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利用部会(第1回)議事録

1.日時   平成16年4月30日(金曜日)15時〜17時20分

2.場所   経済産業省別館944会議室

3. 議題
 
(1)   国際宇宙ステーション計画に係る現状報告
(2)   我が国の国際宇宙ステーション計画における成果等について
(3)   我が国における国際宇宙ステーション運用・利用の今後の進め方について(最終報告)(案)
(4)   その他

4. 資料
 
16利用1−1−1   宇宙開発委員会 利用部会 平成14年第3回 議事録
16利用1−1−2   宇宙開発委員会 利用部会 平成15年第1回 議事録(案)
16利用1−2−1   国際宇宙ステーション計画に係る現状報告
16利用1−2−2   米国の宇宙探査のための大統領ビジョンについて
16利用1−3−1   宇宙環境利用のこれまでの成果と今後の展望
16利用1−3−2   有人宇宙技術をはじめとする技術修得の現状と今後
16利用1−4   我が国における国際宇宙ステーション運用・利用の今後の進め方について(最終報告)(案)

  参考配付
(平成15年5月16日 国際宇宙ステーション利用専門委員会)
 
ISS6−2   宇宙環境利用検討委員会におけるISS/JEM利用計画見直し(案)について
 
ISS6−2(参考資料)   分野別の中・長期展望
  (平成16年3月4日 国際宇宙ステーション利用専門委員会)
 
ISS12−4   国際宇宙ステーション運用・利用等における官民協働体制構築に関わる検討結果について
−国際宇宙ステーション運用・利用民活導入検討チーム報告−
ISS12−5−1   JEM民間利用制度の決闘結果について(最終報告)
−JEM民間利用制度検討委員会報告−
ISS12−5−2   誰もが利用できる「きぼう」へ
−JEM民間利用制度検討委員会−
  (平成16年3月10日 宇宙開発委員会)
 
委7−1−1   宇宙開発委員会の調査審議体制の見直しについて(案)
委7−1−2   部会の設置等について(案)

5. 出席者
 
  部会長   川崎 雅弘
  部会長代理   松尾 弘毅
  宇宙開発委員   井口 雅一(委員長)、立川 敬二
  特別委員   小田原 修、河野 通方、斉藤 伸久、鈴木 敏恵、中嶋 暉躬、長谷川 真理子
  事務局   木谷大臣官房審議官(研究開発局担当)、関宇宙政策課長、岩瀬宇宙開発利用課長、上垣内宇宙利用推進室長

6. 議事内容
  【川崎部会長】 ゴールデンウィークの谷間になりましたけれども、本年度第2回の利用部会をやらせていただきたいと思います。
 それでは、若干、出席される委員の方のご都合の関係で、今日、お集まりの方だけですけれども、これまでの約半年強にわたりまして、国際宇宙ステーション専門委員会のほうで検討を進めておりました検討結果がおよそまとまりましたので、それをこの部会としてご承認いただくというのをメーンのタスクとしまして、本日の利用部会を開かせていただきたいと思います。ご出席をいただきましたことについて厚く御礼を申し上げます。
 それでは、開会に先立ちまして、事務局のほうから配付資料の確認をお願いします。

【上垣内室長】 はい。資料の確認をさせていただきます。
 議事次第に続きまして、資料としましては、16利用1−1−1、平成14年の第3回の利用部会の議事録。それから16利用1−1−2、平成15年第1回の議事録案。それから、16利用1−2−1、国際宇宙ステーション計画に係る現状報告。16利用1−2−2、米国の宇宙探査のための大統領ビジョンについて。16利用1−3−1、宇宙環境利用のこれまでの成果と今後の展望。それから、16利用1−3−2、有人宇宙技術をはじめとする技術修得の現状と今後。16利用1−4、我が国における国際宇宙ステーション運用・利用の今後の進め方について(最終報告)(案)。
 それに参考配付といたしまして、平成15年5月16日の国際宇宙ステーション利用専門委員会の資料としまして、ISS6−2、宇宙環境利用検討委員会におけるISS/JEM利用計画見直し案について。それから、同じくISS6−2の参考資料としまして、分野別の中・長期展望。平成16年3月4日国際宇宙ステーション利用専門委員会の資料としまして、ISS12−4、国際宇宙ステーション運用・利用等における官民協働体制構築に関わる検討結果について−国際宇宙ステーション運用・利用民活導入検討チーム報告−。それから、ISS12−5−1、JEM民間利用制度の検討結果について(最終報告)として、JEM民間利用制度検討委員会報告。ISS12−5−2、誰もが利用できる「きぼう」へ −JEM民間利用制度検討委員会−。それから、平成16年3月10日の宇宙開発委員会の資料としまして、委7−1−1、宇宙開発委員会の調査審議体制の見直しについて(案)。7−1−2、部会の設置等について。
 以上です。

【川崎部会長】 どうもありとうございました。何か過不足がありましたら、お申し出をいただきたいと思います。なお、途中の説明で、ISSという番号がついておりましたのは、国際宇宙ステーション利用専門委員会の略称でISSを使っておりまして、そこで配付された資料です。
 それでは、お手元の議事次第案に従いまして、早速、審議に入らせていただきますが、若干恒例となっておりますが、資料16利用1−1−1及び1−1−2であります議事録につきましては、一応、諸先生方のご意見を受けまして、事務局のほうで修正したものですが、最終案として確定するために、なおご意見等がありましたら、事務局のほうにご連絡をいただくということにしまして、それによって確認をしたということにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは早速ですが、議事録の確認を終わりまして、今日の議題の中心となりますその前段として、我が国におけます現段階での国際宇宙ステーション計画の現状につきまして、事務局のほうからご報告をさせていただきたいと思います。では、上垣内室長、お願いいたします。

【上垣内室長】 はい。資料16利用1−2−1、「国際宇宙ステーション計画に係る現状報告について」の資料に基づきまして、現状についてご説明したいと思います。
 「1.米国の状況」ということで、これは前回の利用部会のときにもありましたけれども、平成15年1月にコロンビア号の事故がありまして、その直後にスペースシャトル・コロンビア号事故調査委員会が発足して、米国で調査が開始されています。その後ですが、昨年8月26日にCAIB(コロンビア号事故調査委員会)が最終報告を発表しています。この報告書を踏まえまして、同年9月8日にはNASA(ナサ)が飛行再開実施計画(return to flight)というものを作成し、公表しています。この飛行再開実施計画につきましては、その後も何回か、検討の進捗状況に応じまして改訂をされてきています。実は本日付で改訂版を出すという話も出てきております。そういう予定です。
 それから、やはり同年11月7日には、国際宇宙ステーションの飛行継続に向けたNASA(ナサ)の実施計画ということで、このCAIB(コロンビア号事故調査委員会)の報告と勧告は、スペースシャトルの飛行について出されたものですが、その勧告を宇宙ステーションの改善についても適用し、水平展開するという形で、実施計画が出されています。これについても検討が進めば、改訂されていくと聞いています。
 それから、この飛行再開ですが、STS−114というものが次に計画されていました。現在の飛行再開計画では、来年平成17年度の3月以降に打上げ再開を目指していると報告されています。この飛行には日本からの宇宙飛行士が飛行する、これは事故の前からの予定でしたが、現在も、その計画のままでして、特に船外活動でジャイロの交換作業を行うという計画で進んでいます。
 それが宇宙ステーション計画にかかわる特に米国の状況であります。
 それから「2.ISS運用・利用の状況」ですが、まず先日、4月になりまして、ソユーズが打上げられまして、長期滞在クルーが第8次クルーから第9次クルーに交代しています。これらにつきましては、今朝ほど、第8次クルーと、それから短期滞在でソユーズで今回上がったクルーがヨーロッパからおりましたけれども、無事に帰還しています。
 それから、スペースシャトルの運航停止中におきましては、クルーの交代、物資の補給については、すべてロシアのソユーズ宇宙船、物資はプログレス補給船で実施してます。
 次のページに行きまして、昨年5月ですが、日本のJEM船内実験室につきましては開発を終了し、ケネディー宇宙センターに搬入しています。その後、8月〜9月にかけまして、実際に第2接合部というところに取りつくわけですけれども、その第2接合部、それから、その先にある米国の実験棟、これは既に打ちあがっておりますので、その模擬装置、それらと地上のケーブルの結合試験をし、問題がないことを確認しています。
 それから、日本の利用ですが、ロシアの協力のもとに、高品質タンパク質結晶生成プロジェクトを、第1回は平成15年2月〜5月、第2回を8月〜10月、第3回を1月から、今回戻ってきたサンプルを回収して、実験を実施しております。帰還したソユーズにより回収されたサンプルにつきましては、現在、構造解析を行っている状況です。
 それから、日本国内の状況としましては、昨年10月に宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団が統合しまして、独立行政法人宇宙航空研究開発機構が発足しています。この発足に先立ちまして、今後20年、30年先を見据えた形で、宇宙開発に関する長期的な計画を宇宙開発委員会の決議を経て策定しています。別紙に、そのISS計画に関係する箇所を示しています。
 それから、利用・運用の検討ですが、まず官民協働体制の構築につきましては、後の報告書のところでも記述しておりますが、昨年10月〜今年3月にかけまして、文部科学省、JAXA(ジャクサ)(宇宙航空研究開発機構)、経団連や関係財団法人の民間事業者等の参加のもとに、国際宇宙ステーション運用・利用民活導入検討チームで検討を進めてきております。利用計画につきましては、宇宙開発事業団理事長の諮問委員会でありました宇宙環境利用研究委員会、それから宇宙環境利用検討委員会において、初期利用テーマの評価等を終了しております。利用制度につきましては、JAXA(ジャクサ)のJEM民間利用制度検討委員会にて検討をしています。それらを踏まえまして、4月8日に宇宙開発委員会のこの利用部会のもとの国際宇宙ステーション利用専門委員会におきまして、我が国の国際宇宙ステーション運用・利用の今後の進め方についての最終報告案をまとめています。
 なお、JAXA(ジャクサ)におきましては、JEMの利用の推進、利用テーマの選定・評価のために、JAXA(ジャクサ)理事長の外部諮問委員会としまして、国際宇宙ステーション・きぼう利用推進委員会が本年3月に発足しています。
 あと、総合科学技術会議におきましては、平成15年10月からヒアリングを実施してきておりまして、国際宇宙ステーション計画については本年2月にヒアリングを実施し、今の検討状況等について、文部科学省からも報告をしています。
 あと、平成16年度予算につきましては、ここにあるように国際宇宙ステーションについて、1375億円ということです。
 以上です。

【川崎部会長】 これに関連して、その後、国際宇宙ステーション計画をオーバライドするような形で、米国のブッシュ大統領が「新たなる宇宙への挑戦」というような形での新しいビジョンを発表しておりますので、関連するところがありますので、引き続き、事務局のほうから、その内容については皆様もご案内かと思いますが、ご説明をした上で、一括してご質疑を賜ればと思います。それではお願いします。

【上垣内室長】 それでは、次は16利用1−2−2、「米国の宇宙探査のための大統領ビジョンについて」、概要についてご説明いたしたいと思います。
 これは本年1月15日に発表されたものでして、この要点としましては、3.に書いていますが、国際宇宙ステーションに関係するものにつきましては、米国はその責務を果たしていくと。ただ、2010年をめどにISS(国際宇宙ステーション)の組み立てを完了させていくと。その完成後にはスペースシャトルを退役させるということを述べています。
 一方、低軌道を越えて、宇宙ステーション等の軌道を越えまして、さらに月や火星を目指して、新しい有人探査機の開発に着手すると。これについては2014年には有人飛行を実施するということが述べられています。次に、その中では長期間にわたり有人、ロボットも含めまして、宇宙探査の取り組みを行うということで、2015年〜2020年までに月へ行くということを示しています。
 参考のところにありますが、今回のビジョン実施のための予算ということで、探査のために必要な資金は、今後5年間で合計120億ドル必要であるということですが、この資金の大部分はNASA(ナサ)の予算を再配分して調達するということが追加で説明されています。
 それから参考2ですが、このビジョン実施のためにNASA(ナサ)の機構を改革するということで、新探査システム局、首席工学官局、健康・医療システム局、首席情報官局、組織・法人管理局を新設しています。
 それから、このビジョンに関しまして提言をまとめるために、元空軍長官であり、国防総省副長官であったオルドリッジ氏を委員長とする委員会が発足されており、6月ごろには、その最終報告を提出する予定ということです。今まで4回、公聴会が行われ、来月初めには第5回の公聴会ということで、日本を含めて、パートナーの国からも意見を聞きたいということで進んでいます。
 簡単ですが、その後には、実際のビジョンについての和訳等を添付しています。以上です。

【川崎部会長】 どうもありがとうございました。以上がISS専門委員会のほうでは、かなり順次、いろいろご説明の機会があったのですが、この利用部会としてはあまりなかったので、温故知新ではありませんけれども、少しデータを掘り起こしていただいて、皆さんの頭を少しクリアにしていただこうと思ってご説明した次第です。
 一番気になるのは、宇宙ステーションが今後、どうなるのかと。特にブッシュ大統領の新ビジョンとの関係でというのが、最初に上垣内室長のほうから説明のあったとおり、シャトルについては、2010年を目途に退役するというのが強調されるような形で、いろいろ報告されておりますが、それにかわるものが、その後、2014年にCEVという形で出てくるということになっておるんですが、少なくとも現段階では、まだアメリカは国際宇宙ステーションを完成まで持っていくということについては何ら変更がないと伝わっております。
 今、室長のほうから説明がありました、この1ページ目の一番最後の参考3のオルドリッジ委員会ですが、今度の5月3日、4日に第5回目の公聴会が開かれることになっておるんですが、この公聴会に出席を要請されているのは、国際宇宙ステーションに参加をしているパートナー、日本からはJAXA(ジャクサ)と、それからヨーロッパのESA(イサ)といったような国際宇宙ステーションの協力国の機関がそれぞれ対象になっていると伺っております。そういう意味では、このビジョンと国際宇宙ステーション計画をどういうふうに整合性を取って進めるかどうかということについて、アメリカ自身が実行計画を考えるにあたって、知見を得たいための公聴会と目されております。
 日本の場合に、不幸にしまして、いろいろ悪いことがロケット、衛星で重なりましたので、国際宇宙ステーションについても、上ではいろいろ動いておるんですけれども、国内のジャーナリズムからはあまりほとんど報道される機会がなくなってきてしまっていまして、忘れ去られつつあるような気がするんですけれども、実際は少しずつ動いているというのが実態です。そういう意味で、今日までの間、計画が出だしてから20年以上を経過するわけですが、どんなふうになったかというのを一応、レビューをし、さらに将来ということについて整理を国際宇宙ステーション専門委員会のほうでもやってまいりましたので、その際の資料等を含めましてご説明をまたさせていただいて、その上でまたご質疑をということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。質問は、いつでも、また立ち戻っていただいて結構です。

【小田原特別委員】 すみません。1点だけ、ちょっと確認というかですね。
 国内の状況のところで、総合科学技術会議にご報告されたと思うんですけれども、そこのニュアンスはポジティブなのか、ネガティブなのか。それが国内としては非常に重要だと思うんですが、それはどうご判断されましたでしょうか。

【上垣内室長】 そもそもこの報告書の検討といいますのは、総合科学技術会議から平成14年の春に幾つか宿題が出されましたものに対して検討してきたものです。その中には、官民協働体制、いわゆる民活を導入して効率化を図るか、重点化をする、そういうような検討の課題が出されました。そういう点を中心にしましてご報告をいたしました。
 官民協働、いわゆる民活導入につきましては、現在の検討状況をご理解いただいたと思っておりますが、米国やヨーロッパのほうもかなり話が進んでおりますので、それに遅れを取らないようにというようなことで、アウトソーシングというようなことですが、遅れないように進めるべきであるというご意見がありました。
 それから、重点化につきましても、重点化をしていくということの重要性は、さらにご意見をいただいてますけれども、今まで報告書の中で議論してきたことについてはご理解をいただいたと思っております。
 いずれにしろ、かなり大きな予算を投入して、これからも運用・利用していくものであるので、特に国民といいますか、皆さんにどういうふうに情報を発信していくかということについてもちゃんと考えていく必要があるというご意見もいただいています。

【小田原特別委員】 というのは、再来年から、今の科学技術基本計画が変わりまして、第3次というのがスタートする予定になっていて、今、世の中は、それへ向けてすごく動いているんですよ。そのときに、今の宇宙ステーションのシナリオも、それに対して魅力的なものを総合科学技術会議なりに報告できるシナリオ、それがすごく重要な時期だと思いますので、だから、相手という表現もおかしいですが、やはり前向きに検討しないと、どうも7本柱にも入らないのではないかというような世界にもなりかねませんので、これはすごく重要だと思います。外国はさておき。

【上垣内室長】 はい、わかりました。そういうことで、2月のときもちょっとつけ加えまして、どういう期待される効果があるか。先ほど言いました巨額の費用を投入していると。それに対してどういう効果があるかということについても、ヒアリングの中でご報告していまして、今日もその話を、この後、プレゼンテーションをJAXA(ジャクサ)のほうからしていただく予定ですので、そういう点を今後も国の中、それから国民に対して説明していけたらというか、いく必要があると考えております。

【川崎部会長】 大変大事な点をご指摘をいただいておりますが、いずれ第3次基本計画をやる前に、第1期と第2期で何ができたのかという評価も当然入ってくるわけなので、その辺も総合科学技術会議としては大事なポイントだと思っております。

【河野特別委員】 ちょっといいですか。宇宙ステーションのほうは、ちょっとわからないというような話をされたんですが、宇宙ステーションのところは、宇宙探査の目標を支援することに焦点を当てるということと、それから、D.のところに、「宇宙探査の目標を支援するために国際的参加」というのがありまして、ステーションのところと一般的な宇宙探査のところで国際的な参入みたいなものを求められていることになっていると思うんですが、宇宙ステーションについては、今後、縮小するのか、あるいは今までどおり、きちんとやるのかというのは、ここら辺でご議論があるのではないかと思うんですが、ほかの部分の宇宙探査のほうにつきましては、現状ではどういう状況にあるんでしょうか。

【上垣内室長】 まず宇宙ステーションですが、新ビジョンの中でも、先ほど言いましたように、米国は宇宙ステーションでの責務をきちんとと果たすということを言っておりますので、その点は我々も今後、きちんと国際調整して担保していきたいと考えています。
 その中で、確かにビジョンの中で、アメリカは、宇宙ステーションの利用の目的のところを、かなり今後、人が長期に宇宙に滞在をし、月や火星に行くために必要な基礎データであるとか、そういう技術の検証をするものに使っていきたいとビジョンの中でうたっていると。そういうのが、このビジョンに絡んだ宇宙ステーションの状況です。ということで、誤解がないようにお願いしたいのは、宇宙ステーションを縮小していくとか、そういう話ではないと我々は考えております。
 一方、今後、新宇宙探査、月、火星はどのように進めていくかということについては、このビジョンでいろいろ出てきてはおりますけれども、具体的なプランについては、米国の中においても、まだはっきり決まって説明をされている状況ではありません。なので、これからと理解しております。

【河野特別委員】 ですから、このD.を見ますと、国際宇宙ステーションのほうで、宇宙探査というようなことで参加していくと、引き続き、どんどん、そっちのほうにも参加せざるを得ない状況になるということなのですか。そういうふうに分析されているということなのですか。

【上垣内室長】 そこは違いまして、宇宙ステーションと、これから、このビジョンで言っております月、火星へ向けての探査計画というのは別のプログラムと、このビジョンの中でもはっきりそういうふうになっております。月探査の新しい計画を実行するために、宇宙ステーションにおいては、こういうことをしたいということが述べられておりまして、一方で、月、火星探査については新しい計画を、こういうふうにビジョンを立てましたと。それについては、確かにこのビジョンの中でも、新たに国際パートナーなり、国際的な協力についてはウェルカムであるというような言い方をしておりますので、実際、そこに対して今後、日本でも、ほかの国がどういうふうに協力していくかというのは、これからの話でありまして、国際宇宙ステーションとは切り離した、また別の次の計画であると考えておりますし、実際、ビジョンもそういう形で書かれております。

【川崎部会長】 若干補足をしますと、先ほど説明しましたオルドリッジ委員会というのが、このビジョンをどう具体的に進めるかというロードマップをつくる委員会になっていまして、それが出るまでは、今のところ、はっきりはまだアメリカもしないというのが一つあります。それから、米国の上下両院の議会の中でも、ブッシュのビジョンに対して賛否こもごものところももちろんあります。そういう意味では、とりあえず来年度のNASA(ナサ)の予算については一応の承認が得られておりますけれども、それはほとんど大きい増額ではなくて、NASA(ナサ)の現在の予算の中のやり繰りでやる格好になっています。
 それから、3番目の問題は、先ほど上垣内室長のほうから説明がありましたように、はっきりアメリカはISSの利用の重点をクルーの安全問題に絞ってきていると。その他の実験とかというようなことについてはあまりウェートがなくなりつつあるということで、これはまた逆にサイエンスコミュニティーのほうから、いろいろ批判が出ている。そういう意味では、まだわからないというのが実態だと思います。ただ、月と火星とか、その他の惑星、新宇宙探査については全然まだ具体的なプロポーザルとかという形では出ておりませんので、ISSと混同して、ずるずると行くということにはならないと思っております。

【河野特別委員】 重要なキーワードが2カ所に出てきていますので、そういう場合には、日本としては、どういう立場を取られるのかなというのが興味がありまして、質問をさせていただきました。

【川崎部会長】 その辺はいずれ、後でまたいろいろ出ると思いますが、委員会としても、今後考えていかなければならない点だとは承知しております。
 ほかによろしいでしょうか。
 先ほどの小田原さんのご質問の総合科学技術会議との関係ですが、一つ明確なのは、いい悪いは別ですが、総合科学技術会議では、有人宇宙飛行技術については今後10年間程度は、あまり手をつけないと。しかし、ISS計画は実施すると。そこで有人技術を蓄積すると。そういう一面はとらえております。ただ、我々の目から見ますと、あまりに直近的経済効果を総合科学技術会議のほうは第2次基本計画までは重視しておられますので、こういうISS計画なり、宇宙開発利用全体が持つ先端性といいましょうか、先見性といいましょうか、あるいは技術の先行性といったような点は、もう少し我が国として考慮していただきたいという希望は強く持っておりますので、そのあたりは今後、総合科学技術会議にもお話をし、お願いするようなことになるんではないかと思っております。

【井口委員長】 総合科学技術会議で宇宙開発利用専門調査会の専門委員に私はなっていますのが、宇宙開発委員会委員長としてなっているのか、個人としてなっているのか、よくわからないんですけれども、いずれにせよ単なる専門委員ですので、全体のことを自信を持って申し上げられるわけではないんですけれども、その中での少なくとも私も発言をいろいろしておりますので、その基本になる考え方などをご報告いたします。
 1つは、小田原先生の最初の第3次科学技術基本計画に対してはどうするのかというのは、私は、ISSに限らず、宇宙開発をどう位置づけるのかというところのほうがもっと重要ではないかと思います。そのあたりについては、これは文科省全体としても、今、これから検討をもう始めているとは思いますけれども、その中で宇宙開発委員会としても、積極的にその意義づけなどをこれからもやっていきたいと思います。まだ具体的なところまで議論が進んでおりませんが、先生方にも、これで行こうと。大事だということはもうわかっているので、具体的に、これであれば国民の大きな賛同を得られるとか、そういったお知恵があったら、もちろんぜひともお教えいただきたいと思います。
 それから、宇宙開発については、この総合科学技術会議の専門委員会が秋に報告書を出すと思います。その中にどう位置づけるかですけれども、1つは、これは今、川崎部会長もおっしゃったように、まずISSについては、ISSにある意味で乗っかることによって、日本は有人宇宙技術を開発しているんですから、その有人について、もうちょっとしっかりした位置づけを考える必要があるんじゃないかということを私自身が考え、そういう発言をしております。
 それから、ISSに関して一番、私自身が心配なのは、やはり財政的な面で、当初、年600億円ぐらいかかるというのを、国のお金がないからというので、400億円で、これから進めていこうという形になっているんですけれども、ほんとうにそれで十分かということと、それから、ISSに関する日本の具体的な活動というのは、これから始まるわけですね。JEMにしろ、セントリフュージにしろ、HTVにしろ、始まるわけで、すべてが新しい技術なわけです。新しい技術に対しては、これまで残念ながら、ロケットにしろ、衛星にしろ、幾つか失敗したように、すべてが成功するとは──まあ、そういう努力もしますし、そうであれば一番いいんですけれども、必ずリスクというのはある。そのリスクというのは国の計画では考えずに進めていくんですね。何か失敗したときには先送りでいくんですが、それしかしょうがないという面はあるのかもしれませんけれども、ある種の危機管理というか、コンテンジェンシーシップみたいなものは必要ではないかということも私は一番心配なものですから、そういう発言をしております。
 それから、ブッシュのビジョンに関してですけれども、これはまだはっきりしませんので、具体的にどうこうということを言うのは早過ぎるとは思いますけれども、少なくともこれから国際協力としてアメリカと一緒にやっていくときには、これは私だけの考えかもしれませんけれども、ISSのようなやり方はやらないほうがいいのではないか。つまり、完全に組み込まれて、アメリカのリーダーシップのもとにやっているわけですけれども、何か計画が変わると、それに完全に振り回されるわけですね。ですから、それは避けたほうがいいのではないか。できるならば、このためには日本独自のプランが必要なわけですけれども、日本独自の長期計画をしっかり立てて、なるだけアメリカとは独立にできるようにする。その上で協力できるところがあれば密接に協力していくというほうがいいのではないか。そのためには、日本独自のきちんとした柱を構築しておく必要がある。それを総合科学技術会議で、何とかやれないだろうかという希望を述べております。
 そんな状況であります。

【川崎部会長】 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
 特に井口委員長がおっしゃった点で補足しますと、ここには松尾委員もお出でになってますが、昔、ハレー彗星を共同で探査するという計画をやったことがあって、あのときは、それぞれが探査機を時期を違えて打って、それぞれが打上げながらも成果は共有し得ると。そういうような独自性のあるスタイルというのが頭にある。また、そうでないと、なかなか、あまりにも同じ器の中に入ってしまうことによるリスクも大きいのが我々の反省点でもあると思います。これはISSがこれからどんなふうになるかわかりませんので、予断は許しません。
 それでは、今もちょっとご議論が出ましたが、今までどちらかというと、国際宇宙ステーションの準備のためにずっと20年近く過ごしてきているわけですが、これまでにどんなような成果が出て、今後、どんなような展望があるかということについて、JAXA(ジャクサ)のほうが中心になりまして整理をしましたので、それをご紹介して、できれば、これは今回出ました専門委員会のほうの報告書の中に取り込もうと考えております。それでは、よろしくお願いいたします。

【吉冨宇宙環境利用センター長】 それでは、資料16利用1−3−1に基づきまして、「宇宙環境利用のこれまでの成果と今後の展望」ということでご紹介させていただきます。私はJAXA(ジャクサ)の宇宙環境利用センターの吉冨です。
 今日、参考に配られている資料でISS6−2というものとISS6−2の参考資料というのが後ろのほうについていると思いますが、今から私がお話をするのは、ある意味、この中の抜粋のようなものですので、後ろのほうのISS6−2の2つの資料の中にもうちょっと詳しく書いてありますので、そちらもあわせて、もしご興味がおありでしたら、ごらんいただければと思います。
 それでは最初に目次ですが、今までの宇宙環境利用センターの基本的な考え方、それと、これまでどういう歴史をたどってきたか、それとこれまでの成果、さらに今後の展望という展開でご紹介させていただきます。
 まず基本的な考え方なんですが、これはISS/JEMの特徴ということをとらえて、これから環境利用をどう持っていくかということだろうと思っておりまして、まずISS/JEMは人が介在できる軌道上の研究施設であるということ。それから、多様な可能性を引き出す有人テストベッドでもあり、さらに、これは宇宙ステーションから上を見れば、天体の観測ができますし、下を見れば地球の観測もできると。さらには、いわゆる観測装置や実験機器のコアの部分を持ち込めば、宇宙ステーションには電力・通信、いろいろなものが軌道上で提供されるということ。さらには、長期間、ISS計画はありますので、反復して、いろいろな研究ができる。さらに、1年に数回の打上げ・回収の機会があるということです。
 こういう特徴を最大限に生かして、我々として目指すものとしては、その下のブルーに囲まれています3つ、1つは、地上では得られない無重力や放射線、高真空、広大な視野を利用した我が国が得意な分野での先端的な研究や開発を行う。2番目としては、次世代の人材を育成する。これは総合科学技術会議でも、ISSというのは「誇りと希望と夢を抱けるプログラム」というふうに定義されておりまして、それに沿った活動をする。3番目としては、今、総合科学技術会議でもあります、いろいろな民間利用といいますか、そういうところを広げていくということだろうと思っています。
 その3つに対応しまして、最初の2つが4項、5項とありますが、4項が基礎的な研究・応用で、5項が応用研究。これが上で言う1番目のなかぐろに当たると思います。2番目が3番目の6項にありますし、3つ目のなかぐろが7項に具体的な事例を書いています。
 3ページ目ですが、これは今までの我が国の宇宙環境利用の歩みということで示しました。80年代、自前の小型ロケットで弾道飛行をして技術や経験の蓄積を図り、90年代には、毛利さんが初めて飛びました第1次材料実験等をはじめとして、日本の宇宙飛行士がシャトルに乗って、いろいろな実験をし、いろいろなテクニックを磨いてきたということ。そしてさらに2000年代に入って、宇宙ステーションは1998年から組み立てが開始されて、2000年から常時滞在が始まっていますが、その時代で、研究分野については重点化し、その他の分野については利用の拡大、多様化を図っていくという目標を現在掲げて、活動をしております。
 4ページ目ですが、そういう意味で、これまでの成果という意味では、まず最初に科学的な知見という意味では、材料関係、これが一番活動としては歴史的には長い。そういう中で、今、我々が得られた技術としましては、無容器処理、これは静電浮遊炉を使っている、まだ地上での研究ではありますし、一部は小型ロケットでの宇宙実験の成果もありまして、非常に高融点の材料を溶かしてかためる。それで、例えば基礎的な熱物性値が非常に、通常のるつぼやなんかでははかれないような広範囲の温度データが取られるとか、右上にありますように、小型ロケットの実験で、そういう特異な物性を持つ材料ができたりとか、そういうことが成果として上がってきております。さらに、これはもう長年、半導体の関係者が目指していますインジウム・ガリウム・砒素という3つの材料を均等に混ぜて、赤外レーザーをつくるということについても、これは高精度な物性測定を行ったことで、シミュレーション技術を高めて、現在では、まだ実用化には至っていませんが、地上レベルでは2ミリ程度のものが単結晶として得られるようになった。これを本格的には宇宙で大きなものを目指さなければいけないんですが、今、そういう準備がしてある。さらには、人類の活動を広げるという意味で、宇宙酔いであるとか、宇宙放射線への被爆のリスク評価等、それからさらには生物の潜在能力をいろいろな宇宙実験で発見したり、確認をしたり、再認識させられたりということをやっています。
 それから、5ページ目に技術の獲得としましては、先ほど申し上げた静電浮遊炉という技術で、新たな可能性が広がっていますし、生物関係の研究におきましては、小型の魚類を使った長期飼育、今まではスペースシャトルでは、せいぜい1週間とか、10日でしたけれども、数カ月間にわたって生物の形態飼育等をやり、無重力の影響、放射線の影響、複合的な影響を見るとか、そういうこともやられるような技術開発を進めております。さらに先端的なサブミリ波の受信機やX線CCDの開発も行っています。最後の大きな枠については新しい利用の開拓ということで、皆さんもご案内かと思いますが、宇宙でのタンパクの結晶化等をやっていますし、基礎的な分野では、臨界流体でのピストン効果を世界で初めて観測できた。これは臨界点近傍でのピストン効果は、日本の研究者が世界で理論的な提案をしていますし、それを我々が今、地上レベルではありますけれども、実験で一部確認ができている。これも宇宙での実験を最終的には目指しています。さらに教育・文化の領域においても、いろいろな活動を広げて、青少年の育成を図ろうということで取り組んできております。
 今後の展望につきましては、先ほど申し上げましたISS6−2の資料のほうに、昨年の段階で、特に基礎研究等については重点化をするということで、ターゲットが絞られております。その中の抜粋なんですけれども、まず基礎研究の分野では、生命の起源と進化に重力がどうかかわってきたかということで、300種類程度と言われている重力感受性の遺伝子を網羅的に解析するとか、分子レベルでの生命と重力のかかわり方を解いていこうというようなことの取り組み。その他、地球圏外への活動領域の拡大、これは今、アメリカが新ビジョンで目指しているものは、こういうところが大きくなると思いますけれども、我々も、そういう意味では、その一部はこれからも追求していくと思っております。さらには宇宙誕生とか、宇宙の進化の解明へのチャレンジ、それや先ほど申し上げました臨界現象等の物理現象、そういうものもやっていきます。また、観測センサーについても、それらの技術実証をするということを今、関係の研究所、国立天文台等と、そういう活動も広げております。
 次が7ページ目で、経済社会基盤の拡充への貢献ということで、特に医療・バイオの分野につきましては、タンパクの構造を解いて創薬につなげるという活動を現に、これは今既にロシアのサービスモジュールを使って実施していますし、地上ではできなかったような結晶が宇宙でできるとか、そういうことで、まだまだ創薬というところまでは道は遠いんですが、成果が上がりつつあります。真ん中のなかぐろは、これは三次元の細胞培養、これは東京大学の浅島先生がカエルのレベルでは、いろいろな臓器の再生ということを実際にもう既に世界に先駆けて実現されていますが、それがゆくゆくは人間のレベルまで持っていきたいという科学者の大きな夢がます。さらに宇宙飛行士のいろいろな長期滞在に必要な知見を利用して、地上生活に、骨そしょう症だとか、予防医療、遠隔医療の技術を高めていくという目標も掲げています。
 もう一つ、社会基盤の拡充への貢献ということでは、材料分野ですが、これも来年の秋に実験を目指していますけれども、ナノテクノロジーを使った材料をつくって、これで高出力レーザーをつくろうという取り組み等がなされております。あとは無容器処理技術等で、新たな物質として準安定相物質だとか、微細構造の新しい材料、高温・高純度のプロセスの実現、そういうものも目指しています。
 9ページ目です。次世代への人材育成ということで、これは主に教育活動ということで、我々がいろいろな活動を、毛利さんの92年のフライト以降、いろいろな取り組みをしています。最近では、この前のコロンビア事故は残念だったんですが、高校生によるタンパクの実験、大学生による航空機を利用した教育実験、そういうことにも取り組んでいます。
 最後ですが、10ページ目に、新たなビジネスということで、左下は、これは日本がやっているわけではありませんが、こういう宇宙旅行ということもありますし、真ん中のスターメールというのは、日本の民間企業が宇宙ステーションからメールサービスということで、3,000件の契約があって、うまく行きそうだったんですが、コロンビアの事故があって、ちょっと活動を控えているという状況ですが、右下にある宇宙で育てたバラの香りを実際の製品化に結びつけるとか、全く今までは想定していなかったような広がりが、こういう分野でも出てきているというのが、利用の今までの成果と今後の展望です。
 簡単ですが、以上です。

【川崎部会長】 それでは引き続いて、これは宇宙環境利用という側面ですが、有人技術その他、ハードウェアの技術に関連する問題について、山浦室長のほうからお願いします。

【山浦プログラム推進室長】 JAXA(ジャクサ)有人宇宙環境利用プログラム推進室の山浦です。それでは、資料の利用1−3−2に基づきましてご説明させていただきます。
 早速、ちょっと後ろに飛んで恐縮ですけれども、ここのスクリーンに出ておりますように、後ろに4つのカテゴリーで、これからお話しします、我が国がいろいろ修得してきている、あるいはしようとしている有人技術のバックグラウンドになるものをご紹介いたします。
 詳細は省きますが、まず日本実験棟、このようなエレメントから構成されておると。個別に具体的な技術を中に書き込んでいます。
 次がステーションが完成し、当然、JEMが上にあるときに、どのような運用体制を取るかと、それがこの絵です。下のほうに、5つの参加極それぞれが、自分のところで持っております運用センターが書いています。今現在、日本、ヨーロッパ、これらが自分のところの実験棟をまだ打ち上げていませんので、残りの3つの極は、それぞれ自分のところのエレメントを持っておりますので、この運用体制の中で運用しております。一番上、左のところに、日本のデータ中継技術衛星と、これも非常に世界でも重要な技術なんですが、この衛星は既に上がっていますけれども、残念ながら、JEMの打上げが遅れておりまして、JEMのほうでも、この実験データを直接、筑波に下ろすということを計画しておりますが、これはまだ通信回線として確立できておりませんが、いずれにせよ、衛星は既に宇宙にあります。順調に運用しております。
 次が、ステーションが上がりましたら、そこに自分で必要な物資あるいは国際的に共通的に必要な物資、そういったものを日本のH2Aロケットの能力向上型を使いまして、これは無人ですが、ステーションに届けるという、このHTVのシステムを開発中です。これはステーションに上がりまして、ステーション本体にドッキングしましたら、その中に宇宙飛行士が入るということで、自動的に上に誘導していって、くっついていったときには、中が有人状態になる。切り離しまして、大気圏に突入させて、廃棄するということで、これは種子島から打ち上げまして、筑波宇宙センターのほうから運用するという予定にしております。
 それから、次が宇宙空間におきまして無重力でありますけれども、微小重力、ほぼ0Gから最大2Gまでで、中間値を取りますと月面上の重力ですとか、火星上の重力も模擬できるわけですけれども、こういう環境で生物に与える影響を研究するための施設につきまして、JEMの3回の打上げの代替として、NASA(ナサ)にかわって開発をしておるという状況です。
 それでは最初に戻らせていただきます。
 1ページですが、多少、そもそも論で恐縮ですが、皆さんご承知のとおり、有人宇宙技術というのは、打ち上げて、軌道上あるいは宇宙空間で滞在して、戻ってくると、こういう3つのステップを行っておりまして、歴史的には下から第1期、第2期、第3期という学者の整理があります。それで、もともとは最低限の生命維持という状況であったわけですが、現在におきましては、第3期という快適性、作業の機能性の向上ということを目指したシステムを構築して運用を行っているというのが、シャトルあるいはロシアの宇宙ステーション、ミール、それから宇宙ステーションと。この第3期にありまして、我が国はヨーロッパ、カナダと同様に、この第3期から有人宇宙開発に何らかの形で参画しているという状況です。ちなみに、中国が成功いたしましたけれども、まず第1期から米国、ロシア(ソ連)と同じように積み上げてきているという状況です。
 我が国の有人宇宙技術開発関連の歩みですが、これで今まで何をしてきたかというのが、大体、マップになっております。一番右側のほうに、おのおのこの資料の中の第何項で、その詳細が書いているかというのがわかるわけですけれども、先般、『プロジェクトX』で放映されましたように、毛利さんのミッション、これが大体、宇宙飛行士を募集したというのが約20年前になるわけで、当時からもう20年たっているという状況の中で、ちょうど真ん中にありますように、シャトルミッションを通じた技術蓄積を、日本人宇宙飛行士の4人が合計7回、延べ82日間滞在したという中で、さまざまな活動を経験してきております。5人目が野口飛行士で、これはまた別な意味で非常に重要なシャトル飛行再開の第1号の予定をしておりまして、船外活動等、非常に重要な役割を彼は担っております。
 本日中心にご紹介するのが、その次のフェーズ、シャトルミッションで培った技術を応用したお話ということで、次に参ります。
 これはスペースシャトルを中心に今まで蓄積してきておりますけれども、特に有人宇宙技術の修得というのと並行して、有人宇宙施設を使った利用技術についても経験しておるということで、後ほどご紹介しますけれども、単に開発のみならず、宇宙飛行士の活動、あるいは、そういったすべてをサポートする運用技術というのが有人技術では非常に安全確保の問題を含めて重要になっております。
 現在、開発フェーズにありまして、ほぼ開発を済んでおりますJEM、それから現在まだ開発中のHTV、それからセントリフュージという3つのシステムがありますけれども、特にJEM開発を通じましては、非常に大きなシステム、これは部品点数でH2Aですとか、みどり2という地球観測衛星と比べましても、1けた、部品点数が多いという巨大なシステムになっております。こういったものを統合して、なおかつ、さまざまな観点からの安全設計をする。こういうシステムを組み上げてきておりまして、特に左上にあります開発管理・システムの統合のための技術、右上の有人安全技術というのは、かなり体系的に我々としても、これからしっかりと、国内でもロケット・衛星に対してきちんとうまく応用できるような形で展開したいと。今まで十分ではなかったという反省がありますけれども、やっていきたいと思います。
 真ん中のところにありますJEM開発の横長のところは、宇宙活動をする中で、特に人間が介在するときに必要な個別の技術として、ある意味、戦略的に、この計画発足当時、計画したものを着々と整備し、身につけてきておるという認識をしています。
 それから、HTVですが、冒頭に申し上げましたとおり、これは非常に実は野心的なシステムでして、無人のシステムを誘導しながら、有人のシステムにランデブーさせて、そこで運用すると。これは別な意味で非常に将来的に応用性・発展性があるという認識をしております。
 それから、セントリフュージにつきましても、非常に大きな回転体、あるいは気密性を非常に強く要求する、バイオハザードを隔離するための技術等、こういったことを、これを通じて我々は修得できると認識しております。
 もう一つ、先ほど触れました運用なんですが、これも我々は結局、物をつくったからといって、それですぐに技術を蓄積したということにはなりません。これはほんとうに運用を通じてしっかりと、おそらくいろいろな試行錯誤も結果的に中に入ると思いますけれども、培っていくということで、これはロシア、アメリカという宇宙の先進国、これらが今やっておりますけれども、こういったところといろいろな運用の手順、トラブルがあったときに、どういうふうに措置し、回復するかというようなことをきめ細かに決めて進めております。そういうことを通じて、我々、実際に自分たちが設計・開発したものがいいのかどうか、あるいは有人という宇宙システムを運用するのに何を必要とするかということを、これからしっかりとJEM運用の期間ずっと通じて蓄積していきたいと思っています。
 もう一つ、国際協力プロジェクト、これはもし日本独自でやっていたらどうなるかという観点からすると、なかなか難しかった、例えば有人輸送機を使った訓練ですとか、実際の搭乗というのがあります。これは別に有人輸送機に限らず、いろいろなシステムの考え方、あるいは人が宇宙に行くにあたって、どういうことに気をつけて、何をすればいいかということを精神・心理面、あるいは医学面を含めて知見を獲得し、かつ人材を育成してきていると思っています。
 将来的には、我々、これを蓄積して、では、どうなるんだというところは、非常にこれから日本の宇宙開発の方向性、有人技術とのかかわりという中で大きな課題、難しいテーマだという認識はしておりますけれども、いずれにせよ、もしJEMを使って、より自在性のある生命維持の技術を持とうと思えば、今のJEMそのものが使えますし、あるいは将来的に輸送能力を何らかの形で持とうとしますと、先ほどのHTVの何か機能も使えるというようなことで、これにつきましては、特にJEMの中・後期利用段階においては、将来のシナリオも踏まえつつ、いい利用の仕方が、技術開発のための利用の仕方があるのではないかと思っています。
 これはちょっと将来的な──これも今後10年というのは、ISS、JEMがまだ運用しているフェーズですが、詳細は省きますけれども、特に船内の技術に関しましては、かなり日本の民生機器の技術はしっかりしていますし、人間に優しい部分というのは、かなり日本の宇宙飛行士も認識して期待しておりますので、そういった意味で広く、産業界との連携を強化するなり、そういった新しい業種が参加できるという場があるのではないかと思っております。
 これは、これもちょっと時間の関係で詳細は割愛いたしますけれども、我々が今まで行ってきました10年以上にわたるさまざまな有人宇宙技術とのかかわりの中で、今現在、こんな認識で整理していますというものです。横にずっと宇宙の滞在技術、安全技術、運用管制技術、搭乗員(宇宙飛行士)の関連技術、それから有人輸送技術、それから輸送に関連した技術という分類をしまして、黄色二重の四角は、今まで修得してきている技術であると。薄いグリーンのところは、これはこれから既定の計画を進めていけば、その中で修得ができる技術。それからオレンジ色で破線で囲ってありますが、これにつきましては、地球周辺の有人活動においては、我々の現在の計画ではまだ修得できない技術という整理です。
 あと2枚は、波及効果も含めて書いています。有人宇宙活動から何が波及するかというところで、特に有人という意識を示して、宇宙飛行士あるいは医学関係のところを非常にさまざまな期待される波及というのがあります。右側に、NASA(ナサ)が発表しました有人宇宙活動からの波及例ということで、特にこのページにふさわしい医学的な側面からの部分を抽出しています。
 次ですけれども、これはちょうど真ん中にどういう技術があるかという中心の卵の黄身の部分に書いてありまして、すぐその外側に、我々が蓄積してきている技術、あるいはこれから蓄積を期待する技術というのがありまして、その外側に宇宙の他分野への反映の部分、それから一番外側に地上技術への波及、これから我々は、こういうことを期待したいと。あるいは我々が努力しないといけないと思いますけれども、そういった展望というつもりで書かせていただいております。
 ご説明は以上です。

【川崎部会長】 どうもありがとうございました。既にご存じの方には、ややくどいお話になったかもしれませんが、今までの国際宇宙ステーションについての議論で、何がやられてきたのかということと、今後、何をやろうとしているのかというのが、見えないというご意見が非常に多かったものですので、国際宇宙ステーション利用専門委員会のほうでは、一度、今までのものを総括してみようということでお願いをして、でき上がったものです。そういう意味では、諸先生にはもう旧聞に属することもいっぱいあったかと思いますが。
 ただ、最近になって、最後に説明がありましたライフサイエンス、特に健康・医療関係については、ESA(イサ)も中心になって、いわゆる国際宇宙ステーション計画からスピンオフする技術で、ESA(イサ)も高い評価をしているのが、この健康関係だということを強く強調しているようですけれども、日本の場合には、これはあまり非難がましいことになるといけないんですけれども、なかなか市場が見えないところに対しては、日本の企業の方はなかなか用心深くて、積極的に乗り出すというのには非常にウィークな感じが我々のほうからはしていて、歯がゆい点があるんですけれども、種は既にあると思います。これは何も宇宙ステーションだけではなくて、ライフサイエンス関係のいろいろな新しい遺伝子を利用しての応用工学、そういったものからのスピンオフの産業化というのは、はるかに欧米の企業のほうが意欲的なように私には見えますが、一般的な兆候かもしれません。
 何か今までの点でご質問等がありましたら。
 それでは、後ほどまた振り返っていただいてということで、議題を先へ進めますが、一応、こういうようなことを頭に置きながら、総合科学技術会議からの一種の宿題になっております、民活あるいは民営化、あるいは官民協働体制ということを念頭に置いて、国際宇宙ステーションを今後、我が国としてはどんな形で利用し、開発を進めるか。そして、それからどれだけの利益を引き出すかということを中心に、国際宇宙ステーション利用専門委員会のほうで取りまとめました報告書の案をご提示いたしまして、この部会としてご採択をいただければという審議に入りたいと思います。
 それでは、内容について事務局のほうからご説明をお願いします。

【上垣内室長】 そうしましたら、16利用1−4に基づきまして、「我が国の国際宇宙ステーション運用・利用の今後の進め方について(最終報告)(案)」について説明をさせていただきたいと思います。
 1枚めくっていただきますと、章立て、目次がありまして、1章の「はじめに」ということで、経緯や全体について書いあります。それから2章は「国際宇宙ステーション計画への参加意義」、後でもご説明いたしますが、ここは中間報告の段階で、今まで我が国が国際宇宙ステーションに参加するにあたって、今まで議論してきたものを通じて、再整理をしたものをそのまま基本的には踏襲してあります。第3章で「国際宇宙ステーション計画の現状とこれまでの成果」、これも中間報告の段階から進展しましたものをアップデートしています。第4章ですが、「国際宇宙ステーション計画において期待される効果」、これは利用と有人宇宙技術について両方の側面からまとめていまして、これは中間報告の段階では「今後の利用の展望」ということで、重点化の中に書いてあったものと、それと「今後の有人宇宙技術開発について」というふうに別の章でまとめてあったものを、ここに第4章としてまとめています。内容的には、中間報告までにご議論いただいたものを踏襲しています。それから第5章が民活導入といいますか、官民協働体制の構築について議論をさらに進めたものについて書き込んでいます。第6章が「JEM利用計画の重点化」、これは中間報告の段階までに基本的な議論はもう進めていただいておりましたので、それを踏襲した形で載せています。第7章「利用推進方策」ということで、これは利用を推進するための制度等の考え方について、これも中間報告の段階からさらに議論を進めさせていただいたものをもとにアップデートさせていただいています。
 ということで、内容についてご説明させていただきたいと思いますが、便宜上、第1章から第4章まで、この報告書の概要についてご説明をした上でご質問等をいただければと思っております。その後また、第5章、第6章について説明をさせていただいた上で、第7章を説明させていただきたいと思います。全体は、そういう形でまとめています。
 まず第1章ですが、これも中間報告のところから特に大きく変えていませんけれども、今回のこの報告書をまとめるにあたって、そのトリガーとなりました取り巻く環境ということで、米国の計画の見直しですとか、利用の拡大・多様化への要請、厳しい国内の財政事情、それから宇宙3機関の統合等について、そういう変化に対応して、平成14年6月に宇宙開発委員会でまとめました「我が国の宇宙開発利用の目標と方向性」、その中で利用の多様化、重点化、それから民間活力の導入等による運用・利用の効率化等の検討を行うことというのが示されています。ということと、それから、同年に総合科学技術会議からも同様な宿題をいただいているということを説明しています。
 中段以降に、平成15年6月には中間報告をまとめ、今回は、その後の検討を踏まえまして、13ということで、特に官民協働体制の構築については第5章に、JEMの利用の重点化については第6章に、利用推進方策については第7章にまとめてあるということを示しています。
 それから、このページの後段には、この宇宙ステーションを進めていく上での姿勢としまして、幅広い利用活動を推進するということ、それから成果を広く周知するということで、宇宙ステーション、ひいては宇宙開発全体を国民が身近に感じることができるようにすることが重要であるということ。それから、1ページから2ページにまたぎまして、現在、スペースシャトルの再開を待っている状況、組み立てスケジュールについて、これから調整されていくという状況ですけれども、そういう推移を踏まえまして、適時、的確な対応をしながら着実な推進を進めていくという姿勢について記述しています。
 それから、第2章ですが、「国際宇宙ステーション計画への参画意義」。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、中間報告までの段階でまとめましたものを基本的にはそのまま踏襲しています。2.1で「我が国の宇宙開発のあり方」ということで、宇宙開発の目的、それに基づいて2.2で、この宇宙ステーション計画への参画意義ということで、以前検討いただきました4つにまとめています。有人宇宙技術をはじめとする広範な技術の高度化等の推進、2で経済社会基盤の拡充、3で新たな科学的知見の創造、4で国際協力の推進という4点に整理しています。
 それから第3章、「国際宇宙ステーション計画の現状とこれまでの成果」。これも先ほど申し上げましたように、中間報告までの段階で議論をいただいたものを踏襲しています。その後の状況につきまして書き加えていまして、3.1「国際宇宙ステーション計画の現状」ですが、4ページを見ていただきますと、上段のパラグラフの最後ですが、最初にご説明しましたが、昨年8月にコロンビア号事故の調査委員会の報告書が出ている。それに基づきまして、NASA(ナサ)のほうで飛行再開に向けた取り組みがされているということを記述しています。それから、宇宙ステーションは第9次搭乗員に引き継がれているという状況。それから、この章の最後ですが、「また、」以降で、平成16年1月に米国から新ビジョンが発表されていると。ここでも、先ほどご説明しましたが、国際宇宙ステーションについては、2010年までに組み立てて、スペースシャトルを退役させると。そういう意味では、スペースシャトル退役後の輸送手段の変更についての調整が必要となる。ただ、米国は国際宇宙ステーションについての責務を果たすということは、ビジョンの中でも明言をしています。こういうことがありますが、我が国も他極とともに、この宇宙ステーション計画が着実に実施されるよう、調整を進めていくことが必要であると記述しています。
 それから3.2で「宇宙環境利用の成果」ですが、これは中間報告まででまとめさせていただきました記述を基本的には踏襲していますので、説明は省略いたします。
 それから3.3「有人宇宙技術の蓄積と開発成果」、これも同様に中間報告まででまとめたものを踏襲しています。
 引き続きまして、6ページの第4章ですが、「国際宇宙ステーション計画において期待される成果」ということでまとめています。
 これはまず4.1としまして、「JEMの利用において期待される効果」、これは先ほど申し上げましたが、中間報告では、重点化の中で、今後の利用の展望を見据えるということでまとめていましたものを、ここに第4章として、有人宇宙技術開発とともにまとめています。記述については基本的に中間報告時点での検討をそのまま踏襲してます。それから4.2の「有人宇宙技術開発において期待される効果」につきましても、中間報告で「今後の有人宇宙技術開発」として記述していたものを、この4章にまとめています。
 1章〜4章までは、そういうことで中間報告のものをベースに、若干、章立てを変え、現状についてアップデートした形で最終報告としてます。
 簡単ですが、とりあえず。

【川崎部会長】 どうもありがとうございました。以上の点ですが、ここまでの点で、何かご意見等はありますか。
 前回といいましょうか、中間報告段階で少し書き足りなかった点で、今回、今説明がありましたように強調した点は、1ページの最後のパラグラフから2ページの上段にかけて、やはりもっと国際調整に我が国の立場を主張しながら、積極的にISSを進めていくということを少し明確に書いたということが1つ。それから、どちらかというと宇宙環境利用の実験室的色彩が非常に最近になって強くなって受けとめられているんですが、やはりブッシュ大統領のビジョンにもありますように、宇宙へ人類が飛躍していくための拠点としてのISSの意義というのも忘れないでほしいということを、この2ページの意義のところの2.2で少し書き加えておいたところです。そういった点が中間報告の段階よりも、少し書き込みは十分ではないかもしれませんが、変わった点かと思います。
 何で、その次の第5章以下があるかというのは、実は専門委員会の場で、これは企業の電通の方からの説明もありましたし、今日配られている資料の中にも、ISS12−5−2ということで、『だれもが利用できる「きぼう」へ』というようなキャプションがついておりますけれども、ここ20年ぐらいの間にいつの間にか、「きぼう」あるいはJEMなり、国際宇宙ステーションそのものが、JAXA(ジャクサ)があってのものみたいな印象があるんですね。それで、キャプションとして、『JAXA(ジャクサ)の「きぼう」から私たちの「きぼう」へ』という、何かそんなようなタイトルのことを言われました。そういう意味で、1ページの下段のところでは、JEMは広く国民一般が共通に持てる一種の共有財産として利用してほしいという趣旨のことを書き加えている点。また、そういうことをするために、従来のJAXA(ジャクサ)だけが運用の責任を持つような形よりも、官民の協働体制を組んだほうが、より合理性が高い、あるいは便利ではないかというのが、第5章以下の流れになっております。ちょっと補足をしますと、そんなようなことになります。
 よろしければ、それでは第5章以下をお願いいたします。

【上垣内室長】 第5章ですが、「国際宇宙ステーション計画運用・利用にかかわる業務実施体制」ということで、これは民活導入を図って効率化をしなさいという課題に対する検討状況を示した箇所です。これにつきましては、中間報告段階から、先ほども紹介しましたが、経団連や関係財団、JAXA(ジャクサ)も含めまして検討を進めてきたものを宇宙ステーション利用専門委員会で、さらに検討を進めた内容について書き込んでいます。
 まず5.1ですが、基本的な考え方は中間報告の段階からそれほど変わっていませんが、繰り返しますと、まず初期運用段階ということで、最初の2〜3年を経て、定常運用段階に至る。そういう中で利用を開始するにあたりまして、ここで対象としている業務としましては、JEM、それを支援する地上設備の機能・性能を維持すること、それから安全を確保すること、そしてJEMの利用者に必要なサービスを提供していくこと。それから、JEMの運用・利用に必要な物資を輸送する。それから、搭乗員の訓練等を行うと、そういう業務が対象としています。
 その中で効率化を図るためには、5.1の最後ですが、国・機構・民間がそれぞれの特徴を生かして、有機的に機能することができる適切な官民協働体制を構築することが必要であるという考え方に基づきまして、検討を進めてまいりました。
 5.2で「国・機構・民間の役割分担」ということでまとめていまして、(1)の「国・機構の役割」ですが、まず国際宇宙ステーション計画の実施の最終的な責務は国にあると。そういう中で国際取り決め上、機構は国を援助する機関ということで指定されております。国の役割としましては、その運用にかかわる国際調整、予算の確保、政策的な方針の決定、利用については資源の配分方針の決定、国として推進する利用分野、重点領域、その利用計画を策定する。機構は、その全体の計画管理、安全審査、国が行う運用計画の国際調整の支援を行う。利用におきましては、JEMの利用の実施計画を策定する。それから、共通的に必要となる共通実験装置などの利用資源の維持や管理を行う。
 それから、この中で、JEMの開発等の経費につきましては、補助金という形で国から機構に交付されております。これについては、さらに今後、運用段階に入りまして、柔軟に、かつ効果的・効率的に業務を運営するためには、こういう予算措置、財源措置も含めて配慮していく必要があるだろうということを述べています。
 それから、そういう国・機構の役割を踏まえまして、「民間に期待される役割」としましては、民間の資金導入も視野に入れながら、民間の経営能力、技術能力、市場開拓能力、8ページに移りまして、それらを活用していくことが重要であると。そういう中で定常業務を民間が主体的に実施することによって、機構が本来の研究開発業務に集中できると、そういう効果も期待されております。そういうことで民間に期待される業務としましては、国及び機構の役割として提示しましたものを除いた業務について、極力、民間が主体的に業務を実施する体制に移行していくということを目指すということを、ここに記述しています。
 それから、5.3で「官民の業務分担」についての検討ですが、最初の考え方のところで申し上げましたように、4つの業務について検討を進めています。(1)にありますようにJEMの運用業務、(2)JEMの利用サービス提供業務、(3)宇宙ステーションへの物資の輸送でありますHTV打上げ・運用業務、(4)として搭乗員関係の選抜・訓練、それからその設備の維持と、そういうものがあります。
 それぞれについての業務分担ですが、JEMの運用業務につきましては、国及び機構は、その計画管理と安全審査を実施する。その上で、民間が主体的に実施することによって効率化が期待されるものとして、実際の手順書をつくるとか、運用準備、地上の運用管制センターの運用管制作業、技術支援、保全補給などが挙げられております。
 JEMの利用サービス提供業務におきましては、これも国及び機構が全体管理と安全審査を実施すると。その上で民間におきましては、利用者が費用を負担する有償利用部分、これは後の利用制度のところ、7.2でも出てまいりますが、その部分を、利用者開拓・利用者支援をみずからの事業として実施する形で、効率化や、その利用の拡大を期待するということが記述しています。
 (3)で「HTVの打上げ運用業務」ですが、これも国・機構は全体の計画管理と安全審査、それから特に宇宙ステーションにドッキングするよう安全にかかわるような運用については、国・機構が役割を担うと。その上で民間が主体的にHTVの調達ですとか、打上げのためのサービスの調達、積荷搭載作業、運用準備、管制等の実運用を行うことによって効率化が期待できるという整理をしています。
 それから、搭乗員の関連業務としましては、国・機構は計画管理と、この搭乗員の訓練の場合は、訓練の効果の評価ですとか、搭乗員の訓練後の審査であるとか、認定については、国・機構が役割を担う。その上で実際の訓練設備の運用ですとか、訓練の実施については、民間が行うことによって効率化を期待すると、そういうふうに整理しています。
 それから、5.4で「官民協働体制構築後の業務実施のあり方」ということで、5.4.1の「業務実施体制」ですが、業務実施体制への理解につきましては、まず9ページの上になりますが、従来考えていた体制から官民協働体制を構築することによりまして、効率化、それぞれのサービスの向上ですとか、利用の拡大・多様化が図られるということがまず前提であるということ。そして、経費の比較と期待される効果について、可能な限り定量的な評価を行った上で、この官民協働体制のほうが優れていると判断された場合に移行していくということを示しています。それから、この移行にあたりましては、技術の確立と習熟の度合いを踏まえまして段階的に行うことが重要である。
 そういう全体の考え方に基づきまして、まずJEMの運用業務におきましては、これまで機構がそれぞれの業者に対して、いろいろな形で全体をまとめておりましたものを、運用の取りまとめの事業者と包括的な契約を締結する体制にする。
 (2)のJEMの利用サービス提供業務におきましては、民間事業者が、利用者が費用を負担する有償利用部分について一定の裁量権を有しながら、その利用者支援業務を柔軟かつ迅速に行う体制を目指すということを書いています。
 (3)でHTVの打上げ・運用業務につきましては、物資を地上から国際宇宙ステーションに運ぶという、その輸送という業務を民間事業者が移転された技術をもとに行うと。そういう体制を目指すということを書いていまして、その中で、H2AロケットによるHTV打上げ業務の関連につきましては、ロケットの民間移管の体制にかかわる考え方を尊重して体制をつくっていくと記述しています。
 (4)で搭乗員の関連業務としましては、既に民間の支援を受けながら実施していますけれども、今後、設備の維持・運用、訓練の取りまとめを行う事業者と包括的な契約をして進めるという体制に移行するということを記述しています。
 それから9ページの下の5.4.2「リスク管理」ですが、リスク管理の考え方としましては、個々のリスクを最も効率的に管理できる者が、そのリスクを管理するという考え方。で、そういう中で国・機構が管理する方法、民間による管理方法、保険をかける等の方法があると思いますが、そういう方法を比較検討した上で、それからあと、国際間の取り決め、特に宇宙では損害賠償放棄等の取り決めがありますので、そういうものを踏まえて、実際に機構と民間事業者の契約で規定しておくということを記述しています。10ページの上になります。
 5.4.3で「官民協働体制構築の手法」としまして、ここに挙げました手法を可能な部分から取り入れていくということで、これは中間報告の段階でも挙げてましたけれども、性能発注、包括的な発注、数年契約、成果主義、それから競争原理の導入というものを挙げています。
 5.5章としまして、「官民協働体制構築に向けた今後のスケジュールと課題」ということで、それぞれの移行においてのスケジュールの考え方をまず示しています。
 (1)で、運用にかかわる今後のスケジュールですが、運用要員の確保、それから技術移転習熟の観点から、実際に運用が始まるJEM打上げの約1年〜2年前には、それを担当する事業者の選定を行っておくことが望ましい、その上で運用管理手法を確立していくということを書いています。
 それから(2)で利用サービス提供業務、これにつきましては、利用の計画につきましては、カレンダーイヤーの1年ごとに利用計画の要求をまとめ、国際調整をし、計画を立てるというサイクルですが、そのサイクルが始まる3年前には、事業者を選定しておくことが望ましい。その上で技術を確立し、技術移転を図っていくというスケジュールの設定が望ましいということを書いています。
 (3)で「HTVの打上げ・運用業務に係る今後のスケジュール」ということですが、これにつきましては、まずは11ページの上になりますけれども、打上げ機数、これは国際調整等の状況を踏まえて決まってくるものですが、それをもとに検討するということ。それから、実際にHTVそのもの、打上げ用ロケットの開発状況を踏まえてスケジュールを策定する必要があるということで、そこに含めています。
 それから(4)ですが、搭乗員の関連業務につきましては、既に募集ですとか、選抜、基礎訓練につきましては実績のある業務でありますので、官民協働体制構築に向けた準備に入る。一方、搭乗期間、長期滞在期間に対応しました訓練、これを搭乗期間固有の訓練と書いていますが、それについては、そういう訓練はまだ未経験ですので、1〜2回程度実施した中で技術を確立し、民間に移管していく。そういう訓練が始まる実際のJEMの打上げの1.5年ぐらい前までには事業者が選定されて、技術の移転を始めるということが望ましいということが書いています。それから、設備の維持・運用につきましては、それぞれの設備の使用目的を達成後に、状況に応じまして官民協働体制に移るというスケジュールの考え方を示しています。
 これらを踏まえまして、(5)ですが、全体の今後の課題としましては、主なものとしては、詳細な業務分担、リスク分担を明確にする。それから、定量的な分析を含めまして、民間事業性の評価ですとか、あと、具体的な契約方法、守秘義務や、実際に契約を終了するときの措置も含めました契約条件、それから技術移転の方法についての検討をさらに詳細に進める必要があります。これは今後、機構において適切な体制を取りまして、これら課題を検討して、平成16年度中をめどに、その選定の方法、時期について明確にするということで、次のマイルストーンを設定しています。その選定の時期の設定にあたりましては、現在、JEMの打上げスケジュール、HTVの打上げスケジュールも含めまして調整中ですので、そういうものを踏まえるということ。それから、国際宇宙ステーションが最終的に搭乗員の数を増やして、どういう形態で運用するかということについても国際調整中ですので、そういうもの、それからH2Aロケットの状況を踏まえて決定するということ。それから今、4つの業務それぞれ、特徴がありまして、それに分けて検討していますけれども、それらをすべてを組み合わせた形で1つの事業者がやる場合の効果等を検討しまして、それぞれの業務を一括して業者選定をするのかどうかということについても配慮して、業者の選定時期について検討するというふうにまとめています。
 以上が第5章です。
 第6章、これは先ほども言いましたが、中間報告でもう十分議論していただいたものを踏襲していますが、簡単におさらいしますと、6.1に重点化の考え方ということで、費用対効果を考え、総花的にやるのではなく、重点化をするということで、6.2に、中間報告でも示させていただきました科学・技術利用分野、6.2の(1)ということで中段以降にあります。ここでちょっと印刷上のミスがありまして、6.2の(1)「科学・技術開発利用」と、ここで改行をしまして、最初のまるとしまして「宇宙ゲノム科学」から「臨界点ダイナミクス」というふうにして、「船外実験プラットフォーム利便性向上のための技術開発」ということで、6つの領域を重点領域として設定しましたので、ここは改行が抜けております。失礼しました。
 それから、応用利用分野として、13ページの上に2つの課題を設定させていただいております。それから、教育利用、商業利用、文化利用などの一般利用と、それについても進める必要があるということで設定されたものを、そのまま踏襲して記述させていただいております。
 以上、5章、6章についての説明です。

【川崎部会長】 続けて第7章も説明を。

【上垣内室長】 はい。では引き続きまして、第7章についても説明をさせていただきます。
 第7章「利用推進方策」ということで、制度等、利用を推進していくための方策について検討をしました。これについても中間報告の段階から、JAXA(ジャクサ)においても利用制度の検討委員会をつくっていただいて議論をいただきまして、国際宇宙ステーション利用専門委員会のほうでも、さらに議論を進めてまいりました。その結果を踏まえて書き加えています。
 7.1ですが、利用方策の見直しということで、これは中間報告の段階でも、こういう問題提起をしていましたが、宇宙ステーションの利用が伸びていると。そういう中で今後の成果を戦略的に出せるような方策を立てていく必要があるということで、まずは7.1では、既存の制度の見直しということを検討しています。
 下の最初のなかぐろにありますが、まずは「JEM利用開始前の宇宙環境利用機会の確保」ということで、現時点でも、国際宇宙ステーションで今利用できます米国の実験棟、ロシアのモジュールを利用した実験を行っております。タンパク質の結晶の実験と先ほど紹介がありましたが、そういうものを実施しております。これにつきましては、今後ともJEM利用開始前の利用機会としまして、継続的に確保していくということが重要である、必要であるということを記述しています。
 それから、「公募地上研究制度の見直し」。公募地上研究制度と申しますのは、落下施設や航空機などの設備の利用も含めまして、研究者のすそ野の拡大ですとか、研究領域の拡大、研究コミュニティーの育成、初期利用の候補のテーマの育成に貢献してきました。今後は、初期利用の計画につきましては、先ほどの重点領域・課題の設定がありましたけれども、そこを補強していくようなもの。それから、それに続きます定常運用段階以降の利用成果を創出するということを目的にした制度として見直して、この制度を運用していくということを記述しています。
 それから14ページに移りまして、「応用利用分野の新たな推進制度の創設」ということで、これは今まで民間参加による宇宙環境利用を促進し、その実験成果を地上における生産活動へ応用していくと。そういうものを示していく利用の促進としまして、公募制度として先導的応用化研究制度が機能してまいりましたが、これを今回、発展的に解消しまして、今後は大学や研究機関を中心にして、そういう研究を企業等による利用や事業化に結びつけるという体制をつくり、そこを機構が支援するという形での産官学連携体制を構築していく制度を新設していくということを、ここで示しています。
 それから、「教育利用等の推進」。これは今までも教育利用等のニーズの拡大に対して試行的に対応してきていますけれども、今後も、国際協力なども視野に入れて、継続的に環境整備をしていくということが重要であるということを示しています。
 それから7.2ですが、先ほど、官民協働体制の構築のところでもありしたが、民間等による有償利用枠を創設するということです。今までは、利用につきましては、共同研究として成果は共有するということを条件で、利用の課題等を募ってきていましたが、今後、JEMの利用にかかわる一定の費用を負担することによりまして、利用者が主体的な計画で利用し、成果を取得するということができる制度を新設する必要がある。この制度によりまして、今後、利用の拡大・多様化をさらに図っていく。そして、資金も民間資金、それから、さまざまな公的資金を含めて、財源の多様化を図っていくということが重要であるということを示しています。
 この枠組みとしまして(1)に示していますが、有償利用については、優先枠を設定する。その枠としましては、重点領域等として国が推進する利用の内容・規模を考えまして、当面、初期利用の段階を考えますと、全体の利用資源の1割〜3割ぐらい。まだ全体の量がはっきりしてはいませんけれども、大体その程度を目安として、こういう有償利用枠を設定することができるだろうということを示しています。
 この有償利用の場合は、原則として、成果は利用者に帰属する。国・機構は、そういう中で、利用にあたって遵守すべき最低限の一般的な原則を、国際的な取り極めもありますので、そういうものを踏まえて策定・提示するという考え方です。
 この中で「利用料金設定の考え方」ですが、施設供用の考え方に基づきまして、利用に伴って追加的に発生する、例えば輸送ですとか、そういう実費を利用者が負担するということを原則とする。その利用料金の設定につきましては、その成果の帰属、共有化、専有化ということも含めて、それに連動した料金体系としていく。それは機構において設定していく。それから、当初は有償利用推進に寄与するようなものについては、その部分免除等の方策で利用の推進を図るということを記述しております。
 それから15ページの(3)ですが、「民間サービス提供事業者の導入」ということで、これは第5章で先ほど説明しましたけれども、この制度の推進にあたりましては、利用サービス提供業者の導入に向けた検討が必要となってまいります。
 この制度の検討課題としましては、利用におけるリスク分担、その対処方法、利用の支援等がありますが、そういうリスク分担や対処方針、それからなかなか利用準備期間が長いわけですけれども、そういうものを短縮していく方策ですとか、利用にあたっての制約を緩和していく、そういう利用者の要求に対応する方策の検討が必要であります。
 これらいろいろな各利用制度の実際の具体的な利用資源の配分につきましては、現時点、初期利用での具体的な利用の全体のリソースがまだ決まっていませんが、その利用条件が明確になった時点で、それを踏まえて決定していくということでまとめています。
 以上、7章まででして、あと、16ページに参考資料としまして、この報告書をまとめるにあたりまして参考にした資料を挙げています。今日、参考資料として配付してあるものが、ここにリストされています。
 それから、別添1、17ページ、これは中間報告の段階そのものですけれども、重点領域や課題や設定をするときの考え方。それから19ページに、その重点領域と期待される成果等を示していまして、あと22ページ、23ページは、それぞれ参考で、利用部会の構成員、専門委員会の構成員等を示していまして、27ページ以降に添付資料としまして、先ほどJAXA(ジャクサ)のほうからプレゼンテーションしていただきました「宇宙環境利用のこれまでの成果と今後の展望」、それから32ページには「有人宇宙技術をはじめとする技術習得の現状と今後」ということで、図表をもとに説明をしていただきましたものを、わかりやすくするために添付資料として報告書の中に取り込んでいます。
 以上です。

【川崎部会長】 どうもありがとうございました。
 少し一気呵成に過ぎたかもしれませんけれども、若干、専門委員会のほうの司会をやっておりました私の立場からの補足をしますと、今、説明をいたしました中での官民分担の業務体制の問題については、JAXA(ジャクサ)と同様に、専門委員にお加わりをいただきました経団連の北原特別委員が主査になりまして、実務的に実現可能な方法での分担体制ということで、かなり検討をさせていただきました。また、国として推進すべき宇宙環境利用の試験・実験計画等についての重点化の方向性については、特に菅野先生(東洋大学理事長)が中心となった委員会で検討されております。それからもう一つ、新しい利用制度及び利用の推進のあり方については、澤岡先生が中心になって取りまとめを具体的にされました。そういうのを踏まえたのが、今、事務局のほうから説明をした報告書の内容になっております。それぞれの特別委員の先生方に対して私のほうからも御礼を申し上げたいと思っている次第です。
 いかがでしょうか。一つは、やはり冒頭に申しましたように、「JAXA(ジャクサ)だけのJEMから国民一般の共有財産としてのJEMへ」ということを的確に受けたのは、有償ではありますが、JEMの一部、民間への開放と、そういうようなことをはっきり明記していることです。このときの条件としては、いわゆるJEMにかかわる──固定資産に相当しますが──減価償却費みたいなものの負担は考えてないわけで、直接、その実験にかかわる運航の費用というのを有償としての対象に考えているというあたりが、国民の共有財産としての使い方として強く主張している点だと思います。ただ、具体的にどんな料金体系になるかは、まだ今後、詳細に検討していただきたいというのがポイントかなと思っています。
 それからもう一つは、14ページのところで出ました応用利用分野の新たな推進制度の創設というのは、こういう宇宙環境を含めますJEMを使っての研究開発というのは、何も材料実験だけという、わかっている範囲のことではなくて、地上の観測あるいは宇宙の観測等、多面的にいろいろ広がることが予想されます。それが、あるいは民間の経済活動にまたプラスをもたらすことも考えられる。そういうことを考えると、少し一種の恒常的に研究を継続していくような拠点的なものを少しずつ構築していく、そういうような制度──プロジェクトごとではなくてですね、そういうようなことを少し頭に置いた支援制度を考えたらどうかというのが、この14ページの推進制度の創設のところに書かれている内容で、若干、プロジェクト主義プラス、そういうコアをつくっていこうという考え方があったと思っております。
 今の事務局からの説明に補足をいたしますと、そんな点ですが、いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【鈴木特別委員】 中間報告のことを存じ上げないで申し上げて恐縮なんですが、この最終報告を出す目的は一体何なのか。これを読んだ人にどんな気持ちになってほしいのか。ここをまず確認したいなと思っています。
 で、勝手に想像するに、利用部会だから利用しようと、宇宙なり、宇宙ステーションなりを利用しようよと。何かすごく単純な結論なんですけれども、そういう前向きな気持ちやイメージが沸いたり、ビジョンを共有できたりとかということはまず抜かせないところなのではないかなと私は受けとめています。なのに、開いてすぐ、「はじめに」が長い。ほとんど「はじめに」の下から6行目より上のところは、経緯というか、これまでのことであり、それも現状からすると、あまり明るい内容が盛られていない。のっけが、あまり経費節減だとか、何だとかかんだとかで……。これはここになくてもいいのではないかという気はしないでもない。むしろ1ページ目の下から6行目あたりから、先ほどもおっしゃっていましたけれども、2ページ目の上の4行、ここがまず最初に目に入らなければいけないところなんだと思います。私みたいに宇宙に全然関係がない人間がぱっと見たときに、この1ページ目の下から6行目の出だしは、本質的じゃないなという気はちょっとします。つまり、JEMは日本の宇宙開発の総力をあげて開発してきたから、というわけではないと思うんですね。もっと大きな上位のビジョンがあるわけで、そのために、それがすばらしい価値があるものだから、上位のそういう宇宙なり、人類なりの共有のステージなり、こんな時代だからこそ、地上でごちゃごちゃやっているよりも、宇宙を見てどうのこうのと。だからこそ、宇宙というのはすごく大事なんだと。だから、日本の宇宙開発の総力をあげてきた施設を充実させたいんだとかということが必要だろうということが1点。まずとにかく、「はじめに」をどこかへ持っていくか、削るかなんかして、1ページの下と2ページの上を強調すること。
 それと、9ページの下のところにリスク管理がありますが、また全然内容を把握しなくて恐縮ですが、ぱっとしたイメージが、これを読む限り、何となく責任逃れ的なイメージを受けます。イメージとして。もっとリスクに関しては、こういう細かいことの前に、多分2行ぐらい、リスクに対する姿勢とか精神とか、そういうものが要るんじゃないかなという気がします。まして昨今みたいに、何もかもがパーフェクトに済んでいないときには、ここへの姿勢。私たちは危機やリスクからも学びました、というようなことがきっちりあれば、また納得でしょうし、そんなことを思いました。
 また、「はじめに」に返りまして、この中に意外に入っていそうで入っていないのが、国際宇宙ステーションや、あるいは宇宙利用ということにかかわると、いいことがあるよというかな。変な言い方ではないんですけれども。このステージ、この空間、このアイデアというか、ここ全体に日本なり、世の中なり、子どもたちなり、今住んでいる社会人なりが、いいイメージをそこに持っているとか、そこのステージになかなか夢とか、きらきらした光が当たっているんだよというようなマネージメントが入ってないんですよね。マネージメントもしますよみたいな。変な言い方ですけれども。国民のモチベーションが高まるような、ここにかかわるとイメージがいいんだというようなことのために、イメージアップとか、そういうことのために何かね。そこのこともちゃんと考えていますよというプロデュース的な発想というか、それもある意味、大家さんの責任かなというと変なんですけれども、そんなことを思いました。
 例えば、全然発想は違うかもしれませんが、グッドデザイン賞とかを取ると、格好いいフォークとかにマークがついていますよね。私もデザイナーで、例えば、何かそこにかかわっている証拠がね。素敵な小さくて、嫌味じゃないけれども、ちょっときらっとマークをつけられるとかね。これは学会であれ、企業であれ、農業であれ、暮らしの中であれ、宇宙のここにかかわった恩恵、実はこのアイデアは宇宙ステーションから来ているんだよという印を何かつけられたら、「あなたもそうなの?」とまた話題にもなるし、それが企業戦略や学会戦略にもなるのではないかなと思いました。
 あと、プロデュース的な意味で、ほんとうに来る前、ちょっとだけインターネットで「宇宙ステーション」と入れてきたんです。googleだと、子どものやつが最初に出てきて、YAHOO!とか、そういのだと、わりあいパブリックなものが一番最初に上がってきたんですけれども、どれも共通して、今どうなの? 今日、どうなの? 今上がっている人は名前は何ていうの? という今のことは出ていません。デザイナーがつくった見栄えのいい、くくりのいい検索しやすい内容は網羅していますが、今、何ていう人が人類の代表で宇宙にいるの? ロシアの人? アメリカの人? 日本の人じゃないと伝えてくれないの? 毛利さんだから話題になるの? と。でも、全然会ったことのない人でも、その人のプロフィールとか、その人に娘がいるとか、1週間に1回、人類に向ってメールを送ってくれるとか、何かそういうような。グローバルだ、グローバルだと言いながら、毛利さんだけがいつも背負っていて、うちの国の人じゃなくても関心がある。どこの人が行っているのか。こんなグローバル時代だと言いながら。何かそうしたら、もっともっと離れて上がっている、あそこで働いている人が身近になって。そこのところをぐっと改善しない限り。何かとにかく全体が暗いわりには、妙に細かいところもあるかなと。やっていることは素敵だし、絶対大事だから、もっともっと「きぼう」とかという名前もあったりするのに、イメージを明るくしたいなと感じました。
 以上です。勝手なことを申し上げました。

【川崎部会長】 どうもありがとうございました。大変大事な点なんですが、今のイメージアップも、役所がやると下手なものですから、官民協働体制で、民間事業者のほうで的確にやっていただけると、例えば電通なんかは非常にうまいだろうと思うんですね。そんなことも多分、期待があったんだと思うんですが、何か事務局のほうからお答えすることはありますか。

【上垣内室長】 最初のご指摘のありました「はじめに」が長いということなんですが、ここは、この検討を始めるにあたりまして、こういう課題に対して検討してきたということを述べているわけですが、1ページ目の一番下のところを強調するなり、総力をあげて開発してきた施設と、それだけではないだろうと。そういうご指摘については、そこはちょっと確かに、宇宙ステーションというもの、もしくはJEMというものが、もう少しいろいろな意味を持ってあるものである、それゆえに、という形で記述するべきかなと思いました。
 それから、いろいろ利用の期待されるものについては、今回のまとめで、第4章に期待される効果を入れ、最後に図表で、なるべくわかりやすくとは考えて工夫はしたつもりではあるんですけれども。

【鈴木特別委員】 今、一言目におっしゃった「はじめに」のところは、課題に対しての検討をちゃんとしているよと。まさしく、そのタイトルがついていたほうが誠実な気がする。ちゃんと課題に対しても検討しているよみたいな。「はじめに」なのか、ビジョンなのか、課題に対しての検討なのか、位置づけがはっきりしたほうが読み手に誠実さが伝わっていいかなという気がしました。

【上垣内室長】 わかりました。確かに、ここは2つの性質を持った文章が入っていますので、そこはわかるように工夫させていただきたいと思います。

【川崎部会長】 ご意見についてあまり取り入られるか、100パーセントはどうかは、また後でご相談いただきますが。
 では、小田原特別委員、どうぞ。

【小田原特別委員】 先ほども、総合科学技術会議の話をしましたけれども、今回、利用部会として、これを出させていただくにあたっては、ステーションはやるんだというのが大前提なんです。それをまずうたうにあたって、鈴木特別委員の言うような言い方が、私は、皆さんがご苦労されているのは知っていますから、そういう言い方はできないと思う。ただ、今、例えば私、去年12月から、地域のためにすごくやっているんです。それで地域で、今回出したテーマは、化粧品、あと健康食品、それにターゲットを当てたんです。それで今、ある省に出していますけれども、そのときに私は言っていることは何かというと、「中央は創薬、地域は天然発掘」という言葉を使っています。それがスローガンです。
 それと同じように、例えばステーションって何だ? と考えたら、先ほど、JAXA(ジャクサ)のほうのご報告がありましたけれども、いろいろ、こういういいのをやっています、半導体もやっています、何もやっていますと。それはどうでもいいんです。宇宙は何かといったら、人間が宇宙へ行きたい、それのための安心安全は、まさに日本の柱ではないですか。そうすると、例えばスローガン、上垣内室長が採用するかどうかはわかりませんけれども、「ステーションでの非日常的活動で導く地上の日常生活への安心安全」とかね。これをどーんと出して、それで書き上げるようなシナリオ。そういうのは非常にいいと。
 それで先ほど言った化粧品、あのときに私が言っているのは、今、化粧品は動物性の原料を使うとかが問題だと。それを植物性に変えてと、今後、アジアへ戦略的に出るときにうたっているんです。そのときに私どもが採用したのは、ハサップなんです。ハサップというのは、昔、味の素の中に、牛のエキスが入っていたと問題になったじゃないですか。あと、O−157。あのハサップは、何のことはない、宇宙開発の中から出てきているんです。だから、そういう事実があるわけですから、そういう意味で、そういううたい文句をどーんと出していただくというのは、私は、鈴木特別委員の言に力づけられたわけではないですけれども、ぜひともやっていただきたい。
 それで、第5章以降、これは非常に難しいと思います。なぜか。できましたら言っていただきたいのは、「民活にします」と言っていただきたい。だから、民の資金を導入する、こういうものを前提にして言っていただきたい。なぜか。こういう書き方だと、一番最初に書いていただかなければいけないのは、ニーズのパーセントが幾らあって、それで出てくるのは5年間で何百億なのかとか、そういう事業的な目安を出していただかなければいけないんですが、添付の澤岡先生の資料を見たって、何ら数字が出ていない。これは今、大学でさえ、大学発ベンチャーは事業計画を出せとやっていますよ。それからいくと、いわゆる初めてのものだから、もちろんそこで数字は出てこないかもしれませんけれども、変にこれを民活という言葉だけで走ると、これはタカリが集ってきます。これはだめです。だから、そういう意味では、しっかり競争的資金の流れがどうで、それで民間の資金がどうでと。もしそれが見えないんだったら書かない。そういうふうにしないと、第5章以降は非常に危ないと思います。

【川崎部会長】 非常に大事な点をご指摘をいただいたと思いますが、今のどういうキャッチフレーズにするかというあたりは、これからもう少しお知恵をいただきながら考える必要があろうかと思いますが、今の民活の点については、実は当初、中間報告までの段階では、かなり「民活」という言葉があったんですが、「民活」という言葉は、英語にもなりにくいし、中身がわからないということもありましたので、今回の報告では、すべて「官民協働体制」という形で整理をいたしました。それから、資金とか、事業の計画性の問題については、まだ残念ながら、JEMの総利用資源量が、パーセントではわかっていますが、実行時間等まで入れますと詳細が詰められないので、なかなかわからないんですが、ただ、今わかっている国として重点化すべき研究分についてを引き算をしますと、例えばクルータイムでは1割強。ただし通信については、アメリカのTRDS(通信衛星)を使えば3割強の余裕がある。ただし、日本のだけを考えると1割弱しかないと、一応の分析をやった結果で、この有償を出すという言葉では出しております。そういう意味では、報告書にそこまで書き込めないのはちょっといろいろ事情がありますが、一応検討しましたので、大変鋭いご指摘だと思いますが、後段のほうは十分考えていますので、今後のJAXA(ジャクサ)等における民間との検討で参考にしながらやっていただければと思っております。
 前半のほうは、鈴木さんのご意見もあって、「はじめに」をどういうタイトルにするか、もう少し上手に短い文章に書くかというあたりは検討させていただければと思います。
 はい、河野特別委員、どうぞ。

【河野特別委員】 私、JEMのつくるほうに関係がありましたので、そういう関係から、今後、JEMがどれぐらい使われるかということと、予算とも関係するんですが、きちんと利用・運用していくためには、維持(メンテ)というのが非常に重要だろうと思うんですが、それがあまりメンテナンスという言葉がなくて、性能・機能を維持するというようなところで、そういう業務をやるんだと書いてありますのでいいんですが、ここら辺は何か具体的にどういうふうにやるかと。例えば、これは安全部会でも言ったような気がするんですけれども、多分、地上で実際につくった人がいるかいないかというのは非常に重要だと思っております。地上には少なくともエンジニアリングモデルぐらいしか置かないということなので、これは実際、上に上がっているのとどの程度違うか、ちょっとよくわかりませんが、実際のものではない。それから、そこら辺の技術を知っている人がいないとまずいだろうと。技術といっても上っ面ではなくて、非常に細かく知っておられる方が必要じゃないかなということがあります。
 そこら辺をJAXA(ジャクサ)のほうでは、NASDA(ナスダ)の時に設置した宇宙開発高度情報化推進委員会において、今までのデータを集めて、それを分析するということをやっておられるんですが、そこでほんとうにJEMのフライトモデルと同じようなものを再現できれば、かなりいいかなということもあって、そういうのを考えていただきたいと思うし、限られた予算の中ですが、必要最低限のことをしっかり押さえてやっていただきたいと思うんですが、その辺はどういう状況でしょうか。

【上垣内室長】 まず、この報告書で言いますと、確かに要員の確保ということを、JEMの運用については、実際に開発の技術に携わった人をどう確保していくかということの重要性も考えた上で、企業の選定のスケジュール等を考える必要があるということで、それは十分認識した上で書いているつもりです。
 実際、細かいところで、今ご指摘のあったようなところで、では、どういうふうに実際に軌道上の機能を維持するために、地上のシミュレーター等を整備していくかということについては、ちょっと……。今、確かに河野特別委員の言われましたように、地上にはエンジニアリングモデルしか置くことができませんので、そこはまずやはり、今できることとしては、技術情報なり、シミュレーターなりの機能を上げて、きちんと地上でシミュレーションができるような、もしくは軌道上の状態が把握できるような体制を整備するということで、JAXA(ジャクサ)のほうでやっていると思います。全く同じものを置くことはできませんので、そこをどういうふうに技術的に補完していくかというのは、今後も引き続いて考えていく必要がある課題だとは思っております。

【川崎部会長】 大変難しい話ですが、斉藤特別委員、いかがですか。

【斉藤特別委員】 ここに平成15年6月25日の議事録がありまして、このとき、たしか中間報告の審議をしたと思います。で、鈴木特別委員はいらっしゃらなかったんですが、この議事録を見ると、私は鈴木特別委員が今おっしゃったようなことと、どうも同じようなことを申し上げたような気がします。
 ただ、ちょっと非常に客観的な頭で聞いていましたら、ここに書いてあるのは、マニュアルが書いてあるのかなと。ステーション運用・利用の今後の進め方と書いてありまして、どうも私は中間報告のときは、国際宇宙ステーションのビジョンということを、これが示してあるのかなと、私はどうも誤解をしていたんじゃないかと思っているんです。実は全体を見てみますと、ブッシュは宇宙開発全体のことをしゃべっているんですね。ここで審議をしていて、国際宇宙ステーションの運用とか、利用とかをどうするんだ、ああするんだとかということを考えていたら、これは印象なんですが、ブッシュは、もうそこには目がなくて、月へ行っているとか、火星に行っているとかというイメージが非常にあることを私は今日、知りまして、一生懸命、1年かかってマニュアルづくりをしていたら、世の中は、どうも、もっとほかのところに目が向いているのかなと。日本では、ISS/JEMが間もなく構築されて、あそこで非常に有意義なことができるぞと、あそこに視野を持っていっていたら、どうも世界は違う方向といいましょうか、そういう価値観でJEMを見ていないのかなという気が今日、実はしてきたんです。
 それからもう一つ、井口委員長がおっしゃった有人計画というので、日本で、どんどん遅れていっているとすれば、この国際宇宙ステーションの我々のいわば素人が見ているイメージとは、ちょっとどうも違いそうだなという感じが非常にしているんですよ。
 ですから、私は、せっかく最終報告で、マニュアルというようなものをいろいろな形でつくっていたら、どうもちょっと違う方向だぞという気がしていまして、このことを変えるというよりは、こちらの世界の動き、あるいはISSにおつき合いをしているほかの国が、一体、国際宇宙ステーションに対してどういう思惑で今いるのかなということが、逆に、こういう報告の資料として必要になるのかなという気がいたしました。これだけ単独で歩き出しちゃった場合に、ちょっと誤解がありそうだなと。私の誤解で済めばいいんですが、世の中の誤解にならないような形のものが必要なのかなという気がしております。ですから、これを鈴木特別委員の言うように変えろというのではなくて、これの理解資料みたいなものがですね。私は今日、2時間伺っていて、もしかしたら、そういう状況なのかなという気がしましたので、そこら辺、私の知識のなさであればいいんですが、ちょっと印象が1年の間に変わってきてしまっているなという気がいたしました。

【川崎部会長】 非常に鋭いご指摘で、そのとおりだと思います。というのは、このISS利用専門委員会で議論をする段階は、先ほど来出ています総合科学技術会議のほうから、どういうふうに民間の能力を活用して効率化を進めるかという大きい宿題があったものですから、どちらかというと、ISSを運用・利用していくにあたって、どういう形で官民協働体制を組むかというところに移りましたので、今、斉藤特別委員ご指摘のように、そういう意味のマニュアルになっています。それから、先ほどの河野特別委員と小田原特別委員から、あるいは鈴木さんのご指摘があった、ISSはこんなにいいものだから、こういう趣旨でやるんですよというところのほうが少しウィークになったというのは否めないかもしれません。どうぞ。

【中嶋特別委員】 私も、これの利用には大分関与しているので、今さら意見するのも何ですが、できましたら、今後の進め方についてタイムスケジュールを具体的に入れていただくとありがたいなと。いついつまでに何をやるんだと。そうしませんと、これは「少年老いやすくして学なりがたし」で、どんどん宇宙飛行士も年を取りますし、それから、上ってみたら、ISS/JEMというのが幽霊船になっていたということになったら困るという感じがちょっとしましたので、いついつまでに何をやるかと。それができるか、できないかというのは、もちろんやってみなければわからないところもありますけれども、なるべくタイムスケジュールをはっきりさせたほうが理解がいいのかなという感じがちょっとしたので。

【川崎部会長】 今の点は11ページのところに、官民協働体制の具体的な作業を進めるための第一歩である、どんなふうにして選ぼうかとか、どういう内容を民間に当初期待しようかというような点は、平成16年度中をめどに、そういう方法論について検討しなさいというところまでがスケジュールとして入っていまして、あとは今のJEMがいつステーションに取りつくかと。取りつけられてから1〜2年というのがタイムスケジュールで、この中で一応入っております。そういう意味では、もう少しわかりやすくするというのはあるかもしれませんが、中嶋特別委員のご指摘の点も入っているんです。
 先ほどの斉藤特別委員のご指摘の点に戻ると、大きい宇宙開発の我が国のビジョンというのは、前に委員会で長期計画を出してあるわけで、その中のワン・オブ・イッシューが、このISSなんです。ですから、この利用部会では、そういう意味でいえば、宇宙利用全体のブッシュ・ビジョンに相当するものは、ちょっとマンデート外ということになりますので、ご期待には沿いにくい点があると思いますので。

【鈴木特別委員】 でも、入れたほうがいいですよね。ビジョンは、絶対、どんな部分であろうと、それがなければ、ほんとうに理解されないし、命が宿らない気がします。

【川崎部会長】 ありがとうございます。心強いご支援を得たと思いますので、我々のほうも少し内部のほうで検討させていただきますが、なかなか世の中、応援団ばかりではないので、すぐ、どうやったら金がもうかるの? という話がないと聞いてくれない向きもあって、あまりあっちこっち見るのはよくないんですけれども、ほんとうは、我々も鈴木特別委員みたいに、ばーんと行きたいんですけれどもね。なかなか、そうはいかないところもあります。まあ、少しご意見を踏まえて。
 ちょっと時間が、司会の不手際で超過いたしましたけれども、我々のほうの期待といたしましては、今日のご意見を踏まえて、少し修文をさせていただいて、それをもう一度、皆さん方にお送りするというプロセスを経て、会としては、この部会報告をご承認いただくと。小委員会のほうでまとめたものですので、その上に部会としてオーバーライドをして、少し修正をする形に訂正させていただくことにして。ということで、恐縮ですが、私と事務局に預からせていただいて、結果をもう一度、皆さん方にお諮りするといいましょうか、お送りした上でご意見を賜ることにしたいと思います。そんなことで、今日の会合を閉じさせていただいてよろしいでしょうか。
 大変長時間、最後にご意見を伺う時間が少なくなってしまいまして、申しわけありませんでした。ありがとうございました。
 なお、会を閉じるにあたりまして、今後の利用部会等について、事務局のほうからご説明をお願いします。

【上垣内室長】 利用部会につきましては、まず先ほど言いましたように、この報告書を修文したものを送らせていただいて、チェックしていただきたいと思います。
 今後、さらに宇宙ステーションの進め方とか、利用についてご審議いただくことが出てくるかどうかについては、今、新しいビジョンも出まして、総合科学技術会議なり、国全体として、宇宙開発の進め方をいろいろなところで議論されていますので、基本的には、この利用部会は、この報告書ができましたら、一旦散というようなことも考えておるところですが、さらに審議を必要な事項も出てくる可能性もますので、一まずはこのまま置いておいて、全体の宇宙開発等も含めまして、宇宙ステーションその他についてご審議の必要がある場合にはまたお願いしますし、ここで一区切りということでありましたら、その状況を踏まえまして、また今後続けるか、これで一旦散するかということにつきまして、後ほどになりますが、ご連絡させていただくということでお願いしたいと思います。

【川崎部会長】 若干補足をしますと、委員会のほうとして、先ほど来、鈴木特別委員と斉藤特別委員のほうのご指摘もそうなんですが、利用部会のスコープの範囲が、宇宙そのものをどう利用するかという大きなマンデートの利用部会という形になっていなかったところが若干あるような気がいたしまして、それで今のISSにやや焦点が絞られてきたのですが、そういう意味で、部会の再編成を委員会で考えた中で、とりあえずまだ利用部会としては残りますけれども、どういう審議事項が新たなマンデートとして下りてくるかというのは、まだ未定という状況なので、部会としては解散はせずに、しばらく残らせていただいておってということにさせていただこうと思います。また別の機会、例えば新しく発足する推進部会というのがありますが、あるいは安全部会、あるいは調査部会というのがありますが、そういう部会で諸先生方にお加わりいただいて、ご審議にご参加いただくということもあろうかと思いますので、その節はまたよろしくお願いしたいと思います。
 どうも長々といろいろ、間が非常にあいていましたけれども、大変申しわけありませんでした。本日はありがとうございました。

  ─ 了 ─


(研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室)

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