別添 |
「LNG推進系飛行実証プロジェクト」の評価結果について
宇宙開発事業団は、将来輸送系等に採用することに向けて、液化天然ガスを燃料とする「LNG推進系」の研究を行ってきた。今般、民間の提唱によるGXロケットの開発機会を捉え、その第2段エンジンとしてLNG推進系を利用し、平成17年度を目途に飛行実証を行うことについての提案がなされた。このため、宇宙開発事業団が研究開発を行うLNG推進系について詳細な評価を行った。
その結果、
(a) | 宇宙開発事業団として、水素推進系の信頼性向上を重点的に進めている状況下でLNG推進系に開発着手し、その飛行実証を平成17年度に行う緊急性について積極的な根拠は認められず、今後、LNG推進系プログラムのロードマップを明らかにした上で、LNG推進系飛行実証プロジェクトの位置付けを明確にする必要があること、 |
(b) | 費用対効果の観点から将来展開を見据えたターボポンプ方式等の他の選択肢との比較検討を実施すべきであり、また、基盤技術の成熟化を図るため、今後、燃焼反応、複合材タンクの剥離・座屈に関する解析を実施し、試験データと併せて総合的な検討を行うべきであること、 |
(c) | ロケット全体のリスクを管理する上で必須である打上げ安全に必要な技術情報の開示について、GXロケットが第1段エンジンのみならず、誘導制御系、全段システムインテグレーションに至るまで米国企業の支援を受けるため、米国政府による技術輸出許可の見通しも含めて、必要な情報が開示可能であることを確認する必要があること、 |
から、総合的に判断してLNG推進系飛行実証プロジェクトについては、開発に着手せず、研究を継続することが妥当である。