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宇宙開発委員会

2001/06/27 議事録
第24回宇宙開発委員会議事録


第24回宇宙開発委員会議事録

1.日時 平成13年6月27日(水)
  14:00〜

2.場所 特別会議室(旧科学技術庁5階)

3.議題 (1) 国連宇宙空間平和利用委員会第44会期の開催結果について
  (2) 第7回統合地球観測戦略パートナーシップ会合(IGOS-P)会合等の結果について
  (3) その他

4.資料 委24-1 国連宇宙空間平和利用委員会第44会期の開催結果について
  委24-2 第7回統合地球観測戦略パートナーシップ会合
    (IDOS-P)会合等の結果について
  委24-3 第23回宇宙開発委員会議事要旨(案)

5.出席者
    宇宙開発委員会委員長 井口雅一
    宇宙開発委員会委員 長柄喜一郎
              〃 栗木恭一
              〃 澤田茂生
              〃 五代富文
    文部科学省研究開発局長 今村努
    文部科学大臣官房審議官 素川富司
              〃         宇宙政策課長 芝田政之


6.議事内容

 井口委員長 

   おそろいですので、第24回の宇宙開発委員会を始めさせていただきます。本日は報告事項が2件でございます。
    最初に、国連宇宙空間平和利用委員会、第44会期の開催結果について、文科省宇宙政策課調査国際室長の塩満さんにお願いいたします。
   

 塩満室長 

   それでは、24−1の資料に基づきまして御報告申し上げます。
    国連宇宙空間平和利用委員会第44会期は、今年の6月6日から15日、ウイーンで開かれました。出席者は、外務省、文部科学省、それから宇宙開発事業団からここに書いてあるとおりの出席がございました。
    今回の内容は、主に科学技術小委員会、それから法律小委員会がそれぞれ2月、4月に開催されまして、その結果報告、それからもう1つは、UNISPACEIII勧告の実現に向けての具体的な行動プランについての話し合いが行われました。
    資料の、ページを打ってなくて申しわけございません、後ろから2枚目別紙3が、第44会期の日程でございます。中心課題は、ここに書いてございますように、UNISPACEIII勧告の実施に向けての意見交換という形で行われております。
    それでは、2.から紹介させていただきたいと思います。1枚目の2.結果概要でございます。(1)宇宙空間の平和利用のことにつきまして、宇宙の軍備競争の防止に関する検討をこの国連宇宙空間平和利用委員会の場でも行うべきである、ということですが、これは中国・ロシアからそのような意見が出たのですが、そのような意見と、それからそのような検討については、専門的な軍縮会議で行うべきであるという見解が示されたということがございます。
    それから、本題でございますUNISPACE3勧告の実現に向けまして、具体的方策についての調整を進めました。今回、ウィーン宣言の中の項目を33選びまして、それから絞り込みを行いまして、それぞれのプランごとに行動チームを設置して、来年2月の科学技術小委員会までに暫定的なコーディネーター国を決定し、計画案の設定を行うということで進められました。別紙1に、今回のウィーン宣言の優先実施項目として絞り込みが行われた内容と、それからそれぞれのコーディネーター国等を出させていただいております。
    2ページ目でございますが、我が国は、この別紙1に示します17番目という番号がついている項目の人材開発及び資金源の開拓を通じ、能力開発を向上するという項目につきまして、コーディネーター国としての手を挙げさせていただきました。今後、この行動チームのメンバー、これは別紙2に書いてございますが、参加への関心を示している国、NGOとともに今後のアクションプランを検討してまいりたいと思っているところでございます。
    それから(3)でございますが、科学技術小委員会、それから法律小委員会の報告書を採択されております。
    メンバーシップの拡大、(4)につきましては、これまで国連宇宙空間平和利用委員会に加盟している国は61カ国ございますが、さらにここに示してございますキューバ,マレーシア、ペルー、韓国、サウジアラビア、スロバキアの加盟につきましての承認が行われ、67カ国ということになります。
    それから、UNIDROITと通称されていますが、国際可動物件担保条約、それから、同宇宙物体議定書に関して、私法統一国際協会というのが下に書いてございますが、政府間の国際機関である私法統一国際協会においての検討状況が紹介され、今後、非公式会合を9月に開催して、専門的見地からの検討を行うということが決められました。
    実際は実質的な議論の視野に入っていたのですが、今回行われたということでございます。
    さらに、新規議題につきましては、宇宙と社会の議題化ということが米国その他から提案されたということで、来年の議題に加えられることになったということでございます。
    別紙2につきまして、もう少し補足させていただきたいと思いますが、我が国提案の行動計画につきましては、別紙2、17の番号が振ってありますが、議長としましては、暫定的に宇宙科学研究所の的川教授にコーディネーター役をお願いして、参加国との調整を進めていく。また中身としましては、現時点では各関心を寄せている国とのニーズ調整というか、ニーズを確認して現在既存のフェローシップ制度がもう少し運用されて、人材育成とか、それから関心の拡大ということに広がるような、そういう情報提供を主とした活動を展開していくということを今、考えてございます。
    今後、7月のAPRSAF(アジア太平洋地域宇宙機関会議)には、ワーキンググループ的なことは間に合わないかもしれないのですが、そのような場を使って年1回のワーキンググループを開催するとか、それから情報提供について、フレームワーク的な統一された項目設定を行うとか、レポートの作成を行うとか、そのようなことも考えてまいりたいと思っております。
    また、進捗状況については御報告してまいりたいと思っております。
    以上でございます。
   

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。御質問、御意見、どうぞ。
   

 五代委員 

   今、既存のフェローシップ、日本だと、前はSTAフェローがありますね。それがこの後、文科省になって議論があるのでしょうか。
   

 塩満室長 

   JSPSフェローシップという形で、吸収される形で、科学技術部門は、人数的にもそのまま移行する形でJSPSに……。
   

 五代委員 

   人数的に増えるとか、条件はいろいろつくるとか、アジアの人を重視するとか、いろいろ、そういうところはどうなっているのですか。
   

 塩満室長 

   そうですね。今、日本が技術振興会の方で御検討されているかと思うんですが、科学技術部分に関して、これまで科学技術振興事業団の方で進めてきたSTAフェローシップの方につきましては、重点化とかいうことも計画されていたようですが、実際は、メリットシステムというか、論文とか、研究成果の高いポスドクの方を選定する形で、必ずしも宇宙とかアジアとか、そういう重みづけをするということは、一部あったかもしれませんけれども、それほど幅広くなかったかなと思っております。
    今度JSPSに移行された後、どのような形になるかにつきましては、今後、情報を得てまいりたいと思っております。
   

 井口委員長 

   フェローシップというと、大体日本で研究するとか、そういったことですか。そういう点どうですか。
   

 塩満室長 

   今、申しましたフェローシップはポスドクなんですが、ほかにも例えば海外に派遣するフェローシップとか、それからほかの……。
   

 井口委員長 

   そうですか。それは宇宙だけではなくて、いろんなところへ。
   

 塩満室長 

   そうですね。今、私が申しましたのは、学術分野も科学技術分野も含めまして、フェローシップ制度がございます。
   

 井口委員長 

   その中に宇宙も入っているという、そういうことですか。
   

 塩満室長 

   宇宙も入っております。
   

 長柄委員 

   従来は、ポスドクで、やっぱり30前後の方で、ドクターコースを出た方だからね。
   

 塩満室長 

   そうですね、35歳。
   

 長柄委員 

   だから宇宙の方のそれとちょっと違いますね。
   

 塩満室長 

   そうですね。もちろん申請があって、受け入れ期間があって、その申請者の方が、科学的な一定の水準に達している方であれば受け入れ可能ということですが、必ずしも宇宙に特化した形ではないのです。
   

 長柄委員 

   宇宙研あたりには、宇宙科学でドクター取ったような人が来ているのかもしれませんけれども。
   

 塩満室長 

   ええ、JSPSの制度を使って。
   

 長柄委員 

   あるかもしれませんけれども、ちょっと宇宙開発事業団に来るような方は、もう既にドクター取って、宇宙開発事業団で何かやりたいという人が、そんなに多くいるとは……。
   

 塩満室長 

   あと、リモートセンシングセンターに行きたいとか、それからあと、宇宙開発事業団に行きたいとか、それから宇宙の関係の研究をされている研究機関の受け入れを希望している方とか、かなりいらっしゃるようですが、ただ、必ずしも十分知られているかというと、そうでもないかもしれないので、そこはほかの国の制度もいろいろあると思いますので、日本の方も応募できるような制度もございますので、幅広く紹介ができればと思っております。
    今はポスドクで申しましたが、必ずしもポスドクに限らず、ドクターを取れていない方とか、それから学生さんとか、そういう方々についても、ほかの国とは、人数を確認して、フェローシップ制度の紹介ができると思っております。
   

 井口委員長 

   幸いなことに、宇宙の軍備競争の防止に関する検討というのは、ほかのところでやられるようになったわけですけれども、もしこれをここでやることになったら、宇宙開発事業団は参加できるのですか。関係ないですか?

 文部科学省 

   議論に参加というか、そもそもコンセンサス制でして、現時点ではアメリカがすごく反対しているということもあって、議論されないということになっているのですけれども。
   

 井口委員長 

   まあ、幸いだったと思うんですけれども。
   

 文部科学省 

   今後、議論する場合は、議論に積極的に参加するかどうかというのは多分日本としては、宇宙開発事業団などの絡みから言うと自信ないのだと思います。外務省の方が出席して発言するという可能性もあるとは思います。ただ、文科省、ないしNASDA、ISASから積極的に発言するということではないのではないかなと思いますが。
   

 井口委員長 

   それからメンバーシップの拡大ということで、このメンバーというのは、どういう。これはどうなっているのでしょうか、希望して承認されれば、どの国でも参加できるという意味ですか。
   

 文化科学省 

   そうです。基本的に具体的な規約みたいなものが現在ないという状況でして、その事情でコンセンサスを得られればなれるという形になっております。ただ、それに対して、一部の国から、あまりにもメンバーがどんどん拡大していってしまうのではないかという懸念も表明されておりまして、今後、7年間は新たなメンバーシップは凍結して、何らかの基準であるとか手続であるとか、そういったものを検討しなければいけないのではないかというようなことになっております。
   

 井口委員長 

   それから別紙1で、優先実施項目及びコーディネーター国というのがありますけれども、この中で、例えば17の日本は、宇宙に限るわけですね。宇宙という言葉は入っていませんけれども。それからカナダの公衆衛生サービスの向上というのは、ちょっとわかりにくいんですけれども。
   

 塩満室長 

   宇宙技術を活用した、ということです。
   

 井口委員長 

   ああ、そうですか。公衆衛生というのは、もちろん地上でのことですね、そうですか。
    ほかに何かございますか。
   

 栗木委員 

   この優先実施項目というのは、何か定期的に見直されるのですか。これの進捗状況というのは項目ごとに違うと思いますが。
   

 文部科学省 

   実は事前に調査票が配られまして、各国から「どれが優先順位が高いか」というようなアンケートをとりまして、今回の結果報告は、たまたま大体10個ぐらいの項目が優先度が高いということで選ばれたのですが、次回の科学技術小委員会が来年2月に開かれますが、こちらでまた再度検討いたしまして、さらに取り組むべき事項があれば、そこでまた話し合うというような形になっておりますので、今後科学技術小委員会やこの本委員会を通じて、優先項目というのはおそらく見直されてくるのではないかと思います。
   

 井口委員長 

   よろしいですか。
    それでは終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
    それでは次に、第7回統合地球観測戦略パートナーシップ会合等の結果について、宇宙開発事業団の古濱理事から御報告を願います。
   

 古濱理事 

   それでは、24−2の資料について御説明いたします。
    本年の6月1日に、パリで第7回の統合地球観測戦略の会合がございました。その前日に、地球観測委員会CEOSの戦略実施チーム(SIT)の会合も行われましたが、本日は主にIGOSパートナーシップ7につきましてOHPを使いながら御説明いたします。
    まず、IGOSとは何かということから始まるわけでございますが、これは、CEOSというのが、前回ちょっとお話をいたしましたが、地球観測委員会ということで、宇宙セグメントの地球観測をやっております。それに対して、IGOSは、地上でありますとか、海上でありますとか、大気でありますとか、そういうことを含めて全員が一緒になって観測をしよう、というところでございまして、構成メンバーといたしましては、宇宙機関のCEOS、全球観測システムのGCOS、GOOS、そしてGTOS、これは資料の3ページ目に名称は書いてございます。
    それからスポンサーエージェンシーですが、全球観測システムの後援機関でありますWMO、IOC−UNESCO、UNEP、ICSU、FAO、といった機関が参加しております。それから第4番目のくくりといたしましては、地球変動研究計画IGBPとかWCRPと、その資金を提供しているファンディングエージェンスのIGFA、そういったものから成り立っておりまして、CEOSは、宇宙セグメントにおける地球観測データの抜けとかオーバーラップを調整する、といった機能を持っておりまして、1984年に設立されました。IGOSの方は1998年に掲げられたもので、比較的新しゅうございます。ちなみに、CEOSの方のチェアは、昨年の11月から文科省と宇宙開発事業団が共同議長を1年間務めることになって、今、現在務めております。
    特に、IGOSの方は、文科省の海洋地球課が、それからCEOSの方は宇宙利用推進室の指導に基づいて取り行っているものでございます。
    それから、IGOSの目的でございますが、先ほどCEOSのところでお話をいたしましたけれども、ギャップ・重複のない効率的な全球観測を行う、その研究及び定量観測の全球観測システムを構築する、そして観測から利用までエンド・トゥー・エンドの計画を策定する、といったことでございます。ですから、気候変動にかかわるようなもの、あるいは環境、森林等々の観測計画が継承されておりまして、前後いたしますけれども、今回の6月1日の会合では、約60名ばかりの代表が集まりまして、一番大きな点は、海洋をテーマとすることが前回のIGOSの会合で承認されたのですが、そのテーマの実施状況が報告されました。これは、後ほど少し詳しく説明いたします。
    それから新しく今回の会合でテーマとして承認されたものが、全球の炭素循環テーマ、それから大気化学のテーマ、この2つが承認されました。
    それから新しいテーマの検討対象といたしまして、ウォーターサイド、水循環のテーマが持ち上がっておりまして、このテーマをいかに実施していくかということが、IGOSの大きな目的となっております。そして、こういったアクティビティを環境関連の国際会議へ反映していく、例えばIPCCでありますとか、COPでありますとか、世界サミットでありますとか、そういったことが非常に大切な課題となります。
    それで、6月のこの会合で、NASDAの古濱が議長を引き継ぎまして、今年の11月の共同会議まで担当することになりました。
    まず、最初に海洋テーマについてでございますが、これは主にGOOSで扱われているのですが、主な動きとしましては、NASAがパンフレット、ここに本物がございますがこのようなもので、テーマ全般について計画したものをつくりまして、それを今、実施しているということであります。
    衛星研究における進展につきましては、トペックス、ポセイドンなど、海面高度を計るようなものを次期計画JASON、それから海位情報を計るようなADEOS−IIの計画、それから塩分濃度など、あるいは地上水分を計るようなエスノスケール、そういったものの進展状況につきまして報告がございました。
    それから海上にいきましては、アルゴブイを最終的には2,000個ぐらい世界の海に浮かべるわけですが、現在、JAMSTECはこれに参加しておりまして、200台ぐらいのブイを世界の海に浮かべて観測している、そういった進展状況が報告されました。
    それから、応用といたしましては、かなり多方面の海洋観察ですとか周辺情報、その他の事柄にインパクトが想定されておりまして、今後3年間、これを実施いたしまして、テーマについてレビューをして、3年後に新しいテーマの計画表をつくる、そういった予定で現在作業が進んでおります。
    それから続きまして、今回成立しました新しいテーマは、次のCOPの会議でもこういった温暖化に関することが非常に大きなテーマになりますけれども、IGOSにおきましても、全球の炭素循環テーマというのが非常に大きな話題になっておりまして、IGBPからの提案を受けまして、今回の会合で承認されました。
    そして、その第1回の全球炭素循環ワークショップが、今年9月、東京で開催される予定であります。
    それから11月には、IPCC第3次評価報告書に対応した観測計画の概要をこのIGOSで炭素循環テーマとして発表する予定であります。今回のパリの会合でそういったことが決議されまして、関係者は準備をしているという状況であります。これの応用分野といたしましては、環境政策への基本的なデータを提供する、IPCCなどの報告書のドラフティンググループの世界じゅうの学者さんたちのインプットデータとする、そしてまた、こういったアクティビティを通じて、全球炭素循環の解明等に資する、そういったことでございます。
    それからもう1つの大きなテーマとして、大気化学のテーマ、オゾンでありますとか、炭素以外の温暖ガスの、メタンでありますとか、そういったものの解明をやっていこうというのがこのテーマであります。これも今回承認されました。
    それから、次は、今後検討を願っているテーマでありまして、21世紀というのは、水の世紀というか、水を確保するということが非常に大切なことになるということが認識されておりまして、次回のIGOSの会合で、水循環テーマの提案書を提出する予定になっております。
    そしてその先行するプロジェクトといたしまして、コーディネーテッド・エンハンス・オブザーブ・ピリオド(統合強化観測プロジェクト)の計画が持ち上がっておりまして、これは世界じゅうの21ぐらいのサイトで、地上の観測と、それから今年の末ごろから非常にたくさんの水に関する衛星が集中して上がりますので、そういったものを組み合わせて集中的な観測をしようというプロジェクトでございまして、東京大学の小池先生がそのリーダーとなって、これを推進されております。日本はこれを強力にサポートするということを表明してまいりました。応用といたしましては、降水の予報精度の向上でありますとか、水資源管理、これは観測だけではなくて、社会科学的なインパクトもある、要するに水に伴ういろいろな紛争なども全部含むようなリージョンになりますから、そういった大きな問題となり得るような水資源について、集中的に観測していこうということであります。
    それから、関連の国際会議への貢献ですが、昨年の11月には、COPの第13回準備会合、SBSTAという会合がございますが、そこでIGOSパートナーシップの重要性が記述されました。それから、IPCCの第3次評価報告書では、統合地球観測のための戦略の実施を勧告しております。IGOSという名前はここでは出ておりませんけれども、それを入れかえたような表現になって残っております。
    それから、第9回の今年の4月に行われましたCSD、持続可能な開発に関する国連会議におきましては、工業観測戦略の実施でありますとか衛星観測を増加させる重要性についての勧告がございまして、これは結局、この会合は下に書いてございます来年の9月にヨハネスブルグで行われる、これは世界サミットなんで、ちょっと資料が間違っていますが、その世界サミットの前に今年の11月にCOPの会合がございますが、地球サミットにおける非常に大きな問題の1つが、地球観測をどうするかということになってきておりまして、IGOSのビジビリティーが世界的な規模で認識されてきておるということが顕著になってきております。
    日本の対応でございますが、こういったIGOSの活動を通じまして、効率的な全球観測網を構築して、そしてまた我々日本のユーザーとしても全球観測に関するデータにアクセスできますし、そしてまた地球観測監視のようなものへの日本の国際的な貢献が果たされる、そういったメリットがございます。今後日本においては、IGOS関係の省庁連絡会議、文科省を中心にして、こういった各省庁間の連携を強めていく必要がある。また国内委員会を通して、研究者、関係機関への連携が必要となってきております。
    最後に、今後のショートタームの取り組みでありますが、今年11月、京都国際会議場で、第8回のIGOSの本会合が行われます。また、CEOSの本会合も行われます。ここでは、共通的なフォーラムとして、オープンフォーラムを考えておりまして、このメンバーだけではなくて、メディア、制作担当者を対象にしたIGOS活動のわかりやすい紹介をしようと思っております。
    報告は以上でございます。
   

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。
    御質問と御意見、ありましたらお願いいたします。
    今、NASDAが関係しているというか、面倒を見ている国際会議というのは幾つぐらいあるのですか。国際会議というか、やりきれるのですかということですが。ありとあらゆる地球規模のいろいろの問題がありますね。
   

 古濱理事 

   はい、ございます。
   

 井口委員長 

   いろいろなところに関係するのだと思いますけれども。
   

 古濱理事 

   直接ここで即答できるデータを持っておりませんが、特にこの会合は地球観測をなぜやるのかということから考えると、一番ふさわしい会合だと思っております。それでよろしいでしょうか。
   

 井口委員長 

   おつき合いしきれるのかなという心配を感じていますので。
   

 古濱理事 

   できる範囲でしかできないと思いますので、これはとにかく今、議長国なので、世界の先頭に立ってこれを推進するという役割を負っていますので、一生懸命やっております。
   

 井口委員長 

   どうも御苦労さまです。
    ほかにいかがでしょうか。
   

 五代委員 

   確かに今、おっしゃるように、人が足りないのですよね。
   

 井口委員長 

   そのうち予算も、大した規模ではないのかもしれませんけれども。
   

 五代委員 

   いや、この前も、例えばINPEがやっていましたね。
   

 古濱理事 

   はい、そうです。
   

 五代委員 

   そんなに大きな金を持っているわけではないんですけれども、人間がいますね。人間は、NASDAに近いぐらいで、予算は10分の1ぐらい。人がやっぱり一番問題だと思います。
   

 井口委員長 

   どうも御苦労さまです。
   

 栗木委員 

   11月に京都でやるときに、わかりやすい説明を一般にしていただけるといいのですが、そのときNASDAが、つまり個々の企業さんなんかがやられるのですか。それとも古濱理事が先頭に立ってやるのでしょうか。
   

 古濱理事 

   いやいや、私ではなくて、もう少しふさわしい人が、まだそれは検討中で、どういう格好にするかというのは、オープンに……。
   

 栗木委員 

   場所は京都だけですか。どういう方法でやられるのですか。
   

 古濱理事 

   11月6日から9日まで、4日間あるのですが、6日に一般向けにIGOSの活動が新聞社の人たちが理解できるような、つまり一般の人たちが理解できるような程度にインパクトがあるようなものを計画しております。
    具体的になりましたら、また御相談に伺います。
   

 長柄委員 

   CEOSの会合が1日、IGOS−Pの会合が1日と、こんなような感じですか。
   

 古濱理事 

   CEOSの会合が2日間、IGOS−Pの会合が1日です。
   

 長柄委員 

   3日間ですね。
   

 古濱理事 

   はい、そういう会合です。前後に準備会合みたいなものがございますが、基本的に3日間です。
   

 井口委員長 

   よろしいでしょうか。
   

 長柄委員 

   炭素循環のテーマは、日本ではどこの先生がやっておられるのですか。
   

 古濱理事 

   炭素循環ですか。
   

 長柄委員 

   ええ、今度新規に入って。
   

 古濱理事 

   炭素循環は、NASDAのメンバーも入っています。
   

 宇宙開発事業団 

   環境省からは、国立環境研の井上元先生、それから東京大学の生産技術研究所の安岡先生が参加されております。
   

 井口委員長 

   よろしいでしょうか。
    では、どうもありがとうございました。
   

 古濱理事 

   ありがとうございました。
   

 井口委員長 

   その他で、前回の議事要旨でございますが、どうぞ御確認をお願いいたします。議事要旨にかかわることで、前回、宇宙開発に関する基本計画を条件つきで技議決をいたしました。その後の処置はどうなっているのか、言っておいていただけませんでしょうか。
   

 芝田課長 

   実は、前回ここで、条件つきで議決していただく際に、まだ関係省に議決の要請をするということについての決裁を取っていただくという手続が続行中でございました。したがって、条件つきということになりましたが、その後、その委員会のあった日のうちに、関係省庁の決裁手続、すべて終わりまして、その際、変更は一切ございませんでした。したがいまして、ちょっとこの議事要旨は正確ではございませんので、この議事要旨に、必要があれば持ち回りによって行えることになったということをちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
    現在は、基本計画は財務省に協議に出されておりまして、今月中にはすべての手続は終了すると思っております。
   

 井口委員長 

   ということでございますので、多少修正があるということを前提に御確認をお願いいたします。
    以上で、第24回の宇宙開発委員会を閉会にいたします。
    ありがとうございました。

──了──




(研究開発局宇宙政策課)

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