【鶴田座長】 第四回宇宙科学ワーキンググループを始めたい。本日の議題は、「宇宙科学ワーキンググループの報告(案)について」が主な議題である。
前回の第3回では、JAXA(ジャクサ)から推進体制、人材養成、知的基盤の整備への貢献、探査に関する考え方について御説明をいただき、質疑を行った。その後、事務局からこのワーキンググループの報告書の骨子(案)の説明があり、皆様に御意見をメールでいただくようお願いした。本日は、JAXA(ジャクサ)から前回の報告に対する補足説明をいただき、簡単な質疑の後、事務局より報告(案)について説明いただき、それに対する質疑を行いたい。そのような手順でワーキングを進めたいが、よろしいか。それでは、JAXA(ジャクサ)から前回の資料に対して補足説明をお願いしたい。
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資料4−1−1「宇宙科学研究における長期展望(1/2)補足説明2【改定】」に基づき、宇宙環境利用科学分野の活動による論文等の数、宇宙環境利用科学の宇宙科学における位置付け等について、JAXA(ジャクサ)井上宇宙科学本部長より説明があった。 |
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 この他について、前回質問をいただいたことについては、高橋から回答したい。
【JAXA(ジャクサ)(高橋)】 骨子案に関して、戸塚委員から2点ほど質問があり、それについて説明させていただきたい。
第1点は、骨子案の中に「暗黒エネルギーを探求する」という記述について、重点領域の一つとしているX線天文学、或いは宇宙物理学で、どのようにして暗黒エネルギーに取り組むのかという御質問があった。それについての回答であるが、暗黒エネルギーは宇宙のエネルギー密度の73パーセントという量を占めるもので、その正体等はまだ分かっていない。したがって、21世紀の大きな課題であり、様々な分野の研究者がそれに挑戦することになっている。
これに挑戦する一つの手だては、宇宙の構造が、宇宙が生まれてからどのように進化してきたかについて調べることが大きな手がかりとなる。宇宙の構造の進化を探る上で一つの大きな手がかりとなるものは、天体の中で最も大きなスケールを持ち、銀河が数百程度集まった銀河団がどのように成長してきたかについて調べることである。銀河団の中には高温のガスが充満しており、それはX線でのみ見ることができる。したがって、銀河団の質量がどのように赤方偏移に従って変わってきたかについて調べるためにはX線は欠かすことはできない。
また、温度をしっかりと測るために、非常に高い精度を持ったX線分光も大切になる。現在、非常に近傍での探査が進んでいるが、それを赤方偏移の1、そして20年先には10といったところまで伸ばしていくということが、これからの宇宙科学において重要である。それが第1点である。
第2点は、宇宙環境利用科学の中で生命の起源という言葉が出てくるが、宇宙環境利用科学で生命の起源というのは一体どのようなことを行うのかという質問があった。それについては、今、地球にある生命は、ある考え方に従えば、地球の中で独自に科学進化によって生まれてきたものという考え方があるが、他方、宇宙から生命の素となるものが降りてきて、それから地球にある生命が生まれたという考え方もある。宇宙環境利用科学の中では、宇宙塵というものの中に、そのような生命の素になるような物質が含まれているかどうかを調べるのも非常に重要なテーマの一つとなっている。それが宇宙環境利用科学の中における生命の起源への探求ということになる。
以上である。
【鶴田座長】 井上本部長及び高橋先生からの説明があったが、御意見等はあるか。
【北原委員】 井上先生からの宇宙環境利用分野の活動についての資料であるが、これは実は関係者に伺ってみたが、宇宙環境利用に関するキーワードがまだ余り確立していなくて、検索するときに随分苦労された。学会としてはマイクログラビティ応用学会があるが、実際にはいろいろな物質科学に拡散しているという状況があるので、これは来年1月にある宇宙利用シンポジウムでキーワードぐらいは確定しようかという動きになっている。
【鶴田座長】 これは多少御苦労されたということであるか。
【浅島委員】 宇宙環境利用を見ると、データで少し誤解があると思うのは、例えば研究分野の論文数が引かれているが、生命科学の分野は未詳となっている。生命科学は、日本宇宙生命学会もあり、大体600名余りであるが、いろいろな国際的な活動において、かなり活動している。これは何年のデータをとっているのか分からないが、これと同じぐらいの分野の発表は国際的なレビュー誌で見れば分かると思う。アドバンス・スペース・リサーチ・サイエンスを見れば、いかに生命科学を日本でも行っているかについて出ているので、その辺はしっかりと調べて載せてもらいたいと思っている。
それから、生命科学で学位も数多く取得している。したがって、ここで生命科学は未詳というと、これはある面でいうと困るので、しっかりと出しているということは、ここに報告しておいていただきたいと思っている。
【鶴田座長】 御意見はあるか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 査読付論文の方については、生命科学の分野も含めたものを調べていただいて、ここに入っている。博士論文の方は必ずしも境界がはっきり見えなかったということで調べ切れなかった。現状ではここには安易な数値は入れないことにした。
【鶴田座長】 これは確定していただけると思っていいのか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 了解した。
【浅島委員】 国会図書館等に全部のものがあるので、そこで例えばマイクログラビティとか宇宙環境でライフサイエンスを引けば、それなりのものが出てくると思うので、その辺はよろしくお願いする。
【鶴田座長】 他にはよろしいか。それでは、この件に関してはここまでにして、報告書(案)の方に議題に入りたいと思う。
それでは、報告書(案)を事務局から御説明していただいて、それについて議論に入るということにする。それでは、事務局からお願いする。
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資料4−1−2「独立行政法人宇宙航空研究開発機構における宇宙科学研究の推進について(案)」に基づき、報告案の第一章の概要について、笹川参事官付宇宙科学専門官より説明があった。 |
【鶴田座長】 議論の仕方として、1章ごとに説明を区切り、議論をしていただいて、最後に全体としてもう一度議論したい。それでは、第1章のところまでで戻って御意見等があればいただきたいと思う。
【青江部会長】 表題の「宇宙航空研究開発機構における」は必要であるのか。「宇宙科学研究の推進について」ということでは問題あるのか。「機構における」と非常に限定的にレポートをまとめる必要はないのではないか。
【鶴田座長】 このワーキンググループでは、その必要はないということでいいのか。
【池原参事官】 一応前回のものと合わせてみたが、削除して「宇宙科学研究の推進について」ということでよろしいかと思う。
【浅島委員】 目的のところに、宇宙科学を通して、我々人間が知的好奇心の活動を広めて、他の分野にも影響して、なおかつ社会にもきちっと還元できるということをここに示す必要がある。目的がこれだけであると限定されてしまうので、それがずっと広がりを持ち、今後、宇宙科学は非常に重要なものであるということを示すべきであると考える。
【鶴田座長】 これは大変重要な御指摘である。
【北原委員】 私もそれに賛成である。各論で少し述べようと思っていたが、宇宙という環境の中で、地上ではできない環境の中で行った非常に原理的な問題や、物質の定数というものが、今後新しい物質創成、機能開発というものに是非必要であると思う。そのようなことが将来の世界にとって非常に重要であるという、「人類のために」というものが一つあった方がよいと思う。
【鶴田座長】 了解した。他に御意見はあるか。
【觀山委員】 二人の意見に全く賛成であるが、社会の物質的なものに変えるというだけではなく、国民の期待を担っているという部分も必要である。宇宙科学は、単純に材料などで役に立つというだけではない。
【北原委員】 世界観のようなものである。
【鶴田座長】 今回は、最後のワーキンググループであり、今日の議論の取り扱いについてであるが、今、三方から御意見があったが、そのようなものの反映については、事務局に一応任せていただいて、最終的な印刷物になる前にご覧いただきたいと思う。修正については、こちらの責任で行わせていただきたいと思うが、よろしいか。
他に御意見はあるか。それでは、次に第2章の説明を事務局にお願いする。
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資料4−1−2「独立行政法人宇宙航空研究開発機構における宇宙科学研究の推進について(案)」に基づき、報告案の第二章の前半部分の概要について、笹川参事官付宇宙科学専門官より説明があった。 |
【鶴田座長】 それでは、この章の前文的な部分のところにある基本的な考え方について御意見あるか。
【河野委員】 特に基本的な考え方であるが、宇宙科学が個々の研究者の自由な発想によってということは、非常に良いが、私はある意味でこれにこだわると無理があると思っている。前にも発言したが、かなり政策的に進めなければならないものもあり、それについてはこのような書き方であると非常に評価が低くなると思う。
具体的に言えば、太陽系探査科学は、日本ではあまり強い分野ではないが、このようなことは、ある種政策的に進めなければいけないと思うし、国民の期待もある。そうすると、必ずしも宇宙科学を、世界には優れた業績を持っている強いグループが考えたということよりは、探査を進めるためには、そのようなものを育てなければいけないという視点がどうしても必要であり、それを切り分けておかないと、場合によっては、このようなものの推進の阻害することになるのではないかという気がする。
したがって、純粋科学的に値打ちがあるから行うという側面も必要であるが、宇宙科学については、人間の活動のフロンティアを広げていくために宇宙に進出するために、いろいろな科学的な基礎が必要になるが、それも推進しなければいけない。そのような種類のことはやはり必要なのではないかと思う。
【鶴田座長】 大きな指摘である。
【觀山委員】 私も同じような印象を持っているが、第1番目の文章と第2番目の文章のつながりがよくないと思う。1番目の文章は、ここの研究者の自由な発想により主体的に進められることが極めて重要であると書いてある。しかし、ボトムアップにいろいろな研究者が考えていることを集約して、JAXA(ジャクサ)は実施しており、その過程は後に評議会や運営協議会について書かれている。したがって、最初の文章と2番目の文章はつながりが悪く、その間を何か集約するようにする必要がある。それから、河野先生が言われた研究者の要求にも応えているが、ミッション性のようなものや、トップダウンのようなものを反映しないと、これだけでは、外部からみれば、無責任な書き方になる気がする。
【鶴田座長】 文言では多少意識はしているが、うまく表現できなかったというのが現状であると思う。これに関して御意見はあるか。
【本島委員】 私は少し違った考え方を持っている。学術研究は、国の基盤の一つであり、恐らくトップダウンのように、大きなプロジェクトを国の政策として決めて推進しても、決まった後で研究者の方に自由な発想というものを持っていただかないと、プロジェクトそのものがうまくいかないという面が当然ある。そのような意味で表現をもう少し精査していただく必要は確かにあると思うが、サイエンスに軸足を置いた自由な発想ということからは、離れられないので、国としても一軸ではなくて二軸の物事の進め方というのは、あらゆる意味でリダンダンシーを持たすためには重要と考える。そのような点で、無責任と受け取られると、これは表現を変えなければいけないという話になり事務局のマターになるが、決してそのようなことではないと思う。
【鶴田座長】 それでは、他に違う観点からの御意見はあるか。この件に関しては、もう一度、文章を見直していただくということでよろしいか。
【松尾部会長代理】 報告の後半では、それを意識した探査について記述がある。ここでは実施方法ということで書かれているが、少し後ろには、それに対する配慮が書いてあると思う。
【鶴田座長】 書かれた文章を読んだ印象と実際の議論とが少し食い違っているのか。
【青江部会長】 河野委員の話に関することは、後半の方のプロジェクトの実施方法にも一部出てくるので、そこまで読んでいただいた上で、またこちらの議論に戻るかもしれないので、先に進めてはどうか。
【松尾部会長代理】 私もそのように思う。
【鶴田座長】 この後、探査に関する議論が出てくるが、そこにも関連してくる。
【觀山委員】 「プロジェクト研究の重点分野選考に関する基本方針」はよいが、学術的な長期ビジョンに基づいて、そのときそのときの世界で認められている科学分野や先端性など、学術的な研究の非常に大きな流れの中で、いろいろな戦略性で選考をしていくという感じが少し足りない。したがって、その前の部分に学術的な大きな流れを提示していくということは必要あると思う。
【青江部会長】 学術的な大きな潮流というのは、誰が潮流にあると認定するのか。
【觀山委員】 それは難しい。
【青江部会長】 誰かができるのか。
【觀山委員】 世界的な競争の中で、日本はこのような形で宇宙科学に基づいて実施するということを発信しないと、戦略性などでも負けると思う。潮流は示せないが、後で出るような宇宙における系外惑星や生命の探査を大きなビジョンで行うことや、極限状態の科学をどのような方向性で行うかなどの大きな流れを作って、その中でどのような先端性を発揮するかということがないと、場当たり的に高い独創性を出すという印象があることが少し気になったところである。
【鶴田座長】 後半に、そのような観点を各分野で書いている。それがここにフィードバックされていないということは問題かもしれないが、少し入れにくいと思う。
【北原委員】 大きな戦略性が必要であると思うのは、ボトムアップで科学的な観点から行うと、やはり科学的な成果が先に立つわけであるが、本当はこのような大きなプロジェクトはビークルなどの開発的な面もある。それも含めて大きなビジョンで行わないと、ボトムアップだけではうまくいかない面はあると思う。
【觀山委員】 具体的には、例えば惑星科学だと、日本はどのようなことで攻めていこうと思っているのかという大きな流れを提示しないと、皆に分かってもらえないのではないかと思う。
【鶴田座長】 そのような流れが必要であるということは分かる。
【觀山委員】 表現は難しいかもしれない。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 第1章の最初に書いてあるように、宇宙科学の対象は、宇宙空間を使って行う学問という意味で、全ての科学の分野が含まれ得る。したがって、それをこの段階で全体の流れとしてまとめるよりは、その中で重点的にこのような考え方で幅広いものを全て行うわけにはいかないので、ある考え方で絞っていくと考え方が必要である。それぞれの重点について、発言されたような考え方を入るというのが、ここで記述されている構造なので、觀山委員の指摘の部分は、その次に記述されている位置づけになっている。
【鶴田座長】 「(2)各重点分野のプロジェクト研究の目標」以降に記述されているということか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 そのとおり。
【松尾部会長代理】 私もそうであると思う。
【鶴田座長】 この中で議論されて書き込まれているということでよろしいか。他に御意見はないか。
【本島委員】 先ほど青江委員が言われた潮流は、それぞれの分野で考え方も当然違ってよいと思うし、流れというものは、最終的には、その分野の学問としての我々のサイエンスをベースとするものとしては、ビッグであろうが、スモールであろうが、体系化につながるものが流れであると考える。そのような点では、当然結果も求められるし、責任がある。
それとオリジナリティーとの関係というのも、かなり重要な点があると思うが、物事のオリジナリティーとは、原点オリジナリティーと言うのか、それを発展させていく部分のオリジナリティーが当然あり、それがどちらも世界的な重要な評価の対象になると思う。この分野では、将来は宇宙的な評価の対象になるのかもしれない。したがって、そこがかなりビジブルなものなのではないかとは思う。逆に言うと、ある時期、キャッチアップも当然大事なことになると思う。
【鶴田座長】 少し先に進んでよろしいか。それでは、各重点分野のプロジェクトのところから説明して欲しい。
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資料4−1−2「独立行政法人宇宙航空研究開発機構における宇宙科学研究の推進について(案)」に基づき、報告案の第二章の「各重点分野のプロジェクト研究の目標」の概要について、笹川参事官付宇宙科学専門官より説明があった。 |
【鶴田座長】 ここでは、四つの重点分野について考えている長期的な構想について書いてあるが、御意見等はあるか。
【浅島委員】 8ページの「宇宙環境利用における学術研究」のライフサイエンスの生命科学の方であるが、長期的な目標としたときに、「生命の発生と進化の原理を解明」ということにであると、先ほど少し生命の起源について説明されていたが、このようなものを掲げても実はなかなか難しいところがある。これは本当にできるのかという問題になり、それを掲げたときに論争が二分すると思う。
今、多くの人たちが考えているのは、生命の起源はかなりのものが証明されつつある中で、敢えてこのように書くと、宇宙はまた何を始めるのかという非常に誤解を受ける恐れがある。したがって、多くの科学者の中に出て行くときに耐えられるような文章にする必要がある。このような書き方をすると、生命の起源をまた行うのか、50年前行ったことをまた始めるのかということになり、ある面で言うと現代科学を無視したような書き方になっている。その辺は非常に気をつけなければ、全体的なライフサイエンスの現在の発展に伴うものについて、支持が得られない。
それから、特に5年後の目標において、「宇宙における生命の起源に至るまでの科学的進化や解明」や「地球圏外の生命探索への独自性のある取組を行う」ことは、5年後にこのようなことを誰が行うのかということになり、ライフサイエンスを行っている研究者は相手にしない。
例えば宇宙に行ったときに、どのようにして生物は調節能力を持っているのかということやや、人間社会の老化の問題、骨粗しょう症の問題など、そのようなものを還元できるような基礎的なデータと応用的な分野を研究して、国民にも分かるようなに生命科学の多様性を説明する必要がある。また、例えば、オゾン層の破壊により地球はどのように変化していくかなどについて、基礎的なデータと応用的データを結びつけることを、この5年間で行うことにしなければならない。最初の文章は、長期的でもなかなか難しい問題で、生命の起源を探るということを5年で行うことにしても、実際問題として難しいと思う。
したがって、この委員会の重要なミッションは、科学者でも、国民でも本当に理解ができるような内容を書く必要がある。誰も行っていないものについて、本当にできるのかと言われたら我々が問われるので、それは少し慎重になって欲しいと思う。
【鶴田座長】 JAXA(ジャクサ)として御意見あるか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 少しサジェスチョンをいただけると有り難いと思う。
【野本委員】 宇宙環境利用科学は、ISASが行っているのではなくて、筑波で行っているのではないか。
【鶴田座長】 今は違っている。
【野本委員】 ISASでも、このような宇宙環境利用は行っているのか。
【鶴田座長】 井上本部長から答えていただきたい。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 今では宇宙環境利用科学は、宇宙環境利用科学委員会を設置し、その下で宇宙環境利用科学の広い範囲の方が加わって行っている。
【浅島委員】 その時、宇宙環境利用科学委員会では、多分四つの重点項目を、かなり長い間かけて討論した中で、例えば現在で言えば、生命科学というのはゲノムが分かっていたので、ゲノムをどのように利用するかということや、生物の多様性と適応能力というものを見ることや、例えば、地球上では放射線はX線や中性子にしても単量である。ところが、複合放射線は宇宙でしか得られない。そのような宇宙でしかできない実験とは一体どのようなものであるかということを考えているが、ここには、一部の考えかもしれないが、ある面で言うとできないものを書いている。後々、大きな障害を残すので検討して欲しい。
【鶴田座長】 それでは、この件に関しては、浅島委員に御協力いただいて、修文させていただくということでよろしいか。
【青江部会長】 浅島委員の御意見は、非常にもっともである。本当にそのように書くべきである。雑に言えば、地に足がついたような、しっかりとしたことを書いておくべきだという気がする。是非、その趣旨で直していただけるとよいのではないか。それと同時に、物質科学の方はどうであるか。同様になっているということはないのか。
【北原委員】 物質科学の方は、いろいろな分野にわたっていて個別的に見えるが、これを私なりに理解して、共通のコンセプトは何かということを考えて文章として追記した。つまり、重力があるということが、例えば、臨界点の近傍という、物質が非常に不安定になったときに非常に大きな塊で非常に揺らぎが大きくなり、様々なことが起こってくる。それが一つは臨界点近傍におけるピストン効果といって、揺らぎが大きな塊として行ったり来たりするようなことが起こるが、そのようなことは、実は地上では見ることができない。しかし、原理的にはあり得るという理論があって、それを検証することが、物質が持つ様々な多様性、多様な機能や性質を確認することが、次の新たな学問の発展につながるのではないかと考えている。
【青江部会長】 分かりやすく言えば、報告書に書いてあることは、サイエンスの見地からみて雑であることや、意欲的にすぎることは書いてないかということである。
【浅島委員】 意欲的ではなくて、できないことを書いているようなところがある。
【青江部会長】 できないようなことが書いてあるということだか、物質科学にはそのようなものは記述されてなく、かなり広範な物質科学の研究者が見ても、非常にもっともなことが書いてあると理解してよいか。
【北原委員】 これには、無い袖は振れないようなことは書いてないと思う。むしろこのデータを本当に知りたいということを書いておいたつもりである。
【青江部会長】 了解した。
【鶴田座長】 意欲的に書いてあるところが、少し意欲的すぎるということがあると信用をなくすということがあるので、もう一度、そのような点で、それぞれの分野の方に少し見ていただきたい。他に御意見はあるか。
【觀山委員】 それに関連して、6ページの上にある「太陽系外の直接観測」のところだが、私の印象では、「木星型系外惑星の直接観測を実現する」という言葉を見ると、これはファースト・ディテクションを狙っていると捉えられてしまうのでないかと思う。他の望遠鏡で、観測されると、このミッションの価値はないように感じてしまう。最初の題名は「太陽系外惑星の直接観測により惑星の形成過程を探る」ということなので、観測的研究である。地上の望遠鏡は、今、これについて、ものすごい競争をしており、木星ぐらいの惑星も直接ディテクションはある。解釈はいろいろあるが、ファースト・ディテクションだけが目的であるとされると、我々関連分野としては少し困るような気がする。
【鶴田座長】 少し修文して欲しい。内容的には問題ないか。
【觀山委員】 全く問題ない。
【鶴田座長】 他に御意見はないか。
【青江部会長】 8ページ上のところであるが、10年程度を展望したときに、予算的な実現性はともかく、技術的な実現性の問題として「編隊衛星群観測」や、「火星等を対象とした継続的な近地球惑星環境探査」は、10年というタームの範囲内で十分に可能してもよいことなのか。
もう一つ、「木星を対象とした大型計画の開発において主導的な貢献」も、フィージビリティが十分にあると思ってもよいのか。
【JAXA(ジャクサ)(高橋)】 例えば、編隊衛星群観測は、前に説明したスコープ・クロスケールという具体的なミッションで、2015年程度に実現することを目指して研究している。編隊衛星群といっても、全部で四つ、五つが距離をとって動くようなもので、技術的な検討は十分に進んでいるというものである。
それから、近地球惑星環境探査は、火星等ということになるが、それについて「行う」と書いてしまうと少し強いかもしれないが、技術的なフィージビリティや、コミュニティの人たちがどのような研究しているかについては、リーチの中に十分あると思う。
それから、木星を対象とした国際大型探査計画は、もう少し先の話ではあるが、大きな国際計画を国際的な舞台の中で検討して、日本がその中でリーダーシップをとって推進するということにおいては、しっかりとしたフィージビリティの下で記述されていると理解している。
【青江部会長】 「行う」が少し強いということは問題ないか。
【JAXA(ジャクサ)(高橋)】 そこは少し検討させていただきたいと思う。
【鶴田座長】 私の印象でも、フィージビリティは技術的にはある。しかし、様々な別の要因で、本当にこの10年の中でできるかということは、別問題であると思う。他に御意見はあるか。
【板谷審議官】 行えることと行えないことについて議論があったが、例えば先ほどの8ページの宇宙環境利用の学術研究に関して、確かに「宇宙における生命の起源に至るまで」ということを目標のところに記述しているから、具体的なミッションとして、そのようなことができるのかという印象が強いと思う。例えば、太陽系探査科学の場合、長期的な目標としては、7ページにあるように「惑星、恒星、銀河スケールに共通な宇宙の普遍的物理現象を解明する」が、大きな目標としてある。生物に関しても、同じように、生命のことは大きな目標として書き、辿ろうとする研究の具体的に行うことを目標として、書き分ければよいと思っているが、そのような理解でよろしいか。
【浅島委員】 宇宙の発生と生命の発生は別なものであり、これを同じ文章で通そうとすると誤解を生み、様々な意味でライフサイエンス全体の流れとは違うものになると思う。したがって、ここで生命の起源ということ記述すると、宇宙科学の本当の圏外生物の一部になってしまい、UFOのような非科学的な科学を宇宙科学が行うのかととられるので、この辺はしっかりとそのようなものを分けておく必要がある。今、ゲノムが分かってきて、生命の起源のかなりのところまで行き着いている。しかし、この記述は、UFO研究を行うというように読み取れないこともない。したがって、生命の起源を圏外に求めるという記述は誤解を与えて、ライフサイエンスや宇宙科学の全体にとって余りよくないと思う。むしろ人間が、或いは様々な生物が外に出て行ったときの宇宙放射線を影響や、或いは人間の老化に対して重要な知見を与える。それから、外から見て地球はだんだん壊れているかということを、宇宙科学を行うことによって明らかにされることを出すことが、このミッションであると思う。
【板谷審議官】 そのとおりであると思う。
【河野委員】 個別の点ではないが、このような文章ができるプロセスの中で、例えば、恐らく、今のような宇宙の中での生命の起源を考える人はいると思うが、そのような人たちは、浅島先生の考えるような生物学の主流で行っている方とは、少し意見が違うことを考えている。そのようなものが、この文章に反映されているから、科学全体のところから見ると、少し違うのではないかということになる。実際に実施されている方々が、ある種の願望を込めて、これから5年、10年でこのようなことを行いたいというものも、どうしても出してくるが、それをそのまままとめてしまうと、全体の科学の中で見たときに常識と少し違うのではないかということが発生する。その意味では、私は全体に少し書き過ぎであると思う。
例えば、太陽系の起源が解明されるようなことが書いてある。もちろん全体の非常に根源的なことを解明するところの一つのステップになることは間違いない。しかし、同じことを地上から観測している人や、理論的に行っている人もいる。宇宙で行うことというのは、そのような全体の科学の歩みの中の一部を担う。もちろん重要な一部ではあるが、それを主体的に行っている方たちは、どうしてもそれが一番大事と思って、他の人たちの行うことに比べると、我々の行うことが物凄くディサイシブであると考えられることは理解できる。それに何となく流された文章が、浅島先生のように違和感を呼ぶことになるのではないか。
これは難しい。つまり、そのような主体的に行っている人の意欲があるから初めて、競争でもっておもしろいことを何とかやろうとして行うという面もあるので、このようにいろいろ書きたいのは分かるが、何年かに一度、全体を取りまとめて、長期展望として文章にするときは少し抑えて、科学全体から見て無理のないものにする必要がある。
【鶴田座長】 多分、これは背景にサイエンスのコミュニティがあり、そのコミュニティと宇宙に少し広げた学会のようなものとの間の意思の疎通が少し悪かったりすると、先ほどのような問題が出るのかという気がするが、この辺は、今、特に問題であるということがなければ、とりあえず、次に進みたい。
【青江部会長】 今の生命科学のような御議論があれば、どんどん出していただき、周りの人がもっともであるというようにしっかりと記述して欲しい。
【浅島委員】 極端な言い方をすると、これを書く以上は、日本の宇宙科学はどのようなものを目指しているか、国民も分かることが必要である。そうすると、例えば、第3次科学技術基本計画の中に、ライフサイエンスでは、五つのキーワードがある。ゲノム、がん、安心・安全、食糧の問題、それから高齢化の問題がある。このようなものに対して、宇宙科学がどのような貢献をするのかということが必要である。
今後5年間における問題に対して、宇宙から見て安全・安心もでき、生物の多様性も含めて理解できるということや、人間の社会の老化や脳の科学についても、宇宙に行くと中性子が飛んできて、脳科学の活性化など、様々なことが起こる。そのようなものを書いておけば、宇宙科学は我々として同じような仲間で、さらに進むものということが見えて皆が啓蒙され、かつ関心を持ってくれる。しかし、できないことを書いておいて、いつまでたってもあの分野はどうもうさん臭いと言われてしまうことは避けたいと思っている。
【鶴田座長】 時間的には多少余裕はあるので、修正することはできると思う。どのようなプロセスで修正するのがよいか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 我々としても、正直なところ、宇宙環境利用科学の内容について、十分なフィードバックがとれていなかった部分があるように思うので、時間的に少し余裕があるのであれば、ここについては少し検討させていただきたい。
【鶴田座長】 それでは、事務局と相談していただければと思う。
それから、他の分野でそのような問題はないか。
【JAXA(ジャクサ)(高橋)】 他の分野では、天文台のコミュニティ、惑星観測の大きな学会等のグループと一緒に内容を検討してきている。去年に機構の中で今後どのような方針で進めていくかについて、各大学の若手の研究者等を集めて横断的に議論した内容が込められており、その分野については十分であるが、御指摘の分野は残念ながらちょっと力が及ばなくて、生命は非常に大きな母体が日本にあって、そこの分野の方と宇宙を統合した形で意見を吸い上げるような時間的余裕がなかったということもある。今のご指摘については、宇宙科学研究本部の中にも、それに対応する委員会があるので、そこで特にライフサイエンスの部分とどのように関係するかについて、広い学会分野の方に、しっかりと意見を吸い上げていただくことが必要であると思う。
少し補足したいが、X線天文学、赤外線天文学、或いは惑星ミッションというようなプロジェクトで進めていくというものと、宇宙環境利用科学のように、非常に多くの人たちが集まって、場を設けて科学を進めていくものとでは、進め方や意見の吸い上げ方に差異がある。JAXA(ジャクサ)として、それらの違いをうまく扱って、それぞれの宇宙科学を第3次科学技術基本計画という国の中で大事であるとされているものに対して、どのように関連付けていくかということは、これからの推進体制の中において改善しなければならないと認識している。後半の部分にあるが、推進体制に関する記述には、そのようなことをしっかりと書き込んであるので、そこについての御指摘であったのではないかと思っている。
【鶴田座長】 この内容に関しては、必要に応じて修正をしていただくことにしたい。あまり時間はないので、多少急いで作業をしていただかないといけないと思う。
【河野委員】 宇宙観測は相当国際的な競争下にあって、どうしても、新しい場所で新しい観測機器により行うという面が強く、早い者勝ちのところがある。記述されている内容は、ほとんど、日本の中で閉じていて、日本が今後何年で何を行うかについて書いてあるが、もしかすると、かなりのものがNASA(ナサ)やヨーロッパに先を越されてしまうかもしれないし、場合によるとNASA(ナサ)やヨーロッパと共同することによって、一番早いところに位置するかもしれないなど、様々なケースがある。
しかし、この内容には、そのような観点が全くない。もちろんこれは日本政府に出すような報告書であるから、必要ないかも知れないという気もするが、実際は国際的な大競争がある。例えば「はやぶさ」の場合は、NASA(ナサ)は、しまったと思っているに違いない。日本から外の世界は何もない前提で、記述してよいものかと疑問に思う。
【松尾部会長代理】 具体的にはどのようなことであるか。
【河野委員】 ほとんど全部の分野に関係すると思うが、例えば「太陽系諸天体の構造と起源を探る」では、例えば月はNASA(ナサ)の積み上げが凄いため、「SELENE」が行っても、それを超える成果がどれだけ出せるのかは非常に難しい面がある。例えば、水星や火星の場合もそのようなことが発生するし、そのような種類のことは恐らくこれだけではない。物理学的な宇宙の観測は、全てそのような競争にさらされている。
【鶴田座長】 競争にさらされていて、それで勝てると思って行っているのが、JAXA(ジャクサ)の宇宙科学本部であると思う。「SELENE」もそうであると私は思っているが、JAXA(ジャクサ)としてはどうであるか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 今のことについては、この報告書の中から読み取れなかったとすると少しよくないかもしれないが、すべての計画は国際協力の下で行われていると言える。したがって、最初に、JAXA(ジャクサ)における宇宙科学研究だけではない宇宙科学研究の推進は、国際的な動きについても含まれているという理解である。したがって、日本がその中で、ある役割を果たしている一つ一つの計画の中には、そのような役割分担も含んでいる。ここに書き込まれてものに、全て国際協力が入っている。例えば「SELENE」では、アメリカが次にLROというものを立ち上げていくときに、「SELENE」が果たす役割にアメリカ側も大きな期待を持っている。そのことは、ここへは書き込まれていないと言えばそうであるが、背景には全てそのようなものが入っている。
【JAXA(ジャクサ)(高橋)】 文章にあるものでは、例えば、国際天文衛星では、完全に2国間或いは3国間共同で製作しているものである。それから、大型国際計画では、例えば日本が20パーセントぐらいの役割を持ってグローバルな視野でやるようなものという意味で20年以降進めるていということの記述がある。しかし、そのように読み取れないというのは少し問題と思う。今、特に天文或いは物理では、単独で行うことはほとんど不可能な状況になっている。お互いができることを持ち寄って実施するという形になってきている。後程説明のある国際協力の推進体制では、その位置づけをしっかりと書いてある。したがって、ここはその前提と読んでいただいた方がよいのではないかと考えている。
【松尾部会長代理】 河野委員の意見は、別に国際協力を行うことが必須であるという御意見ではなかったような気がする。私は競争まで考えても、意義のあるミッションであるのかという質問であると聞いたが違うのか。
【河野委員】 例えば「太陽系諸天体の構造と起源を探る」で、長期的目標には何を調査し、何を調べ、計測を行い、リモートセンシングで、その起源と進化を解明すると書いてある。しかし、実際はこのようなことは国際的に様々なところで、様々なことを行って、その中の一つの役割を日本の宇宙科学が担当するのであると思うが、そのような観点がないと思う。つまり、世界における宇宙科学の枠組みの中で日本が占める位置はどのぐらいかということであり、それが圧倒的に大きければ、そのことは全然考慮する必要はないが、国際の方が大きくて、日本の役割が余り大きくないときに、ここに「太陽系諸天体を調査し、その起源と進化を解明する」と書かれてしまうのは、少し大きなことを言い過ぎているような気がするという意味である。
【松尾部会長代理】 それは、「重点分野選考に関する基本方針」というところで幾つか書かれている。例えば、「重要な科学目標を有していること」や、「国際競争と協力の中で、我が国の独自性と特徴が明快であること」が条件であると書かれている。今の河野先生の御意見は、それをもっと明快にするため、その特徴に定量的な指標が必要であるという意味であるのか。
【河野委員】 そうではない。これは科学に関しての報告書であるので、科学的な考えでの視野を持たなくてはいけないというのが私の言いたいところである。予算を獲得するために、このような事業を行いたいというものではないと思っている。そうすると、様々なサイエンスを宇宙で行う。そのときに浅島委員が言われたようにサイエンス全体としての見地も必要であろろうし、世界中で行っているサイエンスの中で、日本のコミュニティが占める位置がどのぐらいであるのかという種類の観点も欲しいと思った。しかし、そのようなものはこのような報告書に馴染まないかも知れない。
【鶴田座長】 太陽系探査科学という中で、世界が何を行っていても、日本が何を行うかという観点が必要であるということか。
【河野委員】 必要であるというのは言い過ぎかもしれない。そのようなものが余り見えないと感じたので意見した。
【鶴田座長】 私の理解では、当事者グループは真剣にそれを考えている。つまり、河野委員が言われたように日本はその分野でメジャーではない。したがって、どうしても間隙を縫うというプロセスが入ってくる。それと全体的な考え方をいかに調和させるかということに非常に苦労されていると思う。その現れが、書き方が少し散漫に見えるというところがあるのかもしれないと思う。
【松尾部会長代理】 例えば、太陽系の探査では、「構造と進化の過程を解明する」が一番最上位にあって、その後いきなり小天体に行くことになっており、その間を繋ぐ何かが見えていないというところが一番わかりづらい話で、最初の目的からシナリオは出てこない。そこで何で小天体に行き、どのようになるという話があれば、今の河野委員の質問に対する間接的な答えも、そこに含まるかもしれない。結果としてこれが筋道であると具体的なものが出てきた後、結果論としては言えるが、少し抽象的で、先ほど觀山委員が言われた意味で筋道について問われると、少し見えづらいという気がする。
【鶴田座長】 これに関しては、大体議論された内容は把握されたと思うので、先に進んでもよいか。10ページの「4.プロジェクト実施方法」から、事務局に説明をお願いしたい。
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資料4−1−2「独立行政法人宇宙航空研究開発機構における宇宙科学研究の推進について(案)」に基づき、報告案の第二章の「4.プロジェクト実施方法」から後半部分の概要について、笹川参事官付宇宙科学専門官より説明があった。 |
【鶴田座長】 今のところは、様々な重要な考え方が出ている。
【北原委員】 今日のバージョンと、前にいただいたバージョンでは、「重点研究分野の推進に係る方策」のところで、前のバージョンでは「宇宙環境利用に関する学術研究に関しては、回収型衛星ロケットを用いて、定期的な微小重力実験機会の提供を検討する」という条項が入っていたが、今回抜けているのはなぜか。
【笹川参事官付宇宙科学専門官】 ここについては、先ほどの分野ごとの研究を御紹介した宇宙環境利用における学術研究の中で、「国際宇宙ステーション、大気球及び観測ロケット、衛星等による定期的かつ多様な実験機会の拡充を推進し、この分野の一層の発展に資する」と記述しており、8ページの にすべて集約させていただいている。
【北原委員】 了解した。それでよいと思う。
【鶴田座長】 他に御意見はないか。
【河野委員】 計画部会の際に、情報通信研究機構の方と話したことであるが、彼の機構は、再編成することによって、様々に変わったことがあるが、一つ変わったのはファンディング・エージェンシーであるということであった。これは、今の7番の「宇宙科学に関する基礎的研究開発の推進」に該当することを、研究資金を大学の研究者から公募を受けて、審査をし、経費を支出して研究を進めること実施している。それにより、非常によくなったということであり、宇宙航空研究開発機構でもそのようなことを実施するとよいかもしれないと言われていた。確かに言われてみると、NASA(ナサ)はアメリカにおける巨大なファンディング・エージェンシーである。今までそのような議論がなかったが、そのようなことは、宇宙航空研究開発機構では考えていないのか。
【鶴田座長】 このことについては、実績はあるのか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 非常に小さなレベルであるが実績はある。それについてもう少し様々なことを考えていくということは、これから検討することになると思う。
【河野委員】 ここに記述して、そのために経費が要るということではどうか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 現実には、JAXA(ジャクサ)の中で大学と連携を強めるような様々なことの中に、大学側の宇宙開発へ貢献していただく部分について、ある種の資金を用意するということは検討の一つとしては考えているが、ここへそれを記述することについては、まだ少し議論が必要であると思う。
【青江部会長】 ファンディング・エージェンシーの役割を果たせるかどうかについては、かなり本質的な議論であると思う。旧ISASの仕事の進め方がプロジェクト研究を軸にして行う。それで、大学共同利用機関としての機能をもって、多くの周辺の大学の力を結集した形で行う。そのように、プロジェクトでそこへ集合させ、力を結集する。そのやり方とファンディング・エージェンシーの仕組みは少し違う。ファンディング・エージェンシーは、どちらかというと、かなりスモールな課題に、かなり広範に大学の力をつけさせる。どちらを軸に持っていくのかをしっかりと整理しないと、軽々には、旧ISASの仕事の中の一部にファンディング・エージェンシーの機能を置くという判断というのは、なかなか難しいと思う。
【鶴田座長】 今の議論は、次の第3章の14ページの「大学等研究機関の主体的な活動を促進する機構の新たな取組」で多少関連した記述があるので、そこで議論したい。他に御意見あるか。それでは、「宇宙科学研究の推進体制」12ページまで今終わった。第3章について事務局に説明をお願いしたい。
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資料4−1−2「独立行政法人宇宙航空研究開発機構における宇宙科学研究の推進について(案)」に基づき、報告案の第三章の「宇宙科学研究の推進体制」の概要について、笹川参事官付宇宙科学専門官より説明があった。 |
【鶴田座長】 ここも重要な説明があるが、御意見はあるか。
【觀山委員】 (1)13ページの「2.機構による宇宙科学研究推進体制の強化、改善」に、「さらに、機構自身における研究者の自主性・自律性を基本とした管理運営、及び人事上一定の自主性を保障するシステムとして、「宇宙科学評議会」及び「宇宙科学運営協議会」が置かれている」と書かれている。そのような面ももちろんあるが、ここは共同利用の非常に重要な根幹なので、大学共同利用機関としての役割に関する記述がないのは困る。
【鶴田座長】 確かに重要なことが抜けていた。他に御意見はないか。
【觀山委員】 それから、14ページに諮問評議会のことが書かれており、宇宙科学評議会のことも書かれているが、結局、これは宇宙科学評議会を理事長直属の諮問評議会に発展的に移行していくということなのか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 様々な考えがあると思う。「拡大していくことが望ましい」というのは、少し強いかもしれないが、宇宙科学評議会の持っている機能は、大事なものである。しかし、機能としては、内外の研究者の考え方が入ってくるメカニズムを少し強化したいというニュアンスである。
【觀山委員】 14ページにある諮問評議会の記述に「国内外で主導的な立場にある優れた研究者により構成される諮問評議会」とあるが、非常に限定的である。つまり、「研究者」と書かれているが、学識経験者並びに有識者は、諮問委員会の中に入るのか。そのようなことからも、評議会とどのように切り分けされているのかが分からない。
【鶴田座長】 御指摘についてはよく理解できる。これはどのように対応するか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 少し再整理をさせていただきたい。
【青江部会長】 私も見損じていたが、研究者だけに限定するというのは、この性格論からして違うのかもしれない。そこが一つのポイントであると思う。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 そこは確かに再整理した方がよいと思うが、宇宙科学の全体の、先ほどからの説明のように、具体的にJAXA(ジャクサ)が実施しようとしていることに対して、広く内外の研究に関する有識者の方から、御意見をいただくことは大事なことであると思う。また、他の分野の有識者の方も入っていただくという意味には、少し違う面があり、そこは少し整理をしたい。宇宙科学のサイエンスの目標に対する部分と、宇宙科学とで二つあるように思う。宇宙科学に関する活動の外部評価は、これまでも、何年かに一度、しっかりと外部評価をいただいてきいる。そのような機能を、しっかりと示しておくという意味もある。それらが一緒に書かれているところについては、少し再整理した方がよいかもしれない。
【鶴田座長】 その他の観点で、御意見はあるか。
【北原委員】 似たようなことであると思うが、「 宇宙科学の中長期計画を議論する場の設置」についても、現在の宇宙理学委員会、宇宙工学委員会をさらに発展させるとともに、もう一つ何かをまとめる組織を設置すると読めるが、どのようなことなのか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 宇宙理学委員会、宇宙工学委員会、宇宙環境利用科学委員会には、それぞれの分野で大学との結びつきに様々な違いがあるので、今までの考え方はしっかりと残しておく必要がある。しかし、それらの違う分野からの様々な要望や提案を、全体としてJAXA(ジャクサ)が様々な考え方で、順位付けを行うことや、違った新しい考え方を入れることなども必要になるかもしれないので、今その対応として考えている新しい委員会である。
【北原委員】 先ほど議論した各重点分野4分野の工学研究のところで「上記の三つの科学目標の達成を支援する」と書いてある。したがって、工学と他の委員会との関係は、物凄く強くないといけないと思う。そのようなことを配慮していただきたいと思う。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 了解した。
【浅島委員】 3機関が統合時の統合した後の理念と、今の報告案との間に、ある面でプロセスが見えていない部分が少しあると思っている。今後どのようにして日本の宇宙科学を育てていくのか、皆が活性化できる仕組みはどのようなことであるかについて、様々な委員会や評議会が組織されているので、その辺の整理をしないと、どこが主体であるかが分かりづらいと思う。統合した中で、どこがどのような役割を担うというようなことを、もうちょっと整理した方がいいのかなという気がする。
先ほどの説明でも、旧宇宙科学研究所の流れもしっかりとある。しかし、旧NASDA(ナスダ)の中にも組織したということを少し言われていた。そのような状況で、どのようにしてそれらを融和させ、日本の宇宙科学を発展させるのかを示していかないと国民に見えないと思う。その辺、少しお考えいただきたいと思う。
【鶴田座長】 これは全体を通して言えることである。他に御意見はあるか。
【觀山委員】 15ページの「 大学等が機構のプロジェクトに参加することで達成された科学成果は、機構及び大学のどちらにとっても積極的な評価の対象とみなされるよう、広く基礎研究のコミュニティ全体に向け発信する。」は非常によい。大学は確かに評価にさらされていて、JAXA(ジャクサ)と一緒に行うことは非常に有効なことであるが、ある程度明示的に寄与を示さないと評価する時に使えないので、文章はこれでよいが、単純に論文だけを評価することにならない配慮をお願いしたい。
【鶴田座長】 ここまでのところについては、大体よろしいか。第4章について事務局に説明をお願いしたい。
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資料4−1−2「独立行政法人宇宙航空研究開発機構における宇宙科学研究の推進について(案)」に基づき、報告案の第4章の「大学院教育・人材育成の在り方」の概要について、笹川参事官付宇宙科学専門官より説明があった。 |
【鶴田座長】 第4章について御意見はあるか。
【河野委員】 「ノーベル賞受賞者などのリーダーのいる国外の研究機関に若手研究者を派遣する」という記述があるが、ノーベル賞受賞者は外した方がよいのではないか。分野によっては、そのようなものがないところもある。また、これは一つの価値判断であり、すべてがこれでよいわけではない。
【松尾部会長代理】 賛成である。
【鶴田座長】 他には御意見はないか。
【觀山委員】 長期的な目標と具体的な目標についてであるが、長期的目標というと、これだけかという感じがあるので、仕分けを少し工夫された方がよいと思う。
【笹川参事官付宇宙科学専門官】 御指摘のあった長期的な目標の中に、具体的目標も入っていた。ここは明示して分けるように整理する。
【鶴田座長】 他には御意見はあるか。
【浅島委員】 人材の育成について、拠点を設けることに対しては賛成であるが、JAXA(ジャクサ)の中に置くのか、或いは外に置くのかということが、これでは見えない。JAXA(ジャクサ)の中に作る方が本当はよくて、そこに人が集まるような仕組みを考えるのが長期的ビジョンではないかと思う。
【笹川参事官付宇宙科学専門官】 ここは機構の中に設けると伺っているので、そのように記述したい。
【本島委員】 人を育てるということは物事の根幹であるが、具体的に幾つか書こうと努力されているが、研究者関連の技術者という点では、キャリアパスをしっかり設ける仕組みを検討するような表現は是非入れていただきたいと思う。ただ、簡単にはできないし、既にできている部分を活用していくということになるとは思う。私は、ポストドクターのキャリアパスがないというのが今の日本の非常に厳しい現状であると思う。長期的に考えた場合には、非常に大事なことになると思うので、是非その点をお願いしたいと思う。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 言われたことは、そのとおりであると思う。これはJAXA(ジャクサ)の中で閉じない問題を含んでおり、どのように書き込むかは少し工夫をしたい。
【本島委員】 まずは、努力する姿勢を個々の機関で示されるというのが大事ではないか。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 了解した。
【鶴田座長】 それでは、最後、第5章を事務局より説明をお願いする。
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資料4−1−2「独立行政法人宇宙航空研究開発機構における宇宙科学研究の推進について(案)」に基づき、報告案の第5章、「宇宙科学研究による知的基盤整備への貢献」の概要について、笹川参事官付宇宙科学専門官より説明があった。 |
【鶴田座長】 データアーカイブ、公開など幾つかの概念が入っているが、御意見はあるか。
【觀山委員】 この内容は非常に結構であると思うが、ここに対する広報活動や、データアーカイブに関することについて、ある種のリソースの配分の目標を決めた方がよいのではないか。例えば、国立天文台は、1パーセントはPRにかけることを目標にして、実際にリソースを1パーセントかけている。何パーセントがよいかは分からないが、あるミッションについて、その中のある部分はPRやデータアーカイブというようにある程度目標を掲げておかないと、ミッションはどうしても衛星を製作することと一緒なるので、経費がいつも足りなくなる。皆さんの御苦労はよく分かるが、後のことも絶対必要なので、具体的なリソースの配分の目標を掲げることが必要ではないかというような記述があった方がよいと思う。
【JAXA(ジャクサ)(井上)】 書き込む工夫してみたいと思う。
【鶴田座長】 それでは、ここも含め、全体を通して、どうしてもここで言っておかなければということがあればお願いする。
【北原委員】 今のことと関連するが、広報に対するリソースの配分などの観点も入るように、宇宙科学に関する諮問評議会には、研究者だけではなくて、そのような視点を持った人を、入れた方がよいと思う。
【鶴田座長】 他に御意見はあるか。
【本島委員】 全体の構成に関することであるが、最初に「はじめに」があると、まとめが「終わりに」というわけではないが、第5章で終わっているので、この委員会としても何らかのまとめが必要なのではないか。それから、計画部会に報告するときには要約版が必要であると思うので、その辺を決めていただきたいと思う。
【鶴田座長】 そのとおりである。
【笹川参事官付宇宙科学専門官】 再整理したい。
【青江部会長】 「終わりに」を記述することはなかなか難しいかもしれない。
【鶴田座長】 確かに「終わりに」は難しいかもしれない。
【本島委員】 何らかのまとめである。
【青江部会長】 要約版は当然あると思う。
【本島委員】 第6章で何か書きたいことがあるのではないかと思うがどうであるか。いつもどのようにされているかによると思う。
【鶴田座長】 それについては、考えさせていただきたい。
【河野委員】 第1章で、「1.宇宙科学研究の目的」と「2.旧宇宙科学研究所から機構への統合後の取組」という分け方になっているが、2.の文章では、日本の宇宙科学が世界の中でどのようになっているかということがよく書いてある。私は2.と3.に分けて、国際的な中で日本の宇宙科学がどのような役割を果たしているかということを2番にして、3番は統合後の取組みのような分け方にするのは、どうであるか。つまり、旧宇宙研の時に、行ったことだけではなく、今も含み国際的な中でどうなっているのかということを記述すると、先ほど私の意見のようなことはしっかりと書かれているということになるのではないかと思う。
【青江部会長】 よいアイデアである。
【觀山委員】 これは宇宙科学ワーキンググループなので、この報告でよいと思うが、前回説明のあった宇宙探査と宇宙科学ということについては、どのように計画部会に上がっていくのか。
【池原参事官】 この後、今後の予定で御説明するが、1月29日に計画部会を行うが、その際は、この宇宙科学ワーキンググループの報告と、その後に宇宙探査について別途御説明いただき、全体で計画部会において御審議をいただく予定である。
【鶴田座長】 他にないか。大体主な議論は出尽くしたと思ってよろしいか。
今説明があったように、1月29日に計画部会に報告しなければならない。本日の議論を踏まえて修文を行うが、それを事前に委員の皆様に一度見ていただくという機会を設けたいと思う。
【池原参事官】 修正の仕方であるが、先ほど浅島先生からの御意見があったことについては、事務局から御連絡するが、先生の方で修文を少しお考えいただけるとありがたい。個々に御意見をいただいたものについては、事務局で修文案を考えて、委員と直接御連絡をとらせていただきたい。そして、JAXA(ジャクサ)でも再度コミュニティから意見を確認していただき、年明けに全体版を委員の皆さんにお配りをして、確認させていただきたいと思う。
【鶴田座長】 それでは、最後に板谷審議官から一言お願いする。
【板谷審議官】 委員の皆様方においては、御多忙のところ、4回にわたる本ワーキンググループに御出席いただき、本当に感謝する。大変貴重な御意見を多くいただいた。今日、報告をまとめるということで準備したが、本質的な議論、非常に重要な御意見を多数いただいたので、少し時間をかけて修正し、もう一度、委員の皆様に見ていただくという手続が必要であると思っている。宇宙科学のワーキンググループとして、計画部会に対してしっかりと審議した成果として報告をさせていただき、その報告を中心にして、今後のさらに長期的な計画へと反映させていきたいと考えている次第である。
私自身も初めてこのような議論に参加させていただいて大変勉強になった。宇宙科学の分野は、大きな位置づけを占めるとともに、大きな目標としての宇宙科学の発展が国民に対してどのように見えるかということを、しっかりと見てもらう必要があると思う。そして、我々自身がそのようなことを働きかけていく必要があると思っている。ワーキンググループは、ここで終わらせていただくが、御尽力賜った先生方に、また引き続き、宇宙開発全体に対して御支援をお願いしたい。
【鶴田座長】 事務局から何かあるか。
【笹川参事官付宇宙科学専門官】 参考として、計画部会の今後の予定について資料を用意しているが、このワーキンググループの報告書に関して、1月29日の第8回計画部会で御報告をいただき、同計画部会において探査についても御議論いただくことを予定している。
それから、本日配付している資料4−2の第3回のワーキンググループの議事録(案)は、既に照会しているところであるが、修正等あれば12月25日(月曜日)までに連絡いただきたい。
また、本日の第4回の議事録案は、年明けになるが、メールで照会させていただくので、よろしくお願いしたい。
【鶴田座長】 私も一言お礼を申し上げる。御多忙のところ、この委員会に御出席いただき、大変貴重な御意見をいただいたと思う。報告書としてまとめたものは、その中の一部かもしれないが、今、日本の宇宙科学はJAXA(ジャクサ)という体制で新しい飛躍を遂げようとしている中で、いただいた御意見が非常に参考になると思っている。今後も是非、宇宙科学、或いは宇宙開発全体に対して御協力、御理解いただきたいと思う。
それでは、これで閉会する。 |