平成20年7月25日(金曜日)14時~17時15分
文部科学省 16階 特別会議室
青江茂 (推進部会部会長) 池上徹彦 (部会長代理) 松尾弘毅 (委員長) 野本陽代 (委員) 森尾稔 (委員) 小林修 (特別委員) 佐藤勝彦 (特別委員) 澤岡昭 (特別委員) 鈴木章夫 (特別委員) 住明正 (特別委員) 建入ひとみ (特別委員) 中須賀真一 (特別委員) 中西友子 (特別委員) 林田佐智子 (特別委員) 廣澤春任 (特別委員) 古川克子 (特別委員) 水野秀樹 (特別委員) 宮崎久美子 (特別委員) 横山広美 (特別委員)
片岡洋 (文部科学省研究開発局参事官) 瀬下隆 (文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐) 笹川光 (文部科学省研究開発局参事官付宇宙科学専門官) 竹縄佳二 (文部科学省研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長)
井上一 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))理事) 齋藤宏文 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙科学研究本部ASTRO-Gプロジェクトマネージャ) 坪井昌人 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙科学研究本部ASTRO-Gプロジェクトサイエンティスト) 本間正修 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙利用ミッション本部執行役) 大沢右二 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙利用ミッション本部災害監視衛星プリプロジェクトチーム長) 滝口太 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙利用ミッション本部防災利用システム室長) 高橋忠幸 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙科学研究本部高エネルギー天文学研究系教授(ASTRO-Hプリプロジェクトチーム長)) 満田和久 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙科学研究本部高エネルギー天文学研究系教授)
JAXA(ジャクサ)から推進8−1−1に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。
一番最後の点なんですけれども、いわゆるコストを勘案しての一種のトレードオフと言いましょうか、いろいろな選択肢の中で、コストミニマイズをはかりつつ、信頼性、それからミッションの達成、ここのトレードオフをすべての側面にわたって、ずっとやっておるんだというふうなお話だと思うんです。そのトレードオフのプロセスが、今までの、ここの場に提出されました資料の中には明らかになってなかったんで、こういうふうな御質問が出てきたんじゃないかと思われるんです。
二つほどの事例を挙げていただいて、一種のトレードオフをきちんとやった上でミニマイズをはかっておるんだという御説明だったわけでございますけれども、JAXA(ジャクサ)の予算というのは、実態問題どうも私が思いますに、そんなに潤沢ではなくて、1個のプロジェクトは資金の制約が相当厳しい状況に置かれた上で現場の方々が御努力なさっておるというのが、私の実感と言いましょうか、感じなんで、相当シビアなトレードオフというのがなされておるのかなという印象は持っておるんでございますけれども、御質問なさった方を含めまして、お聞きになって、どんな感じなのかというところなんですが。
こんなところで追加質問に対する御説明については、よろしゅうございましょうか。
では、それで勘弁していただきまして、次に事務局の方で皆様方の御意見を集約した形で、こういう形で整理してはどうだろうかということが原案として出されてございますので、まずはそれにつきまして、事務局側から説明をお願いいたします。
事務局から推進8−1−1に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。
ちょっと私から1点聞いてよろしいでしょうか。リスク管理の中の国内外の、いわゆる支援と言いますか、連携と言いましょうか、協力機関。これが一つのリスク要因としてあるわけですね。この中にも、外的要因のマネジメント能力が重要であるという御意見もいただいておるんですね。要は、確かにそこに大きなリスクがあると言いましょうか、海外——NASA(ナサ)の予算はもう難しそうだとか、もうばたばたと、いわゆる連携の相手方の予算が全滅とでも言いましょうか、そういうことだってあり得るわけですね。
そういったことにならないようにという、外的要因のマネジメント能力というのは、何をすればいいのかなと。丁寧に、NASA(ナサ)と一生懸命仲良くするだけのことなんですか。
なかなかお答えが難しいことですけれども、まさに丁寧という言葉のいろいろな意味があると思いますが、我々からは、NASA(ナサ)側のいろいろなルートで、あるいはESA(イサ)のいろいろなルートで、ふだんから、例えばNASA(ナサ)とかESA(イサ)とは年に1回ぐらい、向こう側の科学系の担当者と我々JAXA(ジャクサ)側の関係の担当者が一緒に協議をする機会を作りましたり、研究者レベルでもいろいろな国際会議の機会にいろいろなルートを作っていたり、そういう努力はしております。そういう意味がマネジメントというものなのかどうかわかりませんけれども、そういう努力を常日頃から行っております。それから宇宙科学研究本部の中に、もともと国際担当のようなものを置いてまいりましたけれども、その辺の体制を強化することもしております。
相手側がいることですので、これはマネジメントという部分と、それからそこがうまくいかなかったときにどう考えるかというリスク管理の部分と、両面あると思います。
一つつまらないことで、御説明あったのかもしれませんけれども、超根元って何ですか。
日本語がおかしいんじゃないかという指摘はいっぱいありますが、ジェットベースという言葉がありまして、それを訳して、要するにジェットの発生している、できている部分を指しています。
どうも、それ、超というイメージと合わないような気がするんですけれども。
若い人たちは、みんな、これで通じるみたいなんです。
先ほどの外的マネジメントについて、この機会ですから、一つお伺いしたいんですが、文部科学省の予算の仕組みとして、外国に資金を提供するということはあり得るんでしょうか。
例えば外国の上げる衛星に日本が開発して、センサを提供するということはしばしばしておりますけれども、今のようなお話ですと、ある意味、アメリカなりヨーロッパに望遠鏡を置くということが、センサの提供というふうにとらえることもできるわけですね。ですから、例えばアプライドオポチュニティーのようなものを発信して、よいプランを募って、こういう望遠鏡を立てたいというようなプランに対して日本が資金を提供するということはあり得ない話ではないと思うんですが、予算の仕組みとして、そういうことは可能なんでしょうか。
多分、予算の仕組み上の問題としては、方法論としては不能ではないという気がします。会計法上の問題としましてですね。不能ではないような気はするんですが、今、JAXA(ジャクサ)の実施部隊の方は、それはそれでせっかく外国が資金を持ってくれようと言っているんだから、それでやってくれよと、おれたちはやりたいことをやるとでも言いましょうか、もったいないと言いましょうか、そっちの方が先に立っているんだと思うんです。
それでリスクマネジメントと言いましょうか、仕組みとしましては、先ほどちょっと言いましたように、連携先の予算が全滅したと。どこの機関もとれなかったというのが、最悪のケースです。そのときでも、自分のお金でもって、非常に簡易の地上局をつくるとか、そういったふうな手を打ちながら、いわゆるダメージを少しでも少なくするというのが、多分ダメージコントロールなんでしょう。多分そういう方法で相手機関にあげるというよりは、例えば相手機関の敷地に土地を借りて、自分が欲しいものを建てるような方法でもって、対応していこうと今は考えておるんじゃないかと思いますけれども。
ちょっと補足させていただきます。
これまでも日本側がお金を出して、NASA(ナサ)側に受信をお願いしてやっていただいたということもありましたし、アメリカ側のあるグループに、部品を買うのと同じような考え方で、こちら側からお金を用意して、装置の一部を用意してもらい、向こうの研究者もこちらの研究者と一緒のグループに入っていただいて、共同開発を行ったことはございます。青江部会長のおっしゃったとおり、連携先で予算を用意してもらう試みをいろいろやってみて、最後はこれしかないというようなところに、そういうやり方をすることはできます。
はい。ほか、いかがでございましょうか。
それでは、これはこれで、この評価結果書でもって、御了解いただけるということでよろしゅうございましょうか。
はい。それでは、こういう形で委員会の方に報告をいたしたいと思います。よろしいですか。
JAXA(ジャクサ)から推進8−2に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。
情報収集衛星との関連を、たしかあれが導入されたときに、必ずしもここで情報収集だけではないという議論をされたことがあって、災害監視の場合に使われるとか、いろいろな話が、僕の記憶では多分文章が残っていると思うんですが、この災害衛星に関して、その辺の整理と、あれも4機体制で飛んでいることもありますので、何らかの意味でこれを災害監視に際しては、そこの総括と今後の位置づけというのは整理された方がいいんじゃないかと思うんです。
そうなんです。あの閣議決定のときには、そのまま多目的ということでなされたというのは、そのとおりで、まさにご指摘のとおり、実際の運用といいましょうか、撮られたデータがどう使われているのかということにつきましては、あの衛星の性格からしまして、非常によくわからない。
したがってその状態と、これをどう整理をするのかは、何分にもこっちがそういう状態なわけでございまして、こうですという整理が非常に難しい。ご指摘は非常によくわかるんですが、相手がそういう状態なものですから、少しきちんと……。
部会長の方から、おまえら何とかせいというようなことを、少しぐらい言ってもいいんではないかと、僕は感情的にはずっと思っていて、何でも情報制約で、何かおもろないと、地球観測で関与している人はみんな同じように思っているわけですので、少なくとも何か物申してきてほしいなとちょっとそんな気がしたので。
わかりました。宿題として受け取らせていただけますでしょうか。
質問よろしいですか。
どうぞ。
今、お話を聞きますと、やはりこれを有効に生かすためには国際協力が非常に重要だと思います。そうしますと、この衛星のデータ取得のための、地上局というのは日本だけにあるんでしょうか。それとも、外国といいますか、例えば地球の裏側で撮った画像を、どのようにアクセスできるんでしょうか。
国際協力は必要だと考えていますし、現在、ALOSでは、国際災害チャーターという形で宇宙機関が連携して、画像の提供、お互いに出すという動きをしています。ALOSは実際、データ中継衛星がなくても運用できるようにという発想もございまして、データノードということで、世界地図をわりと分割した形で、リージョナルに直接受信できるような体制にしています。この衛星につきまして、今後どうするかについては、引き続き検討だと考えています。
あと、日本の画像を提供する場合もありますし、例えば私、3時間というのにかなりいつもこだわっているんですけれども、そうしますと外国の衛星が撮った画像を速やかにもらう。そうすると外国との協定も必要でしょうし、それに対してデータの受信装置といいますか、そのあたりも必要だと思いますけど、何か具体的な計画といいますか、現在どこかで進んでいるということなんでしょうか。
まず、今提案させていただいている海外の3機というか、3つの機関でございますが、こちらにはこれまで2回調整をさせていただいておりまして、まず一番最初はそういう関係ができるかというところから始めておりますが、今残っている3機関については、かなり前向きな形で宇宙機関として対応したいという意思表明をいただいておりますが、具体的にどこの局にどう下ろすかというところまでの話には、まだ至っておりません。それはこれから具体的に詰めることが必要だと理解して、課題にしております。
わかりました。もう1つだけ、よろしいですか。
どうぞ。
観測幅なんですけど、70度と申しますか、あれは結構大きな数で、それが観測の前提となっているということなんですけれども、70度はデータが問題なくとれるというのは、実証済みなんでしょうか。
実証という意味では実はできておりませんが、「だいち」のパルサーで60度までの実績はございます。「だいち」の場合は60度ですと、やはりだんだん画質が悪くなってきている状況がわかっておりますので、それで70度までさらに伸ばすということで、デュアルビーム化することで画質の改善を図るという形で、現状対応をしております。
はい。わかりました。
ほかはいかがでございましょうか。
2点ほどありまして、1つはいわゆる災害監視衛星の利用コミュニティーというのが、この機会にできるんだろうかというのが一つ気になるところでありまして、つまり上がった衛星をずっと使い続けていくという主体なる組織が、せっかくこういう機会があるので、できればうれしい、できるべきであると考えるんですけれども、今回いろいろこの検討をする中で、たくさんの組織が集まって検討されてきました。これがこれからずっとスタンディングの組織として残って、ロードマップ的に、次の世代はこういう災害監視が要るよということを研究していく、あるいは検討していくというのが残っていくんだろうか。あるいは残っていかないといけないんじゃないかと思うんですけれども、その辺についての見込みはいかがなんでしょうか。
ここに製本で防災のための地球観測衛星とシステムの云々という検討会の報告書がありますが、これは終わったわけではございませんで、今はもう年1回ペースでやっていますし、今後、このシステムが本格化していくに当たって、もうちょっと格の高い協議会にしてはどうかという意見もいただいているところでございまして、推進8−2で後ろの方に、私がこういった方々と実証実験をやっていますといった表があったかと思うんですが、その方々とも常に今も連携しておりまして、特に内閣府の防災担当さんにおかれましては、衛星画像を向こうで使うためのシステムを立ち上げていまして、衛星画像を取り込んで防災活動に使っていかなきゃいけないという動きはありますので、もっともっと国として高めていただければと思っております。
そこはすごく大事なところで、そこにできれば研究者がたくさん入ってきて、次は何があれば何がわかるかということをずっと研究していて、それが次のセンサなり衛星に対してのスペックを提案していくという組織を、ちゃんと作らなきゃいけないんだろうなと思っておりますので、是非その辺を、この機会を機に整備していただきたいなと。それと……。
今の点は、多分、JAXA(ジャクサ)がというよりは、役所ベース。この防災の、いわゆるユーザーというのは、ほとんどは役所なわけでございますから。防災当局といいましょうか、ずらっと並んでいる各省庁にまたがっている非常に多様な役所、部局。ですから役所が中央防災会議等とよくお話をして、どういう移行の体制を作っていくのか。JAXA(ジャクサ)の問題というよりは、役所の問題でしょうと。
宇宙利用推進室の竹縄でございますが、まさに役所の問題ととらえておりまして、今回、推進部会にこの衛星プロジェクトを出させていただく前に、各省庁すべて回りまして、それぞれ具体的な意見をいただいております。そういった取り組みをこれからも休みなく続けていきたいと思っていますし、その延長線上に、もう少ししっかりした利用体制なりができてくるように努力したいと考えております。
よろしいですか。
もう1点だけ、いいですか。
今のに関連して。
すいません、今のに関してですけど。
私もそうです。
そうですか。じゃあ、先どうぞ。
私は室長の発言を全面的に支援したい。実は私もユーザ省庁にいろいろ当たってみたんですけど、どう使っていいかわからないというのが、実は正直なところである。先ほど彼らの要求に従って衛星を作っていると言ってましたが、彼らの要求は必ずしも正確ではなくて、彼らがいうには、精度は高くて広く見えればいいよ、雨が降っているときも見えればいいよというといった程度です。どう使うかということを、もう一度委員会で議論してほしい。これは打上げが24年ですからそれを目指して、関係ユーザ間できちんともう一度再検討することをお願いしたいと思います。
もう1点、今のに関係しています。例えば小型衛星に搭載する、いわゆる小型のSARというのが要求を満たしていない。当然それは小さくなればだめなんですけど、例えば、先ほど出た10メートル以上になるとユーザー要求を満たせないとか、それから観測幅が5分の1になってしまう。これはいわゆる物理的な制限から来る話なのか、現状の技術から来る制限なのか。どちらであるかによって大分話は変わってくると思うんです。これはどっちなんですか。
いわゆる原理的に本当にできないのかというのが、実は今のSARの設計技術の範囲だとできないという言い方の方が正しいのかなと。先ほどのデュアルビームとかも、今まではあまり使われていなかった技術なんですが、そういった形で別の設計技術が出てくると、もしかしたら解決できるのかもしれないんです。そこは、まだ私自身もわかっておりません。
つまり、将来こういう小型衛星でやることが必要になるんだということであれば、例えばそういう今の技術ではないところを目指していくことも、長期戦略としては必要になってくるわけですよね。だからそういうロングスパンで物を考えていかないと、今ある技術だけでできるものを作って、そうしてものすごくでかいものができちゃったというのではなくて、ロングスパンの中で今何をやるべきか。今をやりながら、次にこういうのが要るから、こういうのを開発していくということも含めたコミュニティーを、作っていかなきゃいけないということをさっき申し上げたかったんです。それを是非お願いしたいなと思います。
ちょっとロングスパンの話ということで関連して、海上に流出した油膜がはかれるというのがありまして、私はこれはものすごく可能性があるんだろうと思うんですけれども、どの厚みまではかれるのか、一番薄い限界は何が決めているか、あるいは油膜の厚みまで測定できるかとか、いろいろなことがあると思うんです。そういうことを、今、中須賀先生がおっしゃったように追求していくと、次のものあるいはさらに次の次のものというのが、もっと利用範囲が広がると思うので、是非そういうところを取り込んでいただければと思います。
それからちょっと簡単な質問なんですけど、SARの分解能が上がるというのは1つのセールスポイントですけど、ここを分解のモードで1から3メートルと書いてあります。1から3というのは、1とは言えないんでしょうか。
1から3メートルと申し上げましたのは、いわゆる写真でいえば画素とかピクセルといっているものの単位が、どうしても1掛ける3メートルという状況になってしまうというのが、現状の電波法上の帯域で決まる部分がございまして、そちらが衛星の進行方向と直行する方向の分解能が、85メガヘルツという帯域で制限されておりまして、そこはどうしても3メートルが限界になっている。進行方向の方は、スポットライトという別の技術を使いまして、1メートルまでは高めることができている状況でございます。
よろしいですか。技術開発という点でどうかという話なんですけれども、私も実はこの説明だけを聞いていますと、よくわからない部分があります。本日配付されている1枚紙のものがありますが、これは今日お休みになっている経団連代表である栗原委員のメモです。これによれば、企業側は、24年に打上げということで時間がまだあるということで、技術的にも非常に高度なものを作っていこうという強い意思を持っており、それを飛行実証してもらうためにも、今回のSAR衛星に非常に期待しているとあります。
できれば4時まで、災害監視衛星の議論を少し、御質問をお受けして、もう1つ議題がございますので、一応そこで……、はい。
先ほど、ニーズを踏まえているかどうかについて、もっと議論が必要だという意味のことを池上委員がおっしゃったので少し気になったことがあります。日本国内では、いろいろな省庁間で議論するのは難しいかもしれませんが、話していけば方向性が出ると思いますが、海外の場合はどうなのでしょうか。先ほど四川省の地震のときにいろいろデータを渡して非常に感謝されたということは言われていたのですが、衛星で撮れるからその画像を提供することは判ります。ただ、例えばインドネシアなどの発展途上国では、本当に災害時に必要なニーズは何かということについて、もう少し開拓しておくべきではないかとも思われます。衛星画像を受けるために、その国でどのくらい人や資源を割くのがいいのか、もっとほかのニーズがあるのではないかとかいうことは、国によって違うようにも思われます。
ですから国内のニーズはこれから議論されるように受け止められたのですが、特に海外において、場所場所でどういうニーズが必要なのかをどう議論していくのかも考える必要があるのではないでしょうか。災害時に衛星画像も得られるということはもちろんいいこととは思われますが、単に撮れたものを渡すのではなく、やはりニーズに合ったものを提供できるような議論をしていただければと思います。
すいません、今、ニーズに合っていないと言いましたけど、ニーズが把握できていないとおっしゃったんじゃないですよね。といいますのは、最初はあれですけど……。
私が申し上げたのは、各省庁がもちろん責任を持ってやらないといけないんですけど、彼らがこれを使ってどうしたらいいかということが、まず十分理解されていないということを心配しています。日本では陸上の防災関係のシステムがすでによくできており、このままでは衛星がうまく使われない可能性があります。
ここで説明が十分じゃなかったんですが、Lバンドを使いますと、森林では能力を十分発揮できる。先進国は森林はあまりないですけれども、森林がたくさんある東南アジアやブラジルでは非常に有効である。その辺について多分いろいろ検討はされていると思うんですが、あまりそれを言うと、海外はともかくまずは日本に役に立つものと言われるのであまり強調されていないと思います。
僕もちょっとよくわからないので、各省庁の防災を担当する部局の人たちが全員集まって、こういうふうに物を作ってくださいとスペックをきちんと出して、そしてそれを作ってくれれば我々はこう使いたいと思いますという一種の協議があって、その上に今回のこれは作ろうとしているんです。ここに書いてありますように、それだけのプロセスを踏んでいるわけです。ということだから、ニーズがないということもないし、ニーズをはっきり把握していないということもないし、どう使うかということがまだわかりませんなんてこともありません。まさに国の行政の防災を担当している部局がこれだけ並んで、そうしてくださいと言っているわけです。
国内はわかるのです。
それで……、そういうことです。
これは議論が混乱するんですが、前回もちょっと出ているんですが、今もって平成17年の資料の絵を持ってきて、これに従ってやっているんですよというよりは、世の中全体が新しい展開の中で、新しい使いようについて、もう一度きちんと議論したらよろしいんじゃないですか。
そうした上で、新しい展開というものを、まずファーストステップをやった上で、その次の新しいいわゆる進展といいましょうか、それを模索するというなら、それはそれでそのとおりだと思いますよ。というふうに、僕は思っているんですけれども、JAXA(ジャクサ)の人はどう考えているんですか。
まずユーザーニーズに対しては、先ほど御説明したとおり、かなり長い期間いろいろな方と、具体的なところまでやってきております。我々のアプローチはこれから作る災害監視衛星をどう使うかという前に、既に上がっている「だいち」という衛星を使ってどういうことができるか。実際のユーザーから見て、「だいち」の性能でいいものと、それから「だいち」の性能ではまだまだ不十分だというところ、これは衛星本体の機能、性能だけじゃなくて、地上でのいろいろな解析だとか、災害の場合は衛星データ以外の地上のデータをうまく取り込んで総合的な情報として出しますから、その辺はまさにエンドユーザーが日々努力されているところなんですが、そういう総合的なやりとりをやって、今回1号機としては、今日、御提案しているようなSAR衛星というのを考えております。
あと、外国の関係でありますが、前回の説明でも国際災害チャーターという枠組みもありますし、特にアジア地域に対しては、日本が先導してセンチネル・アジアという枠組みでやっております。このポイントは、やはり衛星データの解析だとか、あるいは災害に役立てるための情報の作込みというのは日本が一番専門家がそろっておりますし、進んでおります。ですから、各国の状況に応じて行うべきいろいろな作業があると思いますから、それに対しては、我が国の進んだ技術を提供する。今、そういうような働きかけをやっているところです。
あと一言。18ページを御覧になっていただきたいんですが、SARの観察波長による特徴と書いてございますよね。これを見ますと、災害ももちろんそうなんだけれども、むしろ、Lバンドを使うことによって新しいいろいろ観測が可能になるわけですよね。そうなりますと、災害監視衛星というふうに限定した名前をつけるのはいかがなものですか。例えば災害監視実証とか、何かそういう言い方をしないと……。
もう一つ気になっているのは、もし災害が起こったのに、この衛星で捕獲できなかった場合、一体誰が責任をとるんだとか、いろいろな面倒な回しが出てくると。できましたら災害監視何とか衛星とか、その辺も御検討いただきたいということですが、それについてJAXA(ジャクサ)の方で意見はありますか。
正面に座っておられる宇宙開発委員の方々の一連のお話を今まで興味深く伺っておりましたが、今回のミッション提案に対する前提を少し見直すような議論を盛んになさるので、戸惑っております。私は正直申しまして、この種の衛星は地球観測衛星であり、それを災害目的だけに押し込めるのはおかしいと思っております。ただし、諸般の考えのもとに災害監視衛星として今回提案され、そこに技術的な発展を図ろうとされていると思い、多少自重して、前向きに考えるようにしています。宇宙開発委員の先生がおっしゃたようなことが、今となって、質疑の終わりがけの場に出てくるのは、少々腑に落ちない思いです。部会長から改めてご説明をいただきたいと思います。
私が説明……。災害監視のためにということでの御提案がJAXA(ジャクサ)からあったわけですよね。ですから、それは私はごくごく素直にそのためのものであり、それを俎上にのせて議論をすればいいと思っているだけなんです。
それはこの会議で議論する話なんですよ。JAXA(ジャクサ)が提案したのに対して、適切であるかどうかということを評価するのはこの委員会ですからね。ですから、ここでいろいろ意見を言っていただいて、その上で災害監視衛星で行くかもしれないし、あるいはほかの名前をつけた方がいいということが適切であるとすれば、そちらになるということじゃないですか。事前に我々も決めてこれで行こうよと、それで審議会を開きましょうという発想でやっているということはございませんので。
今、そうおっしゃるのかもしれませんけれども、前回から今回までの説明、あるいはこの資料にある質問回答などを見ますと、災害に寄せよう寄せようという形になっていますね。地球観測にもっと目を向けた方がいいのではないかということ、提案書なり、あるいは回答の範囲などで、それをより積極的に取り込もうという姿勢は見えませんよね。
これに対して、我々は評価票を書きますね。そこに、改めて、地球観測全般にもう少し広く目を向けるべきだということを強調して書いても構わないのか。正直なところをここで伺っておきたいと思います。
構いません。御意見としまして、それはあってもおかしくない御意見でということだと思います。
実際は多分、先生がおっしゃるようになると思います。新しいユーザが出てくれば、それに対応するように、多分JAXA(ジャクサ)の方はやっていくと私は信じています。私は名前だけの話で、ストップさせるつもりはございません。若干高いかなという感じがないわけではないんですが、このプロジェクトはこれはゴーと私自身は考えています。
念のためにちょっと申し上げておきますけれども、まさに災害監視のためにということで、それの目的のためにということで、今、JAXA(ジャクサ)の方から御提案をいただいているわけですね。それを中心に議論をいただいておりますけれども、当然のことながら災害というのはのべつ幕なしに起きるわけでは全然ないわけですから、九十何パーセントは平時なわけですね。平時にどう利用するのかというのは、その利用の仕方というのは当然のことながらあって、それは有効な活用利用は当然くっついていると。ただ、今、何をやろうとしているのかというのは、災害ということの監視を目的に、こういう衛星システムというのを作りたいということで、プロジェクトの提案があったということだと思うんですがね。
廣澤さんの御質問は、その九十何パーセントをここで議論しなくていいのかということなんでしょう。
はい。ですから、御指摘といいますか、御意見というのはあってしかるべきだというふうには思います。
本当に聞きたいところ、議論が出まして、私は喜んでいるんですけれども、このことについては平時のやつの観測ではどういうデータを出そうということは、次回ぐらいにちょっと何かレポートを書いて教えていただいたらありがたいと思うんですね。そういうことをやっぱり知っておきたいと思うんですね。評価自身にどう関係するかはともかくとして、本当のところはこういう利用があるんだということはちょっと知っておきたいと思うんですけれども、お願いしたいと思います。
そうかもしれませんね。
資料6ページの図3というのが我が国の地球観測衛星計画の基本ということで、JAXA(ジャクサ)様がやってこられている方針だと思うんですが、図3の方針そのものは、この審議会で議論されて受理されているわけではないんでしょうか。
どの資料を見れば……。
災害監視衛星システムSAR衛星プロジェクトについてという冊子の1枚目のスライドの、6ページというよりはナンバー6のスライドにある図3ですが。推進7−2−2のスライド6にある図3です。だから、基本的にALOSの後継機というのが災害という位置づけで考えられるというのが、要するにこの方針に基づいてやっておられることですよね。この方針そのものは、この審議会で議論されていないということなんでしょうか。私、後から来た委員なのでちょっとわかりかねますので、お聞きしました。
このいわゆる全体構想は、宇宙開発委員会のもとに地球観測特別部会というのを2年ほど前に設けまして、議論をして、そのときにこういう将来構想で行こうではないかと言って、セットした構想ということ。それで、宇宙開発委員会はそれを受理して、宇宙開発委員会はそうしましょうと言い、かつ、それをベースに宇宙開発委員会が作った長期計画、向こう10年程度を展望した長期計画もこれをベースに作ってあるという意味におきまして、大体これは議論済みとでも言いましょうか、この構想といいましょうか、この先行きの将来図というのは議論済み、セット済みということだと思います。ただし、おかしいという御意見かあっても、それはそれで、それもしかるべきなんですよね。このとき議論した結果はおかしいと、直すべきだというのはあってもおかしくはないと思います。
時間ばかり申し訳なくて。先ほど来言っている、これは多分結構大きな議論なものですから、ご質問はまだいっぱいあると思うんですよ。それで、今後どういうふうに、次回まとめるんでしたっけ。とりあえず御質問、御意見をできるだけ早目にちょっと1回出していただけますでしょうか。そうした上で、どのタイミングでこれについての意見を取りまとめるのか、もう1回考えさせていただけますでしょうか。ということでいいですか。
もう1回申し上げます。御質問、御意見をできるだけ早急に御提出いただけませんでしょうか。いわゆる御意見等をこうやって、いわゆる相当回答しなきゃいかん、きちんと御説明しなきゃいかんようなものがいっぱいあるようでしたら、少しもう1回、こういった議論を本件についてはやらないといかんかもしれませんので。ということで、お願いできますでしょうか。
今日のところはとりあえず、この議題につきましては、これで終わりにさせていただきまして、次の議題に移らせていただきたいと思います。ということで、どうぞよろしくお願い申し上げます。
事務局から推進8−3−1に基づき説明を行った。JAXA(ジャクサ)から推進8−3−2に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。
質問させていただきます。日本のX線天文は世界の三極の一極として大活躍で大きな成果を上げていることは、高橋さんがおっしゃったとおりだと思います。
ちょっと簡単にお聞きしたいことが2つばかりあるんですけれども、1つは、ASTRO-Hが上がったその時代において、世界の中での競争とか、今度のASTRO-Hの位置づけとか、そういうのはどういうふうになるのかをちょっとお聞かせ願いたいと思うんです。特に硬X線とか、軟X線のスペクトルとか、それは特徴であるわけですけれども、その時代においての我々の衛星の特色といいましょうか、世界の中での位置づけはどうなるかということです。
それから、SXSをNASA(ナサ)と共同でやるということですけれども、これは大変ありがたい話なんですが、前の「すざく」のときも共同だったと思うんですけども、この場合についてはNASA(ナサ)の寄与というのが、本当に製作まで寄与されておられるのか、そのあたりをちょっとお聞きしたいと思います。
それと最後に一言、今回の報告では、大変ありがたいことにサクセスクライテリアを科学の目標、目的に照らし合わせて、それについて全部書いていただいていますよね。これは今後、科学ミッションのとき、ただ技術的な目的だけではなくて、科学のコントリビューションについて、こういうようにミニマム、フルサクセス、エクストラを書いてほしいと思うんですけど、これは井上本部長に対するお願いでございます。
以上でございます。
では、最初の質問について答えさせていただきます。資料の57ページを御覧ください。
資料の57ページに世界のX線天文学将来計画というのがあります。「Chandra」「XMM-Newton」「すざく」というのは、世界のX線三大衛星です。それが2010年以降においては運用が保障されないということは先ほど述べました。
ASTRO-Hというのは、実は硬X線ミラー、カロリメータ、X線CCD、軟ガンマ線検出器を用いて、世界中の人たちが提案書を出して観測できるという天文台規模のものとしては唯一のものです。
さらに、機能だけではなくて、硬X線の望遠鏡は日本が最も世界で先んじていると思っておりますし、カロリメータはNASA(ナサ)のパートナーシップのおかげで、やはり我々にかなうところはない。それから、X線CCDについても、これだけ高性能なCCDは、もはや世界で手に入りません。軟ガンマ線検出器は、そもそもほかの人は考えてもないという意味で、性能的には非常にすぐれたものです。
ところが、実はASTRO-Eがロケットの打上げで失敗したために、我々のロングタームのものとしては5年からそれぐらい、ちょっと遅れ気味に動いています。その結果、何が起こっているかというと、NuStarとかSimbol-Xという小さなミッションが登場してきています。
ところが、これらのミッションは、実は硬X線ミラーだけのミッションであったり、SRGのように、全天のサーベイに特化したミッションです。ただし、SRGの場合は、実は非常に広い範囲を同時に見ていくということができるために、我々としては大事なパートナーという位置づけでいます。
我々は、大きな面積を持った望遠鏡で天体を見るということが主たる目的です。一方で私は、こうした硬X線ミラーだけのミッションというのは、非常に早くやろうとする分にはいいんですけれども、実際ちゃんとしたサイエンスを出そうと思うと、天文台としての機能や能力を持った衛星がちゃんといて、例えば天体からのスペクトルを広帯域で取得した上で議論をしないと正確な結果は出ないと思っております。したがって、佐藤委員の質問に答えるという意味では、ここはASTRO-Hが唯一であるという答えをするのが適切ではないかと思います。
カロリメータにつきましては、私が答えるよりも、今回カロリメータの復活をかけ、それを絶対に成功させるために満田がその部分のリーダーシップをとっておりますので、ちょっと説明を代わってもらおうと思います。
「すざく」の場合とASTRO-Hにおいて、どういうふうに日米の役割が違うかということは一つの御質問であると思いますけれども、「すざく」のときも含めて、我々は日米一緒のチームでかなりやってきております。それで、ハードウエアとしては、ここまでをアメリカが作る、日本が作るという分担を決めて、インターフェースを決めてやってきており、全体を組み上げて、さらにそれをキャリブレーションしてサイエンスとして使えるものにするというところは、日米の共同でやってまいりました。
私自身としては、「すざく」の時も、日米で十分にやってきたと思っていましたけれども、実際はうまくいかなくて、その後の原因究明委員会でいろいろ指摘を受けたことを考えると、やはり、日米の間のインターフェースのやりとりが十分ではなかったということであると、反省しております。
それに基づいて、今回はいろいろな提言がありますので、それに基づいていろいろなことが仕込まれています。その中でも特に考えているのは、やはり日本がすべてにおいてちゃんと責任を持つということが大事であるということです。その中では、当然アメリカが担当するハードウエアについても、日本が設計を細かいところまで確認するということが必要である。逆のことも言えて、日本がやっていることに対して、アメリカがちゃんとその中に入ってきて、それを見るということが必要であると考えています。
そのための濃厚なやりとりも既に始めておりまして、アメリカが作るところの設計を日本が全部別途やった上で、それを比較するということをやっており、その過程で、非常に緊密なやりとりをして進めています。
そういう意味で、「すざく」以上に日米が一つのチームになって進めているという体制でいっておりまして、そうでなければいけないと考えております。
そういうことでしたら、最初の話ですけれども、2014年から2017年ぐらい、その時代においてはASTRO-Hだけが世界の中での唯一のようなもので、あとは小型のものがちょっと上がる程度であると。
そうです。
2017年以降は、次期の巨大なミッションであるXEUSとか、そういうものの時代になって、それまでのつなぎとしては唯一のものであると思ってよろしいということでしょうか。
さらにつけ加えて言いますと、実は「すざく」のカロリメータがうまくいかなかったことが、アメリカやヨーロッパの巨大ミッションがスムーズにいかない理由の一つにもなっていると考えております。科学はステップ・バイ・ステップで、説明責任をしっかり果たしながらやっていくものです。その際、まずは、実データでちゃんと示して、カロリメータを用いた新しいサイエンスが広がるものであることをデモンストレーションしない限りは、ほかの分野の人たちも大きな計画を持っている中で、なかなかXEUS衛星のような大きな計画が認められないというのが世界の実情だと思います。
ですから、ASTRO-Hがここで登場するということになります。ASTRO-Hがないまま10年待ったらConstellation-XとかXEUSが登場するかというと、そうではないのだと思っています。したがって、佐藤委員のご質問の答えといたしましては、次のネクストディケードというところでは、天文台規模でのX線天文衛星はASTRO-Hだけです。
ほか、どうぞ。
今のお話、大変興味深い、非常に大事なところだと思いまして、次回にも是非詳しい資料などを拝見できればと思っております。
もう一つ、44ページのコミュニティーのことですが、学生を含めて非常に多くの全国的な支持を得たコミュニティーが形成されているということですが、拝見していると本当にそのとおりで、すごいことだと思っているんですが、最近の傾向として、特に物理学系に進学する学生数が非常に減ってきている現状にございまして、そういった長いスパンで計画を立てていくに当たって、学生数の変動があったとしても、その体制に影響がないような組織づくりというのを是非お進めいただけるといいのかなというのを感じまして、1点コメントさせていただきます。
以上です。
全くそのとおりだと思います。我々、今の御指摘を真摯に受けとめておりまして、実際、我々は教官でもありますので、我々の立場は、いかに魅力的なサイエンスを今日、出して、さらに将来を提示して、あそこに行ったら自分が働けるなと思うような場を提供することだと思っています。それは難しいんですけれども、全くおっしゃるとおりだと思っており、頑張っておるところです。ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょうか。
13ページの「プロジェクトの意義」のところですけれども、私の専門分野は科学技術政策で、ちょっと違いますから詳しいことは理解できてないんですけれども、キーワードだけ聞いていますと、例えばそのキーワードで、ダークマターとかブラックホールとか、それから我が国の科学は世界で一流であることを示すとか、それから宇宙の進化の解明とか、極限状態の理解とか、そういうキーワードだけ聞いていますと、前回審議したASTRO-G、そのキーワードとほとんど似ていると、オーバーラップがとてもたくさんあると思うんです。同じJAXA(ジャクサ)の中で、こういう2つの科学的意義とか、社会的意義がほとんど同じようなプロジェクトを2つ同時に進行していくという、そういうことは無理があるというか、大変難しいのではないかと思うんです。
それから、もう一つ、技術的意義のところですが、この技術的意義の次世代衛星基盤アーキテクチャの確立、モジュール化技術、スペースワイヤ、そういう意義というのは、このプロジェクトでなければできないことではないと思うんです。ほかに既に行われている衛星の開発で、こういったモジュール化とかスペースワイヤとか使えるわけですから、別にこのプロジェクトによって得られる成果ではないと思うんです。例えばASTRO-Gでもできるし、ほかのミッションでもできるし、ですからその技術的意義をここでもって強調する、そういうことはちょっと私は……。
2番目の質問の方が楽なので、先にそちらですけれども、実はここに書かれているものは、ASTRO-H、つまり我々が日本でリーダーシップをとっているもので、我々がASTRO-Hというものを実現の母体としてやることで、最も効率よく進むものです。例えば、スペースワイヤの国際委員会は、私が日本の代表です。ですから、私が世界の議論の中で、こうしてそれが日本のほかの衛星にどうやって展開していくかというビジョンのもとで例題づくりをしていくと言うことができるというわけです。ほかに大きく展開するという意味をこめて、こういうことを書かせていただいたわけです。
実際、小型衛星も小型科学衛星も、私はこの辺のとりまとめになっておりますので。口だけで展開するというのは誰でもできることですけれども、実際に物を作って示してみないとどうにもならないという意味でも、ここに書かせていただいています。御指摘のことはよくわかりますが、これらはASTRO-Hの中心メンバーがそれぞれ日本の中でリーダーシップをとっているものを書かせていただいており、それらを統合することで次世代の衛星の基盤アーキテクチャの確立ができるという観点から、技術的意義に書かせていただいています。
一方で、最初の問題で、これは非常に深い問題です。科学的意義というのは、実はここに書いてあるのはASTRO-Gであろうと、ASTRO-Hであろうと、あるいは地上のALMAであろうと、「すばる」であろうと、皆さんがこのようなことを書きます。これは,われわれがめざすべき科学の意義だからです。ただし、意義にいたるためのASTRO-Hの目的はASTRO-Gの目的とは異なります。
この課題を解くために一本の道だけで解けるということではないのです。それほど人間は賢くなくて、さまざまなアプローチから迫っていくことで、初めて科学的意義が実現できますから、ASTRO-Gの場合も、この科学的意義に対してASTRO-Gの立場でどう攻めるかということが書かれているはずです。
ちょっとその説明の助けになるかと思いまして、参考資料の56ページを御覧ください。56ページにはASTRO-GとASTRO-Hによる相補的観測というのが書かれていて、ASTRO-Gは右図に書いてありますような電波の領域で、数十メガパーセクと、わりと近傍のブラックホールに対して非常に高い分解能を初めて持ち込んで撮像観測を行うというアプローチで、その大きな課題に迫ります。
一方で、ASTRO-Hは、さらに100倍程度の距離までのブラックホールに対して、X線という、そもそも内側から出ている波長を使って行うということで、非常に相補的です。どちらだけがあれば何かができるというものではないというわけです。
あと、参考資料のところで出ている62ページを読んでいただければいいんですけれども、Yale大学の初めての女性の学部長というのがいまして、Megan Urryというんですが、彼女が書いたものです。要するに、25年前に波長の間隙として始まったX線天文学は、いまや宇宙を理解する試みに不可欠な道具にまで発展しました。高感度のX線データによる知見の恩恵を受けることもない研究分野は存在しません。かつて可視光天文学の領分であったさまざまな領域は、いまやX線観測のデータを確定的に重要と認識しており、度重なる欧米のX線ミッションの遅延を受けて、国際科学コミュニティーはこのかぎを握る観測プローブが不在となる事態を憂慮しています。
ここに少し答えが書いてあります。そういう意味で、多様なアプローチは必要であると。日本は、できればもっと多様に迫るべきだと思いますが、当然ながらコミュニティーであるとか、リソースであるとかから、なかなかそこは思ったようにいかないんだと思いますが、そこは長い議論を経て、現在3分野が重点分野としてJAXA(ジャクサ)がやり切れる範囲として設定されており、中でもX線コミュニティーというのは強くなっています。
身の丈に合ったことをやらなければいけないというのも事実だと思いますが、JAXA(ジャクサ)として提案させていただいているものは、現在、その範囲に入っているという認識でおります。
同じ目的を、立場の違う方法で研究をする、それはもちろん理解しています。でも、それが果たして今現在、例えば国立大学では人件費削減を行っていますし、運営費交付金というのは毎年1パーセントか数パーセントずつ、どんどん削減されているわけです。ですから、そういうふうに国立大学の研究機関ではなくて、大学の研究費が削減されている中で、こういうふうに一つの機関が、同じような目的のために違う方法を使って百数十億円のプロジェクトを2つも運営することが、そういうぜいたくが今許されている時代なのでしょうか。
それについては、私の方からお答えさせていただきます。
これは、今はJAXA(ジャクサ)のもとの宇宙科学研究本部という位置づけになっておりますけれども、もともと大学共同利用機関の宇宙科学研究所で作られてきた大学共同利用という考え方の上で動かされているものです。
宇宙空間を使ったさまざまな学術研究は、本来は大学等の研究者が、それぞれ苦労して予算をとってきて実験を行っていくべきものですけれども、宇宙に出ていくためには、大きな共通に持つべき資源が必要になりますので、そういう共通の宇宙空間を使う場を大学共同利用機関である宇宙科学研究所、今は宇宙科学研究本部に用意して、全国の研究者の代表が集まった共同の委員会が、本来大学に配るべき資産を持ち寄って、それのベストの計画を決めるという考え方で動かしています。
ですから、これらの計画は全国の大学の研究者が入ったコミュニティーが、このASTRO-GとASTRO-Hを選んで、こういう計画を進めるべきだという方針を決めたものです。JAXA(ジャクサ)という一機関がこれを何らかの考え方で動かしているというよりは、全国の研究者の総意で動かされているというのが基本的な考え方です。
今のに関連しまして、今回は宇宙基本法というのができたわけです。35条まであるんですが、「宇宙開発利用」という言葉が59ありました。しかし、「宇宙科学」という言葉は1つしかありません。宇宙科学を継続的に支援していかないと、あの法律でそのままいってしまうと、私個人としては非常に極端な方向にいってしまうのではないかと非常に心配しておりますので、宮崎委員のご指摘のとおり大学法人の交付金が下がるというなかで、やはりサイエンスについては、きちっとやっていかないといけないと強く思っております。
大変申し訳ありません。15分ほど時間的にオーバーしてしまいまして、多分御質問、御意見等、多々あろうと思いますので、また例によりましてメールで寄せていただきまして、ちゃんとお返しをするということでもって評価をしていただけますればと思いますが、何か。
参考8−1で、今後の予定を示してございます。先ほど部会長がおっしゃいましたように、先ほどの災害監視衛星プロジェクトにつきましての質問については、大変間がなくて恐縮なんですが、来週の月曜日を一つの受付期間とさせていただきたいと思います。
8月7日が次回、第9回と考えておりまして、それに向けて準備をするにあたり、申し訳ありませんが来週の月曜日とさせていただきたいと思っています。
それから、評価票の受付を来週の水曜日にさせていただいて、あとASTRO-Hについても質問票の受付を来週の水曜日とさせていただきたいと考えております。
災害監視衛星システムSAR衛星プロジェクトにつきましては、質問なり評価票の中身を考慮させていただいて、次回、第9回推進部会にて報告書としてまとめるか、もしくは第10回の推進部会、8月26日ですが、ここでまとめるかということについて検討の上、まとめていきたいと考えております。
それから、参考8−2で第7回の推進部会の議事録(案)をお配りしておりますが、事前に送付しておりますので、御了解いただければ案をとらせていただきたいということでございます。
以上です。
大変タイトで申し訳ございませんけれども、よろしくお願い申し上げます。
それでは、本日は以上をもちまして閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
─了─
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology