平成19年12月3日(月曜日)10時〜11時55分
三田共用会議所 第3特別会議室
| 委員長 | 松尾 弘毅 | |
| 部会長 | 池上 徹彦 | |
| 部会長代理 | 青江 茂 | |
| 委員 | 森尾 稔 | |
| 特別委員 | 熊谷 博 | |
| 特別委員 | 栗林 忠男 | |
| 特別委員 | 河野 通方 | |
| 特別委員 | 佐藤 吉信 | |
| 特別委員 | 下平 勝幸 | |
| 特別委員 | 雛田 元紀 | |
| 特別委員 | 松尾 亜紀子 | |
特別委員 |
宮本 晃 | |
| 文部科学省研究開発局参事官 | 片岡 洋 | |
文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐 |
瀬下 隆 | |
| (説明者) | ||
| 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ)) | ||
| 宇宙基幹システム本部宇宙輸送安全・ミッション保証室室長 | 佐藤 隆久 | |
| 宇宙基幹システム本部輸送系要素技術研究開発センター | 宇治野 功 | |
| 宇宙基幹システム本部輸送系システム技術研究開発センター | 加納 康臣 | |
| 三菱重工業株式会社(MHI)各航・宇宙機器技術部基礎設計課 | 亀之園 孝司 | |
安全9−1−1及び安全9−1−2に基づき、JAXA(ジャクサ)より説明があった。
主な質疑は以下のとおり。
【池上部会長】
安全9−1−2の修正部分については、今後、こういうような統一した形で表現をしていただきたい。安全9−1−1の4点、指摘内容について回答があったが、まず最初にヒヤリ・ハット管理の現状と改善について、御意見等いただきたいと思う。
【河野特別委員】
まず、御指摘があったように6ページ、ヒヤリ・ハット案件の抽出が弱いということで、改善されたということなのであるが、それが単に最後の9ページにあるようなことで対応しておられるという御説明だった。そんなものでうまいこといくのかということと、それからあともう一つは、フォーマットが5ページに出ているが、ここに指摘者、担当と名前を書かなければいけないような格好になっているが、こういうものがあると正直なヒヤリ・ハットが出てこないのではないかと思うが、いかがか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
まず一つ目、9ページであるが、現在、我々、御指摘をいただいてから検討してきたが、まず最初にやったことは、本当にヒヤリ・ハットに相当するものが全く管理されていないのだろうかという観点である。そういう観点で我々の周りにあるものの中で、実はきちんと何らかの形で上がっているのではないかというところを見た。それすらないのであれば、これは大問題だろうというところで我々の周りを見回したところ、この問題点及び処置対策記録表というものの中にヒヤリ・ハットに相当するであろうものが相当数入っているということが、今回、我々、わかってきたというところである。なので、その中をまずきちんと有効に利用すれば、それなりのものは上がってくるだろう。
先ほども御説明したが、7ページにあるように、72件の指摘に対して12件、また、打上げ時には28件に対して11件という形で数字はそれなりに出てくるということはわかったので、これを使わない手はないかというのが正直なところである。できるだけ現場の担当者の負担は増やさないで、どうやったらいいかということを議論してきた。そういう中で、もう一つ、二つ目の御指摘にもあるように、名前を挙げるということについてもヒヤリ・ハットの例等、調べてきた。名前を一切使わないという形で出させる方が有効であるというものもあったけれども、我々の作業は一つ一つ手順書できちんと確認されて、誰がどういう作業で何をやっているというのは全て記録に残るようになっている。だから、名前を挙げる挙げないというのは余り意味がない。
それよりは、逆にきちんと問題点を自覚した人が意見を言って、また、評価するときにも、その人に要すれば質問に行きたい。この72件から12件、また、28件から11件というものも、正直言ってヒヤリ・ハットという観点で書かれていなかったので、どうともとれるようなものも幾つかあった。そういうものについてはやはり一つ一つ担当者に確認をして、このときの背景、特に一番問題になるのは水平展開を要するかということで、その作業のどういう環境で、どういう背景でこの問題点が抽出されたかというところは非常に重要だと考えていたので、そういう目的で作業者の名前もやはり重要かと考えている。
ヒヤリ・ハットでよく一般の本等でも言われるのは、書けばそれだけ書いた人が面倒になってしまい上がってこないということであるが、多分、我々の世界ではそれはないだろう。これについては一人一人がどういう作業にどういうタイミングで従事しているかというのは全て記録に残っているので、あえて名前を隠す必要もないだろうと考えた。
【河野特別委員】
三菱に民間移転したが、引き続きこれを継続されるということか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
実は、そこのところを我々も今考えていて、三菱との間でどういう形でやっていくかも一つ大きな課題だと思っている。ただ、ロケットの打上げ作業は三菱だけではなく、また別の、例えば先ほど少し地震の話でも御説明したが、ロケットの追跡設備であるとか、いろいろな設備もあるので、それを担当している業者さん等も含めて、具体的にどういう形が一番いいかについては今後も継続的に考えていきたいと思っている。
【池上部会長】
これは、ヒヤリ・ハットとは一体何なのかというところに戻る。つまり、6ページを見ると、ヒヤリ・ハット報告書が上がらなくても、現場での対症療法という点では、ある意味では完璧に行われていると読める。そうすると、ヒヤリ・ハット報告書は一体何のためにあるのか。現場の問題だけではなく、基本的な設計まで戻らなければいけないようなものを報告書から読み取るということであれば意味があると思う。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
おっしゃるとおりで、6ページを見ていただくと、ちょうど左から右に、真ん中辺に矢印が書いているが、タスクの問題点を抽出し、次回作業対策検討し、今、部会長からも御指摘があったように、それの反映としては、ここでは大きく三つ書いているが、設計に反映するもの、手順に反映するもの、教育に反映するものという形でやっている。ここまでのループ、ちょうどこのループになるけれども、このループ自身はロケット系では、先ほど言ったように一応それなりに出来上がっている。
ただし、ここからもう一つ大きなループ、これをJAXA(ジャクサ)全体に対して水平展開する。これは安全・信頼性推進部というのはJAXA(ジャクサ)全体を見ている部門であるので、こちらを使って水平展開すべきものについて、今、上がってきにくい状態である。だから、ヒヤリ・ハットという形で前回御報告し、ちょうどこの部分の案件を御報告して非常に数が少ないという御説明をしたわけであるが、このループ自身は、それなりに機能しているということで、もう一つ、これからこっちへ落ちていくところを太くしたいというのが、今、我々の考えである。
【佐藤特別委員】
ヒヤリ・ハット報告の大事な点というのは、それをもとにして、俗に言うRCA(Root cause analysis)というのか、これを行うというのがある意味で常識的だと思う。これを行うことによって、設計に反映するとか、あるいは管理に反映する。それを行うためにはきちっとした体系的なRCA、根本原因分析が必要である。なぜそういうことになったのか。それは手順書が悪い。なぜ手順書が悪いか。それは、その背後にはこういう問題がある。などといったところまで戻らないと、どういうふうにそれを反映するかはわからない。モグラたたき的な対策ではなくて、それをちゃんと根本原因までさかのぼってやるということが非常に大事なのではないかと思うけれども、そういう体制というのは考えていないのか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
こちらでは書いていないけれども、この問題点の抽出、改善提案等の中にRCAという言葉は、我々自身は使っていないのであるが、我々は「なぜなぜ分析」という呼び方で、多分、同じことをやっている。何でこういうことが起きたかということを、その問題点が起きたことに対してなぜ起きたのか、その2段階、3段階を掘り下げていこうということをやっている。これが多分、RCAに相当するものかと存じるが、背景を考えるということは当然のこととして、なぜなぜ分析という形でやっている。
【佐藤特別委員】
それでは、そのなぜなぜ分析の例えばフォーマットはきちんと決まっているのか。そしてまた、その分析の仕方を社内的に教育しているのか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
一応、一つ起きたことに対して、なぜ、そのまたなぜということで5段階までは必ずやりなさいというルールができている。社内においてはなぜなぜ分析のハンドブック、教育マニュアルを作って、これに基づいてやりなさいというものができている。
【下平特別委員】
その後の方の文書化されて処理するというのは、この3件なり4件ある件については、大体、体系化されているので、まずこっちは問題ないと思うのであるが、ヒヤリ・ハットのもとの方の取り出し方というのは、実際の作業をした人間として、そう簡単にこのヒヤリ・ハットが出てくると思えないし、出てこないのに事故というのはボコッと起きて、なぜなぜ分析をやると、なぜというのが出てくる。気がついて、ヒヤリ・ハットだといって報告するものは基本的には余り多くないのが当たり前で、それをどうやって出すかというのにブリーフィングがあり、レビューがあり、教育があるのだろうと思うのである。
やはりヒヤリ・ハットというものを表へ出そうという意識が組織全体にどうもまだないのではないか。それで、新しい人が入ったり、または業者がかわったり、管理者がかわると、またこれも変わるというのが基本なので、今日の御説明をいただいた内容でヒヤリ・ハットが今後表へ出てきてちゃんと管理される、そのもとの方の管理についてはどうも説明がなかったように私は思うし、これからも非常に意識的に動かないとだめだろうというように思うが、そこのところをもう1回再考して14号機の対応を準備されたらいいだろう。
それで、レビューの段階で必ずそれはどんな問題だったのということと、ヒヤリ・ハットはなかったのかということと、それから、不具合報告の中から、これはヒヤリ・ハットではないのか。誰か見たら、あの作業のときには、あれ、おかしいぞというようなことを審議会あたりが指摘するなり、安全監査で指摘するとかいうことをお考えになる、ヒヤリ・ハットというのはどうもそちらの方が重要ではないかと思うので、私はそういう意見をしたい。
【松尾委員長】
少しわからなくなった。問題点が72件あって、そのうちヒヤリ・ハット相当が何件という記述がある。その問題点なるものとヒヤリ・ハットの違いというのはどういうことなのか。単に重要度だけの話なのか。どうもそこがよくわからない。報告する側にもヒヤリ・ハットとしての意識がなかったと、それは問題点としては報告しているけれども、ヒヤリ・ハットだと思わなかったということなのかどうか。それからもう一つは、実際に発生する事故の手前には、それは氷山の一角であって、いろいろあるから、是非そこを調査してくださいという話は、少し話が古くなるけれども、総点検の頃、盛んに出ていた話なのである。今、それに手がついたと思っていてよろしいのか。逆に随分かかったと言っているわけである。
【宮本特別委員】
今、松尾先生が言ったように、私もどこか定義が違うのではないかという気がする。ここの問題点と書いてあるのは、例えば手順書が間違っているとか、機械が壊れたとかというような話であって、ヒヤリ・ハットを議論する目的はヒューマンエラーをなくすということである。ということは人間のミスをなくすことなので、ここに書いてある問題点、指摘点、技術的なこととは根本的に違うと思う。だから、この問題点とかいろいろなことで、指摘された中からヒューマンエラーを拾うというのは逆な話であって、ヒヤリ・ハットは別のところに提出するべきものだと思う。
それから、一番問題なのは、毎日やっている作業でも間違いをするわけである。だから、慣れることによって間違えるし、また、素人が来れば素人が間違える。この打上げは年に何回しかない。また新しい人も入ってくるし、そこをうまく連携しておかないとヒューマンエラーを起こすというのがこの打上げに関して一番怖いところだと思う。それから、最初に問題点の改善点の報告とあるが、これはお聞きしたかったのだが、これは題名しか入っていない。実際、これに付随した文書が全部あるのか。後でお答え願いたい。
それから、ヒヤリ・ハット報告書というのは、もちろんその当事者が書くべきで、ほかの人がバイアスをかけて書くものではない。それから、ヒヤリ・ハットの報告書というのは1枚書きであって、文書で、どういう時点で、どういう状況で誰がどうしたというのが細かく書かれる報告書になるべきである。だから、この問題点の用紙からヒヤリ・ハット報告書を作るというのはナンセンスな話だと思う。一番問題なのは、人間のエラーなのである。コミュニケーション、例えばあの人とあの人と話したら少し考え方が違った、言ったつもりで言わなかったかとか、そういう知識が足りないなど、技術的な機械の問題ではない。ヒヤリ・ハット報告書というのは、提出先をタスクレビューのところへ持っていくべき問題ではなくて、ほかの部署で管理すべきであるし、その辺が根本的に考え方が違うのかという気がする。
【森尾委員】
私の意見も今の先生の意見に近いのであるが、ヒヤリ・ハットというのは基本的にはヒューマンエラーである。これは誰でも言いたくないことなのである。だから、報告先が組織上の上司に当たるところに報告させるというのがまず全くナンセンスだと思う。そういうやり方では絶対出てこない。だから、もっとよく勉強していただきたい。私、前にも言ったと思うが、航空機の運航会社などはこういうシステムは非常によくできていると思う。だから、そういう例をもっと勉強していただき、ヒューマンエラーをどうやって報告してもらうのか、その仕組みを作られないと、このヒヤリ・ハット報告書というものはそんなに出てくるものではないと私は思う。
【池上部会長】
作業にはいろいろレイヤーがあって、各レイヤー毎に、ヒューマンエラー等々の項目があり、その内容とやり方は違うはずである。それで、具体的なことをベースに検討していただき、もう一度報告していただきたい。とりあえずは、非常にひどいことがすぐ起こるという状況でないということは我々は理解しているので、そういうことでよろしいか。
【青江委員】
本当にヒヤリ・ハットは何かどうも言いたくないものらしい。上に、表に出したくない。それをちゃんとあからさまにしていくのだという気持ちが全然ないようにみえる。そこが一番問題ではないかという気がする。言いたくない、表に上がりがたいものというものはちゃんと暴いていくのだということで、JAXA(ジャクサ)が全体的にやっていくというふうにしてくれているのが、どうも感じられないのである。僕はどうもそこが一番気になるところである。それだけである。
【池上部会長】
JAXA(ジャクサ)全体、それから、関連の企業の方等も含めて、もう一度検討していただきたいと思う。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
はい。わかった。
【池上部会長】
そういうことでよろしいか。
【河野特別委員】
それに関連してよろしいか。私、前からよくわからないというか、最近、ロケットの打上げ、かなり成功率が高くなって失敗しない。これは前の失敗があったからということで、反省したという話になっているのだが、何をどうしたからこうなったのかということがいまだに私よくわからないのである。そういう問題がいろいろ個々にあって、今、辛うじて成功しているのだけれども、どうやったらどうなったのかというのがきちんと分析されていないと、また同じような問題が起きてくるのではないかと思うのであるが、これはどこかでいろいろ公表されているのか。システマチックにそこをどういうふうに分析されて今の現状があって、そこはどこが欠点というか、そういうものがあるのか。例えば今日、上へ上がってこないとかいうのがあったけれども、そういうことも含めて、トータルで失敗しないようにどういうふうに考えておられるのかということをお伺いしたいと思った。
【池上部会長】
その辺も含めて、もう一度議論していただきたいと思う。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
はい。
【池上部会長】
射場設備の耐震性については、何か御意見あるか。
【河野特別委員】
耐震性等について、それからあと地震が起きたときの場合については十分調査されていると思うのであるが、問題は打上げた直後、打上げ地点が崩壊するようなことがあったときに、果たして安全性が保たれるのかどうか。それからあと、地震発生時に点検マニュアルというのがおありになるということであるが、これは普通の点検とは違って、どこがどういうふうに違うのか、そこら辺少しお伺いしたい。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
まず、最初の質問であるけれども、打上げ直後に地震があったというお話であるが、基本的にはこの10ページに書いてあるように、打上げに使う設備については、ここの数字で書いてあるような震度でもつようになっているので、打上げ前であろうと、打上げ直後であろうと、基本的にこの数字では耐えるようになる。
ただ、唯一、具体的に私も今アイデアを持っていないけれども、気になるのは、3番のロケットの追尾系設備、これはアンテナであるので、これはあくまでも製造物としてもつという数字をこちらでは御紹介したけれども、この数字でロケットを追いかけているときに地震があったらどうなるかというのは、今日はそういう数字は持っていないので、それについては若干問題があるかもしれないが、それ以外の組立棟であるとか貯蔵タンクについては、ここに書いてある数字以下であれば、当然、打上げの前だろうと、後だろうともつということになる。これでまずは御回答になるか。
【池上部会長】
テレメータの地上設備について、二重になっているのか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
なっている。
【池上部会長】
だから、どこかやられても、大体、地震というのは局所的なので、一応、きちっと対応できるということにはなっている。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
そうである。今、御指摘のあったテレメータであると、種子島には2カ所ある。増田と宇宙ケ丘と、射点の西側に宇宙ケ丘、射点の北20キロに増田というのがあるので、2局の間でほぼ20キロ離れているので、今、部会長が御指摘のように20キロが地震の規模に対してどれだけかというのは、私も専門家ではないけれども、一応、そういう形では離れたところに冗長系として持っている。
【池上部会長】
どうぞ。
【佐藤特別委員】
今の御質問に関連しているのだけれども。直後に地震が起きたということなのだけれども。これは大分問題があると思うのである。例えば今ここに書いてあるのは、10ページに書いてあるのは設備だけで、設備は全部中のものも含むのかもしれないけれども。例えば送電システムがどうなるか。停電になった場合はジェネレータを急いで起動するということになると思うけれども、果たしてそのときにそういった機器が大丈夫なのかどうか。いずれにしても耐震は限度があるもので、想定を超えた地震が発生した場合はもたないわけである。その辺のリスクマネジメントをどういうふうに考えていくかというのは大事なことだと思う。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
わかった。今、電力という観点で御指摘をいただいたので、電力について御説明させていただく。先ほど部会長からも御指摘があったように、テレメータを例とすると2カ所、我々、種子島に持っている。それぞれの設備については、打上げのときにはそれぞれ固有の自家発電設備を持っている。種子島自身は、もちろん九州電力の電力を使って、我々、日常は運用、保全等しているが、ロケットの打上げのときにはそれぞれの局に自家発電設備を持っている。
それから、飛行安全管制というロケットが飛んでいるとき、実際にこのロケットが正常かどうかの判断する部分というのは、竹崎の指令管制棟というところがあるが、こちらについては飛行安全管制時間までもつような大型のCVCF、バッテリーを持っていて、そのバッテリーで、万が一発電設備が壊れてとまったとしても、自分のバッテリーで設備が運用できるような体制をとっている。
【佐藤特別委員】
その場合の切りかえなども大丈夫か。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
はい。
【池上部会長】
そもそも種子島は地震の巣が近くにあると言われているのか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
今回も御指摘いただいて、活断層等が近くにあるかというのも見たが、種子島のすぐそばにはないようである。ただ、最近やはり日本全体というか、世界全体で言えるように地震が増えているという感じはする。20年、30年前は、種子島は地震がない島と我々は言っていたけれども、最近は先ほども御紹介したように96年に震度5相当があったというところがあるので、少し変わってきているという気はしている。
【佐藤特別委員】
今のことで質問であるが、先ほど聞き漏らしたのだけれども、10ページで、3のところは垂直方向と水平方向が別々に耐震のレベルが書いてあるのだけれども、2の方は特に分けていないのだけれども、これはどういう理由だったか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
3も建築基準法に基づいていて、水平も垂直も0.2Gになっている。しかし、このロケットの追尾系は可動部分を持っている関係で、そこの接合部分というか、可動部分が設計的に弱いというのは、これは従来、我々の経験でわかっているので、水平部分についてはそれの倍の0.4Gでもつように社内の基準を上げているということであって、法律の倍を水平方向には適応しているということで、より安全な設計を見ているということである。
【佐藤特別委員】
そういった基準、上に何か載っているということが前提にあるわけなので、なぜ横と縦が違うのか。縦も7にした方がいいのではないかという気もするのだけれども。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
申し訳ない。私もそこまでに至っては専門ではないのだけれども、先ほど言ったように担当から聞いてきたところでは、これまでの経験であるか、水平方向に弱いということで水平方向を倍のマージンをとっているとは聞いている。
【佐藤特別委員】
そうか。垂直方向は震度5だから、もしも例えば6とか7が来ると破壊してしまうおそれもあるわけである。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
そうである。それはほかの設備も同様である。
【佐藤特別委員】
その場合は、例えば指令破壊のコマンドとかは打てなくなるわけであるか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
タイミングによるが、先ほども言った指令破壊のコマンド局についても異なる場所に冗長を組んでいるので、ひとつの局がだめな場合でも他の局を利用して破壊をするということは可能になる。
【池上部会長】
何かほかに御意見あるか。
それでは、一応、手を打っているということであるが、Prepare for the worstなので、いろいろなことを想定してよろしく検討してください。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
はい。
【池上部会長】
それでは、次に3点目であるが、フェアリングの落下域の確認について御質問等あるか。
【森尾委員】
フェアリングはなるべく回収をされるという努力をするということだったけれども、今の仕掛け以外に、発信機がついているとこの間聞いた。水に入って発信しないケースもある。もっと積極的に位置を特定できるような仕掛けを考えられることはないか。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
失礼した。まず、御指摘の電波を出すもの、アルゴスというものだが、フェアリングのちょうどこの二つに割れたところについている。フェアリングは、こういう形で落ちた場合と、こういう形で落ちた場合、大きく浮く場合があるけれども、こうした形であると、こちらにアンテナがついていて電波が出るようになっているが、こうなってしまうとアンテナがちょうど下側に向いてしまうということであって、電波が受からないということが従来もわかっている。
ただし、これまでのロケットのフェアリングの回収の例においても、フェアリングが常にこういう形、もしくはこういう形でいるというのはなかなかなくて、結構、波の上で動いているということで、電波が受かったり受からなかったりしているというものであるので、今後もこれでそれなりには回収に供し得るのではないかとは考えている。
ちなみに、このアルゴスというものは、最近カーナビ等で使っているGPSと同様の性能を持っていて、位置を正確に出すことができるということで、今後もこれを使った方法でいきたいと考えている。今、それの次の対策というのは、現時点で具体的にはない。
【下平特別委員】
前回の会議のときには、私の理解としては13号機のデータを見ながら、それ以前の1号機からのデータがここではないかと推定されるというデータが出てくると思ったのであるが、今日は13号機しかないということは、その前のデータは表示はできないのか。
【MHI(亀之園)】
三菱重工の名古屋で解析を担当している亀之園である。
お示しした図は、今、こちらに用意していたのは10号機、11号機、12号機の三つのサンプルであるが、大体、事前に予測したものに対してどのあたりでフェアリングが見つかったか、あるいは回収ができたかというのを示している。これは10号機のときの例であるけれども、この外側に示している四角、これが本日の御説明の中であった飛行前、フライト前に予測していた落下予想しているところである。それに対してこの中央付近に示しているのが実際に拾ったところであって、ほぼど真ん中で予想したところで拾えている。
下、それを拡大したのがこれであって、フライト後の、ここに最新飛行経路による落下予想というのが書いてあるが、実際のフライトのときの情報を含めて落下を計算したところがここである。それに対して実際に発見したのがこの海域、それから、流れていって船で拾ったのが、この場所が少しずれているが、こういったところということで、かなり予想に近いところで見つけることができて拾えているというのが従来の一般的には実績である。
【池上部会長】
今、そこで1マスというのは何キロぐらいなのか。
【MHI(亀之園)】
ここで1マスが0.05度だから、大体1度が約100キロと大雑把に言うと、1マスが5キロぐらいである。ちょうどこの予想点に対して、この拾っているところで十数キロというところだと思う。
【池上部会長】
わかった。
【MHI(亀之園)】
全体としては、拡大のもとに戻ると、予想していた区域に対しては十分真ん中に近いところでフライト後も予想されて、そこで回収ができている。
これは11号機の例である。10号機は南に飛ぶミッションで、この四角の形は違っているが、今度の13号機、14号機はこれに近い横長の四角になっていた。これについても少し見づらいのであるが、真ん中の四角が予想したシミュレーション結果、それに対してこの赤丸で書いているのがアルゴス位置情報と書いているが、この11号機の場合には、回収のときに送信機の電波が拾えていて、その一番早いタイミングで拾ったのがこの予想点に近いところという結果が得られている。過去の動きでは大体こういった形で、比較的予想に近いところで発見できて拾えていたという実績である。
【池上部会長】
ありがとう。これは13号機の絵が我々の資料の12ページに書いてあるが、これは青で書かれている予想の大体ど真ん中に来ていると考えてよろしいのか。
【MHI(亀之園)】
はい。この号機ではど真ん中に近い、このスケールで見るとかなり近いところで拾えていたという実績である。
【池上部会長】
わかった。
【森尾委員】
13号機は、たしか破片の一つが1カ月ぐらい後に沖縄の近くで発見された。
【池上部会長】
それは流れた後の話である。
【森尾委員】
ええ。だけど、それは今の海流とか風の向きから言うとリーズナブルなのか。
【JAXA(ジャクサ)(宇治野)】
大体、完全な回収が行われなかった場合には、黒潮に乗って漂流して流れ着くのだけれども、沖縄海域、それからあと黒潮が分岐して和歌山沖とか、そういうところで黒潮の流れる先にたどり着いているというのが実態である。先ほどアルゴスは用意しているのだけれども、電池の容量、そういった関係でそんなに最後までは追い切れないということで、現実的に漂流して流れ着く場合には、そういった場所で確認される。
【青江委員】
どうもよくわからないことなのだが、先ほどの地震にしろ、それから、その浮遊しているものの回収にしろ、全部費用がかかるのである。いわゆる安全部会において一定の安全性を要求するわけであるが、それは、ある確率というか、どんどん要求をすれば安全は多分どんどん上がると思うのであるが、ひたすらどこまで要求するのかというのがよくわからない。
例えば今の地震でも、建築基準法できちんとした枠組みがあるわけである。それにある、いわゆる特殊なところだけは設計の経験からしてプラスアルファを乗せている。それ以上、要求するのか。お金をかければどんどん耐震性は上がる。回収だって、お金をかければできる。それによって起きるトラブルと、それにかけるお金、やはり安全性もその相対論と思ってはいけないものなのか。安全は絶対なのか。どうもよくわからないのだけれども、ひたすらお金をかけろということなのか。
【池上部会長】
少なくとも着水点については、これはお金とは直接関係ない。
【青江委員】
それは違う。確認という行為が伴わなければ安全の論理が、つじつまが合わない。だから、そこは確認したのであるが、回収というのは全然また違う。何かぶつかったら事故が起き、被害が起きる。そのために回収はできる限りしてくださいという話である。
【池上部会長】
わかった。非常に重要なのであるが、少なくとも落下予測点については、物理法則に従って計算した。さらにそれに自然の風の向き等も入れて、安全係数をかけるような形で広げたと。それについては大体合っていそうだということについてはよろしいか。
【雛田特別委員】
少し中身についてよくわからないので、具体的に力学で落ちるというのはそのとおりなのだけれども、どういう形でどういう運動をしながら落ちるからこうだというような説明がない。落下予測点が、こういうケースを考えてわかるのだと言われないとわからない。いろいろなモードで、うんと遠くに落ちたり、うんと手前に落ちたりするのである。それから、追跡も多分、10キロよりも下は追跡されていないと思う。もともと追跡はできない。御説明だと相変わらず四角いところが予測点だと言って、真ん中に小さな絵がかいてある。あれは本当はもっと広い予測点があるはずなのである。というのは、どういう運動をしながら落ちてくるかによるから。それで、これはペイロードフェアリングというのは、もともと軽くできているので、かなり影響を受けるのである。減速の影響とか、タンブリングとか、それから、リフティングの評価とか、みんな影響を受けるのだけれども、そういうものも全部考えてもこの小さい範囲であるというのを具体的に、こういう計算をしてそうなっていると言えば、まあ、そうかとわかる。
【池上部会長】
ただ、問題は、何であそこまで流れて行ってしまうのか。
【雛田特別委員】
あの辺は海流が1ノットぐらいだから、1日たつとかなり流れてしまう。だから、そういうことも考えて、こう流れたらこうだとか言えばいいはずなのである。だから、海流のデータもお持ちだと思うので、何時間後に回収したのだったら、これはこうだとか、それぞれの破片が、破片というか、ノーズフェアリングは現状のままなのか、半割れなのかとか、いろいろなデータが全部あると思うのであるけれども、その記録がどうなっているのか。
【池上部会長】
飛行の部分については、多分、ほぼ予想どおりいっている。問題は着水後、浮遊物を見つけた場所からそこが予測できるのか。
【松尾委員長】
いや、それを予測してどうするかという話があるのだけれども。
【森尾委員】
でも、それは落下予測区域というのは、当日、船舶が入らないように、ある種の警報を出すわけだろう。だから、私は金をかけろと言っているのではなくて、それをもっと広げる必要はないかということを申し上げたい。つまり、あんなに南でフェアリングが見つかったということは、本当に今の落下予測区域内に落ちているのか、それを疑わしいのか、それは信じていいのかということをお聞きしたい。
【松尾委員長】
それを雛田先生がまさに今聞いているところで、途中までトラッキングができている。その後、ばらつきを物理的に考えると、この範囲以外にはいかないのだというところがはっきりすれば、それでこの話はいいわけである。
【雛田特別委員】
今言ったようにそれが一つと、それから、今、流されている話と二つあるのである。あの辺の海流が、潮がぶつかるところで、こっちに流れたり、あっちに流れたりするところなのである。だから、そういうことの調査も含めた上で御説明されればいいと思うし、そこまでしなくても、そういうことを考えた上で流されているのだと言えば納得できると思うのであるが、余り何も考えていないように受け取られるとよくない。
【JAXA(ジャクサ)(宇治野)】
御説明する。漂流解析というのを海上保安庁の方でやっていただいていて、それに基づいて落下地点からどういう形に流れていくかというのを予測する。予測と合わない部分というのは、海上保安庁がなされる漂流解析というのは、どちらかというと救命ボートだとかゴムボート、そういったものをターゲットにしているが、我々のフェアリングはそれと違って海中面積と海上面積の差というのがあって、海上保安庁の解析と若干特性が違うということで合わない部分がある。
それから、海上保安庁の解析も衛星画像等を使って海流を予測しているのだけれども、確実に海流が予測できているというわけではないのと、この流れ自体は、流れによるものと海上風によって流されるものとあるので、この二つをあわせ持って解析する技術というのは、まだなかなかないのかというところで、現状、一応、できる最良の予測というのをやった上で回収に向かっているということである。
【松尾委員長】
話が途中になってしまったのだけれども、えらい遠いところで拾われている。だから、もともと言ったところに落ちているのだろうかということがもとになっているわけである。今、その説明をなさろうとしかかっていたわけだから、そこから済ませてしまっていただけるか。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
フェアリングが分離されて半殻形状で落ちてきて、ヒラヒラとおりてくる場合の抵抗係数というのが、とても推算は難しい。それで、簡単化してフェアリングの形状が迎角ゼロで真っ直ぐ落ちてきた場合の抵抗係数で、迎角90度というのだけれども、このように横向きで落ちてきたときの抵抗係数と、さらにこれがタンブリング状態でクルクル回ってきたときの抵抗係数の三つを推算して、それで落下シミュレーションをかけている。
あと、落下中に遭遇する風も種子島の確率、95パーセント確率の統計風も使うし、このフェアリングが落下するであろうところに一番近い小笠原で吹いている風の95パーセントレベルの一番効きの大きい風を入れて、シミュレーションをして一番縁を出す形をとっている。だから、かなり安全側にこの四辺形は求められているし、結果的には地上に落ちていて、結果的にはタンブリング状態で落ちる結果にわりと近いところに落ちているというのは我々も推測している。
【池上部会長】
別の言い方をすると、青い線の外に出る確率はほとんどないと言っていいか。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
ほとんどないと思う。かなり安全側に求めてあるので。
【雛田特別委員】
それはリフティングボディ的な計算はしたのか。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
それは残念ながらしていない。簡単な形状である。
【雛田特別委員】
それから、CDSというか、抵抗面積が一番多いのと一番小さいのとどのぐらいなのか。ノーズフェアリングの裏側を向いて落ちた場合と丸みを向けて落ちた場合とで大分違うだろう。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
抵抗面積の形でいいか。CDSの形状。
【雛田特別委員】
そう。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
一番トリム状態というか、迎角ゼロで飛んだ場合が2ぐらいである。2.2ぐらいである。
【雛田特別委員】
真横に落ちたら。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
横に落ちた場合は52ぐらいである。タンブリング状態がちょうどそれをランダム・タンブリングを仕切っているのがあって補整するのだけれども、大体真ん中辺の22ぐらいの値。
【雛田特別委員】
だから、抵抗面積50ぐらいで落ちると、すぐブレーキがかかってしまうから、ほとんど真下に落ちてしまうみたいになってしまうのである。ある高度から以下は。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
そうである。
【雛田特別委員】
だから、小さいやつはうんと遠くに行く。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
非常に遠くへ、そうである。
【雛田特別委員】
行くだろう。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
遠くへ飛ぶケースは、本当に抵抗面積も小さくなるようなものを安全側に選んでいる。手前に落ちる側も一番抵抗面積が大きくなる側を選んでいるので、その挟み込みというか。
【雛田特別委員】
そうだ。先ほどの真ん中に小さな四角いマークがあって、あれが落下予測点だと書いてあったけれども、だから、あれは違うのだろう。あんなに小さくなるのか。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
真ん中のやつはタンブリング状態を模擬した。
【雛田特別委員】
いやいや、タンブリングではなくて、どこに落ちるかわからないのだから、一番遠く……。
【松尾委員長】
それはこの青の点線の四角なのではないか。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
済まない。青の点線は、これは落ちてくるときの抵抗係数だとか、風の影響がわからないので範囲にしている。
【雛田特別委員】
だから、それが落ちるところだと言えばいいのではないか。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
そのとおりである。
【雛田特別委員】
真ん中に落ちると言われると、そうではない。
【JAXA(ジャクサ)(加納)】
真ん中は、たまたま幾何的中心にすぎない。
【雛田特別委員】
単に中心にすぎないだろう。
それから、回収のことで言うと、これは保安庁の要求で、僕も何回かそういう交渉に行ったことがあるけれども、海の上に物が浮いていると困る。大きなノーズフェアリングになるにつれて浮くようになるのである。軽く作るから。小さいときは海に沈んでいたのだけれども、H−
Aロケットぐらいにものすごく大きくなると、軽いから浮いてしまうのである。浮くから何とかしてくださいという話が根底にあるように書いてあるけれども、だから、どうしてもしなければいけないかどうかははっきりしておかないと、ここでの議論みたいなことになってしまう。どういうところで議論されればいいのかわからないけれども、必ず回収しなければいけないというのであれば、もう落ちた途端に壊れるようにしなければいけない。
【池上部会長】
でも、そこまでの法的な要求はないのだろう。誰か本当に困っているのかどうか、どの程度困っているかというのはよくわからない。被害者はどなたか。海上保安庁は、当然、何か浮いていれば、クレームを出すのは、仕事の一部として当然であろう。
【雛田特別委員】
その辺のクレームは漁業者だと思う。
【松尾委員長】
できるだけ回収をしてほしいということを言われているというだけのレベルではいけないか。拾う、拾わないのをここではっきりさせる必要はないと思う。
【雛田特別委員】
私はそういうことをやめてから長いけれども、今みたいにどうしてもしなければいけないというと、それは大変だなと思う。
【池上部会長】
そこまでは言っていないのだろう。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
ええ。資料にも書いてあるように。
【池上部会長】
何か新しい状況が起きているというなら話は別だけれども、そういうことはではない。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
あくまでも可能な範囲でやってほしいというオーダーである。
【池上部会長】
では、今のところ、ベスト・エフォートで、我々の方もいろいろ注意するということでいくということしかないわけであるか。
【雛田特別委員】
そうである。
【池上部会長】
では、そういうことで、また何か状況が変化したときは、割らなければいけないとか、そのための火薬を詰めなければいけないという話が出てくるかもしれないけれども、今のところはどうもそういう要求はないらしい。
【河野特別委員】
先ほど青江委員がおっしゃったように、すごく回収するのにお金がかかる。だから、コストのことも考えて安全というのを考えろと言ったような気もするのだが、そこはなかなかこの場ではどうなのか。だけど、最後はどの程度税金を使われているかわからないが、国民が広く一般的に考えて常識的な範囲で決めていくというようなことでやっていかないと、安全部会そのものが成り立たなくなる可能性もあるので、そういう考えで進めてよろしいのか。ここにいる方は国民を代表しているとは、私も含めて必ずしも言えないかもしれないが。
【池上部会長】
部会長としては、そういうことでいきたいと思っているので、上の委員会の方にも、そういうことで話を持っていきたいと思っている。安心部会ではなく安全部会である。心の問題ではないので。
どうもありがとう。今のところも若干関係するのであるが、4番目の海上警戒区域の設定について、何か御質問あるか。
【雛田特別委員】
これは私が言ったことである。
【池上部会長】
はい。漁業関係の話。
【雛田特別委員】
ええ。普通だと年度当初、前の年度の終わりに交渉するもので、これからするというような話ではない。これから漁業者の理解を得るとかいう話ではないと思うのだけれども、そういうふうに読み取れるように書いてあるので、もっと前から決めてあれば。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
おっしゃるとおりで、年度当初に年次計画の説明はしている。ただし、その時点ではまだロケットの打上げの軌道等の詳細な数字までは出ていないので、こういう先ほどの四角のような具体的なエリアを出すことはできていないので、それについてはこの解析が終わった時点で再度お出ししているということで、2回説明する形になっている。
【雛田特別委員】
それともう一つ、大きくすると漁業者から必ずクレームが出てくるので、極力、二分割して、本当に落ちるところと、うんと発射点近くの危険区域との間にゾーンを設けて、そのゾーンは通れるようにするとか、要するに60キロか70キロぐらい、全部占めないで真ん中だけ開けるとかいうようなこともしてもいいということが昔はあったように思うけれども、今は全部取ってしまうのか。JAXA(ジャクサ)がやることは全部オールマイティーだというような印象を受ける。
【池上部会長】
デリケートな問題であるということは十分承知していると思うのであるが、昔よりはデリケートさが若干減っているのではないか。これは漁業の方にも関係するかもしれないけれども、その辺、よろしく御配慮いただきたい。
【JAXA(ジャクサ)(佐藤室長)】
はい。
【雛田特別委員】
この場の問題ではないと思うのである。ここに出てくるときには全て解決したというので出てくるという話で。済まない、余計なことを。
【池上部会長】
いやいや、とんでもない、ありがとうございました。
それでは、いろいろ御指摘の点について、さらにまた大切な御指摘をいただき、どうもありがとう。
次に、安全9−2に基づき、事務局から説明があった。主な質疑は以下のとおり。
【下平特別委員】
私はあえて、先ほど皆さんが御議論されている例のヒヤリ・ハットのあれをどういうように見たらいいか一生懸命考えたのであるが、多分、9ページの二つ下の方にパラグラフがあって、どうもここのあたりの、ここであえて表現をしなくてもいいけれども、皆さん審議されている中でのお話を含めて、私の提案としては、事故の防止を想定した必要な安全教育・訓練を実施しているとなっているが、どうもヒヤリ・ハットというものを有効活用するようには思想的に動いていないので、本当はこのあたりを含めて1文書きたいところであるけれども、是非コメントという意味でヒヤリ・ハットを十分活用することを再考してほしいというのを入れたいぐらいの気持ちで注釈をつけさせていただければと思うが。
【池上部会長】
わかった。それは私が報告するとき、宇宙開発委員会の方できちっとそれを言って議事録に残すようにする。
【下平特別委員】
結構である。
【松尾委員長】
今、お話があったように、これは本委員会で報告書を受け取らせていただくけれども、ここで一緒に議論に参加させていただいていることの難点というのは、本委員会で受け取るときに何も言うことがなくなってしまっているということである。どうもありがとう。
【下平特別委員】
1点だけ、審議中の話で、この報告書ではないのだけれども、先ほど青江委員から、安全は金をかけて完璧にすればいいのかというお話があったけれども、これは最終的には人と大きな損害という二つについては、どこまで金をかけるかが一番の基本だと思う。サンプルとして挙がっていた拾う方の話は問題はそう大きくはないのであるが、地上の設備の耐震問題について、青江委員からどこまでやったらいいのかという御指摘があったのであるが、ここの報告された内容について、これを金をかけてもっとやれということをこの審議の場では議論されてなくて、あくまでも法規上規定されている内容がきちんと守られているかどうかということを審議したということで委員会として大体問題ないだろう。こういう解釈をしているので、この問題でお金が追加費用になるということはないと思うので、ひとつ御理解いただければと思う。
【青江委員】
結論はそういうことだったと思うのであるが、私は安全部会というところで、いわゆる行為の安全評価をやっているわけであるが、その評価者側としてどこまで実施者側に要求するのかというのを今まで評価指針があってやってきたのだと思う。ここまでは要求するということで、そのときのその背後にある考え方は、費用対効果の問題というか、そして、確率論的な安全性の確保というか、そういったのが背後にあった上で、ここまで要求するということをやってきているのだと思う。そのときにどういうのか、どこまで要求するのか、いわゆる今の要求水準に対してもっとたくさん要求するのかどうなのかというか、どこまで本当に要求するのかと。
それは安全性を限りなく追求していけば、恐らくどんどん要求することはできるのである。多分、できるのだと思う。だけど、どこまで要求するのか、そこのいわゆる合理性との範囲内で要求しているはずなのだろうと思うのである。
【池上部会長】
なかなか難しい問題であるが、少なくともコンプライアンス、法を守るという点についてはきちっと我々はやってきていることを認めた。
【下平特別委員】
ええ。法を守っているということが今回わかったので、それでいいのではないかと判断しているので、ここで追加費用とか何とかかかることは地上設備にはないということ。
【青江委員】
そこは佐藤さんの御指摘の点、僕、よくわからなかったことがある。どこまで要求されているのかというか、要求していこうとするのかというのが。地震、耐震性。
【下平特別委員】
水平荷重、それは要求されている。
【佐藤特別委員】
縦方向と横方向は違うので、2番の方は一律幾つまでということで、3番が違ったので、そこの理由を聞き漏らしたので、再度お聞きした。
【青江委員】
どこまで要求するかというか、いわゆるレビューする側において。
【河野特別委員】
一つよろしいか。法を守っていても失敗するというようなことがあるので、そこら辺は、我々は頭を絞って、こうしたらどうかということは言うと。そこら辺は費用の問題は当然出てくるから、それはどこかで考えていただく、宇宙開発委員会でお考えになるのだろうか。
【青江委員】
そこは宇宙開発委員会も考えなければいかんと思うのだけれども、まさに安全部会という場は、一種の相対論というのは、当然、安全部会という場そのものもあってしかるべきなのではないかと思うのだけれども。
【河野特別委員】
それからあと、法律というのは事故が起きて、その後できるというのが常識であるから、その前にいろいろこの辺で、委員の方から見ればくだらない意見かもしれないが、いろいろな意見を聞いてみられるというのも大事な態度ではないかなと。
【青江委員】
聞かんとしているのは全然違うのである。
【池上部会長】
いい結論をいただいて、今日は珍しくまだ時間が余っているのだが、何か御意見あるか。松尾委員、何か。
【松尾特別委員】
いろいろ伺っていたら、確かにどこまでというようなことで言うと、また、今、河野先生からお話があったように事故など何かあってから、多分、耐震のものも、以前、すごく大きな地震があった後に基準が大きく変わったということがあったという話も聞くので、その辺はここで地震とか、そういったものがあったときに起こるべき被害をあらかじめ予測をされた上で、JAXA(ジャクサ)と三菱重工の方で、ただ耐震の基準に沿っているという意味ではなく、起こるべき被害の予測とあわせて考えていくことなのかなと思う。
【池上部会長】
ありがとう。
有人活動の場合は、例のハザードということを前提にいろいろ議論するのであるが、一応、この物についてはまだそこまでは余り議論していないというのが正直なところである。
何かほかに、熊谷委員。
【熊谷特別委員】
今の耐震の問題で、特に私も御意見を言わなかったのであるが、今言ったように、法律に沿って基準、いわゆるハードウェア的な基準を守っているというのは、多分、従来、それで失敗したというか、非常に予想外の被害が出たという例が最近の原子力発電所も含めて非常に多いのではないかと思う。だから、そういうことも含めて、これは最低の基準が達成されているということであって、あとは危機管理体制とか、運用体制、マニュアル、あるいは訓練体制とか、そういうものが非常に大きなファクターがあると思うので、この辺もきちんと対応していただいて、実は想定以上の被害が出ていることがしばしばあると思うので、その辺を最小限に食い止めることが肝心ではないかと思う。
【池上部会長】
栗林委員、何か御意見あるか。
【栗林特別委員】
この安全部会では、いつもこの部会の責任範囲はどこまでだろうということが非常に問題になるのである。例えば射場にテロリストが来て破壊行為をする。これについてはもうこの安全部会の責任範囲ではないのだ。これは別の専門家が集まって協議をすべき問題なのだ。いつもこの部会の責任範囲が問題になるのだけれども、今日お話にあった安全性を追求していくために一体どこまで我々は考えたらいいのかというのは、基本的には私は法規にきちっとのっとって我々は議論したのかどうか、それから、我々の作ったあの評価基準にのっとって我々は評価しているのだろうかということを科学技術的に、まあ、科学技術的だけではなくていいのだけれども、分析して、そして結果を出したのだろうかということでつけると思うのである。
フェアリングが落ちて、どこかのほかの海に漂流して、そして問題が生ずるというのは、これは広い範囲を全部自国がやるわけにいかないわけで、そうすると、結局、公海に対して、公海上、自由に航行している漁船なり船舶なりがそれにぶつかったというときには、私たちは既に次善の手を打っているわけである。つまり、ノータムによって全世界に我々の行動計画を知らせて、そして妥当な考慮を、ほかの国が海を使うときの際の妥当な考慮を払って、我々は打上げたわけなのであるから、それで一応、国際法的には責任を免れるという前提がある。しかし、それではだめだと。やはりぶつかった漁船に対しては補償しなければいけないとか、いろいろな問題が出てくるので、それはそれでできるだけやるのだろうけれども、限界はあるから、私どもとしては、さっき言ったような基準にのっとって、安全というものをそういう角度から、いろいろなところから書く。これで打上げは大丈夫だろうというところでとどめるべきである。それ以上いったら、私たちの部会、先ほど御意見があったけれども、部会の責任を超えているのではないかと思う。
【池上部会長】
どうもありがとう。どうぞ。
【森尾委員】
その安全と金の問題であるけれども、今日は議論がなかったのだが、例えば同じバックアップ電源が用意されている。同じようにコストをかけて、万一に備えるやり方の問題で、例えば九州電力の電力が切れて自家発電に切りかえるのに何ミリセカンドかかって、それでも大丈夫だということが普段から実証されているのかどうかとか、そういうことは金とは関係なく、バックアップ電源を用意する以上は、そこをきちんとやらなくてはいけないところだと思うのである。そういうことをJAXA(ジャクサ)の方では普段から訓練というか、実証されることをお勧めしたいと思う。
【池上部会長】
ありがとう。
そうすると、一応、これをもって我々としては結論とするということで、よろしいか。御了解を得たということで、そういうように進めたいと思う。次回の宇宙開発委員会で私が報告することになっているのであるが、皆様の御意見もあわせて御紹介したいと思っているので、よろしくお願いする。
それでは、本日の議事をもって14号機の安全についての議論を終了したいと思う。お忙しいところ、どうもありがとう。
─了─
(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)