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宇宙開発委員会(第33回)議事録

1. 日時
  平成15年8月27日(水曜日)14時〜15時15分

2. 場所
  文部科学省宇宙開発委員会会議室 (文部科学省別館 11階)

3. 議題
 
(1) スペースシャトル「コロンビア号」の最終報告書について(速報)
(2) H−2Aロケット6号機の打上げについて
(3) 宇宙開発に関する重要な研究開発の評価結果について
(4) 平成16年度宇宙開発関係経費概算要求について
(5) 民生部品・コンポーネント実証衛星「つばさ」の状況と今後について
(6) 高品質タンパク質結晶生成プロジェクトについて
(7) その他
1 宇宙開発の現状報告
2 議事要旨

4. 資料
 
委33-1   スペースシャトル「コロンビア号」の最終報告書について(速報)
委33-2   H−2Aロケット6号機の打上げについて
委33-3   宇宙開発に関する重要な研究開発の評価結果(H−2Aロケット輸送能力向上)
委33-4-1   平成16年度宇宙開発関係経費概算要求
委33-4-2   平成16年度概算要求について
委33-5   MDS−1「つばさ」の状況と今後について
委33-6   タンパク質機能・構造解析のためのタンパク質結晶生成プロジェクト第2回宇宙実験の実施について
委33-7-1   宇宙開発の現状報告(平成15年8月19日〜平成15年8月25日)
委33-7-2   第32回宇宙開発委員会議事要旨(案)

5. 出席者
  宇宙開発委員会委員長
井口 雅一

  宇宙開発委員会委員
川崎 雅弘

  宇宙開発委員会委員
松尾 弘毅

  宇宙開発委員会委員
五代 富文

  宇宙開発委員会委員
立川 敬二

  文部科学省文部科学審議官
結城 章夫

  文部科学省研究開発局長
坂田 東一

  文部科学省大臣官房審議官
瀬山 賢治

  文部科学省大臣官房審議官
木谷 雅人

  文部科学省研究開発局宇宙政策課長
関 裕行

  文部科学省研究開発局宇宙開発利用課長
大塚 洋一郎

  宇宙開発事業団理事
古濱 洋治

  宇宙開発事業団宇宙環境利用システム本部宇宙環境利用推進部長事務代理
山浦 雄一

  宇宙開発事業団宇宙環境利用事業促進室長
吉冨 進

6. 議事内容

(1)議題1『スペースシャトル「コロンビア号」の最終報告書について(速報)』
宇宙開発事業団の山浦宇宙環境利用推進部長事務代理より、委33−1について説明。

【川崎委員】
 今のオキーフ長官のコメントの中には、NASAの機構を変えるとか、そのようなNASAの体質改善に関係することは一言も出ていませんが。

【山浦部長事務代理】
 一つ、これは既に発表されていることですが、「NASAの文化を変える」と、カルチャーという言葉が報告書にあります。この一環としてNASAのすべてのプログラム、プロジェクトを幅広く調査するため、ラングレー研究センターにNASA工学安全センターを既に設置したとあります。ここがNASA全体の工学安全にかかわる調査の本部となるというところは述べていますが、それ以上に具体的なところ、例えば、誰が率いた形でこれから飛行再開に向けて何々するということは言及されていますが、それ以上は出てございません。

【川崎委員】
 技術的なことはいろいろNASAで内部でやれるが、NASA自らの組織替えはNASAがやれるかどうか。日本だとすぐに疑問にされますが、そういう意味ではいかがです。

【井口委員長】
 今の話は8ページの真ん中から下の組織、「Technical Engineering Authorityを設置し」、これではありませんか。

【山浦部長事務代理】
 恐らくこれになるとは思いますが、もう少し我々理解しないと、本当にぴったり一致かどうかはわかりませんが、恐らく、考え方としては合っているとは思います。

【井口委員長】
 しかし、今のところ、これにはRTFとは書いていないですね。

【山浦部長事務代理】
 はい、そうですね。先ほどのラングレーのものは、いわゆる飛行再開に向けたところも含めて人材を集めるとか、いろいろな対応が必要なので早目に長官が手を打った部分かなという認識はしています。

【川崎委員】
 むしろ、9ページの組織のところでRTFは要求されています。これに対する答えが、これに相当するのがラングレーではないかと思いますが。

【井口委員長】
 大変多岐にわたり、しかも、一つ一つが重い内容を含んでいるので、そう簡単にコメントできないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【立川委員】
 これからNASDAが学ぶことは何ですか。

【山浦部長事務代理】
 いろいろあると思います。今回、この報告書の中で強く言っている中に、まだこれは開発であるということがあります。いわゆるオペレーショナルというふうに考えてはいけない、開発期であるという、そこの謙虚さといいましょうか、かつ、技術に対する飽くなき追求はもう果てしないという部分があります。さらに、8号機の原因究明のときに幾つか出ましたものと共通している部分があります。例えば材料のデータベースをきちっとそろえる、あるいは失敗を忘れないで常にそれをきちんと安心せずにやるという辺は、CAIBのメンバーの方が記者会見の中でおっしゃっていましたが、我々としてもきちんと認識しなければいけないと考えております。
 ただ、もう一つは、国としての、そのような計画に対するコンフィデンスが、計画のすべてを支えると報告書のどこかに載ってございましたが、そのようなトータルなところで、どうしても宇宙開発の中でこのような難しい部分は国を挙げてやらなければならないところがあるなという認識はいたしました。もう少し、我々は、NASAがどういう対策をするかというところもあわせて学んでいきたいと思っています。

【井口委員長】
 どこかに書いてあって、安全第一という文化に関することで、例えばスケジューリングに関し、書いてありましたよね。

【山浦部長事務代理】
 例えば8ページの上の方などですね。

【井口委員長】
 その辺は、98年、99年の2回失敗した後、NASDAの反省事項並びに山之内理事長が理事長になられてから、まず自分の納得しないものは打ち上げない、まずは信頼性第一で、スケジュールを守るというのは言うならば二の次であるとしています。それに近いことで、文化を変えたと思います。

【立川委員】
 ハードウエア的に気がつくのは、映像システムを導入しろと言っているでしょう。日本でも、それはもっと早くおやりになった方がいいと思います。

【山浦部長事務代理】
 特に注目しますのは、ハイビジョン、高画質の映像をという言い方で、かなりシステムの改善を求めています。

【井口委員長】
 さらに慎重に検討して、反映すべきものがあればまた考えるという必要があるのではないかと思います。先ほどのTechnical Engineering Authorityという組織がどういう形になるのか、少々気になります。

【五代委員】
 8ページの一番下に「ウェーバを許可する唯一の機関」と言う記述があります。ウェーバというのは、あやふやなところをどのようにに判断するかですが、いろいろな企業の中でも本当のところはよく分からないところがありますね。ここの部分というのは、きちっとできたらすばらしいです。難しいとは分かっていますが、日本でもこの辺を是非御検討いただければと思います。

【山浦部長事務代理】
 はい。

【井口委員長】
 では、残りの部分はまた来週になりますか。

【山浦部長事務代理】
 ええ、そうですね。我々の読みこなす部分と、それから、NASAの方がどういう情報をこれから小刻みに出してくるか、そのタイミングによって適宜御報告したいと思っております。来週、どうなるかこの時点でまだわかりませんが、とにかく極力タイムリーに御報告したいと思っていますので、よろしくお願いします。

(2)議題2『H−2Aロケット6号機の打上げについて』
 事務局の大塚宇宙開発利用課長より、委33−2について説明。

【井口委員長】
 これも信頼性第一で、スケジュールが延びるのもやむを得ないということのあらわれだろうと思います。

(3)議題3『宇宙開発に関する重要な研究開発の評価結果について』
 川崎委員(計画・評価部会長)より、委33−3について説明。

【川崎委員】
 全然構成をお話ししませんでしたが、この能力向上型の基本的な構想は、2段目は現在のLE−5のエンジンを使いますが、1段目に直径5メートルの共同の燃料タンクを使いまして、改良されたLE−7Aエンジンを2機、燃料タンクは一つ、以上が1段目を構成します。それに固体の補助ブースタをつける、つけないというのは、いろいろなオプションとして考えられるという構想です。

【井口委員長】
 いかがでしょうか。コンフィグレーションはここに出ていませんが。

【川崎委員】
 そういえば、出ていませんね。

【井口委員長】
 当初の増強型でLE−7Aを三つ束ねるというクラスタにするというのは大変疑問に感ずるところがありましたが、そうではなくなりよかったと思っています。
 いかがでございましょうか。了承ということにいたしたいと思いますが、御異議ございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【井口委員長】
 御異議ございませんので、了承したことにいたします。どうもありがとうございます。

(4)議題4『平成16年度宇宙開発関係経費概算要求について』
 事務局の関宇宙政策課長より、委33−4−1について、また、大塚宇宙開発利用課長より、委33−4−2について説明。

【川崎委員】
 極めて予算技術的なことなんですけれども、今回、この衛星計画でWINDSその他、衛星のロケットについて見ましてもマルサイ(国庫債務負担行為)がなくなっていますが、これは2号でも立てなくてできるということなんでしょうか。それともフェーズが現在マルサイが要らない、国庫債務負担行為が要らない段階なのでしょうか。

【大塚課長】
 これは交付金の仕組みになりましたので、マルサイというそのものが予算上なくなりまして、そういうことで立ててございません。ただ、実態上、交付金はその中で独立行政法人が判断して、継続的なところ、予算も立てられるわけでございますので、そういう意味ではマルサイという制度はなくなっても、交付金という運用の中で継続的なプロジェクトが担保できるということでございます。

【川崎委員】
 内閣府の方で一部、内閣府というか行政でトライしようとしている複数年度にまたがった予算執行のモデルプロジェクトには乗らなかったのですか。

【大塚課長】
 はい。モデルプロジェクトに乗った方がいいのかといういろいろな議論がございまして、その結果、独法でございますので、モデルプロジェクトに乗らないでもこういう衛星開発、あるいはロケット開発、支障がないだろうという判断をいたしまして、乗りませんでした。

【井口委員長】
 2ページ目に人工衛星の打上げ計画の表がありますね。それから、4ページ目にも19年度までありますが、ミューファイブは決まっていないということですか。

【大塚課長】
 あまり深い意味はございません。先の方に行けば行くほど、若干不確実性が出てくるということでございます。

【井口委員長】
 すみません、19年度のミューファイブでは何か予定されていますか。

【関課長】
 19年度は、科学衛星は今の予定としては入っていないと思います。

【井口委員長】
 そうですか。ひとつよろしくおねがいします。

【大塚課長】
 予算全体としては前年度ベース、文科省全体のこの予算としては前年度近くなるということでございますが、その中で頑張っていきたいと考えております。

【井口委員長】
 この表の一番最後のページに国土交通省の「人工衛星を利用した測地位置の決定等」というのがありますが、これは準天頂衛星ですか。

【大塚課長】
 国土地理院が電子基準点の整備をしてございますが、それでございます。

【井口委員長】
 あとは大塚課長の御努力に期待いたします。

(5)議題『民生部品・コンポーネント実証衛星「つばさ」の状況と今後について』
 宇宙開発事業団の古濱理事より、委33−5について説明。

【松尾委員】
 どうして、25年もかかるような軌道に持っていかれるのですか。要するに、何かある前に取り合えず、あるところまで持っていきたいということですか。

【古濱理事】
 軌道の考え方は、静止軌道に影響を及ぼさない、宇宙ステーションがある軌道には、これは300キロと400キロですが、そこに影響を及ぼさないということで、最初のペリジに500キロを選びました。運用が終わりますと、ペリジがどうしても下がってくるわけです。ですから、その点から、NASAのISOの担当者とも連絡をとりながら、軌道を横切る可能性が残るのと、それよりも軌道を下げて早く大気に突入されるとどちらがいいかとトレードオフを考慮しました。考えた結果、軌道に開放するチャンスがあっても、早く大気に突入した方がよろしいということで200キロということを選びました。これはNASAの基準にも合っています。

【松尾委員】
 私の質問は、そうやってゆっくり落とすのではなく、200まで落とすのならば、150まで落とすのは極めて簡単なんですね。

【古濱理事】
 はい、そうです。

【松尾委員】
 すぐ落とせるわけですね。それを時間をかけられるのは何か理由があるのでしょうかという質問です。

【古濱理事】
 それはやはり原因究明をしようということです。

【松尾委員】
 その時間の稼ごうというお話ですね。

【古濱理事】
 はい、そうです。

【松尾委員】
 25年に比べて原因究明にかかる時間というのは、恐らく圧倒的に短いだろうと思うのですが。

【古濱理事】
 今、申し上げたのは、200キロという高度は、場合によっては、大気と太陽の状況で数年かかりかもしれないなど非常に幅があります。

【松尾委員】
 5年からという話にしても十分だと思いますが。

【古濱理事】
 今、申し上げましたノミナル500キロというのは、現在、実は400キロでして、これは太陽と月との関係によります。

【松尾委員】
 要するに何か操作ができるうちにディケイするような高度まで下げておいて、その後、しかもある程度時間が欲しいということですね。

【古濱理事】
 はい。

【松尾委員】
 そのような事情から決まっている、それでよろしいですか。

【古濱理事】
 はい、そのとおりです。トレードオフいたしました。

【井口委員長】
 もともとこのプロジェクトは今年の2月26日に終わって報告もいただき、その後たしか3月に外に向かって成果の発表もしていますね。

【古濱理事】
 いたしました。

【井口委員長】
 その時点でまだ機能が十分に果たせるというので引き続きいろいろなデータを測定してきたということでありますが、寿命設計どおりにだめになったのか、あるいは別の理由なのか、そこのところはひとつ異常原因の究明をしていただいて、それがはっきりしますとまた後で貴重なデータとして使えますので、それをしていただくという、2ページ目に書いてあります計画でお進めくださいということでよろしゅうございますか。

【川崎委員】
 一つ、是非、参加するメーカーなどの方々にも非常に参考になるので、紙の報告書よりワークショップなどを開いて、メーカーの方々も参加できるような仕掛けでやっていただいたらと思いますが。

【古濱理事】
 これまで一、二回やっております。引き続きチャンスを見てやりたいと思います。

【川崎委員】
 是非。試験方法はこういうふうに変わるとか、いろいろなことがあると思うのですが。

【井口委員長】
 それで、先ほど申しました異常原因の究明作業をしていただき、同時にこれまで得られた実験結果をまとめていただいた後、宇宙開発委員会のプロジェクトの評価指針に基づいて速やかに本プロジェクトの事後評価をいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【五代委員】
 成果の中に1から4までありますね。コンポーネントとか、いろいろいいデータがとれたとありますが、大変結構だと思います。この4番目のバスが要するに安くて、速くて、確実なものを作りましょうということに大きな意義があった。そこで、さっきおっしゃった、キー技術さえあればということですが、キー技術は当然あるはずだと思います。これからの衛星開発に、この手法が、短い期間で安くバスができますよというようなのものを見せていただくように、つまりこれで終わりではなく、次への反映を是非していただきたい。どうもNASDAの衛星は、一つずつ切れてしまい、その後の開発への反映に疑問符がつくことがあるので、是非お願いしたいと思います。

【古濱理事】
 H−2Aの標準型に2個ぐらい乗るようなサイズの衛星を作ってくださいと以前この場で言われました。これはMDSが非常にいいサンプルになっておりますので、この経験、MDSというシリーズの名前ではないかもしれませんが、こういったサイズの衛星バスを持った衛星にこれから着手したいと思います。

【井口委員長】
 この間、原島先生が電子部品の対策に関するレポートをNASDAの中の委員会でまとめられたのをここで報告してくださったんですが、その中で、電子部品も最先端、一番新しい民生部品がすぐ使えるよう、できる限り頻繁に宇宙実証することを提案しておられて、それを試してはどうかと思います。古く、機能の衰えた、高いものを使うよりは、最先端のLSIを使えれば、安くて速くていいはずだと、原島先生の委員会で報告書にまとめられていますので、何とかうまく、ピギーバックなどを使ってでもいいので試していただきたいと思います。

【古濱理事】
 実際に運用する段階になると、安全性ですとかさまざまな要素が関係してきますが、持ち帰って検討したいと思います。

(6)議題6『高品質タンパク質結晶生成プロジェクトについて』
 宇宙開発事業団の吉冨理事より、委33−6について説明。

【井口委員長】
 研究成果というのは、民間の会社の場合には秘密というか、出さなくてもいいのですか。

【吉冨室長】
 はい。細かい構造のデータは特に示さなくていいという条件なんですが、先ほど申し上げたX線のディフラクションの何Åになったかとか、結晶性がどれだけよくなったとかというデータは、これは客観的なデータですので、提示していただいて我々のデータベースにするということで合意しております。

【井口委員長】
 これがわかったからといって、次にどうなるんだということがあります。やはり外の人たちにも、これだけの成果が上がっているということをできるだけ理解してもらえるような努力をしなければと思いますので、その辺のPRも今後よろしくお願いします。

【吉冨室長】
 はい、わかりました。

(7)議題7『その他』
 特に質疑はなかった。

【以上で議事は終了】

――了――


(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

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