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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 宇宙開発委員会 > 第1回推進部会議事録

第1回推進部会議事録

1. 日時   平成16年7月13日(火曜日)13時30分〜16時

2. 場所   経済産業省(別館)9階 944会議室

3. 議題
(1)  H−2Aロケット6号機打上げ失敗等の原因究明及び今後の対策について(報告)
(2)  宇宙開発に関する重要な研究開発の評価について
(3)  その他

4. 資料
推進1−1−1   H−2Aロケット6号機の打上げ失敗の原因究明及び今後の対策について
推進1−1−2   H−2Aロケット6号機の打上げ失敗の原因究明及び今後の対策について(概要)
推進1−1−3   宇宙開発委員会特別会合報告書の概要
推進1−1−4   第18号科学衛星(PLANET−B)「のぞみ」の火星周回軌道への投入失敗に係る原因究明及び今後の対策について
推進1−1−5   第18号科学衛星(PLANET−B)「のぞみ」の火星周回軌道への投入失敗に係る原因究明及び今後の対策について(概要)
推進1−2−1   宇宙開発に関する重要な研究開発の評価について
推進1−2−2   平成16年度推進部会における評価実施要領(案)
推進1−2−3   温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトについて
推進1−2−4   温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトの事前評価について
推進1−3   宇宙開発委員会推進部会の今後の予定について
参考資料1−1   部会の設置等について(平成16年3月10日宇宙開発委員会決定)
参考資料1−2   宇宙開発に関する長期的な計画(平成15年9月1日 総務大臣・文部科学大臣・国土交通大臣)
参考資料1−3   独立行政法人宇宙航空研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標(中期目標)(平成15年10月1日 総務省・文部科学省・国土交通省)
参考資料1−4   宇宙開発に関するプロジェクトの評価指針(報告)(平成13年7月18日宇宙開発委員会計画・評価部会)
参考資料1−5   温室効果ガス観測技術衛星プロジェクトの評価報告書(平成14年10月25日 宇宙開発委員会計画・評価部会)
参考資料1−6   宇宙開発に関する重要な研究開発の評価結果(平成15年7月31日 宇宙開発委員会計画・評価部会)

5. 出席者
  宇宙開発委員会推進部会部会長   川崎 雅弘
  宇宙開発委員会推進部会部会長代理   松尾 弘毅
  宇宙開発委員会委員長   井口 雅一
  宇宙開発委員会推進部会推進部会特別委員   大島 まり
  宇宙開発委員会推進部会推進部会特別委員   小林 修
  宇宙開発委員会推進部会推進部会特別委員   澤岡 昭
  宇宙開発委員会推進部会推進部会特別委員   冨田 信之
  宇宙開発委員会推進部会推進部会特別委員   中西 友子
  宇宙開発委員会推進部会推進部会特別委員   長谷川 眞理子
  宇宙開発委員会推進部会推進部会特別委員   宮崎 久美子

  文部科学省研究開発局長   坂田 東一
  文部科学省大臣官房審議官   木谷 雅人
  文部科学省研究開発局宇宙政策課長   須田 秀志
  文部科学省研究開発局宇宙開発利用課長   岩瀬 公一
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   三保 和之
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   大島 俊之

説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
 GOSATプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 浜崎 敬
独立行政法人国立環境研究所
 地球環境研究センター GOSAT研究チームリーダー 井上 元

6. 議事内容
(1)
議題1 「H−2Aロケット6号機打上げ失敗等の原因究明及び今後の対策について(報告)」
 事務局から、「推進1−1−1」〜「推進1−1−5」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

澤岡特別委員】 H−2Aロケットについて、直接的な原因としていろいろ説明があったが、間接的な原因がもしかしたら非常に大きな原因になっているかもしれない。昨年2月のコロンビアの事故報告書が8月に出たが、間接的原因が非常に重要で、NASA(ナサ)はなせばなるという、非常に強引に、ある政治的に設定された目標に向かって進んだ結果、あの事故を起こしたという報告書になっている。それをこの報告書に当てはめると、H−2Aロケットのコスト削減について、コスト設定とスケジュールに無理があったのか、なかったのかという検証も必要に思うが、いろいろな検討された報告書の委員会等において、そのような議論はあったか。

岩瀬課長】 プランニングがどうであったかを掘り下げるという議論ではなかったが、信頼性確保についての第三者的なチェックが必要であるという提言に至る議論はあった。JAXA(ジャクサ)の中でロケットの開発を担当する組織においては、当事者なので、予算の制約、スケジュールの制約、そういう中で開発を進めていこうと努力をする。
 そこで、直接予算やスケジュールに制約されない、第三者的な、少し離れた立場からチェックする組織が、問題点等をチェックできるようにする必要がある、との議論や指摘はあったと理解している。

川崎部会長】 「推進1−1−3」の2ページ【具体的な対策】の中に幾つかの視点がある。それから、3ページ「(1)信頼性向上に重点を置いた開発の在り方、組織運営・組織文化」の中にも背景的なことが含まれているが、今のような点は原因追及の調査部会でも、背景要因としてそういうこともあるのではないかというのは話題にはなっていた。それは別の言葉で言えば、打上げ頻度が少ないなどの表現で文章化されていると思う。

冨田特別委員】 「推進1−1−3」1ページの【現状の問題点】に、「JAXA(ジャクサ)に開発及び製造の両面で能力以上に課題な負担。それにより有限な能力と資源が分散」とあるが、これは、今、わかったことではなくて、もう既に何十年前から言われていて、それが当然の帰結としてそうなったのではないかと思う。
 メーカー側がもっと責任を持つようにやりたいと、メーカー側から申し出た時期があった。それは、最初は燃料ロケットのときだったし、その後H−2Aのときもそうだった。そのときに答えはノーだった。インテグレータ方式で、NASDA(ナスダ)が責任を持ってやるというときに、すでに予測されていたのではないか。
 それからもう一つ、私も製造企業にいてやっていたが、「製造企業は、過去30年間に培ってきた能力を十分に活用しておらず、能力に見合う責任を負っていない」とあるが、責任を負わせてくれということを言った時期があったが認められなかった。この表現は、メーカー側としてちょっときついのではないか。私、実際にやっていた者としてはそう思う。
 それから、【具体的な対策】のところで、「製造企業は、能力に見合った役割・責任を負うこととし、『一元的に全体をとりまとめる体制』に移行(製造面に直結する詳細設計から製造までに責任を負う)」とあるが、これは実は、製造プライムであって設計プライムではない。製造企業は、詳細設計から責任を負うとあるが、一番大事なのは基本設計である。基本設計のときに、計画図を作って、図面系図を決めて、そこでメーカーが決まる。つまり、メーカーの決定権というのは、プライムにとって非常に重要である。それを奪われて、その後の詳細設計から責任を負わされるのはちょっときついのではないか。

川崎部会長】 大変大事な点であるが、現時点での大きい流れの中では、こういう方向で行くということ。一方、行政レベルでは、民間の企業と相談をしつつ、H−2Aそのものをナショナルプロジェクトから民間の製造に全面的に移すという、民営化の論議が進んでいる。それも一つの前提として議論があったと理解しているので、民営化の段階になると、設計についての最終的な変更責任は全てJAXA(ジャクサ)が持つとしても、一義的な現設計で進める場合には、すべてMHIがプライムのコントラクターになるという提案が既に出ているので、その辺は解消される。そういう意味では中間的な、過渡的な段階だと理解している。

冨田特別委員】 私がもし担当だったら、これは非常にやりにくい。最終的に、ずっとこれでやられたらちょっとかなわない。抜本的には、まだ見直しが要ると思う。

川崎部会長】 今の点は、今後の部会での審議にも関係するが、打上げ再開の段階から何号機でH−2Aロケットの設計自身が基幹ロケットたるものとして完成するか、完熟度がどの程度かという問題が一つあって、それに応じて民営化の議論が入る。現在のスケジュールだと平成17年度が一応の予定になっているが、そのとおり行くかどうかはまだ、今後の進展次第である。

小林特別委員】 大事なことは、そこの中の詳しい内容がよくわかっているのは、実際に開発作業や設計をやっている本人だということ。設計審査等では、なかなかそういうところで見つけるのは難しい。
 昭和40年代、NASDA(ナスダ)ができ上がったころは、きっとすごく情熱に燃えていたと思うが、その当時と比べて現在はどうだろうか。メーカー側の技術者と一緒になってやっていくという気持ちがなくなってきているのではないかと心配する。

(2)
議題2 「宇宙開発に関する重要な研究開発の評価について」
 事務局から、「推進1−2−1」及び「推進1−2−2」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

川崎部会長】 昨年、計画・評価部会に参加された方は、参考資料1−4の評価指針を御存じかと思うが、「推進1−2−2」2ページ目の「5.評価項目」については、評価指針を変えたわけではなく、昨年やや重複した質疑応答がなされた経緯にかんがみて、少しまとめた形で取りまとめている。「参考資料1−4」の評価指針を参照していただきたい。
 評価指針5ページの意義の確認、目標及び優先度の設定、要求条件への適合性というあたりの問題は、中身を読むと、かなり同一のことを別の言葉で表現しているところが見られるので、より簡明に整理をして、今の5項目に整理をしたと理解していただきたい。
 本部会の目的は、プロジェクトの評価であり、例えば地球観測というプログラムそのものの可否について議論することではない。長期的な計画や、JAXA(ジャクサ)の中期目標で設定されている地球観測のためのプログラムにおける一つのプロジェクトとしての位置づけで、考えられている提案の衛星が妥当かどうかを評価することが我々のマンデートになる。
 本件は、いずれまた戻って議論をするということもあろうかと思う。また、個別のプロジェクトによっては、ここに触れられていないことについて検討しなければならないことが出てくるかもしれないが、差し支えなければ、7月13日付で評価実施要領(案)の(案)をここで取らせていただいてよいか。

松尾委員】 評価する際は分かり易いガイドラインを用意する必要があると思う。

川崎部会長】 この評価実施要領は、部会レベルの総論レベルになっているので、個別の衛星については、さらに評価のあり方について、具体的に質問事項等を整理した、それぞれのプロジェクトの評価実施要領を用意する予定である。ただ、部会レベルの審議ではこの評価実施要領に基づいて評価していただきたいと考えている。
 それでは、部会レベルの評価実施要領は、これで決定させていただくこととする。

(3)
議題2 「宇宙開発に関する重要な研究開発の評価について」
 JAXA(ジャクサ)浜崎プロマネから、「推進1−2−3」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

井上チームリーダー(環境研)】 当研究所の体制としては、理事が筆頭になり、現在、職員7名、それからそれ以外の研究員等を入れて、10名規模で検討を進めているところ。さらに数名の新規採用を進め、かなり重点的な研究、あるいはプロジェクトを遂行する体制を徐々に整えつつあるという点を補足しておきたい。

冨田特別委員】 11ページの目的・目標について、目標は評価しやすい表現にした方がいい。目標の3はどちらかといえば目的ではないと思う。
 また、成果は判断しやすい表現にする必要がある。さらに、どこまでいけば成功か。何%成功とか、センサ開発はどういうものが計測されたら成果があったというようなことを前もって示した方が、後で評価しやすい。
 それから、GOSATの目標は非常に技術的なものばかりになっているが、後を見ると信頼性向上やコストについても言われているので、これらも目標の中に入ると思う。
 さらに、目標について、地上でとったデータと、OCOでとったデータとのキャリブレーションも必要だと思う。
 それからもう一つ、17ページの開発方針のところで、「観測センサ・衛星の開発に当たっては、信頼性の確保を最優先に進める」とあるが、信頼性というのは無限に上がるものではなく、むしろリスクとのトレードオフになるので、リスクについても評価すべきである。
 それから、「2新規開発技術は、『センサ技術』と、『バス技術のうちミッション要求を達成するために最小限必要なもの』とあるが、このバス技術のうちミッション要求を達成するために最小限に必要なものを具体化する、例えば4にモジュール化、標準化とあるので、モジュール化、標準化に関するものなど、限定した方がいい。

浜崎プロマネ(JAXA)】 まず、目的・目標について、ここに示したのは目的・目標のうちの大きいものという意味で示していて、例えばサクセスクライテリアとか、それから信頼性コスト等についても整理はしてある。整理の仕方は、もう一度、評価小委員会のときに再整理をして説明したい。
 それから、成果を判断しやすくするようにという指摘については若干工夫をさせていただきたいと思う。
 次回の評価小委員会での資料では、評価項目に従った形で資料を整理する予定である。
 同じく11ページの、地上データとのキャリブレーションとOCOとの比較については、井上さんに説明していただく。

井上チームリーダー(環境研)】 衛星観測は、ほかの方法で測定したものとつき合わせて信頼性を確保することが重要なので、キャリブレーションの計画は、航空機やその他地上での観測等も用いて強力に推進するという体制をとっている。現在、当研究所は地上及び航空機の観測を十数年やっているので、この点は遺漏ないと思う。
 OCOとの協力については、まだ具体的にはなっていないが、最終的な二酸化炭素の収支を出すグループというのは、その情報のデータを使って一緒にやるということを確認しているので、少なくともそこの段階、最終的アウトプットを出すところでは、非常に強い協力関係を持ってやっていくことになると思う。

浜崎プロマネ(JAXA)】 キャリブレーションの構成という項目と、それから検証という項目二つあり、構成というのはセンサの機能が予定したとおりになっているかどうか、この部分についてはハードウエア担当であるJAXA(ジャクサ)が担当。それから、地上データと本当に合っているかという部分については、環境研究所の担当という分担をしている。実際の測定等については共同でやる必要があるので、共同でチームを作って、分担等について詳細調整をしていく予定である。

川崎部会長】 以前のILASのデータとの関連性では何か見通しがあるのか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 ILASのデータは基本的には高度5キロメートル以上での大気微量成分の観測を、ILAS、ILAS−2では大気微量成分の観測データをとらえており、時間と場所が異なるので、多少その部分の相関は外れるとは思うが、GOSATでも同様のデータ、二酸化炭素について高度分布データ等をとるので、それとのつき合わせによる相互検証は十分可能と考えている。
 もう一つ、17ページの質問について、バス技術のうちミッション要求を達成するために最小限必要なものが漠然としているという質問であるが、まず一番関係するのは、ミッションデータ処理装置というものがある。ミッションデータハンドリングといい、センサからのデータを場合によって圧縮をして、それから高度をつけて、編集をして、データ記録装置の記録をして、必要に応じて地上におろしてくる部分が、地球観測衛星の場合、非常に大きなサブシステムになっている。サブシステムの部分は、衛星ごとでかなり違っているので、そこの部分は新規開発が必要である。よって、ミッション要求を達成するために最小限必要なものは、まずそこが一番大きな部分。
 さらには、姿勢制御系の部分で、センサごとに姿勢精度要求、安定度要求が異なってくるので、そこの部分については若干の修正が必要である。そこの部分についてもかなり具体的に検討しているので、評価小委員会等でもさらに明確化したいと思う。
 それから、モジュール化、標準化、低コスト化についても評価項目になっているので、評価小委員会で説明したい。

澤岡特別委員】 京都議定書は締結したが、アメリカは批准しないで抜けたという状態が続いていると思う。それから、日本も、最近の予測では達成できないという見通しが出ていて、そういう意味で、いろいろ政治的圧力がかかるかと思うが、NASA(ナサ)と協力して是非頑張っていただきたい。

川崎部会長】 宇宙開発委員会としては、利用と一体となった宇宙開発を長期的な計画の中でもうたっている。環境省を含め、既にサイエンスチームを含めて利用系と統合的な検討が十分されているのは非常に心強い。

小林特別委員】 17ページの開発基本方針の4については、GOSATという特定のプロジェクトの話というよりも、衛星全般にかかわる基盤技術の話だと思う。調査部会は、プロジェクトを中心に審議をされるという話を聞いているが、JAXA(ジャクサ)の中に、例えば衛星技術とかロケット技術といった基本的な技術戦略のようなものがあれば、説明していただきたい。

浜崎プロマネ(JAXA)】 小林先生の期待されるような、例えば技術開発戦略書というような形で一本にまとまった計画書は、現在、残念ながらJAXA(ジャクサ)には存在していない。もちろん、衛星ごとや、サブシステムごとの技術開発の見通しなどは当然作っているが、基本的には、衛星のサブシステムを決めるときに一つ一つの衛星だけを決めているわけではないので、過去の衛星の技術つながりや、将来の発展を当然のことながら考えながらやっている。その戦略の部分と、衛星ごとの最適化、ローカル最適化の話と両方を含めてプロジェクトごとに判断している。その流れの中で、技術開発戦略も少しずつ変わりながらという形が現状である。
 その点についてはJAXA(ジャクサ)内でも問題意識があり、現在、開発基本問題検討会というものをJAXA(ジャクサ)の中に設け、その中で衛星開発戦略について、過去のものを総ざらいして、まとめている最中である。基本的には検討とはリンクしているので、その中の検討の一端を、これからGOSATの話をする中であわせて紹介したいと思っているが、完全に確立したものまで、今回、GOSATの評価以前にお渡しをして、それにこう則るという説明は時間的には間に合わないと思う。

川崎部会長】 現在与えられているマンデートは個別プロジェクトだが、いずれこの部会で、プロジェクトの評価をやりつつも、衛星についてのJAXA(ジャクサ)での総点検が終わった、あるいはそれが進みつつある段階を踏まえて、衛星開発のあり方について、少し大所高所に立った議論をこの部会でもやっていただくような機会があるのではないかと私は考えているので、その辺はひとつ御理解をいただきたい。

井口委員長】 少なくとも「みどり1」「みどり2」は、十分に機能せず、このトラブルの原因を調査すると、衛星システムの信頼性設計がなされていたとは思えない。97年に「みどり」の失敗、トラブルを起こし、98年にH−25号機、99年にH−28号機がトラブルを起こした後、信頼性を最優先に掲げた。GOSATがゼロからスタートする衛星なので、失敗してほしくない。リスクゼロというのはなかなか難しいにしろ、成功させてほしいと思う。
 17ページの基本的な方針、それから18ページについては、衛星システムの信頼性設計の基本的な考え方が書いてある。これをJAXA(ジャクサ)の中で提案して最初の戦略にしたらいかがか。ここまでちゃんとまとめた形で、実際のものに適用するというのは初めてだろうと思う。是非ともそれをおやりになったらどうかとお願いする。
 18ページの信頼性向上策に関しては、また小委員会でいろいろ検討がされると思うが、どんな実証データがあるのかをそのときに話してほしい。データがあるのかないのかわからない状態で、いろいろなことの設計が進んでいるような気がしてならない。すべてのデータがある状態というのは不可能であるにしろ、少なくともどういうデータがあって、これからどういう実証データをとるつもりであるのかということも、同時にお話しいただきたい。

須田課長】 現在、JAXA(ジャクサ)において衛星の総点検が行われており、これについては宇宙開発委員会の本委員会でまた議論いただいて、総点検について宇宙開発委員会としても必要な取り組み、また、総点検だけではなくて、信頼性向上に向けた考え方についても、まだ正式ではないが、おそらく今後議論する方向で準備が進められている状況である。

宮崎特別委員】 この目標からすると、これは国際共同のプロジェクトとしても進められるようなテーマだと思うが、例えば8ページ目、欧州がCARBSATの計画を中止した理由を教えていただきたい。
 それから、17ページの開発基本方針について、ここにおいて開発される新規技術、例えばセンサ技術やシミュレーション技術、いろいろな新規開発技術があるが、産業界への技術普及の効果の可能性について伺いたい。
 最後に、17ページの5「IT技術を活用し、信頼性の向上に資するとともに、開発の効率化を図る」とあるが、具体的にどのようなIT技術を活用する予定か。

川崎部会長】 CARBSATの中止は金がないからということで簡単だが、それ以外はJAXA(ジャクサ)からお答えいただきたい。

浜崎プロマネ(JAXA)】 まず、国際協力については、さまざまなレベルの国際協力を検討している。
 まず、宇宙開発機関同士の協力としては、NASA(ナサ)のOCOのプロジェクトチームとの協力を進めていて、現状では情報交換程度だが、将来、必要に応じて、例えば構成や検証のデータを相互に融通し合って、同じサイトでのデータで、両方の衛星ではかって相互に検証するような形を計画として進めていこうということで担当者同士でお話を進めているので、もう少し機関レベルの、上のレベルに上げた協力を推進していきたいと思う。

井上チームリーダー(環境研)】 現在、国際協力で最も衛星について中心になるグループというのは、国際的な炭素循環の観測の研究者の集まりがあり、これはヨーロッパ、アメリカ、日本が中心になって進めているイクスのもとでのグループ、国際学術連合のもとにあるグループだが、そこで幾つもの二酸化炭素に関する観測計画についての提言をやっており、その中で衛星に対しては特別に重きを置いて、是非実現するようにということを言っている。
 なお、CARBSATについては欧州のグループも進めていたが、予算の問題もあるが、そのときの要求水準が、京都議定書の国別のものを今すぐ実現できるということで迫られて、我々が次のステップでやろうとしているところを、今、やれと言われて、まだ今の技術では難しいということも選択をされた一つの理由になっているようである。

浜崎プロマネ(JAXA)】 センサやシミュレーション技術について、産業界への普及が考えられるかということについて、まずセンサの技術としては、短波長赤外と熱赤外の両方の分光技術を使っている。
 赤外の分光技術というのは、地上でも非常に多く、一般産業界で非常によく使われている技術であるが、短波長赤外の方はまだあまり十分使われていない。今回、センサ自身、短波長赤外の分光計に必要な検知器等の性能向上等もかなり図っており、国産技術を使って性能向上を図っているので、その分についての普及が若干見込まれるのではないかと考えている。
 ほかには、IT技術について不明確だということがあったが、現在考えているのは、プロジェクト自身の身の回りのIT化というのがまず一つテーマであり、ありとあらゆるところでドキュメントレスにして、データをいつでもどこでも取り出せるようにという身の回りのIT化から始まる。
 そのほかには、衛星としては自動試験、なかなか全数網羅までは難しいが、現在は手順書を作り、人間がそれを見ながら一つ一つやっているような試験が主体になっている。自動化も部分的にはやっているが、まだ自動判定までしていない状況である。そこについては、試験の自動化と自動判定技術に極力取り組んで、少しでも試験のケースを増やして、落ちがなくなるように努力をしていきたいと考えている。
 そのほかには、衛星のシミュレーション技術があり、現在は衛星を運用する前に、例えば姿勢制御系についてはシミュレータというもので、運用手順を確認する前に必ずそのシミュレータに1回通して、衛星が何秒後にどういう動きをするかを確認してから打つような作業をしている。
 ただし、シミュレーション技術がまだ十分高度になっていないので、例えば熱の予測等は非常に誤差が大きくて、まだ10度、15度違っている状況で、そこについてはまだ温度が、要するにヒーターの電力等に直接効いてくるわけだが、そこまでのシミュレータで手順の確認ができるレベルまで今至っていない。
 まだ非常に大きな課題はあるが、衛星を運用する前にその手順を極力シミュレータによって確認できて、運用の問題が生じないような、運用の信頼性を少しでも高めるようなことを努力していきたいと考えている。
 もう一つは運用者の教育訓練について、現在、運用者の教育訓練は十分行われており、今までJAXA(ジャクサ)の衛星、例えば運用上の問題によって衛星が死んでしまった例等はないが、潜在的には、人間のやることなのでリスクを抱えている。そこを少しでも撲滅するために、現在、座学とドキュメントがどちらかというと中心になっている教育訓練プログラムを充実させて、運用トレーナーによる訓練というものを導入していきたいと考えている。

川崎部会長】 開発方針が、いわゆるサクセスクライテリアとして使うときにはあまりに抽象的過ぎるし、今度、本当の開発方針ということになると、少しミドルレベルのクライテリアになってしまうので、その辺は内部で整理をされて、審議に出していただきたい。

(4)
議題2 「宇宙開発に関する重要な研究開発の評価について」
 事務局から、「推進1−2−4」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

小林特別委員】 温室効果の観測精度、誤差を半減するという目標に対し、9ページで、予算上の制約等により短波長のみの観測でもやむを得ないという一文があるが、場合によっては、予算がうまくつかなければこれはやめるよという一つの伏線を張っているということか。
 もし、そういうことであるのであれば、例えば短波長のみの観測の場合だったら、どれだけ測定結果に影響を与えるかという話は、きちんと入れておいた方がいい。予算上のしわ寄せが来ても、何故か目標だけが残ってしまうという感じになってしまう。

浜崎プロマネ(JAXA)】 昨年度評価をいただいた時点で、いろいろな波長ごとの感度解析とか、センサの性能の見積り精度があまり十分でなかったということもあり、本当に1波長だけでいけるのか、2波長やったときの意義はどうかというところに、最終的な定量的な完全なところまで、評価いただいた段階で整理をすることができなかった。
 その後、研究推進委員会の活動を続けて、あるいは環境研さんのシミュレーションモデル、あるいはJAXA(ジャクサ)側での検討結果を踏まえて、ここについては相当なことが明らかになっているので、熱赤外と近赤外、A方式とB方式を組み合わせた形でセンサとして実現の目途を得ている。
 コスト的には苦しいが、何とか予算の中で実現するという目途を得ている。ということで、現状はA方式だけにするということではなく、両方含めた形で計画を推進していく予定である。
 性能については、方式Aだけでどれだけの性能が出るかということを、かなり環境研さんでシミュレーションを行っていただいて、雲とかエアロソルの影響がない場合には目標とする1%の精度が十分出るということがわかっている。一方で、雲は目で判別可能だが、エアロソルがなかなか判別が不可能、難しいという問題がある。
 それで、雲センサ、エアロソルセンサを使って、そこの除去をすればいいと。実際に雲がかかっていると、当然観測はできないが、雲がなくてもエアロソルの影響で、そのうちの3分の2程度は観測データとしては不十分になる。ただし、それを除去できれば、点数としては十分あるので、それを除去する方法、あるいは、ある程度補正をして、多少エアロソルのある状況でも拾ってやる方法、雲・エアロソルセンサ部のところを使った補正をするということについて、今、精力的に検討している。
 要するに、まず単純に方式Aだけでも、最低限のミッション要求は達成可能だというのが現在の見積りである。ただし、方式Bを使うと、夜間の二酸化炭素量がわかる。例えば、森林では夜間には二酸化炭素を放出しているので、そこの部分を見るとか、それから高度分布がわかるので、方式Aで全量を見るところから、高度分布で上の方を引き算していくと、ごく低層の部分、我々が一番興味のある部分のデータがよりわかる。
 あるいは、方式Bだと一酸化炭素がわかる。二酸化炭素の排出には幾つか問題があるが、特に人間が二酸化炭素を出す場合にある比率で一酸化炭素が出るので、一酸化炭素のデータをとれれば、さらに補助情報として非常に有効だということがわかっているので、方式AとBを組み合わせた方式、これは我が国独自の方法だが、この方式で開発を進めていくということで、今、全力でやっている。

川崎部会長】 その辺は安岡先生を中心とするサイエンスチームでいろいろ評価をした上で、最終的に判断すると理解してよいか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 その通りである。

中西特別委員】 計画・評価部会での議論で、たしか大きなプロジェクトについては、何でもかんでも日本でできるというわけではないので、世界的にすみ分けをする必要があるという議論があったと思う。そこから考えると、このプロジェクトを日本で推進するためのメリット、こういう技術が足りないから、今、開発しているというアピールをもう少ししていただきたい。
 もしすみ分けをするのであれば、日本独自でするということでいいが、もし予算等々の関係があるのであれば、例えば欧州で開発中止をしたのであれば、そこの一部を一緒に協力してより進めるなど、本プロジェクトによる優位性をはっきり示すべきである。

浜崎プロマネ(JAXA)】 承知した。指摘の件については、GOSATプロジェクトよりもう少し大きい、地球観測全体の中でどうするかという指摘だと思う。
 地球観測は非常に広い分野があり、降水、雨、植生の問題等、各分野の非常に広い分野の地球観測が必要である。それについては、各国で重複を避けつつ、穴を埋めるという意味があり、世界の宇宙機関の中で既にそういう枠組みができている。各国の計画を相互に開示して調整をして、必要な場合には共同でやる。そういう枠組みの中で調整を進めている。
 例えばGPM、TRMMという熱帯降雨観測計画では、日本がセンサを提供して、アメリカが衛星を提供するという枠組みができており、GOSATについても同じようなところで調整をしている。
 日本がやっている背景としては、大気観測の分野について、実は地球観測の中で日本が一番実績豊富で、ILAS、ILAS−2、ADEOS、ADEOS−2での観測、それからさらにはADEOSでのIMGというセンサでの観測ということで、かなり実績を積んでいるので、ここは日本の得意分野である。この分野について日本が貢献をするということで、日本から打ち出したものである。しかも、全体の規模としては非常に小さい、単一ミッションであるが、集中してやるという整理をして、いろいろな分野の調整をした中で、日本が得意分野として選び出したプロジェクトである。

川崎部会長】 参考資料1−2の9ページから10ページ目に、重点的に日本が取り組むべきプログラムとして、温室効果ガス観測がある。GOSATが挙げられているのは、京都議定書の、日本が議長国であったということと、地球サミットのリーダー国の一つにもなっていることがある。
 それから、国際的な分担についての議論は、次の水循環観測というのも重要だと言っているが、これはアメリカのGPMと、親子の衛星関係の、子供の小さい方を日本が受け持つということで国際枠組みづくりに入っている。そういう大きい枠組みでは一応整理はしてあるので、なお今後もそのような方向で検討させていただければと思う。

冨田特別委員】 開発コストはどのくらいの目標なのかということと、もう一つ、寿命が5年になっているが、たしかOCOというアメリカの場合は2年になっている。2年というのはちょっと短過ぎるような気もするが、5年という年数を選んだ理由は、今の衛星の技術からいうと、もっと長い寿命でも可能かと思うがいかがか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 まず、開発コストについては、現在、衛星本体とロケットの打上げ費用、それから初期の追跡管制費用までを含めて、約240億円を想定している。これはプロジェクト側で想定している金額。従来の大型衛星に比べて、約2分の1から3分の1ぐらいの規模だと思う。
 寿命については、5年を想定しているのには二つ理由があり、一つは、京都議定書第1約束期間が2008年から13年と5年間であるので、これに極力対応するよう目指したこと。
 それから、過去の衛星の実績から、地球観測衛星の場合には、寿命がADEOSが3年、ADEOS−2が3年以上5年目標、ALOSが5年なので、5年という位置づけについて、十分な実績として目標が設定できるだろうと考えた。
 それから、静止衛星等については、もちろん7年、10年の目標の寿命があるが、中高度の衛星については日陰の時間が、毎週、食の回数がべらぼうに多くて、毎週16回、食がある。バッテリをフル充電して、非常に高い利用リードを申し上げているが、たくさん使って、その充電を1日に14回繰り返して、5年間で2万数千回繰り返すというのは非常に苦しいモードなので、なかなか5年以上を保障することは難しい状況がある。
 例えば、民生のニカル電池、充放電回数は500回ぐらいだが、衛星は2万5,000回である。静止衛星の場合は、年間の食が90日ということで、その差が非常に大きくて、低高度の場合は寿命を、特にバッテリの観点から5年以上を保障するのはなかなかつらい。以上、両方の観点から5年と設定した。

冨田特別委員】 OCOが2年と言っているのは何か理由があるのか。

浜崎プロマネ(JAXA)】 OCOは科学ミッションなので、ある程度初期にデータがとれて、実績が書けて、論文が書ければいいというところで、コストをミニマムにするという設定だと思う。ハードウェア上、2年で壊れることを前提にして物を作っているわけではないと思うが、むしろプログラムの要求の設定という観点から2年になっているのだろうと、推定している。

(5)
議題3 「その他」
 事務局から、「推進1−3」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

川崎部会長】 推進部会のメンバーの方で小委員会の審議にも加わりたいという場合には、GOSATの小委員会の審議に加わることは自由なので、もし御関心がおありの方は、小委員会の日程もお知らせするので、都合がつけば参加賜って、審議に参加していただきたい。


以上


(研究開発局宇宙政策課)

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