付録1

次期固体ロケットプロジェクトの評価票の集計及び意見

評価結果

  妥当 概ね妥当 疑問がある
1.プロジェクトの目的(プロジェクトの意義確認) 8 3 0
2.プロジェクトの目標 8 3 0
3.開発方針 7 4 0
4.実施体制 6 5 0
5.その他 該当なし 該当なし 該当なし

1.プロジェクトの目的(プロジェクトの意義の確認)

固体ロケットプロジェクトの目的が、「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」(総合科学技術会議)及び「宇宙開発に関する長期的な計画」(以下、「長期計画」という。)において規定されている我が国における宇宙開発利用全体の意義、目標及び方針等を踏まえ、さらに次期長期計画の検討の一環として実施した、輸送系ワーキンググループの結論に照らし、的確に詳細化、具体化されているかについて評価して下さい。

  妥当 概ね妥当 疑問がある
プロジェクトの目的(プロジェクトの意義の確認) 8 3 0

評価根拠のコメント

【妥当】
  1. 次期固体ロケットプロジェクトの目的が、「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」及び「宇宙開発に関する長期的な計画」において規定されている内容、さらに次期長期計画の検討の一環として実施した、輸送系ワーキンググループの結論に照らし、的確に詳細化、具体化されている。
  2. 固体ロケットシステム技術の維持・向上は「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」及び「宇宙開発に関する長期的な計画」、それに基づく国の政策の中でいずれもその重要性が指摘されている。固体ロケットシステム技術の維持・向上を目指し、日本の宇宙科学を国際的水準に保ち支えてきたミューファイブロケットの技術的成果を継承しつつ、その課題を解消し、多様な独自性の高い宇宙科学ミッションを迅速かつ高い頻度で、低コストで短期に実現を目指す小型衛星計画への対応を図る本プロジェクトの目的は妥当なものである。
  3. 本プロジェクトは、「基本戦略」、「長期計画」等に規定されているわが国における宇宙開発利用全体の意義、目標及び方針等を踏まえるとともに、その目的は、次期長期計画の検討の一環として実施された輸送系ワーキンググループの結論である「固体ロケット固有の技術の向上を図りつつ、小型衛星へ柔軟、効率的に対応することが適切」等に的確に対応するものと認められる。ミューファイブロケットの技術的成果をもとにし、そこにミューファイブロケットが有していた課題に対する改善策を加え、さらに、打ち上げシステムの抜本的な簡素化等を目指すことによってプロジェクトの目的の達成を図ろうとする本プロジェクトの方針は、妥当である。ユーザ(小型衛星)のニーズが多々あり、多岐にわたっていることも具体的に示されており、本プロジェクトにおいて提案された次期固体ロケットをわが国が備えることの意義は大きいと考えられる。
  4. 開発の進捗と共に徐々に打ち上げ能力を増大させてきたMロケットの技術開発を一旦終了し、H-2Aロケットを我国の基幹ロケットと位置づけた現在、大きなニーズが予想される小型衛星の打ち上げに適した小型ロケットとして、運用性、経済性に優れた全固体、小型ロケットを開発する事は極めて妥当である。
  5. これまでにわが国の独自技術として培われてきた固体ロケットの技術を維持発展させると同時に、小型の科学衛星のニーズにフレキシブル且つ迅速に対応出来るLow Cost固体ロケット輸送システムの開発を目的としており、プロジェクトの目標は妥当である。
  6. 固体ロケット開発技術は国家の基幹技術の一つとして維持発展していくべきものである。ミューファイブロケット開発からすでに10年近く経過しており、開発経験の継続による人材育成の面からみても本プロジェクトの意義は大きい。
    宇宙科学衛星だけでなく技術実証衛星打ち上げロケットとして使用されることにより、これまで以上に新規技術開発の実証機会が増加し、我が国の宇宙開発の信頼性向上に寄与することを期待したい。
    ミューファイブロケット主体から「大型(H-2)ロケットと小型ロケットの組み合わせ」へという柔軟なニーズ対応は、宇宙科学衛星の動向変化だけでなく、三機関統合によって可能になった成果の一つといえよう。
  7. 今後の宇宙輸送システムの技術開発にとっては重要なプロジェクトであり、その目的は、我が国の宇宙開発利用全体の意義、目標及び方針、次期長期計画の検討の一環として実施された輸送系ワーキンググループ等の結論が的確に反映されている。
【概ね妥当】
  1. 技術実証衛星としての固体ロケットにおける日本の技術の蓄積及び今後の技術開発の取り組みは必要不可欠である。しかし、ワーキンググループにより十分検討されての小型科学衛星の16候補が選定されたのだろうが、各ワーキンググループの意義についての具体性が乏しい。
  2. 輸送系として、開発したいという希望は理解するが、JAXA(ジャクサ)全体での、打ち上げの構想の中での位置づけが弱い気がする。H-2Aを用いた、複数の小型衛星の打ち上げとのコスト比較など、もっと、経済面・運用面での検討・論理の補強が必要であろう。
  3. 次期固体ロケットの必要性、意義、などは充分理解できる。なお、固体ロケット技術の継承、新規技術開発の方向性につては充分留意して欲しい。

2.プロジェクトの目標

1)次期固体ロケットプロジェクトにおいて設定された目標が具体的に(何を、何時までに、可能な限り数値目標を付してどの程度まで)明確となっているか、2)設定された目標が設定された目的に照らし、要求条件を満たしているかを含め的確であるか、3)その目標に対する成功基準が的確であるか、について評価して下さい。
目標が複数設定される場合にはそれらの優先順位及びウェイトの配分が的確であるかを評価して下さい。

  妥当 概ね妥当 疑問がある
プロジェクトの目標 8 3 0

評価根拠のコメント

【妥当】
  1. 次期固体ロケットプロジェクトにおいて設定された目標が具体的に明確となっており、設定された目標が設定された目的に照らし、要求条件を満たし的確であり、その目標に対する成功基準が的確である。
  2. 目標を、小型科学衛星候補の分析に基づく軌道投入能力の項目、世界の固体ロケットの打ち上げ費用を配慮した打ち上げ費用の項目、さらにシステムの簡素化と運用性効率化を意識した機体製造期間の項目と射場作業期間の項目の四つに分け、項目ごとに具体的数値を設定している。いずれも設定された目的の要求条件を満たしており、目標は現時点で妥当なものだと思われる。
  3. 次期固体ロケットの目標として、軌道投入能力を地球周回軌道に1.2トン、太陽同期軌道に0.6トンとし、打ち上げ費用25〜30億円、機体製造期間1年以下、射場作業期間7日、としていることは妥当である。軌道投入能力は小型科学衛星等への対応という観点から適切とみなされ、打ち上げ費用もミューファイブロケットの実績に対して大きな低減が図られるとともに、世界の固体ロケットと比肩しうるものであると認められる。機体製造期間1年以下は目標として評価できるものであり、特に、射場作業期間7日は画期的である。
  4. 将来H-2シリーズ、GXロケットと共にラインナップを構成するロケットとして、ミューファイブロケットより能力を落し、又 H-2Aの固体ロケットブースター技術を活用する等により、開発期間を短縮し、経済性に重点をおいた目標設定は妥当である。
  5. 従来培ってきた個体ロケット技術に新規技術を導入し、打ち上げシステムの簡素化による、開発期間の短縮やコスト削減等は評価に値する。世界に先駆けた小型・高性能個体ロケットの開発に期待したい。
  6. 概念検討に必要な目標・方向付けは、打上げ費用および機体製造と射場作業における機動性などを含め、明確になっている。
  7. システム構成と運用を簡素化することにより、信頼性が高く、コストの低減、運用性の向上が期待できる目標設定となっている。
【概ね妥当】
  1. 打上げ能力は衛星側のニーズを考慮した仕様となっており、また打上げコスト、開発スケジュールおよび開発コストの目標値も明確となっている。開発費用および運用コストは、国際比較から見てもほぼ妥当なレベルと思われ、プロジェクトの目標は妥当である。但し小型科学衛星の候補リストを見ても、衛星のミッションは多様のようであり、ロケットが単一のコンフィギュレーションで対応出来るのか多少の疑問が残る。今回の開発で何処まで進めるかに関しては今後の議論であるとしても、計画決定段階でもう少し幅広い検討を実施し、将来のGrowthポテンシャル或いはバージョンを考慮に入れた上で具体的な開発に進むべきでは無いかと考える。
  2. とにかく、固体ロケットを維持したいという意図は明確にわかる。
  3. 次期固体ロケットが性能とコストのバランスが取れた開発を目標としていることは理解できる。しかし一方で液体ロケットの場合、打上げ費用は固体ロケットに比較し低廉である場合もあり、このような現実を踏まえた上で新しい固体ロケットの開発を進めて頂きたい。
    なお、ロケット本体以外では様々な新規技術の研究開発が提案されており、是非次世代の輸送系インフラとなる成果を上げて欲しい。

3.開発方針

次期固体ロケットプロジェクトの開発活動全体を律する基本的な考え方ないし方針が設定された目標の達成に対し的確であるかを評価して下さい。

  妥当 概ね妥当 疑問がある
開発方針 7 4 0

評価根拠のコメント

【妥当】
  1. 小型衛星への柔軟な対応、信頼性向上、コスト低減、運用性向上、いずれも目標達成には不可欠な開発方針である。信頼性向上で基幹ロケットとの基盤共有化・強化を図るとされているが、コスト低減で進められる高度な技術(性能)とのバランスを取ったコスト低減を図る上でも配慮すべきことかもしれない。開発方針はいずれも妥当なものと思われる。
  2. 提示された開発方針は、目標達成を目指すものとして妥当である。
    なお、提案された運用性向上のためのシステム簡素化は、射場作業・打ち上げにおける安全性の維持・確保を大前提として考えられているものとみなしたい。
  3. 基幹ロケットとの技術基盤の共通化を図りながらも、従来のミューファイブロケットで確立した技術を更に発展させた上段ロケットの開発方針、又 固体ロケットの運用性のよさを更に強化するべく、自己診断機能等を取り入れた機体インテリジェント化等、極めて妥当な開発方針と考える。
    又 電子情報網の活用によるミッション解析期間の短縮に取組む点も評価したい。
  4. ロケットの開発コストおよび運用のコスト低減の観点から、従来のミューファイブおよびH-2Aロケット等からの連続性および共用性を重視した設計、開発が計画されている。同時に、従来ミューファイブの課題の1つであった運用性の改善が重要課題として取上げられている。更に新規開発による技術革新の観点から、将来基幹ロケットにも採用出来るポテンシャルを持った先進的な電気システムの開発を行う計画となっており、開発方針は極めて妥当である。ロケット技術は国のSecurityに係るセンシティーブな技術であり、従って国としての独自性が重要である。部品および方式の選定等に当っても、その点を十分考慮して、具体的な開発アイテムおよび設計内容を決定することが重要と考える。
  5. 従来の経験に基づき小型衛星に着手することで、多様な軌道へ対応できることは評価できる。
  6. 次期小型ロケットの開発研究に向けての必要な大まかな方向付けは網羅されている。今後の概念設計においてそれらの検討が充分に詰められ、具体化/定量化された内容が明らかにされることを期待したい。
  7. 目標を実現すべく的確な開発方針が述べられ、成果が期待できる。
  8. 上段ロケット(第2段、第3段)の最適ステージング(推進薬量の最適配分)や上段ロケットのコストと性能のバランスを図るなど、単なる既存コンポーネントの組み合わせでは及ばないトータルとしてバランスの取れた高品質のシステムを目指している。また、搭載系による点検機能の自律化や運用の最適化など、この固体ロケットの開発研究にとどまらず、次世代の輸送系研究の先導的な役割も目指しており、開発方針としては妥当。
【概ね妥当】
  1. 次期固体ロケットプロジェクトの開発活動全体を律する基本的な考え方ないし方針が設定された目標の達成に対し的確である。特に、今後の科学衛星を含む様々な小型衛星の打上げに対応した我が国の自律性確保の観点から、その即応性(即時打上げ要求に対応)が極めて重要と思料される為、開発方針に大きな項目立てを設け、開発研究段階においてその実現性を徹底的に追求する様要望したい。
  2. これだけの資料では、詳細のことは理解できないが、やってみるしかないのでは。

4.実施体制

開発計画のうち実施体制が、設定された目標の達成に対し的確であるかを評価して下さい。
特に、共同開発機関や関係企業との責任分担関係及びJAXA(ジャクサ)のプロジェクトチームに付与される権限と責任の範囲が明確になっているかについて評価して下さい。

  妥当 概ね妥当 疑問がある
実施体制 6 5 0

評価根拠のコメント

【妥当】
  1. 実施体制が、設定された目標の達成に対し的確である。
  2. 現時点では、この実施体制で特に問題はなく、妥当なものと思われる。
  3. 宇宙基幹システム本部の中に固体ロケット研究チームが設置され、同本部内の研究開発センター等、および宇宙科学研究本部他のJAXA(ジャクサ)内諸組織との連携、およびそれらからの支援のもとに開発研究を実施する体制は妥当である。
    開発研究を進めるに当たっては、ミューファイブロケットに関わる技術的・人的heritageが、JAXA(ジャクサ)内および関連メーカ内の両所において、適切に継承されていくことが重要である。
  4. 計画決定段階では、メーカの支援を受けつつJAXA(ジャクサ)が主体性を持って設計を進める体制は妥当である。メーカの支援を受けつつ設計を進めることは、ロケットの開発および打上げも経済活動の一環であるので、その意味からは当然であるが、メーカの思惑に引きずられること無く、あくまでもJAXA(ジャクサ)がユーザと国としてのニーズを勘案して、システム設計を進めることが重要である。優れたシステムは個々の要素によって生み出されるのでは無く、トータルのシステムとして生み出されるものであるので、地上システムも含めた全体システムの立場から、個々のサブシステム仕様を決定して行くことが重要である。更に工学は経験に基く技術であることから、新規開発の場でも先人の経験を十分生かして行くことが重要である。従来ややもすると、開発作業で問題が発生して初めて従来の経験者の意見を聞くと言うパターンもあったが、開発作業の無駄を省くためには、取り入れるかどうかは別として、作業開始時点で先人の意見を聞くことが重要である。
  5. 実施体制はわかりやすいが、共同研究がなくJAXA(ジャクサ)主導で全責任を取るということであるなら、それを何らか記載した方がわかりやすいのではないか。
【概ね妥当】
  1. 開発研究の当初から、信頼性に関わるエンジニアの参加、射場で実際に打上げに関わるエンジニアの参画等、幅広く現場経験の豊富な人達の知見を取込むようにお願いしたい。
  2. ロケットは開発機会が少ないので、実施体制を構築する際には、ミューファイブロケット開発経験者の活用をはかる一方、5年後10年後への技術の継承という観点から若い人材が育成されていくことを意識的に目論んで頂きたい。
  3. 資料 推進6−3−2の実施体制の項より、JAXA(ジャクサ)内での実施体制は理解できる。
  4. H2-Aは、民間に渡した結果となっているが、固体ロケットは、今後とも、JAXA(ジャクサ)が開発を続けるのか?将来計画が良くわからない。もう少し、運用面との整合的な計画が必要ではないか?(衛星開発の予算がなければ、打ち上げる小型衛星もなくなるのでは?)

5.その他

以下の項目については、「開発」移行段階で評価するものですが、「開発研究」移行段階の状況を確認し、「開発研究」に向け配慮すべき事項、助言等があれば記載願います。

助言等のコメント

(1)システム選定及び基本設計要求
  1. 搭載系のネットワーク化及び自己診断機能等、については基幹ロケットにも将来
    採用され得る技術なので或る種標準化を念頭に置いた開発研究をお願いしたい。
  2. 従来、新しいシステムの設計時に先ずコンポーネントが決まり、それを前提としてシステム設計が行われる例もあった。効率の良いシステムの設計を行うためには、システム全体の立場からのコンプロマイズが重要なことから、先ず全体システムの設計を行い、そこを出発点としてコンポーネントの仕様を固め、設計を進めてゆく基本を是非実現して頂きたい。また、運用性、整備性の良いロケットを設計することが、コスト低減のキーの1つである。そのためには設計当初から運用担当、設備担当も加えてシステム設計を行うことが必要である。
  3. システムの選定として一番重要なアビオニクス技術の革新だが、この導入によりネットワーク化とインテリジェント化され設備・運用が負担軽減するというが、どのくらいの効率性が見込まれるのか具体的な説明が必要。
  4. 打ち上げ作業効率向上を目指していくつかの新しい技術を取り込むとのことであるが、これらについては単に信頼性だけでなく、故障修理などの保全性についても設計要求を明確にするなど、アベイラビリティ(稼働率)の向上を目指していただきたい。
  5. 高速シリアルバス化、点検の自律搭載化などは次期固体ロケットに限った話ではない。旧ISAS、旧NASDA(ナスダ)が合体した強みを出す為にも固体・液体ロケットに共通の技術課題についてJAXA(ジャクサ)内で関係する技術者が集まり、充分に議論して欲しい。
  6. 目標を実現するためには、既存の国内外の成熟度の高い技術の応用を積極的に行うことにより、経費削減をはかる努力は必要である。それにより、開発スケジュールの短縮化と高頻度の打ち上げの実現を期待する。
(2)開発計画(スケジュール、資金計画、設備の整備計画等)
  1. 我が国独自の固体ロケットシステムの技術力、人材の維持、継承において支障のないようなスケジュール確保に留意の上、計画策定をお願いしたい。
  2. これまでのMuシリーズのロケットの技術作業は、通常の航空宇宙の作業標準とは異なった方式で実施されて来たと思われる。機械的に全てを航空宇宙の標準に合わせる必要は無いにしても、良いところは積極的に採り入れるべきである。その意味からもプロジェクトの最初からSystem Engineering手法に基いて作業を行い、航空宇宙の技術標準の良いところ活用して行くことを考慮すべきである。
    • ◇スケジュール
      2011年以降の打ち上げ後の計画も記載するとより意義が明確となる
    • ◇資金計画
      具体的な資金計画がなされていないが、毎回200億円という数字が記載される。このざっくりとした金額は国からの上限予算となっているのではないかと懸念される。200億円という数字の妥当性が望まれる。
  3. CFRPモータケースの成立性やフェアリング沈水性などスケジュール遅延の恐れのあるものについては、リスク管理項目というよりも、フロントローディング項目として位置づけて対応することが望ましいように思う。
(3)リスク管理
  1. 本質的はリスク管理は機械的なリスク管理作業で達成出来るものでは無く、そこらにゴロゴロ転がっている細かいリスクを如何に克明に1つ1つ潰して行くかである。最も難しい点は、誰も気が付かないリスクをどうするかである。対応策としては、どのようにしたら事前に出来るだけのリスクを洗い出すことが出来るか、および突然問題が発生した場合、それを如何に迅速に処置するか、の2点である。前者に関しては、設計と開発計画がある程度固まった時点で、色々の分野の経験者の意見を聞いて潜在するリスクの精査をすることであり、後者に関してはコンティンジェンシープランを常に考え、またスケジュールに反映しておくことであると考える。リスク管理はプロジェクトマネジャーのDaily作業である。
  2. すでに現時点で高速シリアルバス化の開発の遅れが予想されるのであるなら、徹底したスケジュール管理の強化を打ち出すべきであり、最初からリスク管理の項目に入れ込むのは問題有り。
  3. 打ち上げ時や落下後の環境問題への配慮はコスト増にはなるが、日本の宇宙開発の理解を高めるには、考慮すべき重要な課題であろう。

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