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宇宙開発委員会

2001/05/09 議事録
第17回宇宙開発委員会議事録


第17回宇宙開発委員会議事録

1.日時 平成13年5月9日(水)
  14:00〜

2.場所 特別会議室(旧科学技術庁5階)

3.議題 (1) アリアンスペース社における衛星打上げとこれからの打上げ市場について
  (2) スペースシャトル・エンデバー号(STS-100/国際宇宙ステーション組立ミッション(6A))等の運用結果について
  (3) 「宇宙開発に関する基本計画」の策定に向けた審議について
  (4) その他

4.資料 委17-1 アリアンスペース社における衛星打上げとこれからの
    打上げ市場についてに関する予算状況について
  委17-2 スペースシャトル・エンデバー号(STS-100/国際宇宙ステーション組み立てミッション(6A))等の運用結果について
  委17-3-1 「宇宙開発に関する基本計画」に盛り込む事項について(素案)
  委17-3-2 「宇宙開発に関する基本計画」に盛り込む事項について(素案概要版)
  委17-4 第16回宇宙開発委員会議事要旨(案)

5.出席者
    宇宙開発委員会委員長 井口雅一
    宇宙開発委員会委員 長柄喜一郎
              〃 栗木恭一
              〃 澤田茂生
              〃 五代富文
    文部科学省研究開発局長 今村努
              〃         宇宙政策課長 芝田政之

6.議事内容

午後2時開会

 井口委員長 

   全員おそろいになりましたので、第17回の宇宙開発委員会を始めさせていただきます。
   本日の議題は4件ございまして、2件が報告、それから審議とその他ということになっております。
   最初に、「アリアンスペース社における衛星打上げとこれからの打上げ市場について」アリアンスペース社東京事務所の代表クロードンさんと副代表の高松さんに御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

 アリアンスペース社東京事務所(クロードン代表) 

   御紹介いただきましたアリアンスペースのクロードンです。
   宇宙開発委員会の先生方の前でプレゼンテーションをするのは2回目です。この前は大体3年前だったと思います。今回の話は、アリアンスペース社における衛星打上げとこれからの市場について御報告したいと思います。
   ところで、新聞で報道しているように、アリアンスペースは日本のロケットについて競争相手というよりも協力相手にしたいと思います。なぜ宇宙協力が大事かについても述べたいと思います。
   では、これから高松から御報告したいと思います。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   アリアンスペース東京事務所の高松です。
   「アリアンスペース社における衛星打上げとこれからの打上げ市場について」ということで御報告させていただきます。
   まず、アリアンの起源ということで、今から30年ぐらい前にさかのぼる歴史的な話になってしまいますけれども、これから先30年後を考えるために30年前をさかのぼるというのも意義のあることではないかと思います。
   一般には、アリアンロケットというのは既存技術を使って確実に開発して成功したというふうに言われていますけれども、1960年代のヨーロッパのロケット開発というのは混迷をきわめておりました。日本と同じように、左側に実用打上げをどうするか、右側には技術開発をどうするかということを考えたわけですが、技術開発に関しましては、ヨーロッパ・ロケットというのを当時開発しておりました。これがフランス、ドイツ、英国の3カ国の共同開発だったわけですが、1964年から1973年にかけて11機打上げて、全機が打上げ失敗という惨たんたるもので、ヨーロッパにおいては、実用打上げは米ソへ依存すればいいということで、ロケットの技術開発というものはそれほど活発でなかったというのが実情です。
   ところが、1974年と75年にドイツとフランスの共同開発によりますシンフォニー衛星という通信衛星をNASAに打上げてもらったわけですが、このとき、アメリカ側から大きな制限がつけられました。これはデルタロケットで打上げてよいけれども、これを商業目的に使ってはならないというような制約が課されたわけです。
   したがって、自国に打上げロケットを持たないということがあった場合には、国際的な立場が非常に弱くなるということを考えて、これまでの技術開発を踏まえて、アリアンロケットの開発決定を1973年に行ったというのがそもそもの起源になります。このときはアリアンロケットを商業目的で使うというような考え方は全くなくて、むしろ、基本的には米ソに打上げを依頼するけれども、何か問題があったときには、自分のところにはアリアンロケットがあるからという独自性を持ちたかったというのが開発の基本的な考えです。
   このときヨーロッパ全体としては、アリアンロケットの開発には賛成だったわけですが、この時期になって使い捨てのロケットを開発するということに関してはかなり反対があったというのが、今考えてみると非常におもしろい出来事だと思います。
   開発体制ですけれども、アリアンロケットの開発体制はこのような形で行われました。緑色で書いてあるところがアメリカで、上2つが政府機関、ESA欧州宇宙機関のプログラムとしてフランス国立宇宙研究センターCNESが開発の主契約になったということです。ここで重要なことは、ヨーロッパ・ロケットの開発の失敗というのは技術開発の難しさではあったわけですが、むしろマネジメントの問題で、在来型の技術を使っても全体的なシステム管理というものがしっかりしていないと、11機打上げて全機失敗ということもあり得るということを学びました。
   したがって、アリアンロケットの開発におきましては、最も重要視されたことはどこか1つの機関がイニシアチブをとるということで、このときは参加が最も大きかったCNES、フランス宇宙国立研究センターが開発の主契約者となって技術的な取りまとめを行うということで、各メーカーを指導するという形で開発が行われたわけです。
   アエロスパシアルが横のところに少し飛び出たような形になっておりますけれども、これはシステム全体を見る企業というインダストリアル・アーキテクトという立場で参加したもので、システム全体の設計はアエロスパシアルが行いますが、開発の責任はすべてCNESにあるという形で行われました。
   アリアンロケットが打上げに成功しまして商業化段階に入ったときには、アリアンスペース社が設立されました。アリアンスペース社は欧州の企業、それから銀行を株主とする商業打上げの世界で最初の会社になりますが、アリアンスペース社がアリアンロケットの製造、品質管理、運用の責任を持つという形で主契約企業になり、開発参加企業がアリアンスペースの下にぶら下がるというような形で行われたわけです。
   CNESとESAは、もちろんアリアン計画に対する関連がありますので、アリアンスペースとくっつくような形になっています。これを別の形で見てみますと、ESA、アリアンスペース、CNESという3つの機関があるわけですが、もともとアリアンロケットはESAのプログラムとして開発されました。しかし、開発の実際的な主契約というのはESAではなくて、CNESということになります。かなり乱暴な比喩になりますけれども、日本で無理やり当てはめますと、ESAというのが文部科学省で、CNESというのが宇宙開発事業団というような立場になるかと思います。
   ESAがアリアンロケットの開発を行って、開発が終わったロケットそのものを使ってよいということで、開発の成果を提供するという形でアリアンスペースに使用権が移されたわけです。実際の打上げはフランス領ギアナで行われますが、ここはフランス国立宇宙研究センターCNESの持ち物になっています。したがって、現在、CNESとアリアンスペースの関係は、CNESがアリアンスペースに対してギアナ宇宙センターの使用権を与える。及び打上げの支援を行う。このことに伴う運用費、維持費というのはアリアンスペースが支払うという形で3者の関係が結ばれているということになります。
   このような形で、今から20年ほど前に、世界最初の商業打上げ会社として設立されたアリアンスペースですが、現在まで一気に20年ジャンプしますと、現在アリアンスペース社はアリアン4とアリアン5という2機のロケットを用いまして商業打上げ活動を世界レベルで行っております。
   これまでの総契約件数が234打上げ、打上げを140回行いまして、これから打上げ残が38機と9機のATVというような形になっています。
   これを打上げの変遷という形でグラフにしてみます。グリーンで示しておりますのが、ロケットの打上げで、イエローで示しておりますのが打上げた衛星数です。アリアンロケットは1回の打上げで2機の衛星を打上げることがありますので、衛星の方が大きくなっておりますが、ここで特徴的なことは、会社が設立された1980年から約5年間ぐらいの間というのは、商業打上げ市場というものが本当にあるのかどうかさえわからなかったと。年間の打上げは1機ないし3機という少なさであったわけです。
   それが徐々に発展していきまして、2000年では1カ月に1回の打上げということになっています。この図を見ますと、97年ぐらいまでは単調増加して、その後一たん、減っているようにも見えますけれども、88年以降ぐらいから商業打上げというものが本格化しまして、商業衛星の方の競争も激しくなりました。
   最近、我々の問題は衛星が予定どおりに到着しないという問題がありまして、98年、99年はいずれも12回の打上げを予定していましたけれども、衛星のデリバリーの遅れなどがあって減ったりしているということがありますので、市場としては安定期に入っているということが言えるのではないかと思います。
   アリアンスペースの契約を国別で分けてみますと、この図に示すような形になります。ヨーロッパの企業ですけれども、半分以上の契約はヨーロッパ外のところで結ばれておりますので、国際的にビジネスを展開しているということができるかと思います。
   商業打上げを行っているロケットの受注、契約件数との比較ということで見てみますと、アリアンスペースは常に商業打上げの50%ないし60%ぐらいのシェアを有しているということで、アリアンスペースは商業打上げで非常に成功しているという評価をいただいているわけです。
   これは、アリアン4の打上げ実績を他のロケットと比較して、ここ5年間で見たものですが、アリアン4は現在、連続成功打上げが61回という世界記録を更新中で、他のロケットの状況と比べるとこういうふうな形になります。
   少し本題からずれますけれども、ここで1つ特徴的なことは、赤で示してあるところは失敗ですけれども、プロトンというのはロシアが安い値段で参入してきたロケットで、ぶこつだが信頼性は高いという触れ込みになっておりますけれども、数字をきちんとあたってみると、プロトンというのは意外に信頼性が高くないということがわかります。
   それから、H−2に関しましては、実は2回の連続失敗がありましたので、特に日本国内においては非常に厳しい評価がなされておりますけれども、実はN1からのレコードを全部見てみますと、H−2のこの打上げまで、日本は全部で31回の打上げを行っています。アリアンの場合を見てみますと、最初の31回の打上げを行うのに約10年かかりまして、この間に失敗が4回あります。したがって、日本の失敗の倍の失敗はありましたけれども、その後、現在はこのようなレコードを維持しているということで、H−2の場合も、失敗そのものはヨーロッパとしては別段問題ではない、だれもが経験することであるというふうに見ております。
   このような形で非常にアリアンスペースは成功しているということですので、特に日本におきましては、日本のロケットとアリアンロケットあるいはロケットシステムとアリアンスペースの対比という形で評価されることが多いんですが、いろいろ誤解があるのではないかと思っております。
   例えば3月31日に、日本経済新聞に「国産ロケット民間主導に」というような記事が出ておりまして、こういう記事が出るときは必ず日本のロケットとアリアンロケットの対比という形で示されます。例えば、ここに書いてありますのは次のようなことです。「H−2ロケットはスペースシャトルが採用している液体水素エンジンを自主開発するなど、最高水準の技術を追求したが、打上げトラブルが相次ぎ商業化が遅れている。欧州のアリアンロケットは開発コストの安い従来型エンジンを使い、衛星打上げで最大のシェアを占めた。世界のロケット打上げ市場の規模は1999年で67億4,000万ドルと95年の1.5倍、長期的にも安定需要が見込める。米欧に続いてロシアや中国がミサイル技術の転用で競争力を高めている。」というような評価があります。
   これを聞くと、そうかなあと思うのですが、ここで言っていることはどういうことかというと、まず技術開発があって、それを民間で利用して低コスト化する。そうすることによって市場が拡大する。商業打上げ市場というのは、今そこに存在している。商業打上げと政府ミッションというものは別のものだから、とりあえず分離して考えることができるというような背景がこういう記事のバックグラウンドにはあるのではないかと思いますが、我々はこういう考え方は違っているのではないかというふうに思っております。
   数字で見てみますと、アリアンスペースの企業としてのここ10年間の実績を見てみますと、打上げ数は92年の年間6回から2000年の12回ということで約倍になっているわけです。売上高もこの下に示すように増加をしておりまして、実は、アリアンスペースが法人税としてヨーロッパに返したお金というのは、アリアン2からアリアン4のマイナーチェンジにかかわる総開発費をすべて法人税で償還したということになります。したがって、アリアンスペースのように民間活力を使って商業化すれば、国のためにもよくて、産業のためにもよいという考え方があると思われますが、これを利益という観点で見てみると、売り上げはふえておりますが、利益はこういった数字になっております。特に、2000年は日本円にしますと、大体200億円の赤字という形になっています。
   なぜこういうことが起こったかというと、商業打上げというのは実は簡単ではなくて、1996年のアリアン5の初飛行というのは失敗しております。このために必要な資金の3分の1を民間企業として拠出していくということがあります。
   それから、アリアン5が導入されることになっても、アリアン4からアリアン5への移行をスムーズに行うために、アリアン4とアリアン5をオーバーラップして運用するというようなことを行っています。これは商業効率の観点から見ると、どちらも100%稼働していないシステムを製造段階から打上げの段階まで並行して動かさなくてはいけないということになりますので、非常に効率が悪いわけです。しかし、商業活動として、商業活動の顧客に対してロケットというものを安心して使ってもらうためには、こういったオーバーラップ運用ということを行わないとお客さんは逃げてしまうということで、商業打上げ、ここでは技術開発については述べませんけれども、技術開発に関しても相当大きな企業の投資を行うことが必要となります。したがって、売り上げは上がっておりますけれども、商業活動というのは大きな投資を必要とする。それから、今後はさらにこういった傾向が強くなってくるのではないかと思います。
   これを市場という別の形で見てみますと、最初の1980年から88年までの10年間というのは、商業打上げ市場というのがあるのかないのかさえわからないといったような状態で市場を作りだす。つまり、通信を行うカスタマーが衛星通信は信用できるんだという信用を獲得させる。ロケットの打上げは信頼性があって安定しているんだということを広く知らしめる必要があったわけです。これが黎明期であると言えると思います。
   このあとの10年、現在に至るまでですが、商業打上げというのは可能であるということが一般に知られて、打上げ市場というものが現在存在しているわけです。ただし、これが今後どうであるかというと、21世紀に入りますと、こういった市場は成熟期を越えていろいろなロケットが参入してきたり、国のロケットに対する考え方が変わってきたりすることによって、どんどん複雑化して不安定化してきます。
   したがって、国とか政府ミッションとのかかわりというのも変化してくることになります。したがって、今までいろいろなところで分析されているのは成熟期までの話ですが、成熟期までに適用したパラダイムというのは、今以降21世紀の商業宇宙活動においては恐らく適用できない。全く新しいパラダイムを作り出していくということが必要になると思います。
   その商業打上げ市場ですが、1994年からずっと現在までと、今後約10年ぐらいの変移を見たものですが、1995、6年ぐらいに大体需要が25機から30機ぐらいになります。この後、安定的に推移していくと、したがって急激な減少もないかわりに急激な上昇もないというふうに思われています。
   市場は、このように一定のスケールのままで安定しているわけですが、これに対して世界のロケットというのは、アメリカのアトラスデルタ、欧州のアリアンに加えてロシア、中国、それから日本、ベンチャーであるシーローンチなどが存在してきているわけです。これらのすべてのロケットがどういった形で今後存在し続けるかということが特に大きな問題になります。
   商業打上げの中でのアリアンの打上げというのを見てみますと、これぐらいの形になります。これは打上げ回数で比較しますので、衛星数で見るともう少し多くなるんですが、大体商業打上げの半分ぐらいのところをアリアンスペースが占めている。したがって、欧州の打上げは商業打上げにその軸足を置いているということが言えると思います。
   したがって、この残った部分、緑と赤の間、ここに日本も参入しようというふうに考えるわけですが、世界規模で見ると、実はアリアンスペースというのは全然メジャーではなくて、世界の打上げ全体で見ると、アリアンの打上げというのは15%内外でしかないわけです。アリアン以外のロケットというのは、その存在の基盤をどこに置いているかというと、赤で書いている商業打上げ全体とその上の黒い間、これは政府のミッションということでクローズドマーケットになっているわけですが、このクローズトマーケットというか、政府ミッションを存在の基盤に置いているということで、むしろアリアンスペースが商業打上げにその基盤を置いているというのは特殊な例であるというふうに言えるかと思います。
   21世紀に入って、ロケットがどういうふうなカテゴリーに分類されるかといいますと、これまでは政府が開発したロケットを使うという考え方がメインだったわけですが、現在は民間のベンチャーの打上げ機ということで、シーローンチとかILSがロシアと協力してプロトンをマーケティングするだとか、そういったものが行われています。これとは別に、政府の戦略プログラムとして国が独自の宇宙へのアクセスを持つということで、欧州はアリアン、日本はH−2A、米国はこれからELVと呼ばれる計画を本格化させようとしています。したがって、これからのロケットというものは、政府の戦略プログラムとしての打上げ機と見るか、民間のベンチャーと見るか。あとは中国、ロシアは大分状況が違いますので別のカテゴリーになります。こういった3つのカテゴリーに分けることができると思います。
    それと同時に、古いロケットが新しいロケットにとってかわられるというような状況もあります。アリアンスペースの場合も、アリアン4は2003年でフェーズアウトして、アリアン5に需要を移すことになります。アリアン5は、1996年の初飛行、これは開発飛行試験に失敗しておりますが、その8回でトータル9回の打上げを行っているわけです。アリアンと同じように、他の新しいロケットも参入しておりまして、デルタ3、アトラス3、シーローンチというものがあります。ここでわかることは、ロケットの技術というのはもう開発されているというふうに一般に言われておりますけれども、新規に参入してくるロケットを見る限り、やっぱりロケットの開発というのはそれほど簡単ではない。ちょっと気を抜くとすぐやられるということがわかります。そして、今後は2001年から2002年にかけて、日本のH−2A、それからアメリカのデルタ4、アトラス5といったようなものが市場に入ってくるわけです。
    それで、アリアンスペースは、いろいろなところから質問を受けたりしますけれども、そのときの1つの図式というのは、欧米はどうやっているかということを日本として調べるということで、欧米対日本という図式で欧米の状況を調べるということがありますが、実は「欧」と「米」というのは相当に違っているということを述べたいと思います。
   まず米国ですけれども、米国は基本的に、軍事衛星の打上げをメインとした政府の打上げミッションというものを遂行するために自国のロケットを作っているという点が非常に大きな点です。したがって、米国内だけで十分な打上げ需要があります。自国内で問題があったときにはほかのロケットに切りかえられるように、自国内に複数の打上げ機を持っています。これらの打上げ機を健全に保つために、米国は政府ミッションはアメリカのロケットを使うということで、外国のロケットは使わないということを国として明言しているわけです。
   新しい政権になりましてこの傾向はより強くなりまして、21世紀になってELV計画というものが始まりますけれども、新しいロケット、アトラス5、それからデルタ4が参入してきます。この2つのロケットは、直接的あるいは間接的に空軍の支援を受けておりまして、軍の軍事ミッション及び政府ミッションの打上げを効率的に行う。そのロケットを商業打上げにも使ってよいというような形で運用されている。したがって、軍からの発注というものは、さっきの赤いラインから黒いラインの間のところですけれども、今後20年にわたって1年間10機ぐらいの確定された発注があるということで、それをあてにして民間会社は投資をすることができるというのが現在の米国の状況です。米国は依然として非常に強くて、自国内で十分ロケットを維持することができる。
   これに対して欧州というのは、まず欧州内に十分な打上げ需要がないという点が非常に大きな点です。政府ミッションも、たまたまアリアンスペースが商業打上げを成功しているので、アメリカのロケットと比較されて値段が安い場合、アメリカに持っていかれるようなケースもあります。したがって、政府ミッションも欧州のロケットで打上げるということが決まったわけではない。
   それから、もともと軍事衛星の数そのものが少ないということもありますけれども、ESA、欧州宇宙機関そのものに平和利用原則というものがあります。したがって、アリアンロケットの存在のベースというのは商業打上げだということは、今後も変わらないということになります。現在、アリアン4とアリアン5を運行しておりますけれども、アリアン4は2003年にフェーズアウトいたしますので、今後はアリアン5の発展、ファミリー化ということで21世紀の打上げ需要にこたえるというような形になります。
   日本と欧州を見てみますと非常に似ておりまして、これは先ほどと同じ図ですけれども、この欧州というところに日本を持っていきますと、日本も自国内に十分な打上げ需要がない。それから、政府ミッションは、これまでは政府の衛星は政府のロケットで打上げるというふうに考えておりましたけれども、最近、これも少し怪しくなりかけている。アリアンスペースとしては、政府ミッションは日本のロケットで打上げるべきだという考えを持っておりますけれども、ユーザーサイドからの圧力があるということでクェスチョンマークがついています。
   ESAと同じようにNASDAにも平和利用の原則があります。したがって、今後は民間の活力を使って商業打上げに重点を置こうというところも似ておりますし、H−2A以外のバックアップ機を持たないということも欧州と非常に似ているわけです。したがって、このような日本の状況を見て、アリアンスペースは約10年ぐらい前から日本との協力というものを非常に強く望んでおりまして、特にバックアップ機を持たないということからアリアン5とH−2Aの間に互換性を持たせるべきではないかという互換性会議というものをNASDAとCNESの一般協力協定のもとで進めております。
   この協力協定の2つの具体的な成果というのは、NASDAさんのLDREXという展開構造の実証ペイロードを昨年打上げることができたということと、MTSAT−1のリプレイスメント、これはH−2Aで打上げることになっていますけれども、H−2Aに万一のトラブルがあったときのためにバックアップ支援を行うということができるようになったという点が大きな成果となっています。
   アリアンスペースは商業打上げ会社ではありますが、このLDREXの打上げとMTSATの打上げに関しましては、商業打上げの範ちゅうではとらえずに、常に国際協力という範ちゅうでとらえています。商業的に見れば、LDREXというのは大赤字のプロジェクトになりますし、MTSATに関しては、これは日本の衛星だから日本で打上げるべきである。それをバックアップすることはできるという立場で、基本的に商業打上げにおけるバックアップというのはアリアンスペースはやらないというのが基本的な方針ですが、これは国際協力であるということを重視して、今回は例外的にバックアップ支援を行うということを考えています。
したがって、今後、日本と欧州の関係、それから今後の打上げ市場というのを見てみますと、21世紀において一番重要なことは、自国で健全な打上げロケットを持つことが必要な日本、米国、欧州という3カ国が健全に共存できるようなスキームを作らなくてはいけないということが言えると思います。そのためには、日本のH−2Aというロケットが政府の強力な支援のもとでいいロケットになって健全に維持されるということは、世界のレベルから見て非常に重要なことであると思います。
   その観点から見ますと、MTSATもそうですし、それ以外の政府ミッションに関しましても、H−2Aを支援するためには政府ミッション衛星は必ずH−2Aで打上げるという基本的な考えを持つことが重要ではないかと思います。政府ミッションに関しましては、アリアンスペースに対して非公式な打診があることもありますけれども、我々といたしましては、H−2Aで打上げるロケットを横から取りにいくことはしないということを明言しておりまして、そういったクオートにはこたえないということを方針としております。
   最後に、日本と欧州は先ほど申し上げましたように、非常に類似性があります。米国は自国内でパックアップ体制を持ちますが、日本と欧州だけ、それを持つことができません。したがって、世界市場の健全化と発展ということを考えたときに、日本と欧州というものがそのロケット開発の全体的なスキームにおいて、双方の協力というものを基本的な考えの中に織り込むということが、日本と欧州だけのためではなくて、米国にとっても、それから衛星を利用するユーザーにとっても非常に重要になるというのが21世紀ではないかというふうに考えております。
   以上です。

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。
   少し質問をさせていただきたいのでよろしくお願いいたします。
   いかがでしょうか。

 五代委員 

   大変よくまとめていただいてありがとうございます。中国のロケットに対してアリアンスペースはどういう対処というか、対応をしていくか、お考えですか。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   中国は……。

 五代委員 

   どうも一番難しい問題を質問して申しわけないんですが。

 井口委員長 

   衛星打上げを受け入れているわけですね。もう打上げたのか、これからなのか。中国のアリアンスペースが受けた話として。

 アリアンスペース社東京事務所(クロードン代表) 

   中国とは余り話がありません。

 井口委員長 

   ああ、そうですか。
   私はアリアン5と、それからH−2A互換性会議というのは初めて聞いたんですけれども、具体的にはどんなことでしょうか。

 五代委員 

   何年ぐらい前ですかね。六、七年ぐらい前かな。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   いや、9年前です。

 五代委員 

   9年前ですか、申しわけない。お互いにミーティングを開き、それぞれの射場にのって、そういうコモナリティーというんですかね、も考えたし、マニュアルもそうだし、もちろん衛星のアダチピティウムとか、そういうコモナリティーが中心で、その辺ですね。4年ぐらいたちますか。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   はい。まず最初は、H−2とアリアン4、5ということでスタートいたしまして、今はH−2Aとアリアン5になっています。最初の会議が終わって、今2回目のシリーズに入ったところなんですが、互換性というと、こっちの衛星が調子が悪いときにこっちでも打上げられるということで、一般的に考えるとアダプターの格好が合って、飛行環境が合っていることが必要だというのはわかるんですが、実際は法規の問題ですとか、例えば、日本では高圧ガス取り扱い規制があるだのないだのという、オペレーション、それから安全に対する考え方、それから技術的なところはもちろん、法的な側面、運用の側面と全部で5つぐらいのカテゴリーに分けて、1つ1つ検討いたしまして、それでお互いずれているところは合わすことができるものとできないものがあります。先ほどのMTSAT−1Rというふうなバックアップが可能になったのは、こういったNASDAさんとの協力が事前にあったので、基本的に互換性がとれているということを自信を持って言えましたので、急にバックアップがきても対応ができる。

 井口委員長 

   ほかにいかがでしょうか。

 栗木委員 

   健全な協力関係というのは、たえず競合というようなものも伴って、お互いの互換性が維持されていくことが大事だなと思いますけれども、H−2Aに関しましては、将来H−2A増強型というのがあって、4トン衛星というようなことが将来登場してくるだろうということに備えているわけですが、アリアンスペースとしては、さらに大型の衛星の打上げに対応するというストラテジーをどんなぐあいにお持ちなのか。特に、通信衛星等の商業化、6トンとか大きなものが、ユーザーとしては声高に言われておりまして、どんなぐあいものを考えておられるのか伺いたい。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   まず、パワーアップは必要だというふうに考えています。大型化は必要であるだけでなく、もう大型化に着手しております。今、もともとアリアン5というのは、有人のミッションを考えて、低軌道20トンと、静止衛星は打上げ時6トンということで開発して、開発したときに有人プログラムがなくなった後で、こんな重いロケットを持ってアリアンスペース社はどうするんだろうと言われたんですが、今、我々が直面している問題は打上げのパフォーマンスが足らないということです。
   ロケットを大型化すると、必ず衛星も大型化していきます。これはもういたちごっこになっていまして、その上限は最初3トンと言われていましたけれども、それが4トンになり、今は6トンのものが出ているわけです。そろそろ多分保険の方の手配ができなくなるというのがシーリングになると思われますけれども、それでも6トンのものを2機同時に打上げるということで、打上げ時12トンというのをターゲットにして増強型の開発を進めています。

 長柄委員 

   アリアンは赤字であると・・・。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   大赤字です。

 長柄委員 

   アリアンスペースがかなり負担されているギアナの打上げ設備とか運用費とかいうのと、それからアトラスとかデルタがフロリダの空軍の施設で打つときの、そういう設置施設の運営とか、これはよくわからないんですが、どういうことなんですか。アリアンの方がものすごく負担が高いわけですか。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   アリアンの方が負担が高いですね。ただし、要するにこういった政府の支援がどこまであるべきかというのを、それがアリアンスペースが、例えばアメリカはけしからんと言うと、アメリカは別のところをついてきてけしからんと言って、いたちごっこになってしまうんですけれども、射場に関してだけ言いますと、アメリカは空軍の施設になっておりますから、空軍が維持して毎回使用権を払うわけです。アリアンスペースに関しては、ギアナ宇宙センターというのはアリアンだけの打上げになっておりますので、負担はやっぱりはるかに大きいです。
   ただ、それは当初からの問題でして、その中でロケットのコストダウンをして利益を上げてきたわけですので、大赤字の方の問題はギアナ宇宙センターの負担ではなくて、アリアン4、アリアン5をオーバーラップして運用するという負担と、それからアリアン4そのものもずっと開発してきていますし、アリアン5の開発も負担しておりますから、技術的な開発投資というものが民間企業ですけれども、かなりあります。その2つの方が大きな要因だと思います。

 今村局長 

   今お話になった打上げ能力増強ということですけれども、それに必要な開発費というのはアリアンスペースが……。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   一部負担します。基本的には、かなりこの辺は複雑なんですけれども、今2ステップで開発しようとしておりまして、上段をアップグレードします。1つは、アリアン4の3段目の液酸液水エンジンを搭載する。もう1つは全く新しく再着火できる液酸液水エンジンを開発するということで、再着火するエンジンをゼロから開発するというのは、やはりこれは政府の支援が必要なので政府の資金になります。ただし、例えばアリアン5の1号機が失敗したときに、追加の予算が日本円にして大体300億円ぐらい必要だったわけですが、その300億円はESAが100億円、アリアンスペースが100億円、インダストリーが100億円という形で分担負担するというようなことも行いました。
   このようなことがありますので、はっきりしておりますのは、何かロケットを改修するんだけれども、それは商業打上げに特化した開発を行う。新しい衛星が出たのでアダプターを開発する。こういったものはすべてアリアンスペースの費用になりますね。そうでないもうちょっと複雑なものは、もうちょっと複雑なことになります。

 今村局長 

   基本的には考え方ですね。それの役割分担です。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   そうです。ただ、民間の負担が大きくなってきたというのは事実ですが、民間の負担が大きくなったからこそ、政府支援というものが今まで以上に必要になったということも、相反するように見えるかもしれないんですが、同じことです。したがって、我々は政府の支援を強く求める。
   これは我々がコメントすることではないのかもしれませんが、同じような観点で、例えばH−2Aの場合は開発が終わったんだから、あとは企業努力でプライスを下げなさい。例えばMTSATのような衛星はユーザーが安い方を選びますから、あとは民間で頑張りなさいというのは、ちょっと、今の我々が考えている方法とはむしろ逆でして、アメリカもクローズですし、ヨーロッパはクローズにしたいが残念ながらオープンになっているので、日本が自発的にオープンにするというのは非常にH−2Aにとって望ましくないと思います。
   したがって、MTSAT−1Rのバックアップ契約というものを、我々が参加させていただいた考え方は、日本が勝手に市場をオープンして全然関係のないプライシングウオーに政府衛星が巻き込まれるというのは、日本にとっても欧州にとっても世界にとってもよくないという考え方からきています。

 アリアンスペース社東京事務所(クロードン代表) 

   アメリカがオープンにしてくれれば話が違ってきますけれども、そうは見えないと思いますので待ちましょう。

 井口委員長 

   ほかにいかがでしょうか。

 澤田委員 

   宇宙の平和利用という、日本も一応そういう原則があると思うんですが、トータルの衛星需要という観点から見れば、軍用について、軍用というものと平和利用というものに、何かこれは軍用です、これは平和利用ですというような明確な線引きみたいなものを持って対処しておられるのでしょうか。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   ヨーロッパの場合は、非攻撃であるということです。したがって、偵察衛星はパッシブなものですので、ユーザーは軍ですけれども、これは平和利用には抵触しないという考えです。日本の場合はもう少し厳しくて、ユーザーが軍とか防衛庁の場合は少しグレーになりますけれども、ヨーロッパの場合は非攻撃であるということが平和利用であるということです。

 澤田委員 

   かなりその分野というのは、軍がいわゆる攻撃用でないものというものは全部「需要」になる。

 アリアンスペース社東京事務所(高松副代表) 

   ほとんどありません。もともとそういう偵察衛星の分野でもヨーロッパは数年に1機あるかないかですから、契約をするときも普通の商業打上げ契約を待ちますから、1ユーザーということです。そういう意味では、日本は衛星打上げが少ないと言われていますけれども、それはアメリカと比較した場合であって、ヨーロッパの場合は、例えば技術試験衛星というのも数年に1機という、ことしステントールを打上げますけれども、もう何年かぶりというような感じです。偵察衛星はESAの開発にはなっていないということです。

 澤田委員 

   開発はまた別。ありがとうございました。

 井口委員長 

   よろしゅうございますか。
   それでは、これで終わらせていただきます。どうもわざわざおいでいただきまして、ありがとうございました。また、これからも協力関係を続けたいと思います。よろしくお願いいたします。
   それでは、次の議題に移らせていただきます。「スペースシャトル・エンデバー号等の運用結果について」、宇宙開発事業団宇宙環境利用推進部の山本さんに御説明をお願いします。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   それでは、次の御報告をさせていただきます。
宇宙開発事業団宇宙環境利用推進部の山本と申します。

 井口委員長 

   10分ほどでお願いいたします。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   宇宙ステーションの組立ミッションの打上げになります。
   日本時間の4月20日に打上がりまして、5月1日に着陸いたしましたスペースシャトル・エンデバー号100/6Aですが、これは組立フライトとしては9回目になります。ロシアの打上げを含めますと約12回目になります。
   飛行期間は約12日間ですが、途中宇宙ステーションのコンピュータの不具合等がございまして、そのために1日ほど飛行期間が延長してございます。
   このミッションの中で主な実績ですけれども、カナダのリモート・マニピュレーター・システム(Space Station Remote Manipulator System)というものですが、これを打上げました。「カナダーム2」という愛称がつけられまして、これとそれからUHFのアンテナ、この2つが、今回のミッションで宇宙ステーションに取り付けられてございます。カナダーム2と申しますのは、カナダームの最初のものはスペースシャトル用のアームを指しておりまして、その2番目ということであります。
   今回のミッションでは、合計2回の船外活動を行いまして、全体としての組立といたしまして20回、シャトル計画上は65回目になります。
   先に図の方を、最後のページから2枚目のところに、コンフィグレーションの変更がございまして、左上の方が前回のフライト終了時の状況です。そのデスティニーというアメリカの米国実験棟がございますけれども、その先に、PMA−2というスペースシャトルのドッキングポートがございまして、そこへ今回のフライトでスペースシャトルがドッキングいたしました。それが左下の絵でございます。
   その積み荷の主なものは2つありまして、1つが先ほど申し上げましたカナダのアーム、マニピュレーターシステム。もう1つは、補給用のキャリヤー、MPLM(Multi-Purpose Logistics Module)と言っておりますが、これは名称が「ラファエロ」という名前になっております。これはイタリア製でして、最初の1機目は「レオナルド」という名前で、これは2機目なので「ラファエロ」、いずれもルネッサンス時代の芸術家の名前を使っております。ちなみに3機目は「ドナッテロ」という名前だそうです。それが行きまして、5月1日に帰ってきたあとのフライト終了時の状況は右上の方でございます。カナダ製のアームは米国の実験棟の横の方についてございます。
   ちょっとさきに戻ります。2ページ目の方で、先ほど申し上げました補給モジュールの「ラファエロ」ですが、この中には実験ラックが2台、それから、それ以外の補給・保管用の物資補給用のラックがございまして合わせて10台のラックを移送いたしました。実験ラック2台と申しましたが、後にもありますけれども、EXPRESSラックという名称でして、1つのラックの中を細かく分けまして小さな単位で実験装置を出し入れできるようなものです。
   今回の内容が7ページ目でございますけれども、別紙4のところに、EXPRESSラックの搭載されました実験装置。1つの方には2装置、もう1つの方には4装置、こういうものが今回運ばれました。主に、たんぱく質の実験装置とか、マイクログラビティー、宇宙環境の測定装置、それから植物実験とかコロイド物理学実験といったものの実験装置でございます。
   それから2ページ目に戻りますけれども、カナダ製のアームを取り付けましたが、取り付けた後、それを運ぶために、アームとともに一緒にステーションに取り付けておりました輸送用のパレットがございまして、これはSpacelab Logistics Palletと呼ばれているものでございますけれども、これをもとへ戻すときに、これも試験を兼ねているわけですが、カナダーム2とカナダーム1の間へのロボットアーム間の引き渡し作業というのも行いまして、その途中で、実はコンピュータの不具合があったためにしばらく中断しておりましたけれども、最終的には回復しましたので、予定どおり引き渡し作業を行いまして地上へ持ち帰ることができました。
   (5)番目ですが、これが先ほど来申し述べております宇宙ステーションのコンピュータの不具合ですか。宇宙ステーションのコンピュータ、かなりたくさん数がございまして、そのうちの一番上位の重要なコンピュータになりますが、C&CMDMという名前で呼ばれております。Comand and Controllのためのコンピュータです。これが冗長系を含めまして3台ございますが、その主系冗長系の1台目、2台目、次々と問題を起こしまして、当時はいろいろ復旧作業とか原因究明をやっておりましたけれども、結果的には2番目のものだけ正常に復旧しまして、1番目のものは不具合のあったもの、取り付けておりますハードディスクというものが不具合になりまして、それを取りかえてございます。
   それから、3番目のコンピュータの方も外付けのハードディスクがやはり不調になりまして、現在それを切り離した状態で機能できるようなところまでは回復しております。結果的に通常の機能の維持ですとか、クルーの安全には問題がなかったんですけれども、その間に行うべき作業が幾つか延期になり、特にカナダ製のアームの操作がしばらくとまってしまったというところで1日延期になりました。
   現在、まだ原因究明と対策、はっきり出ておりませんけれども、詳細は別紙5の方にございまして、8ページ目のところから9ページ、10ページにかけて記載してございます。時間の関係でここは割愛させていただきますけれども、10ページ目のところにコンピュータの全体の絵がございますけれども、これの主に3階層になっていまして、一番トップレベルのところにありますのが、今回不具合を起こしましたC&CMDM、それに取り付けております外部ハードディスク、これがどうも原因だったというところまでは来ておるんですが、ソフトウェアの問題もあったかもしれないということでまだ究明しているところでございます。
   それから、その第2層、第3層のところに、1つはペイロード用のコンピュータがございまして、それとハードウェア的には同じものですので、それを取りかえて使っているということで、そこもちょっと関連したところ、印がつけてございます。ちなみに、日本のコンピュータはこの第2層に位置しておりまして、C&CMDMから経由して、地上からのコマンドを受けとるようになっております。これからは、将来JEMが上がったときの準備です。
   2ページ目に戻ります。結果的に、今現在ではカナダーム2が正常に実証できるようになりまして、これから後、組立作業に用いることができる。スペースシャトルが届かないところでもカナダーム2を使って作業はできるということになってございます。
   それから、UHFアンテナも使えるようになりましたので、船外活動のときですとか、ステーションとシャトルとの間の直接の宇宙通信というものが可能になってございます。
   3ページ目の方に行きますけれども、それから3点目としては実験ラック、新しくEXPRESSラックと呼ばれるものが2台搭載されて、米国実験棟には現在合計3台実験ラックがございます。
   それと、このフライト期間中に並行してソユーズの打上げがございました。話題になったのは、これは2番目のソユーズですけれども、これにアメリカ人の一般人の実業家でありますデニス・チトーさんが搭乗しまして、このちょうど今トラブルがあって、スペースシャトルが離れた後、ソユーズがステーションにドッキングしまして、6日ほど滞在して帰ってきたということで、これは新聞、テレビ等でニュースがありましたのですけれども、その状況が後ろの方の11ページ目に概要が載っております。その写真はロシアのサービス・モジュールの中におりますチトーさんと一緒に飛んでいきました乗組員ソユーズのお二人でございます。
   3ページに戻ります。今後の予定ですが、5月20日の日に次のロシアのプログレス補給フライトが計画されてございます。これは通常ある程度のタイミングをおいて、クルーの食料とか燃料とを送っているのですが、今回、これに加えまして不具合を起こしましたコンピュータの外部ディスクも新しく搭載することを計画しています。
   それから、スペースシャトルの次のフライトは6月14日に予定してございまして、アトランティス号でアメリカ製のエアロックといいます宇宙飛行士が船外活動するための出入り口、これを打上げる予定です。このときに、今回打上げましたカナダ製アームを使って作業を行いますので、それまでにアームとコンピュータの状況を正常にしておきたいということでNASAは今努力しております。
   以上です。

 井口委員長 

   どうもありがとうございました。
   御質問、御意見をお願いいたします。

 栗木委員 

   多目的恒久モジュール「ラファエロ」、これは再びシャトルに搭載したと書いてあるんですが、これは再使用可能なんですか。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   この再びという言葉の意味は、まず、ラファエロ自身はもちろん何回でも使用可能です。ただ、ここの説明のところで申し上げていました再びというのは、実際にこのラファエロの中に搭載したもののことを指していまして、回収するものをラファエロの中に積んで、それが再びシャトルに搭載されているという、ちょっと日本語が余りよくないと思います。

 栗木委員 

   モジュールごとシャトルに積まれて、じゃなくてですか。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   すみません。ですから、ラファエロ自身もそうですね。失礼しました。ラファエロ自身はスペースシャトルで運ばれていきまして、カーゴベイからモジュールごと取り出してステーションの方へ付けられて、中身を渡して不用品を入れて、そのモジュールごとまたステーションから外してシャトルで運んで地上へ持ち帰りました。

 栗木委員 

   日本がやっているHTVもそういう運用モードというのはあり得るんですか。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   実はHTVも同じ場所に……。

 栗木委員 

   取り付けて取り外しを考えているんですか。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   12ページの左下ですけれども、6Aフライトミッション中のISSという図がありまして、そこにラファエロと書いてあるところの左の矢印ですね、ここがそういう補給モジュールを取り付けることができる場所になってございます。HTVでものを運んだときも、実は同じ場所へ取り付ける。

 栗木委員 

   1回でそれを捨ててしまうという話をHTVの場合、聞いていましてね。
帰り便が空であるなら、その方がよほど経済的ではないかなという感じがするんです。そういう話はもともとHTVのときはないんですか。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   HTVの帰り便は実は空ではなくて、不要なもの、捨ててもいいものを廃棄のために使おうという計画がございます。例えば、消耗品、クルーの衣料品とかでもう使い終わったものとか、排泄物、これはちょっとあれなんですけれども、中身はまだこれから検討されますけれども、持ち帰るよりは廃棄した方がいいものもかなりあるだろうということで、そのまま廃棄物を搭載して大気圏に突入することで焼却してしまうという計画でございます。スペースシャトルで運びましたイタリア製のMPLMにつきましては、これは必ず持ち帰ってまた次のときに使うという計画です。

 井口委員長 

   ほかにいかがでしょうか。
C&CMDMがこういった種類のトラブルを起こすというのは、NASAの安全基準を読むと信じられないですね。これからもっと情報が得られたら教えてくださるようにお願いいたします。

 宇宙開発事業団(山本主任開発部員) 

   はい、わかりました。今現在も検討チーム、12チームほど作られたと聞いていまして、それぞれ原因究明ですとか、対策、次への新しいデバイスの開発といったことで検討を進めておりまして、今月の終わりごろに一応報告があると聞いてますので。

 井口委員長 

   わかりました。またお願いいたします。
   よろしゅうございますか。
   それでは、どうもありがとうございました。
   それでは、3番目は審議事項でございます。「「宇宙開発に関する基本計画」の策定に向けた審議について」、まず宇宙政策課の芝田課長さんに説明をお願いいたします。

 芝田宇宙政策課長 

   資料は17−3−1と17−3−2でございます。3−2の方は、これまで数回にわたって御審議いただきました盛り込むべきポイントを整理したものでございますので、この場では省略させていただきます。今回から、本文を出して審議していただくということになっておりましたので、3−1の方の資料を御覧いただきたいと思います。
   ちょっと長うございますので、全部御紹介はできませんので、基本的には、中長期戦略のエッセンスが入っている部分とそうでない部分も多くございますので、そうでない部分、特に今回のこれまでのポイントの審議で御指摘いただいた事項を中心に御説明申し上げたいと思います。
   まず最初に、「1基本的考え方」ということで、「1.宇宙開発の目的・方向性」ということで、3点整理してございます。「フロンティアへの挑戦」、「社会への貢献、国際貢献」、それから2ページ目の「技術の自律性・自在性の確保、国際競争力の強化」ということでございます。
   それから、「2.宇宙開発事業団の役割」で、これはいろんな整理の仕方があろうと思いまして、まだ工夫の余地があろうかと思っておりますが、1つ「公的機関としての役割」という観点、それから「民間、他の公的機関との連携・協力、役割分担」といった観点で整理してございますが、この辺をさらにわかりやすく整理してみたいと思っております。
   それから、4ページ目から「2業務の運営に関する基本的事項」ということで、まず「1.経営方針の刷新」というところでございますが、これにちょっと新たな事項が入っておりますので、読ませていただきます。
   まず1点目が「透明性の確保」、「外部評価結果の公表や、業務内容の情報提供に努め、業務の透明性を確保する。」
   それから2点目が、これは前回の会合で指摘されたかと思いますが、「競争原理の強化」ということで、これには2面ありまして、まず、「事業団内の研究開発テーマの選定、人材の登用においてできるだけ競争原理が働くような仕組みを工夫する。」
   それから、2つ目は外向きな話ですが、「事業団が企業に業務を委託する際には、複数の企業から提案を受け、企業が互いに競争して経済性、品質を高めるような競争原理が働くような仕組みを構築する。」ということでございます。
   それから、次は「責任関係の明確化」ということで、これも前回の会合でしたでしょうか、御指摘がありました「事業団内部の各階層の役割分担と責任関係を明確化する。」
   それから、下はプロジェクトの推進に当たっての企業との関係が書いてございます。これは以前からポイントとしてあったところでございます。
   それから5ページ目が「2.経営の効率化」でございます。
   1つ目が「プロジェクトの重点化」ということでございます。最初のポイントは以前からありましたように、「人的資源・資金の配分の重点化を図る。」
   2番目が、今回の議論で出てきた新しい要素ですが、「今後、新規プロジェクトを立ち上げる場合には、十分な事前評価を行うものとする。評価に当たっては、外部評価(評価者が外部の専門家等であればよい評価方法)の実施を基本とし、技術的な成熟度、社会の要請、利用者の要求・需要等の観点から分析を行う。また、進行中のプロジェクトについても、中間評価の結果等を踏まえ、優先度を柔軟に見直し、計画の変更も行う。」
   「さらに、大規模かつ特に重要なプロジェクトについては、宇宙開発委員会が、外部の専門家、有識者の協力を得て第三者評価(被評価機関以外の者が自律的に行う評価)を行う。」
   それから次の要素といたしまして、「迅速化」、「社会経済環境の急速な変化や諸外国における技術の発展等を踏まえ、プロジェクトの意義が損なわれないよう、適切な開発計画を設定し、高度情報化技術の活用、産学官連携、アウトソーシングなどにより、コストの上昇や信頼性の低下を最小限にくい止めながらプロジェクトの効率的、迅速な実施を図る。」
   次も前回の議論だったと思いますが、「コスト意識の定着」、「経営においては常にコスト意識を持ち、費用対効果を念頭に置きプロジェクトの実施を図る。」
   「事業団が行う先端的・基盤的あるいは先導的な宇宙開発活動は、民間では負うことができないようなリスクの高い挑戦的な活動である。したがって、リスク軽減に伴うコストとのバランスを考慮しながら、合理的なリスク管理の下に業務を推進する必要がある。」ということでございます。
   それから次の「情報化」、それから大きな「3.人材の育成・教育」この辺は今まで出た議論を書き出したものでございますので,今回は省略させていただきます。
   「4.国際協力」のまとめでございます。
   7ページ目を御覧いただきますと、「社会との連携」ということで、幾つか文章化したものがございます。
   まず3つ目の○ですが、これは宇宙開発に関するコミュニケーション活動を推進するということについて、「その際、子どもを含む広い層の国民一般の宇宙への興味・関心を高めるため、宇宙科学研究所、国立天文台等との連携・協力により、地球近傍の宇宙開発のみならず、太陽系を超えた壮大な全宇宙に関する研究開発活動の広報に努める。」
   「さらに、子どもを含む国民一般に宇宙開発の現状、成果を分かり易く語りかけることができる広報担当官を確保する。」ということでございます。
   それから、そのあとは省略させていただきまして、8ページを御覧いただきたいと思います。
   8ページから「V今後の中核的業務」ということでございます。
   この部分については、中長期戦略、つい昨年の12月に策定させていただきましたので、それを大きく取り入れる形で踏襲している部分が多うございます。
   まず最初が「(1)基盤技術開発」ということで、下の2つの○を御覧いただきたいと思います。「必要な専門家を継続的に養成し、技術の蓄積・継承に努めるとともに、資源の集中と有効活用の観点から、宇宙3機関(事業団、宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所)の連携体制の下で信頼性向上のための研究開発等を実施する。」。この4月6日に3機関の連携推進のための運営本部が設置されましたけれども、こうした動きも受けての記述でございます。
   それから最後の○ですが、「事業団の基盤技術を支える人材は、例えばNASAと比べると極めて少なく、多くの者がプロジェクト支援に携わらざるを得ないため、継続的・組織的な基盤技術の研究開発体制が十分ではない。このため、今後は、公募方式などにより事業団内外の人材を糾合して基盤技術の研究開発を推進する体制を整備する。」。長柄委員から数次にわたって御指摘のあった事項でございます。
   それから、9ページ目を御覧いただきたいと思います。
   「(2)宇宙輸送システム」。これも中長期戦略を踏襲している部分も多うございますが、一番下の○をちょっと御覧いただきたいと思います。「将来、先端的ロケットの技術開発プロジェクトを企画する際には、衛星打上げについて切れ目なく対応可能なように、成熟した技術によりロケットの定常的な打上げができる宇宙輸送システムを保持しつつ、これとは切り離して技術の改良や最先端の技術開発に取り組む体制を立案する。」委員長から何度か御指摘があった事項だと思います。
   それから、少し飛ばさせていただきまして、次が「(3)国際宇宙ステーション」、10ページ目が「(4)宇宙・地上インフラ開発・整備」ということが記述してございます。
   10ページの2.といたしまして、「社会経済への貢献」で、分野別に、「(1)地球観測」、それから11ページ目が「(2)通信・放送・測位」ということになっておりまして、そこの一番最後の○、「特に社会経済への影響が大きいと考える通信・放送・測位の分野では、今後、社会経済における新システムの有効性・費用対効果等も確認するための技術実証試験を推進する。」ということをうたっております。
   それから11ページ目の「3.先端科学技術への挑戦」ということで、「(1)先端技術開発」の一番下の○、「大学等とも連携・協力し、宇宙開発の新展開につながるような最先端の萌芽的研究開発を積極的に進める。その際には、大学、企業等の研究者も対象として公募するなど、事業団の内外の人材の活用を図る。」。公募という考え方が前のところ、ちょっとリフレインになっておりますけれども、何度も御指摘していただきました関係もありまして、ここでもう一度出ております。
   最後に12ページの「(2)宇宙科学」というふうにつながっております。
   以上でございます。

 井口委員長 

   どうもありがとうございます。ついでと言ってはあれですけれども、今後の取り扱いスケジュールを含めてお話しいただけないでしょうか。

 芝田宇宙政策課長 

   きょうは一度御議論いただきまして、またよく見ていただいた後に、もう一度ぐらいこの委員会で御議論いただいて、それからパブリックコメントの手続に入りたいと思っております。それが恐らく二、三週間とかいう時間が必要だと思いますので、それが終わった段階で、6月ぐらいになるんでしょうか、最終的な議決をいただければというふうに思います。

 井口委員長 

   ということでございますが、御審議をお願いいたします。

 栗木委員 

   5ページの「経営の効率化」というところなんですけれども、「プロジェクトの重点化」というこの幾つかの○の中で、論点といいますか、視点が少し上下しておりまして、例えば一番最初の○で、「各プロジェクトの優先度を明確にし、」というのは、NASDA全体における位置づけ、つまり重点化ということになるので、プログラムレベルあるいはもっと高いレベルの判断ということになるわけです。
   それにひきかえて2番目は、プロジェクト固有の審査ということになるので、ランクが、階層から考えますと1つ下の階層の議論になる。この2番目の○の一番最後のところに、「中間評価の結果等を踏まえ、云々」とこうありますが、中間評価を出すというところまでは、これはそのプロジェクトの上ですけれども、これを踏まえて見直しをするとか、例えば、そのスケジュールを変えるとか、あるいはさらに他のプロジェクトと比較して優先度を変えるというようなことになると、これまたプログラムレベルかあるいは機関の高いレベルの話になる。したがって、2番目の○にレベルが2つ混在しているという感じがする。
   それから、3番目は特定プロジェクトの話なので、この3つの○の中身をレベルについて少し整理した方が理解しやすいかと思います。

 井口委員長 

   では、後で栗木委員に見ていただきながらやってください。

 芝田宇宙政策課長 

   わかりました。

 澤田委員 

   基本計画自体というのはどういう形のものを想定しているんですか。これは盛り込むべき事項ということですよね。形はこういうものなんですか。

 芝田宇宙政策課長 

   中身はほぼこれを踏襲するんですが、実際にはこれは行政庁の文書として最終的には策定するわけですから、冒頭のような部分は当然変わりますし、ただ盛り込む事項としては、これを淡々と書いていくという形になると思います。

 井口委員長 

   よろしいですか。

 澤田委員 

   はい。

 長柄委員 

   栗木先生とよく相談して、今の優先度というのは、プログラムの優先度とかそのプロジェクトの中の目標の優先度とかいろいろあるので。

 栗木委員 

   そこがちょっと混乱しているんです。

 長柄委員 

   柔軟な見直しとか計画の変更を行うというのは、それは多分プロジェクトの目標の優先度を変更するという意味じゃないかと思うんだけれども。だから、そのあたり同じ優先度という言葉とかプロジェクトとかプログラムとかいろいろありますけれども、よく栗木先生と相談した方がいいと思います。

 芝田宇宙政策課長 

   はい。

 井口委員長 

   見直しということになると、その次の「迅速化」というのは、これは五代委員もおっしゃいましたし、私も申し上げてきたんですけれども、5ページ目ですが、このあたり、その優先度の見直しだけではなくて、中間評価ではもうちょっと早くできないかどうかですね。そういったあたりのことももちろん入るわけです。既に進んでいるものはどうするのかという議論はあろうかと思いますけれども、それも当然だろうと思いますね。要するに、それは別だという話ではなくて、現在進んでいるものでも見直して迅速化できるものがあれば、当然そのようにすべきではないかと思いますので、その辺をこなれた表現になるとありがたいと思いますけれども。

 長柄委員 

   迅速というのは非常に大切でですね、今のようにプロジェクトをスタートして7年とか10年とかで実際にプロジェクトが終わったときには、世の中は相当変わっているという、実際そういうケースが多いんですが。ですから、上の方のは評価と絡むんですが、基盤技術、先端技術ですか、要するにそれぞれの部品なりシステムなり、もうできている技術でプロジェクトを組むと。要するに、プロジェクトをやるから技術を開発するのではなくて、技術があらかじめ開発できたものでプロジェクトを組むと。そうすれば非常に迅速に。
   だから、この上で言う成熟度というところでしょうか、成熟していないような技術はもう使わないで、成熟していないような技術を使うようなそういうものをプロジェクトとしては立ち上げないということだと思うんですよね。ですから、いろいろな技術オークションをあらかじめ用意しておいて、それを振り分けてプロジェクトをやると、そういう考えだろうと思うんですけれどもね。そういう考えをちょっとどこかに出した方が迅速化とか成熟化とか、コスト意識などもやはり後で技術を整理すればある程度見通しは立つわけですけれども、実際300億でやってみたら、実際はものすごく金がかかって、時間もかかったというケースが多いから、そういうふうな考え方を少し、パラダイムを変えるということではないんですけれども、考え方を変えるぞというのはあっていいんではないかと。

 井口委員長 

   どの辺に入れますか。

 長柄委員 

   それはどこかうまく。

 栗木委員 

   成熟させなければいけない技術というのもあるので、それはやはり11ページにあるような「先端科学技術開発」の方でやるべきだ。それを支えるものが成熟したもので、そういう思想だと思うんですね。

 長柄委員 

   迅速というのは非常に大事だと思うんですね。プロジェクトをスタートさせたら数年間、3年とか4年で間違いなくプロジェクトが打上げができるというふうなものであればと。そのためには下半身を鍛えておかなければいかんということですね。十分に下半身が鍛えられていないところに上半身だけ作ろうとしても、それはこけてしまうということで、そういう考えを、考え方だけかもしれませんけれども、はっきり書いてほしい。

 井口委員長 

   芝田さん、よろしいですか。

 芝田宇宙政策課長 

   はい。

 井口委員長 

   よろしくお願いします。
   ほかにいかがでしょうか。
   細かなことですけれども、7ページに「広報担当官を確保する」とあるんですけれども、具体的にめどが立ちそうでしょうか。

 芝田宇宙政策課長 

   ちょっと直ちにはあれなんですけれども。

 井口委員長 

   なるべく早く。

 五代委員 

   前からそれ、考えていたんですけれども、これ、明確に書けば、多分真剣にやると思います。

 藤木宇宙開発利用課長 

   1つだけ報告なんですが、今回のロケット初号機の打上げについて、報道が非常に大事だなということを思いました。まずその辺から、いわゆる広報官的な役割をする人を設置していったらどうかということを、今まさに推進したいということで考えているところです。

 井口委員長 

   是非ともいい人を探してくださるようお願いします。
   ほかにいかがでしょうか。

 今村局長 

   3ページの下から書いてある、なお書きとか、あるいは2ページの上から2つ目の○のところ、特に宇宙開発活動の規模に比べて投入資金が十分でないということが既に指摘されているところなんですけれども、これはそういうことであれば、ふやさなければいけないということだと思うんですが、それを、じゃあ、どれくらい必要なんだということの論議は要るのか要らないのかということですね。その辺は少し私たちも迷っているところなんです。特に4ページは、これ原案にはなっているんですけれども、「宇宙開発活動の規模に比べて投入資源が十分でないことを既に指摘してきている。」というこの後に「したがって事業団は、」と書いてあるんですが、事業団で解決できる問題かどうかというふうな気もいたしまして、この辺は宇宙開発委員会の御見識といいますか、どうあるべきだというふうに出していただくのがいいかということなんですけれども。
   普通の計画というふうになりますと、5年計画、5年でこれだけのことをやりますということになりますと、それには一体これぐらいリソースがかかりますということがあって、それを確保できるかどうかというのは私たちの議論になると思いますけれども。そのあたりをどれぐらい確保していくかというところはちょっと悩んでいるところでございます。答のない話で申しわけないんですけれども。

 井口委員長 

   ないものねだりしても机上の空論になりますし、その辺は行政との関係で、長柄委員長代理の御経験から、その辺の表現というのはどのようにしておくのが適切でしょうか。

 長柄委員 

   これは要するに、最終的には行政庁の分野になるわけですね。

 今村局長 

   そうです。

 長柄委員 

   ですから、今までの文書はこうだとか、そういうふうにもっと丸くなるわけでしょう。(笑)要するに、行政庁の方では。

 今村局長 

   もとはうまく、大きく書くかどうかですよね。

 長柄委員 

   とにかくやっている仕事と資源との間にアンバランスがあるのは事実で、それは今の小泉内閣のプライマリー・バランスの話ではありませんけれども、やっぱりいかに仕事を減らすか、片一方はいかに資源をふやすか、お金にしろ人間なり、その量、質ですね、ということで、プライマリー・バランスを保ちましょうというわけですね、要するにここで言っているのは。

 今村局長 

   特に中身で、これからのプロジェクトを進めるに当たって、例えば重点化というのがありますけれども、普通重点化という言葉を聞けば、今までこれだけやっているけれども、仕事はこれだけにして、しかしそのかわりたくさんそこに行って仕事をするというふうに思うわけですけれども、そういうものが具体的なイメージとしてどれくらい必要か。これから重点化しましょうというんですけれども、じゃあ、何をするのか。ちょっと議論としては。

 長柄委員 

   今回から最後の方の5ページぐらい書いてあるのがあるんでしょう。ここには、この5カ年内に取り組む重点課題が書いてあるわけですね、最後の方は。

 今村局長 

   それには、今のあれでは足りませんよということで。

 長柄委員 

   今のリソースではこれは足りませんよと。

 今村局長 

   どれくらい足りないのかということを言ってませんけれども。

 長柄委員 

   やっぱり現実に人間の数だったら、本当言ったら2倍ぐらいは、質から言ったら、質を3割ぐらい高めて、量を概算すれば3倍くらいになるわけですから。人間の質を上げるというのはそう急に上がるわけではなくて、3割上げるというのはやっぱり大変ですね。量と質の両方だと思いますけれども。

 今村局長 

   試算はしておいたらどうかなと思ってますけれどもね。ここに載せられるかどうかは別としましてですね。

 長柄委員 

   お金の試算の方がいろんなケースがありますけれどもね、お金の方は。ただ人間の方は試算してもなかなか試算どおりにいかないというのが実情ですね。

 井口委員長 

   いかないというのは採用が難しい。

 長柄委員 

   いやいや、数を足したいと言ってもふえるわけじゃないし、質を上げたいと言っても急に質が上がるわけではないし。

 井口委員長 

   ただ、NASDAの人員とは限らないわけですね。

 長柄委員 

   そうです。外の方も入れて、NASDAのパーマネントの人だけでできるわけない。

 井口委員長 

   だから、もうちょっと、完全に具体的ではないにしろ、何か数字はあげられそうな気はしますね。ここで書くための。

 今村局長 

   いやいや、基本的認識として少ないというなら、ではどれくらいがいいというか、あるいは限られた資源の中でこれだけの仕事をするというふうに、仕事を資源の見通しがないのに仕事だけ手を広げてもそれは無理だと思いましたから、それは重点化しましょうというふうな考え方になるのか。その辺を明確に……。

 長柄委員 

   今NASDAのパーマネントの人が大体1,000人、それにパーマネントではない人が約500人ぐらいですか。

 芝田宇宙政策課長 

   四、五百人。

 長柄委員 

   四、五百人。パーマネントじゃないというか、要するに契約とか何かで来ている人が。パーマネントのポジションはそうふえないので、多分、5年後ぐらいにはパーマネント1,000、そうじゃない人1,000、合わせて2,000と、人間を。そのぐらいはないと、それは大学の先生を兼務しても、今の2,000というのはフルタイム換算で2,000ですね。ですから、相当な勢いで人をふやさないと……。

 今村局長 

   ふやすという前提の計画にするか、ふやすことが難しければ計画を抑えるかどちらかだと。そこを決めなければいけない。

 長柄委員 

   従来だと毎年100人とか105人ぐらいは採れているから、パーマネントではない人の数が。ですから、2,000人というのはある程度お金さえあれば不可能な話ではなくて、NASDAもそのあたりを目標にされていると思うし。ですから、5年後に2,000人体制と、事実上。それはかなりの仕事を、例えば今の責任問題もありますけれども、企業に責任を持って、企業にやっていただく。これから今までNASDAがいろいろやっていたものをNASDAは手を出しませんので、あとは全部お任せしますというようなことをいろいろやっても、NASDA自身の人間はかなりふやさないといけないんじゃないですか。

 栗木委員 

   財源をふやすのと、それから仕事を減らすのと、本当は両面からやらないといけないんだろうと思うんですけれども、5ページ目の「プロジェクトの重点化」のところも、まだこれからの作業だと思いますが、進行中のプロジェクトについても中間評価次第で優先度を柔軟に見直す。これはかなりしっかりやらんといかんのではないか。

 井口委員長 

   そのあたりオルタナティブをつけてはいけませんか。予算がふえれば人数もふやすことができるわけですね。そうでなければ、今度は重点化でやることにして、その2つ。それから民間のセンスから言いますと、もう1つあり得るんではないかと思うんですが、それは研究開発効率を上げる。基礎研究だとか研究開発というのは、なかなか効率化するというのはリスクもありますし、やはり難しいんですけれども、それは予算的にも、今、自動車会社なんていうのは、購買品のコストを3割削減なんていうことをバリバリやっているわけですね。研究開発というのはそうはいきませんけれども、しかし、同じ金でどれだけ効率や成果を上げていくか、そういうことは全くゼロではないはずですね、民間のセンスからすれば。今まで100億円かかっていたものを私は80億円で開発する。できないんだろうか。それは研究開発の効率化ですね。そういうオルタナティブがあるんですけれどもね。それをオルタナティブのまま、ここに書くか書かないかは別にして、ちゃんと出しておくということは可能なんだろうと思うんですけれども。

 長柄委員 

   今後5年くらいのことを考えますと、将来そうかもしれませんけれども、やはり今の信頼性を高めるとか基盤技術の弱さとか、いろいろ考えますと、一概にコストを削減するという方法よりはコストがかかってもいいから信頼性があるものを、いろんな関係の研究費をつぎ込んでやるという方向ではないか。だから、プロジェクトを減らしても1プロジェクトにいろんな関連経費を基礎の関連なり技術開発費をつぎ込んでやると。

 井口委員長 

   結果としてそうなるんだと思うんですけれども。今までむだに、むだとは言いませんけれども、出し過ぎた分は信頼性だとかそっちの方に移してやるとかですね、そういう検討というのは、もう当然民間であればやるんですけれどもね。あり得るだろうと思いますけれども。

 今村局長 

   やはり評価の仕組みを一定しておかないとなかなかそういうのは……。

 井口委員長 

   そうですね。つまり100億円の予算を80億円でできたら、それがいいことだと言ってほめられるような仕組みではないかもしれませんですね。それはもちろんいけないことで、経営の刷新というのは一番重要だと思います。

 芝田宇宙政策課長 

   一度ちょっと勉強させていただいて、また御相談させていただきたいと思います。

 井口委員長 

   4ページ目の、今、局長さん御指摘の「2業務の運営に関する基本的事項」の一番最後の○、「したがって、今後事業団は」というのは、確かにこれ、ちょっとどこが主なんですか。事業団だけかどうかというのは。「事業団も」ならわかりますけれども。

 藤木宇宙開発利用課長 

   1点だけ事業団側からこういうのを上げたんですが、この今の盛り込むべき事項の中には、評価の話がむしろ出ているわけなんですが、実際に評価を将来、この文書に基づいて行うということになると思うんですけれども、独立行政法人化が今進んでいて、そちらの方で言えば、今、中期計画、中期目標といったものに当たるものだと思うんですが、実際に、この評価をするという場面を想定してみますと、各プロジェクトあるいはプログラムについて、非常にふわっとした記述になっているわけなんですが、実際には、例えば何とかプロジェクトがこのぐらいのところまで行こうというような、例えばこの迅速化にしても、迅速化を評価するという立場から見ると、3年計画であったものが3年でできましたねということが評価できなくてはいけないことだし、3年だったものが2年だったら、これはなかなかよくやったじゃないかという評価、そういう具体的評価の場面を考えたときに、各プロジェクトについてある程度具体的な目標が見えるような、どういう形でこの中に書くかというのは別にいたしまして、そういった具体的に評価が実際できるような何らかの記述を入れなくてよろしいものでしょうかというのが、実際、行政の文書として確定した場合に、多分行政の判断として一定の評価を将来しなくてはいけないということを考えてみますと、その評価がこの文書でもって、プロジェクトの評価をやりなさいと言われたときに、具体的にETS−8でも何でもいいんですけれども、その評価が具体どうなのかということに対する評価の物差しが必ずしも示されていないので。

 井口委員長 

   それはですね、今、評価については、栗木委員が評価特別部会を進めてくださっているわけですが、これから新しく作るものについては、最初の目的だとか目標設定のときに評価になじむような表現があるんだと思います。ただし、現在進んでいるものについては、そうなっていない可能性がありますね。そのあたりをこれからどうするのか、つまり今、栗木委員が考えてくださっている評価のやり方だと、開発のいろんなステージがあるわけです。そのステージのどこにあるのか。私、いろんなプロジェクト、具体的にどこにあるのかよくわからないんですけれどもね、そのステージによっては、要するに研究段階から開発段階に移るときには、かなり厳しい評価をいたしますけれども、そのときにはっきりするだろうと思います。

 栗木委員 

   今、特別部会の方で作っております評価基準もほぼ骨格はでき上がっておりますので、これ、今、委員長がおっしゃられたような新しく出てくるものに関しては、冒頭からこれを精査していこうと考えております。ただ、走っているものにどうアプライするかが、なかなか走っている電車に飛び乗るようなところがあって難しいところがあると思いますが、長柄部会長がやっておられる計画評価の部会の方でも、現在これから全般的な見直しをやろうということで、その中に取り入れていただいている基準も、できつつあるその評価基準を横目でにらんで入っているように私は思っております。ですから、これが一連のレビューを6月ぐらいまでに終わるということで、この中間評価の結果の見直しというのはできるかどうか、これはまあなかなか難しいところがあると思いますけれども、そこでもう一度やはり宇宙開発委員会全体として中間的な評価をどのぐらい重く見るかということを一度考えるべきではないかと思います。

 藤木宇宙開発利用課長 

   実際に、今後のリソースの配分なんかもおそらくこの計画に基づいて行われることになる、そういう文書だと思うんですけれども。実際に、例えばどのプロジェクトが何年ぐらいまで何を達成すればいいのかということが、実際の年次計画的なものがつきますと見えないと、どれが一番迅速にやらなきゃいけないものだとか、そういう「プログラム間の優先度を明確にし、」のところかもしれないんですが、実際これからはもちろん優先度を議論してということなのかもしれないですが、実際の行政的なことを考えますと、この文章に基づいていろんな計画を執行する。その執行されたものを評価するとき、そういったものをこれから数年にわたり、この文書で行うということになったときに、ある程度、その評価の物差しを、例えばどのプログラムは何年までにやるんですという、非常に単純に言えばそういうことぐらいの何らかの物差しはここにある程度盛り込まなくて大丈夫かなという気持ちを持っております。

 長柄委員 

   あなたが言っているのは、今の独立行政法人の中期目標ね、ですから、宇宙開発事業団がこれからいろいろ行革の方で審議されて、独立行政法人化するのかどうか知りませんけれども、独立行政法人とほぼ同じような形になって、それで中期目標なるものが行政庁に出されるのかな。それに基づいて何年後とかに目標達成がどうなったかということを評価するというのだったら、もしもそういう進め方になった場合は、中間目標というのはこれじゃないと思うんですよね。これでは目標達成したかどうか、この文章ではわからないんですよね。あなたが言っているのはそういう意味だと思うんです。だから、独立行政法人に仮になって、そういう指針ができたら、そういう指針に合うように中期目標を作って出さなきゃだめだ。別のものを出す。これ、現在の特殊法人のNASDAの仕組みのものであって、ああいう中期目標を設定して何年後とかに評価すると、目標達成がどうだったこうだったとかということになれば、もう一度これとはちょっと違うものを出す。こう思うんですけれどもね。だから、これに基づいて独立行政法人的な目標達成度を図るというものではないと思うんです。

 澤田委員 

   結局あれでしょう。さっきの事業団云々のところにしても、金目のものですよね。これ、長期的にこのぐらい、じゃあ、宇宙につぎ込みましょうというようなものをどこに書くのか書かないのか、単年度主義で回ってきたものだからどうしますよというところのやり方を変えられるのか変えられないのかというと、そこのところは何も変えるような仕組みになってないですよね、現実的には。基本計画にそういうものを盛り込んで、それを今から各省合意の上でトータルでこれだけ要りますよ。それをどういうふうに配分するかは考えましょうと。あるいは中期計画を作るに当たって、じゃあ、5年間でこれだけの資金を投下しますよというようなことが認められるような仕組みなのかどうかというと、恐らくそうじゃないんでしょうね。どうなんですか、その辺は。それがあれば、もっとはっきりするんだけれども。

 今村局長 

   まさに今、委員がおっしゃったとおりで、本来はそうあるべきものなんだけれども、従来の予算の制度ではいってない。ただ、いわゆる総合科学技術会議の議論などになりますと、科学技術研究全体を24兆円というような中で、その内訳というものなんだけれども、では何にどれくらいというような議論にはならざるを得ないというふうに思います、これからですね。したがって、そういうときに、やはり宇宙については総合科学技術会議にお任せするのではなくて、宇宙開発委員会としてこうですよというような、我々自身も宇宙開発のところから提案できるというか、そういうものはここに書けるかどうかというのは確かにちょっとおっしゃるとおりなんですが。

 澤田委員 

   もともと科学技術会議で24兆円なら24兆円のところで、宇宙の方はこうですよという議論があって出たらいいんだけれども、何か全体こうですよ。

 今村局長 

   頭は入っていますからね。

 澤田委員 

   頭は入っているんだけれども、そういう議論、全然なしに、何か別の枠で作られていくというわけですね。ですから、そこの中の配分方法をどうするんだというのは科学技術会議の運用の問題なのかどうなのか、そこで一体どういう形で配分するのかということは少し議論してもらわないと、進みようがないということですよね。

 今村局長 

   ただ、頭がそういうふうに基本計画で決まったわけですけれども、その中でいろんな分野が今あって、情報分野、さらにはフロンティア分野にまで、宇宙が位置づけられつつあるわけですよね。フロンティア分野としては、じゃあどうなんだという議論が出て、その総合戦略を打ち出すということになってますから、それを総合科学技術会議からいただくということでもいいのかもしれないけれども、やはり宇宙開発というのは、非常にきちっと今の仕組みができてますし、宇宙開発委員会が中心になってやっていくということですから、やはりここの計画に書けるかどうかは別だけれども、宇宙開発としてはこれくらいの資金を投資しないとだめで、その範囲内でできるだけ効率的にやってこれだけの仕事を達成しましょうよというようなものに、最終的に行けるかどうかは別として、作業としては是非そうしたいものだなと。今ちょっと芝田課長さんにはそういうふうに。

 井口委員長 

   わかります。民間だったら当然そうです。
   例えば、私は去年まで建設省のいろんな仕事を手伝っていて、道路新技術5カ年計画って、ちゃんと5カ年計画を立てたんですけれどもね、あれは特別なんですか。特別会計だからできるんですか。

 今村局長 

   そうですね、特別会計です。

 井口委員長 

   ああ、そうですか。

 芝田宇宙政策課長 

   とりあえずどこまでできるかわかりませんが。

 井口委員長 

   その方向で。

 芝田宇宙政策課長 

   努力させていただきたいと思います。

 澤田委員 

   できれば。

 五代委員 

   10ページに「社会経済への貢献」というのがありまして、その一番最後に、10ページの一番下、「情報収集衛星の開発を着実に行う。」と、これはもうミニマムの表現で極めてそっけないんだけれども、国家の重要プロジェクトなわけですよね。もう少し書きようがあるんじゃないんですか。1行のものなんて、こんなのないですな。

 井口委員長 

   ほかにいかがでしょうか。
   それでは、きょうの御意見を踏まえて、もう一度リバイスして来週。

 芝田宇宙政策課長 

   ちょっと今の作業が間に合うかどうかを含めて、タイミングをまた御相談させていただきたいと思います。

 井口委員長 

   それでは、3の質疑を終わらせていただきましす。
   4番目は「その他」で、前回の議事要旨を御覧いただくということでございますので、後ほどでもお気づきの点がありましたら、事務局の方にお寄せください。
   それでは、以上で、第17回の宇宙開発委員会を閉会させていただきます。ありがとうございました。

午後3時40分閉会




(研究開発局宇宙政策課)

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