに注意しながら、字配りよく書くこと。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  第2の各学年の内容の指導については、当該学年の目標を達成するために、話す、聞く、書く及び読む活動について学年の発達段階に応じた適切な言語活動を選び、また、それらを組み合わせて学習活動を組織すること。
(2)  第2の各学年の内容の指導については、必要に応じて、当該学年より前の学年において初歩的な形で取り上げたり、その後の学年で程度を高めて取り上げたりして、弾力的に指導することができるようにすること。
(3)  第2の各学年の内容の「A表現」及び「B理解」に示す事項については、それぞれが関連的に指導されるように考慮するとともに、表現力と理解力とが偏りなく養われるようにすること。
(4)  音声言語に関する指導については、文字言語の指導との関連を図るとともに、日常生活の中に話題を求め、意図的、計画的に指導する機会が得られるようにすること。その際、音声言語のための教材を開発したり活用したりするなどして、指導の効果を高めるよう工夫すること。
(5)  作文の指導については、文章による表現の基礎的な能力を養うことに重点を置くこと。また、作文を主とする指導については、第1学年から第4学年までは年間105   単位時間程度、第5学年及び第6学年では年間70単位時間程度を配当するようにするとともに、実際に文章を書く活動をなるべく多くしたり特に取り上げて指導したりすること。
(6)  読むことの指導については、読書意欲を高め、日常生活において読書活動を活発に行うことを促すようにするとともに、他の教科における読書の指導や学校図書館における指導との関連を考えて行うこと。なお、児童の読む図書については、人間形成のため幅広く偏りがないように配慮して選定すること。
(7)  個々の児童の特性を生かした指導を行い、主体的に表現し思考し想像する力を育てるようにすること。
(8)  低学年においては、自然や社会に関する指導との関連を図り、指導の効果を高めるようにすること。

2  言語に関する事項については、次のとおり取り扱うものとする。
(1)  音声、文字、文法的事項などのうち繰り返して学習させることが必要なものについては、特にそれだけを取り上げて学習させるよう工夫すること。
(2)  毛筆を使用する書写の指導は、第3学年以上の各学年で行い、硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導し、文字を正しく整えて書くことができるようにすること。また、毛筆を使用する書写の指導に配当する授業時数は、各学年年間35単位時間程度とすること。なお、硬筆についても、毛筆との関連を図りながら、特に取り上げて指導するよう配慮すること。
(3)  漢字の指導については、次のとおり取り扱うこと。
ア  学年ごとに配当されている漢字は、原則として当該学年で指導することとするが、必要に応じて1学年前の学年又は1学年後の学年において指導することもできること。
イ  当該学年より後の学年に配当されている漢字及びそれ以外の漢字を必要に応じて提示する場合は、振り仮名を付けるなど、児童の学習負担が過重にならないように十分配慮すること。
ウ  漢字の指導においては、学年別漢字配当表に示す漢字の字体を標準とすること。

3  教材は、児童の心身の発達段階に即して適切な話題や題材を精選して取り上げるものとする。その際には、表現力と理解力とを偏りなく養うことをねらいとしながら、次のような観点に配慮する必要がある。
(1)  国語に対する関心を高め、国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
(2)  思考力や想像力及び言語感覚を養うのに役立つこと。
(3)  公正かつ適切に判断する能力や態度を育てるのに役立つこと。
(4)  科学的、論理的な見方や考え方をする態度を育て、視野を広げるのに役立つこと。
(5)  生活を明るくし、強く正しく生きる意志を育てるのに役立つこと。
(6)  生命を尊重し、他人を思いやる心を育てるのに役立つこと。
(7)  自然を愛し、美しいものに感動する心を育てるのに役立つこと。
(8)  我が国の文化と伝統に対する理解と愛情を育てるのに役立つこと。
(9)  日本人としての自覚をもって国を愛し、国家、社会の発展を願う態度を育てるのに役立つこと。
(10)  世界の風土や文化などに理解をもち、国際協調の精神を養うのに役立つこと。

第2節  社会

第1  目標
  社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。
第2  各学年の目標及び内容

〔第3学年〕
1  目標
(1)  自分たちの生活は、地域にある公共施設の働きや地域の人々の協力によって支えられていることを理解できるようにし、地域社会の成員としての自覚を育てる。
(2)  地域の人々の生活は、自然環境と結び付いて営まれており、地域によって消費生活や生産活動に特色があることや人々の生活の様子は変化していることを理解できるようにし、地域社会を大切にする態度を育てる。
(3)  地域における社会的事象を具体的に観察し、地図その他の具体的資料を効果的に活用することができるようにするとともに、地域社会の社会的事象の特色を考えるようにする。

2  内容
(1)  自分たちの地域の人々が、公民館、図書館などの公共施設を利用している様子及び地域の清掃や交通安全などの活動に参加している様子を観察したり調べたりして、地域の人々は協力して生活の向上や住みよい環境づくりに努力していることに気付くようにするとともに、自分も地域社会の一員として協力できるようにする。
(2)  自分たちの市(区、町、村)の特徴ある地形、土地利用の様子や集落の分布、交通の様子などについて観察したり地図に表したりして、地域の人々の生活は自然環境と深い関係があることや場所によって人々の生活には違いがあることを理解できるようにする。
(3)  自分たちの市(区、町、村)を中心にした地域の商店や商店街の様子について調べて、地域の人々は品質や価格などを考えて購入していることや、商店や商店街などでは販売について工夫していることを理解できるようにするとともに、自分たちの地域は消費生活を通して広く国内の他地域などとかかわりがあることに気付くようにする。
(4)  自分たちの市(区、町、村)を中心とした地域の重要な生産活動は、自然環境を生かしながら営まれていること及び原料の入手や生産品の販売などの面で工夫がなされていることについて調べて、地域の生産活動の特色と工夫について理解できるようにするとともに、自分たちの地域は生産活動を通して広く国内の他地域などとかかわりがあることに気付くようにする。
(5)  自分たちの市(区、町、村)を中心にした地域の人々の生活について、家屋や道具、交通などの移り変わりを中心に調べたりそれを年表にまとめたりして、地域の人々の生活は、およそ100   年くらいの間に大きく変わってきたことを理解できるようにするとともに、地域の文化財や年中行事に関心をもち、人々の願いについて考えることができるようにする。

3  内容の取扱い
(1)  内容の(1)については、生活科との関連を考慮して、自分と地域の人々や地域社会とのかかわりについて考えさせるよう配慮する必要がある。
(2)  内容の(3)については、地域の消費生活の特色を消費者の立場から考えさせるよう配慮する必要がある。
(3)  内容の(3)及び(4)については、地域の生活が国内の他地域だけではなく、外国ともかかわりがあることに気付かせるよう配慮するものとする。その際、児童に無理のない取扱いをする必要がある。

〔第4学年〕
1  目標
(1)地域社会における人々の健康や安全を守るための諸活動、地域の地形や産業などの様子及び地域の発展に貢献した先人の働きを理解できるようにし、地域社会の成員として地域社会の発展を願う態度を育てる。
(2)  自然環境としての国土の特色や自然条件からみて国内の特色ある地域における人々の生活の様子について理解できるようにし、広い視野から地域社会の生活を考える態度を育てる。
(3)  地域における社会的事象を具体的に観察し、地図や各種の資料を効果的に活用できるようにするとともに、社会的事象の特色や相互の関連などについて考えるようにする。

2  内容
(1)  地域の人々の生活にとって必要な飲料水、電気、ガスなどの確保及び廃棄物の処理についての対策や事業が計画的、協力的に進められていることを見学したり調べたりして、これらの対策や事業は地域の健康な生活の維持と向上に役立っていることを理解できるようにする。
(2)  地域社会において、火災、交通事故、盗難などの災害や事故から人々の安全を守るため、関係の諸機関が相互に連絡を取り合いながら緊急に対処刷る体制をとっていることを見学したり調べたりして、人々の安全を守るための関係機関の働きとそこに従事している人々の工夫や努力について理解できるようにする。
(3)  県(都、道、府)内における自分たちの市(区、町、村)の地理的位置を確認し、また、県(都、道、府)全体の地形や主な産業、都市や交通網などを調べたり白地図などに記入したりして、それらの特色について理解できるようにするとともに、県(都、道、府)内における人々の生活は国内の他地域や外国ともかかわりがあることに気付くようにする。
(4)  地域の文化や開発などに尽くした先人の具体的な事例を調べて、先人の働きや苦心を当時の人々の生活の様子や考え方、技術や道具などの面から理解できるようにするとともに、現在にあっても地域の人々の生活の向上と安定のためにいろいろな努力がなされていることに気付くようにする。
(5)  地図その他の資料を活用して国土の位置、地形、気候などの概要を調べて、それらの特色を理解できるようにするとともに、自然条件からみて国内の特色ある地域を取り上げ、人々が自然環境に適応しながら生活している様子に関心をもつようにする。

3  内容の取扱い
(1)  内容の(1)、(2)及び(4)については、取り上げる対象や事例を精選するよう配慮する必要がある。
(2)  内容の(5)の国土の位置の指導については、我が国の領土と近隣の諸国を取り上げるものとする。その際、我が国や諸外国には国旗があることを理解させるとともに、それを尊重する態度を育てるよう配慮する必要がある。

〔第5学年〕
1  目標
(1)  我が国の食料生産、工業生産の特色及び運輸、通信などの産業の様子やこれらの産業と国民生活との関連について理解できるようにし、我が国の産業の発展に関心をもつようにする。
(2)  我が国の国土の様子について理解できるようにし、環境の保全と資源の重要性について関心を深めるようにするとともに、国土に対する愛情を育てる。
(3)  地図、年表、統計などの基礎的資料を効果的に活用することができるようにするとともに、社会的事象の意味について考えるようにする。

2  内容
(1)  我が国の農業や水産業の現状に触れ、それらの産業に従事している人々が生産を高める工夫をしていることを理解できるようにするとともに、国民生活を支える食料生産の意味について考えることができるようにする。
ア  我が国の農業について、主な農産物とその分布、土地利用の特色などを地図や資料などで調べて、我が国の農業は自然環境と深いかかわりをもって営まれていることや国民の食料の確保の上で農産物の生産が大切であることなどを理解するとともに、農業の盛んな地域の具体的事例を調べて、農業に従事している人々の工夫や努力に気付くこと。
イ  我が国の水産業について、主な漁港や漁場、漁獲高などを地図や資料などで調べて、我が国の水産業の特色や国民の食生活の上で水産資源が大切であることなどを理解するとともに、水産業の盛んな地域の具体的事例を調べて、水産業に従事している人々の工夫や努力に気付くこと。
(2)  我が国の工業生産の現状に触れ、工業に従事している人々が生産を高める工夫をしていることを理解できるようにするとともに、国民生活を支える工業生産の意味について考えることができるようにする。
ア  我が国の工業について、工業地域の分布や各種の工業生産の特色などを地図や資料などで調べて、原料を輸入し製品を輸出している我が国の工業の特色や国民生活の上で工業生産が大切であることなどを理解するとともに、工業の盛んな地域の具体的事例を調べて、工業に従事している人々の工夫や努力に気付き、また、各種の公害から国民の健康や生活環境を守ることが大切であることを考えること。
イ  我が国の伝統的な技術を生かした工業について、それが盛んな地域や生産物を地図や資料などで調べて、原料や土地の条件、技術などを生かして生産していることを理解するとともに、伝統的な技術を生かした工業製品のもつ意味について考えること。
(3)  我が国の運輸、通信などの産業の現状に触れ、それに従事している人々の工夫や努力について理解できるようにするとともに、国民生活を支えるこれらの産業の意味について考えることができるようにする。
ア  我が国の陸上、海上、航空などの運輸業や主な貿易相手国との輸出入の品目などについて、地図や地球儀、資料などで調べて、我が国の運輸業の働きや貿易の特色について理解するとともに、これらの産業に従事している人々の工夫や努力に気付くこと。
イ  我が国の放送、新聞、電信電話などの産業について、見学したり資料で調べたりして、これらの産業は国民の日常生活と深いかかわりがあることや国民の生活に大きな影響を及ぼしていることを理解するとともに、これらの産業に従事している人々が工夫や努力をしていることやこれからの生活において情報の有効な活用が大切であることに気付くこと。
(4)  我が国の国土の様子について、土地利用、人口分布、資源の分布、交通網、自然災害などを地図や資料などで調べて、これらが国内各地の人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを理解できるようにするとともに、国土の保全や水資源の涵養などのために森林資源が大切であることに気付くようにする。

3  内容の取扱い
(1)  内容の(1)のアについては、農業の盛んな地域の具体的事例は、稲作のほか、野菜、果実、畜産物などの生産の中から一つを取り上げるものとする。
(2)  内容の(2)のアについては、工業の盛んな地域の具体的事例は、金属工業、機械工業、化学工業などの中から一つを取り上げるものとする。
(3)  内容の(3)のイについては、放送、新聞、電信電話などの中から一つを取り上げるものとする。
(4)  内容の(4)については、森林資源の育成や保護に従事している人々の工夫や努力及び環境保全のための国民一人一人の協力の必要性に気付かせるよう配慮する必要がある。

〔第6学年〕
1  目標
(1)  国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について関心と理解を深めるようにし、我が国の歴史や伝統を大切にする心情を育てる。
(2)  日常生活における政治の働きと我が国の政治の仕組みや考え方及び我が国と関係の深い国の様子や国際社会の中で占めている我が国の役割を理解できるようにし、世界の中の日本人としての自覚を育てる。
(3)  地図、年表などの各種の基礎的資料を効果的に活用することができるようにするとともに、社会的事象の意味をより広い視野から考えるようにする。

2  内容
(1)  我が国の歴史は、大和朝廷による国土統一が行われてから、政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付き、それぞれの時代の歴史上の主な事象について、人物の働きや代表的な文化遺産を中心に理解できるようにするとともに、我が国の歴史や先人の働きについて関心を深めるようにする。
ア  身近な地域や国土に残っている遺跡や文化財などを調べて、自分たちの生活の歴史的背景に関心をもつとともに、我が国の歴史を学ぶ意味について考えること。
イ  遺跡や遺物などを調べて、農耕が始まると人々の生活や社会の様子が変わったことや、大和朝廷による国土の統一の様子について理解すること。その際、神話・伝承を調べて、国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。
ウ  大陸文化の摂取や大化の改新、大仏造営などの様子について調べて、天皇を中心とした政治が確立していったことを理解すること。
エ  貴族を中心とした華やかな生活の様子や寝殿造りなどについて調べて、京都に都が置かれていたころの政治の様子や日本風の文化が起こったことを理解すること。
オ  源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いなどについて調べて、武士が勢力をもつに至ったころの様子について理解すること。
カ  京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画などについて調べて、そのころ新しい文化が生まれたことを理解すること。
キ  鉄砲やキリスト教の伝来、織田・豊臣の天下統一などについて調べて、戦国の世が統一されていくころの様子について理解すること。
ク  江戸幕府の始まり、大名行列や鎖国などについて調べて、身分制度が確立し、武士による政治が安定したことを理解すること。
ケ  歌舞伎や浮世絵、国学や蘭学などについて調べて、江戸時代の人々の暮らしの様子や新しい学問が起こったことを理解すること。
コ  黒船の来航、明治維新、文明開化などについて調べて、明治時代に入り廃藩置県や四民平等などの諸改革が行われ、欧米の文化を取り入れつつ我が国の近代化が進められたことを理解すること。
サ  大日本帝国憲法の発布、日清・日露の戦争、条約改正などについて調べて、国力が次第に充実し、国際的地位が向上したことを理解すること。
シ  日華事変、我が国にかかわる第二次世界大戦、日本国憲法の制定などについて調べて、戦後は民主的な国家として出発したことを理解すること。

(2)  政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていることに気付くようにするとともに、現在の我が国の民主政治が日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを理解できるようにする。
ア  身近な公共施設の建設や災害復旧の取組みなどについて調べて、そこには地方公共団体や国の政治の働きが反映していることを理解すること。
イ  選挙の様子や国会の働きなどを調べて、現在の政治は国民が選んだ代表者による議会政治によって成り立っていることを国民主権と関連付けて理解すること。
ウ  日本国憲法には国家の理想、天皇の地位、国民としての権利及び義務などの重要な事柄が定められていることを調べて、それらは国家や国民生活の基本であることを理解すること。

(3)  今日、我が国は経済や文化の交流などで世界の国々と深いつながりをもっていることを理解できるようにするとともに、平和を願う日本人として世界の国々と協調していくことが大切であることを自覚できるようにする。
ア  我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国があることを調べて、それらの国の人々の生活の様子などを理解し、他国と協調を図るためには正しい国際理解が必要であることを考えること。
イ  スポーツや文化などの国際交流、平和な国際社会の実現に努力している国際連合の働きについて調べて、世界平和の大切さと我が国が世界において重要な役割を果たしていることを理解すること。

3  内容の取扱い
(1)  内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア  児童の興味や関心を重視し、取り上げる人物や文化遺産を精選して具体的に理解させるとともに、歴史的事象を網羅的に取り上げることがないよう配慮する必要があること。
イ  イの神話・伝承については、古事記、日本書紀、風土記などの中から適切なものを取り上げること。
ウ  イからサまでについては、例えば、次に掲げる人物を取り上げて指導すること。
卑弥呼、聖徳太子、小野妹子、中大兄皇子、中臣鎌足、聖武天皇、行基、鑑真、藤原道長、紫式部、清少納言、平清盛、源頼朝、源義経、北条時宗、足利義満、足利義政、雪舟、ザビエル、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、徳川家光、近松門左衛門、歌川(安藤)広重、本居宣長、杉田玄白、伊能忠敬、ペリー、勝海舟、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、明治天皇、福沢諭吉、大隅重信、板垣退助、伊藤博文、陸奥宗光、東郷平八郎、小村寿太郎、野口英世
エ  シについては、取り上げる歴史的事象を精選するとともに、その指導に当たっては、児童の発達段階を考慮し社会的背景にいたずらに深入りしないよう配慮すること。

(2)  内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア  政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には、国民の祝日に関心をもち、その意義を考えさせるよう配慮すること。
イ  アについては、租税の役割についても取り上げるよう配慮すること。
ウ  イについては、政治の制度や機構に深入りすることのないよう配慮すること。
エ  ウの天皇については、日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げ、歴史に関する学習との関連も図りながら、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また、ウの国民としての権利及び義務については、参政権、納税の義務などを取り上げること。

(3)  内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア  アについては、数か国を取り上げること。
イ  ア及びイについては、観念的、抽象的な指導にならないように留意し、正しい国際理解と世界平和への努力が大切であることを理解させるよう配慮すること。また、我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるよう配慮すること。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、博物館や郷土資料館等の活用を図るとともに、身近な地域及び国土の遺跡や文化財などの観察や調査を行い、それに基づく表現活動が行われるよう配慮する必要がある。

2  第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)  各学年の指導については、児童の発達段階を考慮し社会的事象を公正に判断できるようにするとともに、個々の児童に社会的なものの見方や考え方が養われるようにすること。
(2)  第4学年以降においては、児童が教科用図書の地図を活用するようにすること。

第3節  算数

第1  目標
  数量や図形についての基礎的な知識と技能を身に付け、日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考える能力を育てるとともに、数理的な処理のよさが分かり、進んで生活に生かそうとする態度を育てる。
第2  各学年の目標及び内容

〔第1学年〕
1  目標
(1)  具体的な操作などの活動を通して、数の概念や表し方について理解し、簡単な場合について、加法及び減法を用いることができるようにする。
(2)  具体的な操作などの活動を通して、量の概念や測定についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
(3)  具体的な操作などの活動を通して、図形や空間についての理解の基礎となる経験を豊かにする。

2  内容
  A  数と計算
(1)  ものの個数、順序などを数を用いて正しく表すことができるようにするとともに、数の概念について理解できるようにする。
ア  対応などの操作によって、ものの個数を比べること。
イ  個数や順番を正しく数えたり表したりすること。
ウ  数の大小及び順序について知り、数の系列を作ったり、数直線の上に表したりすること。
エ  一つの数をほかの数の和や差としてみるなど、ほかの数と関係付けてみること。
オ  2位数について、その表し方と意味を理解すること。
(2)  数について加法及び減法ができることを理解し、それらを用いることができるようにする。
ア  加法及び減法が用いられる場合について知り、それらを式で表したり、その式をよんだりすること。
イ  1位数と1位数の加法及びその逆の減法の計算が確実にできること。
ウ  簡単な場合について、2位数についても加法及び減法ができることを知ること。
(3)  具体的な事物について、まとめて数えたり等分したりし、それを整理して表すことができるようにする。
  B  量と測定
(1)  大きさの比較などを通して、量の概念や測定についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
ア  長さ、広さ、かさなどの量を具体的な操作によって直接比べること。
イ  身近にあるものの大きさを単位として、その幾つ分かで大きさを比べること。
(2)  時刻をよむことができるようにする。
C  図形
(1)  ものの形についての観察や構成などの操作を通して、図形や空間についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
ア  ものの形を認めたり、形の特徴をとらえたりすること。
イ  いろいろな形を作ったり分解したりすること。
ウ  前後、左右、上下などの方向や位置に関する言葉を正しく用いて、ものの位置を言い表すこと。

〔用語・記号〕
一のくらい  十のくらい  +  −  =

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A数と計算」の(1)のオについては、簡単な3位数にも触れ、2位数についての理解を確実にするよう配慮する必要がある。
(2)  内容の「C図形」の(1)のアについては、ものの形の機能的な側面にも漸次着目させるよう配慮する必要がある。

〔第2学年〕
1  目標
(1)  具体的な操作などの活動を通して、数の概念や表し方についての理解を深めるようにする。また、加法、減法及び乗法について理解し、基礎的な計算ができるようにするとともに、それらを適切に用いることができるようにする。
(2)  具体的な操作などの活動を通して、長さやかさなどの量の概念や測定について漸次理解し、それらの測定ができるようにする。
(3)  図形を構成する要素に着目して、基本的な図形の概念について漸次理解できるようにする。

2  内容
A  数と計算
(1)  数の概念や表し方について理解し、数を用いる能力を伸ばす。
ア  同じ大きさの集まりにまとめて数えたり、分類して数えたりすること。
イ  4位数までについて、十進位取り記数法による数の表し方及び数の大小や順序について理解すること。
ウ  具体的な操作を通して、数を十を単位としてみたりた百を単位としてみたりするなど、数の相対的な大きさについて理解すること。
エ  一つの数をほかの数の積としてみるなど、ほかの数と関係付けてみること。
オ  簡単な事柄を分類整理し、それを数を用いて表すこと。
(2)  加法及び減法についての理解を深め、それらを用いる能力を伸ばす。
ア  加法と減法の相互関係について理解すること。
イ  2位数、3位数などの加法及び減法の計算が基本的な計算を基にしてできていることを理解すること。また、それらの筆算形式について知り用いること。
ウ  加法及び減法に関して成り立つ簡単な性質について知り、計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることに用いること。
(3)  乗法の意味について理解し、それを用いることができるようにする。
ア  乗法が用いられる場合について知り、それを式で表したり、その式をよんだりすること。
イ  乗法に関して成り立つ性質として、乗数が1ずつ増えるときの積の増え方や交換の法則などを知り、乗法九九を構成したり計算の確かめをしたりすることに用いること。
ウ  乗法九九について知り、1位数と1位数との乗法の計算が確実にできること。
(4)  数量の相等及び大小の関係を等号や不等号を用いて表すなど、事柄や関係を式を用いて簡潔に表したり、式をよんだりすることができるようにする。
B  量と測定
(1)  長さ、かさなどの量の概念について漸次理解し、簡単な場合について、それらの測定ができるようにする。
ア  長さやかさについて単位と測定の意味を理解すること。
イ  長さを測ることに用いる単位(ミリメートル(mm)、センチメートル(cm)及びメートル(m))について知ること。
ウ  かさを測ることに用いる単位(ミリリットル(ml)、デシリットル(dl)及びリットル(l))について知ること。
(2)  時間の概念について漸次理解し、それを用いることができるようにする。
  ア  日、時及び分について知り、それらの関係を理解すること。
C  図形
(1)  ものの形について具体的な操作を通して考察し、基本的な図形の概念について漸次理解できるようにする。
ア  箱の形をしたものを観察したり作ったりすることを通して、図形を構成する要素について知ること。
イ  図形を構成する要素に着目して、三角形、四角形などについて知ること。
ウ  正方形、長方形、直角三角形などについて知り、それらをかいたり作ったりすること。

〔用語・記号〕
たんい  直線  直角  ×  <  >

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A数と計算」の(1)のオについては、簡単な事柄を整理して表やグラフの形に表したり、それらをよんだりすることができるようにする必要がある。
(2)  内容の「A数と計算」の(2)のイについては、計算の結果の見積りに基づき、計算の仕方を考えたり、計算の確かめをしたりすることが漸次できるよう配慮する必要がある。
(3)  内容の「A数と計算」の(2)及び(4)については、必要な場合には、(  )や□を用いてもよい。
(4)  内容の「C図形」の(1)のウに関連して、正方形、長方形が身の回りで多く使われていることが分かるようにするとともに、敷き詰めるなどの操作的な活動を通して、平面の広がりについての理解の基礎となる経験を豊かにするよう配慮する必要がある。

〔第3学年〕
1  目標
(1)  数量を表すことに少数及び分数を用いることができるようにする。また、整数について乗法及び除法の意味を理解し、基礎的な計算ができるようにするとともに、それらの有用さが分かり、目的に応じて的確かつ能率的に用いることができるようにする。
(2)  重さ、時間などの概念について理解するとともに、長さなどの基本的な量について目的に応じて単位や計器を適切に選んで測定できるようにする。
(3)  基本的な図形についての理解を深め、図形を構成したり用いたりすることができるようにする。
(4)  資料を整理したり、式やグラフを用いたりすることができるようにし、それらの有用さが分かり、数量やその関係を表したり調べたりすることが漸次できるようにする。

2  内容
  A  数と計算
(1)  整数及びその表し方についての理解を深める。
ア  万の単位について知ること。
イ  10倍、100 倍、 などの大きさの数及びその表し方について知ること。
ウ  数の相対的な大きさについての理解を深めること。
(2)  整数の加法及び減法の計算が一層確実にできるようにし、それらを用いる能力を伸ばす。
ア  加法及び減法に関して成り立つ性質を、計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることなどに用いる。
(3)  乗法についての理解を深め、それを用いる能力を伸ばす。
ア  2位数や3位数に、1位数及び2位数をかける計算が乗法九九などを基にしていることを理解すること。また、その筆算形式について知り用いること。
イ  乗法に関して成り立つ性質として、乗数が1ずつ増減したときの積の変化や交換、結合の法則などについて知り、それらを計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることなどに用いること。
(4)  除法の意味について理解し、それを用いることができるようにする。
ア  除法が用いられる場合について知り、それを式で表したり、その式をよんだりすること。
イ  除法と乗法や減法との関係について理解し、立式や計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることに用いること。また、余りの意味について理解すること。
ウ  除数が1位数の場合の筆算形式について知り用いること。
(5)  簡単な場合において、小数及び分数について知り、それらを適切に用い、漸次それぞれのよさが分かるようにする。
ア  端数部分の大きさや等分してできる部分の大きさなどを表すのに小数や分数を用いること。また、小数や分数の表し方について知ること。
イ  小数及び分数についても加法及び減法ができることを知ること。
(6)  そろばんによる数の表し方について知り、そろばんを用いて簡単な加法及び減法の計算ができるようにする。
ア  そろばんによる数の表し方について知ること。
イ  加法及び減法の計算の仕方について知ること。

  B  量と測定
(1)  重さの概念について漸次理解し、それを測定することができるようにする。
ア  重さについて単位と測定の意味を理解すること。
イ  重さを測ることに用いる単位(グラム(g)及びキログラム(kg))について知ること。
(2)  長さなどを目的に応じて単位や計器を適切に選んで測定できるようにする。
ア  長さを測ることに用いる単位(キロメートル(km))について知ること。
イ  長さなどについて、およその見当をつけたり、適切な単位を用いて簡潔に表したりすること。
(3)  時間の概念についての理解を深め、簡単な場合について、必要な時刻や時間を計算によって求めることができるようにする。

C  図形
(1)  基本的な図形についての理解を深め、それを構成したり用いたりすることができるようにする。
ア  二等辺三角形、正三角形などについて知り、作図などを通してそれらの関係に漸次着目すること。
イ  基本的な図形と関連して角について知ること。
ウ  円について中心、直径及び半径を知ること。また、円に関連して球についても直径などを知ること。

D  数量関係
(1)  数量の関係を式で表したり、それをよんだりすることが漸次できるようにし、そのよさが分かるようにする。
ア  数量の関係を公式の形に表したり、それらをよんだりすること。
イ  数量を□などを用いて表したり、それに数を当てはめて調べたりすること。
(2)  資料を表やグラフで分かりやすく表したり、それらをよんだりすることができるようにする。
ア  日時、場所などの簡単な観点から分類したり、整理して表にまとめたりすること。
イ  棒グラフのよみ方及びかき方について知ること。

〔用語・記号〕
整数  数直線  小数点    の位  分子  分母  秒  等号  不等号  ÷

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A数と計算」の(2)、(3)及び(4)については、簡単な計算は暗算でできるよう配慮する必要がある。
(2)内容の「C図形」の(1)の基本的な図形については、定規、コンパスなどを用いて、図形をかいたり確かめたりする活動を重視するとともに、三角形や円などを基にして模様かくなどの具体的な活動を通して、図形のもつ美しさに関心をもたせるよう配慮する必要がある。
(3)  内容の「D数量関係」の(2)のグラフについては、最小目盛りが2、5又は20、50などに当たるものについても、漸次よむことができるよう配慮する必要がある。

〔第4学年〕
1  目標
(1)  整数、小数及び分数の表し方についての理解を深めるとともに、概数について理解し、目的に応じて用いることができるようにする。また、整数についての四則計算が確実にでき、それらを事象の考察に有効に用いることができるようにするとともに、小数及び分数について加法及び減法を用いることができるようにする。
(2)  面積の概念を理解し、簡単な図形について面積を求めることができるようにするとともに、角の大きさを測定することができるようにする。
(3)  図形を構成要素及びそれらの位置関係に着目して考察し、基本的な平面図形についての理解を深めるとともに、基本的な立体図形やものの位置の表し方について理解できるようにする。
(4)  数量やその関係を式やグラフを用いて表したり考察したりすることができるようにするとともに、目的に応じて依存関係を調べたり分類整理したりすることができるようにする。

2  内容
A  数と計算
(1)  整数が十進位取り記数法によって表されていることについての理解を一層深める。
ア  億、兆などの単位について知り、十進位取り記数法についてまとめること。
(2)  概数について理解し、目的に応じて用いることができるようにするとともに、そのよさが分かるようにする。
ア  概数が用いられる場合について知ること。
イ  四捨五入の意味について理解すること。
ウ  目的に応じて、計算の結果を概数で表したり、和、差を概数で見積ったりすること。
(3)  整数の乗法の計算が一層確実にできるようにし、それを用いる能力を伸ばす。
(4)  整数の除法についての理解を深め、それを用いる能力を伸ばす。
ア  除数が2位数の場合にも除法ができることを知り、その計算の仕方などについて理解すること。
イ  次の関係をまとめること。
(被除数)=(除数)×(商)+(余り)
ウ  除法に関して成り立つ性質として、除数、被除数に同じ数をかけても、同じ数で割っても商は変わらないことなどを知り、それを計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることに用いること。
(5)  小数の意味についての理解を深め、小数の計算ができるようにする。
ア  小数が整数と同じ仕組みで表されていることを知るとともに、数の相対的な大きさについての理解を深めること。
イ  小数の加法及び減法ができること。
ウ  乗数や除数が整数の場合の乗法及び除法ができること。
(6)  分数の意味についての理解を深め、簡単な場合について、分数の計算ができるようにする。
ア  分数の表し方やその意味についての理解を深めること。また、簡単な場合について、大きさの等しい分数があることに着目すること。
イ  同分母の分数の加法及び減法ができること。
(7)  四則の意味、四則に関して成り立つ性質などについての理解をまとめ、それらを適切に用いて実際の場において四則を適用したり、計算の確かめをしたりすることなどができるようにする。
ア  四則が用いられる場合と四則の相互関係についての理解をまとめること。
イ  計算の仕方が交換、結合、分配の法則などを基にしてできていることに着目すること。
(8)  そろばんを用いて、加法や減法の計算ができるようにする。

B  量と測定
(1)  面積の概念について理解し、簡単な場合について、面積を求めることができるようにする。
ア  面積について単位と測定の意味を理解すること。
イ  面積の単位(平方センチメートル(cm )、平方メートル(m  )、平方キメートル(km  )、アール(a)及びヘクタール(ha)について知ること。
ウ  正方形及び長方形の面積の求め方について知ること。
(2)  角の概念についての理解を深め、角の大きさを測定することができるようにする。
ア  角の大きさの単位(度(°))について知ること。
イ  半回転、1回転などの意味について理解すること。

C  図形
(1)  図形を観察したり構成したりすることを通して、基本的な平面図形についての理解を深めるとともに、図形を構成要素及びそれらの位置関係に着目して考察することができるようにする。
ア  直線の平行や垂直の関係について理解すること。
イ  平行四辺形、台形、ひし形などについて知ること。
ウ  四角形について、作図などを通してそれらの相互の関係に着目すること。
(2)  図形を観察したり、構成したり、分解したりすることを通して、基本的な立体図形についての理解し、空間について簡単な考察ができるようにする。
ア  立方体及び直方体につい理解すること。
イ  直方体に関連して、直線や平面の平行及び垂直の関係について理解すること。
ウ  ものの位置の表し方について理解できるようにする。

D  数量関係
(1)  伴って変わる二つの数量について、それらの関係を表したり調べたりすることが漸次できるようにする。
ア  簡単な場合について、対応させる数量を考えたり、値の組を表などに表したりして関係を調べること。
イ  変化の様子を折れ線グラフなどに表したり、それから変化の特徴をよみとったりすること。
(2)  数量の関係を式で簡潔に表したり、それをよんだりすることができるようにする。
ア  四則の混合した式や(  )を用いた式の意味について理解し、正く計算すること。
イ  公式についての考え方を理解し、公式を用いること。
ウ  数量を□、△などを用いて表し、その関係を式で表したり、□、△などに数を当てはめて調べたりすること。
(3)  目的に応じて資料を集め、分類整理したり、特徴を調べたりする能力を伸ばす。
ア  二つの事柄に関して起こる場合について調べること。
イ  資料の落ちや重なりについて検討すること。
ウ  資料を折れ線グラフなどに表したり、グラフから特徴や傾向を調べたりすること。

〔用語・記号〕
和  差  積  商  帯分数  真分数  仮分数  平行  垂直  対角線  平面

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A数と計算」の(3)及び(4)については、乗数や除数が3位数である場合の指導は、2位数までの考え方を基にして児童に考え出させるようにするとともに、複雑な計算を避けるものとする。
(2)  内容の「A数と計算」の(5)のウについては、整数を整数で割って商が小数になる場合も含めるものとする。
(3)内容の「C図形」の(2)については、適宜簡単な見取図や展開図をかくことができるようにし、立体図形を平面に表現することのよさが漸次分かるよう配慮する必要がある。

〔第5学年〕
1  目標
(1)  小数の乗法及び除法の意味について理解し、小数及び分数について計算できるようにするとともに、事象の考察に活用できるようにする。また、整数の概念についての理解を深めるようにする。
(2)  基本的な平面図形の面積を求めることができるようにするとともに、体積の概念について理解し、簡単な立体図形の体積を求めることができるようにする。また、速さの概念及び測定値について理解できるようにする。
(3)  合同の意味について理解し、基本的な図形を構成要素に着目して考察することができるようにする。
(4)  文字などを用いて式を簡潔に表したり、式の表す数量の関係を調べたりすることができるようにする。また、百分率や円グラフを用いるなど統計的な資料について考察することができるようにする。

2  内容
A  数と計算
(1)  整数についての理解を深める。
ア  整数は、観点を決めると奇数、偶数などに類別されることを知ること。
イ  約数、倍数などについて知ること。
(2)  整数及び小数について、記数法の立場からの理解を深め、それを計算などに有効に用いることができるようにする。
ア  10倍、100 倍、 、 などの大きさの数を小数点の位置を移してつくること。
(3)  小数の乗法及び除法の意味についての理解を深め、それらを用いる能力を伸ばす。
ア  乗数や除数が小数である場合も含めて、乗法及び除法の意味をまとめること。
イ  小数の乗法及び除法の計算の仕方について知ること。
ウ  小数の乗法及び除法についても、整数の場合と同じ関係や法則が成り立つことを理解すること。
(4)  分数の意味についての理解を深め、分数について計算する能力を伸ばす。
ア  整数及び小数を分数の形に直したり、分数を小数で表したりすること。
イ 一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできる分数は、元の分数と同じ大きさを表すことを理解すること。
ウ 分数の相等及び大小の調べ方をまとめること。
エ 異分母の分数の加法及び減法ができること。
オ 整数の除法の結果は、分数を用いると常に一つの数として表すことができることを知ること。
(5)  目的に応じて、積、商を概数で見積るなど概数を用いる能力を伸ばす。

B  量と測定
(1)  基本的な平面図形の面積が計算で求められることの理解を深め、面積を求める能力を伸ばす。
ア  三角形、平行四辺形、台形などの面積の求め方について知ること。
イ 多角形の面積を三角形などに分けて求めること。
ウ 円の面積について知ること。
(2)  体積の概念について理解し、簡単な場合について、体積を求めることができるようにする。
ア  体積について単位と測定の意味を理解すること。
イ  体積の単位(立方センチメートル(cm  )及び立法メートル(m  ))について知ること。
ウ  立方体及び直方体の体積の求め方について知ること。
エ  容積の意味について理解すること。
(3)  量の大きさの概測や測定値の意味についての理解を深める。
ア  図形の概形をとらえて、長さ、面積、体積などのおよその大きさを求めること。
イ  平均の意味について理解し、それを用いること。
(4)  異種の二つの量の割合としてとらえられる数量について、その比べ方や表し方を理解し、それを用いることができるようにする。
ア  単位量当たりの考えなどを用いること。
イ  速さの意味及び表し方について理解し、速さを計算によって求めること。

C  図形
(1)  図形を観察したり構成したりすることを通して、基本的な平面図形についての理解を一層深める。
ア  図形の合同及び頂点、辺、角などの対応について理解すること。
イ  図形の形や大きさが決まる要素に漸次着目すること。
ウ  基本的な図形の簡単な性質を見いだし、それを用いて図形を調べたり構成したりすること。
エ  円周率の意味について理解すること。
オ  円を基にして正多角形をかいたり、正多角形の基本的な性質を調べたりるすること。

D  数量関係
(1)  百分率の意味について理解し、それを用いることができるようにする。
(2)  簡単な式で表されている関係について、二つの数量の対応や変わり方に着目するなど、数量の関係の見方や調べ方についての理解を深める。
(3)  数量の関係や法則などを式で一層簡潔にかつ一般的に表したり、式をよんだりすることができるようにする。
ア  公式などの表している関係が、整数、小数などについても用いられることを知ること。
イ  数量を表す言葉や□、△などの代わりに、a、xなどの文字を用いることを知り、それらに数を当てはめて調べること。
(4)  目的に応じて資料を分類整理し、それを円グラフ、帯グラフなどを用いて表すことができるようにする。

〔用語・記号〕
約分  通分  最大公約数  最小公倍数  合同  おうぎ形  中心角  %

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A数と計算」の(1)のイについては、最大公約数及び最小公倍数を形式的に求めることに偏ることなく、具体的な場面に即して取り扱う程度とするよう配慮する必要がある。
(2)  内容の「B量と測定」の(1)のウ及び「C図形」の(1)のエについては、円周率としては3.14を用いるが、目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮する必要がある。
(3)  内容の「C図形」の(1)については、平面を合同な図形で敷き詰めるなどの操作的な活動を重視するよう配慮する必要がある。
(4)  内容の「D数量関係」の(1)については、歩合の意味について簡単に触れるものとする。
(5)  内容の「D数量関係」の(3)のイについては、文字を用いることは、a、xなどの文字の表す意味の理解に重点を置き、文字を用いた式に慣れさせる程度とする。

〔第6学年〕
1  目標
(1)  分数の乗法及び除法の意味について理解し、それらを用いることができるようにするとともに、乗法及び除法についての理解を深めるようにする。
(2)  基本的な立体図形の体積などを求めることができるようにする。また、計量の単位の仕組みについて知り、能率的に測定することができるようにする。
(3)  図形を対称性などに着目して考察し、基本的な図形についての理解を一層深めるようにする。
(4)  比例などの理解を通して関数の考えを深め、数量の関係を考察することに有効に用いることができるようにする。また、資料の分布を調べるなど、統計的に考察したり表現したりすることができるようにする。

2  内容
A  数と計算
(1)  分数の乗法及び除法の意味について理解し、それらを用いる能力を伸ばすとともに、乗法及び除法についての理解を深める。
ア  乗数や除数が整数や分数である場合も含めて、乗法及び除法の意味をまとめること。
イ  分数の乗法及び除法の計算の仕方について知ること。
ウ  逆数を用いて除法を乗法の計算としてみること。
エ  整数や小数の乗法や除法を分数の場合の計算にまとめること。また、乗法や除法に関する計算を一つの分数の形にまとめて表すこと。

B  量と測定
(1)  基本的な立体図形について、実験・実測などを通して体積などを求めることができるようにする。
ア  基本的な角柱及び円柱の体積と表面積の求め方について知ること。
イ  基本的な角錐及び円錐の体積の求め方について知ること。また、簡単な場合について、それらの表面積の求め方について知ること。
(2)  量の測定や単位についての理解を深め、測定の能力を一層伸ばす。
ア  比例関係などを用いて能率的に測定すること。
イ  メートル法及びその単位の仕組みについて理解し、それを測定に有効に用いること。

C  図形
(1)  平面図形についての理解を一層深める。
ア  線対称及び点対称の意味について理解するとともに、対称性に着目して基本的な図形を考察すること。
イ  図形の形や大きさについての理解をまとめ、簡単な縮図や拡大図をよんだりかいたりすること。
(2)  構成や分解などの操作を通して、基本的な立体図形についての理解を深める。
ア  基本的な角柱及び円柱について知ること。
イ  基本的な角錐及び円錐について知ること。

D  数量関係
(1)  比の意味について理解し、それを用いることができるようにする。
(2)  伴って変わる二つの数量について、それらの関係を考察する能力を伸ばす。
ア  比例の意味について理解すること。また、簡単な場合について、式やグラフを用いてその特徴を調べること。
イ  反比例の意味について理解すること。また、簡単な場合について、式を用いて表すこと。
ウ  比例関係に着目すると能率的に処理できる事象の多いことを知ること。
(3)  簡単な場合について資料の散らばりを調べるなど、統計的に考察したり表現したりする能力を伸ばす。
ア  度数分布を表す表やグラフについて知ること。
イ  一部の資料から求められる割合などによって全体についての傾向の分かることがあることを知ること。
ウ  表やグラフを目的に応じて適切に選んだり、便利なものを工夫して作ったりすること。
(4)  簡単な事柄について、起こり得る場合を順序よく整理して調べることが漸次できるようにする。

〔用語・記号〕
逆数  底面  側面  対称の軸  対称の中心  比の値  以上  未満  :

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A数と計算」の(1)については、公式などの表している関係が分数についても用いられることに触れるよう配慮する必要がある。
(2)  内容の「B量と測定」の(1)のイについては、取り上げる立体図形は展開図が簡単にかける程度のものとし、表面積を求める場合に取り上げる円錐は側面の展開図が半円、四分円になる程度のものとする。
(3)  内容の「B量と測定」の(2)のイについては、キロリットル(kl)、ミリグラム(mg)、トン(t) などの単位についても簡単に取り扱うものとする。
(4)  内容の「B量と測定」や「D数量関係」の指導については、a、xなどの文字を用いるよう配慮し、それらに慣れさせるようにする必要がある。
(5)  内容の「C図形」の(2)については、適宜見取図や展開図をよんだりかいたりすること、簡単な場合について、立面図又は平面図に当たるものをよんだりかいたりすることなどを取り扱うものとする。
(6)  内容の「D数量関係」の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア  アの比例のグラフについては、数量の連続的な変化、その変化する範囲などについて漸次着目できるよう配慮すること。
イ  イの反比例については、折れ線グラフを用いて二つの数量の変化の様子に触れる程度とすること。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)  第2の各学年の内容は、次の学年以降においても必要に応じて継続して指導すること。
(2)  第2の各学年の内容の各領域に示す事項には、他の領域の指導の際に有効に用いられるものが多いので、領域間の指導の関連を十分図るうこと
(3)  計算や測定などの基礎的な技能については、その習熟や維持を図るため適宜練習の機会を設けて計画的に指導すること。
(4)  数量や図形について、およその大きさや形をとらえ、それらに基づいて適切な判断をしたり、能率的な処理の仕方を考え出したりすることができるようにすること。

2  第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)  児童が自ら考える場を適宜設け、児童の発達段階や学習の達成状況に応じた具体的な操作や思考実験などの活動ができるようにし、論理的な思考力や直観力を漸次育成するようにすること。
(2)  第2の各学年の内容に示す〔用語・記号〕は、当該学年で取り上げる内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり、その指導に当たっては、各学年の内容と密接に関連させて取り上げるようにし、それらを用いて表したり考えたりすることのよさが分かるようにすること。
(3)  低学年においては、日常の生活における様々な経験との関連を十分図るとともに、具体物やその操作から数量や図形を抽象する過程を重視し、数量や図形に関心や親しみをもたせるようにすること。
(4)  「B量と測定」の単位の指導については、豊かな量感をもち、およその大きさをとらえたり、単位を適切に選んで処理したりすることができるようにするとともに、形式的な単位の換算に偏ることのないようにすること。
(5)  「A数と計算」の小数及び分数の計算の指導については、複雑な計算を避け、計算の意味やその仕方についての理解を確実にするようにすること。
(6)  統計的に考察したり表現したりする際に大きな数を多く取り扱う場面や小数の乗法及び除法で計算法則が成り立つかどうかを確かめる場面などで、計算の負担を軽減し指導の効果を高めるため、そろばんや電卓等を第5学年以降において適宜用いさせるようにすること。その際、概算などによって、計算の結果の見積りをしたり、計算の確かめをしたりする場面を適切に設けることにも留意すること。

第4節  理科
第1  目標
  自然に親しみ、観察、実験などを行い、問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を図り、科学的な見方や考え方を養う。
第2  各学年の目標及び内容

〔第3学年〕
1  目標
(1)  身近に見られる植物、動物及び人の体を比較しながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して、生物を愛護する態度を育てるとともに、生物の体のつくりや成長のきまりについての見方や考え方を養う。
(2)  物に力、光、電気などを働かせたときの現象を比較しながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して、物の性質についての見方や考え方を養う。
(3)  地面の石や土及び日なたと日陰の地面を比較しながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して、地面を構成する物及び太陽と地面の様子とのかかわりについての見方や考え方を養う。

2  内容
A  生物とその環境(1)  身近な植物を探したり育てたりして、成長の過程や体のつくりを調べることができるようにする。
ア  植物の育ち方には一定の順序があり、種子のほかに根や茎などから育つものがあること。
イ  植物の体は根、茎、葉などからできていて、それらのつくりには種類によって特徴があること。
(2)  昆虫をを探したり育てたりして、成長の過程や体のつくりを調べることができるようにする。
ア  昆虫の育ち方には一定の順序があり、成長の過程や種類によって食べ物に違いがあること。
イ  昆虫の体は頭、胸及び腹からできていて、それらのつくりには種類によって特徴があること。
(3)  人の体を観察したり他の動物と比べたりして、人の体のつくりを調べることができるようにする。
ア  人の体には目、耳、皮膚などがあり、それらにはきまった働きがあること。
イ  人が体を動かすことができるのは、骨や筋肉の働きによること。

B  物質とエネルギー
(1)  閉じ込めた空気や水に力を加え、その性質を調べることがてきるようにする。
ア  空気は袋などで集めることができ、集めた空気を圧し縮めると、かさは小さくなるが手ごたえは大きくなること。
イ  空気は圧し縮められるが水は圧し縮められないこと。また、この性質を利用して、物を動かすものが作れること。
(2)  物に光を当てたり音を出したりして、その性質を調べることができるようにする。
ア  物に光が当たると、物によって明るさや暖まり方に違いがあること。
イ  物によって、音の出方や伝わり方に違いがあること。また、音が出ているときは物が震えていること。
(3)  乾電池にいろいろな物をつないで回路を作ったり、物に磁石を近付けたりして、物の性質を調べることができるようにする。
ア  物には、電気を通す物と通さない物があること。
イ  物には、磁石に引き付けられる物と引き付けられない物があること。また、磁石に引き付けられる物は、磁石に近付けると磁石になること。
ウ  磁石の異極は引き合い、同極は退け合うこと。

C  地球と宇宙
(1)  石や土を集め、地面をつくっている物の特徴や性質を調べることができるようにする。
ア  石には、色、模様、硬さなどに違いがあること。
イ  土は、場所によって手触りや水の滲み込み方に違いがあること。
ウ  土は、小石、砂、粘土などからできていて、その混じり方は場所によって違いがあること。
(2)  日なたと日陰の地面を比べ、太陽の位置と日陰の関係を調べることができるようにする。
ア  日陰は太陽の光を遮るとでき、日陰の位置は太陽の動きによって変わること。
イ  地面は太陽によって暖められ、日なたと日陰では地面の暖かさや湿り気などに違いがあること。

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A生物とその環境」の(3)については、他の動物は、Aの(2)で扱う動物及び身近に観察できる鳥類や哺乳類を取り上げるものとする。
(2)  内容の「B物質とエネルギー」の(2)のアについては、直進及び反射に触れるものとする。

〔第4学年〕
1  目標
(1)  身近に見られる植物、動物及び人の体を天気や時刻などと関係付けながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して、生物を愛護する態度を育てるとともに、生物の活動や成長と環境とのかかわりについての見方や考え方を養う。
(2)  物の状態の変化を熱、物の重さ、電気などと関係付けながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して、物の変化や働きのきまりにいての見方や考え方を養う。
(2)  川の様子や自然界の水の変化を水の量などと関係付けながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して、流水の働きや自然界の水の変化についての見方や考え方を養う。

2  内容
A  生物とその環境(1)  身近な植物を探したり育てたりして、植物の運動や成長と環境とのかかわりを調べることができるようにする。
ア  植物の運動や成長は、天気や時刻などによって違いがあること。
イ  植物の成長は、暖かい季節、寒い季節などによって違いがあること。
(2)  身近な動物を探したり育てたりして、動物の活動と環境とのかかわりを調べることができるようにする。
ア  動物の活動は、天気や時刻などによって違いがあること。
イ  動物の活動は、暖かい季節、寒い季節などによって違いがあること。
(3)  人と他の動物の活動を観察したり比較したりして、人の活動と環境とのかかわりを調べることができるようにする。
ア  人の脈拍や体温は、運動などによって変化するが、安静時にはほぼ一定に保たれていること。
イ  人の活動は、時刻や季節などによって違いがあること。

B  物質とエネルギー
(1)  金属、水及び空気を温めたり冷やしたりして、変化の様子を調べることができるようにする。
ア  金属、水及び空気は、温めたり冷やしたりすると、その体積が変わること。
イ  金属は熱せられた部分から順に温まるが、水や空気は熱せられた部分が移動して全体が温まること。
ウ  水は、温度によって氷や水蒸気に変わること。
(2)  てんびんを作りその釣り合いを利用し、物の重さの違いを調べることができるようにする。
ア  てんびんの支点から等距離に物をつるして棒が水平に釣り合ったとき、物の重さは等しいこと。
イ  重さは同じでも、体積の違う物があること。
(3)  乾電池や光電池、豆電球やモーターなどを使い、電気や光の働きを調べることができるようにする。
ア  乾電池の数を変えると、豆電球の明るさやモーターの回り方を変えることができること。
イ  光電池を使ってモーターを回すことなどができること。

C  地球と宇宙
(1)  地面を流れる水や川の様子を観察し、流れる水が土地を変化させる働きを調べることができるようにする。
ア  流れる水には、土地を削ったり、石や土などを流したり積もらせたりする働きがあること。
イ  川原や川岸の様子は、流れる水の速さや水量によって変わること。
ウ  流れる水の速さや水量は、雨の降り方などによって変わること。
(2)  水が蒸発したり、空気中の水蒸気が水に変わったりする様子を観察し、自然界の水の変化を調べることができるようにする。
ア  水は水面や地面などから蒸発し、水蒸気なって空気中に含まれていくこと。
イ  空気中の水蒸気は、雨、雪、霜、雲などに変わっていくこと。

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A生物とその環境」の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア  他の動物については、Aの(2)で扱う動物及び身近に観察できる哺乳類を取り上げること。
イ  人の活動については、運動、飲食、睡眠などを取り上げること。


〔第5学年〕
1  目標
(1)  生物の発生や成長をそれらにかかわる条件に目を向けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を通して、生命を尊重する態度を育てるとともに、生命の連続性についての見方や考え方を養う。
(2)  物の溶け方や物の動きなどを量的変化に目を向けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を通して、物の変化の規則性についての方や考え方を養う。
(3)  天気や太陽と月の位置などを時間的変化に目を向けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を通して、気象現象や天体の動きの規則性についての見方や考え方を養う。

2  内容
A  生物とその環境(1)  植物を育て、発芽、成長及び結実の仕組みを調べることができるようにする。
ア  花にはおしべやめしべなどがあり、花粉が柱頭につくと結実して種子ができること。
イ  植物は、種子の中の養分を基にして発芽し、成長には日光や肥料などが関係していること。
(2)  魚などの動物を育て、発生や成長を調べることができるようにする。
ア  動物には雌雄があり、卵で生まれるものと親と似た形で生まれるものがあること。
イ  魚は、日がたつにつれて卵の中の様子が変化してかえり、水中の小さな生物を食べ物にして生きていること。
(3)  人と他の動物を比較したり資料を活用したりして、人の発生や成長などを調べることができるようにする。
ア  人は、男女によって体のつくりなどに特徴があること。
イ  人は、母体内で成長して生まれること。

B  物質とエネルギー
(1)  物を水に溶かし、水の温度や量による溶け方の違いを調べることができるようにする。
ア  物が水に溶ける量には限度があること。また、物が水に溶けても、全体の重さは変わらないこと。
イ  物が水に溶ける量は水の温度や溶ける物によって違うこと。また、この性質を利用して、溶けている物を取り出すことができること。
ウ  水溶液の水を蒸発させると、溶けていた物が水と分かれて出てくること。
(2)  てこを使い、力の加わる位置や大きさを変えて、てこの仕組みや働きを調べることができるようにする。
ア  おもりの位置を変えると、てこを傾ける働きは変わるが、おもりの重さは変わらないこと。
イ  てこには、支点、力点及び作用点があること。
ウ  てこの働きには力の加わる位置と力の大きさが関係し、てこが釣り合うときにはそれらの間に一定のきまりがあること。
(3)  おもりを使い、おもりの重さや動く速さを変えて、物の動きを調べることができるようにする。
ア  糸につるしたおもりが1往復する時間は、糸の長さによって変わること。
イ  おもりが他の物を動かす働きは、おもりの重さや動く速さによって変わること。また、この性質を利用して物を動かすものが作れること。

C  地球と宇宙
(1)  気温、雲、風などを観測したり、映像などの情報を活用したりして、天気の変化を調べることができるようにする。
ア  1日の気温の変化は、太陽高度や雲、風、降水などと関係があること。
イ  天気の変化は、観測の結果や映像などの情報を用いて予想できること。
(2)  太陽と月の形や位置などを観察し、それらの動き及び位置の関係を調べることができるようにする。
ア  太陽や月は絶えず動いていて、東の方から出て南の空を通り西の方に入ること。
イ  太陽や月は球形をしているが、月は日によって形が変わって見え、月の輝いている側に太陽があること。
ウ  月の表面の様子には太陽と違いがあること。

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A生物とその環境」の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア  他の動物については、Aの(2)で扱う動物及び身近に観察できる脊椎動物を取り上げること。
イ  アについては、男女の外部形態の違いのほか、母体内での受精に触れること。その際、精子や卵の生成過程は取り上げないこと。


〔第6学年〕
1  目標
(1)  生物の体のつくりと働き及び環境を相互に関係付けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を通して、生命を尊重する態度を育てるとともに、生物の体の働きの共通性や環境との関係についての見方や考え方を養う。
(2)  水溶液、燃焼、電磁石などの変化や働きをその要因と関係付けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を通して、物の質的変化についての見方や考え方を養う。
(3)  星の位置や土地のつくりとでき方を時間や空間と関係付けながら調べ、見いだした問題を意欲的に追究する活動を通して、天体の動きや土地の変化の規則性についての見方や考え方を養う。

2  内容
A  生物とその環境(1)  植物を育て、体内の水などの行方や葉の働きを調べることができるようにする。
ア  根、茎及び葉には水や養分の通り道があり、根から吸い上げられた水は主に葉から蒸散していること。
イ  葉に日光が当たってできたでんぷんは、成長のために使われたり、いもや種子などに蓄えられたりすること。
(2)  動物の体の内部の観察などをして、呼吸、消化、排出、循環などの働きを調べることができるようにする。
ア  動物は、体内に酸素を取り入れ、体外に二酸化炭素を出していること。
イ  食べた物は口、胃、腸などを通る間に消化、吸収され、吸収されなかった物は排出されること。
ウ  血液は、心臓の働きで体内を巡り、養分、酸素、二酸化炭素などを運んでいること。
(3)  人の体を他の動物や植物と比較したり関係付けたりして、人としての特徴や環境とのかかわりを調べることができるようにする。
ア  人の体のつくりや働きには、他の動物と共通のものと異なるものがあること。
イ  人は、食べ物、水、空気などを通して、他の動物、植物及び周囲の環境とかかわって生きていること。

B  物質とエネルギー
(1)  いろいろな水溶液を使い、その性質や変化を調べることができるようにする。
ア  水溶液には、酸性、アルカリ性及び中性のものがあること。
イ  水溶液には、気体が溶けているものがあること。
ウ  酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせると、別のものができること。
エ  水溶液には、金属を変化させるものがあること。
(2)  物を燃やしたり熱したりして、物や空気の性質とその変化を調べることができるようにする。
ア  植物体が燃えるときには、空気中の酸素が使われ二酸化炭素ができること。
イ  植物体を空気の入れ替わらないところで熱すると、燃える気体などが出て、後に炭が残ること。
ウ  金属を空気中で熱すると、その性質が変わるものがあること。
(3)  電磁石の導線や電熱線に電流を流して、電流の働きを調べることができるようにする。
ア  電流の流れている巻き線は、鉄心を磁化する働きがあり、電流の方向が変わると、電磁石の極が変わること。
イ  電磁石の強さは、電流の強さや導線の巻き数などによって違うこと。また、電磁石を利用してモーターなどの道具が作れること。
ウ  電熱線に電流を通すと発熱し、電流の強さによって発熱の仕方が違うこと。

C  地球と宇宙
(1)  星の明るさ、色及び位置を観察し、星の特徴や動きのきまりを調べることができるようにする。
ア  星には、明るさや色の違うものがあること。
イ  星の集まりは、時間がたつと位置や向きが変わるが、並び方は変わらないこと。
ウ  南天の星の動きは太陽の動きと似ていること。また、北天の星は北極星を中心に回っているように見えること。
エ  全天の星は、同じ方向に動き、1日たつとほぼ元の位置に見えること。
(2)  地層や岩石などを観察し、土地をつくっている物の特徴や土地のでき方を調べることができるようにする。
ア  土地は、礫、砂、粘土、火山灰、岩石などからできており、層をつくって広がっているものがあること。
イ  地層は、流れる水の働きや火山の噴火などによってでき、化石などが含まれいてるものがあること。
ウ  堆積岩と火成岩とでは粒の様子に違いが見られること。

3  内容の取扱い
(1)  内容の「B物質とエネルギー」の(2)のアについては、酸素と二酸化炭素は、それらの中での物の燃焼及び石灰水との反応により検出するものとする。
(2)  内容の「B物質とエネルギー」の(3)のウについては、電熱線の太さや長さの違いによる発熱の違いは取り上げないものとする。
(3)  内容の「C地球と宇宙」の(2)のウについては、代表的な堆積岩及び火成岩をそれぞれ二種又は三種取り上げるものとする。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、内容相互の関連を図り指導の効果を高めるよう配慮する必要がある。

2  第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)  観察、実験、栽培、飼育及び製作の指導については、指導内容に応じて適切な機器などを選ぶとともに、その扱いに慣れ、それらを活用できるようにすること。また、事故の防止に十分留意すること。
(2)  生物、天気、川、土地などの指導については、野外に出かけ地域の自然に親しむ活動を多く取り入れるとともに、自然の保護に関心をもつようにすること。
(3)  個々の児童が主体的に問題解決活動を進めるとともに、学習の成果と日常生活との関連を図ることができるようにすること。

第5節  生活

第1  目標
  具体的な活動や体験を通して、自分と身近な社会や自然とのかかわりに関心をもち、自分自身や自分の生活について考えさせるとともに、その過程において生活上必要な習慣や技能を身に付けさせ、自立への基礎を養う。

第2  各学年の目標及び内容

〔第1学年及び第2学年〕
1  目標
(1)  自分と学校、家庭、近所などの人々及び公共物とのかかわりに関心をもち、集団や社会の一員として自分の役割や行動の仕方について考え、適切に行動することができるようにする。
(2)  自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心をもち、自然を大切にしたり、自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにする。
(3)  身近な社会や自然を観察したり、動植物を育てたり、遊びや生活に使うものを作ったりなどして活動の楽しさを味わい、それを言葉、絵、動作、劇化などにより表現できるようにする。

2  内容
〔第1学年〕
(1)  学校の施設の様子及び先生など学校生活を支えている人々や友達のことが分かり、学校において楽しく遊びや生活ができるようにするとともに、通学路の様子などについて調べ、安全な登下校ができるようにする。
(2)  家庭生活を支えている家族の仕事や家族の一員として自分でしなければならないことが分かり、自分の役割を積極的に果たすとともに、健康に気を付けて生活することができるようにする。
(3)  近所の公園などの公共施設はみんなのものであることが分かり、それを大切に利用することができるようにするとともに、身近な自然を観察し季節の変化に気付き、それに合わせて生活することができるようにする。
(4)  土、砂などで遊んだり、草花や木の実など身近にあるもので遊びに使うものを作ったりして、みんなで遊びを工夫することができるようにする。
(5)  動物を飼ったり植物を育てたりして、それらも自分たちと同じように生命をもっていることに気付き、生き物への親しみをもちそれを大切にすることができるようにする。
(6)  入学してから自分でできるようになったことや日常生活での自分の役割が増えたことなどが分かり、意欲的に生活することができるようにする。

〔第2学年〕
(1)  自分たちの生活は近所の人や店の人など多くの人々とかかわっていることが分かり、日常生活に必要な買い物や使いをしたり、手紙や電話などで必要なことを伝えたりするとともに、人々と適切に応対することができるようにする。
(2)  乗り物や駅などの公共物の働きやそこで働いている人々の様子が分かり、安全に気を付けてみんなで正しく利用することができるようにする。
(3)  季節や地域の行事にかかわる活動を行い、四季の変化や地域の生活に関心をもち、また、季節や天候などによって生活の様子が変わることに気付き、自分たちの生活を工夫したり楽しくしたりすることができるようにする。
(4)  身の回りにある自然の材料などを用いて遊びや生活に使うものを作り、みんなで遊びなどを工夫することができるようにする。
(5)  野外の自然を観察したり、動物を飼ったり植物を育てたりして、それらの変化や成長の様子に関心をもち、また、それらは自分たちと同じように成長していることに気付き、自然や生き物への親しみをもちそれらを大切にすることができるようにする。
(6)  生まれてからの自分の生活や成長には多くの人々の支えがあったことが分かり、それらの人々に感謝の気持ちをもち、意欲的に生活することができるようにする。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  地域の社会や自然を生かすとともに、それらを一体的に扱うように学習活動を工夫すること。
(2)  自分と地域の社会や自然とのかかわりが具体的に把握できるような学習活動を行うこと。
(3)  生活上必要な習慣や技能の指導については、社会、自然及び自分自身にかかわる学習活動の展開に即して行うようにすること。
(4)  言語、造形などに関する指導との関連を図り、指導の効果を高めるようにすること。

第6節  音楽

第1  目標
  表現及び鑑賞の活動を通して、音楽性の基礎を培うとともに、音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育て、豊かな情操を養う。

第2  各学年の目標及び内容
〔第1学年及び第2学年〕
1  目標
(1)  音楽の美しさを感じ取り、音楽に対する興味や関心をもつようにする。
(2)  リズムの聴取と表現に重点を置いて、表現及び鑑賞の能力を育てる。
(3)  音楽経験を生かして、生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。

2  内容

〔第1学年〕
A  表現
(1)  音楽を聴いて演奏できるようにする。
ア  範唱や範奏を聴いて演奏すること。
イ  階名で模唱したり暗唱したりすること。
(2)  楽曲の気分や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。
ア  歌詞の表す情景や気持ちを想像して表現すること。
イ  拍の流れやフレーズを感じ取って、演奏したり身体表現をしたりすること。
ウ  伴奏の響きを聴いて演奏すること。
エ  互いに歌声や楽器の音を聴き合って演奏すること。
(3)  歌い方や楽器の奏法を身に付けるようにする。
ア  自分の歌声に気を付けて歌うこと。
イ  ハーモニカ及び打楽器に親しみ、簡単なリズムや旋律を演奏すること。
(4)  音楽をつくって表現できるようにする。
ア  簡単なリズムや旋律をつくって表現すること。
イ  即興的に音を探して表現すること。
(5)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる歌唱教材は、ウの共通教材の中の3曲を含めて、斉唱で歌う楽曲を年間16曲程度。
イ 主となる合奏教材は、既習の歌唱教材を中心とし、主旋律に打楽器のリズム伴奏を加えたものを年間3曲程度。
ウ  共通教材
「うみ」  (文部省唱歌)  林柳波作詞  井上武士作曲
「かたつむり」  (文部省唱歌)
「日のまる」  (文部省唱歌)  高野辰之作詞  岡野貞一作曲
「ひらいたひらいた」  (わらべうた)

B  鑑賞
(1)  音楽を聴いて感じ取ることができるようにする。
ア  楽曲の気分を感じ取って聴くこと。
イ  リズム、旋律及び速さに気を付けて聴くこと。
ウ  主な旋律に気を付けて聴くこと。
エ  楽器の音色に気を付けて聴くこと。
(2)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる鑑賞教材は、イの共通教材3曲を含めて、次に示すものを年間6曲程度。
(ア)  行進曲及び舞曲を含めたいろいろな種類の楽曲
(イ)  いろいろな演奏形態による楽曲
(ウ)  日常の活動や経験に関連して親しみやすく、身体反応の快さを感じ取ることができる楽曲
イ  共通教材
「アメリカン・パトロール」  ミーチャム作曲
「おどる子ねこ」  アンダソン作曲
「おもちゃの兵隊」  イェッセル作曲

〔第2学年〕
A  表現
(1)  音楽を聴いたり楽譜を見たりして演奏できるようにする。
ア  範唱や範奏を聴いて演奏すること。
イ  階名で模唱したり暗唱したりすること。
ウ  リズム譜を見て演奏すること。
(2)  楽曲の気分や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。
ア  歌詞の表す情景や気持ちを想像して表現すること。
イ  拍の流れやフレーズを感じ取って、演奏したり身体表現をしたりすること。
ウ  伴奏の響きを聴いて演奏すること。
エ  互いに歌声や楽器の音を聴き合って演奏すること。
(3)  歌い方や楽器の奏法を身に付けるようにする。
ア  自分の歌声及び発音に気を付けて歌うこと。
イ  ハーモニカ及び打楽器を演奏すること。
ウ  オルガンに親しみ、簡単な旋律を演奏すること。
(4)  音楽をつくって表現できるようにする。
ア  簡単なリズムや旋律をつくって表現すること。
イ  即興的に音を探して表現すること。
(5)  次の音符、休符及び記号を理解して表現できるようにする。
(6)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる歌唱教材は、ウの共通教材の中の3曲を含めて、斉唱、輪唱及び二部合唱で歌う楽曲を合わせて年間16曲程度。
イ 主となる合奏教材は、既習の歌唱教材を中心とし、主旋律に打楽器のリズム伴奏及び平易な低音部を加えたもの又は主旋律に簡単な副次的な旋律を組み合わせたものなどを年間3曲程度。
ウ  共通教材
「かくれんぼ」  (文部省唱歌)  林柳波作詞  下総皖一作曲
「春がきた」  (文部省唱歌)  高野辰之作詞  岡野貞一作曲
「虫のこえ」  (文部省唱歌)
「夕やけこやけ」  中村雨紅作詞、草川信作曲

B  鑑賞
(1)  音楽を聴いて感じ取ることができるようにする。
ア  楽曲の気分を感じ取って聴くこと。
イ  リズム、旋律及び速さに気を付けて聴くこと。
ウ  主な旋律に気を付けて聴くこと。
エ  楽器の音色に気を付けて聴くこと。
(2)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる鑑賞教材は、イの共通教材3曲を含めて、次に示すものを年間6曲程度。
(ア)  行進曲及び舞曲を含めたいろいろな種類の楽曲
(イ)  いろいろな演奏形態による楽曲
(ウ)  日常の活動や経験に関連して親しみやすく、身体反応の快さを感じ取ることができる楽曲
イ  共通教材
「かじやのポルカ」  ヨゼフ・シュトラウス作曲
「出発」(組曲「冬のかがり火」から)  プロコフィエフ作曲
「トルコ行進曲」  ベートーベン作曲

〔第3学年及び第4学年〕
1  目標
(1)  音楽の美しさを感じ取り、音楽活動をしようとする意欲を育てる。
(2)  旋律の聴取と表現に重点を置いて、表現及び鑑賞の能力を育てる。
(3)  音楽経験を生かして、生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。

2  内容

〔第3学年〕
A  表現
(1)  音楽を聴いたり楽譜を見たりして演奏できるようにする。
ア  範唱や範奏を聴いて演奏すること。
イ  ハ長調の旋律を視唱したり視奏したりすること。
(2)  曲想や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。
ア  歌詞の内容を理解して表現の仕方を工夫すること。
イ  拍の流れやフレーズを感じ取って、演奏したり身体表現をしたりすること。
ウ  音の重なりを感じ取って合唱や合奏をすること。
(3)  歌い方や楽器の奏法を身に付けるようにする。
ア  発音及び呼吸の仕方に気を付けて、頭声的発声で歌うこと。
イ  鍵盤楽器及び打楽器を演奏すること。
ウ  リコーダーに親しみ、簡単な旋律を演奏すること。
(4)  音楽をつくって表現できるようにする。
ア  旋律や音の組み合わせを工夫して表現すること。
イ  即興的に音を選んで表現すること。
(5)  次の音符及び記号などを理解して表現できるようにする。
                五線と加線の線及び間の名称
(6)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる歌唱教材は、ウの共通教材の中の3曲を含めて、斉唱、輪唱及び二部合唱で歌う楽曲を合わせて年間15曲程度。
イ 主となる重奏及び合奏の教材は、既習の歌唱教材を含めて、主旋律に和音や副次的な旋律を組み合わせたもの又はこれらに打楽器のリズムを加えたものなどを年間3曲程度。
ウ  共通教材
「うさぎ」  (日本古謡)
「茶つみ」  (文部省唱歌)
「春の小川」  (文部省唱歌)  高野辰之作詞  岡野貞一作曲
「ふじ山」  (文部省唱歌)

B  鑑賞
(1)  音楽を聴いて感じ取ることができるようにする。
ア  曲想の変化を感じ取って聴くこと。
イ  音楽を特徴付けている要素に気を付けて聴くこと。
ウ  主な旋律とその反復及び変化に気を付けて聴くこと。また、それらの旋律を支えるリズムや副次的な旋律に気を付けて聴くこと。
エ  楽器の音色の特徴に気を付けて聴くこと。また、それらの音の組み合わせを感じ取って聴くこと。
(2)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる鑑賞教材は、イの共通教材3曲を含めて、次に示すものを年間6曲程度。
(ア)  序曲を含めたいろいろな種類の楽曲
(イ)  独奏及び管弦楽を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
(ウ)  音楽の要素及び音色の特徴を感じ取りやすく、音楽の広がりを知ることができる楽曲
イ  共通教材
歌劇「軽騎兵」序曲  スッペ作曲
「ポロネーズ」(管弦楽組曲  第2番  ロ短調から)  バッハ作曲
「メヌエット」ト長調  ベートーベン作曲

〔第4学年〕
A  表現
(1)  音楽を聴いたり楽譜を見たりして演奏できるようにする。
ア  範唱や範奏を聴いて演奏すること。
イ  ハ長調及びイ短調の旋律を視唱したり視奏したりすること。
(2)  曲想や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。
ア  歌詞の内容を理解して表現の仕方を工夫すること。
イ  拍の流れやフレーズを感じ取って、演奏したり身体表現をしたりすること。
ウ  音の重なりを感じ取って合唱や合奏をすること。
(3)  歌い方や楽器の奏法を身に付けるようにする。
ア  発音及び呼吸の仕方に気を付けて、頭声的発声で歌うこと。
イ  音色に気を付けて、リコーダー、鍵盤楽器及び打楽器を演奏すること。
(4)  音楽をつくって表現できるようにする。
ア  旋律や音の組み合わせを工夫して表現すること。
イ  即興的に音を選んで表現すること。
(5)  次の音符、休符及び記号を理解して表現できるようにする。
                                              タイ    (スタッカート)
(6)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる歌唱教材は、ウの共通教材の中の3曲を含めて、斉唱、輪唱及び二部合唱で歌う楽曲を合わせて年間15曲程度。
イ 主となる重奏及び合奏の教材は、既習の歌唱教材を含めて、主旋律に和音や副次的な旋律を組み合わせたもの又はこれらに打楽器のリズムを加えたものなどを年間3曲程度。
ウ  共通教材
「さくらさくら」  (日本古謡)
「とんび」  葛原しげる作詞  梁田貞作曲
「まきばの朝」  (文部省唱歌)  船橋栄吉作曲
「もみじ」  (文部省唱歌)  高野辰之作詞、岡野貞一作曲

B  鑑賞
(1)  音楽を聴いて感じ取ることができるようにする。
ア  曲想の変化を感じ取って聴くこと。
イ  音楽を特徴付けている要素に気を付けて聴くこと。
ウ  主な旋律とその反復及び変化に気を付けて聴くこと。また、それらの旋律を支えるリズムや副次的な旋律に気を付けて聴くこと。
エ  楽器の音色の特徴に気を付けて聴くこと。また、それらの音の組み合わせを感じ取って聴くこと。
(2)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる鑑賞教材は、イの共通教材3曲を含めて、次に示すものを年間6曲程度。
(ア)  協奏曲を含めたいろいろな種類の楽曲
(イ)  吹奏楽を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
(ウ)  音楽の要素及び音色の特徴を感じ取りやすく、音楽の広がりを知ることができる楽曲
イ  共通教材
「ノルウェー舞曲」第2番  イ長調  グリーグ作曲
「白鳥」  サン・サーンス作曲
ホルン協奏曲  第1番  ニ長調  第1楽章  モーツァルト作曲

〔第5学年及び第6学年〕
1  目標
(1)  音楽の美しさを味わい、音楽活動をしようとする意欲を育てる。
(2)  音の重なりや和声の聴取と表現に重点を置いて、表現及び鑑賞の能力を育てる。
(3)  音楽経験を生かして、生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。

2  内容

〔第5学年〕
A  表現
(1)  音楽を聴いたり楽譜を見たりして演奏できるようにする。
ア  範唱や範奏を聴いて演奏すること。
イ  ヘ長調の旋律を視唱したり視奏したりすること。
(2)  曲想や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。
ア  歌詞の内容及び楽曲の仕組みを理解して、それを生かした表現の仕方を工夫すること。
イ  拍の流れやフレーズを感じ取って、強弱や速度の変化に応じた演奏をしたり、身体表現をしたりすること。
ウ  音の重なりや和声の響きを味わって合唱や合奏をすること。
(3)  歌い方や楽器の奏法を身に付けるようにする。
ア  発音及び呼吸の仕方に気を付けて、豊かな響きの頭声的発声で歌うこと。
イ  音色の特徴を生かして、旋律楽器及び打楽器を演奏すること。
(4)  音楽をつくって表現できるようにする。
ア  音の重なりや曲の構成を工夫して表現すること。
イ  自由な発想で即興的に表現すること。
(5)  次の記号を理解して表現できるようにする。
                                    スラー
(6)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる歌唱教材は、ウの共通教材の中の3曲を含めて、斉唱、輪唱、二部合唱及び三部合唱で歌う楽曲を合わせて年間11曲程度。
イ 主となる重奏及び合奏の教材は、主旋律に和音や副次的な旋律を組み合わせたもの又はこれらに打楽器のリズムを加えたものなどを年間3曲程度。
ウ  共通教材
「こいのぼり」  (文部省唱歌)
「子もり歌」  (日本古謡)
「スキーの歌」  (文部省唱歌)  林柳波作詞、橋本国彦作曲
「冬げしき」  (文部省唱歌)

B  鑑賞
(1)  音楽を聴いて感じ取ることができるようにする。
ア  曲想を全体的に味わって聴くこと。
イ  音楽を特徴付けている要素と曲想とのかかわりに気を付けて聴くこと。
ウ  主な旋律とその反復、変化及び対照並びに全体の構成に気を付けて聴くこと。また、それらの旋律を支える副次的な旋律や和声に気を付けて聴くこと。
エ  楽器の音色及び人の声の特徴に気を付けて聴くこと。また、それらの音や声の重なりによる響きを味わって聴くこと。
(2)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる鑑賞教材は、イの共通教材3曲を含めて、次に示すものを年間6曲程度。
(ア)  歌曲及び郷土の音楽を含めたいろいろな種類の楽曲
(イ)  独唱及び合唱を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
(ウ)  音色や音の響きなどの特色を感じ取りやすく、聴く喜びを深めることができる楽曲
イ  共通教材
「管弦楽のための木挽歌」  小山清茂作曲
歌曲「荒城の月」、歌曲「箱根八里」、歌曲「花」のうち1曲  滝廉太郎作曲
ピアノ五重奏曲「ます」  第4楽章  シューベルト作曲

〔第6学年〕
A  表現
(1)  音楽を聴いたり楽譜を見たりして演奏できるようにする。
ア  範唱や範奏を聴いて演奏すること。
イ  ヘ長調及びニ短調の旋律を視唱したり視奏したりすること。
(2)  曲想や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。
ア  歌詞の内容及び楽曲の仕組みを理解して、それを生かした表現の仕方を工夫すること。
イ  拍の流れやフレーズを感じ取って、強弱や速度の変化に応じた演奏をしたり、身体表現をしたりすること。
ウ  音の重なりや和声の響きを味わって合唱や合奏をすること。
(3)  歌い方や楽器の奏法を身に付けるようにする。
ア  発音及び呼吸の仕方に気を付けて、豊かな響きの頭声的発声で歌うこと。
イ  音色の特徴を生かして、旋律楽器及び打楽器を演奏すること。
(4)  音楽をつくって表現できるようにする。
ア  音の重なりや曲の構成を工夫して表現すること。
イ  自由な発想で即興的に表現すること。
(5)  次の記号を理解して表現できるようにする。
                                      (アクセント)
(6)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる歌唱教材は、ウの共通教材の中の3曲を含めて、斉唱、輪唱、二部合唱及び三部合唱で歌う楽曲を合わせて年間11曲程度。
イ 主となる重奏及び合奏の教材は、主旋律に和音や副次的な旋律を組み合わせたもの又はこれらに打楽器のリズムを加えたものなどを年間3曲程度。
ウ  共通教材
「越天楽今様(歌詞は第2節まで)」  (日本古謡)  慈鎮和尚作歌
「おぼろ月夜」  (文部省唱歌)  高野辰之作詞、岡野貞一作曲
「ふるさと」  (文部省唱歌)  高野辰之作詞、岡野貞一作曲
「われは海の子(歌詞は第3節まで)」  (文部省唱歌)

B  鑑賞
(1)  音楽を聴いて感じ取ることができるようにする。
ア  曲想を全体的に味わって聴くこと。
イ  音楽を特徴付けている要素と曲想とのかかわりに気を付けて聴くこと。
ウ  主な旋律とその反復、変化及び対照並びに全体の構成に気を付けて聴くこと。また、それらの旋律を支える副次的な旋律や和声に気を付けて聴くこと。
エ  楽器の音色及び人の声の特徴に気を付けて聴くこと。また、それらの音や声の重なりによる響きを味わって聴くこと。
(2)  教材は次に示すものを取り扱う。
ア  主となる鑑賞教材は、イの共通教材3曲を含めて、次に示すものを年間6曲程度。
(ア)  歌曲、箏及び尺八の音楽を含めたいろいろな種類の楽曲
(イ)  重唱及び重奏を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
(ウ)  音色や音の響きなどの特色を感じ取りやすく、聴く喜びを深めることができる楽曲
イ  共通教材
歌曲「赤とんぼ」、歌曲「この道」、歌曲「待ちぼうけ」のうち1曲  山田耕筰作曲
組曲「道化師」  カバレフスキー作曲
「春の海」  宮城道雄作曲

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  第2の各学年の内容の「A表現」と「B鑑賞」との指導の関連を図るようにするとともに、それぞれに示す各事項の指導についても、相互に密接な関連をもたせるようにすること。
(2)  第2の各学年の内容は、次の学年以降においても必要に応じて継続して指導すること。
(3)  国歌「君が代」は、各学年を通じ、児童の発達段階に即して指導すること。

2  第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  歌唱の指導における階名唱については、移動ド唱法を原則とすること。
(2)  和音及び和声の指導については、合唱や合奏の活動を通して和音のもつ表情を感じ取ることができるようにすること。また、長調及び短調の楽曲においては、  1  、 4> 
        、 <IMG src= 及び 5    を中心に指導すること。
(3)  発声の指導については、頭声的発声を中心とするが、楽曲によっては、曲想に応じた発声の仕方を工夫するようにすること。
(4)  各学年の「A表現」の(3)の楽器については、次のとおり取り扱うこと。
ア  各学年で取り上げる打楽器は、木琴及び鉄琴を含めて、演奏の効果や児童の能力を考慮して選択するこ。
イ  第1学年及び第2学年のハーモニカ並びに第2学年のオルガンは、学校の実情に応じて、他の同種の楽器に代替することができること。
ウ  第5学年及び第6学年で取り上げる旋律楽器は、既習の楽器を含めて、管楽器、弦楽器、打楽器、電子楽器、和楽器及び諸外国の民族楽器などの中から学校の実情に応じて選択すること。
(5)  「A表現」の(4)に示す事項については、児童の個性的な発想を生かした表現をさせ、様々な響きを直接経験するようにすること。また、必要に応じて記譜の指導をすること。
(6)  音符、休符及び記号などの指導については、取り上げる教材などとの関連上必要な場合には、配当学年を変更して取り扱うことができること。
(7)  歌唱教材を共通教材の楽曲の中から選択する場合には、わらべうたや日本古謡を含めるようにすること。また、それらの教材と関連して、それぞれの地方に伝承されているわらべうたなどを適宜取り上げるようにすること。
(8)  第3学年以降の「B鑑賞」の(1)のエの楽器については、次の中から適切なものを選択すること。
ア  第3学年及び第4学年については、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器及び鍵盤楽器。
イ  第5学年及び第6学年については、アの楽器、電子楽器及び和楽器。

第7節  図画工作

第1  目標
  表現及び鑑賞の活動を通して、造形的な創造活動の基礎的な能力を育てるとともに表現の喜びを味わわせ、豊かな情操を養う。

第2  各学年の目標及び内容

〔第1学年及び第2学年〕
1  目標
(1)  材料をもとにした造形活動の楽しさを味わい、材料から豊かな発想をして、進んで造形活動ができるようにする。
(2)  表したいこと、つくりたいものを自分の表現製作の方法でつくりだす喜びを味わうようにする。
(3)  かいたり、つくったりしたものを見ることに関心をもち、その楽しさを味わうようにする。

2  内容

〔第1学年〕
A  表現
(1)  材料をもとにして、楽しく造形活動ができるようにする。
ア  砂、土、粘土などの材料に親しみ、それらをもとに体全体を使う造形遊びをすること。
イ  身近な自然物や人工の材料の形や色などに関心をもち、それらを並べる、積む、版にして写すなどの思い付いた造形遊びをすること。
(2)  感じたことや思ったことを絵や立体に表すことができるようにする。
ア  クレヨン、パスなどの好きな色を使って、思いのままに絵に表すこと。
イ  粘土に親しみながら、手を働かせて思いのままに立体に表すこと。
(3)  生活を楽しくするものや飾るもの、想像したものをつくることができるようにする。
ア  つくりたいものの形や色、つくり方などを考えながらつくること。
イ  紙などの身近な扱いやすい材料、はさみやのりなどを使い、手を十分に働かせてつくること。

B  鑑賞
(1)  かいたり、つくったりしたものを見ることに関心をもつようにする。
ア  自分や友人の作品などについて、表したかった気持ちを話したり、友人の話を聞いたりしながら見ること。

〔第2学年〕
A  表現
(1)  材料をもとにして、楽しく造形活動ができるようにする。
ア  身近な自然物や人工の材料の形や色などから思い付いた体全体を使う造形遊びを工夫すること。
イ  身近な自然物や人工の材料の形や色などの特徴に関心をもち、それらを並べる、積む、組むなどの思い付いた造形遊びを工夫すること。
(2)  感じたことや思ったことを絵や立体に表すことができるようにする。
ア  形や色などに関心をもち、クレヨン、パスなどのいろいろな色を使って思いのままに絵に表したり、平易な版をつくって表したりすること。
イ  粘土に親しみながら、形などを考え、手を十分に働かせて思いのままに立体に表すこと。
(3)  生活を楽しくするものや飾るもの、想像したものをつくることができるようにする。
ア  つくりたいものの形や色、つくり方などを考えて、工夫しながらつくること。
イ  厚紙、簡単な小刀類などや前学年までに経験した材料や用具を使い、手を十分に働かせてつくるとともに、それらの適切な扱いに関心をもつこと。

B  鑑賞
(1)  かいたり、つくったりしたものを見ることに関心をもつようにする。
ア  自分や友人の作品などについて、表したかった気持ちや感じたことを話し合いながら見ること。

〔第3学年及び第4学年〕
1  目標
(1)  材料から豊かな発想をしそれを生かす体験を深め、材料に対する感覚などを高めるとともに、見方や表し方に関心をもって工夫して表し、進んで造形活動ができるようにする。
(2)  生活を楽しくするものなどを用途や美しさ、つくり方などを考えてつくり、それを使う楽しさを味わい、デザインの能力や創造的な工作の能力を伸ばす。
(3)  友人の作品や身近な造形品のよさを美しさなどに関心をもって見ることができるようにする。

2  内容

〔第3学年〕
A  表現
(1)  材料をもとにして、造形活動を工夫することができるようにする。
ア  身近な材料を形や色の面白さなどの特徴に関心をもって集め、その特徴の生かし方を試しながら思い付いた造形遊びをすること。
イ  木切れなどの身近な材料の形や色などの特徴を考え、切ったり組み合わせたりして新しい形をつくるとともに、その形から発想してつくるなどの造形遊びをすること。
(2)  見たこと、感じたこと、想像したことを絵や立体に表すことができるようにする。
ア  ものの位置、形や色などを考えて、水彩絵の具などを使って絵に表したり、紙版などで表したりすること。
イ  表したい感じをいろいろな角度から見て、粘土などで立体に表すこと。
(3)  生活を楽しくするもの、飾るもの、伝え合うものをつくることができるようにする。
ア  つくりたいものの用途や美しさなどを考えて、形や色、材料などを選んで使い、それらの感じなどに関心をもってつくること。
イ  つくりたいものを簡単な絵や図にかくなどして、形や丈夫な組立て方、動く面白さの生かし方などを考えて計画を立て、工夫しながらつくること。
ウ  つくりたいものに合わせて、板切れ、小刀、使いやすいのこぎりなどや前学年までに経験した材料や用具を使ってつくるとともに、それらの適切な扱いができるようにすること。

B  鑑賞
(1)  作品を見ることに関心をもつことができるようにする。
ア  友人の作品を、表したかったことや表し方などに関心をもって見ること。
イ  表現しようとすることに関連のある身近な造形品のよさや面白さなどに関心をもって見ること。

〔第4学年〕
A  表現
(1)  材料をもとにして、造形活動を工夫することができるようにする。
ア  身近な材料を形や色、活動の場所の特徴などから思い付いたり、みんなで発想したりした造形遊びをすること。
イ  木切れなどの身近な材料の形や色などの特徴を生かし、切ったり、組み合わせたり、結合させたりして新しい形をつくるとともに、その形から発想して楽しい形をつくるなどの造形遊びをすること。
(2)  見たこと、感じたこと、想像したことを絵や立体に表すことができるようにする。
ア  ものの位置、形や色などを考えて、水彩絵の具などの使い方を工夫して絵に表したり、平易な木版などで表したりすること。
イ  表したい感じをいろいろな角度から見て、粘土などの特性を生かし、用具なども使って立体に表すこと。
(3)  生活を楽しくするもの、飾るもの、伝え合うものをつくることができるようにする。
ア  つくりたいものの用途や美しさなどを考えて、形や色、材料などを選んで工夫して使い、形の対称、繰り返し、リズムなどの感じ、色の暖かい寒い、明るい暗いなどの感じ及び材料の感じに関心をもってつくること。
イ  つくりたいものを簡単な絵や図にかくなどして、形や丈夫な組立て方、動く面白さの生かし方などを考えて計画を立て、工夫しながらつくること。
ウ  つくりたいものに合わせて、板材や前学年までに経験した材料や用具などを適切に使うとともに、それらの扱いに慣れること。

B  鑑賞
(1)  作品を見ることに関心をもつことができるようにする。
ア  友人の作品や親しみのある美術作品をよさや美しさ、表し方などに関心をもって見ること。
イ  表現しようとすることに関連のある身近な造形品のよさや面白さなどに関心をもって見ること。

〔第5学年及び第6学年〕
1  目標
(1)  造形的な見方や感じ方を深め、想像力を働かせて主題の表し方の構想を練り、技法などを工夫して表し、造形的な創造表現の能力を高める。
(2)  生活を楽しく豊かにするものなどを、用途や美しさを考え構想を練ってつくり、デザインの能力や創造的な工作の能力を高める。
(3)  造形作品などを進んで鑑賞し、そのよさや美しさなどを感じ取り感性を高めるとともに、それらを大切にすることができるようにする。

2  内容

〔第5学年〕
A  表現
(1)  見たこと、感じたこと、想像したことを絵に表すことができるようにする。
ア  表したいことがよく表れるように、形や色などの特徴や美しさをとらえ、画面の構成など表し方の構想を練って絵に表したり、版などで表したりすること。
イ  表したい感じが表れるように、水彩絵の具などの特性を考えて表したり、木版などによる表現の特徴を考えて表したりすること。
(2)  見たこと、感じたこと、想像したことを立体に表すことができるようにする。
ア  表したいことがよく表れるように、立体としての特徴や美しさをとらえ、表し方の構想を練って立体に表すこと。
イ  表したい感じが表れるように、粘土や身近な材料の特性を考えて表したり、材料の特徴から発想したことを立体に表したりすること。
(3)  生活を楽しく豊かにするものをつくったり、身近な環境などを造形的に構成したり、伝え合うものをつくったりすることができるようにする。
ア  つくるものの用途や美しさ、楽しさを考えて、形による動きの感じ、色の強い弱いの感じ、材料の感じなどに関心をもってつくること。
イ  つくるものを絵や図にかいたり、必要に応じて試作したりするなどして、形や丈夫な組立て方、動く面白さの生かし方などの構想を練り、計画的につくったり、材料の特徴から発想してつくったりすること。
ウ  つくるものに合わせて、焼成に適した粘土、糸のこぎりや前学年までに経験した材料や用具などから適切なものを選んで使うとともに、それらの扱いに慣れること。

B  鑑賞
(1)  造形作品を鑑賞し、それらに親しむことができるようにする。
ア  我が国の親しみのある美術作品などのよさや美しさなどに関心をもって鑑賞すること。
イ  友人の作品を鑑賞し、表現の意図や特徴に関心をもつとともに、そのよさなどを分かり合うこと。

〔第6学年〕
A  表現
(1)  見たこと、感じたこと、想像したことを絵に表すことができるようにする。
ア  表したいことがよく表れるように、形や色などの特徴や美しさをとらえ、画面の構成など表し方の構想を練って絵に表したり、版などで表したりすること。
イ  表したい感じが表れるように、水彩絵の具などの特性を生かして表したり、木版などによる表現の特徴を生かして表したりすること。
(2)  見たこと、感じたこと、想像したことを立体に表すことができるようにする。
ア  表したいことがよく表れるようち、立体としての特徴や美しさをとらえ、表し方の構想を練って立体的に表すこと。
イ  表したい感じが表れるように、粘土や身近な材料の特性を生かして表したり、材料の特徴から発想したことを立体に表したりすること。
(3)  生活を楽しく豊かにするものをつくったり、身近な環境などを造形的に構成したり、伝え合うものをつくったりすることができるようにする。
ア  つくるものの用途や美しさ、楽しさを考えて、形や色、材料などの特徴を総合的に生かしてつくること。
イ  つくるものを絵や図にかいたり、必要に応じて試作したりするなどして、形や構造、動く面白さの生かし方などについて構想を練り、計画的につくったり、材料の特徴から発想してつくったりすること。
ウ  つくるものに合わせて前学年までに経験した材料や用具などから適切なものを選び、工作の技法を総合的に生かしながら使うこと。

B  鑑賞
(1)  造形作品を鑑賞し、それらに親しむことができるようにする。
ア  我が国及び諸外国の親しみのある美術作品などのよさや美しさなどに関心をもって鑑賞すること。
イ  友人の作品を鑑賞し、表現の意図や特徴が分かるとともに、そのよさなどを分かり合うこと。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  第2の各学年の内容の「A表現」の指導に配当する授業時数については、第1学年から第4学年までは(1)及び(3)に配当する時数が、第5学年及び第6学年では(2)及び(3)に配当する時数が、それぞれ各学年の年間授業時数の2分の1を下らないこと。
(2)  第2の各学年の内容の「B鑑賞」の指導は、「A表現」の指導に関連させて行うことを原則とすること。ただし、第5学年及び第6学年においては、指導の効果を高めるため必要がある場合には、鑑賞の指導を独立して行うようにすること。
(3)  第2の学年の内容の「A表現」の指導については、適宜共同製作の活動を取り上げるようにすること。
(4)  個々の児童が特性を生かした表現活動ができるようにするため、題材等に幅をもたせるとともに、児童が自分に適した表現製作の方法などを選ぶことができるようにすること。
(5)  低学年においては、自然や社会に関する指導との関連を図り、指導の効果を高めるようにすること。

2  材料や用具の取扱いについては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)  必要に応じて当該学年より前の学年において初歩的な形で取り上げたり、その後の学年で繰り返し取り上げたりして、児童が材料や用具の扱いに習熟するようにすること。
(2)  地域の身近にある材料を取り上げるようにすること。
(3)  事故防止に留意すること。

3  校内の適切な場所に作品を展示するなどし、平素の学校生活においてそれを鑑賞させるよう配慮する必要がある。

第8節  家庭

第1  目標
  衣食住などに関する実践的な活動を通して、日常生活に必要な基礎的な知識と技能を習得させるとともに家庭生活についての理解を深め、家族の一員として家庭生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる。
第2  各学年の目標及び内容

〔第5学年及び第6学年〕
1  目標
(1)  布を用いた身の回りの簡単な物の製作や日常着の手入れができるようにするとともに、日常着の着方や選び方を理解し、被服を工夫して整えることができるようにする。
(2)  簡単な調理ができるようにするとともに、日常食の栄養的なとり方や会食の意義を理解し、食事を工夫して整えることができるようにする。
(3)  家庭における家族の生活を理解し、快適な住まい方や計画的な生活を工夫することができるようにするとともに、協力して家庭生活をよりよくしようとする態度を育てる。

2  内容

〔第5学年〕
A  被服
(1)  被服の働きが分かり、目的に応じて日常着を着ることができるようにする。
(2)  日常着の整理・整とんやボタンなどを付けることができるようにする。
(3)  簡単な小物及び袋を製作することができるようにする。
ア  使用目的に応じた形や大きさ及び材料の選び方が分かり、採寸や裁断ができること。
イ  手縫いによるなみ縫い、返し縫い、玉結び、玉どめなどができること。また、ミシンを用いて直線縫いができること。
ウ  簡単な装飾ができること。
エ  製作に必要な用具の種類や扱い方が分かり、その安全な取扱いができること。

B  食物
(1)  体に必要な栄養素とその働き及びそれらの栄養素を含む食品の種類が分かり、食品を組み合わせてとる必要があることを理解できるようにする。
(2)  野菜や卵を用いて簡単な調理ができるようにする。
ア  調理に必要な材料の選び方や計量の仕方が分かること。
イ  食品の洗い方、切り方、加熱の仕方、味の付け方及び盛り付け方が分かること。
ウ  野菜を切ったりいためたりできること。また、卵をゆでたり焼いたりできること。
エ  調理に必要な用具や食器の安全で衛生的な取扱い及び燃料やこんろの安全な取扱いができること。
(3)  簡単な間食を整え、食べ方やすすめ方を工夫し、団らんの場を楽しくすることができるようにする。

C  家族の生活と住居
(1)  家庭における家族の仕事や役割が分かり、家族の一員として家庭の仕事に協力できるようにする。
ア  家族の仕事や役割が分かり、自分の立場や役割について考えること。
イ  自分の分担する仕事を工夫してできること。
(2)  身の回りの整理・整とんや清掃の適切な仕方が分かり、気持ちよく住むことができるようにする。
ア  収納の仕方を工夫し、自分の持ち物の整理・整とんができること。
イ  材質や汚れに応じて適切な清掃ができること。
(3)  身の回りの品物について活用の仕方が分かり、不用品やごみを適切に処理できるようにする。

〔第6学年〕
A  被服
(1)  日常着の適切な選び方が分かり、被服の整え方を工夫することができるようにする。
(2)  日常着の手入れの仕方が分かり、洗たく及びほころび直しができるようにする。
(3)  簡単なエプロンやカバー類を工夫して製作できるようにする。
ア  使用目的に応じた形や大きさの決め方が分かり、材料を選ぶことができること。
イ  採寸や裁断が工夫してできること。
ウ  手縫いやミシン縫いにより、目的に応じて縫うことができること。

B  食物
(1)  栄養を考えた食物のとり方が分かり、1食分の献立を作ることができるようにする。
(2)  日常よく使用される食品を用いて簡単な調理ができるようにする。
ア  米飯、みそ汁、じゃがいも料理、魚や肉の加工品を使った料理、サンドイッチ、飲み物などの調理ができること。
イ  調理に必要な材料の分量が分かり、計画を立て手順よく調理ができること。
ウ  盛り付けや配膳を工夫し、望ましい食事の仕方が分かること。
(3)  家庭生活における会食の意義を理解し、計画を立てて楽しい会食ができるようにする。

C  家族の生活と住居
(1)  団らんや仕事など生活時間の有効な使い方を工夫し、家庭生活に協力できるようにする。
(2)  買物の仕方や金銭の使い方などが分かり、計画的に生活する必要があることが理解できるようにする。
ア  物の選び方や買い方を考えて、適切に購入することができること。
イ  金銭の使い方と記録の仕方を工夫すること。
(3)  住居の働きが分かり、快適で安全な住まい方を工夫することができるようにする。
ア  気候の変化に対する住居や住まい方の工夫が分かり、換気をしたり暖房用具を安全に扱ったりすることができること。
イ  採光のための工夫や照明の仕方が分かること。
ウ  近隣の人々の生活を考え、環境を清潔にしたり騒音を防止したりする必要性が分かること。
(4)  家族の生活に役立つ簡単な物を布などを用いて製作し、活用できるようにする。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  題材を配列するに当たっては、指導の系統性を考慮するとともに季節や行事などとの関連を図り、指導の効果を高めるようにすること。
(2)  個々の児童が特性を生かした学習を展開できるようにするため、題材の扱いなどについて工夫すること。

2  第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)  各学年の指導については、つくる喜びや仕事の楽しさを味わうようにすること。
(2)  実習の指導については、次の事項に配慮すること。
ア  服装を整え、用具の手入れや保管を適切に行うこと。
イ  事故の防止に留意して、熱源や用具、機械などを取り扱うこと。
ウ  調理に用いる食品の衛生に留意すること。

3  家庭との連携を図り、児童が習得した知識や技能を実際の生活に活用するよう配慮する必要がある。

第9節  体育

第1  目標
  適切な運動の経験と身近な生活における健康・安全についての理解を通して、運動に親しませるとともに健康の増進と体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てる。

第2  各学年の目標及び内容

〔第1学年及び第2学年〕
1  目標
(1)  基本の運動及びゲームを楽しくできるようにするとともに、体力を養う。
(2)  だれとでも仲よくし、健康・安全に留意して運動をする態度を育てる。

2  内容
A  基本の運動(1)  走・跳の運動、力試しの運動、器械・器具を使っての運動、用具を操作する運動、水遊び及び模倣の運動について、他人との競争、いろいろな課題への取組などを行うとともに、体の基本的な動きや各種の運動の基礎となる動きができるようにする。
(2)  順番やきまりを守り、仲よく運動ができるようにする。
(3)  運動する場所の危険物を取り除いたり、水遊びの心得を守ったり、運動後、体を清潔にしたりすることができるようにする。
(4)  縦隊の集合、整とんなどの集団としての行動ができるようにする。

B  ゲーム
(1)  ボール遊び及び鬼遊びについて、友達と簡単な規則を決め、みんなでゲームが楽しくできるようにする。
(2)  規則を守り、互いに仲よくゲームを行い、勝敗を素直に認めることができるようにする。

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A基本の運動」及び「Bゲーム」に示す事項については、各学年で指導するものとする。
(2)  地域や学校の実態に応じて歌を伴う運動遊びや簡単なフォークダンスを加えて指導することができる。


〔第3学年及び第4学年〕
1  目標
(1)  各種の運動を楽しくできるようにするとともに、その特性に応じた技能を身に付け、体力を養う。
(2)  協力、公正などの態度を育てるとともに、健康・安全に留意して最後まで努力する態度を育てる。

2  内容
A  基本の運動(1)  走・跳の運動、力試しの運動、器械・器具を使っての運動、用具を操作する運動及び浮く・泳ぐ運動について、他人との競争、いろいろな課題への取組などを行うとともに、体の基本的な動きや各種の運動の基礎となるよい動きができるようにする。
(2)  運動の仕方のきまりをつくり、それを守り、互いに注意し合って仲よく運動ができるようにする。
(3)  運動をする場所を整備し、用具の安全を確かめ、浮く・泳ぐ運動の心得を守って、運動ができるようにする。
(4)  縦隊の集合、整とん、行進などの集団としての行動ができるようにする。

B  ゲーム
(1)  ポートボール、ラインサッカー及びハンドベースボールについて、友達と規則を工夫し、簡単な技能を身に付け、ゲームが楽しくできるようにする。
(2)  規則を守り、互いに協力してゲームを行い、勝敗を素直に認めることができるようにする。

C  器械運動
(1)  自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技ができるようにする。
ア  マット運動及び鉄棒運動について、技を繰り返したり、組み合わせたりすること。
イ  跳び箱運動について、支持跳び越しをすること。
(2)  互いに励まし合って運動ができるようにする。
(3)  器械・器具の使用の仕方を工夫して、安全に運動ができるようにする。

D  水泳
(1)  自己の能力に適した課題をもって、クロール及び平泳ぎの技能を身に付け、ある程度続けて泳ぐことができるようにする。
(2)  互いに協力して水泳ができるようにする。
(3)  水泳プールのきまりや水泳の心得を守って、安全に水泳ができるようにする。

E  表現運動
(1)  身近な生活の中から題材を選んで、その主な特徴をとらえて簡単な動きで表現したり、フォークダンスの踊り方を身に付けたりして、踊りを楽しむことができるようにする。また、友達や他のグループの踊りを見て、そのよさが分かるようにする。
(2)  互いに協力して練習や発表ができるようにする。

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A基本の運動」、「Bゲーム」及び「E表現運動」に示す事項については、各学年で指導するものとする。なお、「Bゲーム」の(1)の運動については、各学年に分けて指導することができる。
(2)  内容の「C器械運動」及び「D水泳」については、原則として第4学年で指導するものとする。その場合、「A基本の運動」の(1)に示す事項のうち器械・器具を使っての運動及び浮く・泳ぐ運動は扱わないものとする。

〔第5学年及び第6学年〕
1  目標
(1)  各種の運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするとともに、その特性に応じた技能を身に付け、体力を高める。
(2)  協力、公正などの態度を育てるとともに、健康・安全に留意し、自己の最善を尽くして運動をする態度を育てる。
(3)  体の発達と心の発達、けがの防止、病気の予防及び健康な生活について理解できるようにし、健康で安全な生活を営む能力と態度を育てる。

2  内容
A  体操
(1)  自己の体に関心をもち、ねらいをもって次の運動を行い、体力を高めることができるようにする。
ア  体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動をすること。
イ  力強い動き及び動きを持続する能力を高めるための運動をすること。
(2)  互いに協力して、計画的に運動ができるようにする。
(3)  縦隊及び横隊の集合、整とん、列の増減などの集団としての行動ができるようにする。

B  器械運動
(1)  自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技ができるようにする。
ア  マット運動及び鉄棒運動について、技を新たに加えてそれらを繰り返したり、組み合わせたりすること。
イ  跳び箱運動について、安定した動作での支持跳び越しをすること。
(2)  互いに協力して、計画的に運動ができるようにする。
(3)  器械・器具の使用の仕方を工夫して、安全に運動ができるようにする。

C  陸上運動
(1)  自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技能を身に付け、競争したり、記録を高めたりすることができるようにする。
ア  リレー・短距離走及び障害走
イ  走り幅跳び及び走り高跳び
(2)  互いに協力して、計画的に練習や競争ができるようにし、競争では、勝敗に対して正しい態度がとれるようにする。

D  水泳
(1)  自己の能力に適した課題をもって、クロール及び平泳ぎの技能を身に付け、続けて泳ぐことができるようにする。
(2)  互いに協力して、計画的に水泳ができるようにする。
(3)  水泳プールのきまりや水泳の心得を守って、安全に水泳ができるようにする。

E  ボール運動
(1)  次の運動の技能を身に付け、ルールを工夫したり、簡単な作戦を立てたりしてゲームができるようにする。
ア  バスケットボール
イ  サッカー
(2)  互いに協力し、役割を分担し、勝敗の原因を考え、計画的に練習やゲームができるようにする。

F  表現運動
(1)  身近な生活の中から題材を選んで、表したい感じをとらえて、動きに変化をつけて表現したり、フォークダンスの踊り方を身に付けたりして、踊りを楽しむことができるようにする。また、友達や他のグループの踊りを見て、そのよさが見分けられるようにする。
(2)  グループの目標を決め、互いに協力して、計画的に練習や発表ができるようにする。

G  保健
(1)  体の発育と心の発達について理解できるようにする。
ア  体は、年齢に伴って変化すること。また、思春期になると、体つきが変わり、初経、精通などが起こって次第に大人の体に近づくこと。
イ  心は、いろいろな生活経験を通して、年齢とともに発達すること。また、思春期になると異性への関心が芽生えること。
(2)  けがの防止について理解できるようにする。
ア  交通事故、学校生活の事故などによるけがの防止には、周囲の危険に気付いて的確な判断の下に安全に行動することが必要であること。
イ  交通事故、学校生活の事故などによるけがの防止には、環境を安全に整えることが必要であること。
(3)  病気の予防について理解できるようにする。
ア  病原体が主な要因となって起こる病気の予防には、病原体を体に入れないことや病原体に対する体の抵抗力を高めることが必要であること。
イ  生活行動や環境が主な原因となって起こる病気の予防には、望ましい生活習慣を身に付けること、住まいや衣服を整えることなどが必要であること。
(4)  健康な生活について理解できるようにする。
ア  健康の保持増進には、運動、休養、睡眠及び食事の調和のとれた生活をすることが必要であること。
イ  健康の保持増進には、良い水、良い空気及び日光が欠くことのできないものであること。
ウ  健康の保持増進には、個人の努力とともに、家庭、学校などの努力も必要であること。

3  内容の取扱い
(1)  内容の「A体操」から「F表現運動」までに示す事項については、各学年で指導するものとする。なお、「C陸上運動」の(1)のイについては、各学年に分けて指導することができる。
(2)  内容の「Eボール運動」の(1)については、地域や学校の実態に応じてソフトボールを加えて指導することができる。
(3)  内容の「G保健」については、(1)及び(2)を第5学年で、(3)及び(4)を第6学年で指導することを標準とする。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  地域や学校の実態を考慮するとともに、個々の児童の運動経験や技能の程度などに応じた指導が十分行えるよう工夫すること。
(2)  一部の領域の指導に著しく偏ることのないよう授業時数を配当すること。
(3)  第2の第5学年及び第6学年の内容の「G保健」については、各学年の年間授業時数の10分の1程度を配当すること。

2  各学年の内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  水遊び、浮く・泳ぐ運動及び水泳の指導については、適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれを扱わないことができるが、これらの心得については、必ず取り上げること。
(2)  クロール及び平泳ぎの指導については、スタートも取り上げること。その際、安全に十分留意すること。
(3)  集団としての行動の指導については、各学年の各領域(第5学年及び第6学年の内容の「G保健」を除く。(4)において同じ。)において行うこと。
(4)  歩の運動の指導については、各領域において適切に行うこと。
(5)  自然とのかかわりの深い雪遊び、氷上遊び、スキー、スケートなどの指導については、地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意すること。

第3章  道徳

第1  目標
  道徳教育の目標は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献できる主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うこととする。
  道徳の時間においては、以上の目標に基づき、各教科及び特別活動における道徳教育と密接な関連を図りながら、計画的、発展的な指導によってこれを補充、深化、統合し、児童の道徳的心情を豊かにし、道徳的判断力を高め、道徳的実践意欲と態度の向上を図ることを通して、道徳的実践力を育成するものとする。

第2  内容

〔第1学年及び第2学年〕
1  主として自分自身に関すること。
(1)  健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活をする。
(2)  自分でやらなければならない勉強や仕事は、しっかりと行う。
(3)  よいと思うことは進んで行う。
(4)  うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活する。

2  主として他の人とのかかわりに関すること。
(1)  気持ちのよいあいさつ、言葉遣い、動作などに心掛けて、明るく接する。
(2)  身近にいる幼い人や高齢者に温かい心で接し、親切に接する。
(3)  友達と仲よくし、助け合う。
(4)  日ごろ世話になっている人々に感謝する。

3  主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
(1)  身近な自然に親しみ、動植物に優しい心で接する。
(2)  生命を大切にする心をもつ。
(3)  美しいものに触れ、すがすがしい心をもつ。

4  主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(1)  みんなが使う物を大切にし、約束やきまりを守る。
(2)  父母、祖父母を敬愛し、進んで家の手伝いをする。
(3)  先生を敬愛し、学校の人々に親しんで、学級の生活を楽しむ。


〔第3学年及び第4学年〕
1  主として自分自身に関すること。
(1)  自分でできることは自分でやり、節度のある生活をする。
(2)  よく考えて行動し、過ちは素直に認める。
(3)  自分でやろうと決めたことは、粘り強くやり遂げるようにする。
(4)  正しいと思うことは、勇気をもって行う。
(5)  正直に、明るい心で元気よく生活する。

2  主として他の人とのかかわりに関すること。
(1)  礼儀の大切さを知り、だれに対しても真心をもって接する。
(2)  相手のことを思いやり、親切にする。
(3)  友達と互いに理解し、信頼し、助け合う。
(4)  生活を支えている人々や高齢者に、尊敬と感謝の気持ちをもって接する。

3  主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
(1)  自然のすばらしさや不思議さを知り、自然や動植物を大切にする。
(2)  生命の尊さを知り、生命あるものを大切にする。
(3)  美しいものや気高いものに感動する心をもつ。

4  主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(1)  約束や社会のきまりを守り、公徳を大切にする心をもつ。
(2)  働くことの大切さを知り、進んで働くようにする。
(3)  父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで明るく楽しい家庭をつくるように努める。
(4)  先生や学級の人々を敬愛し、明るく楽しい学級をつくるように努める。
(5)  郷土の文化や生活に親しみ、郷土を大切にする心をもつ。
(6)  我が国の文化や伝統に関心をもち、国を大切にする心をもつ。


〔第5学年及び第6学年〕
1  主として自分自身に関すること。
(1)  生活を振り返り、節度を守り節制に心掛ける。
(2)  より高い目標を立て、希望と勇気をもってくじけないで努力する。
(3)  自由を大切にし、規律ある行動をする。
(4)  誠実に、明るい心で楽しく生活する。
(5)  進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくするようにする。
(6)  自分の特徴を知って、悪い所を改め良い所を伸ばすようにする。

2  主として他の人とのかかわりに関すること。
(1)  時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。
(2)  だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする。
(3)  互いに信頼し、学び合って友情を深め、男女仲よく協力し助け合う。
(4)  謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする。
(5)  日々の生活が人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し、それにこたえるようにする。

3  主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
(1)  自然の偉大さを知り、自然環境を大切にする。
(2)  生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する。
(3)  美しいものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつ。

4  主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(1)  身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に責任を果たす。
(2)  公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たすようにする。
(3)  だれに対しても差別をすることや偏見をもつことなく公正、公平にし、正義の実現に努める。
(4)  働くことの意義を理解するとともに、社会に奉仕する喜びを知って公共のために役に立つように努める。
(5)  父母、祖父母を敬愛し、家族の幸せを求めて、進んで役に立つようにする。
(6)  先生や学校の人々への敬愛を深め、みんなで協力し合いよりよい校風をつくるように努める。
(7)  郷土や我が国の文化と伝統を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心をもつ。
(8)  外国の人々や文化を大切にする心をもち、日本人としての自覚をもって世界の人々と親善に努める。

第3  指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
1  学校においては、次に示すところにより、道徳教育の全体計画と道徳の時間の年間指導計画を作成するものとする。なお、これらの計画は固定的なものと考えず、必要に応じて計画に弾力性をもたせるものとする。
(1)  道徳教育の全体計画においては、学校における全教育活動との関連の下に、児童、学校及び地域の実態を考慮して、学校の道徳教育の重点目標を設定するとともに、第2に示す道徳の内容と各教科及び特別活動における指導との関連並びに家庭や地域社会との連携の方法を示す必要があること。
(2)  道徳の時間の年間指導計画においては、道徳教育の全体計画に基づき、各教科及び特別活動における道徳教育との関連を示す必要があること。また、その作成に当たっては各学年における指導内容の配列を工夫するとともに、学年間の関連を図る必要があること。

2  第2の内容は、内容の全体構成及び相互の関連性と発展性を明確化するために四つの視点によって分類し、学年段階に応じて指導する内容項目を重点的に示している。したがって、道徳の時間の年間指導計画の作成に当たっては、このことを十分に考慮し、児童や学校の実態に応じて必要な内容項目を重点的にあるいは繰り返して取り上げたり、幾つかの内容項目を関連付けて指導したりするなどの工夫を行う必要がある。なお、特に必要な場合には他の学年段階の内容項目を加えることができる。

3  道徳の時間における指導に当たっては、児童が興味や関心をもつ教材を開発したり、個に応じた指導を工夫したりするなど、児童が自ら道徳的実践力を養い、内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮する必要がある。

4  道徳教育を進めるに当たっては、学級や学校の環境を整えるとともに、学校の道徳教育の指導内容が児童の日常生活に生かされるよう家庭や地域社会との共通理解を深め、相互の連携を図るよう配慮する必要がある。

5  児童の道徳性については、常にその実態を把握し指導に生かすよう努める必要がある。ただし、各教科における評定と同様の評定を、道徳の時間に関して行うことは適切ではない。




第4章  特別活動

第1  目標
  望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図るとともに、集団の一員としての自覚を深め、協力してよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てる。

第2  内容
A  学級活動
  学級活動においては、学級を単位として、学級生活の充実と向上を図り、健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。
(1)  学級や学校における生活の充実と向上に関すること。
学級や学校における生活上の諸問題の解決、学級内の仕事の分担処理など
(2)  日常の生活や学習への適応及び健康や安全に関すること。
  不安や悩みの解消、基本的な生活習慣の形成、望ましい人間関係の育成、意欲的な学習態度の形成、学校図書館の利用や情報の適切な活用、健康で安全な生活態度の形成、学校給食など

B  児童会活動
  児童会活動においては、学校の全児童をもって組織する児童会において、学校生活の充実と向上のために諸問題を話し合い、協力してその解決を図る活動を行うこと。

C  クラブ活動
  クラブ活動においては、学年や学級の所属を離れ、主として第4学年以上の同好の児童をもって組織するクラブにおいて、共通の興味や関心を追求する活動を行うこと。

D  学校行事
  学校行事においては、全校又は学年を単位として、学校生活に秩序と変化を与え、集団への所属感を深め、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。
(1)  儀式的行事
  学校生活に有意義な変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。
(2)  学芸的行事
  平素の学習活動の成果を総合的に生かし、その向上の意欲を一層高めるような活動を行うこと。
(3)  健康安全・体育的行事
  心身の健全な発達や健康の保持増進などについての関心を高め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。
(4)  遠足・集団宿泊的行事
  平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましいて体験を積むことができるような活動を行うこと。
(5)  勤労生産・奉仕的行事
  勤労の尊さや生産の喜びを体得するとともに、社会奉仕の精神を涵養する体験が得られるような活動を行うこと。

第3  指導計画の作成と内容の取扱い
1  指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)  学校の創意工夫を生かすとともに、学校の実態や生徒の発達段階などを考慮し、児童による自主的、実践的な活動が助長されるようにすること。
(2)  学級活動(学校給食に係るものを除く。)及びクラブ活動については、学校や児童の実態に応じた指導が行われるよう適切にそれぞれの授業時数を配当すること。
(3)  学級活動の指導については、学校や児童の実態に応じて取り上げる指導内容の重点化を図るようにすること。また、生徒指導との関連を図るようにすること。
(4)  学校行事については、学校や地域及び児童の実態に応じて、各種類ごとに、行事及びその内容を精選して実施すること。

2  第2の内容の取扱いに当たっては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)  学級活動、児童会活動及びクラブ活動の指導については、指導内容の特質に応じて、教師の適切な指導の下に、児童の自発的、自治的な活動が展開されるようにすること。
(2)  児童会活動の運営は、主として高学年の児童が行うこと。

3  入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする。

○文部省告示第32号
  学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第25条の規定に基づき、平成2年4月1日から平成4年3月31日までの間における小学校学習指導要領(昭和52年文部省告示第155   号)の特例を次のように定め、平成2年4月1日から施行する。
平成元年3月27日 文部大臣 西岡武夫

1  総則
  平成2年4月1日から平成3年3月31日まで(以下「平成2年度」という。)及び平成3年4月1日から平成4年3月31日まで(以下「平成3年度」という。)の教育課程の編成に当たっては、小学校学習指導要領(昭和52年文部省告示第155   号。以下「現行小学校学習指導要領」という。) 第1章の規定にかかわらず、次のとおりとする。
(1)  音楽、図画工作、家庭及び体育の指導に当たっては、6、7、8及び9の規定により小学校学習指導要領(平成元年文部省告示第24号。以下「新小学校学習指導要領」という。)   による場合には、新小学校学習指導要領第1章第2の4及び第4の1(2)の規定によること。
(2)  現行小学校学習指導要領第1章の6(1)及び(2)の規定にかかわらず、新小学校学習指導要領第1章第3の1及び3の規定によること。

2  国語
(1)  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの国語の指導に当たっては、次項に規定するものを除き、現行小学校学習指導要領第2章第1節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新小学校学習指導要領第2章第1節の規定によることができる。
(2)  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの国語の漢字の指導については、次のとおりとする。
ア  次の表の第1欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第2欄に掲げる現行小学校学習指導要領第2章第1節第2の規定にかかわらず、同表の第3欄に掲げる新小学校学習指導要領第2章第1節第2の規定によること。
イ  次の表の第1欄に掲げる年度及び学年の別に従い、それぞれ、新小学校学習指導要領第2章第1節の別表において各学年ことに配当された漢字に加え、第2欄に掲げる漢字を指導すること。
ウ  漢字の指導に当たっては、現行小学校学習指導要領第2章第1節第3の2(3)の規定にかかわらず、新小学校学習指導要領第2章第1節第3の2(3)の規定によるものとすること。

3  社会
(1)  平成2年度の第1学年及び第4学年並びに平成3年度の第1学年から第5学年までの社会の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行小学校学習指導要領第2章第2節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項を省略し、また、同表の第4欄に掲げる新小学校学習指導要領第2章第2節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項を加えるものとする。
(2)  平成2年度及び平成3年度の第1学年及び第2学年の社会の指導に当たっては、新小学校学習指導要領第2章第5節の規定の趣旨を考慮し、前項に規定するもののほか、現行小学校学習指導要領第2章第2節第2の規定に係る事項の一部を省略したり、新小学校学習指導要領第2章第5節第2の規定に係る事項の一部を加えたりすることができる。

4  算数
(1)  平成2年度の第1学年、第2学年及び第6学年並びに平成3年度の第1学年、第2学年、第5学年及び第6学年の算数の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行小学校学習指導要領第2章第3節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項は、省略するものとする。
(2)  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第5学年の算数の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行小学校学習指導要領第2章第3節第2の規定にかかわらず、同表の第4欄に掲げる新小学校学習指導要領第2章第3節第2の規定によるものとする。

5  理科
(1)  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの理科の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行小学校学習指導要領第2章第4節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項は省略し、また、同表の第4欄に掲げる新小学校学習指導要領第2章第4節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項を加えるものとする。
(2)  平成2年度及び平成3年度の第1学年及び第2学年の理科の指導に当たっては、新小学校学習指導要領第2章第5節の規定の趣旨を考慮し、前項に規定するもののほか、現行小学校学習指導要領第2章第4節第2の規定に係る事項の一部を省略したり、新小学校学習指導要領第2章第5節第2の規定に係る事項の一部を加えたりすることができる。

6  音楽
(1)  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの音楽の指導に当たっては、現行小学校学習指導要領第2章第5節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新小学校学習指導要領第2章第6節の規定によることができる。
(2)  現行小学校学習指導要領による場合は、平成2年度及び平成3年度の第2学年、第4学年及び第5学年の音楽の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行小学校学習指導要領第2章第5節第2の規定にかかわらず、同表の第4欄に掲げる新小学校学習指導要領第2章第6節第2の規定によるものとする。
  なお、各学年の内容については、学習上の必要に応じて、第1学年及び第2学年、第3学年及び第4学年、第5学年及び第6学年の学年間において弾力的に取り扱うことができる。

7  図画工作
  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの図画工作の指導に当たっては、現行小学校学習指導要領第2章第6節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新小学校学習指導要領第2章第7節の規定によることができる。
  なお、現行小学校学習指導要領による場合には、各学年の内容について、学習上の必要に応じて、第1学年及び第2学年、第3学年及び第4学年、第5学年及び第6学年の学年間において弾力的に取り扱うことができる。

8  家庭
(1)  平成2年度及び平成3年度の第5学年及び第6学年の家庭の指導に当たっては、現行小学校学習指導要領第2章第7節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新小学校学習指導要領第2章第8節の規定によることができる。
(2)  現行小学校学習指導要領による場合には、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、同表の第3欄に掲げる現行小学校学習指導要領第2章第7節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項は省略し、また、同表の第4欄に掲げる新小学校学習指導要領第2章第8節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項を加えるものとする。
  なお、各学年の内容については、学習上の必要に応じて、第5学年及び第6学年の学年間において弾力的に取り扱うことができる。

9  体育
  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの体育の指導に当たっては、現行小学校学習指導要領第2章第8節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新小学校学習指導要領第2章第9節の規定によることができる。
  なお、現行小学校学習指導要領による場合には、各学年の内容について、学習上の必要に応じて、第1学年及び第2学年、第3学年及び第4学年、第5学年及び第6学年の学年間において弾力的に取り扱うことができる。

10  道徳
  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの道徳の指導に当たっては、現行小学校学習指導要領第3章の規定にかかわらず、新小学校学習指導要領第3章の規定によるものとする。

11  特別活動
  平成2年度及び平成3年度の第1学年から第6学年までの特別活動の指導に当たっては、現行小学校学習指導要領第4章の規定にかかわらず、新小学校学習指導要領第4章の規定によるものとする。

(初等中等教育局)

ページの先頭へ