ここからサイトの主なメニューです
推進5−2−2

宇宙開発委員会 第4回推進部会議事録(案)

1. 日時
  平成18年8月10日(木曜日)13時〜14時15分

2. 場所
  三田共用会議所 第3特別会議室

3. 議題
 
(1) 準天頂高精度測位実験の事前評価について
(2) その他

4. 資料
 
推進4−1−1   準天頂高精度測位実験について【改訂版】
推進4−1−2 準天頂高精度測位実験の事前評価結果 中間とりまとめ(案)
推進4−2−1 宇宙開発委員会推進部会の今後の予定について
推進4−2−2 宇宙開発委員会 第3回推進部会 議事録(案)
参考資料4−1 宇宙開発に関するプロジェクトの評価指針

5. 出席者
 
宇宙開発委員会推進部会部会長   青江 茂
宇宙開発委員会推進部会部会長代理 松尾 弘毅
宇宙開発委員会委員 森尾 稔
宇宙開発委員会委員長 井口 雅一
宇宙開発委員会推進部会特別委員 小林 修
宇宙開発委員会推進部会特別委員 佐藤 勝彦
宇宙開発委員会推進部会特別委員 鈴木 章夫
宇宙開発委員会推進部会特別委員 高柳 雄一
宇宙開発委員会推進部会特別委員 中西 友子
宇宙開発委員会推進部会特別委員 廣澤 春任
宇宙開発委員会推進部会特別委員 水野 秀樹
宇宙開発委員会推進部会特別委員

宮崎 久美子
文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当) 池原 充洋
文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付参事官補佐 萩原 貞洋
瀬下 隆
文部科学省研究開発局宇宙開発利用課長 奈良 人司
総務省宇宙通信政策課衛星開発推進官 小出 孝治
経済産業省航空機武器宇宙産業課宇宙産業室係長 日爪 直樹
国土交通省総合政策局技術安全課技術開発推進官 吉原 敬一
国土交通省大臣官房技術調査課課長補佐 大木 章一
産業総合研究所宇宙技術グループ主任研究員 岩田 敏彰
情報通信研究機構光・時空標準グループリサーチマネージャー

浜 真一
【説明者】  
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))  
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))理事 堀川 康
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))衛星測位システム室長 吉冨 進

6. 議事内容
 
(1) 議題「準天頂高精度測位実験の事前評価について」
   初めに、青江部会長から、前回の会議後に特別委員から数件の質問があったが、個別に補足説明を行ったため、追加の会議は開催しなかったとの説明があった。また、本日可能であれば報告書をとりまとめたいとの説明があった。
 次に、JAXA(ジャクサ)から推進4−1−1に基づき、会議後の質問等を踏まえ修正した箇所について説明があった。また、事務局から補足説明があった。
 主な質疑は以下のとおり。

 

【森尾委員】 推進4−1−1の14ページ、電離層の遅延補正で説明されたことはこういうことか。つまり、今のシステムは、グローバルに補正はこれぐらいと数値で補正されているのを、日本については、ディファレンシャルGPSのデータを使って、より正確な位置情報が得られるので、そのあたりから逆に補正値を求めることができるということか。

【JAXA(ジャクサ)(吉冨)】 国土交通省で全国に約1,200カ所電子基準点があるので、そこで取得したデータをもとにして、いわゆる日本近傍での電離層の遅延を求めようという試みをやろうとしている。

【森尾委員】 つまり、今までの運用実績をもとに、より精度を上げていこうという努力だと思うが、これ以外に、準天頂衛星で、今のシステムより精度を上げるなり、正確さを上げるなり、性能を改善できそうな項目というのは何かあるのか。

【JAXA(ジャクサ)(吉冨)】 いわゆる測位の精度の中の誤差要因としては、この電離層遅延というのが一番大きいということで、ここを改善すると、かなりの精度の向上が見られる。そのほかの要因として軌道の推定があり、今JAXA(ジャクサ)では軌道推定の技術をさらに向上させようということで取り組んでいる。ただ、それは全体から見た時の影響は電離層ほど大きくはない。また、時刻推定もそうだし、軌道の推定と併せてそういう中の一つとしてこれから我々としては取り組んでいくつもりである。

【森尾委員】 先回の電波望遠鏡の話のときに、衛星の位置情報というのはGPS情報から正確な情報を得て、望遠鏡の精度を上げているという説明があった。GPSの衛星の位置そのものの情報がより正確になれば、地上でのGPSのポジショニングという意味では大した改善は見込めないのかもしれないが、電波望遠鏡みたいなものを考えたときに衛星の軌道をより正確に求めるために、GPS用の衛星の位置をより正確に割り出すということは意味がないのか。

【JAXA(ジャクサ)(吉冨)】 あると思う。今、そういう応用面でいくと、例えば、ISS計画で、日本がHTVという輸送機を開発した。あれもGPSを使って位置を出して、ステーションに近づいていくということがあるので、そういう高精度化というのは非常にクリティカルで意味のあることだと我々は思っている。

 次に、事務局から推進4−1−2に基づき説明があった。主な質疑は以下のとおり。

【青江部会長】 目的・意義の確認に関連して、疑問があるという意見が一方あり、その意見に対しては、説明が十分でなかったようであるため、考え方を少し整理して補足した。しかしながら、継続して打ち上げる計画なくして意味があるのだろうかということについては、確かに、補完システムの確立に向けてということだとすれば、3つ上げてこそ一人前ということになる。第1段階、第2段階と、こう区分けをして二つに分けて、まず第1段階だけやってみて、そこから先はそこから先の話だと、こういう整理を3月の末にしたわけである。その整理に基づくと、その先があるのかないのかというのは、観念的には、ないということも論理的にはあり得るということだが、実体論からして、かなりの議論を踏まえて、第1段階、第2段階という方針を策定したという経緯を踏まえると、仕方がないのかという気もするわけであり、まずは第1段階できちんとした成果を上げること、これに専心をするというか、それに頑張っていただくことで先が開けるのではないかと思う。

【中西特別委員】 基本的にはいいと思うが、外国との協力では、東アジアに力点が置かれているように書かれているが、やはりアメリカとの協力関係が非常に大切だと思う。宇宙関連技術が、経済的、社会的に私たちに関係する基盤技術となっていくためには、技術が標準化されなければならないし、標準化されなければ使用されない。せっかく良い技術を開発しても、使われなくては意味がない。だから、リスクが多いものに国が後押しをするということも重要だが、標準化に際しても国の後押しが要るのではないかと思う。この点は特にアメリカとの関係において非常に重要となってくるのでアメリカとの協力をもう少し念頭に入れていただければと思う。

【青江部会長】 先ほど、最初に、アメリカとの間の技術的な協議の状況を少し説明いただいたわけだが、補足することがあれば、もう少し丁寧に状況の説明をお願いしたい。

【JAXA(ジャクサ)(吉冨)】 今、実際にGPSで使われているのは、L1という周波帯の一部のものが使われているが、今後、GPS自体も周波数をL2とかL5とか、L1帯ももっと高精度なものをということで、アメリカでは、順次GPS計画の高精度化に向けた長期計画が示されている。
 今、我々が準天頂で出す信号は、徐々に近代化していくものも含め、GPSのすべての信号を網羅して、同じスペックで同じ信号を出すということを原則にしている。なおかつ、L1Cという信号については、アメリカは2013年に初号機が打ち上がる予定だが、今の予定でいくと、アメリカがL1C信号を出す前に、2009年ごろに打ち上げる予定の準天頂で、アメリカのGPSに先駆けて、まず我々がL1Cの信号を出す。それで、いろいろ問題点等を抽出して、よりいいものを、グローバルなサービスができるようになっていくということになっている。技術仕様書についても、先週ハワイで専門家会合をやったが、まずはL1Cという信号の共通化、仕様書の共通化ということは合意した。それ以外の信号についても、仕様書の共通化をしようということで、これから細かい調整をしていくということが合意されているので、そういう意味では、我々は、GPSの動向をフルに踏まえて、両立するシステムを作っていくということはできるだろうと思っている。

【青江部会長】 それから、Galileoとの調整についても簡単に紹介いただいた方がいいかもしれない。

【JAXA(ジャクサ)(吉冨)】 ご承知のとおり、Galileoは、去年の12月に試験機の1号機が上がった。基本的には、測位というのは、Lバンドという1.5GHz(ギガヘルツ)帯の周波数帯が国際的に割り当てられて、同じ周波数帯の中で使い分けているが、今、少なくともGalileoと我々の準天頂との間、GalileoとGPSの間もそうだが、少なくとも電波干渉等がお互いにないようにということで、ITUという枠組みが、周波数調整の国際的な場があるが、その場を使って、お互いに干渉しない、干渉を与えない、干渉を受けないという調整をやっている。そういう意味では、Galileoと準天頂との間では共存性はある。GPSも当然、Galileoとの間で、米欧間でそういう共存性とか運用性の調整がやられている。

【奈良課長】 アメリカとの協力について補足させていただく。実は、地理・空間情報の基本法という法案が、今、国会に上程されているが、その20条、21条に、測位衛星の関係が記述されている。そこの20条に、アメリカとの連絡調整をきちっとやるということが記述されていて、法律はまだ上程中だが、その議論の中で、外務省を中心に、総務省、当然ながら文部科学省を含めて、きちっとアメリカと整合性をとってやっていくということが法律に書かれている。実態として、そこをきっちりとアメリカとやっていくということになっていて、そのように外務省も含めて、国としてもやるということになっている。

【森尾委員】 非常に大ざっぱな数字でいいが、お金だが、第1段階で大体、総額どれぐらいか。第2段階、2号機、3号機までいくとどれぐらいかというイメージだけでも教えてほしい。

【JAXA(ジャクサ)(吉冨)】 お金の仕分けには二つあり、従来の、いわゆる我々が民間と協力していた計画では、測位のミッション機器開発ということで、長期的な資金については、総務省等も含めた国全体として、総額495億円という額が組まれている。その495億円のうち230億円が、JAXA(ジャクサ)が開発する測位補完とか、次世代の実験用信号とか、基盤技術の開発として割り当てられている。その230億円は、従来の計画だと衛星を3機続けて上げてということだったから、3機分のミッション機器の開発プラス地上の予備を含めたものとなっている。
 ところが、今回、3月31日の方針が出たのを受けて、230億円のうちの、今回は1号機だけということになったから、2号機分、3号機分、地上の予備を引いて、今のところ、測位のミッション開発については、JAXA(ジャクサ)分としては約155億円を見積もっている。
 それから、第1段階の、いわゆる共通経費と我々は言っているが、衛星バスのシステムの開発、ロケットの打上げ費、地上の新しい衛星管制系の開発をやらなくてはいけないが、それを含めて、今、約330億円を見積もっている。この330億を、総務省、経済産業省、国交省と文科省で分担するということで、今、省レベルでその調整を、幾らずつ分担するかということの調整がされている。
 当面、その330億円のうちの約280億円がJAXA(ジャクサ)の負担分という想定で、そのあたりの数字は、前回お配りした第2分冊の15ページのところに、「プロジェクト資金」ということで、第2分冊の15ページに、今言った155億円、330億円、280億円という数字を書いている。

【宮崎特別委員】 前回、この審議のときには、私は既に退出していたのでよくわからないが、9ページ目の実施体制の「概ね妥当」の8番目の意見の中で、そこで、利用実証はJAXA(ジャクサ)の責任範囲外という整理が、今回の事前評価で多く示されたことになっているが、そうなのか。
 あと、利用実験では、カーナビ以外、どういうものの実証が行われるのか。本当にJAXA(ジャクサ)の責任範囲外なのか。

【青江部会長】 先ほど、最初にJAXA(ジャクサ)から説明をいただいた資料、推進4−1−1があるが、そこの23ページを開いていただいて、この左側の青い点線で囲った部分を一つのくくりとして、本件プロジェクトについての評価をいただけないだろうか。
 それと密接に関連する外側のプロジェクトは、ピンクの縦で引いているが、これが今おっしゃった利用実証である。これは、JAXA(ジャクサ)が衛星から信号を降らせるから、国交省側で利用実証を進めてほしいということでの役割分担になっていて、今回のJAXA(ジャクサ)が責任を持つ範囲は、この青い点線でくくったところである。そういう整理でお願いするということで評価をお願いしている。
 なお、後の質問の、ここでどういう具体的な利用実証をやろうとしているのかということについて、国交省で今の段階においての構想というものは紹介いただけるか。

【JAXA(ジャクサ)(吉冨)】 今、部会長が説明された23ページについては、これはピンクの部分は国交省がやられる補強実験の部分であり、今、我々が想定している利用実験は、いわゆる補完情報だとか補強情報を使って、いろんな使い方がこれから想定されるだろうということを我々は考えてはいる。実際に民間とか、今、この研究開発にかかわってない4省以外の省庁でも、いろいろと利用機関、国レベルでの利用省庁は当然あるという想定であるので、4省以外の省庁での利用、民間での利用、民間はもともと測位の補強とかというサービスをやるということが前から前提になっていて、いろいろなビジネスモデルがある程度想定されている。今後、そのあたりを具体化し、文科省取りまとめの中で、利用実証を、どういう道具を用意して、どのようにやるかということが今後決められていくということで、今回のJAXA(ジャクサ)の所掌の中からはとりあえずわきに置いてある。
 だから、当然、これからプロジェクトを進める中で、実際に打ち上げた後に、民間とか研究開発4省以外の省庁で利用される機関と協力して、利用実証をどうやっていこうか、どういう役割分担、責任分担でやるかということが今後決められるという意味で、今回の評価の中には入っていないという整理である。

【宮崎特別委員】 そうすると、利用実証の実験に使うための予算はないのか。

【奈良課長】 文科省取りまとめとして、説明させていただく。
 利用実証については、現在、ASBC、新衛星ビジネス会社という企画会社があり、本来そこが民間の会社を起こして通信・放送をやるという段取りだったが、先ほど言ったように、そういうことが難しいということで、今、ASBCという会社が、財団法人にするとかいうことを検討中である。何らかのそういう組織をまず民間が作る。その民間がコアになって、いろいろな利用、例えば、ビジネスモデルとか、マンナビとか、携帯電話を使った利用とか、そういうことを考えていくということで、今、民間が検討中である。
 それから、利用省庁は現時点では未定である。これからそれぞれの省庁が、こういうように使えるとか使えないといったことを議論して、もし使えることが出てくると、例えば、A省庁がこういう格好で利用を考えてやってみたいということで、それはそこから予算要求していくということになると思う。
 ただ、今、一つだけ予定された実験としては、先ほどのピンクの部分の実験があるが、ほかのものについては、まだ具体的に、予算が幾らとか、どの省庁が参加するということは、これからの課題ということで決まってない。ただ、そういうことをこれからやっていこうということで今話し合っているところである。

【宮崎特別委員】 一遍聞いた話では、農家なんかでも、いろんな動物、牛とかに受信機をつけて、位置を確認したりできるということも聞くから、利用できるところは随分幅が広いと思う。そういった実験も進めないと。

【奈良課長】 今おっしゃっているような話とか、自動的に稲刈りをするとか、無人の除雪の列車を走らせるとか、あとは、災害の救助隊員がそういうものを持っていくとか、実はいろんな応用の議論はある。
 ただ、具体的に、どの省庁が何をやるということは未定であり、今おっしゃったような話も含めて、こういう使い方があるんだろうという議論はいろいろあり、今後それが具体的になればいいと思っている。

【青江部会長】 それでは、この原案で、本推進部会の評価その1という段階においての取りまとめということにさせていただきたいと思うが、よろしいか。

(了承)



(2) 議題「その他」
   事務局から、推進4−2−1及び推進4−2−2に基づき説明があった。特段の質疑はなく了承された。

−了−


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ