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宇宙開発委員会

2001/09/19 議事録
第33回宇宙開発委員会議事録



第33回宇宙開発委員会議事録

1. 日 時
平成13年9月19日(水)14:00〜15:18

2. 場 所
宇宙開発委員会会議室

3. 議 題  
  (1) 「我が国の宇宙開発利用の在り方」について
  (2) その他

4. 資 料  
  委33-1-1 諸外国における宇宙開発の動向について
  委33-1-2 「第7回技術予測調査」(抜粋)
  委33-2-1 宇宙開発の現状報告(平成13年9月13日〜9月19日)
  委33-2-2 第32回宇宙開発委員会議事要旨(案)

5. 出席者
 
  宇宙開発委員会委員長 井口雅一
  宇宙開発委員会委員 川崎雅弘
  栗木恭一
  五代富文
  澤田茂生
  文部科学省宇宙政策課長 芝田政之
  文部科学省宇宙政策課課長補 佐金子豊
  文部科学省調査国際室 北村武紀

6. 議事内容

 井口委員長 

   定刻になりましたので、第33回宇宙開発委員会を始めさせていただきます。
   きょうは、議題は2つで、最初の我が国の宇宙開発利用の在り方について十分時間をかけて御議論いただきたいと思います。
   それでは、最初に諸外国における宇宙開発の動向を事務局、金子さんから説明をお願いいたします。

 金子宇宙政策課長補佐 

   前回の宇宙開発委員会で、基本的にNASA、欧州、CNESについて、諸外国の動向ということで報告しましたので、今回はその残りの主な国の機関ということで、カナダ、中国、韓国について御説明して、その後で全体を眺めるという観点から、全体の比較について報告したいと思います。
   それでは、カナダについてですが、まず資料に基づきまして説明します。カナダの中心的な機関はCSAというカナダ宇宙庁というものですけれども、左の下に書いてありますように、組織としては1989年に設立しまして、特徴的なのは産業省の監督下ということです。したがって、後でも言いますが、宇宙産業の育成というのが大きな目的になっています。人員としては715名程度、予算では2001年の宇宙予算としては275億円ですので、日本の大体10分の1程度の規模です。
   それで、ちょっと上に行きますが、基本的な目的としましては、カナダ国民への社会的、経済的利益の付与、宇宙産業を育てること、宇宙に関する知識の拡大、こういうものを3本柱にしております。特にプライオリティーとしましては地球観測、衛星通信の分野を優先しております。
   各分野について若干、その下の表に従って説明しますが、特に特徴的なのは宇宙輸送系で、ほかの外国のように自国の軌道に導入できるようなロケットを持っていない、開発していないということです。通信分野では、一応1972年から静止衛星等を作っていまして、現在まで行っております。地球観測の分野では、特に合成開口レーダを使った地形観測に重点を置きまして、95年にRADARSAT−1というものをアメリカのロケットによって打ち上げられています。そのほかにも各種観測機器をカナダで作っておりまして、他の国際ミッションに提供していると。開発中のRADARSAT−2というRADARSAT−1の後継機なんですが、これは当初、2001年にNASAのロケットによって打ち上げられるという予定だったんですが、それがキャンセルされたり、衛星のバス自体が米国の会社の供給認可に政府がなかなかゴーサインを出さなかったということで、2003年に遅れております。
   宇宙ステーション関連ですが、微小重力実験としまして、主に材料、ライフサイエンス研究について重点を置いて研究を進めています。あと、宇宙飛行士の養成ということで、現在7名ほどいますが、大体1年に1回程度シャトルに搭乗しています。現在開発中のものでは、宇宙ステーションの分担なんですが、カナダとしては移動サービスシステム(MSS)というものに分担をしておりまして、その見返りとしまして利用権は2.3%ということになっています。
   宇宙科学にも活動を行っていまして、歴史が古いんですが、62年にAlouette−1という観測衛星を上げてから、着実に観測機器を提供したりしています。SCISATという2002年に打ち上げ予定なんですが、久しぶりに国産の科学衛星を今度打ち上げるという計画です。将来的にカナダの得意なロボット技術等で宇宙探査計画をほかの諸外国のミッションに提供していきたいと、こういう考え方を持っています。
   宇宙産業、カナダの産業なんですが、基本的には99年度のデータで1,170億円の売上高がある。これは後で全体の比較で述べますが、国の提供する予算に対してはかなり大きな値になっているんじゃないかと思います。
   次に2ページ目にいきまして、中国の宇宙政策ですが、若干、中国のデータが、定量的なデータがなかなか得にくくて訂正等になっておりますが、中国は基本的に、その下の真ん中に書いてありますが、中国国家航天局というのが中心的な宇宙官庁であります。ここでは基本方針として経済、安全保障のためにやる。それから、独力、自力での開発を基本としている。これが大きな柱です。
   各分野で考えますと、御存じのとおり、宇宙輸送系ではLong−Marchというロケットシリーズを着実に進めております。将来は国際商業打ち上げサービスにどんどん提供していくと。
   通信・放送・測位の面でも、1980年代半ばから後、放送についても衛星を開発、使用開始しております。あと、特筆するのは、航行測位に関する利用技術にわりと早目に着手しておりまして、航行測位技術実証衛星を上げております。将来は中国独自の衛星航行測位システム、いわゆるGPSの確立をしようと考えております。
   それから、地球観測の分野でも一応活動を行っていまして、安定運用可能な地球観測システムの構築をねらっております。
   有人飛行システムなんですが、この分野にはかなり積極的に行っているふうに受けとめられるんですが、92年に有人飛行プログラムを開始しております。最近では99年、「神舟1号」、2001年1月の「神舟2号」で無人実験宇宙機に成功している。打ち上げと着陸に成功しています。21世紀の初頭までに有人飛行を行うと、そういう計画を発表しています。
   宇宙科学でもいろいろな分野で進めていまして、宇宙環境、微小重力実験とか、宇宙天文学に関する調査を強化したり、あと月探査を中心とした宇宙探査を研究したりしております。
   宇宙予算なんですが、左側の一番下の方に書いてありますが、現在、古いデータなんですが、日本円で換算しますと大体300億円ぐらいの規模である。ただ、現在、政府宇宙予算は経済開発最優先の方針のもとで大幅に削減されつつあるという状況でございます。
   次に韓国の宇宙政策を説明します。韓国は2000年12月に「国家宇宙開発中長期基本計画」が改訂されまして、今後、96年から20年間の計画を改訂しております。その予算は大体20年間で円に換算しまして約5000億円というふうになっています。特に注目すべきでは、その中でKa、Kuの通信のトランスポンダを自分で開発。それから、宇宙ステーションへの参加を提示しているということが挙げられます。
   各分野で申し上げますと、まず宇宙輸送系なんですが、97年ごろから液体ロケットの開発を開始しておりまして、2001年に打ち上げ予定です。その発展型、KSR−3というのを開発中で、これは軌道には乗らないんですが、150kgのペイロードを700kmまで弾道飛行できるものというものです。それから、その下に実用衛星打ち上げロケット(KSLV)というのがありまして、これが軌道に上げるロケットでございます。2つありまして、1つは小型の100kg級のものを低軌道に、もう一つは1t級のものを低軌道に上げる、そういうロケットを開発中であります。
   それから、通信・放送の分野では、Koreasatという実用通信放送衛星を99年に、Koreasatの3号を上げています。それから、最近ちょっと報道されましたが、2003年に通信衛星、超高速通信衛星を上げると、そういう報道がされております。通信・気象衛星というものでは、1号機として2008年に打ち上げ予定を考えているみたいです。
   それから、地球観測の分野でもやっていまして、KOMPSATを99年12月に打ち上げております。
   それから、宇宙ステーションの分野で先ほど言いましたが、活動に参加するような趣旨のことを表明しております。
   宇宙科学でも、宇宙環境測定を目的とする科学衛星というのをこれから打ち上げていこうと、そういうもくろみがあるようです。
   組織としましては、基本的にはKARIという韓国航空宇宙研究所、大体300名程度の機関ですが、ここが中心になって進めているというものです。産業界はサムスン、ヒュンダイなどの航空宇宙産業がここの宇宙計画に大きく参画している状況です。
   4ページ目の次のページですが、各国の宇宙計画の比較ということで、米国、欧州、CNES、カナダ、韓国、日本ということで比較した表をまとめております。これについて御報告いたします。中国はデータが少なかったので、その表には含みませんでした。予算の規模なんですが、数字の下に帯が書いてありますが、これが大体の縮尺というか、比較になっていまして、米国がこれだけの帯になるとすると、ほかの国はこの程度というものです。
   内訳、分野別比率の推移について若干説明しますと、米国(NASA)ですが、NASAでは有人活動、これは主に宇宙ステーションとシャトルの運用をちょっと入れているんですが、それと宇宙科学が占める割合が大きい。推移の傾向としては、有人宇宙活動が若干ですが減りつつあるという傾向があります。
   それから、ESAですが、この円グラフを見るとかなり均等にそれぞれの分野をまんべんなく活動しているという印象があります。傾向でいきますと、宇宙ステーションで有人活動の金額が増えつつあって、地球観測も、最後、ちょっと減ったりしていますが、増える傾向にあるのではないか。輸送系は逆に、これはアリアン系のロケットの予算だと思うんですが、それが徐々に減ってきている。アリアン4は完全にうまくいっていますし、アリアン5の開発も終わったということで、徐々に減ってきているんだと思います。
   それから、CNESですが、CNESはまた特徴的で、宇宙輸送系、これはアリアンロケットなんですが、これと地球観測、大きくその2つが全体を占めている。内訳の傾向で見ますと、先ほどのESAと同じで輸送系が減少しているんですが、よく見ますと宇宙科学がCNESでは若干、だんだんに増えているのではないかという傾向が見てとれます。
   それから、カナダですが、カナダは有人活動と地球観測が割合としては大きいです。輸送系は全くやっていない。97年と2001年でかなり飛んでいるんですが、いきなり5年たっているんですが、その傾向を見ますと地球観測にかなり力を入れているのではないかという傾向が見てとれます。
   韓国なんですが、今の初期の段階では地球観測にかなり力を入れています。韓国については過去のデータがなくて、将来のデータしかありませんでしたので、将来の推移をここに入れてみました。それを見ると、最初、この地球観測というのが大きいんですが、徐々に減っていって、ロケット、輸送系が徐々に増えている、そういう傾向があります。
   日本はどうかといいますと、あまり傾向らしい傾向がよくとれないというところが正直なところでして、金額は日本国全体の宇宙予算ということで2,775億円を計上していますが、その下の割合等は、NASDAと宇宙研を合わせたものについて記述しています。
   その下の各国の基本的な目的とか方針の特徴なんですが、米国等では安全保障の強化とか、宇宙に関する知識の深化、経済競争力の向上、そういったものを重視しているようです。特に産業の育成という意味では、大体各国、そういうことを主張しておりまして、特にカナダでは宇宙産業の育成というのが大きな柱となっています。
   先ほどの傾向の特徴なんですが、ESAは今のところは通信というのはそんなに割合は多くないんですが、今後、測位システムですが、ガリレオということで、これからそこがどんどん大きくなっていくのではないかと考えています。
   あと、特徴的なのは、一番下の産業規模なんですが、全体的な年間売上高で見ると、米国が圧倒的であります。ただし、米国はこのうち大部分は宇宙関連機器、いわゆる製造業者が大部分を占めている。それからもう一つ特徴的なのはカナダで、1,165億円ということで、大体その半分は輸出の収入、輸出から収入を得ている。80%が大体民需ということで、かなり産業界が頑張っているなという印象を受けます。
   本資料については以上で説明を終わります。

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。もう一つ資料はあるんですけれども、ただ、質問だけみたいになっちゃいますから。

 五代委員 

   この場合、こういうような絵をぜひお願いしたい。これ、非常によくできてわかりやすい。ありがとうございます。この緑のその他という、これは国によっても違うんでしょうか。それとも何を入れてあるのか。

 金子宇宙政策課長補佐 

   例えばフランスですと、センターの維持費とか、そういうものはすべて「その他」の……。

 五代委員 

   それは日本も同じですね。

 金子宇宙政策課長補佐 

   そうですね。それとあと、日本で言います共通的な技術研究みたいなのも一部「その他」に入れていて、そこは本当は分野ごとに分ければいいんでしょうけれども、共通的な技術開発というのが1つになっているために……。

 五代委員 

   例えばNASDAの筑波なんかはほとんどここに入っているとか。

 金子宇宙政策課長補佐 

   そうです。はい。

 五代委員 

   宇宙研だと何。

 金子宇宙政策課長補佐 

   宇宙研は、工学は宇宙科学のためにやっているということで、一応宇宙科学の分野に入れています。

 五代委員 

   科学の方に?

 金子宇宙政策課長補佐 

   はい。

 五代委員 

   全部入っているの?

 金子宇宙政策課長補佐 

   はい。

 五代委員 

   そうですか。ということは、日本のその他……。

 金子宇宙政策課長補佐 

   あと、NASDAで言いますと、例えばMDSの衛星とか、この分野、地球観測だ通信では入らないものを大体入れていまして。

 五代委員 

   技術試験みたいな衛星。

 金子宇宙政策課長補佐 

   技術試験でも、例えば7とか、そういうものは「その他」に入れています。8とか6とか、COMETSとか、8とか、明らかに通信となるものは通信に入れている勘定です。

 川崎委員 

   そうすると、NALの予算は、この「その他」に入っているわけですか。

 金子宇宙政策課長補佐 

   今回、この円グラフ等のところにはNALは入れていません。

 川崎委員 

   そうすると、角田なんかでやっているのは入っていないわけですね。

 金子宇宙政策課長補佐 

   そうですね。はい。NALの予算ですと大体400億とかありますので、そこの分は入っていません。

 井口委員長 

   カナダについて伺いたいんですけれども、カナダは防衛産業というのはどうなんですか。つまり、宇宙防衛産業というのはあるのかないのかも知らないんですけどね。まあ、わからなければいいです。

 金子宇宙政策課長補佐 

   ちょっとわかりません。

 井口委員長 

   それから、最後の表でカナダの一番下に年間売上高が1,165億円で、80%が民需というのは具体的には少しはわかりますか。わからない?

 金子宇宙政策課長補佐 

   基本的には例えばカナダの得意としているレーダ技術とか、衛星のサートが得意とか、そういうもので外から外国の衛星にそういうものをコンポーネントを売っているとか、ロボット技術等もそうですし、あと地上系のアンテナなんかも結構強くて、そういうものを諸外国の方に売っている。そういうコンポーネントレベルですね。

 澤田委員 

   その関連ですけれども、日本の場合、売上高が3,700、これをほかの国の・・・まあ、アメリカは格別なんでしょうけれども、ほかのところの宇宙開発予算と比較して多いと見るのか少ないと見るのか、何か日本の宇宙産業の特色というのは何かあるんでしょうか。大体、輸出収入が19%というのが、昔から何か売っているのはパラボナアンテナとか何かその程度なんですか、何かほかには変わったものはない?昔からずっと……。

 金子宇宙政策課長補佐 

   通信機器とかです。コンポーネント分野。

 澤田委員 

   その程度のものしかないということなのか、何かいろいろ増えているのか、どうなんでしょうか。

 金子宇宙政策課長補佐 

   昔から得意なところは一応コンポーネントレベル、太陽電池セルとか、通信機器というものは輸出していて、そこは多分あまり増えていないんじゃないかと思うんですが。

 澤田委員 

   増えてもいない。種類も増えていない。

 金子宇宙政策課長補佐 

   ただ、一部衛星とかで、衛星システムで外国の受注を受けたりしていますので、その部分はある程度増加傾向にあるんじゃないかと思っています。

 川崎委員 

   ただ、アメリカ、欧州、特にフランス、カナダと比べると、大体宇宙産業の売上高というのは予算規模の3〜4倍を超すわけですね。そういう意味で言うと、日本の場合は相対的に予算に対して民間のアクティビティが低いと言えるんじゃないですか、これの割には。

 金子宇宙政策課長補佐 

   そうですね。

 川崎委員 

   そうすると、政策的な面で言えば、民間のアクティビティを高めるような例えば税制とか、そういったような面が足りないのか。いわゆる外国と同じ官需中心であることは間違いないですね、フランスも、ESAも、アメリカもですね。

 金子宇宙政策課長補佐 

   はい。

 川崎委員 

   だから、日本も官需中心なんだということ。それにしてもこれだけ産業規模の開きがあるというところに何か本質的な問題が産業界側にあるのか、政府側にあるのかというのが少し吟味をしておく必要があるんじゃないですかね。

 金子宇宙政策課長補佐 

   そうですね。

 澤田委員 

   何かそれこそ開発とか、技術なりノウハウなりというものがうまく使われていない。民需につながっていないということなのか、そういうのが影響があるのかどうなのか。

 川崎委員 

   民需を開拓していない。

 澤田委員 

   その辺のところが少しほかと比較してわかればね。宇宙産業を伸ばしましょうと言っても、ずっと何十年やってもちっとも変わらないというのは、何か根本的に問題があるのかどうかとかね。

 井口委員長 

   これからの最大の課題だと思います。

 五代委員 

   その辺のところは、理由を少し調べてもらうと言うとおかしいけれども、整理してもらう。

 芝田宇宙政策課長 

   ただ、これ、もっとも日本は宇宙関連産業となると1兆円あるわけですね。ここは宇宙機器のかなり狭いところだけ拾ってあるんですね。ロケットとか、衛星とかですね。そういう意味では、情報通信のサービス業務とか、あるいはテレビのチューナーとか、そこまで入れると1兆円規模になりますので、この諸外国のやつが定義が一致しているかどうか少し疑問なので、安易な比較はちょっと難しいかもしれません。

 井口委員長 

   私が今までやってきたカーナビも、あれ、数千億円の規模になっているんですね。ところが、あれは自動車だと言う人もいるし、あれはエレクトロニクスだと言う人もいるし、だけど、宇宙だと言う人はいませんね。

 五代委員 

   あんまりいないですね。

 井口委員長 

   じゃあ、よろしかったら、次の将来の技術動向について説明をお願いします。

 金子宇宙政策課長補佐 

   資料3−1−2の第7回技術予測調査の結果について御報告いたします。
   これは文部科学省の科学技術政策研究所の方で大体5年置きに調査を行っているものです。下に書いてあるページで2ページというのがありますが、基本的には調査分野というのは、ここに書いてありますとおり1から16分野、その中に1つ宇宙があります。予測期間では、大体2001年から2030年の30年間というスパンです。
   3ページにまいりますが、基本的には委員会を作りまして、さらに先ほどの16分野ごとに分科会を作りまして、その分科会の中で課題というものを設定します。どういうことができるかという課題なんですが、最終的に一応、ここでは1,060課題を設定しております。その調査の対象の候補者には、先ほどの分科会の委員から推薦をしてもらって選出しているということでございます。
   24ページ、いきなり飛びますが、予測課題の調査結果ということで御説明いたします。その下の図表2.1−1に分野別の重要度指数というのが書いてありますが、その16分野のうちの重要度といいますか、その定義は上に書いてありますように、大、中、小、なしということで課題についてそれぞれ回答してもらっていますが、その点数づけの大のものは100、中のものは50、小のものは25ということで換算しているという数字でございます。それで見ますと、宇宙はかなりほかの分野に比べて低い。ここで言います53.1ですので、流通に次いで低いという結果になっております。
   31ページ、「期待される効果」という章がありますが、ここでは科学技術が達成されることによって、社会・経済発展への寄与、地球的規模の諸問題の解決、生活者ニーズへの対応、人類の知的資源の拡大、そういうものに対してどれが一番寄与されるべきかというアンケート調査結果については、社会・経済発展への寄与というのが最も技術が達成されることによって期待される効果としては高い。それが50%と最も高いです。人類の知的資源の拡大というのが15%ということで、かなりほかのものよりも低く評価されております。この中で特筆すべきは、人類の知的資源の拡大の中身を見ますと、宇宙が47.1%で最も高いということで、全体の知的資源拡大というのは、全体的には低い評価なんだけれども、その中で宇宙は知的資源拡大に主に期待されているという結果が出ております。
   32ページはそれをグラフ化したもので、右下には知的資源拡大のところで宇宙がトップということになっています。
   それから、次に各章で各分野の調査結果ということで、それぞれの分野について結果がありまして、ここでも宇宙についてまとめてあります。その中の抜粋をしたものですが、484ページということで、宇宙の分野の中で重要度の高い課題というのが上位20ということで、ここは一部、10位ぐらいまでのしか載っていませんが、上位20ということで出ております。そのうち、宇宙の中で一番になっているのは打ち上げロケットによる宇宙輸送費用が現在の10分の1以下に低減される。これが一番重要ということで高くなっております。その次がギガビット級のグローバル衛星通信システムが普及すると。ただ、これは全体のほかの分野の課題も含めて、先ほど言いました1,065の課題の中で比べると、そんなに高い方じゃなくて、今のこの宇宙輸送費用が10分の1に低減されるというのは、全体の中では33位、ギガビット級では、ギガビット級の衛星システムが普及するのは、全体の中では97位とそんなに高く位置されていません。
   最後に510ページに未来技術年表ということで、一応実現予測時期とそれが実現される課題というのがずっと書いてあります。この中で重要度が高いものと、あと有人に関するものを拾い上げますと、2013年にVLBI、衛星レーザおよび逆レーザ、合成開口レーダによる地殻変動の測定精度がよくなって、地震予知の精度向上に役立つと。これが宇宙の中では重要なもので、2013年ごろに実現しそうだと。それから、先ほど言いましたギガビット級のグローバル衛星通信システムの普及というのが2013年。それから、商業用高精度測位システムが実用化されるというのが、やはり2013年になっております。
   それから、輸送系で言いますと、2015年に部分再使用型宇宙輸送機が開発される。それから、2019年に先ほどの打ち上げロケットによる宇宙輸送費用が現在の10分の1以下に低減されるというものが出ています。2020年ぐらいには二段式スペースプレーンが我が国で開発される。2023年には巨大な太陽電池板を持つ宇宙空間太陽光発電所が建設され、電力がマイクロ波またはレーザで地上に伝送されるようになる。2025年には、有人宇宙船の火星着陸とその帰還が行われる。2027年には月面上に恒久的有人基地が作られるといったことが予測されております。
   以上でございます。

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。それでは、今の将来の技術動向についての質問と一緒に全体を通して御議論いただけますでしょうか。

 川崎委員 

   私はもともとこの政策研で途中でだれかがやっているのを知っているんですが、現在の中長期計画なりとどういう整合性があるのかがちょっと心配なんですけどね。何か、要するにアットランダムなんですよね。ちょっと悪口で申しわけないけれども、研究者の趣味的にやっている話までみんなテーマに挙がっちゃっているから、そうすると、こういうテーマで宇宙開発を認識されれば、重要度という観点からも非常にマイナーになりますよね、当然、わからないんだから、VLBIなんていう……。もうちょっとその辺は一度、我々の方でもやれるのかもしれないけれども、中長期計画の中に考えられている種々の計画との結合を1回やってみた上で考えたらどうかなという気がするんですけどね。

 五代委員 

   人というか、テーマを選ぶ一番もとはどこから来るんですか。

 川崎委員 

   多分、山中さんか誰かが委員長でやっているんじゃないか。

 金子宇宙政策課長補佐 

   先ほど言いました各分野の分科会というのがありまして、その中で課題を設定しています。多分、そのときにはいろいろな計画とか、そういうのは参考にするとは思うんですけれども……。

 川崎委員 

   いや、していないですよ。だって、個人の資格で20人ぐらいの委員会を作るんですよ、分野ごとにね。

 五代委員 

   それが研究者とか、経済とか社会の……。

 川崎委員 

   いや、大体専門家が多いですから。

 五代委員 

   専門家ですね。

 金子宇宙政策課長補佐 

   宇宙で言えば、宇宙の専門家ですね。

 川崎委員 

   僕のときは山中さんが委員長だったと思うんですが。

 金子宇宙政策課長補佐 

   はい、そうです。

 川崎委員 

   そうすると、みんな自分の手持ちと言うと申しわけないけれども、温めてられる話をみんな出すと、そうすると随分と社会的認識とは違いますよね。

 芝田宇宙政策課長 

   この前のアンケートでも、夢やロマンというところが一番高くて、実用的なところは必ずしも認識が高くなかったというのがありましたので、これもおよその傾向が出ているということで御理解いただければと思うんですけれども。

 川崎委員 

   いや、僕は、こういう調査があるということなんだけれども、私自身は宇宙開発事業についての意識ギャップが、さらに大きくするようなことになってはいないかと思うんです。夢とロマンというのは実現しないからいつまでも夢とロマンなので、我々の宇宙開発事業というのは、ある日、実現することを想定しているわけだから、夢とロマンをかき立てるということは、実現しながらかき立てなきゃいけないんだからね。

 栗木委員 

   この間のアジア太平洋会議でかなり大きなテーマだとして取り上げられたんですけれども、災害の環境防止とか、抑止であるとか、テレエデュケーションとか、テレメディスンとかいったようなのはあんまり見当たらないですね、この中で。確かにテーマの選び方がどういう……、何かハードに結びついているんでしょうかね。システムという感じがしないですね。

 井口委員長 

   私も10年前に交通通信の部長か、まとめ役をやらされましたけれども、半分は前のものをたしか踏襲していたと思うんです。そうでないと、毎回毎回設問が変わっちゃうと、時代によってどう変わるかわからないからというので。あとは趣味的ですよ、おっしゃるように。何もそういう基本計画などを参照して考えるなんてことはしていないと思います。
   だから、これはあくまでも、こういうデータもありますというだけであって、これをどう使うかは我々のセンス次第だろうと思いますけれども、だけど、いずれにせよ、これもかなり先の話で、この先ので「我が国は」というのは、例えば484ページの下の表でも、下から2行目のエアーブリージングエンジンが我が国で開発される、そこだけですよ、「我が国」というのは。つまり、私が自動車から来たせいもあるのかもしれませんけれども、宇宙開発に関しては日本は、言うならばマイノリティーなわけですね。マジョリティーというのはアメリカであり、ロシアであり、ESAの人たちが隣にたくさん来ていますけれども、残念ながら、そういう方がリードしていくわけですね。ですから、ある意味じゃ、はっきり言えば、日本と無関係に進んでいくわけですよ。もちろん、日本がリーダーシップをとって何かできれば非常にいいんですけれども、だから、将来というのは、これはどうするかじゃなくて、どうなるかということ、まあ、みんな何を考えているかということの参考にする程度のことじゃないかと思うんですけれども、だから、我々がどうするかというのは、世の中がそう流れていく中で日本がどうコミットしていくかという議論になるというか、ならざるを得ないんじゃないかという気がするんですけれども、いかがでしょうか。

 川崎委員 

   今の「我が国で」と書いているのとそうでないのは、国際的な意味で、世界でこういうのが実現するという意味にとれば、こういうのもあり得るだろうと思いますけどね。ただ、この前のやつの御説明のカナダなどの表に戻ると、例えば国際的な競争力のある宇宙産業を育てることという基本目的について言うと、カナダの得意とする合成開口レーダSARだとかその他を使ってやるRADARSATなんですが、自分が独自の輸送能力がないために、RADARSAT−2とか3の計画というのは遅れているわけですね。そうすると、今、合成開口レーダはたしか日本もカナダから技術導入をしているぐらいですから、国際競争力はあるんだけれども、スペースプルーブンのものにどんどん高めていくというのについては、アメリカディペンデントになっているわけですね、このロケットは、衛星バスは。そういうことが結果として、この目的を達成するのには不都合じゃないかとか、そういうようなロジックを今度のビジョンの中にははっきり打ち出さないといけないような気がするので、この辺は少しマークをしたらいいと思うので。

 五代委員 

   この川崎さんのRADARSATとか、この1の、現在までの中に入っているRADARSAT−1と横のMSAT、これ自身がアメリカとの関係で非常に遅れたわけですね。いろいろでやられてしまったというものですよね。その辺のことの分析と言うとおかしいけれども、していった方がいいですね。

 川崎委員 

   ぜひそれをね。なぜ日本がやるかということのロジックとしてですね。たしかSARについては、日本のアーツの1号に積んだわけですが、あのときにグランドトゥルースをどうやろうかというので、ヘリコプターでやるんだとか、飛行機でやるかというのを導入した後、日本で積む前にやったはずなので、その前にアメリカで上がってなきゃならなかったんですね。95年ですから随分遅れているわけです、アーツを上げたのが80年代後半ですから。あれはERSといったんですか、アース・リソース・オブザベート・サテライトか、ERS1号に合成開口レーダを積んだ。だから、要するに日本の衛星が初めてカナダのSARを積んであげた格好になっているんですよ、たしか。

 井口委員長 

   この辺のより詳しい調査というのはできますか。この仕事というのはもう3機関統合の話というのが、もうすぐ来週からですか、始まるので、あまりグズグズしていたのでは間に合わないということがあるんですけれども、できる限りにおいてよろしくお願いします。

 金子宇宙政策課長補佐 

   はい。

 川崎委員 

   これだけ資料が整理されてくると、日本もポジションがはっきりしていいですね。

 井口委員長 

   さて、それで「宇宙開発利用の在り方について」、事務局の方から大体こういう方向の議論、今日しておいてほしいという何か要求がありましたら。

 芝田宇宙政策課長 

   各国の基本的な目的、方針をこうやって並べてみまして、安全の保障といったような、おそらく共通的に出てくるようなところはやはり重要度が高いということでいいんだろうと思うんですね。したがって、それは日本にとっても優先的に掲げられるべきミッションであろうといったような整理をしていきたいと思っているんです。各国のを見まして、これは日本にとっても重要であろうとか、あるいはそうじゃないだろうかとか、そういったような議論から入っていただければと思うのですけれども。
   それからもう1点は、カナダに特徴的なように、かなり特化した宇宙開発というやり方をやっているわけですけれども、今まで言われてきた重点化というのは、そこまでのことを求める、求めているんだろうか。あるいはもう少し幅広にやっていくんだろうかというのは、どの辺を目指すのか、日本としてはですね。その辺も少し議論が必要かなと思いますけれども。

 五代委員 

   カナダは1つの代表例ですね。規模は少し小さいけれども、特化して非常にプライドもあり、うまくいったときもあるけれども、結局、根幹を持っていないから、あのように大変に翻弄されたということもあるわけです。

 井口委員長 

   日本と何が基本的に違うかというと、ロケット開発をやっていないというそこだけでしょう。そうじゃない?

 五代委員 

   それから規模が小さいですね。

 井口委員長 

   まあ、その分だけ小さいですね。

 五代委員 

   ええ、規模が小さいですね。ともかく規模が小さい、予算規模。例えば通信、Anikとか、Alouetteという科学衛星、非常に早くスタートを切って、世界をリードしましたよね。だから、そのスタートは非常に輝けるカナダだと思うんです。

 井口委員長 

   日本もこのさっきの予測調査でもって、一番宇宙について評価されているのは、要するに人類の知的資源の拡大、つまり、宇宙科学ですね。これは日本の中では一番、宇宙について評価されている。ほかについてはあまり評価されていないということかもしれませんけれども。

 五代委員 

   そうですね。社会・経済にというところが、低い方から何番目みたいな感じなんですね。だけど、実際には通信、気象衛星、放送衛星を介して、それの利用、まあGPSは別ですけれども、利用まで第1次、第2次、第3次みたいな、非常に大きいんだけれども、どうもそれはあらわれていないというか、認識されていないというか。

 井口委員長 

   まあ、当たり前になってしまっているのか、我々自身もそれがもたらした経済効果というのを数量的に発表したことがないんじゃないかと思う。

 川崎委員 

   生活者のニーズにある意味では一番こたえているんじゃないですかね、ムーバの電話とか、GPSのナビゲーションの話なんかも。

 井口委員長 

   だけど、あれはアメリカのだと思っている、GPSは。

 五代委員 

   さっきの話じゃないけど、あまりに溶け込んじゃっているから、もう今さらというような感じがあるでしょう。

 澤田委員 

   これ、それぞれの産業分野で少しでもでかく見せるために、みんな入れ込んじゃうんだけれども、宇宙はその他の残った純粋なものだけまとめているからこうなっちゃうんですね。だから、これは比較にならないんですよね。

 井口委員長 

   前に長柄タスクフォースの報告書として、あそこの1つのキーワードが「ミニNASAからの脱却」という言葉があるんですけれども、確かにNASAに近づこうと思って今まで一生懸命やってきたのかもしれませんが、NASAと比べて、それは確かに衛星もやっている、ロケットもやっているけれども、もっと細かいところまでブレークダウンしたら、皆さんがやっていることのほんのわずかしかやっていないでしょう。だから、ミニNASAなのかもしれないけれども。
   だから、そういう意味で、ミニNASAからの脱却というのは、言葉としては何か非常に重点化という意味でインパクトのある言葉だけれども、内容を考えてみると、今やっていることとどれだけ変えられるかというのは、例えばカナダの、今、五代委員が言われたように、ロケットはやっておくべきだという話になったらロケットをやり、要するに輸送系をやり衛星をやるわけですね。

 川崎委員 

   だから、具体的な個別プロジェクトの問題というよりも、ミニNASAと言っているのは私もよくわかりませんし、何で言われたのかわかりませんけれども、日本としての1つのシナリオになっていないということなんじゃないですか。宇宙系、衛星系を含めて。例えばそのシナリオの作り方が、どちらかというと研究開発サイドからのシナリオになっているものですから国民から見えにくいわけで、むしろ例えばこれだけモンスーン地帯にあって、毎年毎年、年中行事のようにどこかで集中豪雨があって都市洪水が起こるとか、台風の予測進路を外れるとかいろいろあるわけだったら、国民のそういう生活に対する情報をよりきめ細かく行政サービスとしてやるためには、こういう衛星を使って、それによる情報リンクによって、できるだけ災害を未然に予防するような措置を講ずる。そのためにはこういう衛星が要るようですと。そういう衛星は単能機の衛星がいいのか、もっとマルチパーパスの複能機にしたらいいのかというのは技術的なソリューションとしてあるのであって、そういう1つのシナリオを我々の今度の長期ビジョンでは作らないといけないんじゃないかなというのを私は思いますけどね。

 栗木委員 

   私も賛成ですね。結局、ロケットと衛星というのは情報なり何かを運ぶツールなんですね、知恵じゃないんですよ。

 川崎委員 

   そうなんですよ、知恵じゃないんですよ。

 栗木委員 

   先ほどおっしゃっておられるように災害の防止であるとか、回避であるとか、教育をどうする、医療をどうするというようなことは知恵であって、そのために、それにどう重点を置くから衛星が必要で、したがって輸送系が必要でという、そういう話が構築されないと、ビジョンとしてはまずいんじゃないかな、そういう感じがしますね。

 川崎委員 

   これは別のときに作った、本当は総合科学技術会議、やるべきかもしれないというんですか、要するに科学技術政策全体についてのシナリオがないというのが私の意識でして、こういう大目標から中目標へというふうに何のために、何のためにという追いかけ型で技術課題を出していくと、例えば1番の国民の豊かで潤いのある生活を維持・拡大するとか、雇用の確保と所得とかというのには、マルチメディア、情報通信技術というのは有効でしょうねというのは言えるんですが、そうだとすると、これは1つの通信の新インフラとして雇用を地上と同時に衛星系で考えるというような形で宇宙技術が幾つか出てくるというふうに考えていくべきじゃないかなと思うんですね。
   例えば第2順位の、まあ、これは勝手につけたんですが、国の安定的存続と発展、国土の保全と国民基盤の安定確保とか、国家安全保障といったときにはどういうものが要るかというような、こういうような何か1つの、ややトップダウンで委員長に決めてもらえばいいと思うんですよ、第1順位と第2順位というのは。要するに寄ってたかってコンセンサスでやると、みんな我田引水のマルチ分野になるので答えが出ないんですよね。少々泣く分野の人がいてもいいと、それくらい果断にやらないと今の御時世には合わないんじゃないかなという気がしますね。むしろ、反論があれば、私どもは謙虚にその反論をお聞きする。修正する必要があれば、それは考え直すという、そのステップとしてのそういう、2段モーションぐらいのステップでまとめるというのはいかがでしょうかね。

 五代委員 

   さっき金子さんが説明のときに、日本の場合、トレンドがないと。これは近い5年なんですね。5年でも、7年でも、これ、実はトレンドがない。その前は実はトレンドはあったわけですね。だから、この5年か7年ぐらいの間は、何でもそのままおやりなさいということになったから、こういう順位がなかったんですね。だから、今や順位を決めましょうと、そういう時代になったということでしょうね。

 井口委員長 

   この間の資料があったらよかったんですけれども、一応優先度をちゃんと考えてみましょう。総合科学技術会議の五代委員が出ておられるフロンティア分野では、1番に国の安全、2番と3番どっちが、まあ、同じくらいかもしれませんけれども、1つは産業化というんですか、国際競争力の強化というようなこと、それからもう一つは、一言で言えば、国、つまり、日本は第2位の経済大国であると言われているんだから、そのくらいの国であれば、当然、国の責務としてやらなければいけない社会的な貢献、地球観測だとか、宇宙科学ですね。その3つを挙げていますね。その辺はどうなんでしょうね。我々としても大体、合意というか、賛成していいんじゃないでしょうかね。

 五代委員 

   1つのコンセンサス、案みたいなのが示されているわけで、それが全く、そんなことは違うよと言うのならあれですけれども、これは基本的に皆さん大体、合意と言うとおかしいけれども、同じような考えはお持ちですよね。

 栗木委員 

   そこから出発して最終的にはハードなり宇宙軌道上のシステムへ来る、そのシナリオで選択肢なり、自国の技術のレベルとの整合性というのはあるわけですね。そこがまたもう一つの選択の余地だと思うんですよ。そこでまたストラテジーが入ってきますので、一番根幹は極めて大事だと思いますけれども、そこからフローダウンしてきて最前線まで来るときに、それがうまく有機的につながっているかどうか、まさしくビジョンというのは有機性といいますか、立体的にきちっとでき上がっている。フローダウンしてくるときのあれが、おのおのヒエラルキーでもってきちっとそれが実現の可能性を持っているということが大事なんだろうと思います。そこを間違えると要らんものを開発したりということになっちゃうんですね。そこには選択の余地はどうしても出てくると思います。

 川崎委員 

   そういう意味で言うと、輸送系とか衛星のマストというか、衛星をまとめ上げるシステム……。

 栗木委員 

   どういうタイプの衛星であるとか、使い道も決めてですね。

 川崎委員 

   センサーであるとか、そういったものについてはむしろAOでやればいいわけですね、国際的にアナウンスメント・オブ・オポチュニティーですかね、要するにどこか乗せたいというのがあれば乗せてあげてもいいというふうな、変なセンサーを作るよりもですね。そういう、どこがディペンデントでもいいし、インディペンデントでなきゃいけないかというのは、今の栗木さんのおっしゃった中でタクティクスとして選択をしていけば。

 栗木委員 

   それはあると思うんですよ。それはフローダウンしたときに、SARとか太陽電池というのは、もし半導体の得意技を伸ばすのであれば、それをどうそこへ組み込んでいくか、そこがストラテジーだろうと思いますけどね。

 川崎委員 

   そうですよね。

 井口委員長 

   これは山之内理事長、NASDAの理事長が言っていましたけれども、ようやく今キャッチアップが終わったんだと。キャッチアップをしている時代には技術開発オリエンテッドで、まあ、それは仕方がない面があるんですけれども、それが終わったら次は何かというと、技術開発はもう利用システムと市場開拓、あるいは市場創出と一体に進める。もちろんマーケットがはっきりあれば、これは別に問題ないんだけれども、宇宙の場合にはまだ顕在化していない可能性があるわけですね。だから、これからの技術開発というのは、それはもちろん技術開発が中心かもしれませんけれども、利用システムから利用技術、マーケット開発、市場開拓と一体となって進める、そういうストーリーでしょう。さっき、川崎委員がおっしゃったことを別な言い方を……。

 川崎委員 

   私はそう思います。そういうグランドシステムを、地上のシステムをどう整備するかがマーケットをどう作るかということにつながると思うので、日本の場合には上のお話ばっかりなんですね。

 井口委員長 

   ええ。だから、今までは日本の宇宙産業というのは開発産業なんですね。大きくなるには利用産業の方がはるかに大きくなって、その中に開発も一部でやっているということでなければ発展はないんだろうと思いますので、まあ、そういう方向の……。

 澤田委員 

   最初に利用があった通信・放送分野というのは、何か開発から抜けちまって、どうぞ好きなところで、お安いものでいいものを買っていらっしゃいという世界になっちゃったんですね。だから、そこの世界と、これから開発してそういうふうに結びつけるというところが切れちゃったと言いますかね。

 井口委員長 

   切れたんですね。

 澤田委員 

   だから、何かうちでやらなくたって、よそであるんだったら買っていらっしゃいという世界だったら、そのものは即利用につながっているけれども、日本では手をつけませんよという、そういう分け方、何か少しでき過ぎてしまったんですかね。もう1回、そこを見直してみて、日本でどうしてもできないものはしようがないけれども、できる分野と潜在している、あるいは隠れているニーズというのが一体どういう形で共感を持ってリストアップできるのかというところ、この辺がなかなかはっきりしないんですかね。

 川崎委員 

   特にそれはどっちかというと、今の澤田さんのおっしゃったことは、公共的分野が多いんですよね。例えばボートピープルを早く海上で見つけるとか、経済水域に入ってくる船を早く見つけて海上保安庁がどう行動するかとか、アクションプラン等を含めて、そういう立体的にどう使うかというところの議論が未成熟ですよね。そうすると、静止衛星軌道だけをねらうのか、400km高度をねらうのか、360kmをねらうのかとか、いろいろの手段があって、何個要るかというのも出てくるし、何かそういうようなことを少しシナリオとして作って差し上げた上で……。

 澤田委員 

   こんな利用の仕方がありますよという一覧表をね。夢物語から現実のものとして、その中から日本にある技術と結びつけてどれをやっていきますかねという世界……。

 井口委員長 

   そこの利用システムの開発の、そういう部署がないんですよ、今まで。だから、これからそれに対してロケットを見ていかなきゃいけない。

 川崎委員 

   むしろ、3機関を統合したときに浮いたと言うといけないけれども、そういう利用システムを構築するための人材もその中から捻出していくようなことを考えないと。

 澤田委員 

   そこの分野というのは、日本の大学には全然欠けていた分野なんでしょう。

 川崎委員 

   そうです。リモセン以外はですね。

 澤田委員 

   全くクラシックなものを一生懸命書く人と、何かこっちの方をやっている人で、世の中というのは関係ないんだという世界、世の中の関係を結びつける技術をどうするかというところが日本の大学にはないんですよね。

 井口委員長 

   すいません。

 澤田委員 

   それが一番困るんですよね、本当に。

 井口委員長 

   いや、本当にそう思いますよ、おっしゃるとおりです。

 川崎委員 

   講座制ですから、がっちり文科省の認可を受けてやっているんだから、時代遅れになりますよね。

 五代委員 

   この前も申し上げたように、宇宙開発・利用というのは必ずセットでいつも我々も言っていかなきゃいけないですよね、絶えず。

 川崎委員 

   ただ、今までは、澤田さんがおっしゃったように、僕はやっぱり301条で壊されちゃったけれども、広まる通信ニーズにどう対応するかということで非常に問題意識を持っているNTTを中心とする通信グループと、それと衛星を使おうというグループと、衛星というグループとのドッキングがうまく行われたし、放送もそうだったんですね。うまくいき過ぎたから301条で切り離されちゃったので、やっぱり今度はパブリック・サービスとしてやらなきゃならないことで、そういう開発・利用をどう……。何か新しい仕組みを考えないといけない。

 澤田委員 

   何かそこらで売っているよということになると、そこにつぎ込んだエネルギーというのは消えちゃうんですよね。

 川崎委員 

   消えちゃいます。

 澤田委員 

   しかし、そこから未来永劫、そのレベルにとまっているわけじゃないんですよ。その先に本当はいかなきゃいけない。しかし、そこらで売っているもので間に合うよという話になっちゃうと、そこで切れてしまう。何かそういう中途半端な形になってきたのかな。だから、知的興味のある部分、これは永遠に何かちょっとでも、知的興味の部分は出てくるんだけれども。

 井口委員長 

   それで、この中に宇宙旅行という言葉があまり、まあ、一番最後のページの一番下の方にはあるんですけれども、これはほんとに輸送手段の信頼度、安全度が1けたか2けた上がって、しかも、コストがうんと下がれば、これ、日本にマーケットは十分あるんですね。だれもマーケットがあることは疑わないだろうと思うんです。だから、その分野に対して、ほかは、宇宙旅行以外のマーケットというのは、今、顕在化しているものというのはそんなにないでしょう。今、GPSを使ってカーナビというのはあるけれども、あれは日本の技術じゃないとか、要するにGPSは日本じゃないとかいろいろな議論があるくらいですけれども、ただ、本当に宇宙旅行が現実的になる、それはこれから20〜30年ぐらい先になりますけれども、そんな遠い話は今はどうでもいいよという話にするのか、そういうマーケットはあり得るんだから、日本の中に。そうすると、今どう考えておくかという議論はどうしますか。つまり、有人宇宙というのは今までいろいろ議論になって、五代委員なんかが、あれは雑誌は何でしたっけ、『現代』?

 五代委員 

   ああ、『現代』。

 井口委員長 

   もう有人宇宙なんてやるべきでないという議論も一方じゃあるんですけれども、しかし、日本がやらなくたって世界的にそういうものが30年後かもしれませんけれども、やってくれば、日本にマーケットはあるんですよ。
   それに対して、日本はじゃあ、今何をするのか。それをスタートするのは、今すぐというわけにはいかないかもしれません。それはこの苦しいときに何を寝ぼけたことを言っているのかと言われかねないですけれども、5年、あるいは10年先か、そのあたりからのほんとに真剣にプロジェクトとして考えるようなことがあるとすれば、どんなことを考えておくのか。それに対して、今、私は基本的に今というのは、もう既に今走っているものを何とか進めていく、済まさなきゃいけないという仕事と、それから基盤の充実だと思うんですよ、現在一番やるべきことは。だけど、それと同時に今言ったような有人宇宙に対して、今何をやっておく必要があるのか、勉強として。そのあたりはいかがですか。一番大きな議題だと思うんですね。

 川崎委員 

   その大きいプロジェクトですけれども、一種のISSをそのときのステッピングボードだと考えれば、ISSへの物資と人間の安全な輸送というのを1つのねらいとしていって、それの発展系で宇宙大旅行用のマウントピークを考えるというのはある。

 五代委員 

   それはあり得ますね。特に第1期、10年ぐらいで考えたときには、今みたいな川崎さんのような話で、これは現実のものとつながるわけですよね。当然、我々、どこに話しに行っても、次は私はいつ宇宙旅行できますか、そういう話になるわけですよね。それが10年では金持ちの一部だけかもしれないけれども、20年後ならばかなり一般の人が行けるとか、宇宙で一般の方が非常に興味を持つことは、気象とか通信、放送というのはもう社会的にごく普通のことになっていますから、自分が行きたいということですね。航空機で世界旅行したいなんて、昔、夢のまた夢だったのがあっという間にできたんですよね。だから、そういうのを黙って研究もしない、あるいはシナリオも作らないでいると、それだけ遅れるだけの話で、世界的に遅れるでしょうね。だから、金をドーンとかけろという意味では全くなくて、そういうようなことを少し公式に研究・・・研究って、金をかけるわけじゃないけれども、していくことは始めたらどうですかという趣旨なんですけどね。この数年は間違いなく今残っているものをやることと、基盤を強くすること、産業化を早くもっときちんとすることとか、そういうのはあるでしょうけどね。

 川崎委員 

   非常に比喩的に言うと、今、我々は江戸幕府の初期にあると考えればいいんですね。大航海時代が世界では始まっているときに、1,500石より大きい船は作らせない、外洋航海だめですよと言って、豊臣秀吉の問題があって遠慮し過ぎたんでしょう。だから、やっぱり宇宙という新しい、新大陸とは言わないんですけれども、新世界にやはり人間が実在することの意味というのはいかほど大きいかというのを考えてみれば、我々としてはそこへ到達する輸送手段を何らかの形で準備しておく。鎖国をすればいずれ30年後か40年後に黒船がやってきて慌てふためくということになるわけですから、我々は家康のまねをしないで、ニュー家康でいかないといけない。そのためにはISSがあるんじゃないかと思うんですけどね。

 栗木委員 

   有人飛行にしても、先週でしたか、掲げた何項目のどれに当たるんだ。つまり、知的興味なのか、それははっきりする必要があると思うんですね。一般の人が行きたいというのも興味ですよ、それは。ただ単に生活、要はパンとバターというような、そういうものではなくて、そういうものを超えたものである、好奇心であるということであれば、それがモチベーションであるというのが掲げられていて、それをいつの日が実現したいという、そのシナリオだろうと思うんですね。ここに書いてある2027年までに書いてあるものの中には、それがたくさんあるわけですよ。それをどういう時系列に展開させるためにどう準備するか、それは書くべきだと私は思いますね。

 井口委員長 

   そういう考え方もあるけれども、私は純然たるコマーシャリゼーションだと思うんです。車に乗ってどこに行きたいかって、ほとんどレジャーですよね。あれが、だけど産業としては大きいんですよ。だから、そういう面があって、確かに知的好奇心からそっちに行くというのはありますけれども、産業としてマーケットがあれば、それに対応した産業を作るというのは極めて自然だと思いますけどね。これは自動車の見方ですけどね。

 栗木委員 

   でも、車に乗っているのも、必ずしも皆さん物を運んでいるだけじゃなくて、かなりがレジャーなり遊びですから、そこは私はベーシックには知的好奇心だと思いますけどね。

 井口委員長 

   そうですかね。まあ、どっちでもいいんですけど。

 澤田委員 

   私は、かかわり方の問題だと思うんですよ。有人を目的にしなければ、それに適したような乗り物は作れませんという言い方は逆なんじゃないのかなと、むしろね。要するに本当に人間が手をかけない、人間が乗らなくてもきっちり運用できていくような乗り物が本当は一番ありがたいんですよ。それにたまたま何を乗せるかといったら、行きたい人が金を払って人間が乗っていった。それはそれでいいでしょうという話になっていくんだろう。だから、有人というのは1つの、言ってみれば観光業なら観光業でもいいんです。何を乗せるかだけの話であってね。ですから、それのためのツールをどう開発するのかというところが一番問われているんだろうと思うし、そこのところを安くて安全性の高いものをどう作っていくのかという技術を日本なりにどう開発するんですかねというところが一番問われるのだろうなと思う。

 井口委員長 

   その1つの具体的な例はやっぱりロボットだと思いますね。ロボット宇宙飛行士とか。日本はかなりの技術を持っていますからね。

 澤田委員 

   ええ。だから、そこにそれを集約していって、それで世界ではまねができないものができて、それが観光旅行にも一番安くて安全ですよということになれば商売になるわけです。

 井口委員長 

   ロボットのかわりに今度は人間が、自分が行ってみたいというときには乗っていけばいいわけですよね。

 澤田委員 

   そうそう。

 栗木委員 

   立山にダムを作ったときに、あそこの富山の方からトロッコの電車が引かれたんですね。あれは乗りたいという人が大勢いて、最後にはダムはできちゃったんだけれども、あれが観光線になっちゃったんですよ。まさしくそのロジックだと私は思いますね。

 井口委員長 

   大体1時間を予定しておりまして、その時間なので、これからのやり方なんですが、次回、今のような議論から少し具体的なシナリオというのは、そんな長い文章は要らないんですけれども、何か事務局でまとめられますか。

 芝田宇宙政策課長 

   まず、栗木先生がおっしゃったように、一番上の基本的な目的みたいなところを2枚ぐらいのペーパーに取りまとめてみて、そこからだんだんシナリオができていくということで、2枚ぐらいのペーパーをまず作って、それを御議論いただいたらどうでしょうか。

 川崎委員 

   日本語の文章はダラダラしていて理解に苦しむので、むしろ私はセンで、こういう関係、こういう関係というふうにして3段ぐらいにおりるようにシナリオはしておいていただいた方がいいと思うんですけどね。言い回しで随分違っちゃうのでですね。

 芝田宇宙政策課長 

   まだちょっと工夫させていないので。

 川崎委員 

   私はどちらかというと、例えば国民の生活の安全というのなら、これについて3つの手段があるうちの1つを宇宙で、というふうに、ツリー状のものに整理をしていただいていた方が、あとは作文はどうにでもなると思うので。

 井口委員長 

   あと直接、そのやり方、表現の仕方については相談していただいて。それからもう一つは、平成6年か何かにビジョン、相当長期ビジョンを大がかりな組織で作っているでしょう。あのときから、あれは20年、30年先まで考えているわけですから、あれから5〜6年しかたっていないのが、そんなに変わっているとは思えないんですよ。だから、あれも1つの大きな参考になりますよね。

 芝田宇宙政策課長 

   そうですね。あれも参考資料として出させていただいて。

 井口委員長 

   あれを今、多少世の中が変わって考え方も変わったところもありますから、リバイズしてもらってというところも1つの手ですよね。

 川崎委員 

   小泉総理の言うようにチェンジですから……。

 芝田宇宙政策課長 

   きょう、議論にあまり出なかったんですけれども、アンケートなんかでも実利用の面の認識が非常に低いということがありますので、これは総合科学技術会議の推進戦略でははっきりと書かれていませんけれども、国民の生活の質の向上というのは、大きなミッションに掲げてはどうなのかなと思いますが。

 川崎委員 

   それはそのとおりだと思いますよ。

 井口委員長 

   産業化というのは、そうだと思いますけれども。

 芝田宇宙政策課長 

   ええ。産業化の行き着く先はそこにあるんだと思うんですね。だから、その辺、ちょっと含めてミッションのペーパーなり、何かそういうシナリオみたいなものを作らせていただいて。

 井口委員長 

   それでは、そんなことで進めさせていただいてよろしいでしょうか。では、どうもありがとうございました。その次に、2番目のその他、宇宙開発の現状報告、この1週間いろいろなことがありましたけれども。

 北村(調査国際室) 

   それでは、簡単にこの1週間の出来事等につきまして御報告をさせていただきたいと思います。
   国内の関係でございますが、委員会の活動、この委員会以外には特段ございませんでしたが、関連する行事が1つございました。2ポツのところでございますけれども、15日土曜日に「宇宙ふれあい塾2001」ということで、文部科学省、宇宙科学研究所、国立天文台、宇宙開発事業団、財団法人の日本宇宙フォーラムと日本宇宙少年団、この6者の共催ということでイベントを開催しております。大阪の万国博ホールで開催いたしましたが、入場者数も1,000名以上来ておりまして、それなりに盛況でございました。
   それから、3ポツの方にまいりますが、海外の動向でございますけれども、今週1週間ですが、ちょうど先週の宇宙開発委員会のときにも先生の方から若干御発言がありましたが、アメリカで起きました同時多発テロの関係で、NASAの方がそのテロの対策ということで、2日間ほど業務を停止いたしました。完全に本部、フィールドセンターを含めて全部、一たん閉鎖いたしました。こちら、2日後の13日木曜日に一応、通常どおり業務を再開しております。ただ、アメリカ中、至るところで同じでございますけれども、厳重な警備を引いておるという状況でございます。
   それから、15日の土曜日でございますけれども、こちら、恐縮です。実は報道情報ベースのソースなのでございますが、ロシアと南アフリカの間で宇宙技術分野につきまして協力をするという協定が締結された模様でございます。内容的には地球観測絡みでございまして、ロシアからの地球観測のデータを南アフリカが受け取りまして、南アフリカの地域の奥部につきまして、衛星通信センターというところが配信を行うというようなものでございます。
   それから、9月17日の月曜日ですけれども、ISS絡みなんですが、ロシアのエアロック、ドッキング・コンパートメントというものでございますけれども、こちらがドッキングをしております。打ち上げ自体は15日の日本時間で言いますと8時35分、朝でございますが、バイコンドルの方からソユーズロケットを使いまして打ち上げられております。ドッキングが17日の午前10時8分に無事成功しております。こちらがドッキングしましたことによりまして、今までISSにソユーズですとか、プログレスのドッキングできるボートが2つあったのでございますが、3つ目がつけ加わったということで運用がかなり柔軟にできるようになるというふうに聞いております。
   以上でございます。

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。
   今、隣でESAの人たちと会議をやっているんですね。さっき、ESAの人に聞いたら、アメリカでNASA関係、宇宙関係の予算削減がされるんじゃないかという意見もあるし、eメールでスペースニューズを見ていたら、いや、これでNASAの予算が増えるというような……。

 北村(調査国際室) 

   いろいろな議論が出ています。

 井口委員長 

   将来、どうなるかわからない。

 栗木委員 

   同じeメールを見ていましたら、テロのときに衛星へのアクセスが700%というのがありましたね。これはすごいですね、爆発的に。

 川崎委員 

   今週のこの報告の中で12日というのは、例の宇宙開発利用の日なのか、宇宙開発の日か何かでしょう。

 北村(調査国際室) 

   はい。12日は……。

 川崎委員 

   宇宙の日ですか。その一連のいろいろの行事があったので、それに対する参加者数とか、そういうようなものは……。

 北村(調査国際室) 

   後ほどまとめまして一度御報告を差し上げたいと思います。

 川崎委員 

   整理しておいていただいたらどうなんですかね。それが逆にまた一種のPRになるんだろうと思うので。

 北村(調査国際室) 

   そうでございますね。

 川崎委員 

   設定しておいて何も使わないというのはおかしいよね。

 北村(調査国際室) 

   そうですね。これから10月にやります世界宇宙週間までの間、1カ月程度でいろいろなイベントをやることになりますので、一通り終わった段階でまた御報告を差し上げたいと思っております。

 川崎委員 

   だから、イベントがイベントで終わっちゃだめなので、何かのムーブメント、モチベーションにならないといけないでしょうからね。一度、整理しておいていただいたらいいと思うな。

 北村(調査国際室) 

   それから、1つ付言させていただければ、実はこの宇宙ふれあい塾の関係でございますけれども、テレビ用に編集したものを今作っておりまして、科学技術振興事業団と協力しましてサイエンスチャンネルで放映する予定なんですが、そちらの中身等、できましたらまた先生方にも御覧いただければと思っております。

 井口委員長 

   では、よろしいでしょうか。前回の議事要旨につきましては、後ほど御確認をお願いいたします。
   それでは、これをもちまして第33回の宇宙開発委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

−−−閉   会−−−



(研究開発局宇宙政策課)

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