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平成24年宇宙開発委員会(第15回) 議事録

1.日時

平成24年5月23日(水曜日)14時~14時45分

2.場所

文部科学省18階 宇宙開発委員会会議室

3.議題

  1. H-ⅡAロケット21号機による第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)/韓国多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3)/小型副衛星の打上げ結果について
  2. 第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)のクリティカル運用結果について
  3. その他

4.出席者

委員

池上 徹彦  (宇宙開発委員会委員長)
河内山 治朗 (宇宙開発委員会委員)
服部 重彦  (宇宙開発委員会委員)
青木 節子  (宇宙開発委員会委員)

文部科学省

戸谷 一夫  (文部科学省研究開発局長)
佐伯 浩治  (文部科学省宇宙開発利用課長)
井手 信二  (文部科学省研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長)

(説明者)
二村 幸基  (三菱重工業株式会社 航空宇宙事業本部 宇宙事業部 副事業部長)
長尾 隆治  (独立行政法人宇宙航空研究開発機構 宇宙輸送ミッション本部 鹿児島宇宙センター 所長)
中川 敬三  (独立行政法人宇宙航空研究開発機構 宇宙利用ミッション本部 GCOMプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ)

5.議事録

 【池上委員長】 それでは、第15回宇宙開発委員会を始めます。
 本日は議題が2件ございます。いずれも報告事項です。

(1)H-ⅡAロケット21号機による第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)/韓国多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3)/小型副衛星の打上げ結果について

【池上委員長】 それでは、最初のH-ⅡAロケット21号機による第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)/韓国多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3)/小型副衛星の打上げ結果について、三菱重工業株式会社航空宇宙事業本部宇宙事業部副事業部長の二村さん、JAXAの宇宙輸送ミッション本部鹿児島宇宙センター所長の長尾さんに報告をしてもらいます。

H-ⅡAロケット21号機による第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)/韓国多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3)/小型副衛星の打上げ結果について、三菱重工業株式会社(二村副事業部長)及び独立行政法人宇宙航空研究開発機構(長尾所長)から報告があった。 (委15-1参照)

【池上委員長】 ありがとうございました。本当によかったと思っております。ご質問等ございますか。

【河内山委員】 皆様の努力のおかげで、打上げに成功しまして本当に御苦労さまでした。
 まず一点目ですが、カウントダウンシーケンスの最中、不適合等は、小さいものは当然あると思いますが、ほとんどなく、安定した打上げ作業だったということでよろしいでしょうか。

【三菱重工業(二村)】 はい。Y-0当日に関しては、若干推進薬の充填量が予想より多かったということがありましたが、打上げに対して支障となるような不適合はありませんでした。

【河内山委員】 基本的には安定した打上げだったということですね。
 それから、「しずく」の軌道投入結果が書いてあります。皆さんの努力のおかげでH-ⅡAロケットはもともと軌道投入精度はかなりいいようになっているのですが、この結果については、従来と比べてどうなっていますか。

【三菱重工業(二村)】 従来並みと考えていただいていいと思います。

【河内山委員】 当然韓国の衛星もこの程度の精度で入っているということですか。

【三菱重工業(二村)】 韓国の衛星の最終決定値を入手できていませんのでわかりませんが、我々のロケット側の計画値に対して、ロケット側の値として把握しているものとしては同じ程度だということです。

【河内山委員】 本当に御苦労さまでした。

【池上委員長】 韓国の衛星については、引き渡しは終わっているのですね。

【三菱重工業(二村)】 そうです。

【服部委員】 今お話のように、初めて韓国の衛星を積まれるということで、委員の一人として大変緊張感を持って注視していました。非常にいい結果がでた上に、特にマスコミがいろいろな方面から取り上げていただいたということも、次のステップを考える上で、三菱重工業さんにとっても、JAXAさんにとっても非常によかったと思います。今後一層の前進をされることを期待します。

【JAXA(長尾)】 ありがとうございます。

【三菱重工業(二村)】 ありがとうございます。

【池上委員長】 今のに関連して、その後の報道をみると、大宮社長がスターのようにいろいろなところに登場していますが、三菱重工業さんとしてどのような感じですか。

【三菱重工業(二村)】 少なくとも今もお話がありましたように、非常に注目度も高かったこともありまして、約束した日にジャストオンタイムで打ち上げたということで非常に安堵感があります。社内でもそれに対して大きな喜びを持っております。

【池上委員長】 韓国の宇宙機関の人も来られていたのですね。

【三菱重工業(二村)】 はい。ご視察も含めて、クルーを含めますと打上げ当日は約50名ほど種子島に来られていました。

【池上委員長】 視察に行かれた戸谷局長より何かございますか。

【戸谷局長】 私自身は種子島で打上げを見るのは二回目ですが、今回は深夜の打上げということで、前回の昼間の打上げと大部違う印象で非常にきれいな打上げだったなと、極めて情緒的な話ですが、思いました。さきほど委員長から韓国の方の話がありましたが、今回韓国多目的実用衛星を実際に運用されるKARI(韓国航空宇宙研究院)の委員長と、フォローが十分ではなかったと後で反省したのですが、韓国政府の、文部科学省のような機関である教育科学部の次官補的な立場の方、アシスタントミニスターが来られていました。彼は、私の立場と似ているのですが、宇宙と原子力などの三つの局くらいを束ねて担当しているアシスタントミニスターです。その方がわざわざ見にきていただいたということで、韓国政府の方もそれなりに関心を持ってみてくれたんだなという印象を持ちました。

【池上委員長】 韓国側のどういう幹部がくるという情報は必ずしも十分入っていなかったですよね。

【戸谷局長】 私も必ずしも十分把握していなくて、肩書きが日本語にしたときに室長となっていました。何でアシスタントミニスターが室長なんだということですが、英訳ではofficeとなっていて、もしかしてランクの見方を間違えたのではないかということを心配しました。実はその方は原子力も担当していまして、核融合のITER(国際熱核融合実験炉)の関係でもずっと参加されている方で、文部科学省でいいますと、藤木文部科学審議官のような立場に当たる方で、今回来ていたということでした。

【池上委員長】 わかりました。他に青木委員からありますか。

【青木委員】 ほぼ完璧な打上げ成功おめでとうございます。今の訪問に関連しますが、HCOC(弾道ミサイル拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範)に基づいて、打上げを、監視ではないのですが、打上げを観察することがボランティアベースでできるはずですが、そういう申し込みがあったり、どこかの国の方が来られるということはあったのでしょうか。直接そういう規範に基づいてということは、かつてはあったと聞いていますが、今回はどうだったのでしょうか。

【JAXA(長尾)】 打上げ視察に来られた方でそういう方がいたかということですが、そういう方は今回はいませんでした。

【青木委員】 差し支えない範囲で、どれくらいの頻度で、そういう申し込みが何回に一回くらいあるものでしょうか。

【JAXA(長尾)】 正確に把握はしていませんが、そういう方がおられたら対応することにしていますが、最近はそういう例はなかったのではないかなと思います。

【青木委員】 ありがとうございます。

【池上委員長】 長尾所長は、視察に来られる方について全部把握しているのですか。

【JAXA(長尾)】 JAXA側として来られる方は把握していますが、三菱重工業さん側のお客さんについては確認していません。

【池上委員長】 危機管理という点からしますと、何かあった場合にどうするかという対応については心配なところがあったのですが、契約が韓国と三菱重工業さんということで、ある意味国としてはタッチできなかったようなところもあったということですよね。そこのところは、もう少し高い立場でいろいろ考えておく必要があるのではないかと思いました。

【JAXA(長尾)】 今後そういうケースがありましたら、今回のことを踏まえて考えたいと思います。

【池上委員長】 いずれにしても成功してほっとしています。先週は疲れました。どうもありがとうございました。

【JAXA(長尾)】 ありがとうございました。

【三菱重工業(二村)】 ありがとうございました。

(2)第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)のクリティカル運用結果について

【池上委員長】 引き続きまして、これは日本側の衛星についての情報ですが、第一期水循環変動観測衛星「しずく」のクリティカル運用結果について、一番ほっとしていると思いますが、独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中川プロジェクトマネージャからお願いします。

第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)のクリティカル運用結果について、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(中川プロジェクトマネージャ)から報告があった。 (委15-2参照)

【池上委員長】 ありがとうございました。ご意見ご質問等ありましたらどうぞ。
 前も聞いたような気がしますが、地上からくるマイクロ波を受けてそのスペクトルからいろいろ調べるとなっていますが、地上における空間分解能はどのくらいですか。

【JAXA(中川)】 空間分解能は周波数によって違いまして、6GHzだと10数キロメートル、もっとも高い周波数帯の89GHzで数キロメートルになります。

【池上委員長】 それは衛星が動いているからアンテナの向きとセットにして計算して決まるのですか。

【JAXA(中川)】 実際にはスキャンしていますので、そのスキャンの幅になります。

【池上委員長】 空間的な分解能を上げるために複数の地点から測定をして、画像処理により分解能を上げる方法はとっていないのですね。そうすると、なぜこのように速く回さなくてはいけないのですか。

【JAXA(中川)】 このアンテナは受けるだけで電波を出さないので地上から測ることはできません。アンテナのパターン測定、つまり、ある周波数帯について衛星のビームのアンテナの収束の状況を測ることで分解能を出します。回転速度が重要なのは、衛星は前に進んでいますので、実際に1スキャンして次のスキャンが入る前に衛星が前に進むので、その兼ね合いで回転速度が遅いと隙間ができてしまうからです。

【池上委員長】 一点の空間分解能はアンテナの径で決まっているのですね。

【JAXA(中川)】 はい。なぜスキャンするかというと、一点だと細い10数キロメートルの幅しか観測できませんが、一回スキャンすることで1450キロメートルの幅を観測することができます。

【河内山委員】 太陽電池パドルの発生電力は4500W以上と書いていますが、実際はどれくらい電力が出たのでしょうか。

【JAXA(中川)】 4500Wから4700Wの間を動いています。実際には発生電力はそのまま直に見られないので、変換するところの分解能等のばらつきがでます。

【河内山委員】 ほとんど予測に近かったということですね。わかりました。
 それから、A-Train(地球観測衛星隊列)の軌道は、高度と昇交点通過地方時の規定があるのですか。

【JAXA(中川)】 あります。

【河内山委員】 たとえば、高度や幅はどのくらいですか。

【JAXA(中川)】 高度は700キロメートルで、幅については、各衛星ごとに制御範囲が決められています。時間的には、プラスマイナス43秒の範囲にいなさい、角度にすると100分の何度のところにいなさいということです。衛星がある間隔で並んでいますのでお互いに自分のコントロールボックスが指定されていまして、その範囲内にいなさいとなっています。静止衛星は、ある角度の中に必ずそこにいなさい、もし出ることになったら何かアラートを出しなさいとなっています。A-Trainも同じで、我々のノミナルな場所とそこからある範囲のボックスが指定されて、そのボックスから出ることがあればアラートを出しなさいという規定です。

【河内山委員】 わかりました。

【服部委員】 前にも説明があったと思いますが、この衛星のクリティカルな技術的課題は何でしょうか。例えば、太陽電池の大きさは今までの経験と比べてどうか等ありましたら説明願います。

【JAXA(中川)】 そういうことはありません。

【服部委員】 ないのですね。何が一番難しいのでしょうか。

【JAXA(中川)】 すべて難しいといえば難しいのですが、実績がないという意味では、大きなアンテナを畳んだのは初めてです。

【服部委員】 それはうまくいったのですか。このマイクロ波放射計は前からあったものですよか。

【JAXA(中川)】 はい。それを改良して分解能を上げています。

【服部委員】 クリティカルパスのところは、だいたいこの時点でほとんど通っているということですか。

【JAXA(中川)】 そうですね。これが動かなかったらミッションフェイリアになるというものは一通り動かしました。機能的にはほとんど動作していますので、次は性能を評価する段階と思います。

【服部委員】 今現在うまくいっていて大変よかったと思います。まだこれからが本番です。よろしくお願いします。

【池上委員長】 A-Train上で「しずく」と同じようなマイクロ波で水を見る衛星は飛んでいませんよね。

【JAXA(中川)】 ないです。A-Trainの中にはCloudSat(地球観測衛星)というレーダで雲をみるというものはありますが、電波センサで見ているのはこれだけです。

【池上委員長】 スペクトルを取るだけでは意味がないので、その後処理しないといけないので大変ですよね。それは大丈夫ですか。スペクトルだけを見ているとすれば、例えば太陽光の影響等いろいろ含まれていて、正しい値を求めるアルゴリズムについてはすでに開発されていますか。

【JAXA(中川)】 すでに一次的な開発は終わっていて、AMSR-E(改良型高性能マイクロ波放射計)のデータを使ってアルゴリズムを検証しています。打上げ前にそういうアルゴリズムはソフトウェア化されて、すでにシステムにインストールされています。あとはそれを改良するという段階がこれからあります。

【池上委員長】 それはJAXAサイドでも施設等にお金を入れて行っているのですか。

【JAXA(中川)】 さきほどいった輝度温度プロダクトはJAXAにおいてすべてやっています。物理量プロダクトについては、それぞれのPI(主任研究員)にお願いして、その専門の方々にアルゴリズムプログラムを作っていただいています。

【池上委員長】 それは外国の大学等ですか。

【JAXA(中川)】 外国の方もいますし、気象庁の方もいます。大学の先生もいます。いろいろな方がいます。

【池上委員長】 海外の方もこのデータを自由に使えるのですね。

【JAXA(中川)】 データは一般にアーカイブしますので、登録いただければどなたでもダウンロードできます。

【池上委員長】 データの処理等について国際的に課題はないのですか。JAXAはデータを出せばいいというだけかもしれませんが、利用という観点から考えた場合、課題はありませんか。ユーザの立場にたってどうかという質問です。

【JAXA(中川)】 研究の方については、アーカイブにタイムリーにデータを登録しますので、いつでもダウンロードできるということで、特に支障はないかなと思います。現業の方はタイムリーにデータを入手する必要性がありますので、いまのところNOAA(アメリカ海洋大気庁)や気象庁にはそういうことをする予定です。その他にまたそういった方がいらっしゃるとそういう話を一緒にさせていただくということがこれからの我々の仕事かなと思います。

【池上委員長】 海外の「しずく」に対する期待は、水問題がありますよね。APRSAF(アジア太平洋地域宇宙機関会議)でも、「しずく」になぜ関心があるのかというと、東南アジアも直面している水問題でした。それについて積極的にJAXAとしてやろうということはありますか。何か違うような気がしますが。

【JAXA(中川)】 JAXAとして、水に関するいろいろな研究を他の機関とやることで、アジア、アフリカに貢献するというのは別のプロジェクトでやっています。それはGEOSS(全球地球観測システム)とか国際的な枠組みの中でやっていまして、私が所掌している範囲の外でやっています。GCOM-Wのデータだけでなく、いろいろな水に関する衛星のデータを使って総合的に提供しています。GSMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)とかもその典型です。

【青木委員】 打上げ成功おめでとうございます。三点教えてください。一点はいま委員長がおっしゃったことに関わりますが、GOSAT(温室効果ガス観測技術衛星)のときにはALOS(陸域観測技術衛星)とは異なる独自のデータポリシーがインターネット上で公表されていたと思います。英語版もあって、たしか九つのユーザー分類があって、研究者の中でも何種類かあり、一般の人も研究の関連において濃淡があって九種類になっていたと思います。GOSATのデータポリシーと違うデータポリシーをGCOMはすでに作ってあって公表する予定はあるのでしょうか。これが一点目です。二点目は、コントロールボックスはITU(国際電気通信連合)にある種の申請をするのでしょうか。三点目は使用する地上局について、スバルバード、キルナでは衛星に直接TT&C(Telemetry, Tracking and Command)が行われるのでしょうか。それともJAXAのコマンドがスバルバード、キルナにいくのか、どちらの形をとっているのでしょうか。

【JAXA(中川)】 まず、データポリシーについて、今アーカイブはすでに一般に公開されていまして、AMSR-E等前号機のデータをそこで公開しています。そこにデータポリシーそのものは書いていないかと思いますが、注意事項が書いてあります。それでGCOMのデータは研究といった教育等の、商業利用以外の目的に使われる場合は自由に使ってよいというようになっています。そのようにポリシーを、JAXAでオーソライズして外にもその話をしています。GOSATが九分類というのは記憶していませんのでお答えできませんが、GCOMでは研究者をカテゴライズして差別化をすることはありません。
 二点目のITUというのは静止衛星についてではないでしょうか。コントロールボックスというのは、周波数の問題ではなく、単に衛星を制御する上で隣の衛星と衝突しないためのある一つの目安を設定しているという意味で、軌道上の制御のための目安の範囲というものです。

【青木委員】 低軌道についてもあるときから位置を申請するようになったと聞いておりまして、ITU憲章第44条が以前は静止軌道だけだったのが、低軌道についても有限な天然資源として位置をとるように規定されるようになったので、それがコントロールボックスのことをいっているのかどうかわからなかったのでそれでお聞きしたのですが。

【JAXA(中川)】 多分違うと思います。

【青木委員】 わかりました。

【JAXA(中川)】 それから使用する地上局ですが、地上局とは、例えばスバルバードは北緯79度の島にあるのですが、そこまでは光ファイバーが通っています。JAXAの筑波で作ったコマンドを地上でアンテナまで送信して、そこから電波に信号を乗せてアンテナから直接衛星に送ります。衛星から降りてきたデータも地上局でデジタル信号に処理して、光ファイバーを介して日本に送られます。

【青木委員】 それをお伺いしましたのは、管轄権及び管理の部分がそのような局で行われるかどうかをお聞きしたかったのですが、今の説明でそういう定義には当たらないということがわかりました。ありがとうございます。

【池上委員長】 いまの最初の質問で、商用についてのデータポリシーは特にないのですか。データポリシーは商用利用が一番微妙な問題ですよね。アフリカでも水ビジネスで注目されていますが、そこまで立ち入ってやっていないのですか。

【JAXA(中川)】 そこは個々にロイヤリティに関する契約を結ぶということになっていまして、JAXAの産官学連携部が窓口になって契約を結ぶということになっています。

【池上委員長】 データポリシーはJAXAだけで決められる問題ではないのかもしれませんね。国レベルで決めていただかないと、あるいは産業界の中で議論があってということでないとなかなか決まらないですよね。

【JAXA(中川)】 商用利用については、GCOMだけではなく、JAXA共通のデータポリシーに従っていますので、GCOMだけで変えるものではありません。

【池上委員長】 青木委員何かありますか。

【青木委員】 おっしゃるとおりだと思います。

【池上委員長】 中川さんはいつプロジェクトマネージャとしての仕事を終えることができるのですか。どこまで面倒を見なくてはいけないのでしょうか。

【JAXA(中川)】 JAXAの中でルールがありまして、打ち上げてから三ヶ月はミッションチェックをやります。それから打ち上げてから1年間プロダクトの初期校正検証というところまでがプロジェクトチームが残る期間、それからSAPC(衛星利用推進センター)にミッションマネージャが移って衛星の管理をするという形になってプロジェクトチームはなくなるということが一般的な地球観測衛星のルールとして設定されています。

【池上委員長】 単なる人事の話ではなくて、運用が伸びるように、技術等の継続をよろしくお願いします。ありがとうございました。

【JAXA(中川)】 ありがとうございます。

(3)その他

1.宇宙開発の現状報告

宇宙開発の現状報告について、事務局から説明があった。(委15-3-1参照)

【池上委員長】 金環日食はきれいでした。ここに書いてあるX線望遠鏡による画像を見ると太陽が活発に動いているのも一緒に写っていて、単にきれいなだけではないなと思いました。

【服部委員】 ドラゴンについて、打上げの寸前にとめるということがありましたが、技術的に瞬時にとめて、また一週間後くらいに打上げることは可能なのでしょうか。

【河内山委員】 発表では0.5秒前までに所定の圧力を越えているということを検知していて、0.5秒前のタイミングで止めたということで、技術的には可能だと思います。原因がはっきりしていたので、その部分を交換したということのようですが、よっぽど自信があったのだと思いますが、その自信の成果で今回うまくいったということは、原因の推測が当たっていたということだと思います。

【三菱重工業(二村)】 河内山委員にお答えいただいた通りで、日本のロケットもSRB-A(固体ロケットブースター)に点火する直前、要するに打上げのコンマ何秒前までは停止できます。メインエンジンの推力が立ち上がらないとか、あるいは異常な値を示したというときには止めるということになっていて、日本のロケットも同じような機能を持っています。ただ、ファルコン9は9機エンジンを持っていて、規模が違うということがあるかもしれません。実際にエンジンの着火までいったあと数日後に再開できるかは何が起きたかによって違うと思います。

【服部委員】 燃料の再充填もしているのでしょうか。

【三菱重工業(二村)】 当然そうだと思います。

【池上委員長】 すぐできましたね、二日しか間があいていなかったでしょう。しかもバルブ故障だといっていましたが、よく二日目に打上げられましたね。

【三菱重工業(二村)】 日本のエンジンですと、そこから少し再整備等やりますので、あれほど短期間でいかなかったかもしれません。場所によります。

【池上委員長】 ファルコンは同じ敷地内で部品の八割を作っていますので、何かトラブルが起きてもすぐ交換することが可能なのかもしれません。

【服部委員】 常識的にいったらより詳細な検証とかいると思いますがそれはやられていないのですか。

【河内山委員】 自信があったのだと思います。

【池上委員長】 従来のNASA(米国航空宇宙局)とか大きな企業から見ると、技術的にはまだまだ十分ではないという意見も多いです。しかし、もしかしたら、このまま安定していくかもしれません。
 かなり、大きなインパクトを与えるのではないでしょうか。ESA(欧州宇宙機関)も衛星のベンチャーのサリーサテライトテクノロジー(SSTL)社に二年ぐらい前に発注しました。そのとき、ドーダン長官に、なぜベンチャーに発注したのかと聞いたら、彼は、体制が固くなっていて、それを変えるには外からプレイヤーを入れないとできないのだという言い方をしていました。ある意味、政治的な側面もあるんだなと感心しました。今回も、NASA等、大企業が打上げ、宇宙ステーション等やってきたのですが、そこを変えるきっかけとしても考えているのだと思います。民間のベンチャーを使って、NASA、ロッキード・マーティン、ボーイング等でやり方についていろいろ見直すということがあるのではないかと思います。
 イーロン・マスク氏には昨年会いましたが、打上げの後におめでとうとメールを送ったら、すぐサンクスと返ってきました。彼はまじめなベンチャーで人との信頼関係を非常に大切にしていて、メールは非常に短いですがすぐ返ってきました。彼は40歳ですが、そういうまじめさはなかなかたいしたものだなと個人的には思いました。

2.議事要旨

第14回宇宙開発委員会議事要旨(案)について、原案どおり決定した。(委15-3-2参照)

(説明者については敬称略)

 

お問合せ先

研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成24年07月 --