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宇宙開発委員会

2002/06/05 議事録
第22回宇宙開発委員会議事録

第22回宇宙開発委員会議事録

1. 日  時   平成14年6月5日(水)14:00〜16:07

2. 場  所   文部科学省宇宙開発委員会会議室(文部科学省別館  11階)

3. 議  題
(1)   今後のロケット戦略について
1今後のロケット開発の進め方について
(2) 今後の衛星戦略について
1先導的基幹プログラム(衛星戦略−地球観測)
(3) 宇宙用部品の安定的確保について
(4) その他

4. 資  料
委22-1   今後のロケット開発の進め方について(案)
委22-2 先導的基幹プログラム(衛星戦略−地球観測)
委22-3 宇宙用部品の安定的確保について
委22-4-1 宇宙開発の現状報告(平成14年5月29日〜平成14年6月4日)
委22-4-2 第21回宇宙開発委員会議事要旨(案)

5. 出席者
    座長  文部科学副大臣   青  山      丘
(宇宙開発委員会委員)
    宇宙開発委員会委員長 井  口 雅  一
    宇宙開発委員会委員長代理 川  崎  雅  弘
    宇宙開発委員会委員 栗  木  恭  一
    宇宙開発委員会委員 五  代  富  文
    宇宙開発委員会委員 立  川  敬  二
(宇宙機関関係者)
    宇宙開発事業団衛星プログラム推進部長 長  島  隆  一
    宇宙開発事業団技術研究部長 谷  岡  憲  隆
(文部科学省)
    文部科学省研究開発局長 今  村      努
    文部科学省大臣官房審議官 素  川  富  司
    文部科学省研究開発局宇宙政策課長 芝  田  政  之
    文部科学省研究開発局宇宙開発利用課長 大  塚  洋一郎

6.議事内容

【井口委員長】    第22回の宇宙開発委員会を始めます。
  本日は、最初に今後のロケット戦略について、事務局の大塚課長からご説明をお願いいたします。

【大塚課長】    それでは、今後のロケット開発の進め方、いわゆるロケット戦略でございますが、今までの議論、それとこの間のワークショップの議論を踏まえまして、ドラフトを事務局として準備いたしました。
  1ページ目の全体構成でございますが、ロケット開発の現状、それから基本方針、基幹ロケットの開発方針、それから中小型ロケットの開発方針、将来につながる基盤的技術の5章立てとなってございます。
  2ページ目、ロケット開発の現状でございますが、ここはポイントだけ申し上げますと、世界で欧米のロケット開発が進んでいる現状と、それと日本がH−2Aにより世界の主要ロケットと比肩し得る打上げ能力を獲得したということでございます。
  (3)でございますが、今後の10年程度は大体5.5トンまでの衛星需要が大半を占める、そうしたことを書いてございます。
  3ページ目、今後のロケット開発の基本方針でございますが、4点ほど挙げてございます。1自律性の確保。これは宇宙開発利用活動の基本は、必要なときに必要な物資や機器を宇宙空間の所定の位置に展開する能力を確保することである。2官民の役割分担の明確化と民営化の促進でございます。これは官民の役割分担を明確にした上で自律性の確保に努める。民間の効率的かつ迅速な経営手法によりコスト低減・信頼性向上を高めるため、H−2A標準型の技術成果を民間に移転し、民間がその技術を活用して産業化を図ることができる環境の整備を行う。それにより、企業側の自助努力による商業化を促すということでございます。
  3国産ロケットの優先使用。民営化・商業化への過程を国として促進するための方策として、打上げ価格、衛星ミッション達成に重大な問題が生じない限り、政府が衛星を打ち上げる場合には国産ロケットの優先使用を基本とするということでございます。
  それと、この進め方全体でございますが、今後のロケット開発に当たっては、ロケット開発全体の進め方について適時適切な時期に見直しを行い、内外の環境変化に柔軟に対応していくこととする。これ全体を適時適切に見直しを図るということでございます。
  4ページ目、基幹ロケットの開発方針でございます。これは短いですからお読みいたします。3−1  輸送手段の中核としてのH−2A。我が国の基幹ロケットとしての位置付け。我が国の宇宙開発利用活動を視野に入れ、今後の多様な打上げ計画と整合性のとれた輸送手段を確保することが必要。現在、計画されている政府の衛星ミッションのうち、最も高い輸送系能力を必要とするのは静止トランスファー軌道打上げ能力で6トン級。他方、世界の商業打上げ市場では、今後10年程度は5.5トンまでの需要が大半。したがって、我が国が自律的な宇宙開発活動を展開するためには、GTO6トンまでの打上げ能力を持つH−2A標準型を基幹ロケットとして位置付け、政府衛星の打上げ機会を集中することが適当である。
  H−2A標準型の民営化。基幹ロケットとして位置付けるH−2A標準型については、今後、さらなるコスト低減や信頼性向上を図ることにより、ロケットの信頼性や国際競争力の確保を図っていくことが必要。そのためには、民間的な経営手法による効率的な体制が適当であり、可能な限り早期に民営化する。これは具体的には製造責任の一元化、営業体制の強化等でございます。民営化のあり方等の検討を行うため、官民の関係者からの作業チームを文部科学省に設置し、民営化を促進する。なお、民営化に当たって国が行うべき環境整備及び国として自律性を確保するために必要な技術の保持方策等についても早急に検討を行い、宇宙開発委員会に報告する。
  H−2A標準型の信頼性向上の方法でございます。H−2A標準型については、民営化へのステップと並行して、LE−7Aエンジンの残された技術課題の克服、運用段階における信頼性向上など、当面の間、世界最高レベルの信頼性の確立に傾注する。
  5ページ目でございますが、H−2A標準型以降の開発のあり方でございます。使い切り型ロケットが宇宙輸送系の根幹であることは当分続くものと予想されることから、H−2Aを我が国の基幹輸送手段として、将来にわたって打上げを確実に続けていくためには、ロケット開発・打上げを通じて技術水準の維持、技術の伝承が肝要。また、国際宇宙ステーションへの物資補給、衛星の複数打上げによるコスト低減、衛星の大型化に対応するため、H−2A標準型以上の能力を持つ輸送系の開発が必要。そのため、H−2A増強型の開発を、H−2A標準型をベースに民間主導で開発を行うこととし、政府は必要な支援を行う。具体の開発体制や支援方式については、官民の関係者からなる作業チームを文部科学省に設置し、1年程度かけて検討を行い、宇宙開発委員会に報告する。
  H−2Aの補完としての輸送形態。米国の2大ロケットメーカーであるボーイング、ロッキード・マーチンは、それぞれ自社のロケット以外に外国のロケットと相互補完的な関係を構築している。我が国も、H−2Aの不具合や打上げ失敗などにより、自律的な宇宙開発利用に影響を及ぼすことのないよう、国際協力や民間主導の開発による宇宙輸送系を顧慮しながら、柔軟な打上げ補完体制を構築することが必要。
  基幹ロケットの技術基盤維持のあり方。基幹ロケットを我が国で高信頼度を保って維持・運用するためには、部品レベルに至るまで、設計・製造・運用・利用できる能力を国内で維持できるようにすることが肝要。
  6ページ目でございますが、中小型ロケットの開発方針でございます。これはGXについては、今、評価中ということで評価を待って記載したいと考えてございます。
  科学衛星の輸送手段につきましては、科学衛星打上げのためのロケット。我が国の科学衛星は、大型中心の欧米とは異なり、ほぼ年1機の中小型衛星の打上げにより、日本の宇宙科学は世界レベルに成長した。今後10年余りのうちに我が国で打ち上げることを想定している科学衛星はM−5クラスの中小型が主流であり、他にH−2A、アリアンクラスが幾つか想定されている。
  今後の科学衛星の輸送手段でございますが、政府の衛星ミッションはH−2A標準型を優先的に使用することが基本であるが、科学衛星の打上げに当たっては、極限の性能を追及することや限定された打上げ条件への対応など、科学衛星の特徴を十分に生かし、最大限よい条件を確保することが必要である。そのため、現在は他に代替手段がないことから、当面の間、M−5を使用することとし、国内の他の代替手段が信頼性等の観点から確立した時点で、改めて科学衛星の打上げ手段を検討する。
  なお、M−5については、宇宙3機関の統合を機に、政府としての研究開発を終了し、民間移管を進め、この研究開発に向けていたリソースを幅広い宇宙科学研究に活用する。
  最後、将来につながる基盤的技術の開発等でございます。再使用型を含む将来輸送系の開発については、先端的・基盤的なロケット技術の研究開発の一環として、新機関の中核的業務として位置付け、開発すべき輸送系のあり方、重要な要素技術の開発等について、宇宙開発委員会での検討を継続する。その際、最先端の研究開発を意欲的に行い得るような研究開発環境の整備、これは老朽化施設の更新などでございますが、及び将来の打上げ射場施設のあり方についても考慮検討していく。
  以上でございます。

【井口委員長】    どうもありがとうございます。
  今日、これをお認めいただくと、これまで中間報告をしております「我が国の宇宙開発利用の目標と方向性」に加えると。

【芝田課長】    合体すると。

【井口委員長】    そういうことになりますね。ということでございますので、よろしくご審議をお願いいたします。

【栗木委員】    終わりから2枚目の6ページ目でございますが、4−1の民間主導の開発(GXロケット)については評価中となっていますが、現在評価中の評価対象はLNG推進系飛行実証プロジェクトということになっておりまして、これがインターフェースを持つGXロケットとのインターフェースに関しては評価をしておりますけれども、GXロケットそのものの評価は対象になっておりません。

【井口委員長】    ここに書いてある文章としては……。

【芝田課長】    今、評価していただいているのは……。

【井口委員長】    LNGのエンジンの評価をしております。

【芝田課長】    それは計画・評価部会から小委員会におりた段階の評価のことだと思うんですけれども、最終的には、こういう委員会としては、LNGを中心にしながら、こういうタイトルになるのではないですか。

【大塚課長】    小委員会におろしたときでは、小委員会はLNGエンジンのところを評価していただいています。ただ、GXロケット構想そのものについては、小委員会ではなくて全体拡大会合で議論していくという認識でいっております。ですから、あわせてGXロケット全体については評価中という認識でございます。

【栗木委員】    というのは、今申し上げたのは、インターフェースを持ちますので、そこは技術的にもきちっと評価をして、全く入っていないという意味ではなく、主題がそうなっていますと、そういう意味です。

【川崎委員】    私はこの文章にどうこうということよりも、むしろ今のような考え方だとすると、民間主導というのはやめていただかないといけないと思いますね、委員会で決めるなら。民間主導であれば、我々は結構ですねと言うだけの話なんですね。だから、民間主導という定義が、中身が、この間、ヒアリングを小委員会でしました結果、官民分担も含めて、あらゆることを委員会で決めてくださいというご提案であったわけで、そうなると、全部、委員会で決めるということになるなら、それは果たして民間主導と言えるのかどうかは、私どもはそこまで責任を持ち切れないんじゃないかと。

【大塚課長】    どっちみち、ここは最終的にこのタイトルも含めて文章が入る予定でございますので議論していただきたいんですが、川崎先生がおっしゃったのは少し誤解があるんじゃないかと思います。あくまであれはギャラクシーが主導で全体構想のリーダーシップをとって進めているということであると私は理解しておりまして、ちょっと行き違いがあったように聞いております。ただ、いずれにせよ、ここはタイトルも含めて最終的にまた。

【川崎委員】    私の理解が悪いのかもしれませんけど、「主導」と言うと、何から何まである程度、少なくとも5割以上はイニシアティブをとってやられるという意識があるんですね。「民間提唱」と言うなら私はいいと思います、「提案」と言うのならば。それをどうするかはこれから決める話ですから。

【芝田課長】    タイトルを含めてですね。

【川崎委員】    最近、民営化にしろ、あまりにも日本語を雑に使い過ぎている。一般の人たちは大変誤解をすると思うんですよ。今回の民営化にしたって、官需の部分を民間でやるということは、それは民営化でいいと思うんですけれども、政府がある程度、どこの国もそうですけど、助成しなければいけないということを考えると、ちょっと……。

【栗木委員】    同じ「民間主導」という言葉は、5ページ目のH−2Aの標準型にも出てきますね。同じ思想なのかどうか。

【五代委員】    後ろのほうが今までの民間主導とは思えないですね。

【川崎委員】    そこは整理を最初に。

【五代委員】    そうあってほしいと思うけど、全然そうではないですね。

【川崎委員】    これは全体として一回整理をして出さないと、誤解をかえって与えるんじゃないかという気がします。

【大塚課長】    標準型の民営化の民間主導、民営化の部分と増強型の民間主導のところとGXの民間主導。これは表現ぶりが同じでいいかどうかも含めまして見直します。

【川崎委員】    そうですね。お願いします。
  あと、この文書を採択するという前提でちょっとマイナーなチェンジですが、ワーディングなんですが、5ページの3−2の上から4行目なんですが、その前から言いますと、「ロケット開発・打上げを通じて技術水準の維持、技術の伝承を肝要」というと、むしろ私は、技術水準というのはスタティックに維持するんじゃなくて、常にインクリメンタルな改良は当たり前なので「維持向上」という言葉をぜひ、それも民の中で努力をしていただくということもあっていいんじゃないかなという気がしました。
  それから、同じように6ページですが、科学衛星の輸送手段の(1)は、これは日本語の問題なので、「我が国の宇宙科学が」というところで、「大型衛星中心の欧米とは異なり」として、2行目の「日本の宇宙科学」を消すほうが文章の流れがいいんじゃないかと思いますが。これは単なる文章の修辞です。

【五代委員】    今の6ページの上の中小型ロケットの開発方針の2行目、H−2A標準型の補完、科学衛星の輸送手段の観点から、これでは足りないじゃないですか。要するに中小型衛星というのは、科学衛星の輸送手段や補完だけですかというとそうではない。必要性がほかにいっぱいあるというのは今までさんざん議論してきましたね。技術をいかに早く実証しますか、地球観測であれば、いかに頻度を上げますか、それから通信などでも民間が使える技術を早く実証しましょうとか、あるいは例の、栗木さんがいつもおっしゃるフォーメーションとか、そういう新しい概念をつくっていくことがあるわけですから、これは間違いなく足りないと思いますね。

【大塚課長】    もう少し加えます。

【立川委員】    2つあるんですが、まず一つ、関連して、民間主導という文章が出てくるのは、国がやるのに民間主導ということをわざわざ言うんですか、というのが気になっているんですが。宇宙開発委員会がそこまで責任を負わないので、民間がおやりになるのは民間がやるんじゃないのかと思うんですが、むしろ何を国がやるかを明確にしてもらったほうがいいと思うんですが。それを見ていると、あまり国がやるやつがないみたいに見えるんですよ。ちゃんとやるべきことがあるんじゃないかと思うんですが。しかも、これ、期間がよくわからないんですね。2点目の観点は、これは何年間のことを言っているのかということです。7ページの将来につながるのは、これからゆっくりやるのか、もう少し先にスタートするのかもちょっとよくわからないんです。したがって、私の意見は、国がやるべきことをちゃんと明確にしたほうがいいんじゃないかと思うんですね。民営化するやつは民営化するんだから、あと残って何をやりますかという問題と、新しいロケットは国が何もやらないのか。少なくとも使い捨てのロケットは、これは国がやるように書いていない感じがするんですが、維持向上は民間でやるのか、国がおやりになるのかがはっきりしない。その次に再使用型をやるならやるというのを明快にしたほうがいいんじゃないかと思いますね。ロケット開発の進め方の期間はどのぐらい推定していますか。10年ですか、20年ですか。

【大塚課長】    7ページ目の再使用型を含む将来輸送系というのは、それも含めてもう少しタイミングがわかるような書きぶりを工夫いたします。ただ、増強型までは比較的、目の前で見えているスケジュールなんですが、7ページ目の将来につながる輸送系というのは、再使用型まで行く前にもう一つ使い捨てを入れるかどうかとか、そういうことも含めて少し議論する必要があると考えています。

【立川委員】    だから、そういうことを書くべきじゃないかと思うんですけれども、これを見たら、増強型は民間主導でしょう。といったら、国はやらないということでしょう。そう読みますよね。だから、国は新機関をつくってもあまりやらないのかなととれますけれども。

【大塚課長】    いや、そうではなくて、7ページのところは新機関の中核的業務ということで、そこは国が100%やらなければいけないということでございます。書きぶりを工夫いたします。

【今村局長】    民間主導という言葉をあまり区別せずに使い過ぎていると思います。官民共同開発というものと本当に民間がみずから提唱しているものとが混在している感じがあります。ここは整理してもらいたい。

【立川委員】    この場合、やっぱり国主導で増強型をやるというなら言ったほうがいいんですね。民間がそれの受注研究とか、比較研究とか、支援研究をやるかもしれませんと。発注元が誰かは明快にされたほうがいいんじゃないかと思います。

【五代委員】    やり方は企業でいろいろあると思うけれど、国の基幹ロケットの延長だから、国が思想を決めるのでしょう。あまり細かなところまで決め過ぎるから問題なんです。基本的な考え方と基本的なスペックは国が決める。このときに企業だと効率が上がるかもしれないけれど、私企業の利益だけのためにモノを選ぶことがある。国の場合ですと、先へつながることもすべきだと思う。先へつながるということはもう一つ使い切りロケット開発があるかもしれないし、あるいはそれはなくて、再使用ロケットに行くかもしれない。その場合にしても、再使用と使い切りとは、できるだけ同じ技術を過渡期でも使えることは重要ですね。そういう思想的なことは、やっぱり国の関与はすごく大きいと思います。極端なことを言うと、民間に任せたら何をするかわかりませんよ。だから、民間のいいところと国のいいところと両方取り入れる必要がありますね。

【井口委員長】    その辺は、7ページの最後の将来につながる基盤的技術の開発等でこれからやろうという。

【五代委員】    そうですね。だけど、その前がちょっと断定過ぎるものだから。4ページ、5ページですか。

【井口委員長】    確かに今、重点化という大臣からの指示を受けて、目の前にあることをどうしようということで。

【五代委員】    10年では検討の深みはないかもしれない。四半世紀くらい、少なくとも流れを見ることがないとだめなので、長期的検討は強く打ち出す必要はないでしょうけれども、四半世紀の検討も、今回の検討の後かもしれませんが、ぜひゆっくりでもきっちりと議論すべきです。

【井口委員長】    そのとおりですね。

【五代委員】    それは民間ではなくてオールジャパンで。しかも、ある程度若い人が、「私がやるんだ、自分が中心になって」というぐらいの気概を持った人がメンバーにならければいけないと思っています。

【川崎委員】    立川さんと今の五代さんの件で私も提案ですが、4ページの(2)のH−2A標準型の民営化をよく読むと、政府でやることは、民営化のあり方等の検討を行うため、文部科学省に云々という、作業チームをつくって促進するというのが一つの仕事ですね。それから「なお」で書いてある2番目は、「民営化に当たって国が行うべき環境整備及び国として自立性を確保するために必要な技術の保持方策等について」、これは方策をやはり国が実施すると言わないといけないんです、政府が実施する。だから、委員会に報告するというところで変に曲がっているような感じがするので、したがって、民営化のために国は2つやります。国のやることが書いてあると理解したらいいのではないかと文章を直す。
  それから、(3)が同じようなんです。これは政府はということなんじゃないかと思うんです。政府はH−2A標準型については民営化へのステップと並行してLE−7Aエンジンの残された技術課題の克服に傾注する。

【井口委員長】    主語がない。

【川崎委員】    だから、「政府は」というのを入れればいいわけです。「政府は」というのを入れれば、今の誤解が解けるのではないかと思います。

【井口委員長】    私も民間にいましたときには、「何を・誰が・いつまで・どこで・幾らで」というのが入っていなければ計画じゃないと言われたことがあるんですけどね。だんだんこういう文章に慣れてきましてね。だから、もとに戻って、そういうことを、なるべく書ける部分は入れて整理しますかね。

【五代委員】    英語で最初書いていただいほうがよっぽどはっきりするんですけどね。
  それから、今の川崎さんのおっしゃった民営化の部分で「報告する」とある。しかも、このやり方ですけれども、今まで税金で開発して官側がやってきた、それを民営にします。そのときに税金を払った人から見たときに、その辺の話がよくわかって、なるほどもっともである、そのとおりだ、というのが重要だと思います。ですから、この検討の過程というのも、全部公開はなかなか難しい話だと思うけれども、国民への報告あるいは考え方の説明は重要だと思います。

【大塚課長】    この作業チーム設置は先週の水曜日にされまして、第1回会議を先週金曜日に開催いたしまして、今、7月ぐらいを目途に中間的な方向性を宇宙開発委員会にご報告すべく作業を開始したところでございます。ですから、その辺のある程度のところがもうちょっと出るように工夫したいと思います。検討が、民営化のところの検討と増強型のところの検討がちょっとダブっておりますので、その辺もあわせて工夫したいと思います。それと立川先生がおっしゃいましたタイミングがわかるように少し工夫いたします。

【五代委員】    例えば説明の中に、民営化のところに、製造責任の一元化と営業体制の強化とあります。製造責任の一元化、これは私は重要だと思います。これは大体こんなだろうなと皆さん納得する。次、営業体制の強化。製造の営業は必ずしもイコールでないこともありますね。つくる会社が営業も得意かどうか、そんなことはわかりません。極端な話、営業をどこかにビットさせてもいいと思うぐらい。製造は非常に明確だけど、営業はロケットシステムの場合、オールジャパンの責任のない今のようになって、実質投資もあまりしてくれなかった。営業体制はうまくいっているとは思えないわけですね。そこのところをどうするかは、我々にとってすごく関心事なんです。だから、その辺の議論をちゃんとしていただく。国民から見ると、その辺はすごく思いますね。

【栗木委員】    ロケット製造メーカーと全く業種が違うところが営業をやってもいいと。営業体制に入ってもいいと。

【五代委員】    一緒にやっていたらもっと得とか、それも議論の中でちゃんとしていただいたほうがいい。

【井口委員長】    だけど、それはこっちが議論して決めることじゃなくて、これは民間の話ですよね。我々が納得いけばいい。

【五代委員】    そうです。我々がここでどうのこうのするわけではなくて、報告するならば、そこもよく議論して、透明な感じを与えていただきたい。

【井口委員長】    同時に、いろいろな官民の協力で進めるときの役割分担の限界ですかね。そこまで役所が裨益していいのか。その辺のところもここでやってくださることになっていますね。

【大塚課長】    そうでございます。

【川崎委員】    私の言い出した民間主導の問題が出たので、例えば5ページの「H−2A標準型以降の開発のあり方の民間主導で開発を行うこと」という部分は、この後の文章も全部つなげて読むと、「民間能力をより効果的に活用し得る体制で開発を行うこととし」ぐらいの表現が妥当なんじゃないかなという気がちょっとします。そうすると、政府はそれに必要な支援を行うと。要するに最初のプランを民間からは提案することはないんだろうと。

【井口委員長】    この場合はそうかもしれませんが、例えばこういうことを政府がやりたいんだ、というリクエストがある。全部集めますね。それで審査して、じゃ、これで行こうと、そういうことはありますね。

【川崎委員】    ですから、それはあくまで民間能力より効果的に活用する方法で考えましょうと。

【大塚課長】    確かに増強型の民間主導の開発というのは、言葉はこういうことになっているんですが、必ずしも関係者間でコンセプトが共通でない部分もありますし、この辺はチームでよく検討したいと思っております。

【五代委員】    検討してどういう結果になるか知りませんけれども、この文章自身は、今の時点でこれを了承する、と恐ろしく断定ですね。

【栗木委員】    そう。ちょっとそういう感じがした。

【五代委員】    それはないだろうと思います。

【井口委員長】    まだ時間の余裕はあるはずなので、来週、もう一度、検討していただく。

【大塚課長】    今日は1回目の議論ということでございまして、19日を目途に。

【川崎委員】    もう一つ、7ページですが、将来につながる基盤的技術の開発のところで、老朽化施設の更新等で、「等」があるから何でもいいんでしょうけれども、施設だけでなくて設備も書いてほしいことと、古いのをリプレースするだけじゃなくて新鋭とか、新規施設設備とか、そういう発展性を、例示ですから入れておいていただいて。

【五代委員】    私も賛成ですね。最近、設備投資がありませんね。次に新しいことをするのに、特に再使用を進めることになったら基盤が重要ですね。もちろん国内につくるだけじゃなくて、外国にあるものをどんどん使うこともあるわけですけど、間違いなく必要だということです。

【立川委員】    そういえば、打上げだけじゃなくて着陸するほうが。

【五代委員】    この射場というのが……。私は射場は古い言葉だと思います。外国ではスペースポートです。ハワイアン・スペースポートとか、アラスカン・スペースポートとか、打上げだけでもスペースポートと言っている。将来につながる基盤的技術、第5項目を出していただいたのは大変前向きですけれど、何となく弱い表現ですね。  

【立川委員】    もっとたくさん書いたほうがいいんじゃないですか。ロケットのことに関連して打上げ施設の面もあるんですね。

【五代委員】    もありますし。

【立川委員】    本体はロケット開発だから。

【五代委員】    ちょっと文章を膨らましたのでしょうが、表題も含めて弱いですね。

【井口委員長】    これからがっちり固めていこうという思いがこの中にまだ入っているから、とりあえずはこのぐらい簡単にしてあるんだろうと思うんですよ。

【五代委員】    そうですね。長期的なものがないから、こんな表現でも一生懸命なところなのかなという気もあるけれども。

【井口委員長】    ですから、これからしっかりこの辺を固めていきますという表現でまとめていただくことは可能なんでしょうか、5番。今は短期間で考えて、少しばかり文章をつけ加えたところで大したことができない可能性があると思うんですよ。

【五代委員】    項目があるだけで立派であると。

【立川委員】    いわゆる基盤的技術は今からやらなければいけないですよ。

【井口委員長】    もちろんそうです。

【立川委員】    そういうことをやっていることが重点じゃないかというところもあるんですけどね。

【五代委員】    特に国としては。

【川崎委員】    私は、宇宙開発委員会での検討を継続するその前に長期的視点に立ちという時間軸を入れると選定できるのではないかと。長期的視点に立ち、宇宙開発委員会での検討を継続するという。打上げ射場をどうするか、スペースポートと書くか。

【五代委員】    私はロケットを種子島でやっていたときに、常に恐れていたのは射場で爆発するような大事故が起こることでした。これはないとは言えない。世界中、どこを見てもある。そういうことを考えておかないと、そのときになって問題になりますよ。日本だったら、ちょっとしたトラブルで2年、今言ったような大事故になったらまず5年、致命傷でしょうね。だから、要するに冗長系を持つべきだということです。

【井口委員長】    そういう議論ができるようになっただけ、私は本当によかったと思うんですけれども、半年前にそんなことを言い出したら、試験機の2号機目が打ち上がる前に、それどころじゃなくて、まずH−2Aをちゃんと上げることが先決じゃないかということだったわけです。2月4日以降、こういうことが議論できるようになったわけで、この辺はこれからもうちょっとしっかり議論して、まだ余裕はあると思うんです。15年の概算要求に入れるにしても、これからの勉強の問題が多いですから、難しいことではないですね。ですから、そこはこれから数カ月間かけて議論していきたいと思います。5は、五代委員がおっしゃるように、こういうものが入っただけでもいいと。それで、これからしっかりその辺を検討していきますという内容にしていただいて。

【五代委員】    ええ、それが重要でしょうね。

【井口委員長】    ここで急いでやる、ここ1〜2週間でやるというのはちょっと無理だろうと思いますので、そういう理解でいかがかと思います。

【五代委員】    5ページの真ん中に「ボーイング、ロッキード・マーチンが自社のロケット以外に外国のロケットと相互補完的な関係を構築している」。これは、外国の会社と相互補完をやっているようにも見える、自分の傘下におさめてやっているわけですね。その辺の事実をはっきり書いたほうがいい。というのは、アリアンからいろいろ協力の話があったが、ああいうイメージをここに持ってくると合わない。言ってみれば自分の傘下に入れている。文章的に見ていただきたい。

【井口委員長】    アリアンは、別に自分の傘下の会社でなくても、こういう補完的な契約を結んでいるんですか。

【五代委員】    ソユーズを傘下に。

【川崎委員】    これは、どちらかというと中小型化の関係でいっているから、アリアンの場合にはベガなんですね。同じタイミングでGXとやろうとした。それとソ連のソユーズですから、あれはインディペンデントですね。

【五代委員】    そういう意味で言うと、説明がちょっと足りないかもしれませんね。

【立川委員】    あまり企業名は出さないほうがいいと思いますね。

【五代委員】    唐突ですね。

【立川委員】    解約するかもしれません。

【五代委員】    民間の発想だとそうです。

【井口委員長】    それから、細かいことなんですけれども、例えば5ページの一番下に「肝要」という言葉で切れていますね。そのほかにも、「肝要」とか「必要」とかで切れている言葉がありますけれども、それも不自然な感じがしますし。経団連の宇宙開発利用推進会議の会長の谷口さんによく指摘されるのは、例えば5ページ目の一番下の「肝要」と。肝要は大事ですよというだけの話かと。ここが責任を持ってやるんだったら、肝要だからどうするというね。評論家的にただ言っているだけじゃ済まないじゃないかということをよく谷口さんに指摘されて注意されるんですけど、できるだけそういう部分をなくして、宇宙開発委員会がやるのであれば、宇宙開発委員会がやりますとか、アクティブに何かやっていきますという表現にしたほうがよろしいのではないかと思います。具体的にどこの文章というのは今、気がつきませんけれども。

【大塚課長】    全体をそういう意見で見直してみます。

【井口委員長】    それでは、いろいろご注文が出ましたけれども、また事務局のほうでよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
  それでは、衛星のほうに移らせていただきます。  まず、先導的基幹プログラム(衛星戦略−地球観測)につきまして、宇宙開発事業団の長島衛星プログラム推進部長にご説明をお願いいたします。

【長島】    先週、衛星戦略のうち、通信、放送、測量でお話ししましたけれども、本日は地球観測についてお話をしたいと思います。
  2ページ目をお開きください。2ページから4ページまでは、5月15日にここの宇宙開発委員会で今後の衛星開発の進め方について論点の取りまとめということの文章と基本的には一緒なので、キーワードだけをお話しします。2ページ目のキーワードとして、10年後の地球観測の目標としまして一番のキーワードは、地球温暖化の問題に重点化をしたいということがキーワードとなっております。
  3ページでございます。研究開発の進め方ですけれども、地球環境監視ミッションの優先順位としましては、1番ということで、まず地球温暖化の原因物質の観測をするということで、温室効果気体観測ミッションを第1優先にしております。2番目としましては、地球温暖化に伴う主たる影響の観測ということで、いわゆる水循環変動観測ミッションを2番目に置いています。3番目としては、地球温暖化の影響、そのほかの影響の観測ということで、気候変動観測ミッションということを置いてございます。
  4ページ目でございます。地球観測の実施に当たりまして考慮すべき事項としましては、1番として、利用機関主導の定常利用へ。いわゆる定常利用というものは利用機関のほうで主導的にやっていただくということで、それに向かっての橋渡しを段階的に実施していきたいということが大きな事項です。3番目としましては、国際分担ということによる全球観測システムの構築と運用ということを考えております。4番目ですけれども、利用者が観測データを容易に利用できる環境、いわゆるアーカイブとか、そういう構想の整備の推進をしていきたいと思っています。
  5ページ以降が、より具体的にNASDAの考え方をご説明したいと思います。NASDAとしましては、現在、ADEOS−2、あるいはALOSがございますけれども、それを打ち上げた後に、2007年から2011年まで、まず温室効果気体観測ミッションのひとつとしましてCO2を主にはかる、我々の仲間うちの言葉では、そのミッションのことをGCOM−A1と名前を呼んでいますので、それを入れてございます。具体的なことについては後でもうちょっと詳しくご説明いたします。
  それから、水循環につきましては、全球の降水とか雪の観測を3時間ごとに観測するということで、GPMというミッションをつくっておりますので、そのGPMということのご説明をしたいと思います。時間的に少し遅れまして、気候変動観測ミッションとしましては、気候モデル改良のための新しいパラメータ等の観測、いわゆる海洋の塩分の濃度とか土壌水分等をします。これも我々の仲間うちではGCOM−B1のミッションと呼んでいます。それから、バイオマス量の観測、陸域における植物の分布の観測を、これはALOSのフォローミッションと呼んでおります。それから、雲あるいはエアロゾルの3次元分布観測、我々の言葉ではEarthCAREという言葉で呼んでいます。それを後に実施したいと思っております。
  6ページ目でございますけれども、災害監視あるいは資源探査観測のミッションシナリオとしましては、現在、ALOSが1/25000スケールの地図を作成しております。2004年に打上げの予定ですけれども、約5年後にそのミッションをやりますけれども、そのF/Oとしまして、1/10000のスケールの地図を作成することをALOS  F/Oで我々はしていきたいと思っております。
  7ページ目ですけれども、NASDAあるいは新宇宙機関と呼んでいただいても結構ですけれども、利用機関の役割分担についてお話をしたいと思います。
  まず、NASDAにおきましては、今後10年で次の業務を実施したいと思っています。まず、先端性あるいは汎用性の高いセンサとその処理技術あるいは衛星バス技術の研究開発を進めたいと思います。それから技術実証プロジェクトを今後行っていくわけですけれども、利用機関、当然、外部機関も含めますけれども、と適切な分担のもとでそれを実施していきたいと思っております。それから観測データの処理システム、あるいは検索・保存システム等の研究開発をしてみたいと思っています。
  一方、さまざまな利用機関がございますけれども、その利用機関に対しましては、定常観測システムの整備とか利用ということの分担をお願いしたいと思っています。あるいは特定用途のセンサとか、技術実証プロジェクトの適切な分担のもとでの実施、あるいは特定用途のための次元の高い高次処理システムの開発、整備ということをお願いしたいと思っております。
  一方、今後の利用促進のためには「データ・アーカイブ」の重要性というものが非常に重要だと我々は認識しておりますけれども、新宇宙機関がすべてこれをやるというのは費用的にも無理なので、まず、利用機関と適切な役割分担を今後話し合っていきたいと思っております。   8ページ目以降、参考として、次期地球観測プロジェクトの候補の中で、当面、我々が考えておりますGCOM−A1とGPMについてご説明いたします。GCOM−A1につきましては、京都議定書の約束期間の対応を考えまして、そういうものを打ち上げてみたいと思っております。これは利用協力機関としては環境省、ESAが入っておりまして、ここに分担案が書いてございますが、NASDAが衛星バスとか、OPUSという観測センサとか、地上システムの打上げを考えております。環境省としては、SOFISというセンサを考えています。ESAのほうが、成層圏風プロファイル観測装置を考えておりますけれども、この辺の分担につきましては、今後また調整が必要だと思っております。
  10ページ目でございますけれども、GCOM−A1の重量としましては1.35トンということで、例えばADEOS−2が3.7トンということなので、約3分の1ぐらいの大きさにしております。今までがいろいろ載せ過ぎているというようなこともございましすので少し小ぶりにしてございますので、それにこのようなセンサが載ってございます。
  11ページでございます。GPMですけれども、これは水循環ということで、現在、NASAが中心となりまして、3時間ごとに全球の水循環の変動の観測をしようということになっていまして、それに呼応しまして、CRL、NASDAあるいはESA、国土交通省、さまざまな関係機関がそれに参加しておるわけでございます。NASAのほうが、約2.6トンのコア衛星バスがございますけれども、マイクロ波放射計、コア衛星の周りにコンスティレーションとして次の12ページに書いてございますけれども、約500キロのコンスティレーションの衛星群があります。これにはマイクロ波放射計が載んでございまして、これで全球を観測していくこととなります。日本が担当してくれないかと言われているのが、この中でコア衛星に二周波の降雨レーダ、一種の高センサーのような感じにもなるんですけれども、KuバンドとKaバンド。KaバンドのほうはCLRが担当していまして、KuはNASDAが研究をしているということになっています。こういう衛星で現在、NASAと議論を重ねるという段階です。
  以上でご説明を終わります。

【井口委員長】    どうもありがとうございます。
  それでは、ご検討をお願いいたします。ちょっとスケジュールのことを伺いたいんですが、今日も配ってありますけれども、論点の取りまとめ骨子案というのを配ってありますけれども、これを今日の長島さんのお話などを含めて、ロケット開発の進め方と同じような文章にしてまとめるということになっていますね。今日、ロケット開発についての文章が出されましたけれども、それに対応するような文章というのは来週ぐらいには出てくるんでしょうか。

【芝田課長】    来週か、その次ぐらいですね。いずれにしても、6月の最後の26日をターゲットにしていますので。

【井口委員長】    またいろいろなご意見が出て文章が長くなりますと時間がかかりますから来週ぐらいにお願いいたします。

【川崎委員】    一つよろしいですか。3ページの優先順位のつけ方なんですが、(1)の地球環境監視ミッションというのは、国際間協力関係もあって非常に重要だというのを否定するわけではないんだけれども、私の日本国民としての感情から言うと、まず(2)が先じゃないかという気がするんですけどね。活断層の見直しとか、火山の見直しとか、一連の問題が今ずうっと動いているわけなので、それらと連動して、まず日本国民の住む生活基盤が安定かどうかということのほうが先にあって、それであわせて力があれば、その次に地球観測ももちろんやる。否定する意味ではないのですが、これだけ内容が詰まっているから優先順位が高くなったという印象だけれども、そんなことはないですか。私は2番だろうと思うんですが、どうですか。

【五代委員】    私も同じ意見で、(2)というのは安全・安心ですね。国民に一番ダイレクトに理解してもらえる。(1)というのは国際協力でグローバルでもちろん重要ですけれども、私も、順番としてはどうかなと思います。一番関心を持っているところ、いろいろな災害がどの程度予測できるか、あるいは起きたらすぐどうなるか、そういうことがきちんとできるとアピール、と言うとおかしいけれども、一番関心が高いです。

【井口委員長】    中間報告には目的だったか、その前に3つあって、そのうちの第一に安全・安心と考えています。

【長島】    まずどちらが優先かという議論があるんですけれども、一つは時間的な話を先にいたしますと、はっきり言いまして、ALOSのF/OかあるいはGCOM−A1とかGPMかという議論だと思うんですけれども、6ページ目を見ていただきますと、ALOSが2004年打上げを今予定しております。それで約5年間、うまくいけば作動するということになりますと、その次のF/Oのほうが、うまく続ければ2010年ぐらいですね。そうしますと、時間的にはGCOM−A1あるいはGPMより時間的に余裕があります。つまり、京都議定書の約束というのは、時間的に2008年から2012年を京都議定書の第1の約束期間と4年間なっておりますので、時間的にはGCOM−A1のほうが、優先順位が時間的な点と社会的な意義と2つの側面があると思いますけれども、社会的な意義のほうは大分議論があって、どちらかというのはちょっとあると思いますけれども、時間的にはGCOM−A1のほうが先か、あるいはGPMのほうが、アメリカのほうも2007年頃云々という話もありまして、正直言いまして、時間的優先度のほうでもって私は説明いたしました。

【川崎委員】    ESAとNASAと、いろいろ外国と関係を持つのも大変大事なことなんだけど、逆に言うと、日本だけで時間を決められないという制約もあるわけですね、一つのコンスティレーションの中では。それに対して、災害対策のほうは、私は率直に言うと、6ページを見ていただければわかるんですが、ALOSは48時間に1回しか回ってこないという頻度なんです。これじゃ実災害のときには間に合わない。むしろこれが6年寿命を持つ衛星、5年寿命を持つ衛星なら、3年目に上げたっていいわけですね。そして、複数衛星で頻度を高く密度を濃く見るほうが意味があるので、これのほうが我が国独自で自律的にやれるというのは、結果は、データとしてはほかの国に活用させてあげるというのは自由でいいと思いますけれども、その辺はどうなんでしょうかね。

【栗木委員】    このGCOM衛星というのは、京都議定書で国としてコミットしているんですか。

【長島】    何らかのことをしましょうというので。特に環境省としては非常に力を入れている。

【栗木委員】    衛星を使ってということで議定書の中に入っているんですか。

【長島】    そこまでははっきりは書いてないですね。

【宇宙開発事業団】    議定書そのものでは、衛星を使ってこういうことはコミットされていません。環境省のほうでは、環境省の政策については京都議定書の第1約束期間に対応するべくもう開発研究に入って、衛星が回っているということになっています。

【五代委員】    川崎さんの質問で最初に言われたことだと思う。準備が整っているから、要するに長島さんが言っている時間的なこと、それイコール順番か、ということですか。社会的、国内的には順位がどっちが上だっていうけれど、時間的にはこうだということがあるじゃないですか。

【井口委員長】    それはポリシーの問題じゃないかと思うんですよ。我々としてどっちを優先するか。総合科学技術会議の専門調査会は5つばかり目的を並べていますけれども、安全・安心は確かに5番目で一番下で、一番上は人類への貢献という部分を最優先にしているんですよ。それは1、2、3、4、5、この順番ですよと順番を議論したわけでもないんですよね。だから、1、2がどっちが優先かというのはね。逆に、こっちは安全・安心をプライオリティを高くしますよということであれば、そうしたらいいんじゃないんですか。

【五代委員】    宇宙開発委員会は、前に安全・安心というのを1番目に置きましたね。

【長島】    今日、そこまで議論できるかどうか、災害とかの問題というと、一つは、例の情報収集衛星とか、その辺との役割分担とか、そういうのも別途議論が必ず必要なのかなと思います。

【井口委員長】    それは優先順序に関係しますか?  優先順序は決める。

【長島】    それはそうです。

【栗木委員】    私も(2)が一番で、優先順位が高いと思います。

【井口委員長】    どうもそちらの意見のほうが多いようですから。

【栗木委員】    質問ですけれども、そういう意味では、地球環境監視の関係は国際協力でやるというなら、資料に分担表をつくってもらって、日本は例えば何をやってというのを添付していただいて、これだけの役割を果たすというのを明快にしていただくとわかりやすいんじゃないかと思います。
  もう一つ、GCOMは日本が主導なんですね。GPMはNASAが主導で日本が……。

【長島】    そうですね。

【栗木委員】    そうしたときに、将来のNASDAが持っている地球観測の戦略というのがあると思うんですよ。迅速で、なおかつ観測のカバレッジが広い。そういう思想があった上でこれにフィットするという話だと、ADEOS−2、ALOS、あるいはGPMがちょうど時期的にも合ったというのだったらそれは乗るというロジックが成り立つと思うんですけれども、もとのほうが決まらないで、たまたま出てきたんだからというので乗りますと、極めてNASDA自身のポリシーが振られるような感じがしまして、もとは何ですかという。つまり、ADEOSとALOSはもう既に既定の研究としてありますから、そこから先というのは、GCOMも国としてオーソライズしているわけではないですよね。

【長島】    全然していません。

【栗木委員】    ですから、ここからまだ白紙だということにして、その前にNASDAが描く地球観測の戦略というのは、環境と地形の監視も含めまして、どういう姿が技術的にも望ましいか、衛星の発展としても望ましいかというストーリーがあって、それにGCOMとGPMがどうはまる。そういうシナリオで見せてほしいんですけど。特に国際協力の場合には、そちらが主導になったときに振り回されないかというおそれがありますね。

【井口委員長】    論点の取りまとめと今日の話とはどういうふうに、今日の話を受けて論点の取りまとめを骨子案に組み込む、そういうことになるわけですか。

【大塚課長】    そうでございます。今日、骨子案の2ページ目の先導的基幹プログラムを2つ選びましたが、そのうち地球観測の部分の具体計画を説明していただきました。ちなみに、この骨子を取りまとめた過程では、先導的基幹プログラムが2つあるうちの一つの地球観測という中に災害、地球監視というのも含めた形で取りまとめるということになった次第でございます。1ページ目の3です。

【井口委員長】    この骨子案で4ページ目にプロジェクトが並べてありますね。この中にはGCOMというのは入ってないんですね。

【栗木委員】    入っていない。GCOM以降はまだコミットしていない。

【井口委員長】    将来のものとして扱うことになりますね。

【栗木委員】    そうです。しかも、将来というのもまだオーソライズされたわけではないと。その前にNASDAの戦略があってしかるべきじゃないかなと。

【大塚課長】    これが今、国の戦略。

【栗木委員】    そうですね。

【井口委員長】    ですから、先ほどのロケット戦略の最後の5章として将来のことを述べていますが、衛星のほうもそういう扱いになるんですか。

【川崎委員】    日本の場合には、今、長島さんがおっしゃったけれども、シビルパーパスで一般公開しながら、国民がデータから利益を享受していくというのも、基本的には情報収集衛星というのはないものと考えたほうがいいんじゃないですか。

【井口委員長】    我々はそう考えてここでは議論しています。

【川崎委員】    そうしないと、変な話、混乱すると思うんですね。
  もう一つは、グローバルの国際共同のGPMにしても、場合によると、インターナショナル・スペース・ステーションの曝露部なんかに一つの載せる場所としての幾つか候補があるわけですね、センサなんか。あの辺も一緒にリンケージをとって、どういう国際共同ができるようにするかという、そちらの議論もあっていいんじゃないかなという気がしますね。

【井口委員長】    それはどっちに入るんですかね。ISSを今議論していますね。

【川崎委員】    その中でリンケージも出てくるんじゃないでしょうか。

【大塚課長】    一応、災害監視みたいな話はバックローブででもイメージ的に挙がってきていましたからリバースする形にしておきましょうか。そのほうが……。

【川崎委員】    そうですね。ISSとリンケージをとってお互い相互補強する。

【大塚課長】    これを具体化するときにちょっと工夫いたします。

【川崎委員】    一般的に言わせていただくと、やっとアーカイブも表に出てきたんですが、今までの日本はほとんどの研究開発がキャッチアップ型の研究開発ですから、どの分野でもデータベースをどうつくっていくかと誰も考えないですね、海洋観測もみんなそうなんですから追いつけばいいんだ。これから先を走る、何をやったらと、先人の後をみんな調べるために、そういうデータベースづくりというのは研究の一環として極めて重要になるので、これはナノのチューブであれ何であれ、みんな同じなんですよ。日本の場合、今まで追っかけ型の研究だから、一つのものをやった後を追いかけて研究をやっているだけですから、そんなものはあまり必要なかったんですが、先を走るとなると、やったことをきちんきちんと足跡として残すのが重要なので、それは忘れないで。

【井口委員長】    その辺のデータ利用については、これからしますと項目は入っているんですけど、具体的にどうするかというのがどこにも述べられてないんですね。それを展開するプロジェクトというものもないし。

【川崎委員】    先導的基幹プログラムの一つに入れていいんじゃないかと思うんですけどね。

【井口委員長】    それと同時に、この間、油元先生という九大の先生にさんざん言われたんですけど、宇宙は宇宙で宇宙からの情報だけしか考えていない。ところが、例えば地球環境なんて地上で得られるデータも非常に重要なんだ。両方が一体になって初めて効果が上がる。だから、さっき官民の分担はありましたけれども、宇宙と地上との分担、地上のほうにセンサを展開するほうが安いことだってかなりあると油元先生に教わって、その辺の分担で全体としてどうするかという考え方ですね、それが必要なんだろうと思います。そういったことでこれからどういうふうに利用環境を整備していくかということ。今、すぐここで結論は出ないかもしれませんが、将来の大きな課題として、どこかにちゃんと入れておいたほうがいいと思いますね。

【栗木委員】    データ・アーカイブは、要するに課題だけ、「WHAT」のほうだけは出ているんですが、「誰が(WHO)」というのは見つからないですね。責任者は誰なんですか、これをやる人、本当に実行する人。

【長島】    新宇宙機関も中心的になるんですけれども、相当の費用がかかるわけですね。ですから、検討することは簡単なんですけれども、問題は、今、全体の締めつけがものすごく厳しくなっていますので、そうしますと、新宇宙機関だけで表の利用機関とそれを負担して、要するに全体のまずグランドデザインも必要ですけど、その中で利用機関がどの程度役割を果たして、我々、宇宙機関はどこまでやるかと、そういうことをやっていかないと、到底、全部、新宇宙機関なんて持てるわけがないわけですから、絵にかいた餅になってしまいますから、そこはそう簡単に、我々だけが構想をポンとお出ししてですね。お金が幾らでもあるということだったら、ある程度自由になるということだったらすぐ出せるんです。そういうことも検討してはいますけれども。

【川崎委員】    よく考えると、衛星というのは高いんだけど、あれは耐久消費財なんですよ。ライフタイムは電気製品より短いんだから、5年から7年ですから。テレビは15年ぐらいもちますからね。それに対して、アーカイブは恒久資産なんですよ。ガウディの教会と同じで、1,000年かけてつくっていく教会みたいなものなので、恒久資産として残していくわけなんだから価値が違うんですよ、同じお金を投じても。バラックを建てて地震でまた直せばいいという発想を持つ日本人だからこそ衛星のほうが大事かもしれないけど、私はとったデータを後々100年後にどういう解析に使うかとか、10年後にどの解析に使うかというほうがね。

【栗木委員】    とって捨てていたら時間を捨てているようなものでしょう。時間そのものを失っているような感じがします。

【川崎委員】    だから、やっぱり新機関がある程度中心になって、お金をとってやらざるを得ないんじゃないでしょうかね。

【栗木委員】    重点化だったら優先度をどう置くんですかということはその次の問題になるわけですね。

【川崎委員】    むだだ、むだだと言われていたんですけれども、今の物質材料研究機構の鉄のクリップ試験のデータというのは戦後営々とやってきているわけですね、五十何年。だからこそ、今、材料の中にあのデータが全部入っているわけで、あれによってどれだけ建設費の節約ができているかというのは誰も計算しないけど、ああいうことは日本では評価しないんだけど、非常に大事だと思うんですね。

【井口委員長】    2〜3日前の日経に、宇宙からデータ利用を考える会というNPOをつくる……。

【長島】    もうつくりましたね。

【井口委員長】    高木幹夫さんというのは昔の私の遊び仲間なものだから電話してみようかなと思っているんですけどね。ああいう組織があれば、そういうところと一体になっていろいろ知恵を出し合い、必要があれば、ほかの省庁だって、環境省だって関係しているわけですし、そういう知恵をまず出すことなんだろうと思うんですけどね。

【長島】    今週の月曜日に設立総会を開きました。

【五代委員】    もう一つ、いいですか。GCOM−A1というのはADEOSから見れば小さい衛星で、3トンぐらいだったか、それで何で小型衛星だとよく言っていたのですが、今度は1.35トン。これは技術革新のせいか、ミッションを絞ったのか、よくわかりません。けれども、この表の中でいろいろな将来計画がありますね。衛星の共通化があると思います。放っておくと、皆さん、別々の衛星をつくるのではないかと私は危惧する。ですから、一種の衛星技術開発戦略イコールグループ別戦略とつながるわけですね。その辺のリンクを、観測衛星だけ考えると、それで行くとなりがちなので、ぜひトータルとしての戦略が欲しい。そうすれば、衛星バスの共通化なのかどうかわかりませんけれども、数が出れば当然信頼性は上がって安くなる、作業もやりやすい。そういうことなので、衛星サイズをよく考えていただきたい。センサが載るからといって、また特別オーダーになってしまうことが多いので、ぜひもっといい方向に持っていっていただきたい。

【長島】    おっしゃるとおりだと思います。ADEOS−2とかALOSが3.5トンぐらいですけど、これを1.何トンとしたというのは、一つはセンサの数を減らしたということがあります。目的に絞った格好で、今までのような花魁のかんざしみたいにたくさん載せたという時代じゃないだろうということで考えています。一つは、GCOM−A1と次のGCOM−B1はバスは共通化しようということぐらいは考えています。ただ、ほかのものはみんな、アメリカとかESAのところに載る、ALOS  F/Oは別ですけれども、載るという格好で今、国際協力を進めて話し合いをしておりますので、そこは別なんですけれども、まさに五代先生がおっしゃったような格好で行くべきだろうと思っています。

【五代委員】    GPMではそうでないかもしれませんが、もし国際的なコンスティレーションの中に入らないかと言われたときに、全体が満艦飾になって、日本のポリシーが崩れやしないかを恐れます。NASDAはきちんとした自分の、小型だけれども、極めてカバレッジが大きく迅速であるというのを最初に持って、それで加わる加わらないを決められたらどうかなという気がする。GPMというのは2.6トンとさっき聞きましたけれども、ひょっとしたら花魁のかんざしにならないかなと。

【長島】    バスはNASAがやるので、それに載けるだけなので。

【今村局長】    ちょっと一つ教えていただきたいんですけど、技術実証と利用機関主導と展開されているわけですね。例えばGCOM、GPMというもののスペックですね、こういうものにしよう、こういうものの技術実証をしようというのはどうやって決めるんですか。利用機関と相談するわけですか。

【長島】    利用機関とか、あるいは有識者とか、地球観測のほうでも一つのコミュニティーがございますので、そのコミュニティーの中でどういうスペックがいいだろうかとか、キャッチボールしながら今だんだん固めているということです。

【今村局長】    相談した結果、1.35トンというのが決まっていると、そういう理解でいいんですね。

【長島】    衛星の大きさというのは、衛星バスはNASDAのほうで計算したりしますけれども、どういうスペックでいくか、とりあえずどういう機能を持ったセンサがいいだろうか、そこがメーンですけれども、そういうことを決めていく。そうすると、そのセンサを実現するときに重さはどのぐらいになるとか、あるいは電力がどのぐらいになるかということからやっていきますと、大体、衛星バスが決まってきます。そうすると、ものすごく重くなれば、今の時代に合わないからもっとセンサを減らそうとか、そういうキャッチボールが当然あるわけですね。

【今村局長】    キャッチボールの相手は……。

【長島】    相手は、例えば利用機関であれば環境省とか国土交通省、あるいは大学とか、そういう……。

【今村局長】    そういう場があるわけですね。

【長島】    それはあります。そういう地球観測のコミュニティーができておりますので。一つじゃありませんけれども、大学とか、あるいは環境省もそういうことでやるところもありますので、そういう場がありますので、話し合ってだんだん決めていきます。

【今村局長】    NASDAの役割というのは技術実証であって、観測そのものではないわけですね。観測するための手段を開発するのがNASDAの仕事の分野である、そういう理解でよろしいんですか。

【長島】    ええ、それもありますし、技術を移したものを解析する方法とか、そちらも今やっております。ですから、もちろんそういう研究所を持っておりますので、そこで移したものをどう解析していくか、そういうことまでをやっております。

【五代委員】    ちょっといいですか。どれがということではないんですけど、例えばこのミッションとか衛星が非常に重要だということになると、逆にミッションのバックアップ、衛星のバックアップ、どれでもってそれを補っていって次のミッションにつなげていくか、そういうリスク管理です。当然あるわけだと思うんですが、示していただけるといいかと。

【栗木委員】    特に災害監視なんていうのは、ちょうど気象衛星ですき間があいてしまうような、ああいうことがないようにというのが前提になりますね。

【五代委員】    災害はいつもあるわけじゃありませんが、そうかといって抜けてはまずいですから。

【井口委員長】    そういうことになったら、研究ではなく事業として行う、そういうレベルの話になるかと。

【長島】    新宇宙機関の枠を超えている話かもしれません。全部やるかどうかは別。ただ、はっきり言いまして、次元の低い話かもしれませんけれども、全体の予算がかなり厳しい中でこういうことをやらざるを得ませんから、バックアップまで考えてとか、そういうことまでどんどん考えていきますと。

【五代委員】    いや、自分で持つというわけではなくて。

【長島】    ですから、もっと枠を超えて、ほかの利用機関と連携してどうやっていくかとか、そういうふうに考えていかないと。

【川崎委員】    国全体として、国土管理とか国民の生活に直結する大気の状況の監視ということを、独立行政法人にしたものですから、みんな中途半端になってわからくなくなる。そういうのは国家としてあまり意味がないんじゃないか、極論するとね。要するに我が国の領土がどうなっているかというのを常時把握するという機能を国は持たなければならないわけなので、その一環でこの災害防止があるかと私は思うんです。

【井口委員長】    ちょっとお言葉なんですけれども、今はほかのお役所さんがいろいろ、利用官庁もいるわけですけど、宇宙から見たものが災害監視とか、資源探査とか、今さまざまなことに役に立つんだということを示す時代ですから、そういうことがわかっていると、そっちのほうでどんどんやるでしょうけど、新宇宙機関がとりあえず役に立つんですよということを教えると言うと言葉は悪いですけど、啓蒙する時代でしかまだないんです。さらに規模を広げるとかは次のステップかもしれません。

【川崎委員】    それはアメリカのNASAがFEMAに人を派遣してまで、例の緊急事態対応で、こういうふうな衛星データを使えばどうだということをやっている、共同作業を入り込んでやっているようですから、それぐらいのことも必要なのかもしれません。

【井口委員長】    それでは、次週、また進め方についての案をまとめていただいて、ここでご審議いただくことにいたします。
  長島さん、どうもありがとうございました。
  次の議題に移らせていただきます。次はがらっと性格が変わりまして、宇宙用部品の確保について、宇宙開発事業団の谷岡技術研究部長に来ていただきました。今朝の10時半にお願いして、急遽、つくばから駆けつけていただきまして、どうもありがとうございます。ともかく、ロケットにしろ衛星にしろ信頼性が大事だと思いますが、信頼性を高めるには、設計もさることながら製造過程ですね。したがって、部品産業がどうなっているかというのが大変大きな課題で、そういうことについて、ここでお話を承ったことは今までにないのではないかと思いますので、一つ谷岡さん、よろしくお願いいたします。

【谷岡技術研究部長】    技術研究本部の谷岡のほうから説明をさせていただきます。
  今回説明させていただく内容は、平成13年度に事業団の中で新たな問題として、部品というものが非常に大きい、根の深い問題であるということが認識されまして、これについて基本的に今までのやり方、そして今後どうあるべきかというところをもう1回、洗いざらい検討し直すという機会がございましたので、その検討チームの状況について今日ご報告させていただきます。
  2ページをお開きください。ここでは宇宙開発の一番基幹を成す部品についての安定的な確保の方策の検討のために、事業団の中で、臨時組織でございますけれども、部品プログラム検討タスクチームという臨時組織を編成いたしまして調査・検討を行いました。
  3ページ、これの背景といたしまして、まず事の発端でございますが、NASDAの認定部品は約350品目ほどございますが、ここ数年にわたりまして急激にNASDAの認定部品の辞退というのが続出してございます。私どものほうもいろいろ状況調査を行いましたけれども、これは非常に根が深い問題であって、単なる対症療法ではとても解決がつかないという性格を持っているということで、急遽、臨時組織を編成いたしまして、私どもNASDAだけでなくて、この部品の問題については、それを扱うシステムユーザーさん、そして部品を提供する部品の提供側の論理、この三位一体がうまくかみ合わないと、これはうまく回らない性格を持っておりますので、まず実態調査を中心に行いました。それから分析して、今後あるべき姿というものを提言しようという活動を行いました。
  4ページでは、私どもの行った活動の経緯、流れを示してございまして、一番最初に一番大事な話は、左の真ん中にございます国内外の宇宙用部品の動向調査、そして部品メーカー、そしてシステムメーカーはどのように考えているか、これが実態把握ができないと対策の立てようがないということで、昨年の半年はこの調査に努力を傾注いたしました。その分析結果と今後あるべき姿というものをまとめてございます。さらに、これは今後、NASDAの中で部品はどうあるかという議論をしておりましたけれども、今後は数少ないリソースを使っている関係から、NASDAだけでなくて宇宙科学研究所であるとか、航空宇宙技術研究所とか、いろいろな機関の方々と意見交換しながら、非常にマーケットの小さいところなので、うまく協調しながらやっていけないかという働きかけも行いました。
  5ページは検討した内容を箇条書きに書いてございまして、NASDAの部品プログラムを進めてちょうど昨年で30周年になりますが、これらに至っての今までの流れ、今何が変わっているか、そして何が問題か、そして一番下にございます、一番顕著に出ております半導体の供給がほとんど機能を果たさないようになっているので、これに対しての検討、そして最後に今後あるべき姿、私どもの活動計画の提言を行っております。
  6ページは、古くて新しい議論なんですが、まず部品の問題について、NASDAがなぜこのようなものに対して関与するのかという問題がいつも出てきています。私どものほうの整理といたしましては、まず基本的に、部品の品質保証というのは本来は契約業者であるシステムメーカーが実施すべき基本的な性格を持っています。ただし、そういう性格で任せるだけでは全く解決できないような問題もある。それはどういうことかと申し上げますと、宇宙機の品質というのは部品の品質からすべてスタートしています。そして宇宙用の部品というのは、これは未成熟な市場でございまして、量産品でマーケットがまだ確立していない。したがって、非常に小さい数をつくりながら供給し続けるという性格を持っていまして、いろいろなところから競争入札でもって買い求めるという性格のものではございません。地上用と異なる部品は、まず品質をどのようにして確保するのかということは宇宙特有の現象、例えば放射線であるとか、そういうものについては地上では評価してございませんので、それに対しての評価をどのように性能保証するか。もう一つは、NASDAと発注者側、そして製品をつくるシステムメーカー側との積極的な関与、これがうまくかみ合わないと、この問題はうまく片づいていかないということで整理されてございます。したがって、私どものほうは、NASDAは、本来はシステムメーカーで負うべき性格であるけれども、NASDAがここまで介在しないと、宇宙開発そのものを進めていけないという考え方に立ってございます。
  7ページ以降は、簡単に私どもの調査結果を報告いたします。まず、システムメーカー、部品ユーザーに当たるんですが、ここでは表現といたしまして21工場、私どもがつき合っている企業については網羅的に当たってみました。工場といいますのは、例えば一つの会社で事業部が違っていて、かなり大きいプロジェクトを展開しているというところもございますので、会社の数ではなくて工場の単位で調査させていただきました。
  これは非常に共通していることがたくさんございまして、まずNASDAの認定部品は、パーツリストということでQPLと呼んでいますけれども、これのよかったところについては技術の管理の面で非常に安心して使用できる。そして不具合が起こった場合でも、非常に対応が迅速で信頼できる対応ができています。そして、部品仕様書を作成する必要がないということで、部品番号と数だけオーダーすればよい。
  そういうところもございますが、反面、否定的なところは非常にお値段が高い、品種が限られている、さらに外国に対してあまりPR活動をしていない反動もございまして、外国ではなかなか使われていない。そして評価も意外と低い状態にあるということもわかりました。もう一つは、海外の衛星に使おうとした場合には、利用する手続とか、そういうものも煩雑である。これは具体的には、税金を使っております性格上、平和目的利用でないといけないとか、ロイヤリティーとか、そういうものがございます。
  課題といたしまして、システムメーカーそのものについては、意外と部品の専門技術者が少ない。そして十分に技術的に練られた状態で設計されるような環境に育っていないということもわかりました。部品についての技術情報、品質確認についても、海外から買ってくるときには非常に苦労しているということもわかりました。
  次のページ、部品を製造する側の調査でございまして、大体このような形でサマライズしてございます。肯定的な意見といたしましては、会社の広告塔として非常に役立った。そして品質管理を習得する非常にいい機会であって、質の向上に役立ちました。ISO取得の前段階として非常に意味があったということで、この辺の評価は過去形の評価として、現在進行形のような評価は極めて少なかった状況です。
  否定的な話といたしまして、国産化推進という当初は錦の御旗があったんですが、現状ではその方針が不明確になって協力する理由がなくなった。それと、設備更新が非常に重荷になって障害になります。製造量がそのわりには極端に少ないということで、これらの条件から安くよいものを供給してくださいという状況にこたえるのがなかなか難しいというのが部品会社のネガティブな意見の共通点でございます。   課題といたしまして、会社として経営方針で今後どのようにして協力していくべきか、もしくは方向転換すべきかということで非常に苦慮しているということが大体主だったところでございます。
  次のページでございますが、一方、NASDA側に立ってみまして、部品の今までの要点はどのような状況にあるかと申し上げますと、1971年にこのような部品の認定制度を設けまして、それから一番積極的に展開されたときはH−2ロケットの部品開発、そしてETS−6の部品開発。このときは国産化率向上100%を目指して進めるということで組織的な部品開発が行われました。その後、その考え方は中断されて、新たな効率的な開発ということで安価な部品を求めるような流れになっております。そのような状況で、現状では非常に一貫性のある部品開発というのは中断されて、結果として、問題点にございますように、コスト高、部品が陳腐化してきた、製造設備の維持にメーカーさんは非常に苦慮されているということが象徴的な事象として出てきております。
  次の10ページは、これは一例でございますが、NASDA認定部品。これはアイテムとしてとらえていますが、現状では約350品目ほどございます。象徴的な話といたしまして、集積回路は122品目ございましたが、認定辞退が続出するということで120アイテムは取り消しの予定でございます。残る2アイテムだけで今後どのようにしていくかという苦境に立たされている。これは一番象徴的な一つの出来事となっております。
  11ページの認定部品の課題。これは現状、私どもの抱えております課題でございますが、一言で申し上げますと、コスト高、そして部品開発に投資しない。そして新しいニーズにこたえられない。こういうマイナススパイラルに落ち込んでおります。
  現状では、国内の宇宙用部品の供給体制が非常に危機に瀕しているということで、すべてがそうではないんですが、一番特徴的なものといたしまして、集積回路、半導体関係、これは設備産業の一番代表的なものですが、これの製造設備の更新が一番大きい要因になってございます。宇宙用としての品質の高いもの、それを安くというユーザー側の要求でございますが、これらについては一番下にございます基盤技術を維持するということと経済性を求める。ここの矛盾に悩まされているというのが実態でございます。
  12ページは、当初、一番最初のターゲットでございました部品の国産化率100%という標榜を掲げてH−2ロケット、ETS−6の開発をしておりましたが、このときを境にして、いろいろ外圧もございました。米国からの市場開放、そしてコストダウンのためのコストの安い部品を買ってこざるを得ない、安く、早く、短期開発をしなさいという話もいろいろな諸情勢が入ってきまして、これらの国産部品として開発されたものはマーケットの中でなかなか自律していけないという状況で外国部品にほとんど移ってきているのが現状でございます。
  13ページのグラフは、私ども技術研究本部で部品開発にどのぐらいの経費をかけているかということをグラフにあらわしてございまして、ちょうど真ん中のピークがありました頃が、ちょうど国産化率を標榜していたころの時期でございます。それから後はだんだん少なくなっておりまして、もう一度、1992〜1993年頃にピークが出ていますが、これは宇宙ステーション「きぼう」の開発費のためにお金を投じたものでございまして、それから後は年によって大きいばらつきがあると、一貫性がないという見方になりますが、このような状態を保っております。
  私どものほうで今までの状況調査を見まして、今後どうすべきかということで、まず大まかな整理をいたしましたところ、部品に対する方針が不明確である。そして、これはメーカーさんに任せればすべて片づくのかというとそうではなくて、メーカーさんに任せても解決がつかない問題がたくさんあるということで進んでおります。
  もう一つは、これはNASDAの内部の問題でございますけれども、効率的によいものを安く開発しなさいということでプロジェクト体制を強化いたしまして、部品を開発するファンクション業務というものが立場としては薄い状況になっていまして、それが本来はきちっとインフラとして機能させなければいけないところが弱くなってしまったというのが現状でございます。
  15ページは、これもケーススタディの一つとしてやりました、この先はどうなるのであろうかということで、上の3番目のところで、もし国産部品がなくなるとどうなるのであろうかということで、これに対しての影響について考えました。その結果といたしまして、高機能部品が入手困難になって、先端的な宇宙開発が難しくなるであろう。そして、外国部品をブラックボックスで購入して、二流の宇宙開発になるであろうということが考えられます。これは具体的に申し上げますと、先端的な新しい部品には必ず新しい弱点がございます。こういうものをよく知った上で設計をしなければいけない。これは当然のことなんですが、外国から買ってくるカタログには、そういう弱点はどこにも書いてございません。そういうものをうまく把握しながら開発を進めていかなければいけない。これは設計開発の基本でございますから、そこのところに大きい問題が生じてしまう。
  もう一つの話としては部品の品質保証。これは私どもの宇宙開発に使うものはほとんど製造工程まできちっと検査をして、それを利用してございます。ただし、外国に直接、工場立ち入りということは非常にシリアスな問題でございまして、工場の立ち入りを拒否されるという問題も出ております。そういうことで、ここら辺の問題を、さもないと日本の国内宇宙開発の国内基盤というものがますます弱くなってしまうであろうと考えております。
  16ページは、今後目指すべき姿というのは宇宙用の特殊な部品だけでやっていくには高コストという構図になっていますので、民生品をうまく使っていくようなことを考えなければいけないということは私ども、当然のこととして考えておりまして、これらを実現するための話として事前実証として、そういうふうな実験を今やりながら民生部品が活用できるような道を今模索しているところでございます。
  17ページは、アンケート調査の中で私どもの初めての試みなんですが、システムメーカーさん、そして部品メーカーさんからNASDAをどのように見ているかということで自己評価をしていただきました。その結果、部品関係につきましては、右に書いてございますが、質問の10、11、NASDAの部品に対しての情報開示、そして部品の評価業務について非常に高い要望がございます。メーカーさんは何を求めているかということを我々も真摯に受けとめて、この作業に重点を移していくべきであろうという情報をいただきました。
  最後に、以上のような分析結果をまとめまして、タスクチームとしての提言ということで簡単にまとめてございます。詳細はかなりボリュームがある内容でございますが、要点だけここでは紹介させていただきます。
  まず、提言事項のまとめ。部品はシステムの品質、信頼性の基本であります。高品質な宇宙開発を継続するためには、部品に係る明確な部品プログラムを定め、プロジェクトを支援することが不可欠であります。
  2番目としまして、NASDA認定部品が受動部品、機構部品を中心として企業の協力が得られる範囲内でまず継続しなければいけない。受動部品等の国産部品は品質的にも非常に優れていて、世界的にもかなりの高い評価がいただける製品だという推奨をいただいていますので、これらの部品製造会社が継続的に実行できるようなことを展開する。具体的には、海外にも大いに売り出して、情報化で宣伝して、NASDAのほうも、品質を高めるための援助を行うということを考えてございます。
  3番目といたしまして、NASDAが宇宙開発に必要な部品をすべて国産するのかということは、現状では私どもは不可能な話だと考えています。これはあくまでキャッチアップ自体は国産化率というバロメーターを使っておりましたが、今はそういうことを使う時代ではない。したがって、どのようにするかと申し上げますと、ある程度一つの戦略的な考えのもとに部品を絞り込み、その中で重点的に開発を進める。もちろん、足りない部分は海外から買ってこないといけませんので、これは国際間の競争と協調という世界の中で我々が外国に対して十分提供できるようなものがあれば、海外からも我々はそれを入手できるというギブ・アンド・テイクの関係に構築しなければいけないというふうに考えてございます。
  次のページでございますが、そのためには、まず民生部品を中心に、日本の部品は優秀でございますので、民生部品の評価、研究をもっと継続して国産部品の増大をはかるということ。2番目といたしまして、部品はメニューが限られておりますので、これを広げるように選択肢を拡大すべく、部品の登録制度というものを設けます。これについては、私どもはNASDA認定部品と指定した部品だけを使うようにということだったんですけど、それではよい設計、新しいものは入手できないということで選択肢を広げることを考えました。そのほかに部品情報システムというものをもっと充実させて、部品の利用者のために役立つような情報の高度化を進めるということでございます。最後には、外国部品の情報が最近非常に入りにくくなっております。技術交渉してもいろいろな障害があちこちで出てくる話は私どもは耳にしますが、これらの部品はギブ・アンド・テイク・バーターでいろいろなものを入手しなければいけない時代になってきているということで、このギブ・アンド・テイクの精神でお互いのNASA、ESAとの技術提携を進めていく。こういうことが必要だと思っています。
  最後になりますが、今後の対策といたしまして、ここに4点ほど書いてございます。
  まず1点目は、我が国の宇宙開発の自在性確保のために不可欠な部品。これは戦略部品と決めまして、検討・選定して国産開発を進めていきたいと思います。これについては、NASDAだけで決めるのではなくて、企業との連携による部品戦略の設計と体制づくり。具体的には、私どもで部品技術委員会と称するものをつくりまして、NASDA、ISASさん、そしてシステムメーカーさん、そういういろいろな関係者の方々に集まっていただいた外部諮問委員会を設けて、その中で戦略性を考えた上で部品を絞っていく。ただし、開発したものはみんな一緒に使いましょう、買ってくるものはまたどのようにするかということを一緒に考えていこうという、日本国内としてのオール・ジャパンとしての部品の考え方を一つつくっていきたいと考えております。
  2番目としまして、民生用部品技術を自由に活用するための評価、研究開発を促進いたしまして、国産部品の非常に優れている部品を宇宙でも使えるということをアピールするということで、これは研究を促進いたしたいと思います。
  3番目としまして、国産部品の利用の促進。これは部品ユーザーは同じリソースの中で、数少ない部品ですから、開発したものは共通利用するようにしたいということで、皆さんの協調を求める話。そして、部品メーカーについては、いろいろ経営上、困っている話については、困っている部分を支援する。具体的には品質保証をするための具体的な指導、そしてサンプル品をつくって性能を高めるための技術支援。このようなことを考えてございます。片やでき上がった部品については、部品情報をデータベース化して、皆さんが共有できるような情報として使いやすいシステムをつくるということを目指してございまして、これは既に進めておりますが、ユーザーさんのいろいろな意見を伺いながら、その中身を今、大分更新してございます。そのような情報システムとして、国内に提供するだけではなくて国際協調という観点で、ESA、NASA、こういう関係機関にも情報を共有できるようにして、お互いがそれを使えるような仕組みをつくっていく。
  最後になりますが、それについては必要なリソースというものがありますので、これについてはあまり大金はかけないが、ただし、一つの一貫した流れの中でよどみなくこういう活動を続けることが一番大事なのであると考えておりまして、私ども、部品開発を行って一過性のもので終わったら次はやめたということではとても基本的なインフラを支えられないということで、一つの考えの中で一貫した流れをつくっていきたいと考えてございます。
  以上、私どもの部品検討チームの報告の概要でございます。

【井口委員長】    どうもありがとうございました。   いかがでしょうか。

【五代委員】    欧米は今、どんな状況になっていますか。要するに使うほう、つくるほう、それから協力関係、民生との関係。

【谷岡技術研究部長】    民生との関係は別にいたしまして、宇宙用に限定して申し上げますと、圧倒的なシェアを誇っていますのは、アメリカが部品開発と、そしてMIL部品ということで軍事一体にした部品の供給元になってございます。それに対応して、ヨーロッパ、ESAが中心になっていますのは、買えるうちは買う。ただし、それが入手できなくなった場合には自分たちのところでいつでも供給できるという、いわゆる自給と購入という両面作戦を進めてございます。米国が圧倒的なシェアを持っていますので、それに対しての対応策を考慮しながらも国内開発を進めるという両面作戦を進めてございます。日本で開発したものはESAではPRはしておりますけれども、なかなかまだ買っていただけない。自国の需要については自国のマーケットで賄うという考え方で進めているということでございます。
  民生部品の活用につきましては、これは非常にホットで、なおかつ現在進行形、まだ名案が得られていません。これについてはアメリカ、ヨーロッパ、そして日本、皆、同じような状況でございまして、新しい評価手法としてそういうものを検討している最中でございます。特に個別に進んでいるところはシンプソン大学ですか、カレッジなんですけど、そこで民生部品だけを使った衛星を打ち上げる。そういう研究目的のものは一部ございますけれども、民生品を使うところの技術が確立しているというところまでは至っておりません。

【栗木委員】    NASDAとしては、部品をつくるのではなくて使う立場なので、そうなると、インテグレーター、つまり、インテグレーションをどうやるかという立場にあると思うんですね。そういう視点に立ちますと、部品一つとって、それの信頼性をどうこう言いますと、故障が起きるというのは偶発的な故障はある、あるいは技術的に未熟なために経験不足で起きるような故障もある。それを弁別してやらないと、一概に部品の信頼性と言っても、「宇宙もの」というのは両方あると思うんですね。例えば偶発的なものであれば、システムをまとめるときに冗長系をどうする、全体の設計思想、大きな方針でもって回避できるような要素もあるんじゃないかという気がします。
  もう一つ、技術的な熟成度が要求されるようなものというのは、私は狼さんにも申し上げたんですが、えてしてメカトロのところに起きるんですね。しかも、エレクトロニクスのほうは、パワーエレクトロニクスではかなり信頼度の高いハイパワーのものが出てきたんですけれども、メカニカルな部分というのはなかなか進歩がない。どちらかというと、昔のローテクと言ったら何ですけれども、旧態依然たるメカニズムがある。そうすると、トレンドとしてはエレクトロニクスのほうにシフトしていったほうが、そういう部分というのは信頼度が上がるんじゃないか。
  エレクトロニクスといいますのを、先ほど申し上げたような極めて放射線にセンシティブなという意味じゃなくて、パワーエレクトロニクスのようなものであれば、そちらに持っていったほうがいいんじゃないか。現に流量のバルブなんかも、小型なものですと、ピエゾ素子を使ったり、磁気素子を使ったりしてやるような小流量のものでは出ておりますね。ですから、そういうものは旧態依然たるマグネットでスポッと持ち上げるような、ゴミを噛んだらだめというものからそっちのほうへだんだん切りかわるんじゃないかなと私は印象を持っているんですけれども、そういう全体の方針みたいなものというのは技術研究本部のほうで決められるんですか。それとも、衛星をデザインする側が決める。どういう……。

【谷岡技術研究部長】    それは両方で話をしないといけないと思っています。私どものほうで今考えておりますのは、先ほど先生がおっしゃられたような問題というのはメカエレクトロニクス、ジャイロとか、ホイールとか、そういうところで最近よく問題が起こっています。これの一番根底のところで、ギアとか、潤滑油とか、もっともっとベーシックなところにきちっとメスを入れた分析をしないと見えないところがたくさんあるということが現状だと思います。そういうことで、非常に特化したものですけれども、今まではジャイロとか、ホイールとか、そういう完成品の部品ですか、そういうことで考えていたんですけれども、もうちょっと底辺のところの潤滑油とか、そういうところで物を見ていかないと、本当に押さえ切れないんじゃないかという考え方で今進めています。
  もう一点は、半導体のほうなんですけれども、これが一番顕著にあらわれている。これは日進月歩が一番激しくて、今、半導体は国内で大分右肩下がりになってしまっているんですけれども、こういうものをいかにしてうまく私どもが活用していくかというのを、メーカーさんの企業論理の中と私どもがやりたいというのと、かなりギャップがございます。そういう中で一つの考え方というのを研究で進めていまして、例えば非常に高密度なゲートアレイとかLSIというのは、素子が小さくなりますと、コンデンサーのようなもので非常に小さいものに電子とか陽子が当たると、非常に電気的にセンシティブになってしまうんですが、そういうことを抑えられるような技術を新しく研究するとか、そういうところをやっていかないと、国内のいわゆる民生市場で動いているような流れだけに我々が乗っかっていったのでは、宇宙に使えるような部品を確保できなくなる。そういうオリジナルな考え方で展開しないといけないというところを重点的に進めております。

【栗木委員】    私が申し上げたかったのは、どこに重点を置いて信頼性部品を開発したらいいか、その辺のやり方はインテグレーションという立場があるので、そこも考えられたら、そう思ったんですが。

【谷岡技術研究部長】    ありがとうございます。今のようなお話も、私なりの技術研究本部の考え方というのを一応まとめてはございますけれども、これはNASDAだけの一人都合であってはいけないので、やはり使ってもらって初めてなんぼの世界でございますので、システムユーザーさんと部品メーカーさんがやりやすいような姿、そしてNASDA、ISASを含めたいろいろな利用機関の方と議論を詰めながらこういうものを絞り込んで、最終的には戦略を決めていきたいと思っています。

【川崎委員】    大変大事な問題を指摘していただいたと思います。構造的に2つあると思うんですね。一つは、宇宙認定というようなことをやらないとだめだというのは、ある意味で言うと技術を固定するわけですね。そうすると、ライフサイクルの早い半導体産業みたいなところでは、どんどんこんなのは受けてられないということになる。もう一つは、需要がないものですから、技術は安定して結構なんだけれども、こんなものはとても日本の高賃金のところではつくってられない。この認定取り消しのうちの半導体については、どうもライフサイクルから来る問題だというのはよくわかるんですが、ほかはどういうことなんですかね。工場がなくなりつつあると言ったほうがいいんですか。

【谷岡技術研究部長】    そうですね。大きい話は、やはり設備産業の維持、そして技能者の維持ですね。これが一番大きい問題です。

【川崎委員】    ということは、逆に言うと、工場がなくなると考えたほうがいいですね。

【谷岡技術研究部長】    はい。もう一つ、私ども一緒につき合わせていただいていると、部品の評価の仕方、そして性能をどのように信頼度を設定すればいいのであろうかと、そういう基本的な問題をよくやらせていただくんですけど、その中でメーカーさんのほうも全然気がついてなかったようなことがたくさん出てきまして、そういうことで会社にとっても、採算はとれないけど、技術的には非常にメリットがあるということで今後もつき合わせていただきたいという会社もある。これは内容によって千差万別でございます。

【川崎委員】    そうすると、先ほど栗木さんがおっしゃったように、こういう構造的な問題だと、急に直せと言っても直らないとなると、代替方法のことを考えるしかないということになると、ユーザーさんとかいろいろ試みをやられているんですが、ポピュラーに出ているアップデートな民生品を転用していって、リダンダンシーの中でこれをという設計思想に転換するかどうか、あるいはこれを育てていくような、残していくような政策をとれるかどうかということの選択になるんですね。

【谷岡技術研究部長】    まさにその岐路に今、立たされているんだと思います。

【川崎委員】    そうですね。

【谷岡技術研究部長】    従来はMIL部品ということで、冷戦構造以前の話は、膨大な軍事費がアメリカを中心として潤っていましたので、いろいろなものがつくられて供給された。そのうち全部、冷戦構造の崩壊で締めつけが厳しくなった。そういうところでお金が流れなくなると、そこのところはシビアになっていくというのが原点にございます。

【川崎委員】    NASA自身も、今、シャトルの維持とかその他で困っているわけですね、同じ問題を。

【谷岡技術研究部長】    ええ。我々だけでなくて、NASAのほうも実は同じ問題をたくさん抱えていて、困っている状況でございます。

【井口委員長】    これ、部品メーカーというのは、アセンブリーメーカーに部品を納めていたんでしょうね。そうじゃなくて、NASDAが選んで、例えば三菱重工とか三菱電機とかに支給品として渡しているんですか。

【谷岡技術研究部長】    いや、今、私どものとっております方法は、NASDAのほうでお金をかけて部品の評価をして、こういう使い方をする、ここのところはデータをとれているから、こういう手法で使えば問題ないですよというところを技術として全部提供してございます。

【井口委員長】    つまり、アセンブリーメーカーはどうしているんですか。

【谷岡技術研究部長】    その情報を、システムメーカーは、NASDAから受けたもので詳細設計のいわゆる部品の配置の仕方とか、レイアウトの仕方とか、接着剤とか、そういうところも基準どおり守れば、リスクは少なくて一応つくりますということで、技術の供与だけですね。システムメーカーさんは、今度、そういう認定部品をつくっている会社にオーダーを出して、それは通常の部品購入で調達行為になります。

【井口委員長】    こういう部品産業といったってうんと小さい、数も少ないわけですけれども、こういう産業はどうやって、変な言葉ですけれども、面倒を見ていくかというのは、これは文科省の範囲内でもできることはあるんでしょうけれども、そういう政策というのはやったことないでしょうね。プライムコントラクターが全部受けて技術指導までして、なんていうことをやれればこれはまたいいんですけど、そうでないとすると、どこかが何かしなければいけない。じゃ、それをNASDAがやることになるのか。今、何人、その関係者がおられるんですか。谷岡さんだって、これだけやっているわけじゃないでしょう。

【谷岡技術研究部長】    はい。

【井口委員長】    何人ぐらいの人で?

【谷岡技術研究部長】    部品は電子部品と機構部品に分かれまして、電子部品は今14名、機構部品は8名ですかね。

【井口委員長】    産業の面倒を見るような仕事なんですか。

【谷岡技術研究部長】    いや、評価をしてガイドラインをつくるとか、そういうことをして、それでも現状、こういう問題を抱えていますので、システムメーカーさんが困っているようなこと、今まで以上に積極的に関与して、我々しか知らないような状況もございますので、技術指導を行うなり、セミナーなり、積極的な情報供与というものをやらなければ、こういう世界はきっと維持できないであろうと。

【井口委員長】    宇宙部品工業会みたいなものはないんでしょうね。航空宇宙工業会ですか、あの中に入っているんですか。部品は全然別なんでしょうね。

【谷岡技術研究部長】    入ってないです。

【井口委員長】    入ってないでしょうね。そうすると、どうやって面倒を見るかというのは、相当ちゃんと考えないといけないですね。

【川崎委員】    委員長のおっしゃる面倒見がどこまで含むか知りませんけれども、今日の谷岡さんのご説明の7ページにある、否定的な意見の中の成果利用の手続というところに関連して、アメリカも困っている、NASAも困っている、ESAも困っているんだったら、3機関で相互融通のアグリーメントを政府ベースでつくって、エンドステートメントだけで流れる仕掛けをつくっておくような。そのためには認証のレベルが一致しているかどうかという議論も実務レベルでやらなければいけないでしょうけれども、そういうことをやるのが一つと、それから、いくら政府のお金でやったとしても、国内へ供給することがある条件として常に重ねているのであれば、外国へ出すときにロイヤリティーは取らなくていいとか、ここのところを少しフレームワークをつくることをやればいいんじゃないかということはありますけどね。

【谷岡技術研究部長】    その辺が非常に大事なところで、最初のお話は、政府間でそういうお互いにバーターできるような関係をつくっていく。これを最終的には目指していきたいと思うんですけれども、できるもの、まず実績が上がって、それからそういうお話が出てくると思いますので、まずそれを……。

【井口委員長】    政府間じゃなくて事業者間で。自動車でもそうですよ。政府はもう関係ない。そういう共通認証制度を工業会同士がやっているんです。ですから、川崎委員がおっしゃったように、NASDAとNASAとか。

【川崎委員】    ESAですか。

【井口委員長】    ESAですか、直接やる。

【川崎委員】    直接やって、必要なら政府が出てくることでしょうけどね。ただ、メーカーは……。小糸製作所みたいな大きいところもあるかもしれませんけど、英語で交渉してくるという人がいないようなところもやっているわけでしょう。だから、それはNASDAがやっぱり代表して、いろいろやってあげないとしようがないんじゃないかな。

【谷岡技術研究部長】    そういう橋渡しがうまくいけば。

【川崎委員】    あと、今言ったメカトロに関係するところとか、エレクトロニクスに関係するところとか、それから基本的な材料、接着剤の問題もありますね、一番多かった塗料とか接着剤みたいなもの。幾つかに分けて、まず3機関でお互いの国内体制からどこまでそういう図ができ上がるかどうかというようなクローズドのソサエティーをつくってやらせるしかないんじゃないですかね。

【谷岡技術研究部長】    そこのところで、ユーザーさんが一番使うところで困っている人の意見から吸い上げないと、順番として意味ないと思うんですよね。先にかくあるべしとやってしまうとよくないですよね。

【栗木委員】    技研本部とハイレックと、どういう仕事の分担になっているんですか。

【谷岡技術研究部長】    技術研究本部では、このような認定部品をつくっておりますけれども、この認定部品は2種類の業務がございまして、まず一つの業務は、仕様書をきちっと維持して、最新の状態にアップデートして、いつもユーザーさんに提供する、こういう業務がございます。もう一つの業務は、つくられた部品ですね。これは従来ですと、民生部品はある程度、それなりの信頼度が高いでしょうけど、クレームが出れば、交換して決着をつけるというやり方なんですけれども、私どもの場合は、宇宙でトラブルが起こった場合は収拾つかないものですから、あるところで全部、重要なところは検査してございます。例えばLSIとかそういうものであれば、組み立てる前に、ワイヤリングにしても全部、溶接機で粉末とかいろいろなものが散って非常に汚い状況でございますのできれいにする。そういう粉はきれいにクリーニングされて、浮遊物が飛んでいないかどうか。そういう細かいところを、そういうプロセスまで全部立ち入って検査しています。そういう作業を、非常に泥臭い作業なんですけど、これを事業団にかわって実際の検査を行うという作業をやってございます。

【川崎委員】    自動車産業以外は、みんなこんな状況ですよね。家電なんかがだめになって、みんなそうなんですよ。だから、今日本で部品まで含めて自給体制が整っているのは自動車産業以外にないんですよ。

【井口委員長】    どうしますかね。

【川崎委員】    これ、産業構造上の大変大きい問題なんですね。

【井口委員長】    宇宙開発委員会では専門家もいない。私は自動車の現場を見ているから口は多少出すけれども、専門家ではないし、どういう扱いをしたらいいんですかね。これ、経済産業省の話になるんですか。

【川崎委員】    いや、それはいいんですが、やりはしないと思いますけれども。

【井口委員長】    文科省としてはどうするのかですね。

【川崎委員】    今度の中間取りまとめの中の一つの別項としての重要な問題点という形で、指摘事項か何かで今のを少し整理して、中間取りまとめの最終報告の中に入れるようにしていただいたらどうなんでしょうか。

【井口委員長】    具体的にはどういうふうにするのでしょうね。

【川崎委員】    考えればいいんじゃないですか。今言ったように、3機関の打ち合わせ会をやるとか、連絡会議が具体的に少し動き出せばいいわけですね。部品供給体制について3機関で相談してみませんかというのを日本から提起するというのも一案でしょうし。

【井口委員長】    3機関というのは。

【川崎委員】    ESAとか。国内はだめですから。

【今村局長】    ISASも少し。

【川崎委員】    ISASもありますね。

【谷岡技術研究部長】    一緒にさせていただいています。この結果、結論は理事長に報告をいたしまして、一応やれることというのを、とにかく具体的にできることからすぐ始めてくださいと。私どもも先ほど紹介させていただいた委員会を構築するように今準備を進めていますので、そこの中でどういうメンバーでどのような議論をされるか、まず議論の対象ですね。その話が詰められている状態ですから、それを今進めさせていただいていますので、進捗状況がある程度まとまればご報告させていただきたいと思います。

【川崎委員】    3機関の理事者会合とか、日米の協議の場に持ち出して、少し議論するようにしていくのが具体的なアプローチじゃないでしょうかね、お互いが融通し合って。ITバブルとか、金融バブルで躍っているうちにみんなこうなっているんですよね、国の実態がね。そういう産業全体が白アリに食われているみたいな土台の上に乗っかっている感じがしないでもないのでね。

【井口委員長】    ともかく、これから長期的なことを考えていこうと議論していましたけど、足元がね。

【川崎委員】    足元の土台がない。

【五代委員】    H−2からその後ぐらいに、ヨーロッパと限られた数の部分をやるとか、何かやりましたね。あれは……。それから電子部品開発でしたね。あるところで、向こうでチェックも依頼したけど、だんだん消えちゃいましたね。

【谷岡技術研究部長】    そのままじり貧になってしまいまして、そういう関係は結んでございますけれども、実効としての仕事そのものはすんなり発生する。

【井口委員長】    どうもありがとうございました。またいろいろお話を承ることもあるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

【谷岡技術研究部長】    どうもありがとうございました。

【井口委員長】    それでは、その他、宇宙開発の現状報告、これは……。

【芝田課長】    この配付資料だけです。

【井口委員長】    配付資料がございますので、後ほどお目通しいただきます。
  それから、前回の議事要旨ですけれども、これも後ほどお目通しいただきますようにお願いいたします。
  それでは、以上で第22回の宇宙開発委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

-----  了  -----


(研究開発局宇宙政策課)

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