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3− 5. 異常発生のシナリオについての検討
 これまでの検討結果から、太陽電池パドル電力ラインでの電気的要因による異常、または太陽電池パドルハーネスの大電力ハーネス束での機械的、電気的要因による異常により、電力低下が発生したと推定できるが、異常発生のシナリオ(仮説)について検討する。

  (1) 太陽電池パドル電力ラインでの異常発生についての検討
 太陽電池パドル電力ラインでの電気的要因による異常発生としては、次の事象が考えられる。

1 太陽電池セルと銅ハーネス間での短絡
 太陽電池パドルのブランケット部は、ポリイミドシート(高分子化合物)の間に銅ハーネスが埋め込まれ、そのシートの上に太陽電池セルがシリコン樹脂で貼られている。このポリイミドシートの損傷等により、太陽電池セル裏面(アレイ回路)と銅ハーネス間での放電による短絡が考えられる。このような短絡が、約3分間で62回路のうち51回路に発生することが考えられる。

2 銅ハーネス接続部の開放または短絡
 太陽電池パドルのブランケットは、ピンヒンジ及び接着ヒンジで結合されており、銅ハーネスははんだで接続されている。このはんだ付け部において、隣接する銅ハーネス間(はんだ付けランド間)での放電による開放または短絡が考えられる。このような開放または短絡が、約3分間で62回路のうち51回路に発生することが考えられる。

3 太陽電池セル間での短絡
 太陽電池セルの端部間で放電による短絡が考えられる。このような短絡が、約3分間で62回路のうち51回路に発生することが考えられる。

  (2) 太陽電池パドルハーネスでの機械的、電気的要因による異常発生についての検討
 太陽電池パドルハーネスの大電力ハーネス束での機械的、電気的要因による異常発生としては、隣接するハーネス(プラス側とマイナス側)間で短絡が発生し、その短絡による発熱により、さらに隣接するハーネスへ波及し、約3分間でハーネス束全体が開放または短絡することが考えられる。


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