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第8回調査部会議事録


1.日時   平成15年12月24日(水曜日)9時30分〜12時30分

2.場所   経済産業省別館9階 944会議室

3. 議題
(1)   環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用異常について
(2)   H−2Aロケット6号機の打上げ失敗について
(3)   その他

4. 資料
調査8−1−1   環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の太陽電池パドルに関する開発時の試験・検査について
調査8−1−2   環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用異常に関する機械的挙動の検討状況について(その2)
調査8−2−1   H−2Aロケット6号機打上げ失敗の原因究明状況について(その3)
調査8−2−2   SRB−Aの開発の考え方とノズル設計について
(別添資料については非公開資料)
調査8−3   宇宙開発委員会調査部会の今後の予定について
参考資料8−1   地球観測プラットホーム技術衛星(ADEOS)「みどり」軌道上事故を反映した環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」太陽電池パネル(PDL)の設計変更と検証試験について

5. 出席者
  宇宙開発委員会調査部会部会長   松尾 弘毅
  宇宙開発委員会調査部会委員   川崎 雅弘
  宇宙開発委員会調査部会委員   五代 富文
  宇宙開発委員会委員長   井口 雅一
  宇宙開発委員会調査部会特別委員   木田 隆
  宇宙開発委員会調査部会特別委員   小林 英男
  宇宙開発委員会調査部会特別委員   茂原 正道
  宇宙開発委員会調査部会特別委員   畑村 洋太郎
  宇宙開発委員会調査部会特別委員   雛田 元紀
  宇宙開発委員会調査部会特別委員   松岡 三郎
  宇宙開発委員会調査部会特別委員   宮澤 政文
  宇宙開発委員会調査部会特別委員

  八柳 信之
  文部科学省研究開発局長   坂田 東一
  文部科学省大臣官房審議官   瀬山 賢治
  文部科学省研究開発局宇宙政策課長   関 裕行
  文部科学省研究開発局宇宙開発利用課長   大塚 洋一郎
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   三保 和之
  文部科学省研究開発局宇宙政策課課長補佐   大島 俊之

【説明者】
  独立行政法人宇宙航空研究開発機構
 WINDSプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ
 
中村 安雄
   H−2Aプロジェクトチーム サブマネージャ   今野 彰

6. 議事内容

(1) 議題3「その他」
 事務局から、「調査8−3」について説明があった。特段の発言はなかった。

(2) 議題1「環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用異常について」
 JAXA(ジャクサ)中村プロマネから、「調査8−1−1」及び「調査8−1−2」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

【宮澤特別委員】 PFM(プロトタイプモデル(PM)とフライトモデル(FM)を兼ねたモデル)について説明があったが、このモデルを打ち上げたのか。

【中村プロマネ】 その通りである。

【宮澤特別委員】 通常、PFMについては、厳しい環境条件の中で耐熱試験が行われる。このPFMの環境試験は、振動などについて、どの程度厳しい環境条件で行われたのか。
 また、PFMの前に、より厳しい環境に耐えることを確認するためモデルは製作されているのか。

【中村プロマネ】 以前はPMとFMと分けて試験を行っていたが、最近は、PFMで試験を行っている。確かに、PM試験では、非常に厳しい環境で試験を行っていた。現在のPFM試験では、打上げ機として荷重をかけ過ぎないよう、なおかつ、設計の検証ができるよう、FMよりは厳しいが、PMよりは穏やかな条件の試験で評価を行っている。
 もちろん、PFMに至る前には構造モデルや熱モデルがあり、「みどり2」では、STM(熱構造モデル)を使って試験を行っている。 

【宮澤特別委員】 PFMでオーバーストレスをかけて試験を行うということをしなかった代わりに、STM等のモデルを用いて、熱や構造について、オーバーストレスをかけて試験を行ったということか。

【中村プロマネ】 その通りである。

【八柳特別委員】 「調査8−1−1」6ページの「P8」の熱真空試験は、宇宙環境と同様の熱と真空が定常的に与えられている環境で試験を行っているのか。あるいは、1日に何回か熱の条件を変え、サイクル試験を含めて行っているのか。また、22ページの種子島における導通確認試験は、野外で行っているのか。

【中村プロマネ】 熱真空試験については、サイクル試験を行っている。14ページに試験のコンフィギュレーションが載っているが、パドルをスペースチェンバに入れ、真空を引き、チェンバの表面を液体窒素で冷却して、宇宙環境を模擬している。まず、衛星の熱的な評価に必要なデータを取るため熱バランス試験を行い、その後、軌道上で予測される温度に長時間置いて、耐環境試験を行った。
また、導通確認試験は、種子島宇宙センターの衛星組立て試験を行うクリーンルームで、清浄度、温度及び湿度を管理しつつ、試験を行った。

【小林特別委員】 「調査8−1−1」の23ページの特記事項の(4)(5)について聞きたい。特に、28ページに、特記事項(4)の詳細が載っているが、ブランケット拝み部の亀裂及びその他の半田接続部について銅ハーネスを補強し、僅かな位置ずれを生じている箇所(7箇所)について再度半田付けした対策の有効性は、どのように評価したのか。

【中村プロマネ】 製造の結果、29ページの図にあるように、2枚のブランケットに1ミリ程度のずれが発生して力が働き、亀裂が生じたため、銅ハーネスの補強を行った。また、それ以外の7つの位置ずれが生じている箇所については、試験の結果としては問題なかったが、ずれが亀裂につながる可能性があるため、全て再度半田付けを行った。

【小林特別委員】 半田を外して、再度半田付けをしたのか。また、ずれの修正はしているのか。

【中村プロマネ】 その通りである。ずれは全て修正したので、亀裂は発生しないと評価している。また、再度半田付けを行っているので、品質としても問題ないと考えている。

【小林特別委員】 では、試験として、有効性の評価を行っていないことになる。半田に熱真空試験で熱応力が加わり亀裂が生じたのだと思う。また、半田付けした時に、母材である銅側に亀裂が生じるのは極めて異常である。応力解析の詳細を出して欲しい。

【河合(NTスペース)】 承知した。ただし、半田付け自体の熱応力で亀裂が生じているわけではない。

【小林特別委員】 しかし、半田で接合した時に熱応力を持っていたから、亀裂が生じたのではないか。

【河合(NTスペース)】 拝み部に過剰な応力がかかりやすい状態だったために亀裂が生じたと考えている。

【小林特別委員】 拝み部に過剰な応力が加わったことが亀裂の主要因であるとしても、その状態で熱真空試験を行うと、さらに熱応力が加わる。したがって、2つの応力の要因があることになる。その評価結果を教えて欲しい。
 また、半田を付け直した7箇所にどのような応力が出るのかについて評価をした結果があれば教えて欲しい。

【雛田特別委員】 「調査8−1−1」の6ページのP13で、「改修前展開機能確認」と「改修後展開機能確認」があるが、何を改修したのか。

【中村プロマネ】 P13の特記事項(6)についての改修を行った。

【井口委員長】 「調査8−1−1」の23ページに、主な特記事項が載っているが、初期故障に類するものではないかと思う。「みどり」は10カ月の運用で、初期故障はほとんど洗い出されていたが、パドルが破断した。そこで、「みどり2」では、パドルを見直し、10カ月運用できた。しかし、10カ月以降のことについて、「みどり」でデータを取ることが出来なかった。
 信頼性理論では、最初に初期故障が生じ、定常状態を経て、寿命が来て、故障率が高くなるのだが、「みどり2」では10ヶ月以降の劣化の仕方が全く分かっていない状態だと思う。もちろん、材料についてのデータはあると思うが、正しくない可能性もある。したがって、初期故障と耐久性については分けて説明して欲しい。

【松尾部会長】 特記事項で書かれているのは、初期故障ではなく、開発時の手直しについてである。したがって、開発時の手直しや試験のやり方をどのように確認していくかがポイントである。

【片木執行役】 確かに、「みどり」については、10カ月軌道上で実証が行われているので、故障した部分以外では、その時点までの信頼性は確認されている。前回の調査部会で報告した通り、軌道上でも幾つかの不具合が出ており、それが初期故障に該当するのか、あるいは、ちょっとした不具合であるのかその都度識別している。
 それ以外の不具合については、「みどり」は「みどり2」の前例にはならないが、これを踏まえて、次の衛星を作っていかなければならないと思う。ただし「みどり」も「みどり2」も、軌道上では10カ月しか持たなかったので、その範囲で、どこまで信頼性が確認されたと言えるのかは難しい問題である。

【古濱理事】 6ページのフローで、初期故障をクリアした。また、耐久性の試験について、どこまで行うことが出来たかについては再確認する。

【松尾部会長】 それが一番基本的なことだと思う。しかし、いつ寿命が来たのか議論をするのは難しい。

【畑村特別委員】 電源系が落ちると全ての測定が出来なくなってしまうので、次回衛星を打上げる際には、問題となっている箇所を測定する部分についてだけは、電源系を別に用意して、メインの電源系が落ちても、信頼性や耐久性のデータや3年取れるというような複合的な設計思想と開発思想が必要である。
 また、10カ月で衛星が駄目になったと言われるが、逆に、10カ月も衛星が持ったということが大切である。しぶとくやり続け、これまでにない設計思想を追加していくといいのではないかと思う。

【松尾部会長】 しぶとくやり続けることは大切である。そのためにも、しぶとさが要求されるほど衛星が脆弱であったという事実に対しては、潔く認めていかなければならない。当事者には、それが常に問われるところであり、周りもそれを踏まえた設計思想の変化については、理解する必要がある。

【雛田特別委員】 「調査8−1−2」添付資料の4ページで、「ブランケット中央のねじれ角 約2度」と書いてあるが、これだけねじれると、ブランケットの端の長さが変わると思うが、これは無視できることなのか。平面をねじると、中央部の長さは変わらず、両端の長さが変わる。しかし、中央部の張力だけを調整して、両端の張力は調整していない。したがって、両端が簡単に伸びてしまうと思うが、何ミリ程度伸びるのか。

【飯倉(NTスペース)】 長手方向には100ミクロン程度伸びる。また、中央部で46ミリ程度持ち上がっても、長手方向が23メーターなので、端は100ミクロンのオーダーしか動かない。また、中央部が面外振動で数ミリ持ち上がっても、定張力機構は数ミクロンのオーダーしか動かない。したがって、中央部が少し持ち上がっても、軸方向の影響は非常に小さい。

【雛田特別委員】 また、例えば、細長いパドルの両端を固定してねじった場合、中央部の長さが伸びなくても両端は伸びると思うが、それはごく僅かな量なのか。また、応力も僅かな量になるのか。

【飯倉(NTスペース)】 その通りである。

【茂原特別委員】 「みどり2」の運用異常の原因について最も可能性が高いのは、ハーネスの切断であるとされており、JAXA(ジャクサ)で精力的に原因究明が行われている。したがって、それを中心に原因究明が行われていると思うが、この2、3回のJAXA(ジャクサ)の説明を聞くと、説明が様々な方向に飛び、全体として原因究明がどのように進んでいるのか分からない。
 打上げ前の試験の説明があったが、その試験は初期故障をつぶすのが目的であり、軌道上劣化とは別の要素である。今回の事故は、劣化にあるはずであり、試験の説明はよく分かったが、これは初期故障と絡む部分であり、劣化とは関係ない。軸足は劣化にあるはずだが、劣化を起こす要因は2つある。1つの要因はソーラーフレアが異常であったことであり、分析は必要だと思う。
 しかし、劣化の最大の要因は、10カ月の軌道上の環境のストレスの蓄積であると思う。おそらく、その方向で原因究明が行われていると思うが、全体の中でどのように行われているのか説明して欲しい。例えば、初めに1枚紙を用意して、今日はこのような視点で説明をするということを説明して欲しい。

【松尾部会長】 今後検討していきたい。

【畑村特別委員】 「調査8−1−2」の11ページの図4−2について説明して欲しい。幅2.6メートルのブランケット部にかかっている荷重は、中心部に近づくほど、大きな応力が働く。しかし、中心部に負荷がかかり過ぎると故障するので、中心部の負荷がフラットにしていると理解しているが、それでいいのか。

【飯倉(NTスペース)】 その通りである。ブランケットは面内剛性が非常に高いが、プレッシャーボートやコンテナベースは面外方向に柔らかくなっているため、荷重がかかると、ブランケットがたわむ状態になる。その場合、中心部がたくさん伸ばされるため、中央部に荷重が集中する。したがって、「みどり2」では、中央部の剛性を落として弱いバネでつり、中央部の荷重がフラットになるように細工をしている。確かに、中央部の荷重を完全にはフラットには出来ないが、荷重を4分の1に落とした。

【畑村特別委員】 パドル上のハーネスが100ワットずつ切れていった時に、中心部から切れ始めると、荷重の高いものから順に切れていったと考えることはできるのか。

【飯倉(NTスペース)】 実際は逆であり、中心部は残っている。信号線が中心部を通っているため、端から400ミリ程度の部分のハーネスが切れていったと想定している。


(3) 議題2「H−2Aロケット6号機の打上げ失敗について」
 JAXA(ジャクサ)今野サブマネから、「調査8−2−1」について説明があった。
 主な発言は以下の通り。

【松尾部会長】 サーマルカーテンの温度上昇から熱の流れを逆算し、それに合うように小型固体モータで試験を行ったということだが、推定した熱の流れの誤差を考慮すると、想定される事象の時間的な遅れに変化が出るのか。

【今野サブマネ】 試験結果が「調査8−2−1」の38ページの図3.1−4に出ているが、熱量が小さければ応答は遅くなる。したがって、サーマルカーテン温度が示した温度上昇率が6℃毎秒だったので、図3.1−4から加熱率が13キロワット毎平方メートル程度になり、シミュレーションの結果、応答遅れを0.2秒以内としている。しかし、より低い温度上昇率についても応答遅れを計算しており、例えば、温度上昇率が4℃毎秒だった場合でも、0.2秒から、0.1秒変わるか変わらないかという程度の応答遅れになるである。

【茂原特別委員】 結果的には、ケース1.4のホルダB/アウタパネルの損傷による漏れ、あるいは、ケース2.4のホルダA〜ホルダB結合部からの漏れにより、熱が漏れたと推定されているが、このケース1.4のアウタパネルは、CFRPで作られており、以前の試験で過大エロージョンがあった部分なのか。

【今野サブマネ】 その通りである。

【茂原特別委員】 想定事象について、例えば、アウタパネルが一遍に破断したのか、あるいは、エロージョンにより薄くなり、最後に漏洩したのか。

【今野サブマネ】 今回は試験を行ったところであり、その途中のプロセスについては、もう少し検討が必要であると考えている。

【茂原特別委員】 また、ケース2.4について、3DC/Cで出来たスロートインサートとどの程度関連しているのか。

【今野サブマネ】 まだ検討していない。

【宮澤特別委員】 想定事象に係る解析や検証実験が行われているが、実際の状況に合わせるのは大変難しいと思う。その際、実際の温度上昇から加熱率を求め、実験条件を合わせたのか。

【今野サブマネ】 その通りである。サーマルカーテンについては、実際の温度データから温度上昇率を求め、加熱率を合わせた。

【宮澤特別委員】 解析では、上限値と下限値に幅があると思うが、その観点から、解析が行われていたのか。

【今野サブマネ】 その通りである。漏れの場所や圧力によって、解析結果に違いが出てくる。そこで、「調査8−2−1」の45ページにある通り、出口圧力を4.8メガパスカルにする以外に、2.4メガパスカルの場合でも解析している。また、燃焼ガスがノズルからサーマルカーテンの隅まで流れるのに0.12秒程度かかるが、場所による影響が大きく、フライトデータの一番粗い時間間隔は0.1秒程度なので、漏れた燃焼ガスがサーマルカーテンまで流れるのは0.2秒として評価した。

【小林特別委員】 今回は、温度上昇のデータだけから想定事象について説明されており、それも1つの証拠ではある。しかし、重要なのは、設計時に構造や信頼性について評価した観点から、外側からの漏洩の可能性は非常に低い、あるいは、ないと説明することだと思う。外側から漏洩する可能性は、構造の面からも、信頼性の面からもあり得ないと思う。

【松尾部会長】 原因究明の進捗状況については、ここまでとしたい。
 それでは、SRB−Aの審議に入りたい。この審議については、冒頭で説明した通り、ロケットの設計・製造に係る商業上の秘密並びにロケットに係る機微な技術及び情報に該当するものが含まれるため、非公開で実施する。

【 この後、部会終了まで非公開審議 】

以上



(研究開発局宇宙政策課)


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