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推進部会(第8回)議事録・配付資料

1. 日時
  平成17年11月29日(火曜日)10時〜11時15分

2. 場所
  霞ヶ関ビル33階 東海大学校友会館 富士の間

3. 議題
 
(1) 高速飛行実証及び宇宙往還技術試験機(HOPE−X)プロジェクトの事後評価について
(2) その他

4. 資料
 
推進8-1  

高速飛行実証及び宇宙往還技術試験機(HOPE−X)プロジェクトの事後評価結果(案)(PDF:291KB)

推進8-2   宇宙開発委員会第7回推進部会議事録(案)
参考資料8-1   宇宙往還技術試験機(HOPE−X)プロジェクトの概要について(PDF:407KB)(※推進部会(第6回)議事録・配付資料へリンク)
参考資料8-2   宇宙往還技術試験機(HOPE−X)プロジェクトの成果について(PDF:2,501KB)(※推進部会(第7回)議事録・配付資料へリンク)

5. 出席者
 
宇宙開発委員会推進部会部会長   青江 茂
宇宙開発委員会推進部会部会長代理 松尾 弘毅
宇宙開発委員会委員長 井口 雅一
宇宙開発委員会委員 野本 陽代
宇宙開発委員会委員 森尾 稔
宇宙開発委員会推進部会特別委員 小林 修
宇宙開発委員会推進部会特別委員 澤岡 昭
宇宙開発委員会推進部会特別委員 鈴木 章夫
宇宙開発委員会推進部会特別委員 住 明正
宇宙開発委員会推進部会特別委員 高柳 雄一
宇宙開発委員会推進部会特別委員 中西 友子
宇宙開発委員会推進部会特別委員 廣澤 春任
宇宙開発委員会推進部会特別委員 宮崎 久美子
宇宙開発委員会推進部会特別委員 水野 秀樹

文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付参事官補佐   高橋 理恵
文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付参事官補佐 水藤 貴靖

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構総合技術研究本部担当執行役   渡辺 篤太郎
独立行政法人宇宙航空研究開発機構総合技術研究本部将来宇宙輸送系研究センター長 中安 英彦
独立行政法人宇宙航空研究開発機構経営企画部 白水 正男

6. 議事内容
 
(1)
議題(1) 「高速飛行実証及び宇宙往還技術試験機(HOPE−X)プロジェクトの事後評価について」
  事務局から、「推進8−1」に基づき説明を行った。
  主な質疑については以下のとおり。


【青江部会長】 まず、前回御議論をいただき、御了承をいただいた高速飛行実証の評価の結果部分だが、少し修文をしている。NAL、NASDA(ナスダ)だけではなく、参加した関連企業も一緒にいい体制で遂行できたということは、しっかりと書いておいた方が良いという御指摘があり、そのような形で修文をさせていただいた。あとは若干の修文だが、これについては最終的によろしいか。

(了承)
 では、高速飛行実証については、こういう形で整理をさせていただきたい。
 続いて、JAXA(ジャクサ)より本プロジェクトにおける産業界の寄与について補足の説明があった。
 主な質疑については以下のとおり。

【澤岡特別委員】 スライド3枚目には有人飛行までの道筋が示されている。本研究開発の結果、その道筋において当初目標にした無人機の設計に入れるレベルに達していると理解して良いのか。それまでにまだ大きな試験をやらないのかについてお聞きしたい。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 無人のHOPEの実用版でよろしいか。

【澤岡特別委員】 それで結構。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 それに関しては、HOPE−Xで目指したコンセプトの範囲内でという限定つきだが、詳細設計から製造に入れるだけのものを、当時持っていたと。現在、若干設備等が失われつつあるという問題を除けば、技術的には無人のものを作るだけのものはあると思っている。

【井口委員長】 私は反対である。日本の宇宙開発というのは、生産技術に関すること、信頼性、耐久性あるいはコストというものを軽視してきた。そして、ようやくいろんな方が、そうだということを理解してくれつつある。
 ここで私が一番疑問に思うのは、基本設計という定義だが、この中にそういったものが入っていない。これは、科学衛星みたいなものとは少し質が違うと思う。科学衛星のようなものは、ある程度コストとは無関係にやるということはあるが、これは実用に結びつくわけである。そのときに、基本設計でいろんなものが、私に言わせれば6割から7割決まると思う。その後、詳細設計などを進めていくに従って改良するものはあると思うが。コストなんていうのは、基本設計で多分6〜7割決まってしまう。
 それは別だという表現になっている。ですから、「これで実機作れますか」、「コストや何やかやを無視すればできると思います」。だけど、そうではないだろう。日本の宇宙開発をよく考えてみれば、そんなたくさん試作機を作って、壊して、また改良してというようなステップは、多分許されないと思う。今までのロケット設計を見てもそうだろう。H−2で、言うならば、極端な言い方をすると、性能だけを追いかけて、コストがあまりにもかかり過ぎたから、コストを半減して、結局、ある部分は信頼性まで落ちた。最初の段階でほとんどのことを考えておかなければいけない。私は、基本設計というのはそういうものが含まれると思う。基本設計は後だという考え方、つまり、その部分がほとんど残されているという意味で、「すぐ実機設計に入れます」というのは、私は反対する。

【青江部会長】 中身の議論に入ってしまったが、実は9ページをお開きいただきたいと思うが、総合評価の最後のパラグラフだが、「特に、将来の再使用型輸送機の研究開発の観点からは実用化を見据えた信頼性、耐久性、運用コスト等について、現段階では十分な検討が進んでいないと考えられ、引き続き基盤技術の着実な研究開発が進められることを期待する」。今、委員長が言われた部分の表現というのは、ここに示している。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 我々ももっともだと思っていて、言葉が足らなかったかもしれないが、HOPE−Xというコンセプトの下ではできると申し上げた。あのHOPE−Xのコンセプトのものを今、作るのが賢明かどうか、我が国にとって意味があるかどうかという判断は、また別のものだと思っている。
 先ほど、「残された課題」のところに入れたが、性能というのはコストも含めてと思っているが、そういうものを高めるための技術だとか、今の技術をより高めていくとか、そういう努力はまだ行う必要があり、残ったものが非常に多くあると認識している。従って、技術として完成したとか、HOPE―Xというものはもう完璧なシステムだとか言うつもりはない。HOPE―Xというコンセプトのものを作れるかと質問されれば、今は作ることはできると考えますということを申したかった。

【青江部会長】 ただし、もし実機製作フェーズに移る段階というのは、先ほど委員長から御指摘のあったように、そこの段階からコストや信頼性、耐久性というものを勘案した形のいわゆる詳細設計を始めて、それで物を作っていくということになるでしょうねと。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 基本的な姿勢は仰る通り。我々あるいはシャトルの言い訳を若干させていただくと、タイルというのは、従来のアポロのアブレータに比べると、何回も使えるということで安くなると当時考えたわけだが、実際に飛ばしてみたら、予想していなかったコスト高の要因が判明したということで、事前にそれを見出すことが容易であったかどうかというのは、かなり議論になるところだと思うが、結果的には十分なものではなかったということは、ある意味では飛ばして分かったと言うところもあると考える。

【青江部会長】 このあたりの議論というのは、実用というものをかなり具体的に視界の中に入れた開発というものの進め方の問題。これはもう往還機だけの問題ではなく、全ての宇宙開発関係の技術開発に関わる問題だと思うが、一種フィロソフィーに関わる問題だろうということで、実は、一筋縄ではいかないというか、なかなか難しいいろんな問題を、具体的にははらんでいるのだろうなというふうには思っている。

【鈴木特別委員】 今、仰る通り、実用と言っても、HOPE−Xはもともと実験機で、実験機だから冒険がいいということでは決してないが、開発の方法論として、本当に実用というのを初めから表に出した開発ではないわけ。言い方によっては非常に語弊が出る話であり、議論も非常に難しい話だが、やはり方法論として宇宙開発がどういうことでやっているか。
 ロケットの場合と、また、今、実用になっている人工衛星、これはまた方法論が違うと私は思う。そこの議論に短時間で結論を出すのは非常に難しいと思うが、そこはやっぱり今後、本当に議論していくことが必要ではないかと思う。

【井口委員長】 なぜコストのことまで言うかというと、私、大変な反省をしていて、リニアモーターカーの車両設計委員会の委員長をやっているが、10年位前までは、限界投資額という概念で進めてきた。つまり、実用化のためには、これだけのコストでできるものでなければ実用にならない。ところが、細かな話になるが、超電導磁石というのが、超電導磁石でなくなるような現象が起きて、とにかく浮かなかった。とにかく浮かさなきゃいけないというので、そこでコスト無視が始まった。
 結局、今できたのは、コストを半分にすれば実用化できるかもしれないという状況。一度は浮かさなきゃいけないから、仕方がないといえば仕方がないが、これから半減できるかにかかっているわけである。
 だから、最初のところからそれを本当にやっておかないと、これからの世の中というのは、幾ら高くても実用化するなんていうことは、多分あり得ないと思う。

【鈴木特別委員】 気持ちは確かによくわかるが、昔、我が国が実用を目指したロケットの開発を始めたときも、最初はライセンスというか、技術導入で、それで安定した実用化というのはもちろん目指したわけである。H−1ロケットで何とか太刀打ちできる独自の技術開発をしたいというときに、当然、実用が目標になるわけだが、最初から本当に実用的で万全なロケットを開発するということは、非常に微妙な話になる。確かにコスト的には高かった。また、それが、見方によっては極めて大きな冒険だったわけである。
 それを、では初めからこれは必ず実用だということで突き進めたかとなると、いろいろ微妙な問題があるので、やっぱりこれは、技術の根本を理解した上で、どこまで本当にチャレンジして、ただし、そのときにどういう制約でやるかとか、これは非常に重要な問題だと思う。別にその結論とか何とかという話ではないが、宇宙開発というのは、どうしてもチャレンジ的なところもあるので、そこをどれだけ許容できるか、あるいは、より実用に近いものはリスクをどうやって軽減するかとか、本当にそこは重要な議論だと思う。

【井口委員長】 申し訳ないが、H−2、H−2Aでは、いかに今まで続けてきたものの尻拭いをするかで、我々宇宙開発委員会は汲々としている。だから、間違ったと言っては失礼だが、やり方は正しくなかったと言わざるを得ないと考えている。

【青江部会長】 大変難しい議論。原子力も、同じようなものというのが一皮むいてみるとある。同時に、よく言われるが、私は旧科技庁にいたので、「科技庁の作るものはいいものを作るけれど、高いねえ」ということをよく言われており、思うところ大分あり、個別論としてはいろいろあると思う。

【住特別委員】 恐らく反省するとすれば、やはり右肩上がりで、行け行けどんどんで行けば金はついてくるというのがベースにあって、だから、すべての研究機関含めても、大型装置を作っていけばまずつぶれないし、月次投入の資金は大体来るから、とにかく大きくしておけば後が保障されるみたいなところというのが、やっぱり80年代、行け行けの時代にあった。だから、とにかく金かかるようにしておけば絶対金はついてくるから、行こうではないかと、そんな気分がやはりあったと思う。
 だから、あのバブルの前の頃からの時代のときに、将来こんな時代が来るというのは思っていなかった。だが、今は、21世紀は十分見通せる段階なので、そこでやっぱりもう本当にその脳を変えなきゃだめだと僕は思うが、それにかわるアイデアがない。研究所もメーカーさんも物作らなくてじっとしている、例えば瞑想していればいいかって、そうはいかないと。だから、やっぱりそれにかわるような新しいビジネスモデルを何か作っていくことが非常に大事で、特にこういうパブリックな大型の機器開発の問題に占めるコストの問題はある意味で大きくて、これだけ財政危機の中で、やっぱりツケは先に回せばいいというのではいかないと思うから、それを何か新しいのを出していくことが、宇宙に関してもそうだし、原子力もそうだし、何か必要だと僕は思う。

【中西特別委員】 今、青江部会長がおっしゃったように、ほかの大型プロジェクトも同じだと思うが、例えば、大型の医療機器を開発するときには、消費者、つまり患者さんが幾ら払えるかというコストとを念頭に置くと、自然とその機器に対する投資が決まると思う。よって、これも、実際に応用に供するとすれば、幾らぐらいだったら実用化できるかを考え、基本設計段階から、徹底的にコストと環境に配慮した設計計画をたてるべきだと思うが、そういう考え方はあまりこのプロジェクトにはなじまないのか。技術を優先的に開発することも大切だが、限られた予算を使用して大型機器を有効に開発するためにはコストに配慮した設計を徹底的に考えていくことも大切ではないかと思う。

【青江部会長】 これを議論し始めると、今さらということで、結構難しい議論というか、要するに、技術開発戦略をサプライサイドから見るのか、ディマンドサイドから見るのかという議論もあるけれども、一方、ディマンドサイドからだけ見ていたら、先ほど住さんがおっしゃったように、本当にチャレンジングな、切り開く部分が失われてしまうところもある。これはやっぱり非常に難しい問題をはらんでいると思うが、これはこの辺で、とりあえず文章的には、先ほど申し上げました部分の一番最後の部分がかかわっているわけだが、その辺、留意していただき、もとに戻って、6ページからのHOPE−Xプロジェクトの事後評価についての議論をお願いしたいと思う。
 まず、一つは、アウトプット、アウトカムのところまであたりで1点気になるのは、疑問があるという御意見をいただいていること。それなりにデータも積み重なり、研究成果も蓄積されて、出すべきものを出している。ただ、先行きの再使用型輸送機の全体像というのがまだクリアじゃないということだとすれば、アウトカムというものが、どれだけのアウトカムがあったと判定し得るのか、なかなか難しいと。そういう御意見だと思うが、これに対して、少なくとも往還機については、いわゆるカプセル、それから有翼ですか、一種の振り子のように、今はカプセル型に振れておるようだけれども、長期的にはまだいろんな可能性があるということで、少なくとも有力な一方式についての大変意味のある蓄積というのが図られたということだけは言えるのではないかということで、こういう整理をさせていただいているが、その辺を含め、アウトプット、アウトカムあたりで御議論いただければと思う。

【宮崎特別委員】 6ページから7ページに書かれていることは、「有効な技術蓄積ができた」とか、それから、「例えば、空力特性に関するデータベースや空力特性推算技術は、今後の研究開発において有用であると考えられる」ということが書いてある。でも、アウトカムというのは、技術開発をした上で、それが社会にどう影響を与えたか、あるいは産業界にどう影響を与えたか、波及効果も含めたことをアウトカムといっている。
 ここでは、アウトカムというよりは、ただアウトプットのことをもう一度繰り返しているような気がする。そして、後半の「いずれにせよ」からその後というのは、今後、「将来の研究開発につなげることが重要である」とか、「将来のプロジェクトを行う際に貴重な経験となる」。だから、それは別にアウトカムではなくて、今後のことを言っているだけであって、アウトカムに述べることは、さっきの報告にあったような、例えば、産業基盤整備の成果について、企業がこのプロジェクトによってどういうふうに行動を起こして、設備投資をしているのか、そういうものがアウトカムに含まれる。だから、本当はそういうことをもっと述べたらいいと思う。
 または、空力系、構造系、飛行制御とかアビオニクス系、そういった技術が、どのように技術蓄積や企業あるいは産業界に影響を与えて、新しい市場を生み始めているのかとか、どういうふうに別の製品開発に使われているのかとか、そういうことを述べてもいいのではないかと思う。

【青江部会長】 御指摘のとおり、アウトカムというのは、非常に簡単に言うと、アウトプットのもう一回り外側のものという感じ。だから、一つは、いわゆる将来の宇宙往還機という非常にブロードな研究に対して、どういう寄与、貢献があるかということ。それで、もう一つ外側に、今おっしゃられたようなアウトカムがあると、こういう整理をしている。それはその考えでよろしいか。真ん中にアウトプットがある。

【宮崎特別委員】 アウトプットというのは、直接の技術開発の成果。アウトカムというのは、それを通じてどういうふうに普及したか、どういうふうに社会に影響を与えたか、あるいは、この技術開発が産業界にどういうふうに影響を与えたか、そこまで含むわけである。だから、さっきの設備投資というのは波及効果に含まれているから、こういうところで述べてもいいのではないかと。

【青江部会長】 ただし、その程度の設備投資の経済的効果というのは、それこそ大変少ない。

【宮崎特別委員】 そういうデータに関すれば、今の時点では少ないにしても、そういうふうに行動を起こし始めたのだという、そこは重要だと思う。それで、将来、ある製品開発によって大きな市場になっていく可能性が生まれているわけなので。

【青江部会長】 ただし、それは、その展望が相当程度に見通せないと、そういう評価、いい方の評価はできない。そこが難しい。従って、そういう非常にプロミッシブなものがあれば、それは喜んで書きたいが、どうもそこまでさすがに言えないのではないかということで、この程度にとどまっているというふうに理解をしている。

【住特別委員】 この最後の総括のまとめでちょっと疑問があるのは、HOPE−Xは、一応当初は、実機を上げて全部やるということをいったのに、あるところで見直して、とめられた。その評価というのは書いていない。だが、プロジェクト全体をとにかくある段階で、要するに待ったとしたわけである。その判断が適当だったかどうかというのは、どこか書かないと……。
 全部概ね良かったというのは、まず成功ということ。だけど、最後まで行かなかったのだから、それはちょっと不都合な気がする。

【青江部会長】 だが、その判断を下したのは、宇宙開発委員会である。だから、宇宙開発委員会の判断そのものを、宇宙開発委員会がこの時点に立ってレビューをすると。

【住特別委員】 だから、それは自画自賛で、やっぱり我々の判断はよかったということになるのではないか。ただ、何かそこのところが、例えば……。結局、そういう判断があって、中途半端だが、そこまで見れば、まあまあよく頑張ったねという評価になるのだから、やっぱり何らかの……。今、宇宙開発委員会が判断しても、例えばあそこでとめたのはやっぱり良かったとか、何かそういうことは、この評価部会の中であってしかるべきではないか。

【青江部会長】 実を申すと、前回での議論で、今のところ、少なくとも今回の評価はここまでにしましょうねといって最初に書いてある部分について、平成12年に実機をやめると言った、ここまでやりなさいと言った、ここを評価の対象にしましょうということで、とりあえず整理をした。そうすると、本当はここにもあるとおり、主要技術の確立を図ることというのは、実機を作ってみて、飛ばしてみて、データをとって、主要技術というのができたかどうかというのはわかるのだと。だから、その限りにおいては、この目的というのはたどり着いてはいないというふうに、このレポートは整理をしている。
 しかしながら、基本設計までといった、そこまででやめなさいといったときに、言ってみれば、目的を変えずして目標、その目的をもう一段ブレークダウンした目標は、少なくともこの時点の目標というのは、そのときに設定し直されたはずだ。その設定し直された目標に照らしてみれば、その目標は達成しているというふうに、このアウトプットは、皆さんに評価をしていただいたわけである。そこは明確にできるわけである。
 だから、その基本設計までの目標は達成した。その上に立って、その成果がより長期的、ブロードに見たときに、どれくらい意味のあるものかということを、このアウトカムで書いていただいたという整理になっている。廣澤先生、それでよろしいか。

【廣澤特別委員】 今おっしゃったとおりだと私は考えて、範囲を厳密に限定して書いた。その土俵を変えるとなると、議論のやり直しになる。こういう形にしたということを、もう一度確認された方がいい。

【高柳特別委員】 この点での評価で、私自身も大いに迷ってしまった。さっきほどからの話、私が評価の際に抱いた問題のある面が議論をされていると思いながら聞いていた。私の場合、アウトカムというのは、それがどれだけアウトリーチの資源になっているかというふう見てゆきたい。しかし、現時点では、そのアウトリーチの状況とか今後の流れが明確に把握できない。今回はその不透明さを残した形での判断をした。
 もう一つは、この議論に関しては、意見の散らばりがあったという記録を残すべきだとも思っている。この問題の評価が全員一致したものになっていないということも意味があると思いたい。

【松尾部会長代理】 今の高柳委員の意見のように、ある段階ではアウトカム自身を書くのが無理なことがあるのではないかと、私はそういう気がしている。項目としてあるから、しようがないからとは言わないけれども、現実にあるアウトカムを書いたのではなくて、それに対する期待を書いているところ。だから、ものの対象次第では、アウトカムという項自身が非常に書きにくいところがあるのではないかと、私自身は書いていてそう思った。
 それから、先ほどの途中で再設定したという話は確かにそのとおりだが、ある程度進んでいるところで再設定したのだから、そこが後出しじゃんけんみたいになるのではないかという気はした。
 それから、最後のところで、期待どおりかどうかと聞かれると、途中できちんとセットしたということが、さっきの廣澤先生のようにきちんと整理されればよいが、そうでなければ答えように困る。誰も途中でやめようとは思っていなかった、そういうときに期待どおりかと言われると、本当の期待というのをもう一度考え直さないと、なかなかそういう答えにはならないというような気がする。
 ただ、厳密に定義をしていけば、この書き方は、私はいいと思っている。

【青江部会長】 一つ提案だが、高柳さんがおっしゃった点、何か残す、それこそアウトリーチの部分が漠としておるのに、言ってみれば、やや計れないとでもいうか、そこは少し何か残すというふうに、その文章の作り方はお任せいただき、このアウトカムのところにきちんと書いていくというふうにいたしたい。事務局はよろしいか。何か工夫をして。

【住特別委員】 では気分だけを言うと、やっぱり順調に行かず途中でやめたのだから、何かそれはある種の不都合があったのだから、多少そういうのが残った方が、やっぱり気分的に……。何か全部ハッピー、ハッピーで終わっているのは、どうも釈然としないところがある。それは、さっき言ったように、宇宙開発委員会がここでやめと言ったのは、やっぱり何らかあるのだというのは何か残っていた方がという、そういう気分の問題。

【青江部会長】 ただし、どうもやめと言った要因の非常に大きな部分が……。

【住特別委員】 お金。

【青江部会長】 いわゆるお金を中心にした、このプロジェクトからの内在要因ではなくて、違うところで、このプロジェクトが言ってみればしわを寄せられたというのがどうも実態らしいということで、このプロジェクトにそこの部分を何か記せしめるようなところをすると、やっぱり気の毒かなという。

【住特別委員】 でも、何か最後のところで、終了したことの理由か何かがあった方が、報告書的に。後の人が読んだときに、何も説明がないままここにばっと、全部「期待通り」と来ると、何となくという感じが僕は気分的にはするというだけで、大きくこだわらない。

【森尾委員】 質問だが、このプロジェクトのスタートは何年前で、今お話に出ている途中でコース変更したというのは何年前か。

【青江部会長】 平成12年。

【森尾委員】 最初は。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 平成9年。

【水藤補佐】 開発着手が平成9年だが、研究までさかのぼると、研究着手が平成5年、開発研究着手が平成8年度、平成9年度に開発着手をして、平成12年度に計画変更しているという経緯になる。
 その辺の経緯は、18ページの実施要領の参考としているが、プロジェクトの経緯で、これまでの推進部会の前身である計画調整部会での審議の経緯をピックアップして書いている。

【森尾委員】 私、今までの議論、ちょっと傍観者的に伺っていて、今年の4月からの参加だから、以前のことはよくわからないが、先ほど井口先生がおっしゃった基本的な設計概念みたいなものというのが非常に重要だというのは、私も100パーセント賛成だが、多分それが、どういう経緯でそういうのが作られたのか、あるいはちゃんと作られていなかったのかというような議論が一つあって、それに対して、途中何か変えなくちゃいけないということが起こって、変えて、今、結論を評価しようとしているわけである。だから、少なくとも反省としては、基本設計の概念のようなものを決めるプロセスを透明化するということが、まず重要ではないかと思う。
 今、お伺いすると、最初のアイデアから10年。私は、10年というのはやっぱり長くて、10年前に考えたことは、今、技術はどんどん進歩しているから、途中で変えたくなることはいっぱい出てくると思う。それは、もちろんコストにも反映するし、10年かけると人件費にも反映するわけで、しわ寄せというお話もあったが、10年もかけているから、そこをしわ寄せでつぶそうという意見だって起こり得るわけで、それも自分たちの責任でもある。
 だから、しわ寄せでこうなったから、自分たちの責任じゃないと100パーセント言い切れない部分があると思うので、私は、そういうところを次のために明確化するというか、いろんなことを決めるプロセスの透明性を上げるということが重要なのではないかと思う。そうしないと、私みたいに後から来た者に評価しろと言われても、どういう見方で考えたらいいのかさっぱりわからないというのがある。

【青江部会長】 御指摘のとおり、基本設計、いわゆる信頼性とかコストとかいうものをかみ込んだ形でというのは、そのとおりではないかというふうに思うが、それと、今回、平成12年で実機製作やめようといったところとは、これは全く脈絡がない。全然違う要因でもってなされたということではある。
 それで、住先生の、先ほどの気分はわかるので、その気分をどういう形でここへ何かするかというのは、ちょっと工夫をさせていただけないか。今のところ、こう書いたらいいだろうというアイデアは全くない。自信はないが、ちょっと工夫をしたい。で、工夫が行き届かなければ、場合によってはというのをお許しいただけるか。

【住特別委員】 はい。

【青江部会長】 それでは、ちょっと残った部分から最後まで、成否の原因に関する部分、効率性、プロジェクトの実施体制、それから、総合評価までに至ります部分につきまして、何か御意見あれば。

【澤岡特別委員】 8ページの(3)の「効率性」(プロジェクトの効率性)下の3行に、「国内施設がなく不可避の選択であった面もあるが」とあるが、この「も」の意味は、そのほかに別のネガティブなものが陰にあるというニュアンスを感じるので修正したほうが良い。例えば「国内施設がなく不可避の選択があったものの、効果的に行われたと考えられる」ではいかがであろうか。

【青江部会長】 了解した。そのように直させていただく。

【廣澤特別委員】 今のところと関係あるが、海外との関係については、実験場とか風洞設備の利用ということだけが書いてあり、海外機関との共同実施についての記述がない。この文書はHOPE−X全体のまとめであるから、高速飛行実証でなされた海外機関との共同実施について、短くていいが、記しておいた方がいい。

【青江部会長】 了解した。入れさせていただきたい。井口先生、最後の3行、これでよろしいか。

【井口委員長】 了解した。

【廣澤特別委員】 最後の3行だが、先ほど委員長がおっしゃったことを受けると、「コスト」の前についている「運用」は除いた方がいいのではないかと思う。総体的な、全体的なコストということから、運用に限定しない方がいい。

【井口委員長】 賛成。

【廣澤特別委員】 もう1点、細かい表現上のことであるが、今の3行から上3行目。「従って、本プロジェクトとして云々」のところだが、これだけ切り出されて、後であいまいにならないように、「本プロジェクトとして」は削除し、「今後我が国として取り組むべき技術課題は」というように、「今後取り組むべき」に、主語に当たる「我が国として」をつけるのがいいと思う。

【青江部会長】 はい。ほかにいかがか。

【小林特別委員】 後出しで申し訳ないが、例の総合評価の仕方の件について。住先生が言われる気分的な話と同じだが、これまで実施されてきたプロジェクト内容を振り返ったときに、「凍結されたことがとてももったいなかったね」と感じられる成果なら、きっと「期待通り」か「期待以上」ではないのかなと思う。評価の仕方が非常に難しいケースの場合、こんなによくやっていたのにどうして止めちゃったのというぐらいのが、本当は期待……。

【青江部会長】 が、「期待通り」。

【小林特別委員】 か、あるいは「期待以上」と感じるか。

【青江部会長】 これも気分と一緒でよくわかる。確かにそういう気分は非常によくわかるが、「期待通り」という御評価をいただいている。

【小林特別委員】 「期待通り」という評価は、凍結されてちょっと悔しいねという感じにみんながとらえているのだと考えて良いのであろう。

【青江部会長】 了解した。ほかにいかがか。

【松尾部会長代理】 住先生の気分の部分は、私もかなり共有する部分があるので、部会長をお助けしたいなと。

【住特別委員】 言葉の問題だが、前の方の「複数の機関及びメーカーの文化の違いによる」という書き方がしてありますが、これ、普通はよく使いますけど、こういう文章で「文化の違い」って、何かちょっと非常に情緒的な表現の気がするので、例えば「考え方の違い」とか、何かもうちょっと文化じゃない言葉を使われた方がいいのではないかと思う。

【青江部会長】 はい。

【松尾部会長代理】 ある時期、大変はやった言葉だが。

【住特別委員】 はやったのだが、何か合わないような気がする。

【青江部会長】 それでは、今日、御指摘をいただいたものを、基本的には事務局にきちんと直してもらうが、住先生のご意見をどう入れるか、少し考えてみる。それで、委員会の方に上げさせていただきたいと思うが、よろしいか。
 とりあえずそういうことで整理をさせていただきたい。
 それでは、本日の議事は終了させていただきたい。

−了−


(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

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