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宇宙開発委員会 安全部会(平成24年)(第1回) 議事録

1.日時

平成24年1月10日(火曜日)14時30~16時10分

2.場所

文部科学省 16階 特別会議室

3.議題

  1. 国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」(JEM)の実験装置に係る安全対策について(ポート共有実験装置、水棲生物実験装置)
  2. その他

4.出席者

委員

部会長 河内山 治朗
部会長代理 井上 一
宇宙開発委員会委員長 池上 徹彦
特別委員 飯田 光明
特別委員 工藤 勲
特別委員 栗林 忠男
特別委員 佐藤 吉信
特別委員 下平 勝幸
特別委員 竹ヶ原 春貴
特別委員 中島 俊
特別委員 花田 俊也
特別委員 馬嶋 秀行
特別委員 宮本 晃

文部科学省

文部科学省研究開発局宇宙連携協力推進室長 井手 信二
文部科学省研究開発局宇宙利用推進室長補佐 小澤 大作
文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐 坂田 肇

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
有人宇宙環境利用ミッション本部
宇宙環境利用センター
船外利用ミッショングループ長 松枝 達夫
技術領域リーダ 白川 正輝
有人システム安全・ミッション保証室長 小沢 正幸
有人システム安全・ミッション保証室 中村 裕広

5.議事録

 【河内山部会長】 皆さん、明けましておめでとうございます。それでは、ただいまから、平成24年第1回の安全部会を開催したいと思います。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の議題は、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」(JEM)の実験装置に関する安全対策についてです。御審議いただく実験装置は、ポート共有実験装置と水棲生物実験装置の2つです。
 まず最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

事務局から配布資料の確認が行われた。

(1)国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」(JEM)の実験装置に係る安全対策について(ポート共有実験装置、水棲生物実験装置)

【河内山部会長】 それでは、審議に入りたいと思います。本日の議題は、先ほども申しましたが、国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」の実験装置に係る安全対策についてです。本件については、昨年の12月21日に宇宙開発委員会から安全部会に付託がございましたので、まず本件について説明をお願いいたします。

事務局から安全1-1-1に基づき、説明があった。

【河内山部会長】 質問等はございませんか。質問がなければ次に移ります。
 続きまして、審議の前提としまして、評価対象について御理解いただくために、まず最初に実験装置の概要について、JAXAから説明をお願いいたします。

 JAXAから安全1-1-2に基づき、説明があった。主な質疑は以下のとおり。

【河内山部会長】 どうもありがとうございました。ただいまの装置の概要について、御質問等ございましたらお願いいたします。

【中島特別委員】 最初のロボットでテザーを引っ張って移動させる実験ですが、水平方向の移動だけですか。縦方向の移動は何か拘束されているのですか。

【JAXA(松枝)】 縦方向については、先ほどのテザーが微小に浮くようになっていますが、積極的に縦の方向に動かすロボットではありません。

【中島特別委員】 動かすのではなくて、動いてしまうということはありますか。

【JAXA(松枝)】 浮遊させないと無重力環境になりません。その分だけ動いています。

【中島特別委員】 重心か何かずれていると、そういう縦の運動が起こりませんか。

【JAXA(松枝)】 ロンチロックを外したときに、フリーに動いてしまわないかということですか。テザーそのもののうち、ロボット用としてアクティブに動く部分は1本だけですが、残り3本のうちの1つは長さが固定されていて、残りの2つはテンションがかかるようになっています。自動的に追随するようなテザーになっていますので、1つをアクティブに動かすことによって、縦方向は動かせませんが、水平方向には自動制御も含めて制御できるというものです。

【中島特別委員】 それはわかりますが、縦方向には絶対動かないということですか。例えば、動いても大丈夫なことが考えられているかということです。

【JAXA(松枝)】 それについては、安全上の最悪の話でいきますと、ぶつかったとしてもMCE(ポート共有実験装置)の構体の中にあるので外へは出ていきません。また、ぶつかったときの力でMCEは壊れないようになっています。

【中島特別委員】 そういうことは検討されているのですか。

【JAXA(松枝)】 はい、やっています。

【河内山部会長】 よろしいですか。そのほかはございませんか。

【工藤特別委員】 SIMPLE(宇宙インフレータブル構造の宇宙実証)でテラリウムというものがありますよね。インフレータブルという名前がついていますが、動いている感じがしません。インフレータブルとは言いながら、構造だけの話ですか。

【JAXA(松枝)】 説明を省略して申し訳ありません。11ページの図は既に展開した後ですが、円筒の白いところが膨張するガスの容器になっています。打上げ時は、縮まった格好で打ち上げられまして、軌道上で中に空気を入れて膨らまします。30センチメートルほどに膨らますような構造になっています。

【工藤特別委員】 宇宙で膨らますのですか。

【JAXA(松枝)】 はい。

【工藤特別委員】 では、コンテナの中から出てくるのですか。

【JAXA(松枝)】 いいえ。この膜そのものはマイクロデブリ等に耐えるものではございません。ミッションの方々は、展開した後にマイクロデブリが当たって突然試験ができなくなっては心配だということで、一番最初の計画では外に出そうかという話もございましたが、この箱の中で展開するだけの長さになっています。

【工藤特別委員】 では、IEM(Inflatable Extension Mast)と干渉することはないのですか。

【JAXA(松枝)】 はい。

【工藤特別委員】 わかりました。

【河内山部会長】 そのほかございませんか。

【馬嶋特別委員】 AQH(水棲生物実験装置)で質問させていただきたいのですが、ガス交換器は、炭酸ガスを除去して、それで酸素、あるいは空気を与えるのですか。

【JAXA(白川)】 空気を与えます。水中に空気を送り込んで取り込ませるという装置です。

【馬嶋特別委員】 では、特に心配はしていないということでよろしいでしょうか。

【JAXA(白川)】 燃焼とかそういう意味ですと、普通の空気なので問題ありません。

【馬嶋特別委員】 わかりました。

【宮本特別委員】 話がずれるかもしれませんが、今、JEM(日本実験棟)のダウンリンクは、動いているのでしょうか。動かなくなったという話を去年聞いたのですが。

【JAXA(松枝)】 日本のデータ中継技術衛星を使うICS(衛星間通信システム)と言っていますJEMのシステムについては、現在は動いていません。NASA(米国航空宇宙局)側のリンクがありますので、それを使って実験をしています。

【宮本特別委員】 原因が何かわかっているのですか。

【JAXA(中村)】 今のところ、推定原因としては、中の電力分配器の故障と考えています。交換品を上げる手配をしています。

【宮本特別委員】 わかりました。それから、AQHについてお伺いしますが、これは3カ月のミッションで終わりですか。

【JAXA(白川)】 1回の実験で最長3カ月の実験を行うことができます。実験そのものは消耗品を廃棄して、軌道上に必要な部品を置いておけば何回かの実験はできますので、ある実験提案者による実験を1回して、次にまた消耗品を打ち上げて、別の実験を行うということは可能です。

【宮本特別委員】 わかりました。私も又聞きですが、生物の長期実験はなかなか難しく、途中で死んでしまったというような話もありますが、どう考えていますか。

【JAXA(白川)】 哺乳類等の実験ですと、途中で死亡したケースもありますが、今、地上等で確認している範囲では、3カ月等の実験で、特に問題なく飼育はできています。

【宮本特別委員】 わかりました。

【井上部会長代理】 宇宙飛行士はそれぞれの実験に関与が必要でしょうか。それとも必要でないのでしょうか。曝露部の実験では全然必要としないのですか。

【JAXA(松枝)】 曝露部の実験については、必要としていません。

【井上部会長代理】 では、EVA(船外活動)との関連は、ほかの作業があるときに、ということですか。

【JAXA(松枝)】 はい。例えば、ロボットでMCEをつかんでいるときに外れなくなった場合、それから、HTV(宇宙ステーション補給機)から分離できないといったときには、EVAで対応することが計画されていますので、そのような非常時に対して実験装置でもこういう対応をしなさいということが要求としてあり、それに対応したものです。

【井上部会長代理】 与圧部は必要ですか。

【JAXA(白川)】 はい。水質は自動的にセンサで取得できる部分もありますが、魚の移しかえや、採水してアンモニア等を確認することは、クルーの作業で行う計画です。

【井上部会長代理】 観察は自動で行えるようになっていますか。

【JAXA(白川)】 はい。観察、CCDカメラからの画像については、クルーの介在なく自動的に取得できて、ダウンリンクできるようになっています。

【河内山部会長】 そのほかございませんか。
 それでは、次の話題のときにも質問が出るかもしれませんが、進めさせていただきます。続きまして、「きぼう」の実験装置に関する安全検証結果について、JAXAから説明をお願いいたします。

 JAXAから安全1-1-3及び1-1-4に基づき、説明があった。主な質疑は以下のとおり。

【河内山部会長】 ありがとうございました。ただいまの実験装置の安全検証結果について、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。

【飯田特別委員】 AQHですが、水のpH調整もやると書いてありますが、pH調整はどのようにやるのですか。そこでもし化学物質が使われるのであれば、化学物質の曝露のハザードはないのかということをお聞きしたいのですが。

【JAXA(白川)】 まず、基本的に中性にする方向で調整しますので、アルカリ性であれば、中性にするようなバッファ液をポートから付加して中和させるという作業を行います。

【飯田特別委員】 当然バッファ液が使われるかと思いますが、バッファ液の毒性について、先ほどは1重のシールだとか3重のシールだとか御説明がありましたが、そのバッファ液はどうされるのでしょうか。

【JAXA(中村)】 そこは評価をしていまして、毒性レベルは0で、1重封入で大丈夫だという評価をした結果、今の設計となっています。

【飯田特別委員】 わかりました。

【河内山部会長】 そのほかございませんか。

【馬嶋特別委員】 今のお答えですが、バッファ液を使用するのですか。アンモニアを取り除いて、ガス交換をして、宇宙では拡散がないので、常にそういうことをしないと酸素が入っていかないので、緩衝液を使わずにやるのではないかと思っていましたが。先ほどの質問はそういう質問だったと思います。

【JAXA(白川)】 うまく処理されていれば、水質は非常に安定していますので必要ありませんが、不測の事態で何かが蓄積してpHが変わるような場合に備えて、そういう機能を有しています。

【馬嶋特別委員】 そういう意味では、答えが全然わかりません。そういうときにというのがどういうのかよくわかりませんし、緩衝液を使うのかどうかわかりません。今の飯田先生の御質問に対しては、緩衝液を使うとお答えになりましたが、本当にそうなのでしょうか。

【JAXA(白川)】 はい、そういう設計になっています。

【馬嶋特別委員】 緩衝液を使うのですか。

【JAXA(白川)】 はい、用意をして打ち上げます。

【馬嶋特別委員】 用意をしているということは、水の中で魚が生きていますが、その水は緩衝液ですか。

【JAXA(白川)】 いえ、通常の水です。

【馬嶋特別委員】 そうですよね。

【JAXA(白川)】 水質を一定に維持するために、必要に応じてそういう操作を行います。常に行うのではなくて、ある範囲を逸脱した場合等に元に戻すための操作ということで行います。

【馬嶋特別委員】 pHの御質問だったのですが、pHのモニタはずっとしていて、その範囲からはずれた場合には、そういう操作をされるということですか。

【JAXA(白川)】 そうです、はい。

【馬嶋特別委員】 では、多分環境が変わってしまうと思いますが、どのようになっているのでしょうか。緩衝液を加えるとどうなるかということも検証されているのですか。

【JAXA(白川)】 はい。地上では一定のpHなりに保つような操作を適宜行いながら遂行しています。

【馬嶋特別委員】 御質問では、そういうものを中性にもっていくために何か薬剤を使うのであれば、そのハザードもあるのではないかということだったので、きちんと答えていただいた方がいいと思います。

【JAXA(白川)】 申し訳ございません。その操作を行った場合でも、安全上の必要な封入レベルは確保された設計となっています。万が一そういう操作を必要に応じて行う場合でも、必要な安全上の封入された状態での操作を行うという設計になっています。

【飯田特別委員】 最初の質問は私なので、お答えの中で、フィルタ等が故障した場合、緊急の場合にpH調整、緩衝液を使うのではないかという具合にお聞きしました。

【馬嶋特別委員】 そうかもしれません。

【飯田特別委員】 ですから、緩衝液を使ったら、当然化学物質、イオンが入るので、環境が違ってきますから、実験が続けられるかどうかわからないのでしょうが、そういう手段も用意しておくということかと思います。そのための安全レベルは、毒性レベルはなく、1重シールでいいということは、緩衝液、バッファもpHが6.4とか7.2とか7.3だとか、そういうものを御用意されているのだろうなという具合に理解しました。

【河内山部会長】 そういう解釈でよろしいでしょうか。

【JAXA(白川)】 はい、そのとおりです。

【河内山部会長】 そのほか御質問はございますか。

【宮本特別委員】 話がずれて申し訳ないのですが、先ほどから、MCEとAQHのハードや評価の話を聞いてきていますが、安全評価するなかで、実験の目的と内容が見えると思います。ところが、このAQHの中でメダカを使って長期間の微小重力の影響を研究するとありますが、非常に漠然として、もう少し具体的に言っていただかないと、これから宇宙開発のサポートが得られないのではないかと思います。どんな影響かということを簡単に説明していただくと、理解できるかと思うのですが。

【JAXA(白川)】 先ほど説明いたしました安全1-1-2の28ページ、参考6:AQH実験概要の2. の期待される成果と波及効果のところで、特にメダカについてはゲノムの解析等も終了していますので、微小重力の影響として、特に一番最初に行う実験ですと、骨量、骨への影響を見るという実験を予定しています。さらに筋の萎縮とか、宇宙で放射線によるリスクとか、そういう実験テーマが提案されていまして、今、計画をしているところです。

【宮本特別委員】 わかりました。

【河内山部会長】 関連の質問ですが、90日というのは今の考えの中で、それに対して十分成果が得られるという確認をされたということで、90日という設定をされたのでしょうか。

【JAXA(白川)】 はい。特に90日と申していますのは、28ページの上の図に魚の継代イメージと書いていますが、産卵前の大人のメダカを持っていくことによって、軌道上で産卵されて、さらにその次の世代、ですから、3世代の交代ができるのが大体90日ということです。1回目の実験ではそういう実験は計画されていませんが、将来的に90日間で軌道上で世代交代ができるということに着目して、90日を1つのターゲットとしています。実際に装置として90日稼動するということは、地上でも確認をしています。

【河内山部会長】 わかりました。

【池上委員長】 今の質問に対しては研究グループの説明をしたらいいと思います。

【JAXA(白川)】 はい。一番最初のメダカの実験については、東工大、工藤明先生のところの実験で、特に骨の代謝のメカニズムという研究を実施する予定です。

【池上委員長】 JAXAのグループはこれには関係していないのですか。

【JAXA(白川)】 実験の候補となりますテーマが幾つかありまして、JAXAの向井飛行士が提案している実験は行動パターンの実験ですし、あるいは、ゼブラフィッシュで京都大学の瀬原先生の筋の萎縮、それから、東大の三谷先生の放射線の影響というテーマが、今後実験が行われる候補のテーマとして選定されています。

【池上委員長】 外国のグループが関係しているプロジェクトはないのですか。

【JAXA(白川)】 実験装置の魚の部分は、ロシアで打ち上げますので、そこのロシアとの国際協力によりまして、ロシアの実験もあわせて行います。ただ、ロシアの実験で、飼育水槽の中で実験をすることは、一番最初は予定されていませんので、打上げのところでロシア用の試料を使って、実験を行うという予定です。

【井上部会長代理】 細かい質問なのですが、安全1-1-3の13ページの2に、シールを有する機器の減圧による破壊とありますが、これはどういうことを言っているのですか。封じ切って打ち上げるものが、周りが真空になっていくので圧力差が生じるということを心配しているのでしょうか。

【JAXA(中村)】 はい、おっしゃるとおりです。

【井上部会長代理】 そういう意味でいうと、真空になってしまった後が一番圧力差は生ずるのですが、その変化に対して心配しているという意味だと思えばいいですね。

【JAXA(中村)】 はい。打上げ時に減圧のレートというのが決まっていますので、そのレートに耐えられるようにということが、まず要求としてございます。そのワーストケースとして、差圧1気圧に耐えられるかどうかという話が、また別途ございます。

【井上部会長代理】 細かい話ですが、検証方法、検証結果というところに、強度解析によりという書き方をしてありますが、これは実際に試験をやるのですよね。

【JAXA(中村)】 基本的にはハザードレポート上の検証行為としまして、解析でというようになっています。真空試験は、やっているものとやっていないものがあるかもしれませんので、後で調べて整理してコメントさせていただきます。

【中島特別委員】 トランジェントな試験はできないのではないですか。

【井上部会長代理】 いえ、普通、真空試験をやりますよね。

【中島特別委員】 今のは、変化するときのことを検証とおっしゃったのではないですか。

【井上部会長代理】 全く同様に模擬することは難しいということをおっしゃっているのかもしれませんが。

【JAXA(中村)】 いえ、模擬できる装置もございますので、小さいものは真空チャンバーのレートによりますので、ケース・バイ・ケースで対応してございます。

【河内山部会長】 基本的には、できない場合は、最終的には減圧レートを実現可能で、設計上の安全を保証できるレートに設定して、試験を行うことで設計をチェックするということですか。できる場合は、言われたとおり減圧装置で減圧曲線をシミュレーションするということで、両方あると思います。

【佐藤特別委員】 資料の安全1-1-3の20ページですが、伸展マストは、キックされると曲がるというように理解しますが、曲がってまた元の直線に戻るのでしょうか。その際、もし戻るとすると、マストに発生する力、反発力のような力は幾らぐらいでしょうか。

【JAXA(松枝)】 ここでの対象は、船外活動におけるキックロードでして、キックロードそのものは125ポンドフォースです。60キログラムぐらいかけますと、伸展マストは剛性がそれほど強くありませんので、この試験そのものは125ポンド相当の力で引っ張った試験を示していまして、剛性が高くないので当然すっと曲がってしまいます。

【佐藤特別委員】 引っ張るというよりは曲げたのではないですか。

【JAXA(松枝)】 先端に125ポンドの荷重、先端にキックロードがかかると最大のモーメントがかかりますので、この点で引っ張っています。

【佐藤特別委員】 下に引っ張ったということは、曲げ応力が発生するのですか。

【JAXA(松枝)】 そうです。

【佐藤特別委員】 圧縮されますよね。

【JAXA(松枝)】 下側が圧縮されて上側が伸びるような曲げがあります。

【佐藤特別委員】 またこれが戻るときにどのぐらいの力が発生するのでしょうか。もしかしてバネみたいになって、人が弾き飛ばされてしまう、あるいは弾き飛ばされるまではいかないにしても、足がすくわれてしまうということはないのでしょうか。要するに、姿勢が崩れるとか、そういう心配がないのかなということを心配しています。

【JAXA(松枝)】 直接この試験の状況を見ていませんが、逆に戻るほどはねてはいないのではないかと思いますが、きちんと確認させていただきます。このミッションそのものを担当していますのは、構造系の先生方で、きちんと確認されていると思います。

【佐藤特別委員】 そうですね。構造が破壊しないということは大体了解したのですが、人間の方が心配です。

【JAXA(松枝)】 元に戻るときに船外活動しているクルーを蹴飛ばすというか、当たるということを御心配されているということですか。

【佐藤特別委員】 そうですね。結構わずかな力でも、重力がないので影響されてしまうのではないかという気がします。

【JAXA(松枝)】 そこはきちんと再度確認させていただきます。

【佐藤特別委員】 お願いします。

【河内山部会長】 確認をお願いいたします。
 そのほかございませんか。

【工藤特別委員】 1-1-2の資料で説明いただいたNASAのSCAN(Space Communications and Navigation)という装置は、HTVの曝露パレットに搭載されているのでしょうか。

【JAXA(松枝)】 HTVの曝露パレットで打ち上げられて、パレットそのものが船外実験プラットフォームに取り付けられ、そこからNASA側のトラスに運ばれます。

【工藤特別委員】 この上に載っていれば、JAXA側で審査するのではないかと思ったのですが、JAXAで審査はやらなかったのですか。

【JAXA(松枝)】 はい。

【JAXA(中村)】 打上げ時のHTVに搭載されている最中に壊れないかという評価をしています。

【工藤特別委員】 その安全性の評価は、JAXAの中でやっているのではないかと思いましたが。

【JAXA(中村)】 はい、やっています。

【工藤特別委員】 紹介されてなかったので。

【JAXA(中村)】 失礼しました。

【工藤特別委員】 どういうことになっているのかということでお聞きしました。

【JAXA(中村)】 この安全部会では、あくまでも日本が作るものが対象です。

【工藤特別委員】 これに載っているものは、HTVのときに評価されるということですか。

【JAXA(中村)】 はい、そうです。

【工藤特別委員】 今回は対象外であるということですか。

【JAXA(中村)】 はい。

【工藤特別委員】 わかりました。では、次の回には報告されるということですね。

【JAXA(中村)】 しかしながら、HTVの打上げの部分については、2号機から……。

【工藤特別委員】 もう上がっているのですか。

【JAXA(中村)】 いえ、事務局から御説明いただいた方がいいと思うのですが、打上げフェーズについてはシリーズ解析ということで、1号機で報告している分のシリーズで、類似性を持っています。

【工藤特別委員】 では、SCANというのは過去に何回も上がっているのですか。

【JAXA(中村)】 いえ。安全部会に報告する範疇としては、HTVの打上げ部分については、もう報告しなくていいと整理されていると思います。

【工藤特別委員】 SCANの分については、今回は審査対象外であるとは理解しましたが、HTVに載せるときには、審査の対象になるのではないかと思っています。

【JAXA(中村)】 もう一度御説明いたしますと、JAXAの中では審査しています。ただ、安全部会にはHTVの打上げフェーズのHTV及びHTVの搭載カーゴに関する打上げの部分については、もう報告しなくていいという整理になっていますので、2号機から打上げの分はしてございません。ですから、今回も部会には報告することはないものと認識しています。

【工藤特別委員】 あまり私の理解がよくないのですが、SCANという装置自身がわかってないので、それがどういう装置で、載っている際の影響をその都度評価するのではないかと思いますが。前にやっているのでしたらいいのですが。

【JAXA(中村)】 やっていません。

【工藤特別委員】 次回の問題ですから、よく相談してやってください。

【河内山部会長】 事務局は解釈上の問題として、今のJAXAからの説明でよろしいのですか。

【事務局】 はい。ロケットの打上げ安全で説明いたしますが、HTVに搭載される貨物によらず、HTVそのものの打上げと、係留と離脱、この3つのフェーズについては、各号機すべて同じであろうということですので、1号機のときにそのシーケンスを含めて安全方策が確保されているということで、変更等がなければ2号機以降は特段に安全部会の中で審議する必要はないという形で整理されているという状況です。

【工藤特別委員】 あまり整理が正しくないように思いますがね。ここで揉めてもしようがありませんので、後日ご報告ください。

【河内山部会長】 ただいまの件は、多分いろいろな解釈があると思いますので、整理だけはさせていただきます。
 そのほかございませんか。特にないようでございましたら、追加の質問がございましたら、質問票に書いて事務局に提出いただければと思います。
 それでは、最後の議題ですが、今後の予定を事務局からお願いいたします。

【JAXA(小沢)】 ちょっと済みません。小沢でございますが、先ほど説明の中で誤って説明したのが1件ございますので、ちょっと訂正させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

【河内山部会長】 はい、どうぞ。

【JAXA(小沢)】 AQHの安全の説明の中の24ページでございますが、安全追跡ログとして識別したものが4件ほどあります。魚の固定については、魚を輸送するロシアの射場で確認をすると先ほど申し上げましたが、これは、シールの寿命を確認するということで、打上げ直前に国内で安全を確認するということで、ロシアで安全を確認する追跡ログのものではございません。国内での安全追跡ログとして識別されたものでしたので訂正させていただきます。

【河内山部会長】 ありがとうございました。
 それでは、最後に、今後の予定について御説明をお願いいたします。

 事務局から、参考1-2に基づき説明があった。

【河内山部会長】 以上で、本日の議事は終了いたしました。これをもちまして、安全部会を閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

(説明者については敬称略)

お問い合わせ先

宇宙開発委員会事務局

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)