平成14年6月
宇宙開発委員会・利用部会
| 3. | 各分野の現状 ここでは、次章以降の推進方策の検討に資することを目的として、宇宙利用の利用分野毎に、その現状を概観した。 |
| (1) | 地球環境モニタ 衛星による地球観測は、他の手段では得られないグローバルな観測が可能となることから、全地球的な森林変化、海洋の基礎生産量の把握、エルニーニョ現象のメカニズムの解明、オゾンホールや温室効果に係る気体成分の定量的把握など、広範かつ多様な地球環境の課題に対して、大きな貢献が期待されている。我が国では、これまで、陸域・沿岸域の環境観測を実施するとともに、熱帯降雨の観測を行ってきており、今後、観測技術の成熟化や関係各機関共同による定常的な観測、環境施策への貢献が求められている状況である。 |
| (2) | 国土管理・災害監視・測位 国土管理や災害監視への衛星等の利用は、情報通信、測位、地球観測等の宇宙技術や地理情報システム(GIS)等の技術進展により、今後、発展が期待される分野である。国土管理の面では、環境管理、施設管理、国土計画、地図整備等での利用が検討されているとともに、災害監視の面では、地震災害、火山災害、斜面災害、台風・洪水災害等での利用が検討されている。一方で、実利用に向けた課題として、利用要求に応じた観測頻度の向上、観測データの配信時間の短縮、観測データの蓄積・配信・管理の一元化等が求められている状況である。また、米国の軍事システムとして開発運用されているGPSによる測位システムは、自動車や飛行機だけでなく携帯端末にまで普及しており、世界の中でも我が国において最も利用が進んでいる。我が国としても欧州における独自システム導入の動きに留意しつつt、今後の動向を見極めていく必要である。 |
| (3) | 農地観測 衛星からの観測により、農作物の作付け把握・収穫予測を行う利用は、衛星リモートセンシングの初期より行われてきており、農地の広大な諸外国では、精密農業として実用化されている。我が国においても、農作地の管理・有効利用等のため、衛星データを利用した収穫量予測や作物の品質確保等を目指す研究開発が実施されてきている。今後の実利用を進めるためには、公的サービスとしての安定した衛星データの提供が必要である。 |
| (4) | 航空管制 衛星通信を用いた航空管制については、航空路の容量を増加させ、増大する国際線需要に対応するために実用化が図られている。我が国としても、運輸多目的衛星(MTSAT)の導入により実利用が実施されることとなる。 |
| (5) | 気象観測 衛星からの気象観測は、我が国においては「ひまわり」により30年近くの運用実績がある。その観測データは、台風等の監視や天気の現況把握等に用いられ、気象情報として社会で広く利用されているとともに、今後導入されるMTSATにより、気象予測のさらなる精度向上への貢献が期待される。また、静止衛星としての広域性を活かして、アジア太平洋諸国における利用も広く行われている。 |
| (6) | 情報通信 通信、放送の分野では、衛星が既に情報通信システムの一部となっており、深く社会に浸透している。加えて、情報通信インフラの特性に合せた法令・技術基準の整備、財投出融資・助成金制度の整備等がなされており、宇宙利用として最も社会経済的に発展している分野である。一方、高度情報通信ネットワーク社会の形成に向けて、さらに高度な衛星技術開発が求められている状況であり、衛星通信の広域性を生かしたアジア太平洋諸国との国際共同実験の取り組みなど、次世代技術開発は、利用研究(アプリケーション実験)との二人三脚で実施されている。 |
| (7) | 宇宙ステーション利用(宇宙実験・教育活動等の有人宇宙活動を活かした利用) 日本、米国、ロシア、欧州、カナダの5極の国際協力により進められている国際宇宙ステーション計画では、多目的の有人宇宙拠点として、さまざまな利用が計画されている。宇宙での微小重力環境等を活用し、ライフサイエンスや物理実験等の基礎的な科学研究が可能となるとともに、ポスト・ゲノムや材料等の応用的な研究、先端的な技術開発等の利用が行われる予定である。また、宇宙ステーションと地上を結ぶ教育イベントや文化的活動、広告等の商業利用など、有人宇宙滞在を活かした多様な分野への利用拡大が期待されている。さらに、宇宙実験への参加呼びかけ等によりアジア太平洋諸国への利用拡大の試みもなされている。 |
| (8) | 宇宙旅行 一般人の宇宙旅行については、ロシアにおいて、ソユーズ宇宙船を用いた若干の実例があるほか、米国の民間企業での計画が報道されているが、いずれも極めて高額な費用を要し、一般的な意味での宇宙旅行は将来の課題である。我が国では、商業的な宇宙旅行の実現可能性について、研究者・技術者レベルで検討を行っている段階であり、採算がとれるまでには、輸送コストの大幅な低減や信頼性の格段の向上など、革新的な技術開発が必要となる。宇宙旅行への一般の人々の関心は高く、宇宙開発利用への興味と期待を高める意味からも、長期的視点に立って必要な研究開発を進めていくことが必要である。 |
| (9) | 宇宙太陽発電 宇宙太陽発電については、我が国においても盛んに検討が行われており、要素技術開発が実施されている。実現のためには多くの技術課題があり、今後とも長期的視点に基づいた研究を進めるとともに、各種実証機会が必要となる。また、事業化のためには、輸送コストを大幅に低減した革新的な輸送システム等の技術開発が必要となる。宇宙太陽発電は超巨大宇宙システムであり、同時に発電所としての事業化を狙ったものであることから、現在の研究開発を一層効果的に推進するためには、より密接に一体となった産学官によって進めることが必要である。 |
| (1) | 普及段階にある宇宙利用の推進の考え方 普及段階にある宇宙利用は、その恩恵が既に一般国民にまで及んでおり、今後より高度な利用に向けた推進が求められるものである。該当する分野としては、情報通信・測位、気象観測、航空管制等が挙げられる。 本段階にある宇宙利用の推進にあたっては、5年間程度の短・中期的視点に立ち、サービス内容の向上、事業化を目指した次世代技術の研究開発と当該技術の応用展開技術及び利用方法等研究開発を行うことが必要である。また、本段階の宇宙利用は、既に一部が民間企業によって事業化していることから、その研究開発は、常に利用者と連携して進めることが肝要であり、当面の利用者の意見を汲み取ることと中・長期的な技術進展を見通した先端技術への開発を行うことを両立させるよう努力することが重要である。 一方、本段階の宇宙利用における政府と民間との役割分担としては、政府がリスクの高い技術開発や制度整備等の環境整備を行い、民間等が、成熟した技術によるシステム開発や運用など、商業サービスによる社会への浸透を担う。また、利用関係省庁・機関や民間等が主導する開発体制の確立が必要である。標準化活動のように政府と民間が共同で行うものも必要である。 特に、情報通信分野における宇宙利用は、グローバルな事業化が進み、国際競争が激化しており、本分野の宇宙利用を推進することは、我が国の宇宙産業の国際競争力強化にも資するものとなる。 |
| (2) | 普及段階への移行段階にある宇宙利用の推進の考え方 これまでの関係行政機関、研究機関等における技術開発やインフラ整備の成果として、実利用への目処がつきつつある宇宙利用の分野は、普及段階への移行段階にあるものと捉えるべきものであり、今後、適切な推進方策を講ずることで行政における実利用や民間での利用が進展していくことが期待できる。該当する分野としては、地球環境モニタ、国土管理・災害監視、農地観測、宇宙ステーション利用等が挙げられる。 本段階にある宇宙利用の推進にあたっては、10年間程度の中・長期的視点に立ち、実用化可能な水準までの情報・データの量の確保と質の向上、解析技術の向上、利用方法の高度化、利用経験の積み重ね等を行うことによって、地上から宇宙にわたる統合的な利用システムの構築を図ることが必要である。このため、関係行政機関等を中心として、衛星等から得られる情報・データのデータベースによる衛星データ・アーカイブを早急に構築する必要がある。また、開発機関と利用機関、あるいは、政府と民間の役割分担を明確にした上で、両者協働で利用を促進する体制を確立し、利用の事業化を進めることが重要であり、そのため、政府として利用促進に必要な制度整備等を図ることが必要である。このような取り組みにより、開発側主導の宇宙開発利用から、開発機関と利用者との協働を経て、利用側(もしくは民間側)主導の宇宙開発利用への移行という円滑な宇宙利用の進展の流れを作り出していくことが肝要である。そのような利用主導の体制の中で、新たな利用要求を開発側へ反映できる関係を構築することが重要である。 特に、衛星による地球観測等の利用推進においては、諸外国の保有するデータの活用や利用方法の研究開発での国際協力といったことが求められ、人材育成といった面も含め、国際的な協力・協調が重要となる。 |
| (3) | 潜在段階にある宇宙利用の推進の考え方 現時点では宇宙開発関係者等の間での検討にとどまっているが、今後の技術開発の進捗や社会情勢によっては、利用の進展が期待されるものがあり、この段階の宇宙利用の分野は、予見できないものも含めて多くの可能性があるが、前章で述べた宇宙旅行や宇宙太陽発電等がある。 本段階の宇宙利用の推進にあたっては、20〜30年間程度の長期的視点に立ち、基礎的な技術開発や先端的な技術実証等を着実に推進することが必要である。特に、長期的な努力を要する分野における技術の断絶を起こさないためにも、当面は、要素技術開発及び軌道上技術実証の検討等の研究を継続的に実施することが重要である。そのような長期的・継続的な研究開発の成果について、将来適切な時期に、社会情勢等も勘案しつつ、事業化等の次の段階に進むか否かを判断することが必要である。 |
| (1) | 打上げロケット、観測機器、人工衛星等の開発製造コスト、信頼性及び開発製造期間等の格段の改善による国際競争力の強化 我が国の宇宙利用推進の大前提として、観測機器、人工衛星及び打上げロケット等の開発製造コストの低減及び開発期間の短縮化による国際競争力の強化が極めて重要である。また、国が行う宇宙の技術開発に民間の目が向き進んで参画するような計画の立案が重要である。これら努力と以下に述べる利用拡大の諸方策によって我が国の宇宙開発利用が真に産業として自立し得るよう所要の政策を適切に展開する必要がある。 |
| (2) | 幅広い宇宙利用の可能性の確保と我が国の得意分野への重点化 宇宙を利用した活動は、科学研究から実利用、科学技術への理解増進等の教育的活動まで、多種多様なものが含まれる。また、科学研究としても、いわゆる宇宙科学だけでなく、地球科学、ライフサイエンス、物質科学など多岐にわたり、また、実利用としても、商業的な活動だけでなく公共的なサービスも含まれる。宇宙利用の推進にあたっては、これらさまざまな宇宙利用の可能性を確保することが必要である。 一方、これらの宇宙利用が進展し成熟するに応じて、科学研究であれ商業利用であれ、国際的な競争環境にさらされることとなる。従って、戦略的な取り組みと適時的確な評価に基づき、我が国が得意とし、国際的に伍していき得る分野への重点化を図ることが重要である。 |
| (3) | 利用者本位の利用推進 利用はあくまで利用者の主体的な取り組みである。宇宙利用の推進は、利用の押し付けであってはならない。むしろ、利用者側の視点で、その関心を喚起し、利用展開への意欲を刺激していくことが重要である。さらに、商業利用に関しても、国による利用推進の取り組みが逆に商業的な発展を阻害することのないようにするべきである。 現状では、宇宙利用は民間もしくは利用者だけで担うには経済的にもリスクが高く、困難な場合が多いが、その推進方策においては、利用者本位のものとなるよう、常に点検しつつ注意深く進めることが重要である。 |
| (4) | 国民に夢・希望・誇りをもたらし挑戦心を涵養する取り組み 宇宙利用推進の大きな狙いは、宇宙開発利用の活動を広げ、その成果をより大きなものとすることであり、多くの人々の関心と参加が重要となる。このため、人々が宇宙に対して一般的に持っている夢・希望といったものに働きかけ、宇宙への意識や関心を高めるとともに、自らに関わりのあるものとして挑戦していく気持ちを育てていくことが必要である。個別の宇宙利用の推進方策と併せ、国民の宇宙開発利用に対する認識を高めていく取り組みを積極的に進めることにより、大きな効果が期待できる。 特に、青少年に対しては、次代を担う気概と挑戦心とを涵養するためにも、宇宙開発利用の本来有する夢と躍動性に対する認識を高める継続的な方策が必要である。例えば、数多くの科学衛星から得られる新たな発見や日々送られてくる地球観測データによる研究成果、宇宙ステーションでの宇宙飛行士の活躍、将来の宇宙輸送機や衛星システムに関する挑戦的な実験など、具体的な活動や成果について、学校教育の現場で直接関わっていけるような取り組みを実現していくことが重要である。 |
| (5) | 未来への挑戦のための研究開発の促進 宇宙開発利用への取り組みについては、当面の宇宙利用の推進と併せ、長期的視点でさまざまな可能性を見出していくことが重要である。従って、再使用型宇宙輸送システム、宇宙太陽発電、パーソナル小型衛星など、現段階では潜在的なものにとどまっている宇宙利用についても、未来への挑戦として、その研究開発を進めていくことが重要である。 |
| 5. | 2 普及促進のための開発利用の進め方 一方、前章の各段階にある宇宙利用の各分野のうち、特に、普及段階への移行段階にある利用分野については、早急に普及段階への進展を図る方策を講じ、利用主導の段階に進展させる必要がある。従って、主としてこのような段階にある利用分野について、以下に利用推進のための課題と対処方策を示す。 |
| (1) | 開発と一体となって宇宙利用を推進する仕組みの構築 宇宙利用を普及段階に進展させていくためには、例えば、衛星による地球観測データのアーカイブ等の宇宙から得られる各種情報・データの統合的利用システムを構築するなど、開発と利用とが一体となり、地上から宇宙にわたる統合的な利用システムを構築するための仕組みを確立していくことが必要である。また、宇宙利用の関係省庁・機関との連携を含め、宇宙利用の市場開拓的機能を担う体制を整備する必要がある。 |
| (2) | 開発(もしくは政府)側と利用(もしくは民間)側の協働体制を構築するためのガイドライン・制度等の整備 宇宙機関と利用者が協働して利用推進の活動を行い得るよう、費用負担・権利帰属等のルール化、協議する場の構築などの枠組みを整備することが必要である。なお、費用負担については、利用の進展に伴い段階的に利用者負担率が増大していくよう設定することが、また、権利帰属については、利用(もしくは民間)側への移転、特許化、事業化を推進するよう設定する必要がある。 |
| (3) | 開発(もしくは政府)側と利用(もしくは民間)側が両者協働で具体的利用を先導・牽引するモデル事業の実施 普及段階への移行段階にある宇宙利用の分野においては、利用を具体化した成功例を開発側と利用側が両者協働して実証することが重要であり、このような実証プロジェクトを各分野で実施することが求められる。 |
| (4) | 利用側における自己増殖的な利用拡大を促すための情報発信拠点の整備 宇宙利用の可能性を最大限発揮させ、利用側における取り組みの容易化を図るため、宇宙利用のためのポータルサイト整備など、情報提供機能の整備を行うことが必要である。また、宇宙利用のための技術的支援機能等についても十分な体制整備を図る必要がある。 |
| (5) | 宇宙以外の分野における利用用途の発掘、育成が重要 宇宙利用は、宇宙そのものを利用することにとどまらず、宇宙技術や宇宙で得られたデータ等を宇宙開発以外の分野において利用していくことも重要であり、このような技術的な波及を促進し、さまざまな分野での利用を発掘・育成することが必要である。 |
| 6. | 具体的な宇宙利用の推進方策 以上のような基本的方向に沿って、今後は、以下によって宇宙利用の推進方策を具体的に実施していく必要がある。 |
| (1) | 新しい宇宙機関の役割と機能 宇宙開発事業団、宇宙科学研究所及び航空宇宙技術研究所が統合してできる新しい宇宙機関の役割・機能等については、宇宙3機関統合準備会議において審議がなされ、平成14年3月に報告書がとりまとめられたが、当該報告書に基づき、新しい宇宙機関は、宇宙利用の推進においても重要な役割を果たすことが期待される。 新しい宇宙機関では、官民の宇宙利用の拡大及び産業競争力の強化に資する技術開発を推進するとともに、関係省庁・機関や産業界との連携・協力を図り、宇宙利用の拡大に貢献する。このために、開発側と利用側の協働体制を構築するガイドライン・制度等の整備を行うことが必要である。 また、新しい機関は、地上から宇宙にわたる統合的な利用システム構築への貢献、具体的利用を先導・牽引する実証プロジェクト事業の実施、宇宙利用の推進のための情報発信や技術的支援など、本報告書で示した宇宙利用の推進方策を具体化する中核的機関としての役割を果たす必要がある。さらに、潜在的なニーズの発掘等により、宇宙利用のアイデアや技術を企画するとともにその開発を行い、積極的に発信していく機能を持つことが求められる。 新しい宇宙機関は、大学院教育協力に関する役割・機能も担うものであるが、さらに、国民、特に青少年に対する宇宙開発利用に関する認識の向上という点についても組織を挙げて継続的に取り組んでいくことが求められる。また、新しい宇宙機関では、宇宙開発利用の裾野を広げ、多様な宇宙利用の可能性に挑戦するため、平成14年3月に宇宙開発委員会が定めた「H−IIAロケットの余剰打上げ能力の活用について」に沿って、いわゆるピギーバック衛星(ロケットの打上げ能力の余剰を活用して主たる衛星と相乗りで打ち上げられる小型の衛星)への取り組みを促進していくことが求められる。 |
| (2) | 技術等の民間移転 今後の宇宙利用が、新しい産業として発展するためには、民間企業等に期待することが大きい。特に、普及段階に移行していくべき宇宙利用の分野においては、開発側と利用側とが協働するに際しても、できるだけ早い段階から、利用者・民間等による利用活動やシステム運用の形態を想定し得る状況にすることが肝要であり、そのための事業化モデルの模索・検討と実施が求められる。このためには、これまで宇宙機関が保持してきた技術の民間移転等が重要であり、そのルール化と実践の積み重ねを早期に開始していくことが必要である。 従って、今後、宇宙機関や利用関係省庁等によるいわゆるアンカーテナンシー(政府関係機関等が将来にわたる一定の需要を約束することにより民間による事業化を促す制度)の可能性の検討など、所要の検討を行った上で、既計画の衛星や宇宙ステーション等の利用やシステム運用に関して、できるものから技術の民間移転、民営化等を実施していくことが求められる。 |
| (3) | 先導的基幹プログラムの実施 宇宙開発委員会が平成13年12月にとりまとめた「我が国の宇宙開発利用の目標と方向性(中間とりまとめ案)」においては、宇宙開発利用を促進するため「先導的基幹プログラム(仮称)」を策定し、重点的に推進することを提案しており、現在、関係機関等において検討が進められている。この先導的基幹プログラムは、統合される宇宙3機関の叡智を集めるとともに、大学や民間を巻き込んだ我が国の宇宙開発利用の旗印としてのプログラムとなることが期待される。また、研究、開発及び利用開拓を一体的に行う統合システムの構築を目指すことが一つの要件として挙げられているが、さらに踏み込んで、宇宙利用の推進方策を具現化するための中心的なプログラムとして実施されることが期待される。 その際、利用の先導による役に立つシステムの開発、ベンチャー育成や産業化関連の研究開発を産学官が協働で行い得る宇宙オープンラボラトリーの設置等新規利用者や民間企業の参加を容易にする仕組みの構築、民生技術と宇宙技術の連携促進による技術波及等の推進など、宇宙開発利用の可能性を大きく広げる取り組みについても、積極的に取り入れていく必要がある。 |
| (4) | 地球観測データ・アーカイブ等の統合的利用システムの構築 地球環境モニタ、国土管理・災害監視等の分野は、今後の宇宙利用の進展が期待されるが、このためには、利用者が地球観測データ等に容易かつ定常的にアクセスし、それぞれのアイデアと事業プランに応じて処理・加工等をすることが可能となる基盤的なシステムが必要となる。このような地球観測データ等のデータ・ベース化を図りアーカイブを構築する統合的利用システムについて、新しい宇宙機関と宇宙利用関係省庁・機関とが連携・協力して取り組んでいくことが求められる。特に、環境観測技術衛星(ADEOS−II)及び陸域観測技術衛星(ALOS)の打上げを控え、これまで宇宙開発事業団を中心に構築されてきたシステムをより一層発展させ、利用者の使い易い統合的な利用システムとして構築していくことが重要である。 |
| (5) | 国際宇宙ステーション(ISS)利用への取り組み ISSでは、既に常時3名の宇宙飛行士が軌道上に滞在し、組立て作業とともに種々の実験等を行っており、日本の実験棟「きぼう」についても平成16年以降順次打ち上げられ組み立てられる計画である。 ISS利用に関しては、これまで「軌道上研究所」としての位置づけの下、宇宙開発事業団においてとりまとめが行われてきたところである。平成12年12月の宇宙開発委員会宇宙環境利用部会の報告書に基づき、現在、ISS利用に関して、さまざまな科学研究や技術開発に加えて、教育面での利用や商業利用など多様な利用が検討されている。宇宙3機関統合という状況の中、これまでの研究の進展と多様な利用の可能性に対応するため、今後、より効率的・効果的なISS利用を実現するための体制整備を行い、有意義な成果を挙げていくことが必要である。 |
| 1. | 調査審議事項 宇宙利用の拡大、新たな宇宙利用の発掘・具現化、国際的な宇宙利用協力、宇宙開発機関と宇宙利用機関の協力など、「我が国の宇宙開発の中長期戦略」の具体化の観点から、宇宙利用の推進方策を調査審議する。 |
| 2. | 調査審議の日程 上記事項の調査審議の結果は、平成14年3月を目途に、宇宙開発委員会に報告するものとする。 |
| 3. | 利用部会の構成員 別紙のとおり。 |
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(1) 宇宙開発委員 (部会長) 川崎 雅弘 (長柄 喜一郎[第3回会合まで]) (部会長代理)
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第1回:平成13年6月4日(月) 14:00-16:00
第2回:平成13年6月29日(金) 14:00-16:00
第3回:平成13年7月27日(金) 10:00-12:00
第4回:平成13年10月19日(金) 10:00-12:30
第5回:平成13年11月26日(月) 14:00-16:30
第6回:平成13年12月17日(月) 14:00-16:00
第7回(平成14年第1回):平成14年4月11日(木) 14:00-16:00
第8回(平成14年第2回):平成14年5月17日(金) 14:00-15:30
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