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第2回推進部会議事録

1. 日時   平成16年8月17日(火曜日)10時〜13時

2. 場所   文部科学省 10階2・3・4会議室

3. 議題
(1)  環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用異常に係る原因究明及び今後の対策について(報告)
(2)  温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの事前評価について
(3)  水星探査プロジェクト(Bepi-Colombo)の進捗状況確認について
(4)  その他

4. 資料
推進2−1−1   環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用異常及び今後の対策について
推進2−1−2   環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用異常及び今後の対策について(概要)
推進2−2−1   温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの評価報告書
推進2−2−2   温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの実施体制について
推進2−2−3   宇宙開発に関する重要な研究開発の評価 温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの事前評価結果(案)
推進2−3−1   水星探査プロジェクト(Bepi-Colombo)の進捗状況確認について
推進2−3−2   宇宙開発に関する重要な研究開発の評価 水星探査プロジェクト(Bepi-Colombo)の進捗状況確認結果(案)
参考資料2−1   宇宙開発に関する重要な研究開発の評価結果(平成15年7月31日宇宙開発委員会 計画・評価部会)「推進水星探査プロジェクト(Bepi-Colombo)について」部分の抜粋

5. 出席者
  宇宙開発委員会推進部会部会長   川崎 雅弘
  宇宙開発委員会推進部会部会長代理   松尾 弘毅
  宇宙開発委員会委員   野本 陽代
  宇宙開発委員会委員長   井口 雅一
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   黒川 清
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   小林 修
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   佐藤 勝彦
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   住 明正
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   高柳 雄一
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   冨田 信之
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   中西 友子
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   長谷川 真理子
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   廣田 陽吉
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   宮崎 久美子
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   森谷 正規
  宇宙開発委員会推進部会特別委員   山根 一眞

  文部科学省研究開発局宇宙政策課長   須田 秀志
  文部科学省研究開発局宇宙政策課専門官   水井 義武
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   三保 和之
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   大島 俊之
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   古田 裕志

説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
 執行役   片木 嗣彦
 GOSATプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ   浜崎 敬
 宇宙科学研究本部教授   向井 利典
 宇宙科学研究本部助教授   山川 宏
 環境省地球環境局総務課研究調査室室長   高橋 康夫
独立行政法人国立環境研究所
 地球環境研究センター GOSAT研究チームリーダー
  井上 元

6. 議事内容
(1)
議題1   「環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用異常に係る原因究明及び今後の対策について(報告)」

 事務局から、「推進2−1−1」及び「推進2−1−2」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

冨田特別委員】 1点目として、「みどり」では発生せず、「みどり2」で発生した理由は何か。
 もう1点、(「推進2−1−1」P.3に)「人材、技術力、産業基盤の確保・維持が不可欠」とあるが、具体的にはどういうことか。

大島補佐】 まず、1点目の「みどり」と「みどり2」について、実際として「みどり」で今回起こった現象がどうなっているかというのはまだわからないが、「みどり」から「みどり2」で設計を変えた大きな点として、太陽電池パドルで発生する電力の効率が上がっていることから、全体の電流値が上がっているということがある。そのため、ハーネスに流れる電流が多くなっている。また、「みどり」の際の事故の原因を反映し、太陽電池パドルのセンサーに関するハーネスを増やしている。その結果、電力線の束ね方を変えてあり、それが影響してハーネスが増えているということで、今回「みどり2」で運用異常が発生したのではないかと考えている。
 次に、2つ目の点で、今後の反映事項の箇所で、「人材、技術力、産業基盤の確保・維持」ということが記載されている。これをやれば人材が養成できる、ということは一朝一夕にできるようなものではないのだが、このようなことを考えながら、JAXA(ジャクサ)でいろいろ施策をこれから具体化させていただきたいということで、この箇所については本報告書だけではなく、一連の事故を踏まえ特別会合が設置されており、人材をどのように養成していくのかという点についてしっかり考えてもらいたいということで宿題を出しているため、しっかりと、宇宙開発委員会としてもフォローしていっていただきたいと考えている。

松尾委員】 最初の質問については事務局からの回答のとおりだと思う。
 次に、2点目については、設計上の目配りの不足だということだが、やはり標準的な手順というか、個人の質というか、そういった眼力が非常に大事ではないかという思いを込めてここに書いているつもりである。

川崎部会長】 大変大事な点だと思う。

井口委員長】 私は、「みどり」の失敗の際、宇宙開発委員ではなかったが、原因調査の部会長をしており、図らずも両方に関係したという立場であるが、「みどり」の際は、幸いなことに、画像データでパドルが破断したというのがかなり明確にわかった。大変幸いだったと思うが、その際には、外国の衛星で見てもらったのだが、もう少し自分でも見ることができるような対策をとるべきではないか。「みどり2」のときには、カメラを衛星に搭載して画像が送られるようになっていたし、また、様々なセンサーも増やしたのだが、残念ながら、2号のときには失敗原因の確証となるようなテレメトリデータは得られなかった。それはセンサーが不足していたのか、あるいはテレメータ自身が最初に駄目になってしまったために得られなかったのかはわからない。したがって、ここに書いてあるのは、あくまでも推定である。最もあり得る原因としてはこうではないかというだけで、私はこれで確証を得たとは思っていない。あくまでもこれが最もあり得るものだと思っている。
 私は、「みどり」、「みどり2」とも見て、恥ずかしく思っている。「みどり」も「みどり2」も両方とも日本の技術レベルを超えたかなり高いところでトラブルが起きていたとはとても言えない。逆にかなり低いレベルのところである。そこで簡単に言えば、今、松尾委員からあったように、見落としというか、見逃しが原因である。それをこれからどうするか。最近新聞でも見落とし等が議論されているが、つまり、個人の資質について対策に書いてあるが、これは時間がかかる。しかし、すぐに何かやらなければいけない。ぜひともこの後の、これは川崎部会長が発言したように、温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)の設計を通してやりたいのだが、徹底的なチェックをどうやったらできるか。冨田委員も聞いていることと思うが、FMEAでかなり詳細にチェックを済ませている。FMEA、あるいはそれ以上のことをGOSATではやりたい。それをもう少しシステム的に技法として確立できたらと思う。それがまず第一である。見落としをどれだけ少なくするか。と同時に、どうしても見落としというのはあり得るだろうと思う。そこで、システム信頼性設計というもので何かあっても、ミッションの重要なものについては最後までサバイバル、つまり、生き残らせるようなサバイバル設計をこれからやっていこう、そのあたりの基本的なやり方、考え方を、次のGOSATを進める過程で是非とも実現してほしいと考えており、我々も努力をしたいと思っている。そういう考えでいるので、よろしくお願いしたい。

川崎部会長】 本件については、議論をすれば限りなくいろいろなことが言えると思うが、本日予定している議題の関係でこの辺で打ち切りたいと思う。後ほどGOSATについてもいろいろ検討していただくが、観測を行うミッション機器で起こったトラブルというわけではない。ミッション機構を働かせる前にダウンしてしまっているという、いわゆる衛星バスがひ弱だという問題なので、ここに書いている今後の対策というのは、どちらかというと、衛星バスとしてどうするかという際の大事なポイントだと御理解をいただきたい。その辺は、後ほど御審議いただくGOSATの問題についても関連してくると思う。

廣田特別委員】 1点伺いたい。メーカー側としても、今回の指摘事項、ここに書いてある反映事項を謙虚に受け止め、先般の特別会合でもお話が出たとおり、やはりスペシャリティのある集団とJAXA(ジャクサ)のいろいろな組織の関連付け、一応形ができつつあるわけだが、それが実態として形になるように全面的に協力させていただきながら万全を期すということでやっていきたいと考えている。よろしくお願いしたい。

川崎部会長】 人材の話は開発以前の問題かもしれないので、より根底的な問題もあると思うが、大変なことだと感じる。

(2)
議題2   「温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの事前評価について」
 温室効果ガス観測技術衛星プロジェクト評価小委員会松尾主査から、「推進2−2−1」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

川崎部会長】 若干の補足になるかもしれないが、「概ね妥当」のところのシステムというか、開発計画の中で「概ね妥当」というのは1カ所だったと思うが、今、松尾委員から説明があった中で、問題は、観測されたデータをどう解析するかという、アルゴリズムをどのように今後開発していくかという点が委員の間の議論であったかと思うので、その辺を意識し、今後もなお研究開発の要素が残っているということであろう。

冨田特別委員】 大学で学生に設計演習で衛星設計をやらせると、環境関係に圧倒的に人気がある。つまり、ミッションを選ばせると、例えば、炭酸ガスの観測やオゾン層とかといったものが大体半数以上を占める。だから、GOSATの目的は非常に一般の人も理解しやすく、実質的にも大切である。センサーについてもあるが、今、亜大陸レベルでの吸収排水量等について書いてあるが、もっと細かい観測ができるようなセンサーの開発まで持ってくるようにして、こういうセンサー関係の開発に力を入れていただきたい。このGOSATの目的は、そういう意味では非常におもしろい衛星だと思っている。

川崎部会長】 センサーの実証性を確かめるためにも、バスがしっかりしてもらわないと、今までみたいにバスに不具合が生じてセンサーの実証までいかないということではいけないということもこの評価の中では随分議論されていたと思うので、冨田委員の指摘はもっともだと思うが、おもしろさを出してもらいたいというのが我々の期待であり、そういう意味では、新生JAXA(ジャクサ)としての初の、最初から手がけることになるという意味でも大事な衛星だという意識であろうと思う。

冨田特別委員】 そういう意味では、8ページ3行目から4行目に、ほとんどの衛星バスシステムについて既存設計を活用することにより云々と記載されている。これは設計方針としてやはり非常に大事である。バスについては既存の、信頼性のあるものを使ってミッションに開発要素を入れるという設計方針が多分採用されていると思うが、それは非常に妥当だと思う。

(3)
議題2   「温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの事前評価について」
 JAXA(ジャクサ)浜崎プロマネから、「推進2−2−2」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

廣田特別委員】 本件については、メーカーにおいても、今回の一連の失敗で、衛星及びロケットについての開発体制の見直しということを行った。その意味では、経団連として意見を述べる機会があったが、その際に、新しい見方でやっていこうということで、プライム制、インテグレータ制の使い分けという議論があった。原則として、実用衛星や民間移管後はプライム制、研究開発目的はJAXA(ジャクサ)が中心となったインテグレータ制を採用するということである。今回はプライム制という話が書いてあるが、いずれにしても、メーカー側も新しい仕組みの中で、インターフェースや、メーカー間のコミュニケーションのあり方等も少なくとも変えていかなくてはならないという問題が残っているが、そういうところがしっかりやっていけるように努力していきたい。
 その中で、もう少し発言したが、権限と責任といったもののあり方がいろいろ課題としてもあり、乗り越えていきながら、コミュニケーションをよくとれてなく、そういうところが意外とチェック的な意味でも不整合が生ずるところがあるため、是非努力していきたい。

井口委員長】 今の点について、11ページ(4)に、衛星システム企業担当について、最後に「技術情報・品質情報を共有できる環境を整備する」と記載されている。誰が整備するとは書いてはないが。これは経団連、あるいはメーカーにお願いしたい。今の話で、メーカー間でこれをやってくださいと、お願いしたい。役所にどうこうしてくれなんてことを言うということは恥ずかしい話ではなかろうか。これはメーカー間できちんとやっていただきたい。

廣田特別委員】 メーカー間でやれるところは積極的にやりたい。衛星のメーカーは2社しかないため、正直言って、ノウハウというのはゼロでもないし、一番はノウハウのところの取り扱いについてやや課題として残っていたと思う。また、衛星の不具合に関して、配線の破断の話もあったが、メーカー側でやれる話と、世界的ないろいろな地域から得る情報、知見等があるので、そのようなところをどのように進めていくかというのは、全てメーカー同士ではできない面もあるかもしれない。積極的にやっていくという意味では、私どもとしてはやっていきたい。

川崎部会長】 今の点に関連して、JAXA(ジャクサ)の方から補足はあるか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 補足したい。まず制度的な仕組みについてである。例えば、メーカー間の情報を直接やりとりすることについては、必ずしも今の契約上、自由にできるわけではない。JAXA(ジャクサ)の許可が必要な場合や、メーカー各々のノウハウを保護しなければいけない立場もあるため、現在若干の障壁になっている部分がある。そのような点については、契約上の配慮や、あるいはメーカー間で、JAXA(ジャクサ)にとらわれずに直接自由に交換していただきたい情報と、そうでない情報とを事前に明確化し、今よりはるかに必要な情報を自由に流通できるような仕組みの整備していただきたく、また、JAXA(ジャクサ)においても重点的に取り組みたい。

川崎部会長】 いろいろうわさとして聞こえてくる話の中には、なかなか共同設計といったものについて、まとまって討議をしながら設計を見直すということがうまく機能しないという話を、ほかのケースで聞いているが、そのあたりについては、何か特段のことを契約以外の面でも考えているのか。

片木執行役(JAXA)】 今までも必ずしもやっていなかったということではないのだが、どちらかとすると、先ほど浜崎が申し上げたとおり、インターフェース部分に重点を置いた技術的なやりとりはかなりしつこくやっていたが、実際はなかなかそこだけではなくて、その先のところまでの、例えばある種の回路や、あるいは艤装といったところまで思いを馳せないと、先ほど委員長からもあったが、見落としがないようにという趣旨でいくと、もう一歩先まで、技術者同士の調整の中で具体的な議論をしていくようにしていかないといけない。GOSATにおいては大いに改善していきたい。

井口委員長】 サブコントラクタに極力日本のメーカーを選定するという条件は入っているのか。

片木執行役(JAXA)】 ここでは明示的には書いていないが、1つのコンポーネントになるサブシステムを使い続けていくことによって技術は蓄積されていくものであるため、衛星全般について、GOSAT以降の衛星についは、なるべく意識的に同じようなコンポーネントサブシステムを使い続けていくという方針にしていきたい。

井口委員長】 日本のメーカー以外も想定しているのか。

片木執行役(JAXA)】 もちろん日本のメーカーを想定している。

川崎部会長】 部品やサブシステムの輸入をすると、あってほしくないことであるが、トラブルが起こった際の追跡が非常にできにくいとか、ノウハウにかかわる部分については機微情報で出てこないとか、不具合がいろいろあり、ここはそこまでグローバリゼーションではなく、ナショナルインタレスト追求型の方がプロジェクトの遂行上はよいのではないか。どの国もそういう傾向が見えるようになってきていると思う。

黒川特別委員】 10ページについて、今、部会長からあったとおりだが、例えば最も優秀な役割分担、最も優秀な提案を行った企業を選定するとあるが、提案とやることは全然別かもしれず、さきほど井口委員長、松尾委員からあったとおり、提案するというのは作文であるため、ある程度の実績ではあるが簡単なことである。しかし、実際調達できる能力というのは全く別の話である。さきほど箇所の失敗もそうだが、井口委員長、松尾委員、その前の話もあって、非常に悩ましいところだと思う。最近出た本で、山本七平の『日本はなぜ敗れるのか』という話がある。つまり常に精鋭がやっていると勝手に思い込んでいるのである。エンジニアもみんないいと思っており、経営者を見ても同様である。最近の事故もまた同様である。技術者は、最高と勝手に思い込んでいるだけであり、そうではないところをお互いどうチェックするかという方がよほど大事なわけである。
 先ほどから質問が出ているように、3つのシステムが違った会社だったらどうするかという話で、それは役所的にはあのような返事しかできないのかもしれないが、どういうものを調達するかという方がよっぽど大事であり、みんな精鋭でなくても、ここはできるんだということをどのように構築していくかということが大事である。だから、ガリレオにしても、1970年ぐらいに出発して、宇宙の果てまで行ったと言っているようなことがまだ行われている。ではアメリカのエンジニアが日本より優秀かどうかというと、優秀な人もいるし、そうじゃない人もいて、それをシステムとしてどう構築するかという方が大事であり、勝手にうちのエンジニアは優秀だと思い込んでいる方がおかしい。さらに優秀な人が見れば、やる気を失ってしまうエンジニアはたくさんいると思う。その辺に問題があるわけで、そうでなくてもきちんとやれるかという戦略をどう築くかという話が一番大事だと思う。
 それからもう一点、川崎部会長からあったことは大事で、今から第三次の科学技術基本計画が出てくる際に、宇宙開発をどうするかということは、国の戦略的上大事なことである。こういう環境分野のシー オー ツー測定等はとても大事であり、貢献しているのだが、これは日本としてどうしても単独でやらなくてはならない仕事なのか。それからやはり韓国もやりたいと考えており、中国は覇権主義的で、自分でどんどん人を打ち上げるという話もするのだが、このようなツールを、これからアジアに信頼されるツールとしてどう位置づけるかという国の姿が見えない限り、どうしたいのかという疑問が浮かぶ。エコノミックアニマルにしたいのか。そうではなかろうと思う。では、21世紀の日本は、アジアに信頼されない国になった場合に、アジアとの信頼をどうやって再獲得するか、捉えるかというのがすごく大事であり、そうしない限り、EUであれアメリカであれ、日本とつき合うかというと、そんな国にならないと思う。そうすると、1つのツールとして、どのように用いるか考えなくてはならない。例えば、韓国と一緒にやるといったシェアリングをしたり、何かそういうツールとして使うという国の戦略もなくてはいけないのではないかという話を少し考えていただきたい。

川崎部会長】 黒川委員の意見の後半の部分は、この部会としてはやや荷が重く、本会でも、文部科学省の中にある限りにおいては、やや荷が重いところもあるが、意見を言う機会はあるのではないかと思われ、また、十分配慮しなくてはならないと思う。ただ前半の方の問題について1つ質問だが、11ページの(5)に書かれていることに尽きるとは思うが、従来のやり方で、例えば信頼性について推進すると書いてあるが、具体的に言えば、作ったメーカーの試験をもって領収するといった体制等のいわゆる認定の仕方や、性能やライフタイムの確認といった試験の実施体制は、メーカーが選ばれた段階でどのようにするかということは、何か具体的な計画を持っているのか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 メーカーを選定する以前の試作試験段階等、いろいろあるが、メーカーを選定した後の試作試験について、JAXA(ジャクサ)として一番感じていることでは、試験について3段階の書類を作ることとしている。一番上が試験計画書、その次が試験仕様書、それから試験の手順書、この3段階を作ってやっていく。手順書というのが、実際の試験の細かい、一つ一つスイッチをオンにするとか、どのデータを記録するという、作業のために絶対必要なものであるが、一番重要なのは試験の種類とパラメーター、回数、判定基準を決める試験仕様書のレベルである。これまでの若干の問題としては、試験の手順書がないと試験ができないため作っているが、開発の設計のところで時間をとられていて、その試験仕様レベルのディスカッションが必ずしも十分尽くされていなかった。あるいは過去に試験をした同様のハードウェアを試験した例があるので、その手順書をかなり流用した形で持ってきているという意味で、試験仕様書レベルの、本当の試験のケースあるいは判断基準の設定、ここのところが必ずしも十分でなかった点があるのではないかということを非常にある面で反省している。
 GOSATにおいては、その試験仕様書レベルの議論をメーカーを含めて徹底的にやっていきたいと考えている。その設定が正しくできていれば、判断基準は明確であり、その後の作業、データ取得、そこのところについてはメーカーに任せてデータを出してもらうため、問題ないと考える。最後の判定については、メーカーにおいてもちろん一次判定は行われるが、最後の判定については、JAXA(ジャクサ)、また、可能であれば、サブシステムの試験についてはプライム企業も含めて、試験の仕様に合った判定が行われているかというような観点で、なるべく多くの目でチェックするような仕組みを改善・構築していきたいと考えている。

井口委員長】 今の点で、ロケットであればそれでいいと思う。衛星について私が心配していることは寿命、要するに期間が長いということ。GOSATにおいても5年の寿命設計である。だから余裕をとれば7年とかになると思う。それだけのデータを持った材料なりなんなりがどれだけそろっているか。そのデータベースだと思う。それが十分そろっているようには思えない。それをメーカーと一緒にデータベースをきっちり整えていくということも並行して行ってほしい。

黒川特別委員】 部会の立場からいうと、日本の国としての戦略が何かとか、姿は何かなんて話とは全然別なのだが、そのような意見を上に上げていくというプロセスも大事であり、それでないと、次期科学技術基本計画も、何のためにやっているのかということになる。今までの10年というのは何となく経済を活性化するというようなおかしな目的でやっていたような気がするため、それは大事だと思う。
 それから10ページに、JAXA(ジャクサ)は設計責任を負い、企業は製造責任を負うとあるが、この中間の立場というのはあり得るのか。例えば井口委員長を始めとした人達が、何となくオブザーバー的に見るというのは、企業の秘密保持等の観点からさまざまなことがあるとしても、そういうメカニズムはあった方がいいのではないかということは可能か。
 それからもう1点、提案を行った企業において、担当責任者は、それが終わるまでやめない、異動できないなど、何かしておかないと、企業の都合でやられても困るのではないか。

川崎部会長】 後半は確かにいろいろあると思う。前半の設計責任と製造責任というのは日本語ではきれいに分かれているが、中身に入ると、区分が大変難しい実態があるので、そういう意味で、先ほどちょっと私が質問した共同設計チームというようなものがなかなか機能しないのではないかということと関係するが、これを別の第三者がどうやって監視するかという話は委員長から何かあるか。

井口委員長】 難しいと思うが、よくわからない。しかし現実には、これは責任という意味で2つに分けるわけであって、実務は一緒にやるということである。設計の段階からメーカーと一緒にやらなくてはならない。つまり製造のことを知らないで設計ができるはずないのである。そういう意味で、すべて一緒にやり、ただ責任の持ち方としてはここで分けるという考えである。
 それから一つ、8ページに体制が書いてあり、このときに総合プロジェクトマネージャで浜崎さんの名前が書いてあるのだが、同じように、これはチェック機構があるはずである。品質管理部なのか何かはわからないが。それも入れて、名前を入れてほしい。プロマネと品質管理の責任者の両方が入っていなければ、体制として十分でないと思う。

住特別委員】 サイエンスチームの扱いについて一言言いたい。4ページに「科学技術面から必要な提言・助言を行う」と書いてあるが、これは私自身のNASDA(ナスダ)との長い付き合いの経験からなのだが、「みどり」の時代はNASDA(ナスダ)も非常に新しい方向に行こうとして、サイエンティストに配慮するような面があったと思うが、失敗し始めてから、一気に古い体制に戻ってしまい、人の意見を聞かない。というか、そういう段階になった際に、情報を出して、いろいろ言われるのが嫌だというところがあってそのようにしていたと私には見えるのだが、次第に、いろいろ言うのはいいという雰囲気になっているような気がする。ただ今度の場合においても、やはりサイエンティストは全部のプロジェクトに責任は持てないため、サイエンティストが意思決定をすることがないというのはわかるが、相当部分のエンドプロダクトのレベルでは、サイエンティストの協力は非常に大事であり、全部うまくいっているときはそれでいい。うまくいかなくなったときに、例えば納期があるから、もう仕方がないから、このスペックでいいかとか、そういうクリティカルなときに、やはりサイエンティストの意見を相当程度聞いて、やっていくようにした方が、将来にとってもいいのではないかと思うので、文言を別に書き込むということは必要ないが、やはり外部のそういう人を含めて、サイエンティストなり技術者なり、そういう人達の意見をよく注視したプログラムの運営実施体制を作っていただきたい。

川崎部会長】 今の住委員の意見については、覚悟の問題だと思う。

浜崎プロマネ(JAXA)】 JAXA(ジャクサ)として、プロジェクトごとにさまざまな温度差があったのは確かに事実だと思う。ただしGOSATについては、サイエンスの役割が極めて重大だと認識しており、例えばハードウェアのスペックが目標値を割り込むようなケースが生じた場合には、サイエンスチームに諮り、どういう形に持っていくのが最適かというような議論について、オープンに、すべてディスカッションしてもらう予定である。特にこのサイエンスチームに関しては、JAXA(ジャクサ)の認識は、外からのお目付役あるいは審査、監査という役ではなく、どっぷりと浸かっていただくということを考えており、相当な時間等を割いてやっていただくという覚悟を私どもはしているが、そういう形で長時間を割いてもらい、深く見ていただける方にサイエンスチームのメンバーとして活動していただくというつもりでいたため、JAXA(ジャクサ)としても、その活動に必要なインタラクション等、十分な情報の共有を図っていきたい。

中西特別委員】 体制のことについて伺いたい。責任というところで、責任を監査する人がいないということだが、もっと機能するシステムというか、例えば現場の人がこういうことをした方がいいというものがあるのではないか。作っていて、設計がまずいのではないか等の、いろいろな意見が出てくると思うが、先ほど聞いていると、いろいろマニュアルがあって、3段階の書類を経るという話だったが、もっと現場の人が考えたことを自由に次のところに、いろいろグループは分かれているが、連絡していって、またフィードバックできるようなシステムを構築すべきではないか。どのように書けばいいかということは、私はちょっとわからないが。システムはどっしりとしているのではなく、流動性のあるようなところが少しあるといいと思ったが、いかがか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 御指摘の観点については、大変いろいろと苦労しているところである。まず考えているのが、こういうピラミッド上の組織をまず作り、明確にし、すき間がないようなシステムをまず作り上げること。これをまず考えている。最初からすべて流動的にあいまいにしてしまうと、穴だらけになってしまうため、まずこれを押さえた上で、今、中西委員からあったように、どのように情報が十分下から上がってくるかというようなシステムを構築するということだと思う。
 まず幾つかの工夫は既にしており、例えば現場でハードウェアを試験している担当が何かちょっとおかしいということがあった場合には、その場で現場の不具合シートというのを書き込むシステムがある。現場のエンジニアが多少でも気がついたことは必ず書き込む。必ずしも異常ではなくても、少し様子がいつもと違うという形だけでも既にそのシステムを1人の、現場の一担当者の判断でそういう紙が起こせるようなシステムになっている。一旦起こしたシートは、必ずシステム全員で然るべきルートで上がり、無視せずきちんとつぶすシステムは既に出来上がっている。これはメーカーの中でも既に動いており、また、JAXA(ジャクサ)の中でも動いているため、このシステムをさらによりよく、使い勝手よくし、さらに柔軟にするような工夫をしていくのが1つの方法ではないかと思う。
 それから残りの点については、どちらかというと、現場の人間関係といったものと思うが、先ほど中西委員からあったように、責任関係を明確にした上で、極力、作業としては共同でやっていくという中で、現場を含め、プロジェクト体制というのは、比較的あまり上下関係のピラミッドで動いている組織ではないので、責任をとるときだけピラミッドだけになっているが、現場の作業はJAXA(ジャクサ)の中の作業でも一番末端の4月に入社したエンジニアからすべて同席した会議で、だれでも意見が言えるような、そういう雰囲気は既にできていると考えており、それをさらに今後、よりよく改善していきたい。一番の問題は、企業とJAXA(ジャクサ)の間で、やはりまだある程度壁が存在していると思うため、そこをいかに取っ払って、例えば企業の一番若手のエンジニアがJAXA(ジャクサ)の年寄りに何か言えるとか、あるいは逆も言えるような、そのような形で壁を取っ払って共同作業できるような形に、そこは是非努力していきたい。

中西特別委員】 なぜこのような質問をしたかというと、プロジェクトの評価報告書というところはすべて妥当か、概ね妥当である。多分プロジェクトを進めていくと、うまくいかなかったとか、ここはだめだったとかいう点はあると思うのだが、それが表に出てこない。ですから是非、もちろんやっているうちに失敗することもあるであろうから、そのようなところはどんどん出すような雰囲気があるといいのではないかと思ったのである。

川崎部会長】 今の現場との間のフィードバックの問題は非常に重要だと思う。

井口委員長】 一言言わせてもらえれば、8ページに実施体制があるが、浜崎プロマネの下にサブプロジェクトマネージャがいる。実務はサブプロジェクトマネージャに任せて、浜崎プロマネは半分は現場に常駐するくらいのつもりでやっていただきたい。責任者が現場に行ってほしい。

川崎部会長】 具体的な提案をしたい。先ほどの「みどり」の報告を受け、これは開発計画に絡むが、体制にも影響するところがあると思っているのは、PFM1機のみで進めるつもりなのか、将来の後継機のことを頭に置きながら、プロトタイプモデル(PM)を1機予備機として考えるとか、このあたりの構想というのをはっきり出さないと、10ページに書かれているRFP方式による企業の応札の態度もかなり変わってくるのだろうと思うのだが、そのあたりはどのように検討しているのか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 報告の中にもあるが、GOSATについては実利用を実証するという観点であり、観測の確実な実現に関する社会的要求は極めて高いとJAXA(ジャクサ)としても認識している。ポイントは、GOSATでは確実な開発及び運用をいかにして行うかということであるが、方法としては、幾つか考えられる。補完のためには予備機をそのまま用意するというのも1つの方法であり、あるいは後継機、GOSATについては継続的な観測が必要ということで、当然後継機が必要と考えているため、その後継機の検討をなるべく早く行う。例えば、後継機にも使えるような形で、そのままのレプリカを作るのではなくて、最初から、もし予備機が不要になった場合には、そのまま後継機に使えるような形にしていった方がいいのではないか。あるいは当然のことながら、GOSAT以外にも後継の地球観測ミッションがあるので、そのミッションの検討も既に始まっている。その後継ミッションと、例えば相乗りをしていくとか、あるいはコンポーネント、衛星バスのコンポーネント等を共有していくとか、そういう様々な方法が可能だと考えている。その選択肢の1つでフルの予備機を用意するという方法もあると思うが、非常に巨額の資金が必要であるため、追加となる資金と、それから今申し述べた方法の中で、どの方法が最適であるか、今からさまざまなトレードオフをしたいと考えている。技術的なトレードオフをGOSATとしてはして、ある時期で企業と、企業を決定する前までに基本方針を定めたいと考えている。また分担については、関係省庁・関係機関との相談も必要であるため、その中で具体案を提案して、検討を進めていきたい。

川崎部会長】 いろいろ検討する際に、お役所流で単年度会計主義等とか、いろいろハードルが高いと思うが、供給者に対して示すときの構想として、そういうことに十分配慮して、そういう計画の継続性とか、観測の継続性ということが謳われているかいないかによって、メーカーの方では、作る体制自身を3年物でやるのか、いや、その後もあるというように、10年なら10年とか5年のスパンで生産体制を構築するかによって、出来上がってくるものの質が全然違ってくる。そのような点が計画の前に正式に決めるということは予算を含めて難しいのであろうと思うが、JAXA(ジャクサ)の意向として、あるいは文科省と一緒になって、そういう点をはっきりしないことには、ここで言うコストの問題をただ安くしろと命令するのではなく、安くするリーズナブルな理由がそれについてくることにもなる。その辺はやはりもっと対応をしていただかないと、せっかくこうやって考えられた体制自身が機能しない体制になってしまう気がする。

佐藤特別委員】 きちんと人工衛星を打上げることが重要な課題である。利用の話について、質問させていただきたい。私が理解しているところでは、大体地球観測の衛星というのは、打上がったときは、非常に大量のデータが得られて、貴重なデータもたくさん得られているのだが、それをちゃんと解析する科学者の数がかなり少ないということもあって、結構宝の持ちぐされになっているという話をよく聞く。この利用・解析に関しては、先ほどの黒川委員のお話にも関係するが、利用推進のプロジェクト担当があるが、3社共同でデータの利用、推進を行うなど、国際的な場にオープンにできるような格好で御努力されるのがよいのではないかと思う。宇宙や天文、または素粒子関係では、韓国の方などが開発や解析にたくさん参加しておられる。電波天文や赤外天文衛星などがよい例で、韓国の方が一緒に入って観測され、解析もされている。おそらく、それが今の日本と韓国の関係が大変よくなったことの1つの理由でもあろうかと思う。この利用のことについても、打上がっていないのでなかなかということはあるかもしれないが、是非そういうところでのデータをより生かせるようなシステムをお考えいただき、いろいろなところにオープンなシステムを作っていただくようお願いしたい。

高橋室長(環境省)】 利用については、環境省としても当然、得られたデータが最大限に生かされるように努力していきたいと考えている。これまでもIRAS1、IRAS2については、国立環境研究所を中心に国際的なサイエンスチームを作りデータの利用に努めてきた。そういう経験も踏まえて、先ほど住先生の御指摘にあったサイエンスチームは、データの利用という意味では非常に重要と思っているので、内外の研究者の方に広く参加していただき、利用が図られるようなシステムを構築していきたいと考えている。

川崎部会長】 今の点について、地震の場合、時々オリジナルソースは私のところだからといって終わるまでは渡さないなんていう癖があるような話をかつて聞いたことがある。こういう宇宙物ではおそらくないと思うが。

井上チームリーダー(環境研)】 若干補足させていただく。環境研のチーム構成の中で点線のところがあったのはお気づきかと思うが、データ処理は、開発が十分進んだ段階では、民間の人たちの協力を得て迅速な処理ができるような体制を整えるということを評価委員会の方でも御説明した。迅速な処理をしてデータをできるだけ早く提供するというのが、現在の地球観測の国際的な枠組みの中で非常に強調されているところでもあり、この方針でやっていきたいと考えている。利用グループについては、既に固有データを利用する、あるいは地上での観測等を利用していろいろな解析をやっているグループがあり、彼らのワークショップを先日も日本で開催し、このGOSATの計画についても紹介して、どのようなデータが好ましいかということについてもかなり突っ込んだところまでディスカッションを行っている。最終的なプロダクトの姿がまだもう少し見えないため、正式にリサーチアナウンスメントをして、外国の方々も含めてやっていくという段階には至っていないが、その事前の段階でのコミュニケーションはかなり進んでいる。

川崎部会長】 今の井上さんの補足に尽きると思うが、先ほど松尾委員の方から報告のあった評価報告書の中にも、一応9ページ、10ページにかけて、資源配分を含めて、利用側の解析等についても適切な資源配分が行われるようにと書かれているので、円滑に進むことを期待したい。ただし黒川さんと佐藤先生のおっしゃったことは非常に大事なことだと思う。

佐藤特別委員】 一言よろしいか。一般的に国際公募云々ということで集めるだけでなく、やはりアジア圏の国々に直接、研究者レベルで働きかけなければならない。台湾やベトナム、その他いろいろな国々の方々を招く努力というのが不可欠ではないかと思う。長いスケールで日本の科学の未来を考えたとき、これは絶対不可欠だと思う。是非そういう観点でお願いしたい。

黒川特別委員】 確かに環境研はとても頑張っておられるが、振興調整費などを見ても、アジアの拠点づくりとしてたくさんやっておられて、いい仕事があるのだが、それを全体的にオファーするプラットフォームが日本から提出されていない。そういう意味では、マレーシアやインドネシアなどから、若い科学者も含めて、ワークショップに参加するだけでなく、分析などはこういうプロジェクトに一緒にジョイントしよう、立ち上げるところも参加しないかという話を呼びかけることが大事ではないか。何かをやっていると必ず言うが、どのような成果を上げるかという戦略的な位置づけというのはないため、ワンポイントでワークショップをやっているという話になってしまう。その辺はとても大事なのではないか。

川崎部会長】 大変大事な点を御指摘いただいた。JAXA(ジャクサ)はもう10年APRSAFを主催してきており、気象観測や地表観測についてはJAXA(ジャクサ)の上げてきた衛星のデータを提供して、共同での解析や利用方法の開発を行ってきており、その点は多分国際グループと連携をとりながらできると思いう。環境研の方ではいかがか。

井上チームリーダー(環境研)】 現在、この分野の研究者は、我が国にそれほど多くなく、非常に人材が不足しているのが現状。欧米においては、OCOとかNASA(ナサ)のプロジェクトの中にかなり組み込まれており、共同でやっていくのではあるが、やはり直接的に我々のプロジェクトにかかわって参加してくれる研究者を探している。私自身も3日後には中国に行って、バリデースの実験を一緒にやろうという話を詰めてくる予定である。ロシアの非常に優秀な数学や情報関係、あるいは分光関係の研究者とも接触し、そういった外部の人たちを環境研ないしは関連のところにポスドク等で招いて、一緒にやっていこうという準備を進めている。
 研究の段階としては、具体的な課題ができたところでそのような組織を作っていくというところで、現在はこうなっているという姿がまだ見えていないが、そういう点は注意して進めている。

宮崎特別委員】 話がまた10ページの役割分担のところに戻ってしまうが、このようなJAXA(ジャクサ)が設計責任、企業が製造責任を負うという表現だと、本当の事情を知っていない人が読むと誤解を招いてしまうのではないかと思う。こういう表現だと、企業を下請け業者のように扱っているわけである。実際に企業が衛星システムの詳細設計などを担当している場合、本当は共同責任をとるべきだと思う。もっと企業をパートナーとして扱い、設計の責任までも負うようにさせるべきと考える。

川崎部会長】 詳細設計までとかいろいろ考えると、なかなか微妙な問題になる。

浜崎プロマネ(JAXA)】 私見になるが、従来の形では設計責任と製造責任は必ずしも明確でなかった。そのため、契約上の問題はいろいろあるが、一言で言うとJAXA(ジャクサ)が全体の責任を負うような形になっていた。むしろそちらのほうが、JAXA(ジャクサ)が企業を下請け扱いしていたのではないか。企業には企業のちゃんとした役割があり、JAXA(ジャクサ)にも役割がある。それを明確にして2つに分けるということは、決して下請けという意味ではなくて、各々のパートナーシップということで2つに並べているというのが私の解釈である。
 そういう意味で、今後は、責任は違う中で、共同で作業しながらトータルとしてプロジェクトを進めていく、そういう形で、従来よりは共同作業がパートナーシップとして進むのではないかと考えている。

川崎部会長】 今のところは、過去はあまり透明性がなかった。そのため、今後ある程度難しい点はあろうと思うが、それがどのように外部に見えるかということによっても随分変わってくるだろうと思う。ここの10ページから11ページにかけての問題というのは、このような手続・システムをやることについてどれだけ透明度を持ってやれるかということにかなり意味があるのではないかと私は理解している。

小林特別委員】 「みどり」の方の検討で、今後の対策の中に、設計基準等の整備、見直しが入っていた。これは非常に大切なことだろうと思っているのだが、人工衛星等に関して、共通した基盤となるような設計基準というものはあるのか。個別のプロジェクトごとにつくっているのか、あるいは、ベースになる設計基準を整備していて、個々のプロジェクトでは、それを使う、あるいは必要なところは訂正あるいは追加して使う、という使い方をされているのかどうかお聞きしたい。

浜崎プロマネ(JAXA)】 まず設計基準だが、従来のNASDA(ナスダ)設計基準という形で、すべてのコンポーネントにかかわる、例えば電気設計基準やハンダづけの基準も含めて、基準類はすべて整えている。その基準というのは必ずしもすべてのプロジェクトにすべての項目が当てはまるわけではないので、その基準のうちのどこを適用するか、どこで適用しないかということをプロジェクトごとに決定する必要がある。その場合2つやり方があり、1つは、仕様書の中で規定する方法。もう一つは、例えば電気設計基準に合わせてGOSAT電気設計基準というようなものを作り直す方法である。いずれにしろ、設計基準は過去からの蓄積があるので、それを、すべてのプロジェクトに適用している。

井口委員長】 先週、宇宙開発委員会の席上、たまたま古濱理事がおいでになったので、今、小林委員がおっしゃった、基本的な考え方や基準をちゃんとつくってほしいとお願いした。私ははっきり言ってあるとは思えない。例えばJEMは、NASA(ナサ)の有人仕様なので非常に細かなことが決められているが、衛星については、少なくとも「みどり1」、「みどり2」について、システムの信頼性設計が導入されているとは思えない。じゃあ、ほかの衛星も全く同じかというと、そうではなくて、また同じことを繰り返すが、ETS2プロジェクトマネージャの山形さんが、その経過について、昨年の日本航空宇宙学会誌2月号、4月号の中で、システム信頼性設計についてある程度ちゃんとやっていると書かれている。ところが、その設計方針はどうですかとほかのプロジェクトマネージャに聞くと、あまり賛成してくれない。ということは、どうもそれぞれのプロジェクトマネージャが、非常にきつい言葉で言えば、勝手にやっているのではないか。それではまずいのではないか。衛星にも個性があり、プロジェクトマネージャも自分の活躍の場が欲しいと思うから、ある程度の自由度はもちろん必要であるが、基本となるところはしっかりとやり方、考え方を固めるべきではないか。それを今回のGOSATの開発を通じて構築してほしいというお願いを先週した。はっきり言ってちゃんとあるとは思えないというのが私の印象である。

川崎部会長】 まだいろいろご意見はあるとは思うが、大体大詰めに近づいたと思う。部会として考えていた意見の取りまとめ案を御披露させていただき、なお足りなければ議論をいただくということにしたい。

冨田特別委員】 余計なことかもしれないが、3つほど意見がある。1つは、企業の責任のとり方をあらかじめ決めておく必要がある。例えば失敗したときに全額補償するというのはあり得ない。アメリカの企業と話した際、何か失敗したときには失敗を起こした部品そのものについての賠償責任はあるけど、全体に対して、そこから派生することに対しては賠償責任はないと聞いた。その辺のルールを決めておく必要かあるのではないか。
 2つ目は技術者の話になる。大体企業の技術者というのは、いつも怒られてばかりで、基本的に言えばあまり褒められない。やはり褒めることを考えてほしい。例えばインセンティブ、成功報酬を企業に与える、ひのき舞台に企業を出すなど。例えばよそで発表するときに、プロジェクトの性格上しようがないが、どうしてもJAXA(ジャクサ)が表に出る。そういうときに、何かを発表させるなど、メーカーも引っ張り出す。あるいは学会に発表する論文を書くとき、機密もあってなかなか書きにくいが、なるべく企業の人に論文を書かせて、ファーストオーサーは必ず企業の人にする。最近はどうかわからないが、かつては企業の人が書いても、JAXA(ジャクサ)の人の名前を表に出すというような風習があった。企業の技術者を表に出すようにすることもいろいろ考えていただきたいと思う。
 3つ目は、先ほどの技術者の維持の話になるが、今はちょっと分からないが、私が前にやっていたころは技術者の維持というのは企業にとってなかなか大変なことであった。それから先行投資もなかなか大変だった。売上高が1,000億ぐらいないと自主的にそういうことができない。今現在はどのぐらいあるかわからないが、多分300億とか400億だとすると、それは企業の中ではマイナーであり、企業として金を出すわけにはいかんということになって、どうしても投資ができない。研究開発の費用などもくるが、それは人の維持に回ってしまう。企業の人間というのは、JAXA(ジャクサ)の人と違って、1日いればそれだけでお金を使っていくわけである。私がやっていたとき、その辺の感覚に非常に違和感を感じた。つまり人は無料だという感覚を持っておられる。人には金がかかるということをひとつ考えていただきたい。そのためには、今、限られた予算を幾つかの企業で分けているわけで、どうしても300億か400億になってしまうと思うが、もっとパイを大きくするような努力、もちろん企業はやらなければいけないが、企業だけに言うのではなく、JAXA(ジャクサ)や文部科学省、そういうところに配慮をしていただくようにしていただきたいと思う。

川崎部会長】 いずれも基本的な問題。企業の責任のとり方は、アワードの与え方との関連がリンクしてくるため、日本の会計法上の契約ができるかというのは検討していてもなかなか難しい点がある。ただ、後半の技術者の褒め方であるとか、技術者を維持していくためにはそれなりの必要な資源が要るという話はおっしゃるとおりであり、大事なことだと思う。

(4)
議題2   「温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの事前評価について」
 事務局から、「推進2−2−3」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

山根特別委員】 今回のGOSATのプロジェクトは大変画期的だと思う。地球温暖化の問題というのは極めて大きく、ハリウッド映画の「デイ・アフター・トゥモロー」という映画は、サイエンティストが主張したことを政治家が認めないということがモチーフになっているが、同じようなことが起きていると思う。かつては、核の問題が必ずエンターテインメントになったが、地球環境問題も同じようになってきた感じがしている。
 GOSATの評価について、これは一体ものつくりというものに対しての評価をしようとしているのか、このプロジェクトそのものの評価をしようとしているのか、それとも日本の宇宙開発とか、これからの日本という国の将来をどうしていこうかということを話そうとしているのかがよくわからない。もし技術的な問題、あるいはものつくりというものについての立場でこれを見るのであれば、それはそこに特化して、メーカーとJAXA(ジャクサ)との関係、あるいは、お金がないのにやれと言っている国の体制のあり方を直すとか、そういうことも含めて考えるべきだと思う。
 GOSATは温室効果ガス観測技術衛星であるが、本来、温室効果ガスについては、シー オー ツーを出してきた企業、産業界に一番の原因がある。あるいは、私たち家庭生活のあり方に問題があるので、これはきっと経団連あたりからとんでもないこと言うなと言われるかもしれないが、排出量の多い企業がそれぞれのお金を出すとか、300社ぐらい募り、責任を明確にすれば、300億ぐらいすぐ集まるだろうと思う。つまり、京都プロトコルで、今もって温暖化に関しては京都の役割は、ものすごく大きく、「KYOTO」という言葉が一つの環境時代のシンボルになっているということがあるので、日本がそれをきちんと引き継いでやっていく1つのプロジェクトぐらいに位置づけて、やっていただければと思う。
 愛知万博が来年開催され、現在、各国の参加だけで百二十数カ国が出ることが決まっていて、ここは本当にこれからの環境をどうするか、地球をどうするかを意見交換する場である。私も今、愛知県館という2つのパビリオンをやっているが、GOSATを是非展示というか、そういう世界にアピールするものにしたいなと思っている。
 何かニックネームをつけるぐらいのことから始めたらどうかと思う。これは「温暖化ガス、宇宙の警察官」のような、国民にわかりやすいものにしていただきたい。あるいは、どこかでメタンがパイプラインから漏れているらしいというようなニュースとして出していくとか、そういうことを踏まえた大きなプロジェクトとして取り組んでいただきたい。
 また、現場の研究者に聞くと、アマゾンの森林が果たしてシー オー ツーの排出をしているのか、吸収しているのか、実はまだ本当にわかってない。ところが、そのために今、広大な奥地の研究林が提供されている。そこに例えばドイツのNGOの人たちが相当なお金をかけて広大な森林を全部シートで覆ってシー オー ツーを計測するということをやっている。例えばそのプロジェクトと共同してプロジェクトを実施するなど、やるべきことはすごくあると思う。よって、このデータをどう利用しようかということを考えるのではなくて、こういうことをするためにこの衛星を使おうという、そういうシステムも出していただきたい。
 ここのところ本当に明るいニュースがない宇宙なので、これを是非明るいニュースの一つにしていただきたい。温室効果ガス自身、暗い問題だが、日本はそれに敢然と立ち向かっていくということを言っていただきたい。

川崎部会長】 この問題は、産業界も官界も政界も含めて、日本には、世界にアトラクティブに映る構想力がないことに尽きるところがある。この部会だけで吸収はとてもできないが、ただ意向としては、ものづくりの技術を含めて、このプロジェクト自身は全体計画の中でも極めて有意義なものだから、しっかりやっていただきたいというメッセージを部会としては出せればと考えている。

山根特別委員】 ここから石を投げることがあっていいと思う。

松尾委員】 先ほど、冨田先生から全球の濃度をはかるのは大変いいことだとあったが、その先に、それを亜大陸ごとの収支というところに持っていくためには、たくさんのバックグラウンドが必要で、そこのところに実は大変力が必要である。我々は、氷山の一角を見ていて、その下に大変大きな分野が隠れている感じがする。

川崎部会長】 まだ意見があるかと思うが、来年度の予算編成にも絡んでくる案件なので、できれば今日のところでGOSATについての開発段階へ移る事前評価を妥当という結論で、中にいろいろコメントはあるべしということで了承いただければと思う。なお、今日いただいた意見や、十分記述されていない点については、私と事務局に一任いただいて、できれば、明日の委員会に報告として出したいと考えている。そういう運びをさせていただいてよろしいか。

(了承)

(5)
議題3   「水星探査プロジェクト(Bepi-Colombo)の進捗状況確認について」
JAXA(ジャクサ)向井教授から、「推進2−3−1」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

高柳特別委員】 メッセンジャーが、2011年の3月に周回軌道に入る。メッセンジャーとの絡み、影響はどういうふうに考えているか。

向井教授(JAXA)】 水星というのはほとんどわかっていないところで、メッセンジャーが先に行くわけだが、そのメッセンジャーはディスカバリーミッションであり、ある種の制約があるのはやむを得ない。しかし、ほとんど未知のところなので、測ったものはほとんど、すべて発見に類すると思う。しかし、こちらの資料の最初に出ている水星の磁場・磁気圏の問題、すなわちMMOのメインのミッションについては、メッセンジャーは非常に限られた、特に北半球しか観測できないので、日本が参加する意義は相変わらず高い。メッセンジャーは、多分、たくさんいろいろな謎を提供してくれると思う。実際的に、メッセンジャーのチームと、Bepi-Colomboのチームで協力体制、例えば、Bepi-Colomboの観測に対するフィードバックをどうするかというようなことの議論は、既にサイエンティストのコミュニティ同士では始めており、2年前のコスパーでも共同研究の計画などの発表も出しており、そういう観点で協力して進めたいというふうに思っている。

高柳特別委員】 1つだけ単純な質問で、メッセンジャーは6年半かかるが、Bepi-Colomboは平成22年に打ち上げて、水星の周回軌道に入るのはいつか。

山川助教授(JAXA)】 2012年の5月頃に打ち上げて、2016年の11月なので4年半ぐらいである。メッセンジャーというのは、搭載しているエンジンが従来型の化学推進エンジンというものだが、Bepi-Colomboについては、先日、JAXA(ジャクサ)のはやぶさという衛星でも使用されたが、イオンエンジンというものを使う。それによって燃料を節約して、なおかつ早く到達するという方法をとっているので、メッセンジャーの7年に比べると、4年半と、多少短縮される。

佐藤特別委員】 基本的には下りる衛星がなくなっただけで、変更はないということで、川崎部会長がまとめられたように、基本的には2年近くのゆとりができたということであろうと思う。ただし、この日本の衛星についても、熱に関する対処が大きな開発の鍵であるということであり、いろいろな開発を進めておられると思うが、何らかの新しい進展や、可能性がより深まったなど、進捗状況を教えていただきたい。

山川助教授(JAXA)】 熱設計には2つの観点があり、1つは材料、もう1つは設計技術である。材料のデータについては、その後、熱と放射線に関して、基礎的な試験を繰り返している。
 それからESAの方でも当然同様の試験をしていて、情報交換を進めつつある。
 さらに、材料だけではだめで、結局それをどう組み合わせて、どういう設計をするかという話になる。昨年から約1年たって、特に外側に露出する機器に関しての詳細設計を進めていて、昨年の段階では探査機全体のレベルでの温度が出てくるという程度だったが、現在は具体的にそれをどうやって取りつけたり製作したりするかという段階まで落とすように、詳細な設計に入りつつある。

黒川特別委員】 欧州宇宙機関(ESA)との初の大型共同プロジェクトということであるが、アジアとどのように共同体制を作るかということが大事だと思う。この間、先々週くらいの『Nature』に出ていたが、NASA(ナサ)からのリポートで、地球全体のカーボンの利用とリソースがどのぐらいあるかという話を観測したと掲載されていたが、やはりインド、中国、日本は人が多いから仕方ないが、やたらとそのカーボンのもともとのアベイラビリティーをはるかにオーバーしているものを使っているという話が出ているので、そういう話を特にアジアとシェアリングするということについて、GOSAT等は非常に大事なので、どのようにするかということを是非、川崎部会長の方で考えていただきたい。

井口委員長】 スペースニューズという新聞によれば、イギリスで開発したMars Expressは、あまり慎重に開発されていなかった、ESAがやればしっかりできたのにというようなことが書いてある。だからESAはよほどしっかりしたことをやっているという印象を受けるが、本プロジェクトを一緒にやるのであれば、ESAがどういうプロセスで、どういう考え、どういう基準で衛星を開発しているのかという情報を得られるのか。その辺はお互いに秘密なのか。

山川助教授(JAXA)】 本プロジェクトは、大体2000年ぐらいから始まっているが、その点が最大の議論の焦点であり、要するに、旧宇宙研で始めたわけだが、宇宙研とESAというのは、全くやり方が違うということがあり、特に、先ほども議論されていたが、基準はどうなっているのかという話があった。確かに旧宇宙研では、書類という、ちゃんとした形で文書はそろってはいなかったかもしれないが、基本的な考え方に関しては、ESAと同じであるということまでは確認している。基準類に関しても、もともと電機設計基準、機械設計基準、環境設計等、そういった基準文書に関しては、もともと存在していたので、そういったものに関しても、お互いに情報交換をしているということである。
 これは私見だが、ESAというのは、もしかしたら、NASA(ナサ)や旧NASDA(ナスダ)よりも、いろいろな意味で規程類は厳しいかもしれない。それが必ずしもいいものではないと私は思っていて、その中で、特にいい点についてはもちろん導入していきたいと思うが、こちらの考えを通すべきときは通すべきだと考えており、特に昨年度から今年にかけては、その規程や信頼性管理等の議論ばかりをしているような状況である。

川崎部会長】 これまでの議論で、水星探査のBepiプログラムに参画することの意義については、2年遅れても大きい変更はないということのようなので、大体、内容等についても審議のとおりだろうと思うが、この部会としてどのように報告をまとめるかということについて、用意をした案文があるので、それを披露させていただいて、それを踏まえて、もし質疑があれば承りたい。

(6)
議題3   「水星探査プロジェクト(Bepi-Colombo)の進捗状況確認について」
事務局から、「推進2−3−2」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

小林特別委員】 2ページ目の最後の文章について、「プロジェクトの一部変更が行われても、太陽系探査科学において重要な科学的意義を有しているものと考えられている」というのは、専門家の方の意見を聞かれてのことか。

須田課長】 その通りである。

井口委員長】 この評価結果と総合科学技術会議の関係はどうなっているのか。

須田課長】 これはあくまでも宇宙開発委員会としての評価結果である。直接総合科学技術会議の評価になるわけではない。

井口委員長】 去年、科学衛星に関しては、サイエンスコミュニティの評価が十分されていないようなことを言われた記憶がある。今年は科学衛星に関してはどうするのか。

須田課長】 昨年の宇宙開発委員会では、その科学衛星を含めて一応評価を行っているところである。今回はそのBepi-Colomboについては、その状況変化があったので、その進捗状況を確認した。今後、科学衛星の立案を含めてどうするかについては、いずれ、また議論いただくことになるのではないかと考えている。

川崎部会長】 今の点は、宇宙科学特別部会を組織した経緯があると思う。

須田課長】 その通りである。宇宙開発委員会の本委員会でも一度紹介したことがあるかと思うが、宇宙科学の進め方について、科学者、さらには外部のいろいろな関係者の方も含めて、その進め方については一度議論をする必要があるということを紹介したことがある。それは部会等を設けてということになると思う。

川崎部会長】 承知した。
 報告書については、国際共同研究における共同リスク管理について、今後も十分なフォローアップをどこかでしてほしいということを、現在の2ページ、3ページのところで、どこかへ適当に、何か織り込みたいと思う。それ以外のところでは特に問題はないということで、最終的には私と事務局に文案を一任いただきたい。
 それから念のため、前のGOSATについての報告書について、推進部会としてのメモの中では、一案として、3ページの最初のパラグラフで、佐藤特別委員からの指摘を踏まえ、「海外の研究者も含めて」というような言葉を補いたいと思う。
 それから3ページの最後のパラグラフについて、この中には中段の、「なお、本プロジェクトは現時点で既存設計の活用に云々」という、プロトフライトモデル1機のみの開発を想定しているがということの、プロトモデルやフライトモデルに対する予備機を考慮することというのもあるが、これも検討結果を、やはり委員会に報告してほしいというように修文をさせていただければと考えている。
 以上のような修文で、最終の文言はお任せいただくということで、本日をもって了解いただいたということでよいか。

(了承)

中西特別委員】 両方を通じて、特許戦略というものがないが、特許はなじむのか。特許については国際協力と裏腹で、国際協力で、例えばただで全部出すのか、少しでもお金がかかっているので、回収する意味でも、そのデータを売るという手もある。しかし、発展途上国にはどうしようかということもある。特許という側面を、将来考えていただきたい。国家戦略になると思う。

川崎部会長】 そういう意味では、知的財産問題については、あまり触れていないことは事実。ただ、輸出入にかかわってくると、これは別途、ミサイルガイドラインという、機微な技術の規制問題が重なって、ブラックボックスはブラックボックスのままということになるので、特許の内容の開示がない。アメリカの場合だと秘密特許になっているところがあり、特許かどうかもわからないというような、そういう機微な点があるので、指摘の点は十分配慮しなければならないと思うが、国際関係では難しい点があるかと思う。
 ただ、データ関係も、必ずしもNASA(ナサ)のものがすべて、早めに我々の、一般にアクセスできるような状況になっているかどうかには、必ずしも日本人ほど正直にやっていないと思うがいかがか。

向井教授(JAXA)】 サイエンスのデータに関しては、要するにデータライトと公開のポリシーというのは科学コミュニティで相談をして決めていて、それに則っているので、NASA(ナサ)がどうであるとかESAがどうであるか、日本でどうであるかという、それぞれの事情は特に違いはないように思う。
 ただ、NASA(ナサ)は、最近ではデータは直ちにオープンとなっている。実際には、キャリブレーションのないデータをオープンされても、使う方では困ってしまうわけで、かえって昔の方がよかったという面もなきにしもあらずだが、キャリブレーションそのものの研究ということもあり、そういう意味ではサイエンスの世界では、それほど違いというか、こだわりはないというふうに感じている。つまり、我々としては日本でとったデータが、日本人だけが使うということがメリットとは考えてなくて、むしろ世界の科学者に、できるだけたくさんの人に使ってもらう方が、成果として大きくなるというふうに考えている。

(7)
議題2 「その他」
 川崎委員から、任期満了の報告と、御礼の挨拶があった。
 その後、事務局から、地球観測についての補足説明があった。
 特段の発言はなかった。
 
  以上


(研究開発局宇宙政策課)

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