平成20年1月30日(水曜日)14時〜14時50分
文部科学省18階 宇宙開発委員会会議室
| 宇宙開発委員会委員長 | 松尾 弘毅 |
| 宇宙開発委員会委員 | 青江 茂 |
| 宇宙開発委員会委員 | 池上 徹彦 |
| 宇宙開発委員会委員 | 野本 陽代 |
| 宇宙開発委員会委員 | 森尾 稔 |
| 文部科学省研究開発局長 | 藤田 明博 |
| 文部科学省大臣官房政策評価審議官 | 藤嶋 信夫 |
| 文部科学省大臣審議官(研究開発局担当) | 青山 伸 |
| 文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当) | 片岡 洋 |
文部科学省研究開発局宇宙開発利用課長 |
中川 健朗 |
| (説明者) | |
| 文部科学省研究開発局参事官付宇宙国際協力企画官 | 阿蘇 隆之 |
| 独立行政法人宇宙航空研究開発機構執行役 | 小澤 秀司 |
| 独立行政法人宇宙航空研究開発機構衛星利用推進センター | 高畑 博樹 |
| 独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙利用推進本部プログラム・システムズエンジニアリング室 | 辻畑 昭夫 |
| 独立行政法人情報通信研究機構宇宙通信ネットワーク | 田中 正人 |
委4−1について、阿蘇宇宙国際協力企画官より報告があった。
【青江委員】
宇宙教育を含めた広報活動の具体的方策についてブレインストーミングをやるというのは結構なことだと思うが、日本も今まで科学、宇宙開発についての国民の関心をどう呼び起こしていったらいいのかというのはいろいろな試みをしてきたが、なかなか実が上がらない。ブレインストーミングの成果をそういうところで期待したいと思うが、何がアウトプットとして出てくるのかよくわからない。
どうやったら国民の関心、宇宙開発、何か科学全体についての関心を呼び起こすことができるのかというのは難しいことであろう。
【松尾委員長】
このことはいろいろな場面で指摘されている。それなりの努力はしているし、PRが重要だということはみんなわかっているわけで、その具体策としてどのようなものが有効かという議論をしていくより仕方がないのだと思うが、それがなかなか難しいところがある。今後とも努力はしていかなければいけない。
委4−2−1について独立行政法人宇宙航空研究開発機構(小澤執行役、衛星利用推進センター 高畑)、独立行政法人情報通信研究機構(宇宙通信ネットワーク 田中)より報告があった。
【青江委員】
今回で2度目か。
【JAXA(ジャクサ)(小澤)】
そうである。
【青江委員】
これは市長等から有効性を認識していただけたと、それはそれでよろしいが、例えば中央の消防庁、警察庁等、それから、中央防災会議事務局等、そのような中央の人は見てないわけであろう。
【JAXA(ジャクサ)(小澤)】
今回は鹿児島県と市の関係者の方だけである。
【青江委員】
武蔵村山で実験したときは。
【JAXA(ジャクサ)(小澤)】
残念ながら、内閣府の防災担当の方等はこれには参加されていない。
【青江委員】
せっかく鹿児島の人には、これは使い物になるかもしれないと、先行き大型アンテナもよく考えないといけないという認識を持ってもらうことができたかもしれないのに、それだけでは日本全体の地方公共団体を含めて、大型アンテナを移動体通信、災害時のために確保しておかなければいけないとはならないであろう。もっとこういうことについて政策決定の権限を持っているところにきちんとアピールしなければならないのではないか。
【JAXA(ジャクサ)(小澤)】
御指摘のとおりで、私どもは今2つのアプローチをやっている。1つは、防災に、この通信系だけではなくて、地球観測衛星の画像を使ってほしいということで、内閣府の防災担当の参事官と常に打ち合わせを行ったり、今後どうしようかという相談をしている。
残念ながら、通信系を用いたいわゆるデモというところにまではつながっていないが、一応青江委員長代理がおっしゃっているようなことが実現できないかということで別途検討を進めている。
一方で、検討ばかりしていてもなかなか皆さんにお見せする機会もないので、この鹿児島や東京都の防災訓練や、あとは一昨年ぐらいになるが、和歌山県の尾鷲市や高知県の高知市等といったところにお願いをして、いろいろ防災訓練に参加させていただいて、ソフトウエアの開発状況のチェックもあわせていろいろデモをさせていただいた。両面作戦でやらせていただいていて、中央の政府の方々も絡んだ形での早い段階にデモなり実証実験の機会を作ってもっとアピールするようなことはしていきたいと思っている。
【青江委員】
内閣府もさることながら、消防庁と警察庁、本当に現場で必要とするのは、多分そこ。その人たちに、これは役に立つと思ってもらえるようにしなければならない。
【森尾委員】
きく8号は受信系の異常があったが、それを補う形でアンテナと20ワットのアンプを持ってきて使えば、今回のように使えるという実験をされたわけである。
これは「きく8号」でもともと行おうとした実験は、この外部アンテナと20ワットのアンプを持ち歩けばほぼ同じことができると受け取っていいのか。
【JAXA(ジャクサ)(小澤)】
そうである。もともとはそのような外部アンテナや20ワットのアンプもなしにできることであったが、不幸にして不具合が起こっているので、今はそういう付加的な装置を入れて同じようなことはできるような環境を作ったということである。
【池上委員】
今回の実験を通じて何か学んだことはあるか。
【JAXA(ジャクサ)(小澤)】
実際の災害現場に出ていくと、私どもだけが参加しているのではなくて、いろいろなイベントが同時に行われる。なおかつ、天候も考えないといけない。
今回の場合小雨が降っていた。そうすると、やはり天候に対する対策が必要となる。また、消防車が来たり救急車が来たり、火事を再現すると煙が相当出たりして、オペレーションする環境が、我々が机上で考えたり、あるいは、室内で考えているものと大分違うということ実感した。実運用の際のそのような環境までを考えていなかったから、例えばビニールで覆って雨がかからないようにする等ということで当座はしのいだわけであるが、実際の災害現場で使うということになれば、その辺を防水仕様にする等いろいろなことまで考えていかないといけないのではないかというようなことは、今回の実験から学んだことの一つだと思っている。
【青江委員】
それは是非、どこかに残しておきたい。
【JAXA(ジャクサ)(小澤)】
はい。
【松尾委員長】
たしか防音の特殊マイクであったか、あれは大変貴重なノウハウであったであろう。前回の実験の時、とにかく周りがうるさくて話ができなかったということを聞いた。
【NICT(田中)】
はい。昭島、東京でやったときには、自家発電機器を使っていたり、救急車が来たり非常に周りがうるさくて、音声通信をやろうと思ってもなかなか聞こえないというのを体験して、今回の鹿児島はこの特殊マイク、これは骨伝導マイクが基礎になっているのであるが、それを使ってやったら非常にクリアだったという結果を得た。
【松尾委員長】
実験でさえいろいろ気がつくことが多いわけであるが、実際の状況というのはおそらくこのようなものではなかろうと思われるので、研究しておいていただきたい。
続いて、委4−2−2について、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(宇宙利用推進本部プログラム・システムズエンジニアリング室 辻畑)より報告があった。
【森尾委員】
南側スラスタBの点火は今回が初めてか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
きく8号を上げたときに、初期チェックアウトで4つのスラスタを全部点火し、正常に作動することを確認している。
【森尾委員】
ということは、今回スラスタAに不具合が生じたと思われているわけであるが、それでスラスタBに点火して、Bも不安定というのは今回初めての現象ということか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
特にA系統とは関連していない。B系統の不安定というのは、過去1度あったが、少し高温にするとその現象は解消して問題ない状態になっている。
【森尾委員】
ということは、今もB系統の不安定というのは温度を上げれば解消されるということか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
今それをトライしているところである。
【池上委員】
今まではきちんと動いていたものが突然動かなくなったということか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
突然、急に兆候もなしに急になったということである。
【池上委員】
何か宇宙線が飛んできて等ということも考えられるのか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
電源Aに関してFTAを実行して、その中に外部要因としては1つ入っているが、それはまだ特定には至っていない。
【松尾委員長】
Bの改善の方策を試していらっしゃるということであるが、基本的には何回も点火してみるということか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
そのとおりである。中和器を何回か点火する方向にいろいろな方法で持っていくということである。
【松尾委員長】
ミッション期間中は保持できるという話であるが、その後もバスとしてはモニターされる予定であったであろう。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
そのとおりであって、期間はわからないが、今3年間運用というのは一応ミッション期間を3年としていて、今北側のB系統は健全であるが、それが悪くなってもミッション期間3年間は保持できる。だから、運用は点火不安定なところが改善すればそれはいいし、そうでなくても3年間は保持できる。いい方を使えばもっと長く保持できるので、その辺のところは今燃料を含めてどのようなものが最適かということもあわせて計算をしている。
【松尾委員長】
南北のドリフト変動量の規定はどれくらいか。それが始まってしまったらどれぐらいで地上系を含めてダメになってしまうのか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
規定上は軌道上プラス0.1度以内で制御するようになっている。
ただ、それが国際法、電波法等いろいろ難しいものがあるが、衛星の機能としては制御だけではなくて、少しのずれ等いわば衛星自体を傾ける直接のいろいろなコマンドもあるので、通信はできる。今、規定上の0.1度以内に抑えるためにやっているという状況である。
【青江委員】
バスの設計寿命は何年か。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
設計としては10年で設計している。
【青江委員】
冗長系の設計に関して、ここの電源AとBがある。それで、北側、スラスタA、B。ここは制御機のところと同じようにクロスするようなことというのは冗長系の設計としては無意味なのか。
【JAXA(ジャクサ)(辻畑)】
初期の設計では、今、青江委員の御指摘のようなことは考えていたが、ここのイオンエンジンというのは非常に高圧で、約1,000ボルトになる。
そこに切りかえ装置をつけると、今のこの冗長系よりも3倍の高圧の切りかえ装置が必要になって、信頼性的に見ると非常に危険で、また、ハーネス実装もかなりの重さになって、そのリスクの方が大きい。そういう設計はきく8号が特別変わった設計をしているわけではなくて、例えば海外のアルテミス、例えばボーイングのHSシリーズの702等いろいろあるが、そういったイオンエンジンも同種類のこのような系統の接続をしている。
そのため、きく8号の場合は冗長系、プラス、その外側に化学推進系で南北の制御ができるというバックアップを設けてリスクに対応するように設計した。
【松尾委員長】
トレードオフをした結果であると伺った。
この件はまだ起こったばかりの話でもあるので、解析が進んだ時点でまたお話を伺わせていただければと思う。
特段の質疑はなかった。
【以上で議事は終了】
(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)