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安全部会(第2回)議事録

1.日時   平成16年12月20日(月曜日)14時〜15時30分

2.場所   経済産業省(別館)9階 944会議室

3. 議題
(1) H−2Aロケット7号機の打上げに係る安全対策について
(2) その他

4. 資料
安全2-1-1   H−2Aロケット7号機の打上げに係る安全評価について
【補足説明資料】
安全2-1-2   H−2Aロケット7号機による輸送多目的衛星新1号
(MTSAT−1R)の打上げに係る安全対策について(案)
安全2-2   宇宙開発委員会 第1回安全部会 議事録(案)
参考資料2-1   ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全評価基準
(平成16年12月13日 宇宙開発委員会安全部会)

5. 出席者
  宇宙開発委員会調査部会部会長   松尾 弘毅
  宇宙開発委員会調査部会部会長代理   青江 茂
  宇宙開発委員会委員長   井口 雅一
  宇宙開発委員会委員   野本 陽代
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   熊谷 博
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   中村 順
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   佐藤 吉信
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   長谷川 和俊
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   花田 俊也
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   雛田 元紀
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   馬嶋 秀行
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   宮本 晃
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   竹ヶ原 春貴
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   松尾 亜紀子
  宇宙開発委員会安全部会特別委員   藤原 修三

  文部科学省官房審議官   木谷 雅人
  文部科学省研究開発局宇宙政策課長   須田 秀志
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   水藤 貴靖
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   古田 裕志

【説明者】
  独立行政法人宇宙航空研究開発機構打上安全評価室長   福島 幸夫
  独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙輸送システム技術部長   高塚 均
  独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙輸送プログラム推進室輸送安全課長   特手 重樹
  独立行政法人宇宙航空研究開発機構射場運用室   佐藤 寿晃

6. 議事内容
(1) H−2Aロケット7号機の打上げに係る安全対策について
「安全2−1−1」についてJAXA(ジャクサ)福島室長から説明があった。
主な発言は以下の通り。

【松尾部会長】 最初の説明は、非常に単純に言うと、打上げ4日以前と以後で役割体制が分かれており、4日前はどちらかというと右側の図で、そのそれぞれにJAXA(ジャクサ)側が加わる形でモニターしている。4日前以後になると、左が主になって、その中に右側のロケットシステムの方が組み込まれる。ただし安全上の話については、JAXA(ジャクサ)が全期間にわたって責任を持つ、ということでよいか。

【福島室長】 その通り。

【松尾部会長】 このような形をとっているのは、このロケットシステムへの委託による打上げが過渡的なものであるためと考えてよいか。

【福島室長】 過渡的というか、これまでも打上げではなくて組立て整備作業については、ロケットシステムを頭にした契約体制をとり作業を行っていた。今回契約的に従来と異なるのは、今までは打上げ4日前でJAXA(ジャクサ)側にロケットの所有権が移り打上げを行っていたが、今回はロケットがJAXA(ジャクサ)に移らないでそのまま契約を委託されて打上げ作業を行うところ。

【雛田特別委員】 何日前というのは、打上げ時刻によって大分違ってくると思う。例えば、深夜に打ち上げる場合と昼間に打ち上げる場合で、4日前というと一体いつなのか。そういう表現でいいのか。通常そのようにしており、ISASもしていたと思うが、厳密にやると、責任の問題もあり、打上げから何時間前とか、どの作業までとかというように定義しないといけないのではないかと思う。
 もう一つ、例えば整備作業を行っているときに人身事故のようなことが起こった場合、このときはこの部署のこの部門の人に責任がある、という想定はしているのか。それとも、全部JAXA(ジャクサ)担当者の責任というようになるのか。そういうスタディはしているのか。

【福島室長】 まず第1点目については、正確にはY−3という数字を使っており、1日や半日ぐらいの打上げ時間の差は出てくる。

【雛田特別委員】 Y−3とかY−4で分かれるのではなく、作業で責任が分かれるわけか。

【福島室長】 その通り。正確には、整備作業が終了した後そこで審査会を行い、打上げフェーズY−3の発射整備作業に移った時点でJAXA(ジャクサ)の責任になる。

【雛田特別委員】 レビューが終わってから、責任が移るということか。

【福島室長】 それは明確である。

【雛田特別委員】 了解した。

【松尾部会長】 作業で分かれていて、今はレビューが終わるのはY−4後だと想定している、ということか。

【福島室長】 その通りである。
2件目のヒドラジン等の事故が起きた場合の話であるが、まず包括的にはJAXA(ジャクサ)が責任を負う。ただし……。

【雛田特別委員】 あらゆる事態に対して責任を負うということになると、先ほどおっしゃったことと責任の分担が違うように思うが。

【福島室長】 安全については、2ページの上に書いてあるが、JAXA(ジャクサ)が全期間を通じて全体的な責任を持っている。ただ、監督は当然JAXA(ジャクサ)が行うということで、組立て整備作業では実行上の危険作業はロケットシステムが監督する場合もある。その体制を含めて、JAXA(ジャクサ)が監督しているという形になる。

【雛田特別委員】 了解した。伺いたかったのは、すべてのフェーズにわたって、何が起こってもJAXA(ジャクサ)が責任を持つということにしてあるのかということ。そうではなくて、整備作業の段階までは、RSCのしかるべきところで責任があるのか。あらゆるものについて全部、全打上げ期間にわたってJAXA(ジャクサ)に責任があるということではないのか。

【福島室長】 全期間にわたってJAXA(ジャクサ)が責任を持っている。

【雛田特別委員】 了解した。

【福島室長】 蛇足だが、整備作業については、JAXA(ジャクサ)はロケットシステムや各社が行う作業について安全手順、設備の注意事項等手順書が安全上問題ないか確認しており、大きな危険作業についてはJAXA(ジャクサ)の職員が同時に立ち会うことにしている。

【雛田特別委員】 くどいようだが、手順はいいが、不幸にして何か起こったときにはすべての責任はJAXA(ジャクサ)が持たれるということか、というのが質問の主旨。いろいろやって問題が起こらないようにするということは理解できるが、何か実際問題として起こったときに、RSCは責任がなくて、JAXA(ジャクサ)が全部責任を持つという意味でよいか。

【福島室長】 その通り。

【雛田特別委員】 それで本当にいいか。

【福島室長】 少し奇異に感じるが、JAXA(ジャクサ)が監督責任を持っているので、最終的な責任はJAXA(ジャクサ)にある。

【青江委員】 少し法律的に整理をした方がいいと思うが、今、雛田先生が言われたことに対しては、JAXA(ジャクサ)は契約上負っている責任についてのみ責任を持っている。安全評価を行うに必要があるものはすべて契約上JAXA(ジャクサ)が責任を持つように契約関係は作ってあり、これが契約上責任を持っている範囲になる、ということ。
 もし万が一事が起き、それがいわゆる第三者に損害を与えた場合、誰が本当に損害賠償の責めに応ずるかというのは、契約関係や実態をよく見きわめる必要がある。それはすべてJAXA(ジャクサ)が負いますとは言えないはず。そこまで言ったら、多分過剰に責任を負うことになると思う。
 第三者に損害を与えた場合の責任については、その実態と契約、この両方を鑑みて、誰が責任を負うかというのは決まってくるということだと思う。

【雛田特別委員】 了解した。

【青江委員】 ただし、いずれにしろ、ここで安全評価をするために必要なすべての素材については、JAXA(ジャクサ)が契約上すべて権限を持っており、責任を持って、ここでこのように対処すると言える状態を作っていると、これは言えるわけである。こういう理解でよいか。

【福島室長】 その通り。

【井口委員長】 ここでの審議はそれでいいと思うが、私が9月に青江委員と御一緒に種子島に行き、たまたまMTSAT−1Rの整備を見せてもらった際、そうではないとは思うが、何かあの区域というのは治外法権のような感じを受けた。それはある意味当然の話で、ロラールが要するに責任メーカーであって、秘密保持は許されているわけである。そういう状態のときに、今の雛田先生の、何か事故が起こったときに踏み入めるのか否か、その辺の契約はどうなっているのか。
 これとは違うと思うが、沖縄で米軍のヘリコプターが大学に落ちたとき、日本は近づけなかった。あんなことがあるのか、ないのか。
 こういう委託の問題というのは、これからどんどん発展する可能性があると思う。今度は別の国の非常に秘密保持を要求されるようなものを打ち上げるということもあり得る。その前例にもなるので、その辺どうしておられるのか伺いたい。

【佐藤開発部員】 先ほどから出ている責任という言葉に非常に広い意味がある。監督責任という言葉は、先ほどから福島が言っているJAXA(ジャクサ)が負っている責任の全体という言い方になる。金銭の賠償責任については、Y−3以降の打上げで最も危険性の高いところにおいてJAXA(ジャクサ)にその責任を集中させるという大臣認可の特約が既に結ばれており、打上げで何かあった場合にはすべてJAXA(ジャクサ)が第三者への損害賠償を行う。それ以前の組立て整備作業中の話については、ロケットシステムの保険等で賠償していく。その金銭賠償と監督責任という責任の中での違いは出てくる。
 それと、治外法権というような話があったが、実際、米国の技術に関する取り決めがあり、JAXA(ジャクサ)であってもすべての技術を出してくださいとはなかなかいかない形になっている。
 安全上何かあった場合には、JAXA(ジャクサ)の設備でやっているということで、JAXA(ジャクサ)としてはそこに踏み込む権利を持っている。ただ、本当に彼らの秘密の最後の部分に触れるようなところまで全部出せと言って出るかについては、ある程度交渉が必要になってくる部分が出てくると考える。

【井口委員長】 事故が起こったときか。

【松尾部会長】 幸い衛星側であるからとりあえずそういうことはないのかもしれないが、いずれ問題になる可能性がある。

【井口委員長】 ヒドラジンがある。事故が起こってからでは遅いのでは。

【佐藤開発部員】 我々として見るのは、やはりヒドラジンを充填したとか、火工品がどうしたとか、そういうポイント。ポイントは、安全審査をやる中でも全部データを出してもらって確実にできるか、あるいは、運用手順がしっかりしているかを見た上で、安全審査としてオーケーを出し、さらに射場に行ったときに、ポイント、ポイントで、ガスを充填するときや推進薬を充填するときは立ち会って、作業がちゃんと安全に進められているかどうかの監督は実施する。
 ただ、長い点検作業の中では、安全上は危険作業ととらえられていない彼らが独自に行う電気チェックなどがあり、そこはJAXA(ジャクサ)としては見られないという形で整理されている。

【青江委員】 安全部会では安全評価をしなければならない。その安全評価をするために必要な部分については、商業機密等に関らず、JAXA(ジャクサ)は全部開示を受けてチェックをしているということをはっきり言っておいていただきたい。言ってもらわないと困る。

【佐藤開発部員】 承知している。ただ、日本の衛星と全く同じデータが出てくるわけではないので、JAXA(ジャクサ)としては、例えば、米国のある基準に基づいた成績書が出ればOKとするという、公的機関のデータを見ながらそれが安全かどうかを判断して、最終的にはOKを出しているという形になる。

【青江委員】 安全部会が行う安全評価に必要とされるものは、100%把握をしている必要がある。

【佐藤開発部員】 把握という意味では、我々としては100%把握してここに出している。

【青江委員】 把握をし、そして、それに対してコントロールの権限は持っている、そこさえはっきりしておいてくれれば、あとは安全評価に必要ない部分についてどれだけ商業機密があろうが関与しない。

【松尾部会長】 要するに、JAXA(ジャクサ)が判断できるだけの材料は開示させていると、そういうことか。

【佐藤開発部員】 その通り。

【佐藤特別委員】 今のことに関連してなのだが、結局、Y−3以降の権限とY−4以前の責任が違うということだが、Y−3以降に起きた事故というのは、往々にしてその原因がY−4以前にある場合が多いわけであり、Y−4とY−3との権限の引き渡し、安全計画の引き渡しが極めて重要になってくると思うが、その辺は十分に詰めているのか。

【松尾部会長】 安全にかかわることについてはY−4もY−3も何の境目でもないというのがここでの理解である。金銭的な賠償責任のような話になった場合にはそこの細部があるいは出てくるかもしれない。ただし、監督責任あるいは安全にかかわる責任、我々に対する責任ということに関しては、Y−何とかという日は何の関係もないというのがここでの理解である。


(2) H−2Aロケット7号機による運輸多目的衛星新1号(MTSAT−1R)の打上げに係る安全対策について
「安全2−1−2」について宇宙政策課水藤補佐から説明を行い、了承された。
主な発言は以下の通り。

【宮本特別委員】 落下地点の図を出していただき感謝する。細かい点と、ヒューマンエラーについて話を聞かせていただきたい。以前の委員会でも、人間工学的な配慮がどうなのかという話があった。例えば、9ページの安全管理体制の中程に、すべての安全上の問題は射場安全主任等に報告され処置されているとあるが、どのレベルまで報告がいっているのか。
 例えば、事故は今まで起きてないのはもちろんわかっているが、その下のインシデントや「ヒヤリハット」のレベルまで全部いっているのかどうか。今までなかったならなかったで結構であるが、実際にどの程度のところまで出来ているか。

【松尾部会長】 今日、補足説明で出していただいたものの追加版のようなイメージ、あるいは、もう少し詳細なものか。

【宮本特別委員】 簡単で結構。多分宇宙開発委員会には報告されていると思うが、我々の委員会ではわからない。インシデントが幾つかあってアクシデントであると言われる。そこの芽を摘む意味でも、ほとんどなかったでも結構であるし、もし具体的に数値が出せるなら、少し数値を出していただければ助かる。

【福島室長】 資料を整理していないのだが、まず発射整備作業のY−4以前の話であるが、これはその時点でのすべての審査を行う。整備作業は1カ月以上にわたるわけだが、そこで生じた諸々の安全上の問題については、「ヒヤリハット」も含めて報告され、その時点で打上げ実施責任者の方にすべて上がるようになっている。
 それから、タイムスケジュール、特に当日の問題であるが、時間的余裕がある場合には打上げ実施責任者に報告されて指示を仰ぐことになっているが、緊急時で指示が仰げない場合には、射場安全主任、破壊の場合は飛行安全主任等へ緊急の停止のような処置権限は移譲されている。打上げ実施責任者に報告された後処理をするのが基本であるが、時間的余裕がないときはこの各主任のレベルで作業の中止、打上げ中止、諸々の緊急的な措置ができるようになっている。実績としては、先ほどあったように、警戒区域に船が入った場合などが過去あった。それ以外の項目については、私の記憶ではないと思うが、確認して後日回答する。

【特手課長】 「ヒヤリハット」も含めた小さい事故、隊員が交通事故等を起こしたというような場合も、すべて緊急連絡網を使って実施責任者に上げるような体制を作っている。

【福島室長】 過去6回の打上げを行ったわけだが、その各打上げ時の各号機対応でどういう事例があったかというのは、安全上・交通事故も含めて、整理はできると思う。

【松尾部会長】 場合によっては、スタティスティクスを委員の先生方にお送りできればと思う。オーバーオールには、出していただいた資料でよろしいと思う。中身について、そのスタティスティクスをできるものならお配りしたいということでよろしいか。

【福島室長】 結構。大至急整理して御報告する。

【井口委員長】 補足したいのだが、打上げ時間・時期を遅らせなければいけないような重大な打上げ前のトラブルについては、措置についても含めて宇宙開発委員会でおそらく全部報告されていると思う。記録を見ないとわからないが、私の記憶ではほとんどすべてだと思う。

【福島室長】 はい。

【松尾部会長】 その辺りの細かさも含めて、判断させていただきたい。

【福島室長】 どこのレベルまで整理するかというのを御相談させていただきたい。

【松尾部会長】 承知した。
 それから、一番クリティカルなのはやはり飛行保安で、打ち上げてしばらくの間いろいろシミュレーションをやられると思う。今回の6号機のケースは、それにしては少し楽なオペレーションかなと思わないでもないが、シミュレーションの中に入っていたのか。

【高塚部長】 SRB−Aが実際に分離しないケースはやっていたが、今回の失敗のように、分離したという信号が出たにもかかわらず実態的には分離していないという複雑なケースは、残念ながら入っていなかった。

【松尾部会長】 出来高として、いかなる状態でもきちんと対応できればそれでよいと思う。今回のケースは、時間としては少し遅い状況。我々が一番必死になるのは、打上げた瞬間、数秒あるいは数十秒の間であるから、そういう意味では、判断する人はもちろん楽ではないわけだが、飛行保安からいうと楽な状況だったのかもしれないという気がする。

【馬嶋特別委員】 前何回かの安全部会でも話がされ、井口委員長から先ほど機密保持のような話が出た。今までは問題がなかったので今回もないだろうと予測されるが、一応念のため確認したい。1.のところ、1ページの「保安及び防御対策」というところで、「保安及び防御対策については、適切な対策が講じられている」となっているが、我々はどのレベルかというのは判断ができない。もう一つ、今までと同じで多分間違いがないと思うが、警戒員と警備員と2つあり、おそらく警戒区域のところでやるのが警戒員、ロケットその他のところは警備員となっていると思うのだが、この辺の連携はどうなっているのか。また、これは昨今またいろいろな問題が起きてきているが、どういう対策ができるかというレベルがあると思うのだが、この文章や中身からはちょっと読めないと思う。その辺りはいかがか。

【松尾部会長】 この下敷きは1回目のときに出ている安全対策という冊子である。今手元にないのであるが、あの中に、例えばこの1.に該当するところはどういう対策がとられているかということが具体的に書かれているはずである。

【水藤補佐】 保安・防御については、前回の地上安全計画の7.6項「射場の保安及び防御対策」で記述されている。保安・防御に対しては、通常の一般のロケットの打上げに関する保安及び防御対策がこの場の対象であり、前号機及び前々号機に非公開で実施したが、情報収集衛星に係るような固有のミッションに係るセキュリティについてはそこの関係の機関で実施してもらうということで、この部会の対象外として審議をさせていただいている。
 そういう観点から、射場の保安・防御ということで、それぞれ保安物の取扱いの施設や貯蔵所について、フェンスの設置や防犯の警報装置による常時監視、さらには警備員による巡視、関係者以外の人間が立ち入れないような入退場システムの整備、ネットワークについては許可されたもの以外のアクセスができないような対策を講じるなど、外からの保安という一般的な保安について対策を講じているということをもって報告書を作成している。

【松尾部会長】 前回、この地上安全と飛行安全、両方フルセットでお配りした。ここのところをすべて御説明しなかったのはこちらの手落ちであるが、変更部分という形で重点的にお話しした。そこの記述がお耳に入っていなかったかと思う。ここで対策されているというときには、下敷きにはそれがあると御理解いただきたい。
 それから、今の警戒員と警備員のお話だったか、その辺についてご説明いただきたい。

【特手課長】 おっしゃられたように、基本的には警備員はセキュリティの確保の上での警戒を行う者、警戒員は整備作業期間中を含めた各作業フェーズごとの警戒区域を設定した場合の安全確保を行う者、ということで区別している。
 連携の話であるが、総合防災監視所は日常的な警備の拠点にもなっており、打上げの当日は射場安全主任の作業場所にもなるが、いろいろな情報が総合防災監視所に集約されていることから、実際の安全にかかわる拠点というか、本部も総合防災監視所に置くことにしている。陸上警戒、海上警戒、一部上空も入るが、それらの警戒に関する射場安全主任の所掌と、警備に関する所掌、警備主任の所掌、それが同一の場所で実施可能なように、何かあればお互いにすぐ連携がとれる体制をとっている。

【松尾部会長】 以上の説明でよろしいか。

【佐藤特別委員】 4ページ、3.の「航空機及び船舶に対する事前通報」の1つ前のフレーズだが、「より現実的な条件を検討することが望まれる」とある。ほかの部分は全部「何々されている」という肯定的な文末で終わっているのにここだけ「望まれる」ということになっているが、これはどういう位置づけになっているのか。

【水藤補佐】 H−2A3号機のころの安全部会だと思うが、この推進薬のガス拡散の予測範囲の計算が議論の対象になっていた。
 現在はこの報告書にあるように、推薬タンクが地上に落下して、全量が燃焼しないで蒸発するというような最悪条件を予測しているが、現実的には違った条件、もう少し緩和されたような条件ではないかという意見があり、今後、その研究等を通じて、より現実的な条件を検討した方がよかろうという議論があった。それについて現在、JAXA(ジャクサ)の方で研究等を実施しているということなので、ここは過去を引きずって、忘れないように残しているという状況である。

【松尾部会長】 ここのところだけ異質なことになっており、これは3号機のときに御指摘をいただいたのだが、ぱっとけりがつがず、まだ検討をいろいろやっている最中。それで、安全部会としても忘れてないよということをここで書いたということ。
 簡単なことだが、7ページの飛行中断のときの、落下限界線の括弧の中の説明が、いかにもわかりにくい。「安全の確保のために設定するロケット」、せめて「設定する」の後にカンマでもあればまだましなのかなと思うし、カンマぐらいあっただけではとてもだめかなとも思える。ここは私の方で書きかえさせていただく。

【水藤補佐】 了解した。

【松尾部会長】 要するに、刻々今やめるとどこへ落ちるかという線を、ロケットはいつも引きずりながら飛んでいるわけである。それは、落ちる場所が安全なところにある限りは何もしなくていい、ただし、それが妙なところに来たら、そこで切らなきゃいけない、その切るための境目の線であるが、この説明では読み切れないと思う。ここはそういった趣旨で書き直させていただく。

【井口委員長】 8ページの上から2つ目のブロックに「また、落下予測点が陸地にかかる場合には」とあるが、今回は正常飛行では陸地にはかからないのか。

【高塚部長】 打ち上げてからほぼ地球半周するまでは、どうしても軌道に落下点が出てくる。そうすると、地球を半周しちょうど地球の裏側にいく軌道投入直前には、やはり南米大陸上空を通過するということになる。

【井口委員長】 正常でもそうか。

【高塚部長】 その通り。

【松尾部会長】 正常でという言い方は非常にミスリーディングで、正常のときに今やめたらどこに落ちるかというのが、落下予測点になる。正常ならば地球の周りを回るわけであるから、そこに落ちるわけではない。ここで言っているのは、正常に飛んでるにもかかわらず、そこで飛行を中断したらどこに落ちるかという落下点。

【雛田特別委員】 多分、ゲートのこと。

【松尾部会長】 ゲートのことを意識しているのだと思う。

【雛田特別委員】 それはここに書いたようなものと別枠にしておいた方がいいのではないかと思う。要するに、最後の南米通過とか、オーストラリア上空通過のときは、ゲートを設けて通しているわけである。だから、はたから見れば正常、うちでよく見れば正常じゃないかもしれないという状況が生じる場合は、ゲートの運用をやりますということ。どういう言葉がいいかは別にして、今のお答えだと飛んでいる方向に落下限界線があるということになってしまう。

【松尾部会長】 ここのところは表現を考えさせていただきたい。今のところも、上から3行目に「ロケットの飛行中断機能が喪失する可能性が生じ」とあるが、それを引きずった落下予想域になっている。そうではなく、本当は正常な場合には行かないわけなので、何か書き方を考えさせていただく。

【中村特別委員】 今の8ページの下から6行目だが、「指令破壊用火工品の誤作動を防止する処置がとられて」とある。誤作動を防止する処置は最初からとってあるのではと思うのだが、これは作動を停止するのか、それとも、本当に誤作動を防止するのか。

【福島室長】 これは、2段の機体が軌道に投入された後の話であるが、その後放置しておくとバッテリがどんどん放電して電圧が下がり、エレキが論理回路を間違えて、破壊用の火工品の作動という誤信号が出る可能性がある。そのため、軌道に投入した後、2段のこの辺の火工品については回路を断にする、オフにするという処置をとっている、ということをここで表わしている。

【中村特別委員】 作動をしないようにするということか。

【福島室長】 この回路をオフにするということにしている。

【中村特別委員】 なら、そう書かれていいのではないかと思う。

【松尾部会長】 前の限定は非常にはっきりしている。

【高塚部長】 あとは、例えば、やはり火工品がついているため、真空中をずっと飛行しているとき、熱である温度以上になると自己着火して発火してしまうので、いろいろ断熱対策なども合わせて行っているということもある。

【松尾部会長】 ただ、今の御指摘は、ミッション終了後に作動しないようにという趣旨。前のところはミッション終了後にという言葉があるので、後ろを誤作動にする必要は必ずしもないような気がする。

【中村特別委員】 何か誤作動と書かれると、じゃあ、何かのときには、もう一回作動をかけることができるのかなと読める。当然完全に停止させているわけであり、またそれをデブリにするということなら、何も「誤作動防止」と書かなくてもいいのではないのかと思う。

【水藤補佐】 「誤」を削除して、「作動しないように」とさせていただく。

【雛田特別委員】 図−4のところの警戒区域であるが、これは本文のところに「運用上のため」とかいうような文句が書いてあって設定されたと思う。また、この長方形の警戒区域は、運用上のためも含めて四角くしてあると思う。この動きについて異存はないが、これがもっと足の長いロケットのSRBとなると、70キロとか80キロとかということになる。その場合、商業打上げでこのエリアをクローズすると、ちょうど漁船が通るエリアになっているので、国がやっているときはいいが、商業的な話だと、そんなに長く止めてもらっては困るとかいう話が出てくると思う。運用上のためのつなぎの部分がありますよというところが文中に書いてあったような気がするが、何ページだったか。

【福島室長】 2−1の資料の6,7ページあたり。5ページがわかりやすいと思う。種子島近傍はこの7ページの図−1(3/3)。

【雛田特別委員】 了解した。申し上げたかったのは、実態としてはそこにすき間があり得ると思うのだが、運用上1つの区域にしているところが遠くになったとき、長いことホールドすることになる。これはこの号機のみで適応するものであり、将来途切れるようなことも起こった時は、もともとすき間があるべきものを運用上つないでいたためであると明記されるのか。毎号機ごとに明記すればいいと思う。
 これは昔から微妙な問題であった。頻繁に打つわけではないので、幾らでもとればいいんだという御意見の人もいた。

【高塚部長】 多分、ロケットごとに落下物も違うと思うので、ロケットによってはあえて1つに合体させないで2つに分けるなら分けて設定するということも出てくるのかなとは思う。今のH−2Aでは、必ずしも2つに分ける必要性はないような状況になっている。

【雛田特別委員】 それは落下確率を計算して分ける必要がないとなっているのではないか。

【高塚部長】 その通り。

【雛田特別委員】 だから、将来信頼性が上がって落下確率のレベルが下がってくれば、やらなくてもいいという話になるのでは。

【高塚部長】 そうなると思う。また状況が変われば、いろいろと落下警戒域の設定の仕方もそれに従って変わってくると思う。

【松尾部会長】 今後ともここの部分は連続的に書くのだということさえ書かれていなければいいのだと思う。この号機に固有のことだと。そういう記述はどこにもないように見える。

【雛田特別委員】 運用上こうしてありますというところが、何か言葉があればいいと思う。

【松尾部会長】 もっといいかもしれない。

【青江委員】 便宜、こうやった方が今回はすっきりするからこうやっています、という趣旨のことがあればよい。そうしてあれば将来変な禍根を残さない。

【雛田特別委員】 そう思う。

【松尾部会長】 今号機、7号機が、本当に便宜なのかどうかというのは、少しすき間がありそうな気がしている。その辺はどうか。

【高塚部長】 7号機の場合は、この一番断面で長い方向が、ほとんど船舶への落下密度で決まっている。密度の方で一つの領域の長さ方向の距離はほとんど決まってしまうので、それを2つに分けるということは現実的にはあり得ないと思っている。

【松尾部会長】 それについては、今回は、ここは連続的にしますというような将来を規定するような記述がないということでよろしいかと思う。ただ、今日こういう議論があって、注意事項があったということは議事録にとどめておくことにしたい。雛田先生、それでよろしいか。

【雛田特別委員】 了解した。

【松尾部会長】 それでは、ほぼ御意見も出尽くしたかと思うが、ロケットによる人工衛星打ち上げに係る安全評価基準に則り、適切な安全対策が講じられていると判断して、本報告書案について御了承いただけたと思ってよろしいか。若干、御指摘の点もあったが、字句修正も含め、これは部会長の方に御一任をいただければ大変ありがたい。
 それでは、「7号機の打上げに係る安全対策」に関する審議については、以上をもって終了させていただきたい。なお、審議結果の概要については、後日、宇宙開発委員会にて報告させていただく。
 本日の審議をもって、安全部会の審議は終了となる。この報告書のとりまとめに当たり、貴重な御助言や御尽力をいただいたことに感謝申し上げたい。

【須田課長】 年末のお忙しい中御審議いただき感謝申し上げたい。この審議を踏まえ、今後、H−2A7号機打上げの準備に入る。順調にいけば、引き続き来年も幾つかの安全審査をお願いすることになるので、よろしくお願い申し上げたい。


(3) 議題2「その他」
事務局水藤補佐から、「資料2−2」について説明があり、原案のまま了承された。 
―― 了 ――


(研究開発局宇宙政策課)


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