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付録1

第25号科学衛星(ASTRO−G)プロジェクトの評価票の集計及び意見

評価結果

  妥当 概ね妥当 疑問がある
1 プロジェクトの目的(プロジェクトの意義の確認) 12 1 0
2 プロジェクトの目標 7 6 0
3 開発方針 6 7 0
4 実施体制 6 7 0
5 その他 - - -

1  プロジェクトの目的(プロジェクトの意義の確認)
   第25号科学衛星(ASTRO−G)プロジェクトの目的が、「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」(総合科学技術会議)及び「宇宙開発に関する長期的な計画」(以下、「長期計画」という。)において規定されている我が国における宇宙開発利用全体の意義、目標及び方針等を踏まえ、長期計画のプログラムに規定されているところに照らし、的確に詳細化、具体化されているかについて評価して下さい。
 
  妥当 概ね妥当 疑問がある
プロジェクトの目的(プロジェクトの意義の確認) 12 1 0

  評価根拠のコメント
 
【妥当】
 科学衛星「はるか」の成果を踏まえて提案された第25号科学衛星ASTRO−Gは、宇宙空間からの天文学及び宇宙物理学の分野において第一級の科学観測を目指すものであり、プロジェクトの目的は、「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」及び「宇宙開発に関する長期的な計画」において規定されているわが国における宇宙開発利用全体の意義、目標及び方針等を十分踏まえたものとなっている。
 史上最高の解像度で銀河や星形成領域の中心部を描き出し、世界の研究者の広汎な参加の下に、活動銀河核やブラックホール、原始星の構造等の解明を目指すというプロジェクトの目的は、明確、かつ的確であり、同プロジェクトが世界の天文学発展のために大きな貢献をするであろうことを期待させるものである。
 本プロジェクトが、世界最初のスペースVLBI衛星「はるか」における実績と成果の上に、それを発展させる形のものとして計画、立案されていることは、同プロジェクトの目指すところが極めて高度であるにかかわらず、ミッション達成の可能性を十分に期待させるうるものとしている、と言える。
 総合科学会議策定になる宇宙開発利用の基本戦略に沿った計画であり、また、「宇宙開発に関する長期的な計画―平成15年9月1日策定」にも合致した計画である。このプロジェクトは「はるか」の実績の延長線上のプロジェクトであり、更にVLBIによる宇宙の精密観測は我が国独自の研究分野である。また、諸外国からも期待されているプロジェクトで、学術研究上も成果が期待出来ると共に、我が国としての国際貢献および地位向上のためにも有用なプロジェクトである。
 数多くの研究成果を出し、また世界的にも様々な期待が寄せられているASTRO計画は「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」及び「宇宙開発に関する長期的な計画」いずれに照らしても妥当なプロジェクトであると思われる。
 大きな成果を出した「はるか」が2005年11月に運用を終了した後、その後継として「はるか」より更に高感度、高解像となる「ASTRO-G」が我国の最も得意とする電波天文学の領域を推し進める期待は非常に高い。2011年の打上げは、もっと早めることはできないか?
 「長期計画」においても長基線電波干渉計衛星は重点項目として挙げられているところであり、妥当。
 長期計画のプログラムに沿った内容になっている。
 世界で初めてスペースVLBIを実現し、クエーサなどのジェット構造を高解像度で描き出した「はるか」の後継機としてASTRO−Gは計画されている。
 史上最高度の解像度をさらに実現し、銀河や星形成領域の中心部を描き出し、その物理状態を解明する本計画は、極めて妥当である。現在世界において唯一のスペースVLBI計画であり、世界の天文学界の期待に応える計画である。
 宇宙開発利用の基本戦略の中で、宇宙観測が知の創造と活動領域の拡大にとって果たす役割を考慮すると、本プロジェクトが目的とする宇宙観測は対象が深宇宙ではあるが、宇宙における知のフロンティアの拡大にとっては重要なものである。
 また本計画は、これまでの「はるか」で培われた宇宙観測における干渉計、スペースVLBIでの成果を発展させる試みであり、人類の電波天文学における基盤技術の開発で、日本が国際的にも貢献する試みになっている。
 以上を踏まえて、我が国の宇宙開発に関する長期的な計画を進める上で本プロジェクトは重要なものであり、その目的は妥当なものと評価する。
 チャレンジングな天文観測のプロジェクトであり、原始星の構造の解明やブラックホールの構造の解明等、様々な天文学的テーマに挑戦することは意義があり、多くの天文学的成果を引き出すことが期待される。また、世界の研究者に、ASTRO-Gでしか取得することが出来ないスペースVLBIデータを提供することは国際貢献の面でも評価することができ、我が国がサイエンスの領域でリーダーシップを発揮できる機会となりうる。
 宇宙空間からの天文学及び宇宙物理学に具体的に貢献できる目的となっている。特に、「はるか」の発展プロジェクトであり、継続的に観測することは重要である。
 過去の実績から考えて、伸ばしていくべきテーマと考えられる。


【概ね妥当】
 純粋に学術研究を主目的とする、研究者の自主性を尊重したプロジェクトであり、これまでの実績を踏まえた目的設定となっているが、国の重要プロジェクトであることを勘案すると、一般の国民にとって、挙げられているテーマでどのような興味ある結果が得られるのか、若干でも説明があってもよいのではないか。

2  プロジェクトの目標
    1)ASTRO−Gプロジェクトにおいて設定された目標が具体的に(何を、何時までに、可能な限り数値目標を付してどの程度まで)明確となっているか、2)設定された目標が設定された目的に照らし、要求条件を満たしているかを含め的確であるか、3)その目標に対する成功基準が的確であるか、について評価して下さい。
 目標が複数設定される場合にはそれらの優先順位及びウェイトの配分が的確であるかを評価して下さい。
 
  妥当 概ね妥当 疑問がある
プロジェクトの目標 7 6 0

  評価根拠のコメント
 
【妥当】
 達成目標として5つの項目が挙げられており、「目的」に掲げた内容を具体化したものとなっている。観測バンド8,22,43GHz(ギガヘルツ)は「はるか」において観測した周波数帯から周波数を大きく高めたものとなっており、高い解像度の実現を最重点目標として目指すことを明確にしている。VLBI観測において感度は重要な要素であり、衛星を一つの軌道上電波望遠鏡とするということに伴う技術的諸制約の中、広帯域化他により、感度を「はるか」に対して約7倍に高めることを具体的目標としている。上述の高い観測周波数帯により、地球上の電波望遠鏡群(VLBIネットワーク)と一体となってVLBI観測を行い、約70マイクロ秒以下という、前代未聞の高解像度の天体画像を取得することを目標としている。以上続く項目では、得られた画像による天文学研究の主たる目標、ならびに公募観測とデータ提供に係わる目標をまとめている。
 以上の達成目標は、プロジェクトの「目的」に照らして妥当であり、特にはじめの二つの項に挙げている事柄は、技術的挑戦として意義も大きく、「はるか」に続いて、第二世代のVLBI衛星となるASTRO−Gが目指す目標として、適切なものと見なされる。
 目標は「はるか」の7倍の高感度、あるいは70マイクロ秒以下の高解像度等、明確である。
 ただし、定性的に記述された目的に対して、それらがどれ程効果的であるかについては評価不能。「はるか」の観測波長をさらに短波長観測バンドにも広げ、さらに「はるか」の7倍の感度、70マイクロ秒以下の解像度を目指すという明快な高い目標をかかげている。
 この目標の成功の可能性を今後開発の進行したがって検討し、宇宙開発委員会の定める事後評価の成功のクライテリオンに従った、目標を具体的に示すことを期待する。
 史上最高の解像度を目指し、「はるか」より観測対象を広げ、さらに多くの天文学的成果を引き出すことなど、本プロジェクトが目的とする項目はいずれも優先順位も含めて明確に設定されている。
 設定された達成目標も設定された目的に照らし要求条件を満たしており、現時点での試みとしては的確であろう。また、成功基準の目標設定に関しては、開発「移行」段階であることを考慮すると概ね妥当であり、プロジェクトの目標全体としては妥当なものと判断する。
 「はるか」に対して、約7倍の高感度で観測する意義は大きい。また、超巨大ブラックホール周辺の構造を明らかにする点で成功すれば、波及効果が大きい天文学的成果を得ることが出来る。国内外の研究者にデータを提供することは、サイエンスの更なる発展のために国際貢献すると思われる。
 おおむね、目標は妥当と考えられる。

【概ね妥当】
 今回の評価は中間評価であり、数値目標は開発移行段階で明確にする由であること、また極めて専門性の高い科学研究分野であるので、現時点では目標の妥当性評価は困難である。ただし、観測精度向上のために使用周波数を上げると共に、10倍以内で感度向上を図る、更に鏡面精度向上、軌道同定精度向上等、相当にチャレンジングな計画ではあるが、飛躍的な変更では無いようであるので、実現の可能性は十分あり、ほぼ妥当な目標では無いかと思われる。先行研究で実現の可能性を見極めることが重要であり、今後2年間の先行研究で実現可能な数値であることを確認し、リスクMinで実行段階に移行出来ることを期待したい。
 目標は概ね妥当であるが、簡潔すぎるように感じられる。もう少し具体的な成果日程をかかげても良いのではないか。
 [例]“「はるか」に対して約7倍の感度で観測する“とあるが、何を7倍にするのか等を記した方がよいのではないか。
 前回と比較し、より高い周波数帯を使用する観測は精度の向上ならびに、技術力向上、例えば大型展開アンテナ技術、の両面で適切な目標であると考える。
 達成すべき目標の具体化は今後決められると思うが、エクストラサクセスとして高い目標を掲げて欲しい。
 多額の資金が投入されることを考えると、取得されたデータがその後、どのように宇宙科学の研究活動に使用されているかを適宜、国民へ知らせる活動についてもプロジェクトの活動目標の一つとして明記することが望まれよう。
 複数の達成目標が設定され、目標設定としては概ね妥当である。今後、優先順位及びウエイトの配分について明確にしていく必要があると考える。

3  開発方針
   ASTRO−Gプロジェクトの開発活動全体を律する基本的な考え方ないし方針が設定された目標の達成に対し的確であるかを評価して下さい。
 評価に当たっては、「衛星の信頼性を向上するための今後の対策について」で示された考え方を考慮して下さい。
 
  妥当 概ね妥当 疑問がある
開発方針 6 7 0

  評価根拠のコメント
 
【妥当】
 ASTRO−G衛星の開発における新規技術への取り組み、ならびに既存技術の活用に関する基本方針は妥当なものと見なされる。新規技術に関しては、高精度のアンテナ鏡面の形成、広帯域のデータサンプリング、広帯域のデータ伝送、高精度の軌道決定、高速マヌーバが主要なものとして挙げられており、これらについて、「はるか」の成果を基にして、更なる高性能化を図るとするアプローチは妥当である。大型展開アンテナに関して、ETS−8の大型展開アンテナの展開技術を活用することを図り、そこに新規開発の高精度(波長7ミリメートル迄観測可能)鏡面形成方法を取り込む、という点も、評価すべきアプローチである。
 スペースVLBI観測では、国際的に大きな拡がりをもつ観測運用システムの構築が必要となるが、「はるか」(VSOP)プロジェクトで形成されたシステムの実績を大幅に活用するとする点は妥当である。
 「はるか」の技術実績の延長線上のプログラムであること、我が国の他の衛星プログラムで開発された技術を最大限活用する計画であること、更にミッション機器に関してはチャレンジングな目標を立てて、先行研究で実現性の見極めを行う計画であること等、科学研究プログラム計画としては妥当な方針であると評価する。
 絶対達成すべきミニマムサクセスの目標達成のためには、信頼性優先で、エクストラサクセスとしての高い目標達成のためには、技術的にも挑戦的な取り組みと上手く使い分けて欲しい。
 地上試験の重視や既存技術の活用等は常識的ではあるが、王道として重要。
 科学ミッションとして避けて通れない新規技術については、開発研究の期間を通じて一層の検討を深めることを期待。
 ASTRO−Gは、電波観測において挑戦的取り組みを行うが「はるか」の実績の上に、さらにETSの大型アンテナ展開技術を用い、また「すざく」「あかり」で実績あるの冷凍機を用いる計画であり、信頼性も確保されている。

【概ね妥当】
 既存技術を最大限活用することは、本研究のような大型プロジェクトにおいてはしごく当然のことであり、是非、無駄な開発投資が生じないよう、個々の具体的な技術のポイントまで、深く踏み込んで実行していただきたい。
 「はるか」の開発実績を土台にした既存技術の幅広い活用と新技術アイテムの絞込みがなされていることから。
 「はるか」の成果を基本とした高性能化の開発が具体的に上げられているが、それらの新規技術開発では、本プロジェクトが指摘している通り地上試験や解析等による信頼性の確保は不可欠であろう。また既存技術の活用と低コスト化を視野において、「はるか」以外の衛星や、宇宙開発で培われた成果の導入が上げられているが、それらは全て衛星の信頼性を確保し向上するための対策とも結びついたものでなければならない。本プロジェクトは、それらを含めて「はるか」の開発環境とは異なる新組織JAXA(ジャクサ)での開発環境を意識したものにもなっており、概ね妥当だと判断する。
 「はるか」で開発されたスペースVLBIに必要な工学的技術を最大限に利用し、信頼性を確保する方針は妥当である。科学を目的とした衛星でも、信頼性の確保に十分配慮する必要がある。また、ETSV3の大型アンテナ展開技術について、その成果を利用する方針も妥当であると思われる。しかし、大型化するとメカニカルな欠陥等の理由で、問題が起きるリスクが大きくなる可能性があるであろう。
 当該プロジェクトの開発活動全体の基本的な考え方として概ね妥当と考えるが、当該プロジェクトの目標を達成させるために最も重要と思われるアンテナについて、アンテナサブシステムとしての実証計画方針(特に、フライト品を用いた地上試験計画)について確認が必要であると考える。

4  実施体制
   開発計画のうち実施体制が、設定された目標の達成に対し的確であるかを評価して下さい。
 特に、共同開発機関や関係企業との責任分担関係及びJAXA(ジャクサ)のプロジェクトチームに付与される権限と責任の範囲が明確になっているかについて評価して下さい。
 
  妥当 概ね妥当 疑問がある
実施体制 6 7 0

  評価根拠のコメント
 
【妥当】
 本プロジェクトが、JAXA(ジャクサ)宇宙科学研究本部のASTRO−Gプロジェクトと国内の電波天文研究者コミュニティとの広汎な協力、ならびに幅広い国際協力のもとに実施されることは、ミッションの性格上必須のことであるが、そのための体制形成の見通しがすでに十分立てられていることは評価できる。特に、JAXA(ジャクサ)宇宙科学研究本部と国立天文台が「はるか」に続いて強い協力関係をもち、ミッションを協同で遂行するとする点は、実施体制上、要をなすものと認められる。
 スペースVLBIは、衛星が地球上の電波望遠鏡群と一体となって天体の観測を行うことによって初めて成立するものであり、電波望遠鏡の国際運用、衛星追跡、相関処理などに関して、「はるか」(VSOP)の際に形成された国際協力の仕組みが、それを更に拡大したものとして計画されていることは評価される。
 実施体制図上では明確でないが、プロジェクトに係わるJAXA(ジャクサ)内外の電波天文研究者(サイエンティストグループ)が、実質的に、天文観測衛星であるASTRO−Gのプロジェクトチームを形成する主要メンバーであることは、従来からのわが国の科学衛星の場合と同様であると認めておきたい。
 「はるか」の成功体験がまだ生きているのが、国際的なネットワークの存在も含めて強み。統合効果が更にプラスアルファとして働くことを期待。
 科学衛星は大学等国内研究者との連携の元に実施される。このネットワークは「はるか」開始時と比べると大きく広がり強力となっている。
 同様に国際ネットワークは本計画において不可欠であるが「はるか」の運用の実績から、さらに大きく広がっている。
 科学衛星の開発は、理学研究者と工学研究者の密接な連携のもとに行われるが、さらに、絶え間ない議論・連絡を通じて実施されることを期待したい。
 実施体制として妥当と考える。

【概ね妥当】
 従来から取られてきた科学衛星開発体制の大枠に基づいた開発体制に加えて、宇宙開発機関の一元化に伴うALL JAXA(ジャクサ)体制で開発に取り組む体制である。更に国内および国外の関係機関と連携を取った開かれた開発体制であり、科学分野のプロジェクトとしては妥当な体制であると考える。ただし、関連機関からは支援を受けるのみではなく、開発研究段階においても、作業チーム外の専門家から、一貫した独立評価を受ける体制とすることが望ましいと考える。プロジェクトチームおよび関連機関の責任と権限に関しては、具体的説明も無いことから、今回の評価範囲外と考える。
 JAXA(ジャクサ)内の本プロジェクトの推進責任者は誰なのかはっきりさせるべきである(プロジェクトマネージャか本部長か)。
 国際運用体制は可能な限り積極的に協力関係を推進し、インフラの共用利用を広く促進していただきたい。
 実施体制は概ね妥当であると思われるが、様々な分野の技術者が関係するプロジェクトであり、関係者間でのより一層緊密な連携を望む。
 プロジェクトに係る全員が当事者意識を十分に持てる運営が大切。
 概ね妥当。但し、関係企業との関わりについての説明が不足している。
 実施体制では、本プロジェクトの性格を反映して、国内の研究所、大学との協力、国際協力にも触れているが、JAXA(ジャクサ)内での実施体制では、宇宙科学研究本部をコアとした責任分担関係とプロジェクトチームに付与される権限と責任の範囲は明確になっている。共同開発機関や関係企業との責任分担関係などでは明確ではない面もあるが、開発「移行」段階であることを踏まえると、現時点での実施体制の評価は概ね妥当である。
 JAXA(ジャクサ)での実施体制では、科学衛星と技術開発系のプロジェクトが分かれているが、科学は技術開発に影響を与え、また、技術は科学に影響を与えるので、両者間の連携を密接に取ってプロジェクトを進めるべきである。
 国内外の機関との協力ではネットワークが「はるか」の頃に比べ、拡大しているものの、ASTRO-Gではさらに強力な協力関係を持たねばならないという、ディレンマが存在するので、それを成し遂げるのには、IT技術をフルに活用すべきである。

5  その他
   以下の項目については、「開発」移行段階で評価するものですが、「開発研究」移行段階の状況を確認し、「開発研究」に向け配慮すべき事項、助言等があれば記載願います。
 
(1) システム選定及び基本設計要求
  システム(衛星を実現する技術的な方式)の選定及び基本設計要求(基本設計を固めるに当たっての骨格的な諸条件)の評価の際には、以下の点に着目することとしています。
 
1 関係する技術の成熟度の分析
2 コストも含めた複数のオプションの比較検討
3 システムレベル及びサブシステムレベルにおける、新規自主開発、既存技術の活用(外国調達に関しては、信頼性確保の方法含む)の適用方針
  上記においては、国内技術のみでなく、海外技術も検討の対象に含みます。

(2) 開発計画(スケジュール、資金計画、設備の整備計画等)

(3) リスク管理
  主要な技術課題、プロジェクト、プログラムの観点におけるリスク管理の考え方

  助言等のコメント
 
(1) システム選定及び基本設計要求
 衛星設計の具体的中身の説明が無かったが、科学衛星の場合も衛星バスの共通化が重要である。従来使用されてきた衛星バスの実績に基づいて標準バスとそのオプションを規定し、個々のミッションで標準設計をそのまま使用する部分、新たな要素開発を必要とする部分等を明確化して、スケジュール、資金計画、リスク管理等に反映して行くことが重要である。
 成熟した技術、デバイスを使うべきところと、挑戦的、先進的技術、デバイスを使うところを上手に使い分けて欲しい。
 今回のシステム構成に至ったトレードオフ結果を今後の開発研究の早い時点で整理し、システム構成を最終設定する。
(2) 開発計画(スケジュール、資金計画、設備の整備計画等)
 プロジェクトマネジャーにとっては、リスクを可能な限り早い時点で洗い出し、早期に対策を打つこと等によって開発作業を合理的に進めるためには、Engineering Management手法を取入れて行くことが極めて重要である。開発研究段階において、その準備を整えることを期待する。
 全体計画の中で、クリティカルな部分を常に明確化し、全員で情報共有すること。
 地上系開発は2006年〜2008年に行われ、追跡局が整備されてから3年後に打ち上げが予定されている。その3年間に地上系の技術開発は前進する可能性があるので、衛星開発と地上系開発のタイミングをもっと調整しても良いかと思われる。
 新規開発品目及び単一故障点についての地上での実証計画を具体的に検討し、スケジュールの妥当性を確認する。
(3) リスク管理
 リスク管理体制の明確化の中の一項として、「実現」側と「要求」側の分離という記述がある。リスク管理の観点からの記述と見受けられるが、従来から、サイエンスミッションを遂行する科学衛星では、サイエンティストグループがその「実現」にも責任を持っており、それが世界レベルでの諸成果にも繋がってきたと見なされる。この項については改めての配慮が望ましい。
 これまでの経験を踏まえ、あらかじめ考えられるリスク要因を可能な限り、定量的に予測し、それに基づいた、意味のある、「冗長」構成としていただきたい。
 節目節目で第三者の目でReviewすること。
 「要求」と「実現」の分離については今一つ良く判らないところがある。最終権限は明確にしておかねばならないが、出来もしないことを要求されても困るが、挑戦の努力を放棄して保守的なインターフェースを設定するのも困る。要は連絡、連携が重要だということ。
 十分な開発資金が獲得できなかった場合の対応方針についても検討しておくことが望まれる。この検討は、本プロジェクトが意味あるプロジェクトととして成立し得る条件・限界を認識し、ミニマムサクセスなどを定める際にも役立つように思う。
 プロジェクトマネージャーとプロジェクトサイエンティストの分離をし、「要求」と「実現」を明確にすることはリスク管理上で必要かもしれないが、リスクはあくまでも双方にとってのリスクであり、分離が責任の分担に安易に結びつかないようにすべきである。リスク全体にたいする責任は当然双方が共に持つべきことである。
 プロジェクトマネジャーとプロジェクトサイエンティストを分離しているが、要求側と実現側は密接な連携を取るべきである。
 プロジェクト横断的なチェック機能を持ち、プロジェクトのクロスチェックや他のプログラムとの水平交流を図る組織体制は、環境の変化に応じて、柔軟に対応できるように流動的なものが良い。
 打ち上げ前の試験を念入りに行うことは重要である。
 「ミッションへの影響がクリティカルなものに対しては、打上げ前の試験を特に入念に行う。」ことは重要であるが、設計段階でも注目し、設計マージン評価を行う。
 放射線環境に対する評価については「はるか」の軌道上データ等を考慮し実施する。

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