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推進部会(平成19年)(第7回) 議事録

1.日時

平成19年8月27日(月曜日)14時~16時8分

2.場所

三田共用会議所 第3特別会議室

3.議題

  1. 全球降水観測/二周波降水レーダ(GPM/DPR)プロジェクトの事前評価について
  2. 次期固体ロケットプロジェクトの事前評価について
  3. その他

4.出席者

委員

青江茂 (推進部会部会長)
池上徹彦 (部会長代理)
松尾弘毅 (委員長)
野本陽代 (委員)
栗原昇 (特別委員)
佐藤勝彦 (特別委員)
澤岡昭 (特別委員)
鈴木章夫 (特別委員)
高柳雄一 (特別委員)
建入ひとみ (特別委員)
多屋淑子 (特別委員)
中須賀真一 (特別委員)
中西友子 (特別委員)
廣澤春任 (特別委員)
古川克子 (特別委員)
水野秀樹 (特別委員)
宮崎久美子 (特別委員)

文部科学省

池原充洋 (文部科学省研究開発局参事官)
竹縄佳二 (文部科学省研究開発局宇宙利用推進室長)
瀬下隆 (文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐)
網野尚子 (文部科学省研究開発局参事官付)

オブザーバー

小嶋正弘 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙利用推進本部GPM/DPRプロジェクトマネージャ)
森田泰弘 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))宇宙基幹システム本部固体ロケット研究チームプロジェクトマネージャ)

5.議事録

(1)議題「全球降水観測/二周波降水レーダ(GPM/DPR)プロジェクトの事前評価」について、JAXA(ジャクサ)から推進7−1−1及び推進7−1−2に基づき説明を行った。また、事務局から推進7−1−3に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。

【青江部会長】

 追加の質問1に関連することであるが、DPRというのは大局的に見て地球観測センサとしてはどういう位置づけにあるのかという御質問がどなたかからあったわけである。それで、これ自体が能動型のセンサの一つとして日本は大変優位だと。それはいわゆるGEOSS10年計画等の中で日本の貢献が多くできるために活躍ができるのだと、こういう御回答なわけである。
 一般的に地球を見る、これは何も地球のいわゆる気候変動等を見るだけではなくて、要は見る、情報収集といった側面もあわせて地球を見るというそのためのセンサとして、今回のこのレーダ技術というかセンサというか、それは将来的に非常に有望なものであると理解しておいてよろしいか。

【JAXA(ジャクサ)(小嶋)】

 今回採用しているDPRはアクティブフェーズドアレイの方式を採用しているが、こういう技術というのはDPRあるいはTRMMの降雨レーダという気象観測用のレーダのみならず、合成開口レーダ等でも電気的にそのビームを走査するというところで非常に使われている技術である。この技術は今後も衛星搭載用のレーダとして広く使われていく技術であり、かつ、日本として伝統的に研究開発が非常に進んでいる分野であると思っている。

【青江部会長】

 言ってみれば、能動型のセンサという点においては、現時点において日本は世界の中で比較的優位であり、将来的に日本が非常に優位を維持した形で、この部分を日本の技術でもって押さえる、ないし、日本のいわゆるメーカの商品が世界的に大いに使われていくという非常に有力な分野になり得ると思っていてよろしいか。

【JAXA(ジャクサ)(小嶋)】

 能動型のセンサと申しても、いわゆるライダー等の光の分野もある。今回は電波のセンサであって、この電波のレーダの分野では日本の衛星搭載用の技術というのは非常に進んでいるものであると思っている。フェーズドアレイ技術は地球観測のセンサのみならず、例えば通信等を含めて利用されていく技術であると思っている。また衛星搭載のみならず、広く様々な分野で利用されている技術である。

【青江部会長】

 栗原さん、こういうものをステップにして日本が優位な商品を開発していくというメーカ側の考えというのはあると理解しておいてよろしいか。

【栗原特別委員】

 やはり、宇宙環境という中でこういうアクティブフェーズドアレイといった、機能的に性能的に非常にいいものが開発できて、そのためにはいろいろな先端技術も開発していかなければいけないという意味では、技術的に世界の中でトップレベルの技術を維持できるという意味で非常に効果があると考えている。ただ、産業として育成できる、しないは少しまた別なものがあるかと思う。

【青江部会長】

 産業として育成できる可能性は大きくあるものだと思っていてよろしいか。

【栗原特別委員】

 はい。いろいろなレーダ、合成開口レーダもある軌道で動いていると、ある領域はとれないが、フェーズドアレイのビームを振れば、軌道が従来固定であってもビームを振ることによって任意なところもとれる。光学の場合は衛星をこうやって動かさないといけないが、レーダ電波であるとそういうふうにビームを電子的に振るということができ、フレキシビリティがあるということで非常に効果があると思う。

【池上委員】

 JAXA(ジャクサ)に対する注文ということで今のお話と関連するが、評価項目(1)プロジェクトの目的についてである。この書き方が、要するに、総合科学技術会議に貢献すると、国際的にはGEOSS10年計画に貢献するという、既に何かある計画に貢献するというのは間違いではないが、多分もう少し、今いろいろ質問があってお話があったような、JAXA(ジャクサ)として見識がある、JAXA(ジャクサ)でなければ言えないようなことをやはり考えていただきたい、用意していただきたいと思う。
 それはそれとして、今回は結果的にはJAXA(ジャクサ)の提案をほぼ認める形になったが、JAXA(ジャクサ)は何か今回の我々のこの部会で学ぶところはあったのか。あるいは、サプライズがあったのか。そうではなくて、うまく通ったという感じであるか。それも結構であるが。

【JAXA(ジャクサ)(小嶋)】

 1つは、衛星の寿命についてかなりいろいろ御指摘を受けた。我々は過去にNASA(ナサ)と調整した経緯から、そういうものだという認識でいたが、必ずしもそうではないということで、特に長く運用できるようにということについては今後実利用の機関とも協調する形で、TRMMの教訓を踏まえてNASA(ナサ)と積極的に調整していきたいと考えている。

【池上委員】

 では、今の件については技術的にはそういうことも内部で検討しておくと理解していいか。NASA(ナサ)の方も途中で軌道を例えば変えると言っていて寿命を延ばしたわけである。そういうオプションも想定している中では、技術的には議論はしていると考えてよろしいか。

【JAXA(ジャクサ)(小嶋)】

 技術的には基本的に今のその仕様を変えるということは考えていない。ただ、TRMMの教訓があって、本来まだ観測ができるものが予算やいろいろな事情で、R&D機関だけで運用を継続していくのはなかなか難しいという教訓もあった。GPMは水循環に貢献するだけではなくて、実利用にも使っていこうという計画であるので、運用という面で、繰り返しになるが、実利用機関とも協調する形で長く運用できるような形をとっていきたいというものである。

【池上委員】

 技術的にというのは、もしそういうようなことを言われた場合に、技術的に対応できるような形になっているのか。要するに、もしやれと言われた場合に、技術的に可能か可能でないかということの検討というのは技術サイドでは、別に表に言う必要はないが、やっておられるのかというのが私の質問である。

【JAXA(ジャクサ)(小嶋)】

 それは、前回、御質問に対する回答でも一部お示ししたと思うが、5年に延ばしたときにどうなるという信頼度予測等も含めて検討はしていて、実力的には5年は十分もつと考えている。

【青江部会長】

 プロジェクトの事前評価レポートの方に戻っていただきたいと思うが、これについてはいかがか。大体これで御了承いただけるということでよろしいか。

(「はい、結構である」の声あり)

【青江部会長】

 それでは、これについては今週水曜日、宇宙開発委員会の方に報告をさせていただきたいと思う。

(2)議題「次期固体ロケットプロジェクトの事前評価について」JAXA(ジャクサ)から推進7−2−1及び推進7−2−2に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。

【中須賀特別委員】

 質問番号5−3のところで出てきたお話で、最後の「速度調整機能を有する液体推進系をオプションとして設定」という柔軟性は極めて大事だと思う。その中で、いろいろな条件に対応すると書いてあるが、再着火能力というのはお考えになられているか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 それは今検討中であるが、基本的には考えていない。これはM−V(ミューファイブ)ロケットでいうと、半周後に衛星のエンジンを噴かしていた。その衛星のエンジンを噴かせるという行為のかわりにロケットの速度調整段を噴かせるというサービスを考えている。今後、今、中須賀委員から御指摘があった再着火等が可能となるようなシステムにした方がよければ、そのようにしたいと思っている。
 ただ、使う燃料は今のところ、大きな声では言えないが、M−V(ミューファイブ)のSJで使っていたようなカートリッジ式のヒドラジンのエンジンを考えている。というようなことで、再着火も別段大きな問題はないかと考えている。

【中須賀特別委員】

 というのは、もう多分言うまでもないと思うが、小型衛星の世界の話でいうと、多分いろいろなところに衛星を置いていくということが将来起こるのではないかということも考えると、やはり再着火能力が非常に大事だと思っているので、是非その辺を検討いただければと思う。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 どこまでおつき合いできれば一番いいかということについて御相談しながら進めたいと思う。

【青江部会長】

 ほかはいかがか。

【水野特別委員】

 質問番号5−5にある回答の12ページの一番上の方に、(3)の「基幹ロケットとの共通化」がある。これは射場の整備でのというお話であるが、この基幹ロケットというのはいわゆるH−ⅡA系のあのシリーズと思ってよろしいか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 おっしゃるとおりである。

【水野特別委員】

 了解した。是非固体も液体もないので、射場などについてはうまいシステムを作っていただきたい。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 おっしゃるとおりで、それが次の世代の打上げシステムだと思っている。

【青江部会長】

 質問番号5−4というのは、口頭での御説明をスキップされたわけであるが、説明すべくもなく、書いてあるとおりでという程度の話なのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 大変いい指摘だと思うが、内容としては書いてあるとおりである。大事な点は、恐らくは標準バスとしてこの固体ロケットだけではなくて、新しい次期基幹ロケットにも適用できるものをしっかり選ぶと。これによって、どこかで説明したが、機体あるいはロケットに依存しないアビオニクスというのが初めてでき上がると考えている。このネットワークを使うということよりも、ネットワークを使った結果何をするかということの方が重要だと思って、この説明を省略してしまった次第であるが、少し補足する。資料番号5−4というのは、一つの例として質問がなされていて、もう少し根源的なことを我々は問われているのだと思う。

【青江部会長】

 要は、技術の趨勢として、誘導制御系も冗長系のような形に将来的には行くかもしれないであろうということであろう。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 質問はそのとおりで、これまでのロケットのシステムというのはどうなっているかというと、新たに搭載機器を足したり変えたりというのは非常にできにくいシステムだったのである。要するに、ロケットの搭載系というのはそのロケットに非常に特化されていて、なかなか新しい機器の追加というのはできにくかった。
 今度は、ネットワーク化と言っているが、インターフェースを標準化して、あたかもパソコンをインターネットにつなげるような感覚で機器の追加や交換というのが比較的自由に行えるようになる。この誘導制御系の冗長化の話も、新たな誘導制御系を追加するというのが物理的には非常に簡単になる。もちろん、その上でこの例えば冗長化された誘導制御系をどう使うかというソフトの部分、それについては別途検討しなければいけないが、物理的に冗長系を構成するということは今後、非常に容易になるということである。

【青江部会長】

 言ってみれば、次世代、非常に汎用的とでも言うのか、標準的と言うのか、そういうものをきちんと取り入れていこうとしている。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 そのとおりである。例えば、パソコンではウインドウズとマックという全く互換性のない世界がかつてあったわけである。最近はパソコンの世界ではかなり互換性があるようになった。ロケットも同じような感じで、H−ⅡAの機器とM−V(ミューファイブ)の機器というのは、似たような機器があっても相互に交換したり、つけ加えたりすることはなかなかできなかった。これからは、あたかもパソコンをインターネットにつなげるように、搭載機器というのはどのロケットにでも比較的柔軟に対応できるようになる。これが我々の合い言葉として、ロケットに依存しない搭載系という理想の姿で、これが新しい時代のロケットのあるべき姿の一つであると我々は考えている次第である。

【鈴木特別委員】

 その点は非常に本当に大切だと思って、是非実現していただきたいと思う。前からというか、もう随分私は前から考えて思っていることで、今回、この機会にそういうことが開発されて非常に結構だと思って、是非頑張っていただきたいと思う。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 了解した。

【青江部会長】

 今回の技術開発に取り組む課題としては非常に大きな、意味のある項目だと理解しておいてよろしいわけか。

【鈴木特別委員】

 そう思う。

【水野特別委員】

 もう一点であるが、9ページにある「ワーキンググループによる技術検討」、これは旧ISASと旧NASDA(ナスダ)が一緒になったわけであるから、是非こういった形で進めていただきたいと思う。
 この絵というのは、後で御説明があるのかもしれないが、資料7−2−2には追加していただけないのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 申し訳ない、入っていないと思われるので、どうしよう。

【水野特別委員】

 是非追加していただきたい。要は、2つの別々のものが一つになって日本の宇宙開発をJAXA(ジャクサ)でやろうという大きな流れの中で、1ついい方向性で検討が進められていると思う。だから、こういった絵を入れていただきたいと思う。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 了解した。

【中須賀特別委員】

 質問番号5−11あたりで出てきているシステムズエンジニアリングとい考え方であるが、この質問番号5−11の回答に書いてあるので非常にいいと思う。今のシステムズエンジニアリングをやろうとしているのを見ていると、どうもやはり海外から持ってきたのをそのまま、世界的にやられているやり方をそのまま適用しようというのが見える。実は宇宙研等で昔からやられてきたやり方というのは、ある意味で非常に日本として熟成された一つのシステムズエンジニアリングであった。その辺をすべて捨てて、まさに外国に追従するのではなくて、やはり日本流のいいところを是非残していただきたいというのが私個人の考えである。
 ロケットだけではなくて衛星の開発もそうなのであるが、何とかそれもうまく取り入れたような形でJAXA(ジャクサ)のシステムズエンジニアリングの一つの教科書ができていくような流れをこのロケットを一つの参考例として作っていただきたい。それを是非我々にも教えていただきたいと思うが、その辺はいかがか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 大変前向きな御指摘で、中須賀委員と実は私は全く同じようなことを考えている。その辺のニュアンスを質問番号5−11の回答にさらっと書いたつもりなのである。
 おっしゃるとおり、外国から導入するSE(システムズエンジニアリング)の方式がただ一つ正しいというわけではなくて、実際にMシリーズロケットを開発してきた旧宇宙研のやり方にもきっといい部分があるはずだということで、我々の役割としては、そういう宇宙研時代に培ってきたやり方のいい部分を抽出して、これから外から見てもわかりやすい形で整理されているSEと融合していくということを是非考えていきたいと思っている。
 この辺、我々だけのタコつぼで閉じていてもしようがないので、中須賀委員等の力をかりてやっていきたいと思うので、よろしくお願いする。

【青江部会長】

 基本的には町工場のやり方はやめる、卒業すると言っているのであろう。

【鈴木特別委員】

 システムズエンジニアリングというのは別に新しい発想ではなくて、これは私の一つの解釈なのであるが、これは戦前の例えば飛行機設計をやるときからやってきたわけである。ただ、その場合は規模が小さかった。例えばゼロ戦の設計でも、昔の資料をひもといてみると、20人から30人で設計しているわけである。したがって、その人間が全部一カ所で作業をやっていると、自然にシステムズエンジニアリングはできていたわけである。
 ところが、最近は非常に規模が大きくなり、それをいかに統合するかを考えなければならなくなったということで体系化されたものであり、決して全く新しい概念ではない。
 だから、最近私が思うのは、システムズエンジニアリングの議論が多過ぎると思う。本質的なものは別にそれほど難しいものではなくて、昔1人の人が頭の中で考えていたことをいかに組織的にやるかということだけに私は尽きると思う。
 そういう意味で、システムズエンジニアリングというのは解が1つではない。いつも言うエンジニアリングの問題というのは幾つでも解があるわけである。それで、やはり身にあったそういうやり方を自分たちで編み出すと、これが本質的なことだと思うので、それを参考にしていただけたらと思う。
 決して別にシステムズエンジニアリングをやれば何でもうまくいくということではなくて、これは単に方法論であって、本質的なものは、昔からやっていることをいかに意識の上にのぼらせて、それからまた、リーダーだけではなくて、みんながそれを理解した上で一つの方向を定めるということだけだと思う。M−V(ミューファイブ)のシステムズエンジニアリングというのは森田さんが自分で考えればいいことである。その指針はなかなか難解ではあるが例えば多少昔の例だとMIL-STD-499A等に書いてある。
 あまりそれをみんなで議論してあまりディテールにすると、本質的なところがむしろわかりにくくなるという、少し私はそういう傾向があるのではないかと危惧しているので、御参考までに一言言わせていただいた。

【松尾委員長】

 私はオブザーバーであるので拍手は控えさせていただくが、そのとおりである。

【栗原特別委員】

 誘導制御系で少しお伺いしたいが、ネットワーク技術ということであるとLANであるか、あるいは、イーサネットやRS232CやMILスタンダード等からどれかを選んで標準化するということになるということになるのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 一言で言うとそのとおりである。そのネットワークの種類に関しては実は非常に多岐にわたっていて、特に最近、宇宙の分野では衛星系で次世代に使われると目されているもの、規格が新しくできつつある。私たちもその辺の次世代の規格を視野に入れて選定を行うと考えている。まだ1つに決めたわけではない。

【栗原特別委員】

 少し心配なのは、今まで作ったヘリテージというのはいろいろな機材があって、それを全部統一したインターフェースにしていかなければいけないということになると、部品等いろいろ開発が増えるのではないかということである。衛星はまた別にバスにして、受け手はまたバスでというとことになる。
 その辺が少し難しくて、多分将来はこういうスタンダードになるという方向づけがあって、日本はそうなればいいと思うが、例えば米国とヨーロッパはまた別のものを使って、これがあるから安いものを輸入しようとすると、これはやはりバスが違うというのが多分実際やると起こってくるかというのが少し気になるところである。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 その辺の発想は実は逆で、そういうことが従来頻繁に起こっていたので、そういうことがないようにしていこうではないかというのが今回のネットワーク化の考え方の第一歩である。
 我々が今選ぼうとしている規格も、1つのロケットのタコつぼみたいなものではなくて、ロケットばかりではなくて衛星でも使われつつある、衛星の世界でも日本だけではなくて、ESA(イサ)やNASA(ナサ)やいろいろな諸外国で使われつつある規格というのが実はあるのである。そういう規格をいかにうまく取り入れることができるかということが生命線になってくるのである。
 できれば、規格が合わないから使えないというのではなくて、逆にその規格自体が結構、あまりその規格の宣伝をここでする気はないが、インターフェースの部分にソフトの機能があったりするのである。だから、そのインターフェースを持っている機器の向こう側にある機器が一体どういう機器なのかという定義をそのインターフェースのソフト部分で柔軟に行うことができる。
 ということで、ある地上系の設備につける機器がトラポンなのかテレメータなのか誘導制御機器なのかというのはソフト部分で規定できるために、搭載系をチェックする地上系すら汎用化できそうだという勢いになっている。
 そういうことで、部品の従来の枯渇の問題等にも対応できるかと考えている。

【栗原特別委員】

 了解した。非常にいい方向なので、それを早目に、産業界も全体がそういう方に行くように、是非リーダーシップをお願いしたいと思う。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 了解した。

【宮崎特別委員】

 1つ目は11ページの下の部分であるが、質問番号5−5に対する回答で、搭載機器の自律点検機能を持たせるということが書いてあった。そういう場合、自律機能を持った例えば高度なロボットの技術等、新たな研究が必要になってくるが、そのような研究はもう既に取り組んでいるのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 実は点検の自律化のような話は随分前から概念としては言っているわけで、研究自体はずっと進んでいるのである。要はこの次期固体ロケットのプロジェクトを実行するかどうか、そこにかかっているようなものなのである。だから、今の御質問に対して、研究していたというのが御解答である。
 他の産業でいうと、この自律点検機能というのは特別なものではなくて、例えばどこかでお話ししたが、自動車のエアバッグの点検と相似系にあるのである。我々のロケットというのは火薬に火をつけるという意味で点火系なのである。点火系の点検をいかに間違いなく、必要十分にやるかということにロケットの打上げはかかっていると。その点検が非常に大変なのである。それが自律搭載でできれば瞬時に終わってしまう。そこが我々の着眼点である。
 では、ほかの産業でどういうことをやっているかというと、車ではもうやっているのである。例えばエアバッグというのがあるが、あのエアバッグというのは衝撃を受けると小さな火薬が発動してガスを作って膨らむというシステムで、まさにロケットの点火系と同じものが車に載っている。その点検をいつやっているかというと、工場で1回だけやっているのではないのである。皆さんがエンジンをかけるたびに瞬時にやって、点火系のチェックがうまくいったら初めてエンジンがかかるという、そういうシステムにもう既に自動車業界はなっているのである。
 我々ロケット業界は遅ればせにそれをこの新しい固体ロケットでやろうという、ただそれだけのことである。

【宮崎特別委員】

 それから、2つ目であるが、質問番号5−9であるが、確認したい点は、最重要課題の中で、ここでは主に打上げ能力や打上げコストと書いてあるが、やはり時間的概念、開発期間の短縮、これも一つの重要課題、ここには書いてないが、2つ目の回答のところには開発期間の短縮ということが書かれているが、それも一つの課題になっているということか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 おっしゃるとおりである。少し質問に素直に答え過ぎた嫌いがあったと思う。開発期間がやはり短いシステムというのが重要になると思う。

【宮崎特別委員】

 了解した。ここに書かれていないことで、環境への負荷の低減は課題になっているのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 我々としては、前回の説明で御説明したとおり、それも重要課題と考えている。
 そもそも何でロケットがあるのかということを考えると、衛星が打ち上げてほしいからなのである。だから、衛星が載りやすいシステムにしなければ全く意味がない。先ほど中須賀委員から軌道の話も出たが、乗り心地も同じである。諸外国の液体ロケットにも負けないような環境を目指して取り組むというのが大事な点だと思っていて、その点では機械環境等の低減はJAXA(ジャクサ)の最重要課題の一つと言えると思う。

【青江部会長】

 ほかはいかがか。

【池上委員】

 今ずっとお話を聞いていて、固体ロケットと言っているが、M−V(ミューファイブ)の延長、技術的にはもちろん延長なのであるが、コンセプトという点では全然違うと思っている。
 その一つは、ここに書かれているユーザフレンドリーとフレキシビリティという話があって、つまりある目的を達成するためにオプティマイゼーションをやるという言い方をしていない。これは非常に結構だと思う。それこそシステムズエンジニアリングという視点でもって、あるモジュール化も考えていく。場合によっては、そのモジュールを別のものを使うかもしれないし、あるいは、そのモジュールを外で使ってもらうということがあるだろう。ただ、なかなかそれは難しくて、例えば汎用で成功した例というのはあまりないといういろいろ事例もあるので、その辺もよく検討していただきたい。
 1つ聞きたかったのは、そのユーザフレンドリーと言った場合、このユーザはもちろん衛星屋さんということもあるが、ロケット屋さんをユーザと考えることはないのか。つまり、2段目を海外のロケットを作っている人も使うようなことにする、あるいは、うちのほうも3段目は例えば海外の企業のものを、要するに別のところのものを入れるという発想というのはあるのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 その発想は従来からフライングテストベットのような形で概念としてはある。ただ、この新しい小型の固体ロケットに関しては今のところそこまでは視野に入っていない。あくまでも小型の衛星ユーザに対応するということを第一義に考えている。

 次に、事務局から推進7−2−3に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。

【青江部会長】

 いまさら私が言うのは変なのであるが、次期固体ロケットの着手が何で今なのであろうか。何で今でなければならないのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 それはいろいろな要因があると思うが、1つには、M−V(ミューファイブ)ロケットをきれいさっぱりやめてしまったのが1年前という件がある。

【青江部会長】

 それはまだ政策としては決めてない。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 そうであるか。実態としてはそうで、このままだらだらと何年も計画の着手を遅らせていくと、そもそも貴重な人材が散在してしまう。製造設備等で今後使えるものも朽ちていくというような観点である。人と物の維持という観点から、今着手しないと取り返しのつかないことが起こるということである。

【鈴木特別委員】

 本来なら、もう少し早くやるべきだったのではなかろうかという御質問かと思ったのだが。

【青江部会長】

 そうではない。私の質問は逆である。

【鈴木特別委員】

 私はむしろもう少し早く本来はやった方がよかったという感想である。今さら言っても意味はないが。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 普通の考え方で言えば、M−V(ミューファイブ)ロケットが運用されている段階で次のステップを考えておくというのが正しいシステムズエンジニアリングのやり方だと思うので、かなりそもそものスタートラインから後手に回っているということが言えると思う。

【池上委員】

 今かなりきわどい話になっているような気がするが、少なくとも今お答えになったような理由でもって今始めなければいけないということを言っても僕は通らないと思う、今、貧乏な日本であるから。やはり新しい従来の固体ロケットの延長はもちろん技術的には使うのであるが、それを使ってもっと大きく展開するのだというストーリーが必要ではないか。
 ところで、4ページの下の方に、「なお、今後に向けた助言は以下のとおりである」というところがある。ここに「ロケット技術は、国の安全保障に係る技術でもあり」という文言があるが、これはどこから持ってきた助言なのであるか。これは事務局にお聞きしたい。
 これはかなり重いと思うのである。今、何をやらないといけない、今なぜ固体ロケットかという幾つかの理由のうちの一つとして、やはり国の安全保障に係るということを言う話というのは、何となくある、国民全体ではないとは思うが、かなりの人がこれを認めるようになってきたと思うわけである。
 こういうある意味で当たり前のことではあるが、ここにぽんと書かれていることについて。私は非常にタイムリーだと考えているが、その辺、何かむしろほかの方の御意見があればお聞きしたいと思う。

【池原参事官】

 もちろん、評価票の中にも先生方からいただいたものとしてあるし、また、これまでの総合科学技術会議の我が国における宇宙開発戦略の基本戦略、また、宇宙開発委員会の宇宙開発に関する長期的な計画の中にも、やはり我が国の必要な衛星を必要な時期に上げていくというその自律性を維持していくということを国の方針としているということからしても、輸送系ロケット技術というのは非常に我が国の安全保障において重要な技術であるということはこれまでも位置づけられているし、現在、検討していただいている長期的な計画の次の長期的な計画の素案の中にもそういうことで位置づけられようとしていると理解している。

【水野特別委員】

 簡単に。事務局をサポートするわけではないが、21ページに開発方針の妥当の評価項目の4、そこの下から3行目の右端、「ロケット技術は国のSecurityに係る」という文言が載っている。多分ここら辺を参照されたのではないかと。

【池上委員】

 申し訳ない、私が申し上げたかったことは、一般論としてということよりは、今なぜ固体ロケットだというときに、こういうことを言うというのは非常にタイムリーだと思っていて、別に事務局を批判しているわけではない。

【栗原特別委員】

 1つの考えであるが、例えば小型の衛星等を打ち上げるときに、H−ⅡAやM−V(ミューファイブ)だと少し大型ということになったとき、安く打ち上げるとなると、やはりロコットなどロシアとドイツが作った会社と、あるいは、最近は中国という話もあって、やはり、そうすると、搭載する衛星を相手の国に渡さなければいけないというときに、いろいろそこに高度なセンサ等があったときに日本の技術が漏れてしまうといけない。そうすると、やはり日本の技術を守らなければいけないという、観点もあるのではないかと思うが。

【青江部会長】

 何で今かというのは、池上さんが言ったとおり、今先ほどのお答えだけでは、このいわゆる財政状態の中で、さあ、いこうではないかというふうにはならないと思うのである。それは多分、中期的に見た科学の打上げの需要は小型が16個もあって、ここにメーンの需要があって、これをどうやってこなしていくかといったときに、相変わらずM−V(ミューファイブ)を引き続き使っていくか、それよりも、これの方がはるかに長い目で見たら日本として得であるということであるからやるのと違うのか。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 おっしゃるとおりだと思う。

【建入特別委員】

 申し訳ない、先ほど鈴木さんもおっしゃったが、やはり時期を逸したような気がする。去年、1年前でM−V(ミューファイブ)が終わったというその間、1年間あったわけなので、なぜ逸してしまったのか等、その辺を少し、ざっくりで構わないので、教えていただきたいと思うが。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 周辺の事情はともかく、JAXA(ジャクサ)の中では全然逸していなくて、先ほどM−V(ミューファイブ)を先にやめてしまってというのは、あくまでも外から見た話であって、JAXA(ジャクサ)の中の宇宙研本部、基幹本部等を含めて、JAXA(ジャクサ)の中ではM−V(ミューファイブ)ロケットをやめた後どうするかという検討はM−V(ミューファイブ)の運用中からやっている。これは宇宙研時代から考えていたことで、去年の7月にたしか宇宙開発委員会の場で御説明したと思うが、M−V(ミューファイブ)ロケットをやめる引きかえに次期固体ロケットの研究に着手をさせてほしいと申し出たのは、まさにその研究の過程があっての話である。
 だから、技術的な進捗という観点からは全然逸していないということが言えると思う。

【建入特別委員】

 了解した。ありがとう。

【青江部会長】

 ほか、いかがか。

【宮崎特別委員】

 申し訳ない、私は前回の会議は海外出張をしていたので欠席をしているが、もう既に十分な議論がされたかもしれないが、少しよくわからない点は、結局開発が終わって生産をするときには民間企業がそれを生産するわけである。だから、なぜJAXA(ジャクサ)だけで単独で行おうとしているのか、なぜ企業も一緒に共同で研究や、共同で開発しないのか等、そういう点が少しよくわからない。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 今の御指摘に関しては、既にJAXA(ジャクサ)とメーカが連携して研究を進めている。だから、JAXA(ジャクサ)の中だけで閉じている話ではなくて、これは旧宇宙研時代から同様であるが、メーカさんの協力を得ながら進めているというのが実態である。
 ただ、固体ロケットというのは従来の開発の経緯を御説明すると、H−ⅡAのようなプライムの形ではやってきていない。宇宙研自体がプライムというかインテグレータの形で個別のメーカに物を作っていただいているという状況であるので、この新しいロケットに関しても当面はそういう体制でやっている。要するに、1つのメーカが全部引き受けて検討するという仕立てには当然まだ至っていない。

【宮崎特別委員】

 でも、実施体制に関連するその図、ワーキンググループのあの図には全然企業のことが載っていなかった。

【JAXA(ジャクサ)(森田)】

 なるほど。申し訳ない。表の、いろいろな観点でこのワーキンググループの御説明をしているが、先ほどの私の資料の9ページ目は、宇宙研本部とはどういう連携体制になっているかという問いに対するお答えであったので、このような形にかいてあるが、実際のこの作業グループ、ワーキンググループの中には、宇宙基幹システム本部と宇宙研本部のメンバーに加えて、そのほかの本部のメンバー、及び、関係するメーカさんも入っている。

【青江部会長】

 よろしいか。
 ほかはいかがか。
 それでは、基本的にはこの原案についてお認めいただいたというか、部分的に少し手を入れる必要がある部分もあろうかと思うが、そのあたりはお任せいただいて、全体の整理自体の方向としてはこれで御了承いただけるか。よろしいか。

(「了解」の声あり)

 では、またこれも若干の整理をした上で、同じく、これもこの水曜日に宇宙開発委員会の方に報告をさせていただきたいと思う。報告は前者は開発に、こちらは開発研究にステップアップするのはよかろうということでもって整理をさせていただきたいと思う。
 本日御議論いただくことは以上であるが、ほかに何か御連絡をいただくことは。

【事務局(網野)】

 推進7−3になるが、第6回の推進部会の議事録をつけている。こちらについては、事前にお送りしているので、御了解をいただければこの場で案をとらせていただきたいと思うが、よろしいか。

(「了解」の声あり)

 ありがとう。
 また、次回の開催予定であるが、現在のところ未定である。日程等が決まったら別途御連絡させていただきたいと思うので、その際はどうぞよろしくお願いする。以上である。

【青江部会長】

 本日はどうも暑い中、ありがとう。

—了—

お問合せ先

研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成21年以前 --