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H-ⅡBロケット試験機による宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の打上げ及びHTV技術実証機の再突入に係る安全対策について

平成21年7月3日
宇宙開発委員会 安全部会

はじめに

 平成21年度に、H-ⅡBロケット試験機による宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機(以下「HTV技術実証機」という。)の打上げ及びHTV技術実証機の再突入が予定されている。

 この打上げ及び再突入に係る安全確保に関して、平成21年6月10日付け宇宙開発委員会決定を受けて、宇宙開発委員会安全部会は、「ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全評価基準」(平成16年12月13日 宇宙開発委員会安全部会)(以下「安全評価基準」という。)に基づき、平成21年6月12日から7月3日にかけて3回にわたり調査審議を行いその結果を取りまとめた。

 なお、打上げ時期については平成21年度夏期または秋冬期が想定されていることから、双方に対応した安全評価を実施した。

 1.保安及び防御対策

 ロケットによる打上げに際し、その整備作業段階から打上げ目的が達成されるまでの間の破壊・妨害行為に対して、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)が実施しようとする保安及び防御対策については、適切な対策が講じられている。

2.地上安全対策

  H-ⅡBロケット試験機によるHTV技術実証機の打上げに際し、射場及びその周辺における人命・財産の安全を確保するため、これまでの打上げ経験を踏まえて以下に示す安全対策がとられることとなっている。

  地上安全対策の対象は、ロケットの推進薬等の射場における取扱いから、打上げ後の後処置作業終了までの一連の作業すべてである。また、これら地上安全確保業務においては、関係法令が遵守されるほか、JAXA内で安全確保のための規定、基準、要領及び手順書が整備され、これらに基づき作業することで安全確認が徹底されることとなっている。

1.ロケットの推進薬等の射場における取扱いに係る安全対策

 ロケットの推進薬等(火薬類、高圧ガス、危険物及び毒物)(表-1及び図-1)の射場における取扱いに関し、以下のとおり適切な対策が講じられることとなっている。

(1)静電気対策

 火薬類、高圧ガス、可燃性液体等の取扱いに際しては、発火等の発生を防止するため、その種類に応じて、接地、静電気除去板への触手、帯電性資材の使用禁止、帯電防止防炎作業衣等の着用、湿度管理等の静電気対策がとられる。

(2)保護具の着用

 作業員の安全を確保するため、火薬類の取扱いに際しては必要に応じ導電性・耐火性作業衣、静電気靴及び保護面等を、高圧ガスの取扱いに際しては必要に応じ特殊作業衣、革手袋、安全靴及び保護面等を、危険物及び毒物の取扱いに際しては必要に応じ特殊作業衣、ゴム長靴、ゴム手袋、呼吸装置等の保護具の着用が義務付けられる。

(3)防護設備の使用等

 高圧ガスの充填・加圧作業については、作業員の安全確保のため所定圧力以上の時は遠隔操作され、止むを得ず機体側で操作するときは人員を制限し、防護設備の使用等の対策がとられる。

(4)推進薬等の取扱い施設に関する巡視等

 ロケットの推進薬等の取扱い施設については、不審者の立ち入り等を防止するため、防犯警報装置の設置による常時監視に加えて、夜間及び休日には警備員による巡視が行われ、打上げ作業期間中の射点周辺においては24時間体制の警戒等が行われる。

(5)発火性物品の持込み規制等

 ロケットの推進薬等の存在する区域については、マッチ、ライター、グラインダー、溶接機、バッテリー等の発火性物品の持込みが禁止される。
 また、指定場所以外での喫煙は禁止されるとともに、液化水素、液化酸素貯蔵タンク周辺等では非防爆電気機器の使用が規制され、携帯電話の使用及びフラッシュ撮影は禁止される。

(6)その他の対策

 ロケット打上げ後の燃料及び酸化剤の供給配管内の残留液の抜取り等の後処置作業は、打上げ整備作業時の安全対策に準じて実施され安全が確保される。
 電波機器の取扱いに関し、電波放射時における危険区域への立入禁止、放射に際しての各種確認が行われる。
 ヒドラジン等の取扱い作業中、又は保管されている環境下での作業中は、ヒドラジン濃度測定器等により常時環境モニターを行い安全が確認される。
 密閉空間内で酸欠のおそれのある作業をする場合は、酸素濃度計及び酸欠警報器を使用して安全が確認される。

2.警戒区域の設定

 ロケットの打上げに係る作業期間中の各段階に応じて、以下のとおり適切な警戒区域が設定され、関係者以外の立ち入り規制等が行われることとなっている。

(1)整備作業期間における警戒区域

 事故等の影響を最小限にするため、ロケット組立ての各段階について、安全評価基準Ⅲ2(1)に基づき警戒区域が設定されている。
 この区域については、事故等の防止のため、保安主任が指定又は許可した者以外の立ち入りはすべて禁止されるとともに、要所に警備員を配置して警戒が行われる。

(2)打上げ時における警戒区域

 液化水素及び液化酸素の充填のための最終準備作業が開始される前の適切な時期からは、万一爆発が起こった場合にも、爆風、飛散物、ファイアボールによる放射熱等に対する安全を確保するため、警戒区域が設定されている。
 地上安全に係る警戒区域については、安全評価基準Ⅲ2(2)に基づき、爆風に対する保安距離約2090mが最大となる。しかしながら飛行中断時に発生する落下破片の及ぶ範囲及び打上げ運用性の観点から、警戒区域は射点を中心とする半径3kmの範囲等に設定されている(表-2、図-2及び図-3)。
 警戒区域のうち陸上については、関係者以外の立ち入りを規制するため、立札、ポスターによる表示等が行われるとともに、要所に警備員を配置して巡回を行う等必要な措置が講じられる。また、警戒区域周辺については、鹿児島県警察本部等へ関係者以外の立ち入りを規制するための協力が依頼される。

 海上については、一般の船舶が立ち入らないよう、海上監視レーダ、双眼鏡及びAIS(Automatic Identification System:自動船舶識別装置)による警戒及び傭船による警戒が行われるほか、海上保安庁第十管区海上保安本部鹿児島海上保安部へ連絡員が派遣され、射場と緊密な連絡がとられる。これに加えて海上保安庁第十管区海上保安本部及び鹿児島県の協力により、巡視船、航空機等による警戒が行われる。

 さらに、警戒区域の上空についても、一般航空機の安全を確保するため、要所に配置された警戒員により監視が行われるほか、国土交通省大阪航空局種子島空港出張所と射場との間で緊密な連絡がとられる。

 打上げ事故時には、衛星搭載推進薬が流出・蒸発してガスが射場周辺に拡散することが想定される。ガス拡散に対する安全の確保の観点から、ガス拡散範囲の予測に基づき、射点から約4900mまでの陸上及び海上が通報連絡範囲として設定されている(図-4)。事前の安全対策として、町役場を含めた通報連絡体制の整備等が実施される他、事故時には拡散予測範囲内の人に対して屋内待避等の連絡等が行われる。

3.航空機及び船舶に対する事前通報

 打上げまでの期間においては、航空機及び船舶の航行の安全を確保するため、以下のとおり適切な時期に必要な情報が事前通報されることとなっている。
 事前に海上保安庁及び大阪航空局鹿児島空港事務所等に対して打上げを行う旨の通報が行われ、船舶に対しては水路通報により、また、航空機に対してはノータムにより全世界を対象に情報が通知される。
 また、打上げ日時に変更があった場合は、速やかに関係機関へ通報がなされる。

4.作業の停止等

 打上げ作業期間中においては、以下のとおり、必要な場合に適切に作業の停止を行うよう、安全上の措置が講じられることとなっている。

 打上げ作業期間中は、事故等の発生及び被害の拡大防止を図るため、保安主任卓、総合防災監視設備及び射点安全卓において作業が常時監視され、作業安全上支障が生じる又は生じるおそれがあるときは、打上実施責任者又は保安主任(図-12)により作業の全部又は一部の停止が指令される。
 作業が停止され、打上げが延期される場合で、火工品結線解除、燃料・酸化剤の排出作業等が必要な場合は、安全を十分配慮した逆行スケジュールに従って実施される。

5.防災対策

 射場における事故等の防止のため、以下のとおり、適切な防災対策がとられることとなっている。

(1)防災設備の設置及び防災計画の作成

 警報装置(火災報知器等)、防火・消防設備(図-5)等の防災設備が設置され、火災報知、防犯警報等の情報は総合防災監視所等で常時モニターされる。
 また、防災のためのJAXA内部規程が整備されており、防火、消防及び防護の設備については、危険作業の実施に先立ち十分な点検が行われる。

(2)荒天、襲雷、地震時等の対策

 ロケットの推進薬等の取扱い等危険作業実施中に「台風警戒報」又は「雷警戒報」が発令された場合は、作業が停止され、必要な安全対策が実施された後、安全な場所へ退避が行われる。
 「津波警報」が発令された場合又は「地震」が発生した場合は、JAXAの内部基準に基づき作業が停止され、応急措置が講じられた後、安全な場所へ退避が行われる。
 警報等解除後は、ロケット、ペイロード、施設設備等の必要な点検及び被害調査が実施され、安全が確認された後、平常作業への復帰がなされる。

3.飛行安全対策

 H-ⅡBロケット試験機の打上げに伴い発生する落下物等及びロケットの飛行に対する安全対策、並びに航空機及び船舶の安全を確保するため、これまでの打上げ経験を踏まえて以下に示す飛行安全対策がとられることとなっている。

  これら飛行安全確保業務においては、関係法令が遵守されるほか、JAXA内で安全確保のための規定、基準及び手順書が整備され、これらに基づき作業することで安全確認が徹底されることとなっている。

1.打上げ時の落下物等に対する安全対策

 打上げに伴い発生する落下物等に対する安全を確保するため、飛行計画の策定に際しては、ロケットの正常飛行時の落下物の落下予想区域とともに、推力停止した場合の落下物に対する警戒区域及び落下予測点軌跡について、(1)及び(2)のとおり十分に安全確保が考慮されることとなっている(飛行経路は図-6)。

(1)正常飛行時のロケット落下物に対する安全対策

  ロケットが正常に飛行した場合の落下物としては、4本の固体ロケットブースタ(SRB-A)、衛星フェアリング及び第1段機体がある。これらの落下中の大気抵抗等を考慮した落下予想区域は、図-7のとおりとなり、陸地及びその周辺海域に影響を与えないよう設定されている。

(2)ロケットが推力停止した場合の落下物に対する安全対策

 万一、ロケットに異常が発生し、飛行中断措置等により推力停止し落下する場合にも、破片の衝突、固体推進薬の二次爆発並びに搭載推進薬の流出によるガス拡散等による射場の周辺における被害の発生を防止するなどのため、飛行安全に係る警戒区域が設定され、警戒が行われる。
 飛行安全に係る警戒区域は、二次爆発の影響を含めた落下破片、搭載推進薬の流出によるガス拡散の及ぼす影響を考慮して、射点を中心とする半径3kmの区域が設定されている(図-2)。

  また、射場周辺の海域については、海上警戒区域(図-3)が設定され、その中に船舶が入らないように警戒が行われ、その海上警戒区域外では発射直後の飛行中断に伴う破片の落下分散が評価され、飛行中断に伴う破片の落下による船舶被害の発生の可能性が極めて小さいと評価されている。打上げ事故時には、海上における通報連絡範囲内の船舶等に対して船室内への退避及び射点から約4900m外への避難を行うよう連絡がとられる。

  さらに、射場周辺から離れた地域についても、落下予測点軌跡(推力飛行中のロケットが突然推力停止の状態に陥った場合に予測される落下点の軌跡)の分散域が、人口稠密地域から可能な限り離れて通過するよう飛行経路が設定されている(図-8)。

2.打上げ時の状態監視、飛行中断等の安全対策

 ロケットが故障した場合の落下物に対する安全を確保するため、飛行中の状態監視を行い、必要な場合は飛行の中断が安全に行えるよう、以下のとおり適切な対策がとられることとなっている。

(1)飛行中の状態監視

  ロケットの位置、速度、内部機器作動状況等について、図-9に示すように、光学設備、ITV、レーダ、テレメータ等により、安全確保のために必要な範囲において、飛行中の状態監視が行われる。

(2)飛行中断

安全確保のために必要な範囲において、飛行中断によるロケットの落下あるいはロケットの破壊時の破片の落下による影響が陸地等に及ばないよう、落下限界線が設定されている(図-4)。

次のいずれかの場合に該当するときは、飛行安全主任の指示により、ロケットの指令破壊等が行われ、飛行が中断される。

1  ロケットの落下予測域が落下限界線と接触するとき。
2  ロケットの落下予測域の監視が不可能となり、ロケットの落下予測域が落下限界線と接触するおそれがあると判断されるとき。
3  ロケットの飛行中断機能が喪失する可能性が生じ、かつ、ロケットの落下予測域が落下限界線と接触するおそれがあると判断されるとき。
4  その他、ロケットの飛行続行により安全確保上支障が生じるおそれがあると判断されるとき。 

(注)ある時点のロケットの落下予測域とは、ロケットの飛行を中断した場合に、落下物の衝突、二次爆発による爆風及び二次破片の飛散、並びに搭載推進薬の流出及び拡散等により危害が及ぶおそれのある範囲。
なお、正常飛行範囲を飛行するロケットの落下予測域が落下限界線を通過する場合には、その直前までの飛行状況が正常であることを条件として飛行中断条件の適用が見合わされる。

(3)地上とロケットの間において安全上必要なデータ取得、コマンド送受のための電波リンクの確保

  ロケット打上げから飛行安全管制終了まで安全に飛行させるため、回線のマージンもあり、安全確保上必要な電波リンクが確保されている。

3.HTV技術実証機の再突入飛行の安全対策

 再突入飛行に関しては、以下のとおり適切な方策が講じられることとなっている。

(1)再突入着水予定区域の設定

   設定された着水予定区域は、図―10(南緯45~55度、東経190.5~278.5度)のとおりであり、同区域は陸地から200海里以上離れた公海上で、他国の排他的経済水域外であることが確認されている。

(2)再突入経路の設定

HTV技術実証機の残存物が着水すると予想される区域が着水予定区域内に入るように、再突入ウインドが設定されており、再突入時の再突入経路はこの再突入ウインドを外れないように計画されている。

(3)再突入飛行の可否判断の実施

   再突入飛行に際しては、以下の条件を考慮して実施の可否が判断され、地上から再突入コマンドが送信されることで再突入が開始される。

1 再突入飛行実施前に計画した再突入経路に沿った飛行位置であることが確認され、再突入前の姿勢が確立できていること。
2 航法誘導制御系(GNC,姿勢制御機器)が再突入に関する最低限の機能を果たし得る状態であること。
3 推進系(推力及び再突入時に使用する機器等)が再突入に関する最低限の機能を果たし得る状態であること。 

以上のとおり、計画された再突入経路に沿って再突入をすることで、HTV技術実証機の残存物が着水予定区域内に入り、安全が確保されることとなる。

4.航空機及び船舶に対する事前通報

 ロケット打上げ時において、航空機及び船舶の航行の安全を確保するため、Ⅱ.3.にあるように、適切な時期に必要な情報が通報されることとなっている。
 また、再突入機の再突入飛行時においても、航空機及び船舶の航行の安全を確保するため、航空機についてはニュージーランド及びチリの関係機関にノータムの通知をし、水路通報等のため海上保安庁に通知をするとともにニュージーランド及びチリ当局に情報通知をおこなう等、適切な時期に必要な情報が通報されることとなっている。

5.軌道上デブリの発生の抑制

(1)軌道投入段の破壊・破片拡散防止

 軌道上に残るものとしては、ロケット第2段機体がある。
 第2段機体については、推進薬タンク及びヘリウム気蓄器の内圧上昇による破壊を防止するため、ミッション終了後に、推進薬等の放出が実施されるとともに指令破壊用火工品の作動を防止する措置がとられている。
 なお、第2段機体に搭載されているタンク等については、内圧上昇に対する機械式の安全弁が備えられている。

(2)分離機構等 
 HTV用分離機構は、作動時に破片等を放出しないよう考慮されている。
また、HTV技術実証機には衛星の展開部品に相当する部品はなく、破片等の放出もない。

4.安全管理体制

 安全対策を確実に遂行するため、以下のとおり適切な体制が整備されることとなっている。

1.安全組織及び業務 

 ロケットの打上げにおいては、専ら安全確保に責任を有する組織として、打上実施責任者の下に保安主任、企画管理主任及び飛行安全主任が置かれ、それぞれの所掌範囲において業務内容に応じた班が編成される。また、企画管理主任の下には企画班が編成される(図-11、図-12及び図-13)。そして、各種の通信手段により連携して安全体制が機能するように措置される。
  すべての安全上の問題点は、保安主任、企画管理主任及び飛行安全主任により把握され、直ちに打上実施責任者へ報告されて処置されている。なお、緊急時には保安主任、企画管理主任及び飛行安全主任により処置されるとともに打上実施責任者へ報告される。

    HTVの再突入においては、安全確保に責任を有する組織が設置されている(図-14)。また安全上のあらゆる問題について責任者まで報告される仕組みとなっている。

2.安全教育・訓練の実施

 JAXAは、鹿児島宇宙センター安全教育実施基準に従い、JAXA及び契約会社の講師を承認する。それら講師は、打上げ整備作業に携わるすべての要員に対して、作業の実施に必要な安全知識、事故処理手順等について安全教育・訓練を実施するとともに、危険作業を行う要員に対して、作業開始前に安全注意事項、想定事故のケーススタディ等の作業別安全教育・訓練を実施する。

 また、JAXA及び契約会社は、連携してロケットの故障の発生を想定した訓練等、飛行安全の確保に必要な安全教育・訓練を実施する。
 さらに、JAXAは、万一重大な事故等が発生した場合に備えて、事故対策本部が迅速かつ的確に対応できるよう、総合防災訓練を実施する。
 また、HTV再突入についても、情報伝達、指揮系統の確認の他、異常時の対応も含めた総合的な訓練を実施している。

3.緊急事態への対応

 打上げ作業期間中に、事故等が発生した場合又は発生のおそれがある場合は、被害を最小限にとどめるため、予め定める手順書に従って必要な措置が講じられる。
 また、予め自衛消防隊、現地事故対策本部及びJAXA事故対策本部の設置手順が設定され(図-15、図-16及び図-17)、事故等の状況に応じて外部関係機関(地方公共団体等)への連絡等、必要な措置が講じられる。 

 HTV再突入においても緊急事態へ即応できる体制が確立されている(図-18)。

5.JAXAの安全対策等に対する所見

 以上のとおり、平成21年度夏期または秋冬期に計画されているH-ⅡBロケット試験機によるHTV技術実証機の打上げ及びHTV技術実証機の再突入において、JAXAが実施しようとしている保安及び防御対策、地上安全対策、飛行安全対策並びに安全管理体制は、非公開で行った審議*を含め、「安全評価基準」に規定する要件を満たし、所要の対策が講じられており、妥当である。

* 「第13条(会議の公開) 本委員会及び部会の議事、会議資料及び議事録は、公開する。ただし、特段の事情がある場合においては、事前に理由を公表した上で非公開とすることができる。」(宇宙開発委員会の運営について 平成13年1月10日宇宙開発委員会決定)に従い、安全部会は、原則として公開とし、特段の事情がある場合には非公開とすることができる。

表及び図のリスト

表-1  ロケット等搭載用保安物リスト
表-2  打上げ時地上安全に係る警戒区域に関する爆風等に対する保安距離
図-1  H-ⅡBロケット搭載保安物概要(高圧ガス、危険物等)
図-2  打上げ時の陸上警戒区域
図-3  海上警戒区域
図-4  ガス拡散範囲に係る通報連絡範囲及び落下限界線
図-5  吉信射点消火設備配置図
図-6  H-ⅡBロケット試験機の飛行経路概要
図-7  落下物の落下予想区域
図-8  ロケットの落下予測点軌跡と3σ分散範囲
図-9  飛行安全システム概念図
図-10 HTVの着水予定区域
図-11  打上隊組織
図-12  地上安全組織及び業務
図-13  飛行安全関連打上隊組織
図-14 HTV技術実証機運用管制体制
図-15  自衛消防隊の組織
図-16  現地事故対策本部の組織
図-17  安全に関わる重大な事故発生時の事故対策本部の組織
図-18 HTVの安全に関わる重大な事故発生時の事故対策本部の組織

参考

H-ⅡBロケット試験機による宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の打上げ及びHTV技術実証機の再突入に係る安全の確保に関する調査審議について

平成21年6月10日
宇宙開発委員会

1.調査審議の趣旨

  ロケットの打上げ及び再突入機の再突入に係る安全評価については、「ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全評価基準(平成16年12月)」(以下「安全評価基準」という。)に基づき調査審議を行っているところである。

平成21年度には、H-ⅡBロケット試験機による宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の打上げ及びHTV技術実証機の再突入が予定されており、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)による安全審査が終了したことから、これらの打上げ及び再突入に係る安全対策について、安全部会において次のとおり調査審議を行うこととする。

2.調査審議を行う事項

  H-ⅡBロケット試験機の打上げ及びHTV技術実証機の再突入に関して、安全評価基準に基づき、以下の観点から安全対策の妥当性について調査審議を行う。

(1)保安及び防御対策
(2)地上安全対策
(3)飛行安全対策
(4)安全管理体制 

3.日程

  調査審議の結果は、7月中を目途に宇宙開発委員会に報告するものとする。

4.安全部会の構成員

  本調査審議に係る安全部会の構成員は、別紙のとおり。


宇宙開発委員会安全部会構成員

 

(委員)

部会長

池上 徹彦  宇宙開発委員会委員

部会長代理

青江  茂  宇宙開発委員会委員
森尾  稔  宇宙開発委員会委員(非常勤)

(特別委員)

飯田 光明  独立行政法人産業技術総合研究所爆発安全研究コア代表
工藤  勲  北海道大学名誉教授
熊谷  博  独立行政法人情報通信研究機構理事
栗林 忠男  慶應義塾大学名誉教授
河野 通方  独立行政法人大学評価・学位授与機構教授
佐藤 吉信  国立大学法人東京海洋大学海洋工学部教授
下平 勝幸  前日本大学理工学部非常勤講師
首藤 由紀   株式会社社会安全研究所取締役副所長
竹ヶ原春貴 公立大学法人首都大学東京大学院システムデザイン研究科教授
中村  順  警察庁科学警察研究所法科学第二部長
花田 俊也  国立大学法人九州大学大学院工学研究院准教授
雛田 元紀  宇宙科学研究所名誉教授
馬嶋 秀行  国立大学法人鹿児島大学大学院医歯学総合研究科教授
松尾亜紀子 慶應義塾大学理工学部教授
宮沢 与和  国立大学法人九州大学大学院工学研究院教授
宮本  晃  日本大学大学院総合社会情報研究科教授 

●宇宙開発委員会の運営等について   (平成十三年一月十日宇宙開発委員会決定)

文部科学省設置法及び宇宙開発委員会令に定めるもののほか、宇宙開発委員会(以下「委員会」という。)の議事の手続きその他委員会の運営に関して、以下のとおり定める。

第一章 本委員会

(開催)

第一条 本委員会は、毎週1回開催することを例とするほか、必要に応じて臨時に開催できるものとする。

(主宰)

第二条 委員長は、本委員会を主宰する。

(会議回数等)

第三条 本委員会の会議回数は、暦年をもって整理するものとする。

(議案及び資料)

第四条 委員長は、あらかじめ議案を整理し必要な資料を添えて本委員会に附議しなければならない。

2 委員は、自ら必要と認める事案を議案として本委員会に附議することを求めることができる。

(関係行政機関の職員等の出席)

第五条 委員会の幹事及び議案に必要な関係行政機関の職員は、本委員会の求めに応じて、本委員会に出席し、その意見を述べることができる。

2 本委員会は、必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。

(議事要旨の作成及び配布)

第六条 本委員会の議事要旨は、本委員会の議事経過の要点を摘録して作成し、本委員会において配布し、その確認を求めるものとする。

第二章 部会

(開催)

第七条 部会は、必要に応じて随時開催できる。

2 部会は、部会長が招集する。

(主宰)

第八条 部会長は、部会を主宰する。

(調査審議事項)

第九条 部会において調査審議すべき事項は、委員会が定める。

(関係行政機関の職員等の出席)

第十条 委員会の幹事及び議案の審議に必要な関係行政機関の職員は、部会の求めに応じて、部会に出席し、その意見を述べることができる。

2 部会は、必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の出席を求め、その意見を聞くことができる。

(報告又は意見の開陳)

第十一条 部会において調査審議が終了したときは、部会長は、その結果に基づき、委員会に報告し、又は意見を述べるものとする。

(雑則)

第十二条 本章に定めるもののほか、部会の運営に関し必要な事項は、部会長が定める。

第三章 会議の公開等

(会議の公開)

第十三条 本委員会及び部会の議事、会議資料及び議事録は、公開する。ただし、特段の事情がある場合においては、事前に理由を公表した上で非公開とすることができる。

(意見の公募)

第十四条 本委員会又は部会における調査審議のうち特に重要な事項に関するものについては、その報告書案等を公表し、国民から意見の公募を行うものとする。

2 前項の公募に対して応募された意見については、本委員会又は部会において公開し、審議に反映する。

(雑則)

第十五条 本章に定めるもののほか、公開等に関し詳細な事項は、委員長が委員会に諮って定める。

第四章 その他

(雑則)

第十六条 前条までに定めるもののほか、議事の手続きその他委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定める。

 

 

お問合せ先

宇宙開発委員会事務局

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(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

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