宇宙開発委員会
2002/11/06 議事録| 第42回宇宙開発委員会議事録 |
第42回宇宙開発委員会 議事録
| 1. | 日 時 平成14年11月6日(水)13:58〜14:35 |
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| 2. | 場 所 宇宙開発委員会会議室(文部科学省別館11階) |
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| 3. | 議 題
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| 4. | 資 料 配布資料
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| 5. | 出席者
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6.議事内容
【井口委員長】 おそろいになりましたので、一、二分早いんですけれども、第42回の宇宙開発委員会を始めます。
最初の議題は、「ASEAN+3」データアーカイブWGの結果報告について、事務局の澤邊技術評価推進官に報告をお願いします。
【澤邊推進官】 資料42−1、「環境調査のためのアセアン衛星画像アーカイブ」第2回WGの開催結果について、報告させていただきます。
先週の29日、30日、韓国の方で開かれまして、出席者は、タイ、ブルネイ、韓国、日本の、若干少な目ですけれども、こういう参加のメンバーで行われました。
経緯としましては、昨年5月に「ASEAN+3」の経済担当大臣会議におきまして、環境調査のためのアセアン衛星画像アーカイブという、タイの提案のプロジェクトの開始が合意されまして、このプロジェクトにつきましては、災害監視ですとか、環境保全、資源探索等のためのアセアンにおける衛星画像データの保存、共有及び提供を図るものということで、大臣会議において、中国、韓国、シンガポール、フィリピンが支持表明をしている。
昨年12月に、タイにおいて第1回WGが開催されまして、文部科学省からは、今年の3月までにプレフィージビリティスタディをやると。GISTDAはその検討結果を見ながら、パイロットスタディを実施するということでございます。
今回のWGの結果ですが、タイの方から、パイロットスタディのレポートを作成しまして、ASEAN+3のメンバーにいろいろ意見照会をして、その報告書の修正を行ったわけです。それにつきましてプレゼンテーションをしたと。
内容としましては、アーカイブセンターのシステムと各国のアーカイブシステムにある衛星画像と、環境の情報をリンクさせて、環境研究者等のユーザがその情報をインターネットで容易に検索、注文できるようにするというものでございます。
実際の全体のシステム構成を、4ページ目の図で示しております。センターを置いて、参加するメンバー国のところに設備がありまして、それぞれWebサーバですとか、データベースのサーバ、画像のサーバみたいなものを置きながら、メンバー国において、衛星の画像データをもう少し簡単にするカタログ情報というものをつくって、それをセンターの方で見られるようにする。
最後のページに、ユーザとメンバーとセンターの関係がありますけれども、ユーザが、例えば日時ですとか、キーワードみたいなものを入れて、それによってセンターのWebからカタログ情報が検索できる。それと環境情報みたいなものも見ながら、ユーザは、その情報をもっと詳しく知りたいということになれば、その衛星データを編集しているメンバー国に直接ユーザから、その情報を注文するというような形になります。
2ページ目の上の○ですが、現在、APANという学術支援用のネットワークがあるんですが、そういうものの活用ですと、CEOSで衛星データの標準化等々の委員会がありますので、そういうところから技術支援や協力を受けながら実施すると。DISTDAがパソコンベースですけれども、Webによるデモンストレーションが行われておりました。
日本からはプレフィージビリティスタディについて報告しまして、今年の4月ぐらいに宇宙開発委員会の方へ報告させていただいたんですが、その調査では、衛星データ以外の各種データとの複合利用ですとか、データの継続性とか、データそのものが安く手に入ればいいとか、あとはインターネットで新しいデータの情報が入手できればいいというような、そういう内容について報告をさせていただいて、あと、今回のプレフィージビリティスタディと、あとパイロットスタディのプレゼンがあったんですが、まだまだASEAN諸国のニーズですとか、各国のデータベースの設備の現状ですとか、軌道システムの整合性ですとか、いろいろ調査すべき内容がまだまだありますよということで、さらに日本としてはフィージビリティスタディを実施することが望ましいというような提案をしております。
次に、主な意見ということで、韓国の方からは、アーカイブデータのアプリケーション、災害監視というのがありますが、環境分野に関するデータもアーカイブしようということなんですが、環境分野の定義というのがちょっと明らかではないということで、ちゃんと各国にニーズを確認したほうがいいでしょうということで、調査を進めるためにASEAN各国の協力が必要ですとか、補足的なフィージビリティスタディが実行されるべきだというような意見等がございました。
今後の進め方としましては、今回のWGの結果を踏まえて、GISTDAがプロジェクトの報告書を見直して、調査票を再度つくって、それを各国に紹介して修正案を作成する。当面のタイムスケジュールですけれども、今後2カ月で調査票とGISTDAの修正提案を作成して各国に送付する。4カ月間で各国のコメントをまとめて、GISTDAの最終提案を作成する。で、本プロジェクトの枠組みを定義というか、プロジェクトを実施するためのいろいろな必要事項を明確化しましょう。それを第3回の会合を招集してやりましょうと。
所管としてはASEAN2カ国と日本、韓国により、日本が提案したフィージビリティスタディをやるべきだという主張が認められましたので、日本の関与のあり方について今後検討する必要があるだろうということと、タイは、パソコンで、Webでのイメージみたいなものをつくっておりましたので、非常に熱心に進めているような印象を受けました。
シンガポールは今回参加しなかったんですが、電子メールで、GISTDAの提案に対して非常に懐疑的というか、否定的でございまして、現時点でアセアンメンバーすべてがGISTDA提案に賛同しているわけではないというような印象を受けました。
以上でございます。
【井口委員長】 どうもありがとうございました。
ご質問、ご意見をいただきます。゛
【立川委員】 アーカイブをつくるときの、まずデータというか、衛星画像はだれが投影するんですか。そっちの方の準備は整っているんですか。
【澤邊推進官】 今現在、衛星データを持っている国です。
【立川委員】 提案については、日本とどこですか。
【澤邊推進官】 日本、タイ、インドネシアが持っております。
【立川委員】 ここはどういうフォーマットでインプットをするのかというのはできているんですか。
【澤邊推進官】 それを、GISTDAの提案では、ある程度、フォーマットを統一してやりましょうということで、やっております。
【立川委員】 需要国の方は、どういうニーズで、どういう情報が欲しいかというのは、もう決まっているんですか。
【澤邊推進官】 プレフィージビリティスタディで調査したんですけれども、網羅的で何でも欲しいというような感じでですね。もう少しそこら辺をちゃんと精査して、調査をちゃんとしないといけないと話し合っています。
【立川委員】 欲しい国が集まってない感じがしますが。
【澤邊推進官】 今回、ちょっとスケジュールの関係で、そういった状況ではあったんですけれども。
【立川委員】 欲しい人が、ほんとうにどういうものが欲しいというのがはっきりしないと、これ、やってもしょうがない感じがしますけど。
【澤邊推進官】 先ほどもお話ししましたけれども、環境情報の定義、いろいろな災害ですとか、洪水ですとか、森林火災、そのぐらいの言葉でしか定義がないので、ほんとうに各国がどういうふうなニーズがあるか、そういうことをもう少し明確にしなければいけないというところはあります。
【井口委員長】 ニーズがわからないというか、何に使っているのかがわからない国というんですかね、国だけじゃなくて、多くの人がわからないんだと思うんです。つまり、衛星から得られるデータから、例えば災害予測だとか、いろいろなものにどう結びつくのか、それさえもわからないというのは、ヒューストンでのスペース・ポリシーサミットでも話が出てきましたけれども、その間がつながってないだろうと思うんです。
だから、ほんとうに災害情報か何かに使えるとなったら欲しいというユーザが出てくるんだろうと思うんですけど、その辺はまだこれからの課題なんだろうと思うんです。
【立川委員】 例えば大きい川の状況を毎日映像を見ていればわかる可能性もあるわけですね。水量の増加だとか、河口で、あの調子なら洪水になるとか予想がつくわけですよ。そのために、毎日データベースが要る。
森林の火災なんかでも、よくわかりますよね、衛星で。だから、欲しいデータをもっと確定した方がいいんじゃないかと思うんですけどね。映像を毎日送るのは大変でしょう、精細なやつを。
【川崎委員】 今回の会合では、従来、タイが言っていた、センターに全部集中するというよりも、結局、分散型の施設でもいいのか。
【澤邊推進官】 そうですね。概念はそうですね。
【井口委員長】 そうなったんですか。
【川崎委員】 はい。それがあったので、少しアプローチがしやすくなりましたね。
それからもう一つ、これとは別に、中国が中心になって、メコン川の災害云々というのを、3カ国か2カ国でやろうとしているとかという話は、話題には出ませんでしたか。
【澤邊推進官】 いや、具体的には出ませんでした。
【川崎委員】 この間、CNESの人が来たときも、ちょっとその話が出たんですが。中国とラオスとタイと。
【澤邊推進官】 この辺のちょこっとある問題はどういうふうにつながっていますか。全くこれは違うんですか。
【川崎委員】 チャーターに加盟しなさいというんですけれども、彼らは、自前の提供するデータがないんですね。委員会の方でデータを出さなきゃいけないですから。だから、結局、日本が入らないと……。日本が入れば、タイはここで……。
【立川委員】 そういう意味では、日本もこれ、あんまり積極的ではないんですか。提供できるのは、日本とタイとフィリピンぐらいですか。衛星を持ってない国はしょうがないと。
【井口委員長】 まあ、しかし、今までの議論では、積極的にやっていったらどうだろうかということになっている。
【立川委員】 例えばフィージビリティスタディより、少なくともあの衛星なら、こういう情報は見れるということぐらいは教えてあげないと、どうしょうもないんじゃないですか。
【澤邊推進官】 そうですね。はい。
【井口委員長】 それと、あしたありますね、日本のアーカイブ。
【川崎委員】 日本の場合には、こういう国際的な動きがあるから、国内で整理統合してうまくやりましょうという外圧方式の対応型で動いているので、まだ国内の方は、これからシステム構築に入ろうということですから。
【立川委員】 せっかく宇宙利用の1つのいい分野ですので、日本は貢献するなら、もっと積極的にやった方がいいんじゃないかと。
【井口委員長】 そのときに、先ほど立川委員が言われたように、重点的に絞って焦点を合わせないと、散漫になりますね。お金もそんなにないし、こちらに相当の金がかかるようですので。
【栗木委員】 パイロットプロジェクトというのは、計画されているんですかね。日本と限られた相手国で。
【澤邊推進官】 ヨハネスブルグの話はあります。
【栗木委員】 通信システムを利用しての環境データの開示とかいうのはやっているはずですよね。そういうところを通して具体的なリクワイアメントを煮詰めていく方が早いんじゃないですかね。研究機関を通じてとか、大学を通じてとか。
【五代委員】 例えば、インドネシアはなぜ参加してないんですか。これは、民生用と非民生用と、そういうこともバックにあるのではないですか。
【澤邊推進官】 今回は参加しなかったんですが、第1回のワーキングは参加していますので、日程の都合がつかないとか、旅費の予算が出ないとか、そういうことが出たらしくて、今回たまたま来られないということになったようです。
【五代委員】 何となく人気が出ていませんね。
【立川委員】 出てないですね。だけど、これは集まらなくても、それこそインターネットで議論していく方がいいんじゃないかと思いますね。
【五代委員】 そうだと思いますけどね。
【立川委員】 これくらいのレベルの人が集まるならね。
【川崎委員】 これには、拠出金を出して共通班を持って何かやろうという話があって、分担金制度を第1回で提案されたんですね。それで、かなりビビった国はあるんだろうと。日本もそういう意味では、分担金まで持つのという、1億円相当ですか、日本は期待されているのは。
【澤邊推進官】 そうですね。1回のワーキングと、今回のパイロットスタディ、またその数値が変わっているものですから、正確にはわかりませんけど、何のかんの負担は認められたんですけど。
【井口委員長】 今日のところは、こういう報告を伺うということでよろしいですか。
それでは、どうもありがとうございました。次の議題に移らせていただきます。
「おりひめ・ひこぼし」の運用終了について、宇宙開発事業団の衛星プログラム推進本部副本部長の片木さん、報告を願います。
【片木副本部長】 それでは、資料委42−2に従って、ご説明いたします。
経緯ですけれども、「おりひめ・ひこぼし」は平成9年11月の28日にH−
ロケット6号機により打ち上げられまして、打上げ後約1.5年で定常段階が終了いたしました。この間の成果につきましては、11年6月16日の宇宙開発委員会にご報告しております。
その後、約半年をかけまして、後期利用実験を実施しました。この結果につきましても、同じように12月8日にご報告しておりますけれども、そのときに、同時に、以降は追跡管制技術の維持及び設計寿命評価を目的といたしまして、可能な範囲でチェイサ衛星、それから、ターゲット衛星のハウス・キーピング運用を継続することといたしました。
今年度になりまして、新地上ネットワークを国外に3局、国内に3局、海外に4局のテレ管制設備を今回設置しておりますが、地上局ですけれども、新地上ネットワークということで、新GNと呼んでおりますけれども、これの追跡データ取得評価試験とか運用訓練を実施するために、この「おりひめ・ひこぼし」の利活用を本年度図っております。
今年の6月19日の運用におきまして、衛星の姿勢制御を行う機器が動作を停止しているということが確認されました。この機器につきましては、その後復旧に努めましたけれども、回復はしておりません。
次のページに移りますけれども、運用状況及び終了作業ですけれども、先日21日に実施いたしました軌道高度予測によりますと、10月の末には運用制約でありますところの高度520キロに到達することが判明しました。今年の7月時点での解析予測では12月を想定しておったんですけれども、若干早まったということです。ということでありますので、(2)にあります通り、30日の15時56分(日本時間)にチェイサ衛星及びターゲット衛星の停波作業を行いまして、翌31に停波されていることを確認いたしました。
3、予測再突入時期及び落下物ですけれども、この「おりひめ・ひこぼし」は、だんだん地上の方に下降してくるわけですけれども、その時期は、太陽活動に強く依存しておりますので、正確な時期を予測することはなかなか困難ですけれども、現在の予想では、平成19年から平成24年の間と推定しております。
大気圏再突入後に多くの部分は燃え尽きますけれども、ロボット実験用のアーム機構とか、それから、ステンレス製のパネル等が地上まで落下する可能性がございます。それらのものを集めますと、総重量は大体コンマ4トンぐらいでありまして、この破片によって1人当たりの破片に接触する確率は10のマイナス14乗の桁と推定されます。ちなみにこの値は、ロシアの宇宙ステーション「ミール」、これは燃え残りの落下重量が約20トンから25トンと言われておりましたけれども、これと比較しても1桁低いものでございます。
ご報告は以上でございます。
【井口委員長】 どうもありがとうございます。ご質問、ご意見を伺います。
【川崎委員】 質問じゃなくてお願いなんですが、これも、それから、今現在運用のMDSATもそうなんですが、委員会に報告するだけではなくて、もっとわかりやすく打上げ以後、こんなような新しいデータがとれたとか、こういうランデブ・ドッキングに成功して、こういうところへ使えるとか、そういうような成果の解説みたいなものをぜひつくっていただいて、出していただければありがたいんですけどね。
【栗木委員】 これは、実施機関で事後の何かまとめを評価でやられたんですか、やるんですか。
【片木副本部長】 このときには、そういう制度はなかったかと思います。ただし、我々の中で「おりひめ・ひこぼし」の成果の報告会というのは当然開催しておりますけれども、いわゆる第三者による評価というようなものは、たしかこのときにはやっておりません。
【栗木委員】 特にこのシステムは、衛星実験というよりは、将来HTVの移動間輸送とか、要するに軌道変換の能力を増強するような輸送系とのつながりが非常に深いわけですね。ですから、それを強調したような報告を大いにやっていただけるといいと思いますね。将来につながるんだということを、もっと外に向かって言えるような機会を用意したほうがいいように思います。
【片木副本部長】 わかりました。
【川崎委員】 せっかくやっておられるのを、ステップワイズに技術を向上させてきている、そこのところをPRしていただくというようなことですね。
【立川委員】 これは、もともとどこの技術だったんですか。ここに書いてある件数だと、NASDAにはなくて……。
【片木副本部長】 ランデブ・ドッキングはNASDA、ここに書いてあるところ以外は事業団のミッションでございまして、ランデブ・ドッキング、それから、ロボット実験の一部は事業団です。
【立川委員】 事業団の分は事業団でまとめられると思いますが、ほかのところはそれぞれで、結果はもう公表されているわけですか。
【片木副本部長】 と思います。
【立川委員】 もう一つ、違った点で、打ち上げた衛星はもう勝手に自然任せで落下を想定しているわけですか。
【片木副本部長】 はい。
【立川委員】 無理やり落とすようにはしてないんですか。
【片木副本部長】 それはしてございません。しているものもありますけれども、日本のこの衛星はしておりません。
【立川委員】 今度どうされるんですか。そういうことも考えておかないといけないと思うんですが、各事業者のものは落とすことにしているんだと思うんですけれども、次のものを上げますからね。
【片木副本部長】 ケース・バイ・ケースだと思いますけど。
【立川委員】 これ、1桁はいいけれども、あのでかいやつに比べて、たった1桁しかよくないんですか、逆にいうと。
【片木副本部長】 計算上はそういうことになります。
【立川委員】 大蔵が発表しなきゃいけないんですか。どうなんですか。少なくとも「ミール」のときは、具体的に発表したわけですね。このくらいだと要るのか要らないのか、どうなっていますか。
【片木副本部長】 「ミール」のときは、コントロールリエントリで。
【立川委員】 これは、だけど、推定はできるんですか、計算は。
【片木副本部長】 はい、できます。
【井口委員長】 かなり先ですけどね、平成19年から20年という。
【片木副本部長】 5年から10年後の。
【立川委員】 その近くになってからですか。
【片木副本部長】 そうです。
【立川委員】 ということは、トラッキングはできているんですか。
【片木副本部長】 それはできています。
【栗木委員】 これは、分離して落としたほうが被害は減りますか。増えますか。
【川崎委員】 同じだと思いますが、過程で漏れる量は。
【立川委員】 今後いっぱいあるので大変ですね。
【川崎委員】 一般的には、残燃料を使って外へ出しちゃうわけでしょう、地球圏外へ。
【片木副本部長】 はい。上側に持っていったりします。
【立川委員】 これ、低いやつですよね。
【片木副本部長】 そうです。
【立川委員】 これは、でか過ぎるから、燃えてなくならないんですか。
【片木副本部長】 はい。でか過ぎるから、材料と、そのサイズによって、溶融点に至る前に落下してしまいます。
【井口委員長】 その意味でも、困った顔した方がいいんですね。
【川崎委員】 マグネシウムとかアルミでつくって、燃えやすいようにつくって。
【井口委員長】 スラスターが全部で10個ぐらいあるうちの半分ぐらい、トラブルを起こしましたね。
【片木副本部長】 はい。1ニュートンスラスターと……。
【井口委員長】 結局、あれはわからずじまいですか。
【片木副本部長】 多分、コンタミだろうと推定しておりますけれども。
【井口委員長】 あれは、今後は買わないと。あれはアメリカから買ったものですよね。ああいうことはしないんですね。
【片木副本部長】 推薬弁はどうしても買わざるを得ません。それから、触媒は買わないと……。
【井口委員長】 そうすると、日本はどうするんですか、これから。つまり、検査方法を……。
【片木副本部長】 検査なり、あるいは……。
【井口委員長】 あのときは検査できなかったんですね、まあ、契約の問題もあったと思うんですが。だから、検査法をもっとしっかりするとか、前の失敗の経験を生かして、そうならないように。
【片木副本部長】 十分注意するようにしたいと思います。
【井口委員長】 よろしゅうございますか。では、どうもありがとうございました。
3番目の議題は高速飛行実証フェーズ
、第2回飛行実験の結果について、NASDAの渡辺さんと、航空打上げ技術研究所の白水さん、よろしくお願いいたします。
【渡辺副本部長】 表紙の次をごらんいただきたいんですが、2回目の飛行実験の目的は、高度2.5キロメーターから経路角13度の進入経路への経路追従性能力について確認するという目的で実施いたしました。
下に結果が書いてありますが、昨日の日の出の少し前の時間に実施いたしまして、その結果が書いてあります。計画どおり非常にいい結果が得られました。
飛行経路の概要は次のページに図にしてございますので、そこをごらんいただきたいと思いますけれども、下のほうから発進いたしまして、上昇して2.5キロの高度を周回して、その後、13度の経路角で下りてくる。その後、低い高度になりまして、約300メートルの高度になりますが、もう一周して、ここからは、第1回と同じような経路ですが、もう一周して着陸という、こういう飛行計画です。
その次のページに、シーケンス・オブ・イベントが比較してございますけれども、全体で18分36秒の飛行でした。
その次の4ページに、今回の追従性能の確認項目、代表的なパラメータが整理してあります。正しく経路に追従することができたかどうかという点ですが、右にありますように、経路角、予定どおり、それから、誤差も要求値のかなり内輪の数値という結果が得られております。
それから、引起し模擬が正しく行われたどうかという点ですが、引起しの荷重も小さな値でした。その下に引起し後の高度が、目標300に対して323という数字がありますが、これは、すみません、誤記で、300メートル、この下の数字では誤差がありますが、300メートルという結果でした。すみませんが、修正をお願いいたしたいと思います。
その次の5ページ、これは特記事項で、第1回目のときに、着陸時にバウンド現象があったということを報告いたしましたけれども、この現象の解明をいたしまして、飛行時の姿勢制御プログラム、コマンドを修正いたしました。その結果が下のグラフに書かれておりますが、全くバウンドのない着陸を今回いたしました。
その次のページは、機体の作業状況ですが、まだ日の出前ですので、機体搬出のときの真っ暗な状況です。
最後のページのまとめですが、今回の飛行実験、予定の緩い経路角での追従性能を確認いたしまして、目的とした性能特性を持っているということが確認できました。
今後の計画ですが、本実験のデータを詳細に解析した上で、その評価をした上で、今後の計画を設定することとしております。
説明は以上です。
【井口委員長】 どうもありがとうございました。ご質問、ご意見ございますか。
飛行実験は何回やるのですか?
【渡辺副本部長】 全体では当初の計画設定は5回としておりましたが、既に2回目の方はスキップしておりますので、その結果が満足いく内容ですので、5回実施するというところまでは必要ないのではないかと思います。回数についても、今回の結果を評価して、今後の計画に生かしたいと思います。
【栗木委員】 2回の結果を生かしていただいて、ジェットエンジンを積んでいると、非常に安心感があるといいますか、マヌーバビリティが確保されているという、将来の最終形というのは、こういうスタイルというのはあり得ないでしょうかね。エアインテークがあると、ものすごいドラッグになってしまって、フライバッグブースターとしては使えないと。
【白水センター長】 その辺はトレードオフだと思います。信頼性の意味では……。
【栗木委員】 これだけ安心感があると、これもロケットをつければ、フライバックブースターとして使えないかという気がしてきまして。
【渡辺副本部長】 一番大きな違いは、ジェットエンジンというよりは、もう一歩踏み込んで申し上げますと、ロケットエンジンというのは、フル運転しかできないシステムであるのですが、こういうものでは中間的なことができる。滑走路を走らせるということもできる。そういうことで安心感があるというところは確かにあると思います。まあ、我々担当としては、初回はやっぱり相当心配で、非常に慎重にやったつもりなんですが。
【栗木委員】 この上にペイロードとしてロケットが乗っかるような姿を考えますとね。
【渡辺副本部長】 ロケットエンジンも、ある形式のものは地上で運転する場合に、中間的な運転が可能だという形式のものもあるんですが、世界で実用に供されているエンジンは、特に地上ではフル運転する以外にはないです。そういうものが現実の技術ですので。
【井口委員長】 再利用の輸送系については、また将来の輸送系としてじっくり議論がされることになるだろうと思いますので、よろしくお願いします。
何か五代委員、コメントがございますか。
【五代委員】 今まで主にHOPE実験機といって、宇宙から高速で地上に下りてくる開発プロジェクトでやっていた。一方、この実験は地表から高空へ飛び上がり再使用する。この二つの流れがうまく組み合わされていけば、エンジンの話はあるものの、再使用輸送系へ着実に歩むということだと思います。航空宇宙分野では飛ばさなければわからないことが多々あるわけですね。さっきのリバウンドみたいなことを含めましてね。ですから、実証機を時々きちんと飛ばしていく。そのような基盤技術をきちっとやっていくのが重要だと思います。その線をぜひこれからも続けていただきたいと思います。今回は大変いい開発ステップだと思います。
【井口委員長】 これで実験が終わると、この機体はもう使わないんですか。せっかくだから、何回も飛ばしてみたらどうかと、素人考えですが、お金がかかることなんですか、それは。
【白水センター長】 この機体だとか、ハードウェアを使って別の目的にというか、そういう意味で第1回目の基本機能確認試験というのは、こういうものを将来のいろいろな飛行実証の基礎技術にしようということを考えておりますので、具体的には、アイデアはありますけれども、このハードウェア、あるいは技術を使って、いろいろな技術の飛行実証ということはやっていきたいと思っています。
【渡辺副本部長】 それから、このシリーズを終わりますと、フェーズ
というシリーズを準備しておりますので、この機体とはちょっと翼の形が違いますが、そのほかの機器は共通ですので、この機体をバックアップとして使うことを考えております。
【井口委員長】 よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。
その他でございますけれども、宇宙開発の現状報告、資料が配られておりますので、お読みくださいますようにお願いいたします。
もう一つ御報告がございます。五代委員が長年の宇宙開発の功績を評価されまして、明日、勲二等瑞宝章を叙勲されますので、ご報告いたします。おめでとうございます。
それから、前回の議事要旨でございますけれども、これまた後ほど委員の方々、御確認くださいますようにお願いいたします。
それでは、第42回目の宇宙開発委員会を閉会にいたします。どうもありがとうございました。
----- 了 -----
(研究開発局宇宙政策課)