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宇宙開発委員会(第44回)議事録

1. 日時
  平成16年12月27日(月曜日)13時59分〜14時51分

2. 場所
  文部科学省4階 宇宙開発委員会会議室

3. 議題
 
(1)  OICETS(オイセッツ)の打上げについて
(2)  H−2Aロケット7号機による運輸多目的衛星新1号(MTSAT−1R)の打上げに係る安全対策について(報告)
(3)  平成17年度宇宙開発関係経費政府予算案について
(4)  その他

4. 資料
 
委44-1   OICETS(オイセッツ)の打上げについて
委44-2   H−2Aロケット7号機による運輸多目的衛星新1号(MTSAT−1R)の打上げに係る安全対策について(報告)
委44-3-1   平成17年度宇宙開発関係経費政府予算案について
委44-3-2   平成17年度文部科学省政府予算案について
委44-4-1   宇宙開発の現状報告
(平成16年12月14日〜平成16年12月24日)
委44-4-2   第43回宇宙開発委員会議事要旨(案)

5. 出席者
 
宇宙開発委員会委員長   井口 雅一
宇宙開発委員会委員   松尾 弘毅
宇宙開発委員会委員   野本 陽代
宇宙開発委員会委員

  青江 茂
独立行政法人宇宙航空研究開発機構副理事長

  間宮 馨
文部科学省文部科学審議官   結城 章夫
文部科学省研究開発局長   坂田 東一
文部科学省大臣官房審議官   木谷 雅人
文部科学省研究開発局宇宙政策課長   須田 秀志
文部科学省研究開発局宇宙開発利用課課長補佐   松浦 重和

6. 議事内容
 
(1) 議題1 『OICETS(オイセッツ)の打上げについて』
   独立行政法人宇宙航空研究開発機構の間宮副理事長より、委44−1について説明。

 

【井口委員長】 ここで了解いたしたい点が2点ございます。一つは、このOICETS(オイセッツ)をロシアのロケットで打上げるということ、それから総点検に関することです。まず最初のロシアのロケットで打上げることに関しまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。

【青江委員】 輸送上の問題点で何か差し障りが生ずるというのは、海外のロケットを使う場合、大体どういうケースだと思えばいいのですか。具体的に教えてください。

【荒井プロマネ】 OICETS(オイセッツ)プロジェクトの荒井が説明させていただきたいと思います。
 輸送上の問題といいますのは、実はOICETS(オイセッツ)に使っております様々な宇宙用の部品の中にアメリカ製の部品がございまして、従来ですと種子島から打上げるということでアメリカ政府の許可を得ておりました。それを今度は最終的にはカザフスタンで打上げなければいけないということで、打上げの場所が変わりますので、アメリカ政府の方に了解を得る必要がございまして、そのための作業と、日本国政府につきましても技術の輸出という点では確認すべきところがございます。その2点の観点でございます。

【青江委員】 もっと言えば中国に頼むことはできませんかね。

【荒井プロマネ】 特定の国を名指しすることは差し控えさせていただきたいと存じますが、様々な条件が整わなければいけないということで、そういう点もございます。

【井口委員長】 そうすると、今の点は許可が出るかどうかはまだわからないということですか。

【荒井プロマネ】 昨年、別のEMを使った試験で、別の国で試験をしたことがありまして、同じように処理をしております。そのときは約3カ月ぐらいで許可が下りましたので、我々としては問題ないと思っております。

【井口委員長】 他になければ、今の点につきまして宇宙開発委員会としての了解をこのようにいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。昨年9月に宇宙開発委員会が定めた宇宙開発に関する長期的な計画によると、「政府の人工衛星の打上げに当たっては国産ロケットを優先的に使用することを基本とする」としております。しかし、ただいま御説明にありましたように、打上げ時期が17年度夏期と限定されているということから、H−2A等の国産ロケットによる打上げは不可能であるということが明らかになりました。そこで、適当な国産ロケットがないということから海外ロケットによるOICETS(オイセッツ)の打上げを了解したいと思いますが、いかがでございますか。御異議ございませんので、了解するということにいたします。
 なお、間宮副理事長の説明の中に「今後、推進部会において所要の確認を受ける」というお話がありましたが、これに関しましては確かに2年前の平成15年7月31日に計画・評価部会で進行中のプロジェクトの全部の中間評価をしました。その中で「OICETS(オイセッツ)については、打上げロケットについては打上げ目標年度に向けてNASDA(ナスダ)が適切なロケットを選定していくことから、選定が完了した時点で計画・評価部会にて打上げ計画に関する確認を行う」という、記述があります。今、計画・評価部会というのは改組されまして、その役割のほとんどが推進部会が引き継いでおります。
 そこで、今の点につきましては、宇宙開発委員会の権限と責任において了解したということの説明と報告を私が直近に開かれる推進部会でお話をする、報告をするということにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

【井口委員長】 そのようにすることにいたします。
 それからもう一つ、総点検に関することですけれども、いかがでしょうか、御意見。

【松尾委員】 これは副理事長にお伺いしたいのですが、OICETS(オイセッツ)はETSという名前は冠せられておりませんが、性格上、そのカテゴリーとしては技術試験衛星に属するものだと、そう思ってよろしゅうございますか。

【間宮副理事長】 ETSが入っていると思いますが。

【井口委員長】 OICETS(オイセッツ)の最後の「ETS」というのが。

【松尾委員】 ああ、そうですか。わかりました。

【間宮副理事長】 埋もれておりますが。

【松尾委員】 申し上げたいのは、そこの言葉のことではなくて、ますますデータ取得が本質的なことになりますので万全を期していただきたいということでございます。

【間宮副理事長】 わかりました。

【井口委員長】 いや、私もなぜあのETS、ナンバーがつくシリーズに入っていないのか理由を知りたいのですが、どうでしょうか。昔のことで、事務局は御存じですか。

【須田課長】 JAXA(ジャクサ)の方から聞いているところによると、ETSシリーズは大型の技術バスについて実証するというシリーズでやっていて、このOICETS(オイセッツ)も光通信の実験ということでETSの一種ではあるということで最後に「ETS」が入っているんですけれども、シリーズではないという理解で進めていると聞いております。

【松尾委員】 紛らわしいと思いますね。

【井口委員長】 OICETS(オイセッツ)は、Optical Inter-orbit Communications Engineering Test SatelliteでETSなんですね。私も最初知らなくて、聞いて初めて知りました。
 それから、OICETS(オイセッツ)は質量が570キログラム、いわゆる大型、小型に分ければ小型衛星で、しかも低軌道に打上げるものです。ということで、宇宙開発委員会の了解事項としては、JAXA(ジャクサ)が実施したOICETS(オイセッツ)の点検結果については、この点検作業は衛星総点検専門委員会において、その妥当性が確認されている手法を用いて行われ、また、これまでの衛星総点検専門委員会におけるASTER−E2、ALOS及びETS−8の総点検に関する調査審議を通じて、JAXA(ジャクサ)内において衛星の点検手法が確立し成熟するとともに、JAXA(ジャクサ)の点検能力が向上したと認められることから、この点検結果を了解したいと思いますが、御異議ございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【井口委員長】 御異議ございませんので、了解ということにさせていただきます。どうもありがとうございました。

(2) 議題2 『H−2Aロケット7号機による運輸多目的衛星新1号(MTSAT−1R)の打上げに係る安全対策について』
   松尾委員(安全部会長)より、委44−2について説明。

 

【井口委員長】 前と変わったことと言えば、委託のところですね。

【松尾委員】 その委託元の方も、とにかく安全についてはJAXA(ジャクサ)の指示に従うものだということをはっきり規定されています。

【井口委員長】 今日の、まだ最後になりますが、議事要旨、44−4−2の一番下に、前回、青江委員からロケット打上げの受託者及び関係者が実施する作業に関する安全評価についてもJAXA(ジャクサ)が責任を持ち、適切に行うものであるというのを確認されましたが、この議事録の御確認はいただくといたしまして、青江委員の御発言があり、その点についての確認は前回も行われております。ということで、よろしいですか。
 それでは、H−2Aロケット7号機による運輸多目的衛星新1号の打上げに関する安全対策につきまして、了承といたしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【井口委員長】 御異議ございませんので、了承といたします。ありがとうございます。

(3) 議題3 『平成17年度宇宙開発関係経費政府予算案について』
   事務局の須田宇宙政策課長より、委44−3−1について、松浦宇宙開発利用課課長補佐より、委44−3−2について説明。

 

【青江委員】 幾つかのプロジェクトが1年程度の先送りになっていますね。これは宇宙開発委員会としましては、それはいわゆる展望した計画がそのように円滑に進捗していないということ、することができないということは大変残念だと言わざるを得ません。ただし、それが何でそうなっているかといえば、予算の総額が1,700億余りに限定されているからです。だから、やはり、ここ数年にわたります宇宙関係の予算がずっと落ちてきている事が大きいと思います。来年度においては、その落ち具合が少なくてよかったと、こういう話がありましたが、そのずっと落ちてきたことで、我が国の宇宙開発にとって本当に深刻な部分、出ているんだと思います。
 ですから、宇宙開発委員会としましても、もう少しそこのところをよくよくきちんと分析をする、把握をする。そうした上で総合科学技術会議とか、そういったところにしっかりと委員会なりの考え方というものを、次年度に向けて言っていかなければと思ってございます。例えば次年度の夏期へ向け、どういうようなJAXA(ジャクサ)としての資源配分を考えるのかといったことにつきましても、やはり委員会としましては少し強い関心を持って聞いていかねばならないのではないか。そうした上でどういうふうに対応していくのか考えていきたいなと思っています。
 以上です。

【井口委員長】 いかがでしょうか。まあ、同感としか言いようがないといいますか、結局、日本の宇宙産業というのは民間部分が少ないですから、政府の予算に頼るところがかなり大きく、それが減ると産業界の規模も小さくなっているのですね。それがいいことか悪いことかということも一つの大きな問題だろうと思われます。産業界もお金が来なければ、それだけの仕事が少なくなり、したがって人を減らしてきますから、現実には、JAXA(ジャクサ)は三つの機関が統合した分、人数が増えていますが、産業界で宇宙開発に関係している人数というのは減っているんだろうと思います。その辺も踏まえてしっかり基盤のところから、その問題点をしっかり認識していく必要があるように私も思います。

【青江委員】 産業界が小さくなったからどうこうということでは恐らくないんだろうと思います。産業界には日本の宇宙開発、非常に大まかに言えば、ものづくりの部分を担当してもらっているわけでして、ここが力が弱くなる、脆化してくるということになると、日本の宇宙開発自身の力が非常に多く損なわれ、だから悪いのではと思います。

【井口委員長】 つまり、やはりシュリンクしていくというのは魅力がなくなりますね。そうすると、例えば大学の新卒の就職というのはまだ影響するのは先の話ですが、もう既に魅力を失いつつあるのではと思うのです。

【松尾委員】 だから、人が減るということが単に規模が減るのではなくて、質の劣化にすぐつながりかねないというところが私は一番問題だと思いますね。数が減っているというのはかなり統計で出ていますね、このインダストリーも。

【坂田局長】 予算の問題は大変大事な問題だという具合にまず考えていますが、若干、17年度の予算について言えば、事務局も私どももそれなりに努力をして、財務省からの予算査定については、実は対前年度から仮に減るとしても、もう少し減り方を少なくできないものかということで努力もいたしました。また、宇宙を非常にサポートしていただいている多くの議員の先生方もいらっしゃいますが、こういった議員の先生方もそれなりに活動していただきました。大変ありがたいことに活動をすごくしていただきました。その結果として、今回、マイナス34億ということになりましたものですから、先ほど説明がありましたとおり、決して満足ができるものではございませんが、やむを得ないということで受け止めた次第です。
 そこで、どうやって宇宙開発を盛り上げていくか。これは国の課題として非常に大事であるということは言うまでもございません。私ども今思っているのは、まず基本的なところの宇宙技術の開発の重要性を国家として認識しなければいけないということから、第3期の科学技術基本計画が18年度から始まりまして、既に第3期科学技術基本計画策定に向けた動きがいろいろなところで始まっております。恐らく来年の6月頃までには骨格が決まると思いますので、その中にこういう宇宙の技術のようなものの重要性をどうやってしっかり位置付けていただくかが重要です。
 現行第2期の科学技術基本計画は、率直に言って、いわゆる重点4分野というのがまずあって、その次の4分野の中のフロンティアという大きな括りの中に宇宙は入っているわけです。現実に宇宙の中身を見れば、宇宙という技術があるわけではなく、いろいろな技術の集合体でありますし、その中には情報通信の技術もありますし、環境監視の技術もありますし、まあ、あえて言えば宇宙ステーションでも生命科学の実験もやりますし、いろいろな形で重点4分野と重なっているところもありますが、しかし、ざっくりした切り方として重点4分野以外という大きなある種の位置付けがあることは、やはりこういう予算をとっていく上で一つの、我々から見れば障害になっている。あえて、余り適切な言い方ではありませんが、今のように科学技術予算が全体としてゼロという中で、どこかが突き出ればどこかがへっ込むということになれば、突き出る方に行くかどうかということになるとなかなか難しい面がどうしても出てくるわけです。
 そういうことですから、元に戻りますが、第3期の科学技術基本計画の中にこういう宇宙の分野の技術をどういった形でどのようにしっかり1軍として位置付けていただくか、これは当面最も大事なことではないか。そのことは18年度以降の概算要求に関係してくると、こういう具合に思っています。
 既に省内における審議会の中で基幹技術というとらえ方、これは別に宇宙だけではありませんが、一つこういう国力を示すようなシステム技術といいますか、そういったものの重要性、そういったものをしっかり涵養していくことが国家として大事だという観点で議論を進めております。また、当委員会の方にもまとまれば御紹介できるところがあるかもしれませんが、是非、宇宙開発委員会としても、宇宙という切り口の中でこの分野の国にとっての重要性についても御議論いただいて、そういった御議論の内容をいろいろなところで反映できるように働きかけ等、まあ、事務局は当然、成り代わってやるべきでございますが、先生方にも機会あるごとにそういう形で関係各省にお話をいただくような機会を持っていただければ大変ありがたいという具合に思っております。
 いずれにしましても、さらに努力していかなければいけない。そうでなければ、いろいろな意味での宇宙の技術基盤、人材基盤、産業基盤が損なわれるということは国損に通じていくのではないかという意識でございます。

【井口委員長】 先ほど2年前に計画・評価部会で進行中のプロジェクトの中間評価をしたというのがありましたが、多分、来年は、それを我々もやることになるのではないかと思います。それを踏まえて、ともかく今、日本の最も重要な課題が安全・安心の確立と維持ではないかと思いますし、宇宙がそれに大きな貢献ができると思うわけです。そういうこともあり、また、限られた予算をいかに効率よく使っていくかという課題もあると思いますので、来年の中間評価にそれを生かしたいと思います。

(4) 議題 『その他』
   以上で今日の議題はすべて終わりましたし、今年の宇宙開発委員会は今日で終わりということでございますが、何か特に御発言ございますか。どうぞ。

 

【坂田局長】 私から先生方に一言お礼を申し上げたいと思います。
 昨年のH−2A6号機の打上げ失敗がありまして、去年の12月からいろいろな技術、体制、政策、各方面でいろいろ検討事項、大変だったわけですが、先生方の獅子奮迅の御尽力、御努力、また、御協力をいただきまして、必要な所見等、11月末までに終えていただきまして、12月8日に打上げ再開の準備に入るという段階までまいりまして本当にありがとうございました。もちろん、来年、打上げ再開というのが大変大きな出来事といいますか、是非成功していただきたいと私ども思っておりますが、いずれにいたしましても約1年間、大変な時期がございましたが、ようやく本来の軌道に乗っていけるという状況になりましたこと、年末ではございますが、事務局を代表して心から御礼申し上げたいと思います。
 あわせて、今日はJAXA(ジャクサ)の方もいらっしゃいますから、是非来年に向けてしっかり取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

【井口委員長】 どうも御丁寧なねぎらいの言葉をいただき、ありがとうございます。来年こそは前進また前進というふうにいきたいと思います。
 それでは、これで第44回宇宙開発委員会を閉会にいたします。どうもありがとうございました。

  【以上で議事は終了】

─了─


(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

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