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推進部会(第6回)議事録・配付資料

1. 日時
  平成18年8月31日(木曜日)10時〜11時30分

2. 場所
  三田共用会議所 第3特別会議室

3. 議題
 
(1) 第24号科学衛星(PLANET−C)の事前評価について
(2) その他

4. 資料
 
推進6−1−1   第24号科学衛星(PLANET−C)プロジェクトについて【改訂版】(PDF:1,057KB)
推進6−1−2 JAXA(ジャクサ)における衛星用ホイールに関する信頼性向上活動について(PDF:187KB)
推進6−1−3 第24号科学衛星(PLANET−C)プロジェクトの事前評価結果(案)

5. 出席者
 
宇宙開発委員会推進部会
  部会長   青江 茂
部会長代理 松尾 弘毅

宇宙開発委員会
  委員   野本 陽代
委員 森尾 稔
委員長 井口 雅一

宇宙開発委員会推進部会
  特別委員   小林 修
特別委員 澤岡 昭
特別委員 小林 修
特別委員 鈴木 章夫
特別委員 高柳 雄一
特別委員 中西 友子
特別委員 廣澤 春任
特別委員 宮崎 久美子

文部科学省研究開発局参事官付
  専門官   石田 雄三
参事官補佐 瀬下 隆
係長 橋本 昌史

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))
  執行役   北原 弘志
宇宙科学研究本部プロジェクトマネージャ 中村 正人
助教授 石井 信明

6. 議事内容
 
(1) 議題「第24号科学衛星(PLANET−C)の事前評価について」
   初めに、JAXA(ジャクサ)から、推進6−1−1及び推進6−1−2に基づき、PLANET−Cのホイールについて補足説明を行った。主な質疑は以下のとおり。

【青江部会長】 ホイールについて前回若干整理が行き届かなかったのは、一つは「はやぶさ」と同形のものを使用するという表現になっていて、「はやぶさ」の場合は搭載三つのうち二つも故障した。だからもう一つ予備を増やして四つにして対応するという感じの御説明があって、それでいいのかねということで少し混乱があったということだと思う。
 もう一つ、JAXA(ジャクサ)全体のタスクフォースでの議論は今進行しているわけだが、そこでの「はやぶさ」の原因究明を踏まえての再試験も今回のプロジェクトチームにはきちんとインプットされているということで、それを踏まえて修正・改訂をいただいた資料が新しいバージョンということである。

【澤岡特別委員】 北原執行役の御説明では、このホイールの回転数が4〜5,000RPMということだったが、前の御説明ではリアクションホイールというのは回転数ゼロ付近で運用するという言葉が出てきていた。これは実際にはどのぐらいで運用されるものなのか。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 今、ホイールの最大能力的な話をしてしまったが、実際には衛星設計によって決まり、基本的には低いところで運用するはずである。先ほど説明した値は当該ホイールの能力としてその位のところまで使えるということである。

【澤岡特別委員】 「はやぶさ」の場合は多分たかだか毎分数百回でお使いになって、こういうトラブルが起きて、今度は数千回で使おうという、10倍以上の回転数の違いがあって、それを同じ目で見て、いい悪いと言っているように素人には聞こえるが、いいのか。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 ホイールの最大能力としては高い回転数まで使用可能であるが、衛星システムとしてはもう少し低いところで運用する。おそらく「はやぶさ」と使い方としてそんなに変わらないと思う。

【JAXA(ジャクサ)(中村)】 「はやぶさ」では大体500回転付近、PLANET−Cでは1,000回転〜1,500回転付近を中心に使うということなので、本質的な差になるものではない。

【澤岡特別委員】 10倍、20倍の差ではないと。

【JAXA(ジャクサ)(中村)】 そのとおり。

【井口委員長】 改訂版については全く問題ないと思う。
 JAXA(ジャクサ)全体としてのホイールに関する信頼性向上、資料6−1−2については別な機会でもちゃんと議論したいと思っている。5ページ目について、私はもうちょっと謙虚に理解してほしいと思うのだが、何も「はやぶさ」のホイールだけではなくて、宇宙部品というのはトラブルを起こしても大体物が手元からなくなるので、原因究明に非常に困る。今まで現物が得られたのはH−2ロケット8号機の1段目のエンジンを海底から拾い上げたことくらいで、これはかなり原因究明が、断定に近い形、断定と言っていいのかわからないが、できたと思う。ほかはほとんど推定である。
 H−2A6号機が失敗したのはSRB−Aという固体ロケットブースターなのだが、あれは再現実験をして、現象が再現した。したがって、現物はないけれども、かなり断定していいようなものだったと思う。ところが、このホイールは再現試験をしていない。だからあくまでも、5ページ目の右上に書いてある原因究明結果というのは推定である。
 では、推定と断定と何が違うかということだが、断定ができれば、あとは徹底的に対策を講じればいいということは言えると思う。しかし、推定というのはそれ以外に本当の原因がないとは言えない。
 前の宇宙開発委員が大変適切な言葉を残していってくださったが、「宇宙の場合には疑わしきは罰する。すべて対策を打つ」ということだ。だから、ここに書いてある推定された原因究明結果について、その下に書いてある対応方針をきちっとやる、これは当然のことだし、ぜひやってほしいと思うが、私が申し上げたいのは、それ以外にも原因があるのかもしれないということを常に頭の中に入れてほしいということだ。
 左上の、例えばFTAで(1)の最後の言葉に「剥離以外の可能性が否定された」、これはそこにいる人たちが考えつかなかったというだけの話だ。今までFTAで「こうだ」と言ったことが、後になって間違いが証明されたということがある。これは未熟であれば、考え落ちということは十分ある。だから、こういうことを断定的に言うこと自体がおかしくて、私はもうちょっと謙虚であってほしいと思う。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 (推定・断定については)委員長が言われたことはそうだと思うが、今回のFTAでは、例えばはやぶさのフライト機器製作と同時期に作ったEMを分解してみたら剥離が発生していたとか、FEM解析をしたら温度条件によっては剥離の可能性があるとか、できるだけサポートデータをつくった。それで100パーセントそうだとは言わないが、それなりのサポートデータから評価して、こうであっただろうという、表現的には推定の域を脱しないが、かなりの確度でそうだろうというところまで追い込んだということだ。

【青江部会長】 確かに「可能性が否定された」という言い方は、ここだけではなくて、JAXA(ジャクサ)のペーパーの中にはわりあいよく出てくる。少しマインドというのか、ビヘイビアというのか、今、委員長が言われたようなことはよく考えておいた方がいいと思う。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 技術的に考えられる不具合要因はすべて洗い出し、例えば100考えられる不具合要因が出たときに、99は根拠を持って「不具合要因ではない」ということで整理した。それ以上のところは現実にはわからないところだが、その範囲で否定されたという意味での表現なので、そのように御理解していただきたい。

【森尾委員】 私は別途詳しい説明をしていただいたので、「はやぶさ」の原因究明の方はそれなりの推定結果でいいのかなという気はしている。
 もともとのオリジナルな設計は、今、御説明のように100回ぐらい実績があるというお話だったが、「はやぶさ」の場合は打上げ時の非常に強烈な振動を問題にして、それに対する対策として改修をしている。今回はそういう特別な対策はされなくてもいいということだが、振動がある程度かかることは事実だ。
 だから、打上げ時の振動のデータを使って振動試験をするなり、100回の内訳はいろんなロケットで打ち上げられているだろうから、振動モードで振動の激しいものとそうでないものに分けるとか、そういうことができれば、非常に振動が強烈なロケットで打ち上げた場合でも十分に成功例があると言っていただくことで安心できる。100回中80回、90回は非常に静かなロケットで今回はそうではないということだと、100回というデータそのものに意味がないことになるが、過去の実績やデータがあまりないのであれば、これから打ち上げるときに必ず振動データをとって、次のリアクションホイールを開発する場合にどういうモードの震度、どれぐらいの強さのものまで耐え得る試験が必要なのかを検討するとか、そういう科学的なアプローチを是非お願いしたい。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 Ithacoは100台実績があるわけだが、そこには当然振動条件はこれ以下で使ってくださいというIthacoが設定している仕様レベルがある。それに対して今度、PLANET−CはH−2Aで打つことが今想定されていて、H−2Aの振動条件を衛星側には音響レベルで与えるわけだが、それがIthacoの今の標準品の振動条件に合うかどうかということを今PLANET−C側の方で、解析をしている。
 必要に応じ衛星側の構体設計等を強くして、それによってIthacoの保証している振動レベル以下で使えるようにしたいと基本的には考えている。
 H−2Aも過去に音響レベルを何回かフライト中に計っていて、そのデータを統計的に処理して、衛星ユーザーの方に提示している。そのデータをもとに環境条件をインターフェースとして与えている。

【青江部会長】 そういうことではなくて、もう少し事象を技術的に見極める努力を広範かつ分厚くやるべきではないかということだと思うが。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 それはホイールにかかわらず、すべての信頼性向上活動として問題が起こった時には、そこを十分評価して、直接的に改善すること、また必要に応じて水平展開を行っている。必要ならば解析の強化、追加試験をすることによって信頼性向上を図っている。

【青江部会長】 6号機失敗以降、調査部会で議論したときの一番大きな教訓は、いくら地上で試験をやっても分からないことは分からないということだったのではないか。そこを分かるようにするためには、宇宙の経験が不足しているのだから、できる限りデータをとって解析をする、非常に広範な分厚い基盤技術の蓄積が重要なのではないかということだったと思う。  その一環として、今回の問題もあるだろうと。今回はこれでいいかもしれないが。北原さんはまさにJAXA(ジャクサ)内においてそのような活動の一種元締めの役目にあるのではないか。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 分からないものを分かるようにするということはなかなか難しいが、JAXA(ジャクサ)では今、技術基盤を強くするために技術専門グループを強化するとか、システムエンジニアリング的な観点が弱かったということで、そういった部署を作って強化するとか、分からないところを分かるようにできるだけしていくための改革をし活動をしている。
 また、宇宙開発委員会でも整理していただいたが、実用衛星と試験衛星を分けて考え、基本的には実用衛星は既存の実績のあるものを使っていくという方針で実施している。それは宇宙開発委員会で議論されたことを受けていると考えている。

【中西特別委員】 中の仕組みはよく分からないが、総点検体制とか技術力を強くするとかという話を伺っていると、例えば会社だとTQC(トータル・クオリティ・コントロール)とか、現場の人たちが、誰が責任を持ってどう開発するかという流れがきちんとある。本プロジェクトはそれとは違うやり方でもいいとは思われるが、システム的な問題点とかはないのか。

【JAXA(ジャクサ)(北原)】 JAXA(ジャクサ)の開発部門はISO9001を取得している。それは別としても、基本的にはプロジェクトマネージャが一切の責任を持って開発に当たっている。そのプロジェクトをいかにサポートするかが大事だということで、先ほど言った総合技術研究本部の技術専門グループとかシステムエンジニアリンググループとか安全信頼性推進部、そういった共通部門がきちんとプロジェクトをサポートする活動を始めている。基本はプロジェクトマネージャが全責任を持ってやるということが明確になっている。


 次に、JAXA(ジャクサ)から、推進6−1−1に基づき、前回からの修正箇所について説明を行った。主な質疑は以下のとおり。

【鈴木特別委員】 高温の話で、太陽電池パドルというのは結局温度が問題だが、これは長時間の実績はあるのか。ここはかなり気をつけないといけないところだと思う。

【JAXA(ジャクサ)(石井)】 2年、3年という長期間の実績がある。もちろん高温になってしまうが、後ろ側のラジエータ面積を確保することで、排熱を大きくし、温度としては従来並みの温度を目標にしている。


 次に、資料6−1−3に基づき、事務局から説明を行った。主な質疑は以下のとおり。

【井口委員長】 7ページ目の最後の行、「しかるべき時期に宇宙開発委員会に報告する」、「しかるべき時期」というのはいつ頃で、これは部会でなくて宇宙開発委員会に報告なのか。

【瀬下補佐】 しかるべき時期というのは、例えば先ほどのモーメンタムホイールについて、環境条件の確認をする、それがある程度目処が立つのが11月であるというお話があったかと思うが、そのタイミングにおいて報告をいただきたいということと、宇宙開発委員会全体としてもし大きな問題があったら報告をいただくことになる。

【青江部会長】 では、これで御了承いただけたようなので、この推進部会としてこの案をとって、宇宙開発委員会の方に推進部会としてのレポートとして報告をさせていただきたい。

(了承)


─了─

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

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