ここからサイトの主なメニューです

第3期科学技術基本計画の策定に向けた宇宙開発の国家基幹技術としての位置付けについて

平成17年7月27日
宇宙開発委員会

 総合科学技術会議において第3期科学技術基本計画の策定が進められているが、宇宙開発委員会においては、第3期科学技術基本計画の策定において重要な検討課題となっている国家基幹技術について、宇宙開発の立場から、その位置付けについて見解を以下に述べる。

 「我々の生活の安全・安心を確保するための宇宙空間利用システム技術」にこそ、第3期科学技術基本計画において「国家基幹技術」としての位置付けが与えられるべきであって、この技術の開発に対して、必要な資金が確保されるよう、特段の措置が講ぜられるべきである。

(1)  衛星による気象観測、通信や放送、測位等の宇宙空間利用は、既に、我々の生活に欠くことのできない、社会基盤を構成するものとなっている。このような基盤の上で営まれる我々の生活をより安全で、安心なものにしていくには、宇宙空間の更なる利用が不可欠である。即ち、外交・防衛等の安全保障上、あるいは大規模災害時等の危機管理の上で基本となる必要な情報は、他国に頼ることなく、自律性を持って入手し得るようにしておくべきものであって、宇宙空間からの地球上の諸事象の把握は、最も効果的な手段である。また、災害の防止・軽減や地球環境の保全は、我々の生活の安全・安心に直結する問題であって、この面でも、宇宙空間からの観測・監視は、不可欠なものとなっている。

(2)  このような宇宙空間の利用を可能とするためには、1宇宙輸送システム技術(必要な時に独自に宇宙空間に必要な衛星を打ち上げ、あるいは回収する技術)だけでなく、2地球観測・監視衛星システム技術(宇宙空間から、地球上の諸事象を把握する技術)や、3衛星情報解析・利用システム技術(衛星により取得した情報を解析する技術及びその利用を促進する技術)から構成される大規模システム技術(以下、「我々の生活の安全・安心を確保するための宇宙空間利用システム技術」と言う。)を信頼性の高いものとして、作り上げていく必要がある。

(3)  このようなシステム技術の開発は、一朝一夕になるものではなく、世界の主要国においては、いずれも自律性の確保を基本理念に、国家の明確な戦略の下、多大な国家予算を投入して取り組んでいるところであり、特に近年においては、その戦略的な取組みを強化している。これは、この技術の枢要部分が、国際的に自由な流通の下に置かれておらず、各国が、独自に開発しなければ入手できないからである。

(4)  また、地球環境観測や災害監視は、一国の総合的安全保障に関わることに留まらず、人類全体の安全に関わることであり、我が国がこの面で大きな貢献をなすことは、我が国の国際社会の中での矜恃の問題であると同時に、世界全体の安全の向上こそが我が国の安全を確保する最上の道であることを改めて想起すべきである。

(5)  したがって、「我々の生活の安全・安心を確保するための宇宙空間利用システム技術」こそ、第3期科学技術基本計画において「国家基幹技術」中の「国家基幹技術」として明確に位置付け、国家の長期戦略の下、推進していくべきである。このため、次年度以降、この「我々の生活の安全・安心を確保するための宇宙空間利用システム技術」の開発に対して、必要な資金が確保されるよう、特段の措置が講ぜられるべきである。

以上

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成21年以前 --