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宇宙開発委員会

2001/06/13 議事録
第22回宇宙開発委員会議事録


第22回宇宙開発委員会議事録

1.日時 平成13年6月13日(水)
  14:00〜

2.場所 特別会議室(旧科学技術庁5階)

3.議題 (1) 「きぼう」利用多様化のためのパイロット・プロジェクト選考結果について
  (2) 「国際宇宙ステーション長期滞在クルー」教育イベントについて
  (3) 第3回日仏宇宙協力シンポジウムの開催結果について
  (4) その他

4.資料 委22-1 「きぼう」利用多様化のためのパイロット・プロジェクト選考結果について
  委22-2 「国際宇宙ステーション長期滞在クルー」教育イベントについて
  委22-3 第3回日仏宇宙協力シンポジウムの開催結果について
  委22-4 第21回宇宙開発委員会議事要旨(案)

5.出席者
    宇宙開発委員会委員長 井口雅一
    宇宙開発委員会委員 長柄喜一郎
              〃 栗木恭一
              〃 澤田茂生
    文部科学省研究開発局長 今村努
              〃         宇宙政策課長 芝田政之


6.議事内容

 井口委員長 

   それでは、お集まりですので、第22回の宇宙開発委員会を始めさせていただきます。
    本日は3件の報告がございます。最初は、「きぼう」利用多様化のためのパイロット・プロジェクト選考結果について、宇宙開発事業団宇宙環境利用システム本部の堀川副本部長さんにお願いいたします。よろしくお願いします。
   

 堀川副本部長 

   宇宙開発事業団の堀川です。それでは、国際宇宙ステーション計画の一環としまして私どもが計画しております、今年の7月に宇宙ステーションのサービスモジュール−−ロシアのセグメントの方ですが、サービスモジュールに高精細度のHDTVカメラを搭載して、私ども宇宙ステーションのさまざまな利用の多様化を考えておりますが、そのパイロット・プロジェクトの一環としまして、今回企画しました内容につきまして御報告させていただきます。
    皆さん御存じのように、昨年の宇宙開発委員会の宇宙環境利用部会の方で、国際宇宙ステーション「きぼう」の初期利用フェーズにおきます利用の促進という視点で、従来我々が考えております科学研究や技術開発の利用分野に加えまして、さらに民間企業等の利用者が参加をして、段階的に「きぼう」利用の多様化を推進していくということを考えておりまして、そういった御報告をいただいているわけです。その一環としまして、今回、今年の3月9日に第1回の「きぼう」利用シンポジウムと申しまして、そういった利用の促進を図ることを中心にしましたシンポジウムを開かせていただきました。
    その際に、あわせて、こういった一般利用を促進するためのパイロット・プロジェクトとして、この7月に打ち上げますサービス・モジュールでの高精細度のテレビジョンを用いた企画を、一般の方々から公募をさせていただきました。これでは、映像や音声のリアルタイム通信、あるいは軌道上でのビデオ撮影を通じまして、また、それにあわせて、私どもがこれまでにいろいろ持っておりますさまざまな映像データを利用していただいて、適切なそういった利用の企画ができないかということで、公募をいたしました。
    その公募の中身でございますが、別紙1の方に少し書いてございます。そういった利用の幅を広げるということで、パイロット・プロジェクトとして、まず1件、それをあわせて、今後、将来の利用の多様化に向けまして、さらにさまざまなアイデアを募集するということも含めまして、フィジビリティー・スタディーをこの13年度にやろうということで、2つの公募をさせていただきました。
    このパイロット・プロジェクトの方は、宇宙ステーションにおきます高精細度カメラのリアルタイム映像として約10分、宇宙ステーションで継続的にビデオ撮影ができる時間としまして約30分。もちろん、リアルタイムの時間もビデオは撮れるわけですけれども、トータル40分の画像取得を用いて、何かそれを活用できる方法がありませんかということで、公募をさせていただきました。
    これは、私ども、そういった今後の利用の範囲を広げていくという意味での企画ということで、相手方とは共同研究という形で、この計画を進めようと思っております。その結果、10件の応募がございまして、その内容が後ろから2枚目に記載がございます。こういったさまざまな機関、企業もございますし、公共団体もございますし、個人の企業もございました。そういった中から、最後のページに選考委員会が書いてございますが、宇宙開発事業団の中だけではなくて、外部の委員の先生にも入っていただきまして、いろいろ御審議いただいて、最終的に満場一致という形で1テーマを選ばせていただきました。
    2ページ目に、その内容が書いてございます。公募いたしましたのは、今後の利用の拡大に効果があるかとか、利用の多様化に効果があるか、また、その公募されたものが実際に限られたリソースの中で実現できるか、あるいは、今後の発展性があるかといった視点で評価をさせていただきまして、1点を選んだものでございます。
    選びましたのは、最終的に「ISS映像を活用したCM制作実験・実施プロジェクト」ということで、高精細度カメラを利用して、無重力状態で美しい映像を撮影し、宇宙のリアリティーを感じさせる広告撮影の技術実験を行うという御提案でございます。可能な限り、実際の広告の制作まで行って、具体的な産業利用例という形で社会にアピールできるかということまで検討をしていきたいと思っております。この御提案をいただきましたのは、(株)電通さんでございます。今後、この御提案に関しまして、先ほど申しましたように、電通さんと共同研究契約を結んで、利用の多様化に貢献をしていきたいと考えております。
    また、このカメラは7月ないし8月にロシアのプログレスというロケットで打ち上げられることになっておりますが、その前に、宇宙飛行士が軌道に行くわけですけれども、その宇宙飛行士にこういったことを訓練させるということが必要です。あまり難しい訓練ですとなかなかできませんので、内容的に調整をしまして、なるべく早い時期にこういった企画を実現したいと思っております。その辺について、これからロシアの方と調整をする予定にしております。
    また、最後に、今回10件の応募があったわけですが、最終的に選ばれなかったものにつきましても、大変いいアイデアでございますので、現在この6月20日まで応募を続けておりますが、フィジビリティー・スタディーの方の企画の中にも取り込んで、今後さらに検討を進めていきたいと思っております。
    お手元には、3月のシンポジウムのときに御案内した、このフィジビリティー・スタディーとパイロット・プロジェクトに関する募集の内容の資料をあわせてお届けしております。最初の案件は以上です。
   

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。それでは、御質問、御意見をいただきます。
    これは、カメラを撮るのは宇宙飛行士ですか。
   

 堀川副本部長 

   はい、宇宙飛行士が撮ります。
   

 井口委員長 

   必ずしも広告のための映像を撮るプロではないわけですね。
   

 堀川副本部長 

   はい、そうです。
   

 井口委員長 

   その撮られた映像を、言うならば、まだ見てもいないのに公募して、それを選ぶというのは、またこれは随分大胆ですね。
   

 堀川副本部長 

   そうですね。そういったチャレンジングなやり方で、どこまでの映像が撮れて、それがどの程度実用に供せるかということを御一緒に検討していきたいということで、電通さんの方も大変乗り気でいらっしゃいます。
   

 長柄委員 

   具体的には、どの会社のどういうコマーシャルをやるかと、どんなようなアイデアのものをやるかとか、そのためにカメラ以外にどういう材料が要るかとか、そういうこともこの応募に大体入っているのですか。まだ公にはならないのかもしれませんけれども。
   

 堀川副本部長 

   幾つかのアイデアはいただきまして、そのアイデアが大変すばらしいということで、選ばせていただきました。
   

 長柄委員 

   技術的にも問題がないということになっているわけですね。
   

 堀川副本部長 

   はい。
   

 長柄委員 

   そちらの方も、カメラと一緒にプログレスで持っていくわけですか。
   

 堀川副本部長 

   はい。リソースが大変限られておりまして、打ち上げの重量が……。この企画は、私どもがほかに、以前御説明させていただきましたMPAC&SEEDという、材料曝露実験をあわせてこの機会にやるわけです。そういったものとあわせて、トータルの重量の枠の中でこれを実現しようと。現実には今、打ち上げの重量リソースが5キロぐらいのマージンしかありませんので、その辺もロシアの方と今後、多少その辺が融通がきくかどうか、調整させていただこうと思います。
   

 長柄委員 

   このカメラはNASDAのものですか。何か、NHKと共同開発だとか、前にあったですね。
   

 堀川副本部長 

   はい、共同開発を以前やってきておりますが、このカメラは私どものカメラで、私どもがこの企画のために使用するものでございます。
   

 長柄委員 

   NHKのものというのは、将来「きぼう」に持っていこうというものですか、NHKとの共同開発というのは。
   

 堀川副本部長 

   必ずしも、宇宙ステーションのJEMのところに持って行くという形で、まだNHKさんとそこまでの話をしているわけではございません。それはまた別の形で、どういうふうに実現するかを今、検討を進めているところでございます。
   

 栗木委員 

   パンフレットのこの1ページに、3次元的なイメージで、資金の源泉と、娯楽分野から自然科学分野、専門的なものから一般的なものまで、といった「分野の拡大と多様化」が進んでいくイメージが書いてありますね。
   

 堀川副本部長 

   徐々に……。
   

 栗木委員 

   ここがきっとJEMの活動に当たるんだと思うんですけれども。こちら側の今回の試みは、この一番端。最もエクストリームなケースですか。
   

 堀川副本部長 

   一番端に本当になるかどうかはあれなんですが、もっとエクストリームな例としては、さらにこういう利用が一般の方々からどんどん応募があって、それがある意味でのビジネスにつながるような形になれば、事業の方になると思いますけれども。
   

 栗木委員 

   実現の時期はいつごろなんですか。実際にカメラを操作するような時期というのは。打ち上げが……。
   

 堀川副本部長 

   カメラは軌道上に約1年以上置いておくことになっておりますので、その間いつでも使えるんです。ただ、軌道上でかなり劣化の問題がございますので、早目に撮りたいということがございます。ただ、今度の第3次の宇宙飛行士が行くには、訓練が間に合うかどうかという問題があって、場合によっては第4次から5次の宇宙飛行士になろうかと思います。これはロシアとの契約でございますので、ロシアの宇宙飛行士が、できれば2人いるときの方がいいと思っております。
   

 澤田委員 

   平素はこのカメラは何を撮っているんですか。
   

 堀川副本部長 

   これは、もともと私どもが上げる一番の目的は医学実験のために、このカメラを搭載しようと考えました。宇宙飛行士の顔を高精細度で撮って、軌道上での表情の変化とか、クルーの健康状態、その他を、こういったものを通して、どこまで遠隔治療的なことができるかということを評価する目的で上げました。あわせて、広報的な利用にも使いたいと思っていますし、今回のある40分という時間をこういう枠に割り当てたと。
   

 澤田委員 

   その飛び立つ映像というのは、即地上へしょっちゅう送っているんですか。
   

 堀川副本部長 

   リアルタイムで送れる時間をトータルで1,000分とっておりまして、そのうちの約半分が、そういったクルーのリアルタイムで地上へおろせる時間で、半分は軌道上でビデオで撮って、後で持って帰るという考え方をしています。
   

 澤田委員 

   専ら船内の映像ですか。
   

 堀川副本部長 

   船内です。もちろん、船外も一部撮ることをお願いして、広報実験の一環としてやろうとしています。
   

 澤田委員 

   これの一環として。
   

 堀川副本部長 

   これも、一部はそういった企画の中身に応じて、船外も撮れると。
   

 澤田委員 

   今までも撮れた映像はいろいろあるし、これからもそういった映像、それは一般に開放するんですか。
   

 堀川副本部長 

   はい。今までのデータは基本的に開放しておりますが、そういうものを取り込んで、ある1つのコンテンツに作るということを、企画として応募していただいたわけです。
   

 澤田委員 

   今までのデータで、それを活用したいというような人はいないんですか。
   

 堀川副本部長 

   一部、教育番組とか、宇宙を一般に知っていただきたいという意味でのメディアからの要望はございますが、それを皆さんの方にあるコンテンツを持って、ある意味でビジネス的にやりたいというところまでは、まだ来ていないものですから。できれば、こういう例をもってそういうところを発展させていきたいなと、私どもは思っております。
   

 澤田委員 

   これは、負担はどのくらいの額になりそうですか。
   

 堀川副本部長 

   金額的には、先ほど言いました材料曝露実験と合わせたものですから、切り分けるのは難しいのですが、このカメラ全体を持っていってやる分については、トータル1億円ぐらい。それが1,000分として、この40分ぶんだとすれば、400万ぐらいの今回のプロジェクトだと思っております。
   

 井口委員長 

   映像の所有権というのはどうなっているのでしょうか、映像のマスターなどは……。
   

 堀川副本部長 

   私どもと電通さんで共有をしようと。
   

 栗木委員 

   このカメラは船外でも使えるんですか。船外は使えない?

 堀川副本部長 

   基本的には問題はないと思うんですけれども、これを船外に持ち出すということが、今まだ企画されていないものですから。
   

 栗木委員 

   運用の計画にはないと。
   

 堀川副本部長 

   はい。それと、放射線の影響がかなりあると。
   

 井口委員長 

   この間の利用部会だったと思いますけれども。利用者側からすれば、幾らかかるのかという値段も早くつけろという話があって。かかったことすべてをそれに数えたら多分利用者はいない、高過ぎてしまって。だから、政策的に決めることになるんでしょうけれども。そんなのは、いつごろになったら決まるんでしょうか。
   

 堀川副本部長 

   昨年度の中間部会でもそういうお話がございまして、できれば今年度には、そういうことも検討していきたいという話にはなっていたんです。先だって、ISSフォーラムでESAの方からも利用料金が発表されたということがございますので、私どももその辺を考慮しながら進めていきたいと思います。
   

 井口委員長 

   ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
    それでは、続きまして、堀川副本部長さんに「国際宇宙ステーション長期滞在クルー」教育イベントについて、御報告をいただきます。
   

 堀川副本部長 

   これも国際宇宙ステーションの関連でございます。国際宇宙ステーションは既に軌道上に上がって、宇宙飛行士が長期滞在をしているわけですが、その宇宙飛行士の人たちを使いまして、地上でのさまざまな教育イベントに宇宙飛行士のそういった軌道上での時間を使えるという、いわゆる教育目的の宇宙飛行士の枠がございます。それにつきまして、私ども、米国のNASAの方と調整をして、今般、宇宙開発事業団と通信放送機構さんと一緒に教育イベントを実施いたしました。
    6月6日午後5時から約1時間40分の間実施しまして、宇宙飛行士とのインタビュー等の時間は、その間約20分でございます。これは、こういった宇宙ステーションでの、宇宙飛行士をあわせた教育的な機会を作って、できれば次世代を担う青少年の人たちに関心を高めてもらいますとともに、宇宙環境利用ということに理解の増進を図るということを目的に、実施させていただきました。
    地上の方の教育のためのネットワークでございますが、これは文部科学省さんと総務省さんの連携事業で進めております学校インターネットというのがございます。映像を流していただけますか、済みません。この学校インターネットで実施しましたイベントの状況をビデオで放映しながら、御説明させていただきたいと思います。
    この学校インターネットは現在、全国で約1,700校が参加しております。宇宙開発事業団の本社に毛利宇宙飛行士を呼びまして、宇宙の遠隔授業を行うということで、「宇宙ステーションと話そう毛利宇宙飛行士のインターネットライブ」と題しまして、宇宙ステーションと約20分間の通信を行いました。参加しました学校のうち代表校2校を選びまして、国際宇宙ステーションに滞在中の3人の宇宙飛行士と交信を行なっております。
    また、あわせて、宇宙開発事業団の国際宇宙ステーションの組み立てミッションに来年搭乗いたします野口宇宙飛行士をヒューストンの私どもの事務所に呼びまして、そこともつないでイベントを実施させていただきました。代表の2校は、東京の三鷹市にございます三鷹市立第4小学校と、埼玉県の川口市立十二月田中学校に入っていただいております。実施しましたのは、学校インターネットに入っています1,700校あるんですが、そのうち約400校程度に今回参加していただきました。また、一般のインターネットを通じまして、科学館や学校インターネットに対象になっていない学校も、このイベントに参加していただいたようでございます。
    この授業を開始します前に質問が多数寄せられましたし、そのイベント実施中にもさまざまな御質問や御意見をいただいて、大変高い関心を呼んでいただいたかと思っております。
    この結果につきましては、通信社、あるいは新聞、雑誌等のメディアにかなり関心を持っていただきまして、多くの通信社に参加をしていただきました。合計で28社、テレビ局も11社参加いただきまして、翌日の新聞には12紙、あるいはテレビでは3社が4回そういうニュースを出してくださいました。
    また、結果の反響でございますが、終わった後、100件以上の感想をいただいております。また、こういったイベントを是非次回も何とかやっていただきたいという話もいただいております。
    それで、私どもとしましては、今後10月の初めに、次は文部科学省さんのメディア教育開発センターというところがございますが、そちらとの共同開催によりまして、第3次の長期滞在クルーと、次の教育イベントを行うことを企画いたしております。次回の教育イベントは、どちらかというと大学生を中心とした宇宙特別講座的なものを企画しようかなと思っております。
    また、今後もこういったイベントを、約1回のエクスペディション・クルー、長期滞在クルーの期間に、1回程度はできそうだというお話がありますので、継続的に実施していきたいと思っております。
    以上でございます。
   

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。御質問、御意見、お願いいたします。
   

 長柄委員 

   これは、日本では初めてでしょうけれども、NASAあたりでは前からずっと。今でもやっているわけでしょう。
   

 堀川副本部長 

   はい、ときどき。それほどまだ、エクスペディション・クルーが上がって回数が多くないので、各パートナーが1長期滞在クルーの間に1回ずつぐらいができるような枠ができておりますので、まだ海外でも一、二回だと思います。
   

 井口委員長 

   チャレンジャーで亡くなった方の中に・・・。
   

 堀川副本部長 

   マコーリフさんという先生がいらっしゃいました。
   

 井口委員長 

   あの時点では、もっとNASAはそういう教育の部分が多かったんですね。
   

 堀川副本部長 

   そうだと思いますね。
   

 井口委員長 

   あれから少なくなってしまったんですか。
   

 堀川副本部長 

   必ずしも少なくなったわけではないんですが、こういった宇宙飛行士との間での対話というのは、スペースシャトルのフライトのときにも何度か行われてはきております。
   

 井口委員長 

   国のお金で行うこういう事業には評価が義務づけられています。立派な成果を上げられているわけですけれども、こういう効果を表現する方法が何かうまいものがあるといいですね。
   

 堀川副本部長 

   そうですね。
   

 井口委員長 

   これから、広報のほかの面にも力を入れていこうというときに、成果、効果といったものをですね・・・。
   

 堀川副本部長 

   その辺は、特にこういった青少年の皆さんに宇宙ステーションのことを理解を進めてもらうということで、若い人たちがいずれ宇宙開発に非常に関心を持っていただいて、こちらの分野に進んでいただけるとありがたいと思いますけれども。
   

 澤田委員 

   ちょっとよろしいですか。インターネットの学校は1,700校ですか。そのうち、これに参加したのは400校ぐらいということですが。
   

 堀川副本部長 

   はい。
   

 澤田委員 

   ほかは興味がないということなのか、先生がそういうことはやりたくないという理由なのか、どういうあれなんですか。
   

 堀川副本部長 

   たしか学校インターネットに接続しているところで、ある制約があったんです。
   

 宇宙開発事業団 

   同時間帯に一遍に接続可能なのが、今までの実績で約400から500校というふうに聞いております。
   

 堀川副本部長 

   また、時間的にも制約がございました。
   

 宇宙開発事業団 

   時間帯が今回夕方だったので、学校の方に無理なく子供たちの送り迎え等、そこは親御さんたちを含めてケアできる、対応ができるところに参加していただきました。
   

 堀川副本部長 

   ということで、ある意味で選ばせていただいたという感じです。
   

 澤田委員 

   400しか・・・。回線の問題でしょうか・・・。
   

 堀川副本部長 

   今回、三鷹の方でやりましたときも、少しデータのレートの負荷が大きかったこともあって、副大臣に来ていただいたんですが、映像が少しよくなかったところもありますので、そういったところも今後改善していきたいと思っております。
   

 井口委員長 

   その辺は、総務省で鋭意通信ネットワークを改善していただくと。
   

 澤田委員 

   全国にまたがっていたらいろいろあると思いますけれども。よくわからないな。
   

 栗木委員 

   英語の直接質問というのはうまくいったんですか。
   

 堀川副本部長 

   ええ、大変上手でした。幾つかは毛利さんが通訳をされたんですが、直接英語で話されました。
   

 長柄委員 

   中野不二男さんがいつも言っているんですけれども、広報というんですか、PRにしろ、対象は子供が一番いいと。とにかく20年たてば必ず大人になる、理解してくれると。20年というのは長そうだけれども、結局、効果を出すには青少年、若い人にこういう機会を与えて、その人たちが大人になるのを待つということしかないだろうと。年をとった人にやっても全然むだだと。中野さんの言い分であって、確かにそのとおりで、宇宙は、NASDAでもう30年、日本の宇宙研究が始まってから40年もたつわけで、もう2世代ぐらいになるわけですね。そういう意味で、やっぱり、大学生もいいんですけれども、子供たち中心のこういう活動が一番効果があるんですね。
   

 堀川副本部長 

   今回も参加したお子さんは大変緊張されていましたけれども、そういったことが将来は思い出になるし、いいことではなかったかなと思っておりますけれども。
   

 栗木委員 

   私もこれに近いイベントをやったことがあるんですけれども、親子連れが来まして、この子を宇宙飛行士にしたいと思うんですが、どうやればいいでしょうかという親がいました。
   

 井口委員長 

   よろしゅうございますか。では、どうもありがとうございました。
   

 堀川副本部長 

   どうもありがとうございました。
   

 井口委員長 

   その次には、「第3回日仏宇宙協力シンポジウムの開催結果について」、宇宙開発事業団国際部長の藤田さんと、文部科学省調査国際室長の塩満さんにお願いいたします。よろしくお願いします。
   

 藤田宇宙開発事業団国際部長 

   それでは、日仏の宇宙協力シンポジウムということで、5月29日から6月1日までにトゥールーズで開かれましたので、その結果の概要を御報告いたしたいと思います。
    この日仏の宇宙協力シンポジウム、今回3回目でございますが、第1回は平成9年の5月にパリで行われております。2年ごとに行おうということで、11年の2月には東京で開催しております。今回が13年で、フランス側ということで、トゥールーズで開催されました。もともとこのシンポジウムは、基本的に専門家間の情報交換をとにかくしっかりして、具体的な協力の可能性を見出そうということで開かれておりまして、もちろん今まで幾つかの分野では、フランスとの協力、例えば地球観測ですとか、追跡関係、幾つかあったわけですが、そういうものを引き継ぎながら、新しい協力できるアイテムはないかと、そういうことでございます。
    第2回のとき、東京で行われたときには、地球観測関係と輸送系にスポットを当てて行いました。今回は、その地球観測、輸送系に加えまして、通信分野、宇宙ステーション利用分野、宇宙科学ということで、5つのセッションに分けてパラレルで分科会を行いました。
    日時は先ほどお話ししましたように29日から6月1日でございますが、29日と6月1日は終日テクニカル・ツアーということで、5月29日にはボルドー地区、それから6月1日にはトゥールーズ地区ということで、テクニカル・ツアーが組まれておりました。
    プログラムでございますが、これにつきましては別紙1ということで、3ページのところに書いてございます。これは、30日、31日という1カ所に集まってシンポジウムを行ったときのプログラムでございます。参加者等は、2ページにちょっと書いてございますが、大体フランス側が70人程度、日本側が50人程度ということで、約120人でございました。これは、代表的な方を書いてございますが、このほか日本側からは、CRLとか、あるいはNALさんとか、その他の関連機関からの参加もございました。
    結果の概要でございますが、2ページに書いてございます。2つ目の「・」でございます。地球観測/災害監視ということにおきましては、ALOS、これは日本の地球観測の衛星でございますが、その関連で「欧州データノード」といいまして、直接ヨーロッパ地区でデータを受信して、それを配信、配布するためのノードを作ろうという計画で、その関係のより具体的な議論がされております。
    あと、もう一つ大きな話といたしましては、ここに災害に関するチャーターと書いてございます。いわゆる自然災害ですとか、あるいは例えばタンカー事故ですとか、幾つかそういうことが考えられますが、そういうときに、いろいろ自分たちの持っている衛星データを非常に速やかに、お互いにデータをうまく提供し合おうということでございます。これにつきましていろいろ提案がございました。NASDAとしましては、これに参加する方向で、これから国内的ないろいろな議論を詰めていきたいと思っています。そういう災害に対するチャーターの議論がございました。
    それから、宇宙輸送系でございます。宇宙輸送系は、NASDAのH−<img src="/image/r02.gif" height="16" width="16" alt="2" border="0">A、とにかく全力投球、当然のことでございますが、今回はNAL、NASDA、CNESとで共同研究ということで進めています高速飛行実証の計画に関して現状報告がありました。これは、実験体は日本の方で作るんですが、CNESサイド、フランスサイドで、それをバルーンで30キロとか、40キロとか、高度を上げて、そこから自然落下で落としてデータをとろうという実験です。バルーンとその実験場などの関係をフランスから、日本の方からは飛行体を提供いたしまして、その後の取得データは共有するという話で進めております。そういう高速飛行実証に関する議論がございます。これにつきましては、今回のシンポジウムの中で、NAL、NASDA、CNES間でMOUにサインがされてございます。
    将来計画ということで、これは特にフランス・サイドから、将来輸送系、再使用ですとか、その辺を含めた輸送系のプログラムの紹介等もございました。日本側からは、残念ながら航空関係だけということでございました。もう一つ、第2回から続いております、第2段の上段の方の研究関係等はやってございません。
    それから、通信でございますが、この通信につきましては、今回ワーキング・グループを作ろうということで、ワーキング・グループの設置が合意されました。この通信の方は、特に利用分野がいろいろあるわけです。災害監視ですとか、医療、教育を含めた、いわゆる通信衛星を使った幾つかの利用はあるんですが、その辺を、フランス、日本、あるいはNASDA、CNES、その他いろいろあるんですが、そういうところで、もう少し利用の実験のところを深めていこうと。これはフランス側からの強い要望がありまして、また我々としても、とにかく本当に役に立つインフラとか、将来どういうものが本当に役に立つのか、の検討をしております。
    そういう意味で、現在も通信衛星といったら、こういう医療、教育に幾つか使われてはいるわけですが、これから先といいますか、これより先を見て、いろいろなそういうものについて利用はどうかという議論がされてございます。
    それから、宇宙ステーション、及び宇宙科学ですが、これは、基本的には、日本側、あるいはフランス側の計画の紹介が中心でございます。宇宙ステーションについては、幾つか共同で進んでいるのもございます。また、宇宙科学分野につきましても、現在のフランスの計画、あるいは日本の計画の紹介の中から、幾つかのアイテムについて、双方持ち帰って検討するという状況になってございます。
    今の5分野の分科会以外に、今回産業界の方、これは日本側が5社、フランス側が6社でございましたが、日仏間の産業界レベルではその協力についてどう考えているかということで、ラウンドテーブル、パネルディスカッション的に質疑応答がありました。ただ、時間はそんなにございませんでしたので、あらかじめクエスチョンを用意して答えていただくという格好で進められました。
    受け答えは幾つかありましたが、日仏産業界はもちろん全く協力がないわけでもございませんので、当然いろいろなコンポーネント、あるいはビジネス的なものはあるわけですが、産業界側の要望といいますか、意見としましては、やはり宇宙機関間でそういうプログラム的なものの創出ができないか、あるいは、例えば災害監視のようなことをグローバルなイニシアチブをとることでできないかとか、そういう格好の御意見はございました。
    いずれにしても、そういうお話とか、いろいろなことにつきまして個別にこれから出てくる中でいろいろ考えていくのではないかと思っております。
    以上、簡単でございますが、概要の報告と。
   

 井口委員長 

   ありがとうございました。塩満さん、何か補足されることはありますか。
   

 塩満室長 

   CNESの多大な御協力を得まして成功裏に終わったシンポジウムの成果を生かしていくためのスケジュール、今後のプロジェクト、プログラムの中身について、今後NASDAさんの方から報告を聞いて、実のあるものにしていくべく努力をしてまいりたいと思っています。
   

 井口委員長 

   それでは、御質問、御意見、お願いいたします。
   

 栗木委員 

   実績として、日仏間の産業界の企業間の協力というのは、今のところあまりないんですか。
   

 藤田宇宙開発事業団国際部長 

   実際は、例えば今のトランスポンダを売ったり、ある分野においては、日本側のものがたくさん出ているものもありますし。あるいは、例えば輸送系ですと、例の固体モーターで使っておりますノズルの3次元織りのマシンなど、そういうものは日本側が買ってございます。ですから、そういう意味では、かなり先端的な技術においても協力はされてございます。
    ここではもっとオーバーオールな議論をしようということで言いましたもので、そういうプログラム的なものの議論がちょっとされたということです。
   

 井口委員長 

   直近のアクションを含むプロジェクトとしては……。
   

 藤田宇宙開発事業団国際部長 

   そうですね。一応これは合意されましたので、飛行実証の試験は、2002年、2003年と予定してございまして、来年の夏ぐらいに、実際にその実験を。予備的なことは、今年からも始まりますが。
   

 井口委員長 

   機体は清水で作ったやつでしたか。あれではないんですか。
   

 文部科学省 

   あれではございません。
   

 井口委員長 

   あれではないんですか。
   

 藤田宇宙開発事業団国際部長 

   違いますね。
   

 文部科学省 

   重工です。
   

 井口委員長 

   ああ、そうですか。
   

 栗木委員 

   この飛行実験はさらに展開があるんですか。特に将来これに引き続く展開があるのでしょうか。
   

 藤田宇宙開発事業団国際部長 

   そのあたりは、先ほどお話しいたしました将来輸送系ということですが、日本の方のプランニングも当然いろいろ出てきて、その後でまた何か出てくれば、テクニカルないろいろな衛星の話など現在もございますが、そういう中から日本の研究プランとマッチしたものが選ばれると思っております。
   

 井口委員長 

   いかがでしょうか。
   

 塩満室長 

   きょうは、CNESのプルシュ駐日代表もいらしていますけれども、もし何かあったら。よろしいでしょうか。
   

 CNES 

   私は日本語でよく話せませんけれども、去年の2月から東京のフランスCNESの代表でございます。それと、フランス大使館の……。これから英語で。
   

 井口委員長 

   よろしいですか。通訳の方、恐れ入りますけれども。
   

 塩満室長 

   通訳はいないんです。通訳した方がよろしいですか。
   

 井口委員長 

   ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
    それでは、今の議題を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
    4番目は、その他で、前回議事要旨の確認でございます。後ほどよろしくお願いいたします。
    それでは、以上で第22回の宇宙開発委員会を終わらせていただきます。
   

 芝田課長 

   来週、日にちを変えまして、火曜日の午前中10時から行いたいと思います。場所は、この反対側の第3会議室になりますので、よろしくお願いいたします。
   

 井口委員長 

   拡大委員会を後で入れさせていただきます。
    では、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

−−了 −−




(研究開発局宇宙政策課)

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