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推進部会(第7回)議事録・配付資料

1. 日時
  平成17年10月31日(月曜日)13時30分〜16時30分

2. 場所
  文部科学省10階 1・2・3会議室

3. 議題
 
(1) 高速飛行実証及び宇宙往還技術試験機(HOPE-X)プロジェクトの事後評価について
(2) その他

4. 資料
 
推進7-1-1   高速飛行実証及び宇宙往還技術試験機(HOPE-X)プロジェクトの事後評価結果(案)
推進7-1-2 宇宙往還技術試験機(HOPE-X)プロジェクトの成果について(PDF:2,501KB)
推進7-2-1 宇宙開発委員会推進部会の今後の予定について
推進7-2-2 宇宙開発委員会 第6回推進部会 議事録(案)
参考資料7-1 高速飛行実証及び宇宙往還技術試験機(HOPE-X)プロジェクトに係る評価実施要領(PDF:192KB)
参考資料7-2 宇宙往還技術試験機(HOPE-X)プロジェクトの概要について(PDF:387KB)
参考資料7-3 高速飛行実証(HSFD)の成果について【改訂版】(PDF:3,928KB)
参考資料7-4 H-2ロケット試験機1号機の打上げ結果の評価及び地球資源衛星1号(JERS-1)の作動状況の評価について(報告)(抜粋)
参考資料7-5 J-1ロケット試験機1号機による極超音速飛行実験機(HYFLEX)の打上げ結果の評価及び(HYFLEX)の回収失敗の原因究明について(報告)
参考資料7-6 小型自動着陸実験(ALFLEX)に係る開発結果の評価について(報告)
参考資料7-7 宇宙開発に関するプロジェクトの評価指針(平成17年10月3日 宇宙開発委員会推進部会)
(※宇宙開発委員会 報告書等へリンク)

5. 出席者
 
宇宙開発委員会推進部会部会長   青江 茂
宇宙開発委員会推進部会部会長代理 松尾 弘毅
宇宙開発委員会委員長 井口 雅一
宇宙開発委員会委員 野本 陽代
宇宙開発委員会推進部会特別委員 小林 修
宇宙開発委員会推進部会特別委員 鈴木 章夫
宇宙開発委員会推進部会特別委員 高柳 雄一
宇宙開発委員会推進部会特別委員 中西 友子
宇宙開発委員会推進部会特別委員 長谷川 眞理子
宇宙開発委員会推進部会特別委員 廣澤 春任
宇宙開発委員会推進部会特別委員 廣田 陽吉
宇宙開発委員会推進部会特別委員 水野 秀樹

文部科学省研究開発局参事官付(宇宙航空政策担当)参事官補佐   水藤 貴靖
文部科学省研究開発局参事官付(宇宙航空政策担当)参事官補佐 高橋 理恵

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
  総合技術研究本部担当執行役   渡辺 篤太郎
総合技術研究本部将来宇宙輸送系研究センター長 中安 英彦
経営企画部 白水 正男
宇宙基幹システム本部事業推進部長 河内山 治朗

6. 議事内容
 
(1) 議題(1)「高速飛行実証及び宇宙往還技術試験機(HOPE-X)プロジェクトの事後評価について」
事務局から、「推進7-1-1」に基づき説明を行った。
主な発言は以下のとおり。

 

【青江部会長】 各委員から評価をいただいた個別評価のうち、2点、疑問があるという指摘をいただいたところがある。1つは、将来的にGPSを使っての慣性航法システム、自動着陸システムへの応用は考えられないかという質問。森尾委員からだったが、その辺が将来的によく考えられてないのではないかという御指摘があった。ただ、それはJAXA(ジャクサ)側のその場における説明が必ずしも十分ではなく、その研究成果というものは、国交省との間の共同研究等で将来的な展開というものを十分に考えているという実態にあるということである。
 それから、実証フェーズ2において不具合があったわけだが、再発防止のための原因究明が不十分であるという御指摘をいただいていた。この点も、原因究明自体については、時間的な関係であまりこの場では十分に御説明をしなかったわけだが、原因究明はきちんとなされており、報告書も作られているということである。疑問であるという御指摘をいただいた森尾委員には個別に御説明に伺い、事実説明が十分でなかったことについての御理解は得ている。

【廣澤特別委員】 全体のまとめ方について特に異論はないが、1点、記述が気になるところがある。効率性の中の飛行実験の実施体制の部分である。効率性については、付録の評価票の集計結果をみても、飛行実験の実施体制を妥当とされた方の割合がほかの項目に比べて多い。
 飛行実験の実施体制の項では、最初の3行にNAL、NASDA(ナスダ)の協力がうまくいったと書いてあり、次の3行で、しかしながらと、関連企業との連携について記述している。そこでは回収系の不具合に触れ、企業との連携がうまくいかなかったのではないかという印象を持たせる記述となっている。実際の成果から見て、NAL、NASDA(ナスダ)、関連企業の共同開発体制は非常にうまくいったとみなすのが適当で、三者の連携によりこれだけの成果をおさめたということをまず記し、一点起こった不具合については、全体の責任として扱うのが適当と思う。原文のように関連企業に不具合発生の要因を押しつけるような表現ではなく、それに関しては、プロジェクト全体として抜けがあったと認識するのが適当である。

【青江部会長】 今の廣澤委員のお話しからすると、最初のパラグラフの3行目の中に、NAL、NASDA(ナスダ)共同体制ということだけではなくて、いわゆる企業を含めての全体の実施体制が大体うまくいったということをまず3行目に書いた上で、不具合については、その経緯を詳細に見ると企業の問題というよりは、全体としてのスケジュール管理だとかいわゆるプロジェクト全体を組み立てていくところに少し反省すべき点があったと整理をすべきだということか。

【廣澤特別委員】 今まとめていただいたとおり。

【青江部会長】 それでは、そのように4ページの「(飛行実験の実施体制)」の上から全部数えて6行に、今のような修正を施していくということではいかがか。
(了承)
 修文の仕方については、お任せいただきければと思う。

【廣澤特別委員】 5ページ目の総合評価の中のまとめの第3パラグラフ、「今後は・・・」について、「技術者及び研究者の知識・経験・見識を・・・」の部分の言葉の並びがよくないので、「技術者及び研究者の知見ならびに経験を・・・」と変えるのがよいと思う。

【青江部会長】 そのようにさせていただく。

【井口委員長】 この評価結果については全く異議がないが、将来のために伺いたいのは、3ページ目の真ん中に、これから「成果及びデータ等を適切に整理・保存し、残った課題を明確化する」ということ、3ページ目の最後の「この教訓を今後のプロジェクトにどのように繋げるかが問題である」ということ、5ページ目の「将来に継承していくことが重要である」ということ、この3点についてはこのまま一件落着にしてしまうのはあまりよくないと思う。今後どうするか。残った課題は何かという整理をしてあるのか。

【JAXA(ジャクサ)(渡辺執行役)】  Lessons Learnedなどのデータベースという資料にまとめたというようなところは前回説明させていただいた。今やったことですべて完璧とは思っていないが、こういう経験をいかに水平展開していき、また文面から得られることだけではなく、その背景なども活用していくかということについては、そういう活動が別途ある。短期に集中して今現在の関係のメンバーがまとめたら、それでもう済んだということではないと思っており、こういうところは継続してやっていかなければいけないことだと思っている。
 データをドキュメントにしたり、当事者でなかった人にも見えるようにするということはやっているが、それから先、具体的にこの続きのものはこうするという明確な計画までは今立てているわけではない。ただ、教訓をどう生かしていくかという仕組みがJAXA(ジャクサ)の中にもあり、そういうことを所掌としている部署があるので、今後のそういう広い課題の中で、展開・活用していきたいと考えている。

【井口委員長】 そういう公式的な話ではなく、この次の段階としてHOPE-X全体のプログラムをまとめるということもある。要するに、これは一休みするわけなので、いろんなことを考えておかないといけない。人はいなくなるし、相当な予算をかけて得られたものは忘れられてしまう。そこは真剣に考えてほしいという意味で質問した。今お答えいただかなくて結構なので、何か全体の評価の後でもお話しいただければありがたい。

【JAXA(ジャクサ)(渡辺執行役)】 わかった。

【松尾部会長代理】 今のお話とも関連するが、Lessons Learnedということになると、今後やっていく上の不具合という観点からは非常に大事だろうと思う。ただ、こういう将来型の輸送系に向けての設計・開発に関する知見という意味で、何がわかって何が残っているのかという形での大きな整理も是非忘れないようにしていただきたいと思う。

【青江部会長】 何か今の反応を聞いていて、一休みするにしても、研究成果そのものの将来、いわゆる有翼型の研究について、どう持っていくのかという構想はもう少ししっかりとあってもいいのではないかと思う。どうして将来展望というものがないのだろうかというのは非常に不思議に思う。トラブル、不具合、こういったものをどう生かすかというのは、これは一種の水平展開の問題なので、フェーズが違うと思うが、少なくともその前の将来へ向けての構想についてはしっかりとした考えがあってもいいような気がする。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 将来に向かっての話というのは、宇宙輸送系という全体の計画の検討の中での将来の輸送系ということでとらえられている。今回のHOPE-Xに関連するデータについては、その中で、乗り越える課題として基本的には全部解決して、もっといいものにしていこうという格好で現在整理しているところ。
 一番重要なのは、使い捨てと同様、信頼性をベースにしてしっかりとした開発ができるということ。特に再使用型の場合は使い捨てではないので、信頼性の話というのは極めて重要な課題と認識している。その辺を含めて、具体的にどのようにやっていくかというのを、今戦略として位置づける形で検討している最中である。

【JAXA(ジャクサ)(渡辺執行役)】 冒頭に紹介しておくべきだったかもしれないが、前回のこの部会のときに、プロマネが何回かかわっているというお話があったので、元HOPE-Xのプロマネをしていた河内山を今日説明者に加えさせていただいた。

【青江部会長】 それでは、高速飛行実証の評価書については、御指摘いただいた修文も含め、こういった形で整理をさせていただくことでよろしいか。

 続いて、事務局から、「参考7-1」に基づき説明を行った。
 主な質疑については以下のとおり。

【鈴木特別委員】 評価範囲で平成12年度のHOPE-X計画見直し後の計画に基づく範囲とすると書いてある。HOPEというのは随分長いこと続いていると思うが、この範囲というのは、本日の説明で何か具体的にはっきりするのか。

【水藤補佐】 まず事務局から簡単に説明をさせていただく。今の実施要領の11ページの上から5行目ぐらい、(6)の「平成12年8月 計画調整部会審議結果」というところ。この時点で、計画調整部会の中で再使用型輸送系については、開発戦略のあり方について十分に検討を行う必要が生じており、開発についてその動向等を踏まえることが適切であるので、実機の製作には着手せず、それから以降は成果をとりまとめるということに見直しをしている。その範囲になるということであり、これからJAXA(ジャクサ)の方で説明していただく中で、12年度の評価結果を受けて、どこまでの研究開発をするのかといったところは説明があると思う。

【青江部会長】 今、事務局が言ったことを少し翻訳すると、当初のプロジェクトは、実機製作までのプロジェクトであった。だけど、平成12年に、このプロジェクトはいわゆる実機製作というのはもうやめて、あとは取りまとめと残っている高速飛行実証の部分をしっかりとやり遂げて、全体的に取りまとめるということにし直したわけになる。

【鈴木特別委員】 そうすると、実機というのを考えないという前提での評価ということか。

【青江部会長】 そのとおり。

【鈴木特別委員】 したがって、作業としては12年以降に実施した作業も評価の対象になるということか。

【青江部会長】 それもあるし、12年の凍結を決めた時点以降に、この関連で行った高速飛行実証の活動があるので、それも含めて評価の対象としてくださいということ。

【鈴木特別委員】 大体わかった。

【松尾部会長代理】 今のは本当にそういうことか。この別紙2の書き方で、12年度のHOPE-X計画の見直し後の計画に基づく範囲というのは非常にわかりにくい書き方だが。

【水藤補佐】 研究開発から開発までフェーズアップをした後、平成12年度に実機製作を凍結して成果を取りまとめるという計画に変更したので、HOPE-Xのプロジェクトとしては研究の立ち上げから実機製作凍結までにやったことといったところを評価していただくということになる。

【松尾部会長代理】  HOPE-Xの見直しと言ったらそれで12年度以降の実機製作中止になったということは、その中に含まれている話なので、それですっきりするような気がするのだが。

【鈴木特別委員】 要するに、今までやった作業はすべて評価の対象であると理解でいいか。

【水藤補佐】 そのとおり。

【青江部会長】 と同時に、実機製作をやめたときの意思決定があるわけだが、その意思決定のときの意義を前提に評価をお願いしたい。つまり、実機まで含んだプランだった最初の意志決定を前提に評価ということではなく、12年の実機をやめると言ったときの意思決定を前提に評価をお願いしたいという意味。

【長谷川特別委員】 いろいろとやり取りを聞いていると、役所的な区切りで説明があったのでわからなかった。
 アウトプットとかアウトカムとかを言うときには、長い間の全部なので、何年から何年というふうに区切ることはできない。そういうもの全体を見通したところで、何があったかということを正確に言わなくてはいけないので、平成12年とか何とかという区切りは、予算とかそういうことでは関係あるかもしれないが、評価では関係がない。
 そうすると、何が問題で、何を抜かして何は抜かさないのかというその骨子を言ってくださればよかった。それが結局実機を作るか作らないかということだと思う。

【青江部会長】 よくわかった。プロジェクトを始めるときの意図があったはずであり、それが実機を作るという意図のもとに始めたわけだが、それを前提にすると、実機を作らないという部分は、いわゆる欠缺部分になる。そういう評価はいただかないように、そこはいわゆる12年の意思決定というものを前提に評価いただきたいのだが、この表現は不適切なので、とにかく対象とする範囲ををはっきりさせるよう直す。

【廣澤特別委員】 最後におっしゃったことが気になるが、実機を作ることをやめたということの判断に対する評価はしないでほしいということでよいのか。

【松尾部会長代理】 それは一番大きな問題かもしれない。

【青江部会長】 それを判断したのは宇宙開発委員会になる。

【廣澤特別委員】 判断ではなくて、その判断に対する評価はしないでほしいということか。

【青江部会長】 今、廣澤委員が言われたことというのを判断の対象に加えるということは、宇宙開発委員会の意志決定を評価の対象にするや否やということになる。
 もう1点気になるのは、プロジェクトというものは、実機を作るということを前提にしたプロジェクトというのと、実機は作らずここまでというプロジェクトとでは、プロジェクトの性格が違うのではないかと思う。やっている中身が同じでも意味は違うのではないか。私は後者で評価をすべきなのではと思い、気になっている。

【廣澤特別委員】 後者の話を伺うが、そうすると、実機は製作しないが、実施せよと言われたら着手できる段階には到っている、つまりそこまでは終わったと判断して、この場での報告に臨まれているわけか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 凍結するまでは、もちろん、実機を作るつもりで設計しているので、それを評定に入れていただいても何ら困ることはないと思う。ただ、基本設計までしかやっていないので、詳細な設計は実際凍結されて実施していないので、そこを評価されると言われても、そこは対象から除いていただくしかない。基本設計までは実機をもちろん作るつもりの基本設計だから、実機を作る、作らないということにこだわる必要は、我々の活動の観点からは特にない。

【鈴木特別委員】 詳細設計からスタートするというのはすぐできるわけか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 若干のキャッチアップは必要かと思うが、基本的にはそう。少なくとも基本設計までは実機を作るという前提で作業をやっており、開発試験も実機を作るという前提での作業ということで結構。
 平成12年度以降は取りまとめということで、そこではもう取りまとめ作業、整理とか蓄積の方に作業が移行しており、話は別になる。

【小林特別委員】 12年度までの基本設計の作業結果については、評価はなされているのか。

【青江部会長】 委員会の評価はしていない。

【小林特別委員】 ということは、それも今回の評価に含めてもおかしくない。実機を前提として12年度までは頑張りましたという前提で、そこまでは評価する。だが、12年度以降は方針が変わって、作業の目的をここまでのまとめにしようとしたのだから、その部分はそれに即した作業をやっているかどうかを評価するということではないか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 そのとおり。

【松尾部会長代理】 そうすると、12年以降はもう既に終わってしまった高速飛行実証と、しっかりとまとめたかどうかということの評価それだけになる。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 基本的には、平成9年から12年の凍結までの作業がここの評価の主なもので、凍結以降は、データベース化するとか蓄積するとか、そういった方向の作業の評価ということかと思う。

【青江部会長】 ということは、12年以降の作業というのは、実機を前提にする、しないということはあまり意識しなくてもいいということか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 そうだと思う。どちらにしても、実機を作る前提で作業をし、それを取りまとめたわけなので、すべての作業は実機を作るということにリンクしている。そこを外していただく必要はあまりないかと思う。

【青江部会長】 わかった。そうすると、何を対象にということだけはっきりさせておけばよい。それは12年までの活動であり、かつ、12年以降の高速飛行実証と取りまとめ活動、これだけを評価の対象にする。これですっきりするか。

【鈴木特別委員】 する。

【中西特別委員】 今まで外部評価を全然受けてこず、今回ということだと思う。多分、内部評価はあると思うが、外部評価では評価する方もものすごく大変だと思う。何かしっかりと読まないと、しっかりした評価ができない。そこで、評価結果を今後どう生かすのかということを伺いたい。

【青江部会長】 普通、評価というのは次の資源配分に反映するというのが大原則だと思う。ところが、次の資源配分に反映しようといっても、この将来再使用輸送機に関するプロジェクトが今のところ見えない。そういう状況なら、将来の資源配分を議論してもしようがなく、評価を生かす場所、場面がないのではないかという御質問か。

【中西特別委員】 そのとおり。

【青江部会長】 それは我々の問題かもしれない。我々としてはどうするのか。ピリオドを打って、何らかの形で終えたものに対して評価をどう生かすかは別として、まず評価をしないとしようがないと思うが。

【中西特別委員】 例えば、ものすごくいい評価があった部分は、どこかに組み込んでいくとかできればいい。最終報告書のための評価になると、やっている方のインセンティブなどいろいろあると思う。

【青江部会長】 間違っていれば直していただきたい。プロジェクトとしてはまず当分見えないというのはそのとおりだが、JAXA(ジャクサ)側のものの考え方としては、いわゆる有翼型の再使用機というものは、将来宇宙の輸送系の一つの本命だという考えは非常に強く持っているようである。それで、今回の成果というものをいわゆる基盤技術レベルという形で将来にずっとつなげるだけの活動というのは、当然のことながら継続をしていくというものは最低限ある。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 おっしゃったとおりで結構。同じようなことだが、基本的にHOPE-Xは中断、あるいは終了かもしれないが、この基本的な技術が将来使えると思っているから、データを蓄積して忘れないようにするといったことを一生懸命やっているわけであり、基本的にはこういった技術が将来やはり根幹になると思っている。そのロードマップというか、将来これをどう使うかというようなことずっと議論をしており、なかなかいい絵がかけなくて、今も議論中であるが、基本的にこういった技術が役に立つと思っているので、我々が適切にやったかどうか、どっか反省すべき点はあったかということ1回評価していただいて、次回のこういった計画を立案する際の参考にしようと考えている。

【小林特別委員】 中西委員のご心配は私も同じ。今回の評価では、今までの作業がその目的に応じてしっかりとなされているかどうかを一応見るが、我々としては、これがどういうふうに今後生かされていくのか、そういう展望みたいなものを知りたい。今はまだそれを報告できる時点ではないといった場合に、いつかは報告してほしいいう要求は我々がここでできるのか。

【青江部会長】 それは先ほどの委員長の指摘も、同じようなことだと思う。多分、この成果を将来どう生かすかということについてのしっかりとした構想をまだなかなか持てないのだろうと思う。というのは、具体的なプロジェクトという構想が作り得ないからということだと思う。
 だから、活かすとすれば、技術的に言うと本命だろうというもとに、基礎研究的なものとしてずっと継続し活かしていくということ以上には、多分当分の間はできないのかなと思う。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 3月に長期ビジョンというのをまとめており、それをまとめるに当たっても1年程度内部で検討しているのだが、長期ビジョンにも有翼往還機という言葉は本命として出ている。さらに、その3月以降も、本当にどうシナリオを作るのだということはずっとやっている。いつもこれが正だと出すのは難しく、現時点では長期ビジョンに図を入れたような形でまとめ切れなかったというところはあるが、少なくとも文章のベースでは長期ビジョンで打ち出しているので、現在それが成果ということになると思う。その中ではこのHOPEを継承するような技術ロードマップが、文章でではあるが書いてあるつもり。

【小林特別委員】 私どもの希望は、やってきたことがこれからの再使用型のプログラムにおいて実際に反映され生かされて発展することである。そういうふうに努力しているというアクションをいつか示して欲しい。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 3月で時間の限界もあったが、そこで一たん輸送系の長期ビジョンをまとめまた。4月以降もまだ不十分だということで、ロードマップみたいな形で有人を含んだ将来輸送系はどうやるのだということをJAXA(ジャクサ)内部で今まとめている。ただ、少なくとも現時点では、正を出せと言われると、長期ビジョンでまとめさせていただいた説明をさせていただくということになるかと思う。

【青江部会長】 まだ構想という域を、将来の展望としては出ないようである。これはしかたがないかと思う。本当だと、しっかりと先行き、つまり次のステップのプロジェクトという形づくられたものがあり、今までやってきたことはこう使われ、こうなっていくということがしっかりと見えればいいのだが、残念ながら、本件に関しては、そこのところがまだ描くことができないということ。

【小林特別委員】 それが実際に実現するかどうかわからないところはあるのだろうが、意気込みや努力の指針が示されるだけでも、まだみんなほっとするのではないかと思う。

【青江部会長】 そういうことで、評価をいただいたものというのを、将来どう本当に活かされるのか、HOPE-X全体についての中で、もう少しJAXA(ジャクサ)なりの整理をしていただいて明らかにしていただけるといいかなと思う。

【長谷川特別委員】  HOPE-Xなどこういうプロジェクトが何年かずっとつながっていくというときに、この評価がどのように伝えられていくかということはわかるが、横についてはないのか。いろいろなプロセスのいろいろな評価をやると思うが、そのときに、例えば先ほどあったような民間関連企業との連携がよかったとか悪かったとか、そういうことが問題点として出てくる。それをいろいろなプロジェクトについて見ると、いつもこの点が悪かったというのを繰り返し、どんなプロジェクトにも出てくるだとか、何々がよかったという点はいつも出てくるとか、そういう意見分布みたいなのがあるとする。そうすると、将来どのプロジェクトで何をやるにせよ、そういう今までのプロジェクトに関連して、よくある問題は何であるかとか、そういう分析の結果を他のプロジェクトに対しても反映させていく材料にするというようなプロセスというのはあるのか。

【青江部会長】 それは、いわゆる彼らが使っている用語で水平展開という言い方をしているが、今おっしゃられたような問題というのは全部整理をして、横への展開、対応はしっかりととっているはず。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 悪かった部分に関しては確実に展開している。よかった点に関する展開というのは、あまりないような気もするが。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 よかったところがよく見えないだけ。

【長谷川特別委員】 よかったところというのを積極的にとり、自分たちの強味がどこにあるのかということをはっきり認識した方がいいと思う。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 わかった。

【井口委員長】 ここでは宇宙往還技術試験機プロジェクトと書いてあるが、今の用語を使うと、これはプログラムと呼んでいる。大きな流れをプログラムと呼んで、それを実現するためのものをプロジェクトという言い方をしているから、今の言葉を使うとプログラムという方がぴんとくるような気がする。
 そのプログラムを途中で打ち切った。打ち切ったというか、中断と考えていただいた方が正しいのかもしれない。いつ再開するかわからないが、少し形は変わるかもしれないが、いつかは再開することを期待したいと思っている。
 したがって、最初の話に戻るが、今後残された課題、つまり、ロードマップの中で小型の実機作ることまでやっていたわけだから、どこまでやったのかというのを明確にし、何が残っているのかというのをまとめられるはず。皆さんの頭の中に入っているわけだから。それをプログラムの評価のときに説明してもらったらどうか。

【JAXA(ジャクサ)(渡辺執行役)】 関連の実験機も含めて実施したことを一通り資料にまとめてきたわけなので、それを説明させていただいて、足りないところがあれば補足する。

【井口委員長】 今後、実機への課題として何が残っているのか。

【松尾部会長代理】 引き算して、何が残っているかということが大事なような気がする。今回行ったもので、何が普遍的な結果であって、何が個別対応の技術なのかということから将来の課題が見えればいいが。何をやったかという一覧表では、おそらくわからない。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 一応、資料の中に我々が難しいと感じて苦労した部分を書いているつもり。ただ、詳細設計をやっていないというところが弱味であり、そこの結果の真偽というのは、結局実機を作るときにならなければわからない部分もある。

【青江部会長】 そんな細かい話ではなく、いわゆる将来型再使用の輸送機をという、いわゆるJAXA(ジャクサ)側が将来の輸送機の本命だと考えているこの技術コンセプトを仕上げるには、大きな課題として何が残っているかということがきちんとわかるような説明をこれからしてくださいということ。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 努力する。

 続いて、JAXA(ジャクサ)から、「推進7-1-2」に基づき説明を行った。
 主な質疑については以下のとおり。

【小林特別委員】 少し外れるかもしれないが、目的に対しては、技術の確立や技術の蓄積といったことで成果があったなどという話になっている。ただ、HOPEの場合は一つの大きなプログラムになっているといえる。こういう場合は、もう一つ大事なこととして産業の基盤という観点からも見る必要があるのではないかと思っている。ロケットや人工衛星では産業基盤がほぼ定まった状態になっているのだろうが、HOPEの場合は航空機の産業部門やその技術が新たに入ったりしているので、それなりにインパクトも問題点もあっただろうと思う。意識的に産業基盤を育成するという観点から何か考えられたことはあるか。
 それから、これは平成8年度よりも前の話かもしれないが、HOPEに取り組んだ各会社は、それなりに自分の会社の中でかなりの額の社内研究費などを投じていると思う。これらもプロジェクトとかプログラムを進める上で実質的な効率性をアップさせる一つの大きな要素になっていたと思う。このことについて、どういうふうに考えているのかというのが2点目。
 もう一つは、プログラム全体が凍結された状態のままでは、これまでに民間側に蓄積された技術が散逸してしまう危険性があるように思う。何か手を打つ必要はないのか、またそういうことについて何か心配はされてないのかお聞きしたい。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 産業の育成の件だが、HOPE-X、宇宙往還機の産業の育成ということでは、基本的にメーカ側は航空3社を中心にして一体的にやり、官側はNAL、NASDA(ナスダ)を中心にして一体にやる。さらに、メーカ側と官側も一体になるということで、基本的にはプライム的な契約を当時のNASDA(ナスダ)では初めて取り入れた格好でやっている。例えば、設計チームは三菱が取りまとめるということで全体の契約を行う、そういう航空と同じような形で、宇宙では初めて取り組んだというのが産業育成の一つの形。
 産業基盤が今どうなっているかという点だが、基本的には重要なものについては維持すると考えている。これはデータベースという形でかなりの部分維持する形になっていることと、もう一つはメーカ側についても、Lesson and Learnをまとめており、その知見を後ろへ伝えていくという形で残っていく。
 残念ながら、具体的な研究は続いてないところがあるので、一部のものについては散逸している形。ただ、そういうものについても、基本的には今回の得られたデータを後に対する知見とし、もっといいものを作るという形で乗り越えていかなければならない課題だと我々はとらえている。それは先ほどもあったが、将来へ向かっての研究というのはどういうものかというと、10年とか長いスパンでやる必要があるので、今までと同じことをそのまま続けていくというのではなく、もっとよくするという形の発展を図ろうというのがベース。必ずしも今まであった産業基盤の基盤技術、特に設備関係がなくなっても、それを超えたもっといいものができるのではないかということが今回の取りまとめをやっていく一番重要な観点であり、それはJAXA(ジャクサ)側だけではなくて、メーカ側にも同じことがやられていると考えている。

【小林特別委員】 最近は宇宙開発の予算が伸びないというか減ってきて、各メーカが疲弊しているという意見もこの会議で聞いたことがある。会社の中で、そういう状況に伴って技術力が弱くなっていくことを非常に心配している。そういう意味で、産業基盤をきちんと確保するという観点からも、努力してほしいと思う。

【青江部会長】 それは答えようがないが。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 産業基盤としては、まずロケットを中心にしたところをやっている。その中の一部として考えることは可能だと思う。実際何かやるという形になると違う形になってくるのだが、10年ぐらいのスパンがかかると言われているので、今まで得た経験をJAXA(ジャクサ)側、メーカ側、それぞれの立場で残していく。そして、今までと同じではなく、もっといいものをやっていくという形で伸ばしていければというのがやっている側の希望。

【鈴木特別委員】 構造のところで、「カーボン/ポリイミド材については、開発試験により実機サイズの部材の製造が可能であることを確認した」ということだが、一方で、実機サイズはエポキシで作っている。それは、同じような作り方でできるということが確認されたということか。それとも、ポリイミドの場合はまだ新しい設備が必要だということがわかったということなのか。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 カーボン/ポリイミドは、舵面とか温度が高い部材の部分についてだけであり、全体がカーボン/ポリイミドではない。

【鈴木特別委員】 大体既存の技術で、構造として、舵面などはカーボン/ポリイミド、ほかのところはカーボン/エポキシで作れることは確認できた、そこまで進んだという理解でよいか。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 基本的にはそのとおり。

【鈴木特別委員】 電気の関係について、電装品はどこまで進んだのか。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 BBMまで。

【鈴木特別委員】 HOPEのときの一つの技術課題で、分散系のシステムにしたいという話があったと思うが、その成果というのはどうなのか。分散系統はうまくいったのか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 HOPEの設計そのものは従来型でやっており、凍結が決まった以降、分散系としてはBBMレベルでの開発試験を行ったということ。

【鈴木特別委員】 そうすると、CPUがいろんなところに分散しているというシステムのBBMをやったということか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 それについては、HOPEの実際のソフトの負荷を想定して見通しを得たというところまでハードウェアを作ってBBMでやっている。

【鈴木特別委員】 見通しがついたというのは結構微妙な話だと思うが、実際もう少しやれば実用になりそうなところまで行ったということなのか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 CPUの能力や通信の能力としては、実際の実負荷に対して対応できたというところは確認している。ただ、ある意味では、アビオ系のある部分だけしか切り出していないので、これですぐ実機適用できるかどうかということまでは微妙なところがある。

【鈴木特別委員】 冗長系はなかなか難しいような気がするが、そこはまだ、分散系の冗長系を生かすという意味なのか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 分散系の冗長系になっている。

【鈴木特別委員】 それは例えばある一部のCPUが故障しても、別のCPUで制御できるといったようなところまでいったということか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 たしか3個あり、1個故障した場合、残りの2個で走るという、多数決をうまくやりながらというような形のシミュレーションをハードウェアを使ってやっている。

【鈴木特別委員】 分散系というのは理想的に言うと、例えば、舵面は動かすときのCPUについて、そのほかにエレボンを動かす、舵面というか、方向舵もあり、それは人間の筋肉みたいに、1つが故障しても別の系統で制御できるとか、そうあたりがどこまで進んだのかということ。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 そのあたりは多分サブシステムごとに少なくとも二重系になっていて、片方が死んだ場合は片方のみで機能を続けるというような構成だったと思うが、私も詳しくない。

【鈴木特別委員】 細かくなり過ぎた。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 能力的には御指摘のとおり、すべてできるようになっている。信号の優位の順番をつけるだけの話。ただ、そこまでの確認はしていないというのが今の答え。基本的なところ、BBMでネットワーク技術が使えるというところまでの確認にとどまっている。

【鈴木特別委員】 では、入り口までは行ったということか。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 将来的には使っていきたいとは思っている。

【鈴木特別委員】 わかった。

【廣澤特別委員】 基本設計までは終わったということだが、次に進むとすれば詳細設計に入るという大きな流れの中にあると思う。これで詳細設計に入っていい状態に本当にあるのか、あるいは、基本設計段階でまだ少しやり残したことがあり、ここは詰めておかなければ詳細設計に入れない、ということは無いのか。そのあたりの境目がわかりにくい。もしも残っている問題があったらそれを幾つか列挙していただきたい。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 答えは一通り全部得たと思う。ただ、その答えが最適なものからどれぐらい遠かった、近かったのかという意味では、かなりのばらつきがあったと思っている。例えば、熱に関しては、一応成立性は確認しているが、想像できる最適なものに比べると無駄がどうしても発生している。これはインターフェースの問題なんかをどうしていくか、シミュレーションをどうするか、物性値の評価もまだ十分できてないとかいうことで、答えは得ているが、いわゆるソフィスティケーティッドなシステムにする余地があったかどうかという意味では、まだ余地は残っていたということ。そういう意味では、答えは得ていたけれども、まだ改善の余地はあるというところまで来ているという感じになる。

【高柳特別委員】 有翼の宇宙往還機というのが、シャトルの流れを見ていると、CEVみたいな発想になって出てきている。その流れの中で、こういう有翼型の往還機というのはどう考えていけばいいのだろうか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 まずアメリカがなぜシャトルからCEVというカプセル型になったかどうかというと、いろいろな見方がある中での個人的な見方だが、アメリカ側のCEVをカプセルにした理由は私は2つあると思っている。1つはコストをどうしても下げなければいけない。これは運用及び開発コストだが、スケジュール的に2012年までにそのコストの範囲内で開発をしなければいけないという制約のもとだとすると、なるべく既存の技術を使いたい。既存の技術というと、アポロの技術を持ってくるというのが1つ。
 それから、安全の問題であり、シャトルの安全性は、普通の使切りロケットに比べると信頼性は決して低くないが、人を乗せるシステムとしてはより安全性の高いものを求められているという認識をアメリカが持っていると思っている。そのためには、よりシンプルで確実性の高いものとなる。例えば滑走路におりる方がずっと運用上はいいかもしれないが。
 この2つのもとで解を探すとカプセルになったということであり、決してカプセルの方がすべての面で進んでいるということを必ずしも意味していないと私は考えている。

【高柳特別委員】 コメントを書く場合に、日本の宇宙開発を進めるという流れの中で、これがどう位置づけられるのかということに関しての客観的な見方を知りたかった。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 そういう意味では、これも個人的な考えだが、コスト、スケジュール、あるいは、現段階での安全性を重視してカプセルを選ぶか、あるいは、将来の発展性、運用性、例えば空気吸い込みエンジンを使ったいわゆる再使用に向けては有翼しかあり得ないと思っているが、そういうものを選ぶかというのは、まさに大局的なプログラム的な観点で、アメリカは特定の新探査計画のための有人のものという形であれを選んだということだと思う。だから、大きな流れとしてはやはり有翼というものに発展性があるということはアメリカも同じように考えていると私は思っている。

【青江部会長】 だが、近ごろ新聞等では、責任者もシャトルは失敗だったと言っているとか言っていないとかみたいなことがあるわけだが。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 それについても、また個人的な考えだが、シャトルのコストが非常に高いのは大きく2つの理由があると考えており、1つはエンジンがいわゆる再使用と言いつつ、オーバーホールを含めやかなりの点検が必要な中途半端な技術レベルのものであり、非常にコストがかかっている。それから、耐熱タイルが1フライトごとにかなりのメンテナンスが必要である。これははがれた分を張り直すという意味ではなく、どうも中に水が入って、その水抜きをしなければならず、そうしないと再び飛べない。そういう2つの理由で、有翼だから高いというよりは、あのシャトルのシステムが高いという説明はできるかと思う。では、それにかわるものが今あるかどうかについて、アメリカは少なくとも今回はカプセルを選んだという技術状況だと思う。

【青江部会長】 シャトルは失敗であり、アメリカの技術者が選んだ選択肢はあまり適切なものではなかったとうことか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 少なくとも、コスト的にはそう。

【青江部会長】 だが、有翼往還というコンセプトは将来の輸送の言ってみれば究極の姿であるということ自体については技術的な観点から見ても間違いないということを言っているが。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 私はそう考える。

【青江部会長】 本当だろうか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 シャトルを始めるときは、アメリカは、アポロで月に何回か行ったが、人類の幸福にほとんど役に立たなかったのでアポロ計画は失敗であった。多大なむだ遣いをした。それに対して、シャトル計画は人の役に立つ、低軌道でのアクティビティであり、こちらが有用だと言った。そしてシャトルを打ち出した。 今回は、また低軌道でだめなので、もう一度月に戻ると言っているわけで、ここはやっぱりなかなか技術論ではないと私は思っている。

【井口委員長】 これまでの話聞いていて大丈夫かなと心配になってきたのだが、これで実機を作る、設計するのに残された課題はほとんどないという話だが。
 言いたいことは、生産技術に関する答えはほとんどない。私は自動車屋だから、製品技術と生産技術という考え方をしている。製品技術というのは、自動車そのもの、例えば最高速度はどのぐらいだとか、燃費がどのくらいだとかという部分。それについてはここにも書いてある。生産技術というのは、よくて安いという二律背反のものをどうやって両立させるかだとかという部分。はっきり言えば、信頼性、耐久性、コストの話が今出てきたが、コストアナリシスに関してはしっかりしたものができてない。口では言っているが、よくわからない。結局それを軽視してきたから、衛星にしろロケットにしろ、日本の宇宙開発が後戻りしてしまったわけである。そういう配慮があるようには思えないので愕然としている。
 それで、実機というのは、これはなかなか難しいが、普通、自動車であれば試験車と実際に販売する商品、製品とは違う。ところが、宇宙の場合には金がかかるので、結局試験機と実用機を一緒にしている。シャトルがそう。一時期、実用機だと言いながら、今は試験機と言いかえている。実機というのは実用性を考えに入れなければいけない。だけど、例えば、目標信頼性をどうするかという議論は全くない。それから、耐久性に対するベースとなるデータはどこまであるのか。ないだろう。
 今までは、これは製品技術に相当する機能について成り立つかどうかをやってきたのだから、それはそれでいい。だけど、実機を作るまでには、生産技術をしっかりとやらない限り、結局今までの失敗の二の舞になる。まだ皆さんはそれを本当に十分理解していないのではないかと非常に心配である。

【青江部会長】 実機を作るまでに、もうほとんど何も残っていないのだということか。そんなことはないだろう。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 基本設計段階としては、やるべきことは終わったということになっている。

【青江部会長】 基本設計はやることはやった。だが、詳細設計に移りスタートする際に、あと何が残っているかということに対しての答えが出てきていない。廣澤先生に対する回答はあるか。

【JAXA(ジャクサ)(渡辺執行役)】 少し用語が混乱していると思うが、まず、HOPE-Xというのは実験機であり、これを作ったから、すぐこれを実用に使っていくという計画ではまだない。

【青江部会長】  HOPE-Xの実機の前に、詳細設計というのをやるわけだろう。

【JAXA(ジャクサ)(渡辺執行役)】 そう。

【青江部会長】 その詳細設計をやるには何が残っているのかという質問があったわけである。それに対して、答えがあったように思えないが。

【廣澤特別委員】 先ほどのお答えは、とりあえず答えは出ているということ。ただし、各項目について最適性の評価は十分とは言えない、それが先ほどのお答えだと思う。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 詳細設計フェーズのものは当然残っているわけであり、いわゆるPMレベルで実証していくというプロセスはほとんどされてないというのはそのとおり。詳細設計はやっていない。

【青江部会長】 詳細設計をやるに対して、しなければいけないことがまだ残っているのかということだが。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 それについては一通りの答えは得た。ただし、その答えが最適なものかについては、必ずしもそうではないものもあるかもしれない。だた、整合性があって、システム要求を満たす一通りの答えは基本設計としては得たということ。

【青江部会長】 残っておらず、詳細設計はあすから始められるということか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 そういうところまで至っていたと考えている。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 設計にミスがあったということは後でわかったりもする。そういうことはあったかもしれないが、基本的には基本設計を終了して詳細設計に移行できるフェーズまでは来ているということ。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 ただし、再度体制を構築にするための準備にはかなり時間が要るというのが実際。それがかなり大きいので、先ほど委員の方からも質問があったが、特にメーカ側の製造設備の関係を含めての見直しというのが、どんなものができるかというところを含めてもう一回よく考える。要するに、再体制への準備というのはかなり大変だと思う。

【松尾部会長代理】 その話はなかなか切れ目が難しいが、要するに、実機製作は当面見合わせることにすると書いてあるが、当面見直しということがなかったとしたら、すぐ実機製作にはかかれたのか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 その時点では詳細設計に突っ込むつもりできたので、詳細設計に着手できたということでいいと思う。

【井口委員長】 このまま詳細設計に入らなくてよかった。将来、詳細設計に入るときに、信頼度を基本仕様として与えられるか。耐久性は何回飛行できるものにするか、コスト管理はどうするか、それらを全部できるか。全体からして、今、日本の宇宙開発でできていると思えない。時間が幸いに伸びたから、今度本当に始めるまでにそれをきちんとやってほしい。 例えば、アビオニクスの質問がさっき出たが、信頼度を計算して全て出せるのか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 スクリーンをみていただきたいが、信頼度設計については一番下に数字として目標0.98に対して0.994という計算結果になっている。

【井口委員長】 やったとみんな言うが、よく聞くととんでもないことをやっている。その辺は河内山さんが一番よく知っていると思う。
 ここでやりましたと耳にたこができるくらい聞いているが、実際にどのくらいやったのか。それは確かにやってないとは言えないからやっていると言うのだろうが、そんなものは、はっきり言えば100パーセントのうち10パーセントか20パーセント。だから、安易にそういう言葉を使わないでほしいと思う。

【JAXA(ジャクサ)(河内山)】 基本的にはロケットと同じような形で従来もやってきた。だが、信頼性の具体的な理念に近づく形のところまでまだ至ってない。今指摘があったように、ロケットと一緒に、再使用についても、信頼性のもう少し本質に係るところまで含めて基盤を作った上で再度構築するというのが正しい姿勢だと考えており、現在検討中になっている。

【松尾部会長代理】 話題をかえて、開発目標のところを伺いたい。全体として数値目標を必ずしも与えられていなかったからそれぞれの中で決めたとおっしゃっていたが、質量、目標値に入っている数字はどのように決めたのか。
 例えば、質量は自分で飛んでいくなら、生き死にの話だから一生懸命減らすだろうが、H-2のお客さんで行くのなら、大した話にならない。空力的な測定が主目的だとすれば、形が整っていて、温度計測ができればいいというようなこともあるわけで、構造のところでも中に入らなくて大変苦労したとおっしゃるが、どういう意味で個々の目標が設定されたのか。
 一番気になるのは質量の話、それから、クロスレンジも数値が出ているが、何らかの意味があってやっぱり決めたのだろう。漠然とした質問になるが、何か達成したとか達成しないとかいうときに、これを達成したもののうちにカウントしないから構わないが、もともとの目標はどういうものだったかという素性をやっぱり知っておきたい。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】  HOPE-Xは、先ほどあったように、あくまで技術試験機なので、試験という意味では大きさに対する絶対的な要求というのはないが、実際上の設計作業においては、これに必要な装備を追加することで、純実用の軌道上でのミッション、場合によってはステーションへのアクセスができるということを前提としている。そのときには、必要な数のラック、与圧キャビンの中に乗って胴体に入るという要求を設定していたために、胴体のサイズに絶対的な要求が出てきて、それと、H-2Aの打上げ能力という関係で数値要求が出てくる。そういう意味では、確かに試験機という形だけでは、なぜこういう数値が出てくるかについてちょっと疑問に思われるかもしれない。
 もう一つは、運用上、クリスマスの滑走路というものが1つ厳然とあり、それが制約になっている。
 この制約の下で答えを探していくのに、構造重量的に破綻してチップフィンを胴上フィンにしたとか、そういう経過があるということ。

【松尾部会長代理】 僕の質問はむしろ、そういう目標値が出てくるための包括的な背景を書いておいてくだされば、アウトプットと比較する場合に、これが直接の対象になるなら、制約条件というのか、ゴールがあったわけだから、それはどこかでわかるようにしておいていただきたいということ。今のお話で了解した。

【中西特別委員】 成果のところに随分学会報告があるが、特許はどう考えているのか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 今は分からない。全体では……。

【青江部会長】 特許はゼロなのではないのか。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 私は少なくともALFLEXでとっているので、ゼロではない。申し訳ないが、数えていない。戻ればわかると思う。

【青江部会長】 妙だと思う。成果のところに論文や報告書が書いてあって、特許についてどうして思いが及ばないのか、不思議だ。僕はゼロだとばかり思っていた。

【中西特別委員】 取ってはいけないのかと思った。方針として公開するのかと思っていたが。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 特許はもちろん公開。

【青江部会長】 特許は、いくつとったと積極的に出す話なのではないかと思う。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 考え方だが、基本的にはどの実験機もフライトさせるということを非常に強い目標としており、小型実験機でもフライトさせて成功させるということが非常に大きな目標になっている。HOPE-Xに関しても、これを飛ばすということが非常に強い目標になっていて、それがアウトプットだと思うし、アウトカム・波及効果は、これが中断したことで非常に重要度を増しているが、基本的にプロジェクトというのは実施すると、成功させるというところに重きを置いているというのが、私の感覚。この整理する段階での感覚がそうなっているということかと思う。
 小型プロジェクト、私はこの中では小型しかほとんどやっていないが、このときにはやはり後ろでアウトカムはあるが、そのためには成功させるというところにどうしても力点が入っているというところでそういう整理の仕方になって、特許が落ちたということかと。

【水野特別委員】 私、先ほどから参考資料の7-2の6ページを見ていて、ちょっと全体計画の話をおさらいしていたのだが、よくわからなくて御質問させていただきたい。基本的に前回の高速飛行実験と今回のHOPE-X、この2つを合わせていわゆる往復往還機の実験といいますか、プロジェクトが成り立つという理解でよいのか。この6ページの一番下の欄にある5つの小型実験機の成果をもって、HOPE-Xというプロジェクトが成り立つと。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】  HOPE-Xで実施した内容は、小型実験機と、それから、HOPE-X本体の設計、開発試験、それから、データの取りまとめという作業で、これが全体。

【水野特別委員】 その中に、小型実験機の高速飛行実験の1、2も含まれる。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 含まれた5実験機と。

【水野特別委員】 だとしたら、この線表を見て最初に気がつくのは、ちょっと変ではないのかなと。最初に平成5年、7年、8年と実験が行われて、当初予定で平成10年ぐらいまでのHOPE-X、それが延びて15年ということだが、高速飛行実験が非常に遅れて実施されている。いろんな経緯があるのかもしれないが、仮にやるとしたら、10年、11年ぐらいに実験して、12年、13年にHOPE-Xを打ち上げようというようなストーリーかと思うが。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 高速飛行実証が遅いのではないかという御指摘か。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 7-2の6ページは、最終スケジュールだけしか書いていないので、7-1-2の別添1、参考資料の方の15ページにあるが、高速飛行実証を立ち上げた時点では、このスケジュールのうち真ん中のもの、つまりHOPE-Xのフライトを15年度に予定している時点で高速飛行実証がスタートしている。高速飛行実証がスタートしたときには、実はこれは最終的には14、15年度に実験をやっているが、それよりもう一年早く、13年度と14年度に行うということで、HOPE-Xのフライトよりは先立って高速飛行実証が終わるという形でスタートしている。
 ただ、高速飛行実証というのが、最終的な確認試験的な、つまり、着陸の着陸場の設備というか最終的な航法系の確認、それから、空力特性の確認というどちらかというとだめ押し的なもので、フライトまでに間に合えば成果は十分反映できるという考え方で最初から計画されたものである一方で、最初の3つの実験機、これはどちらかというと、基本的な熱防護材だとか着陸の誘導制御技術そのものを、いわゆる開発のスタート点までに実証しておくものとしており、ちょっと性質が違う。そういったことで、フライトまでに間に合えばいいという形で計画された。

【水野特別委員】 了解した。
 ほかの資料から持ってきたので間違えているかもしれないが、開発費でいうと、OREXが20億円、HYFLEXが64億円、ALFLEXが54億円、HOPE-Xが279億円、高速飛行実験1、2で合わせて35億円。だから、そんなにここには重きを置かなかったということか。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 重きをというか、小型実験機で比較的安くやるというノウハウを蓄積したため、高速飛行実証は比較的安くやろうとしたということで、ALFLEXの54億円に比べて、高速飛行実証の方が安く済んでいるというのは、これは1つALFLEXの成果だと思っている。

【水野特別委員】 そうすると、御説明の繰り返しかもしれないが、最初の3つがある意味メインで、ホップ、ステップ、ジャンプでHOPE-Xにつながると。後ろの2機というのは、本当にランディングの地上設備の確立といった位置づけであると。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】  HOPE-Xのフライトをより確実に行うためのだめ押し的飛行実験と考えていただいていいと思う。

【長谷川特別委員】 先ほど説明があった資料の、資金管理、効率性の資金管理というところを見ると、かなり全部にわたって、コスト削減のためにいろいろと既存のものを使ったということがずっと出ていて、既存のものとか、ほかのところでできているものを使ったから安く上がったと書いてあるが、それは結局既存のもので十分なのか。既存のものでだめだというところは、お金をかけてでも開発しなくてはいけないというところも出てきているのか。本当に今の既存がすごくいいことの証なのか、教えていただきたい。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 比較的内容がわかっているHYFLEXで御説明すると、今日の資料7-1-2の7ページで、具体的に既存のもの、ハードウェア、設計等で流用したものは、アンテナ、通信用のテレメータとトランスポンダのアンテナとか、電力分配機、これは中で電力をバッテリから分配するもの、それから、バッテリと、パラシュート、つまり、こういう流用したものは、このHYFLEXで開発すべき、つまり、極超音速で揚力飛行するということに必ずしも本質的でないもの、つまり、そのためのテレメータを置くだとか、中の電力を分配するとかいうことなので、これはとにかく機能としてあればいいということで、当然タイルだとかカーボン/カーボンなどの構造体、こういうものは既存品ではなくて新たに開発して、それを実証したということなので、手段と目的という意味では、手段の部分を流用したと、目的の部分は当然新たに開発したと、そう考えていただければと思う。

【鈴木特別委員】 これは別に質問ではないが、先ほど委員長からも生産技術の話が出たが、実はこの開発をやるときに、例えばカーボン/カーボンの開発とか、機体の複合材の一体成形とか、生産技術で相当努力しているにも関わらず、そのあたりのPRが足らないというか、この短い時間だとなかなか難しいと思うが、結局このHOPE-Xの機体は、生産技術も今までの飛行機の延長でできるものは、キーとなるものはほとんどない。それは相当努力してやってきているのだから、非常に説明は難しいと思うが、もうちょっとPRがあってもよかったのではないかなと思う。
 それから、空力にしても、今までの普通の飛行機に比べると、ほとんどこれはゼロから空力設計をやってきている。そのときの風洞の誤差の問題とか、そのあたりも、関係者は論文を書いたと言うだけではなくて、日本の空力の技術の発達という意味では非常に有用だったと思う。この1時間やそこらのプレゼンテーションではなかなか難しいと思うが、そのあたりも機会があったらまたPRされるといいのではないか。

【青江部会長】 前回、30分ぐらい概括的にやって、今日、小一時間説明をしてもらったが、今の雰囲気からして、あまりいい点がもらえないのではないかと心配している。とにかくきちんとした、相当いい成果が出ているのに、時間の制約からして、そこのところが十分説明し切れてないかもしれない。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 確かに、今部会長にそう言っていただいたように、目標の達成というと、目標をただ達成したと言わざるを得ないが、その達成するプロセスにどういうことがあったかと、つまり、この資料を作るときに私どもが考えたのは、HOPE-Xがいかに複雑なものであるかを理解いただこうと思い、そういう観点を入れようとした。そうすると、あまりに技術的な話になってしまうので、目標及びその達成結果という観点で整理してしまったが、例えば再突入機については、熱をどう考えるかという問題があり、これは普通の航空機とか衛星とは全く違うものである。これについてどういうプロセスがというのを、とにかく大変だということを理解いただくために、スクリーンで簡略に説明するが、つまり、熱というものを考えるときに、まず経路があり、これは相当分散する。それから、実は設計のときにいかに大変なものがあるかというのを、3種類の枠組みで示しており、まず、白の枠が不確定要因。再突入すると、いわゆる空力加熱というものが出てくるが、この予測に対して、例えば空力加熱そのものの予測が今の技術ではプラスマイナス20パーセントぐらいの誤差がある。それから、実在気体効果という化学反応の話があり、これは5割ぐらいの寄与をする。これは誤差が5割という意味ではない。それから、表面の触媒性というのがあり、これは場合によってはこの実在気体効果を打ち消すわけではないが、2倍ぐらいの問題がある。それから、今回の野口さんのミッションでも問題になったが、表面が荒れていると境界層遷移というのが起る。これは、2倍、極端な場合はもっとある。
 こういういろんな現象があり、ある経路が決まったときの空力加熱がどれぐらいであるかということを予測する技術そのものを評価するというところから始めなくてはいけない。
 それから、空力加熱で、温度がどうなるかといったときに、材料の物性値があり、これは伝導率と比熱が主なものだが、これに対しては、大体高温側では3割ぐらいの誤差を見込む必要がある。それから、輻射等の普通の物性値だけであらわせないような現象もある。加熱、タイルなので、すき間があり、そういうところの寄与も考えなくてはならない。
 こういう単純な誤差源を全部足し合わせると、先ほど最適からずれていると言ったが、おそらく最適と思われるものに対して、そういう誤差を全部考えると、端的にいうと、タイルの厚さが2倍ぐらいになってしまう。そういうものをどうするかという問題がある。
 あとは、解析上のややこしさだが、例えば、空力加熱でどれぐらい温度が上がるかといったときに、まず再突入するときのタイルの温度がどれぐらいかという初期条件が問題になる。ところが、HOPE-Xで例えば1周目のときは、打上げ時の加熱の状態がまだ残っているとか、そういうややこしい問題が起る。つまり、初期条件そのものがそういう過去の履歴に依存する。
 それから、次の問題は、これは耐熱タイルで守った内側の、いわゆるこれがアルミの主構造と思っていただいていいが、こういうものをどう守るかという考え方にもいろんな課題がある。
 それから、もう一つ、これはそれほど知られていないが、シャトルでも、アルミ構造の温度が一番高くなるのは、実は場所によっては着陸後になる。そういうふうに、温度が高くなる時刻がそれぞれ違う。従って、そういうもののインターフェース、つまり、普通ものとものを設計するときに、最高温度を与えて、受ける側は最高温度何度に耐えるように作ると、こういう非常に簡単なインターフェースをとるわけだが、こういう温度のピークが場所によって違うものを、最高温度というパラメータだけでやると、非常にむだが増えるというようなことがある。
 あとは、例えば搭載機器の、これは既存品だとか既開発品を持ってくるわけだが、こういうものの温度に対する耐熱性というのは、普通例えば80度に耐える機器というのは、例えば80度で1時間おいても大丈夫と規定されている。ところが、HOPE-Xでは、仮に80度になるとしても、それはせいぜい10分間とか5分間だと。それなら、もっと短時間なら温度は高くなってもいいのではないか。ところが、そういう性能についてのデータがないといったことがいろいろある。
 今言いましたインターフェースの問題、それから、非線型性など、こういうふうにいろんな今までやったことがない、データとしてもどうやってはかっていいかわからないものを全部積み上げて、初めて熱防護系の厚さが決まる。
 厚さが決まった結果として、重量が決まって、ようやくシステム重量を満たしたとなる。
 結論からいくと、「システム重量要求に入りました」と一言になってしまうが、こういうことが背景にはあるということは、少しは御理解いただけたかなと思う。

【青江部会長】 私が心配しているのは、もう少し説明時間をとった方がよかったかなとちょっと反省をしており、申し訳なかったかなと思っている。

【井口委員長】 一言すみません、時間がないところ。
 複雑性について説明していただいたが、私はもっと複雑なのではないかと思う。これまでの衛星の失敗の原因を考えたって、単純な見落としをやっているわけで、つまり、我々は、経験がないから、それさえもわからなかった。これだって、まだまだ本来知らなきゃいけないことが半分ぐらい残っていると言ってくださると、慎重にやっているなと安心するが。

【JAXA(ジャクサ)(白水)】 あまりそれを言うと、では、目標達成率半分だと言われても困るので。

【JAXA(ジャクサ)(中安)】 最初に御説明したが、これは基本設計まで開発試験といっても試作であって、実機を作るところは一切手をつけていないわけで、作業的にも工数的にも、詳細設計以降が大きいので、基本設計は逆に言うと、そのデータを作るところまでというところであり、本当に全体を開発したとすると、そのうちの何分の一しか我々は作業していないので、そういった観点でこれを見ていただかないといけないかなと思う。
 基本設計はやはり基本的な事項で、実際図面も詳細なものは書かないわけで、試験といっても、基本機能の確認とか、そういった実機の前のレベルまでで作業を中断している。もともと研究はきちっとやって、開発も一部やって、詳細設計に移行できると言っているが、全体の中で詳細設計は基本設計よりぐっと大きい。だから、それはそういう観点で見ていただいて評価いただかないと、基本設計の中で本来詳細設計でやるようなことは、我々、全くやっていないので、そこだけはよろしくお願いしたい。

 
(2) 議題(2)「その他」
 事務局から、「推進7-2-1」に基づき説明を行った。続いて、事務局から、「推進7-2-1」に基づき説明を行い、原案のまま了承された。

-了-

(研究開発局宇宙政策課)


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