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3− 2. 運用異常発生前に発生した電力変動
(1) 運用異常発生前に発生した電力変動についての検討
 打上げ後から運用異常発生までに、「みどり2」では、1回路(約100ワット)単位での発生電力の変動(低下及び復帰)が7回路で、合計10回発生している。運用異常発生前に発生した電力変動の特徴及び推定される原因は以下のとおりである。
 なお、これまでに取得されたテレメトリデータで、これ以上の原因の特定に至っていないが、約6キロワットから約1キロワットに発生電力が低下した運用異常の原因の予兆になっていた可能性は見出せなかった。

1 シャント動作時の2回路分の電力変動
 シャント回路がオンになる際、本来1回路分の動作であるものが、2回路分の電力変動が発生している。この原因としては、シャントより上流側でのプラス側ハーネス同士の短絡(ショート)、または直列接続されているセルの途中とプラス側銅ハーネスの短絡の可能性が考えられる。

2 日照全期間における発生電力の低下
 シャントの動作にかかわらず、発生電力が低下している。この原因としては、太陽電池パドル駆動機構より上流側での短絡、またはプラス側かマイナス側の開放(断線)故障の可能性が考えられる。

3 日陰明けに低下していた発生電力の日照中の復帰
 日陰明けには低下していた発生電力が、日照中に、シャント電流がある電流値となった時点で復帰する。この原因としては、ある抵抗を有したシャント上流側での短絡、あるいは直列接続されているセルの途中での短絡、またはシャント内のブロッキングダイオードの開放故障の可能性が考えられる。

(2) 運用異常時に残存する回路数の検討
 上記の電力変動について、シャント動作の時期等の解析により、運用異常が発生する直前には2回路分の発生電力が低下し、62回路になっていたと考える。
 また、この2回路のうち、1回路は大電力ハーネス束を経由する回路であると考えられるが、もう1回路が、どちらのハーネス束を経由するかについては特定に至っていない。

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