平成23年10月13日(木曜日)10時~11時45分
文部科学省 16階 特別会議室
宇宙開発委員会委員長 池上 徹彦 安全部会部会長 河内山 治朗 部会長代理 井上 一 特別委員 工藤 勲 特別委員 熊谷 博 特別委員 栗林 忠男 特別委員 下平 勝幸 特別委員 中島 俊 特別委員 中村 順 特別委員 花田 俊也 特別委員 馬嶋 秀行 特別委員 宮本 晃
文部科学省研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 轟 渉 文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐 坂田 肇 【説明者】 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙輸送ミッション本部 鹿児島宇宙センター所長 坂爪 則夫 宇宙輸送安全・ミッション保証室長 加納 康臣 打上安全評価室長 江口 昭裕 宇宙輸送系要素技術研究開発センター長 泉 達司 宇宙輸送安全・ミッション保証室 川畑 広文 宇宙輸送安全・ミッション保証室輸送安全課 成尾 俊久 三菱重工業株式会社 航空宇宙事業本部宇宙事業部 宇宙プログラムグループ主席プロジェクト統括 秋山 勝彦
【河内山部会長】 おはようございます。定刻になりましたので、平成23年第2回の安全部会を開催させていただきます。委員の皆さんにおかれましては、お忙しい中御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
本日は議題が2つございます。まず1つは、H-ⅡAロケット19号機の打上げ結果について、もう1つはH-ⅡAロケット20号機の打上げに係る安全評価についてです。この2つ目のH-ⅡAロケット20号機による打上げですが、情報収集衛星の打上げということで、ミッションの性質上、情報の保全管理が求められております。その関係で2番目につきましては非公開で審議させていただきますので、委員の皆様方におかれましては御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。
まず最初に、資料の確認を事務局からお願いいたします。
事務局から配布資料の確認が行われた。
【河内山部会長】 それでは、議題の1に入りたいと思います。「H-ⅡAロケット19号機の打上げ結果について」、JAXAから説明をお願いいたします。
JAXAから安全2-1-1及び安全2-1-2に基づき、説明があった。主な質疑は以下のとおり。
【河内山部会長】 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。
【工藤特別委員】 FPGA(Field-Programmable Gate Array)の端子は浮いていたということですか。
【JAXA(泉)】 はい、そうです。
【工藤特別委員】 見落としということになるわけですか。
【JAXA(泉)】 そうですね。設計時の見落としと考えています。
【工藤特別委員】 その見落としがなぜ起こったかというのは探索されましたか。
【JAXA(泉)】 はい。いわゆるなぜなぜ分析ですが、その原因について製造メーカで検討しています。現在まだまとまった形にはなっていませんが、今整理をしているところです。
【工藤特別委員】 FPGAはたくさん使っていますよね。
【JAXA(泉)】 はい。
【工藤特別委員】 今回はMHI(三菱重工業株式会社)が見落としていたかと思いますが、ほかの衛星とかでもFPGAをたくさん使っていますよね。
【JAXA(泉)】 機器の製造メーカはMHIではなく別の電子機器メーカです。ほかの衛星でもたくさん使っているとは認識しています。
【工藤特別委員】 その会社だけが見落としていたと理解してよろしいですか。
【JAXA(泉)】 その点も含めまして分析をする必要があると考えています。
【工藤特別委員】 了解しました。
【馬嶋特別委員】 ちょっとよくわからなかったので教えていただきたいのですが、このような指令破壊受信機(CDR)は今までずっと使われていますが、今までは大丈夫だったのでしょうか。
【JAXA(泉)】 はい。この指令破壊受信機は、H-ⅡAロケットの初号機から運用されており、その前のH-Ⅱロケットにおいても飛行実証しているという経緯ですので、もう10年以上使われているものです。今回の問題は、実際に症状としてあらわれることがこれまでもなく、今回も点検をした結果見つかったということで、症状としては出ていません。したがって、FPGAはオープンのまま、つながってない状態のままでしたが、問題なく動いていたことは動いていたと考えています。
【馬嶋特別委員】 もう1つ、表現のところで、一番最初、「電子部品の使い方に誤りがあるという設計不良」というのは、ちょっとわかりづらくないでしょうか。下にいろいろ書いていますが、使い方に誤りがあるという設計不良は単なる設計不良ではいけないのですか。
【JAXA(泉)】 そうですね。設計不良であるということでよろしいと思いますが、そこの中でも使い方というところに着目して今回問題が起きていますので、そこを強調した表現にしています。
【馬嶋特別委員】 「使い方」というのはハンドリングの問題ですよね。
【JAXA(泉)】 回路設計上の使い方のことです。
【馬嶋特別委員】 「使い方」というと、少しわかりづらいのではないかと思います。
【JAXA(泉)】 わかりました。表現に今後、気をつけたいと思います。ありがとうございます。
【河内山部会長】 そうですね。表現を訂正された方がいいと思います。
【JAXA(泉)】 わかりました。
【下平特別委員】 この3項の「打上げ作業の再開」の4行目、「JAXA、MHI、メーカ」という言葉で、ほかもそのような表現ですが、ほかは機器メーカというのはありますが、ここのメーカという意味は、部品メーカではありませんね。これは機器を製造するメーカという意味で統一されているのですか。
【JAXA(泉)】 はい、そのとおりです。機器メーカということです。
【下平特別委員】 その機器メーカはMHIではないのですね。
【JAXA(泉)】 はい、これは違うメーカです。
【下平特別委員】 そのメーカの機器が、どのような状態になっているかということをJAXA、MHIが機器メーカに行って図面を見た結果、このオープンのところ、「グランド(0V)」と書いてあるところが接地してなかったということを発見したのは回路図を見てわかったのですか。
【JAXA(泉)】 はい。回路図とデータシートの突き合わせでわかりました。
【下平特別委員】 この設計はデザイン・オーソリティとして、開発したのはJAXAですか、それともMHIの段階での製品ですか。というのは、逆に言うと、昔はJAXAが開発したと思いますが、その後、この開発はMHIが担当しているのでしょうか。
【JAXA(泉)】 この機器に関してはJAXAが開発して、MHIに移転したものです。
【下平特別委員】 JAXAが開発しているときにこの部分は発見できなかったということですか。
【JAXA(泉)】 はい、そういうことになります。
【下平特別委員】 それで電子機器を全部見たのですね。
【JAXA(泉)】 はい。電子機器の集積回路について、各ピンが正しくつながっているかを見ました。
【下平特別委員】 ではこのメーカだけがグランドをつながなかったのですか。
【JAXA(泉)】 この部分については、そうです。
【下平特別委員】 ほかのメーカは全部グランドにしていますか。
【JAXA(泉)】 はい、大丈夫です。
【下平特別委員】 グランド、0Vと書いてあるのに、なぜこれをオープンのままにしたかということはわかりませんか。
【JAXA(泉)】 そこは今調査をしているところです。
【下平特別委員】 わかりました。
【中島特別委員】 今の話ですと、通常の今までの打上げ前の試験では引っかからないようなものでしたよね。
【JAXA(泉)】 はい、そうです。
【中島特別委員】 今回たまたまどうして引っかかったのですか。
【JAXA(泉)】 今回は2ポツの(1)で起きた不適合の展開で調査をした結果です。
【中島特別委員】 わかりました。それがあったから種子島に行ってから調べたのですね。
【JAXA(泉)】 そうです。
【宮本特別委員】 この部品、CDRは実際に現場で破壊指令を打つときに今まで使ったことがありますか。
【JAXA(泉)】 6号機の事故のときに使っています。
【宮本特別委員】 もちろん、そんな頻回に使うわけではないですね。
【JAXA(泉)】 もちろん、使わないほうがよろしいです。
【宮本特別委員】 では発見も遅れた可能性もあるかと思います。それから、3番のところで、「その結果、軽微な逸脱事項が確認された」とあり、この「軽微」な事項と、それから先ほどのこの回路でつないでいなかった事項はどの程度のレベルですか。実際に軽微な逸脱事項は何でしたか。
【JAXA(泉)】 それでは軽微な内容を簡単に紹介します。実は全体の点検の中で3つ、部品の使い方、接続に関する不適合がありました。そのうちの2つは同じような機器で、DAU(データ収集装置)というテレメータのデータを作る機器で見つかりました。このDAUのデジタル回路の中で一つのICにバッファが8つ入っており、8チャンネルあると称していますが、この中の使っていないチャンネルが1つ、入力がオープンになっていました。これは入力ですので、普通は電源かグランドに固定しておくのが望ましいのですが、これがオープンになっていて不定状態になっていました。
DAUのデータ収集装置にTu2MというモデルとTu1というモデルが2種類ありますが、これはいずれも同じ基板を使っていて両方とも同じになっています。ここは技術テレメータの振動や、加速度というデータをとるのに使っている部品ですが、万が一、この部品がだめになったとしても失うのは技術テレメータの一部であるということ、それから、使っていないチャンネルですので、ここは多少不定状態になっていても実際の動作上は全く問題ないということから軽微と判断しています。
それから、3つ目はEACS(Electrical Actuator Controller SRB-A)という、SRB-A(固体ロケットブースタ)のノズル、噴射の向きを変える装置のアクチュエータというモータをコントロールする制御装置で見つかりました。この中で同じようなデジタルのバストランシーバという部品がありまして、これも使っていないチャンネル、これも1つのICの中にバッファが4つ入っていますが、そのうちの1つの使っていないチャンネルの入力がオープンな状態になっていたということです。このICは、このEACSを製造するときに製造メーカで点検するためだけに使っているもので、機器として組み上がった後に使っていない部品ですので、これについても軽微ということで実際上問題ないと判断しています。
【宮本特別委員】 わかりました。機能上すぐに動作するのではなくて、浮いている、関係ないというのはわかりましたので、それは軽微と考えていいと思いますが、実際に配線上のミスなのか、設計上のミスなのか、どちらでしょうか。
【JAXA(泉)】 これは設計上です。図面上つながっていないので、製造としては図面どおりつないでいます。
【宮本特別委員】 では、ものに落とすときにつながっていなかったということですか。
【JAXA(泉)】 いえ、図面が間違っていたということです。
【中島特別委員】 もしもそのまま打ち上げていたら、どういうことが起こったのかということは何かわかっていますか。気がついて改修しましたが。
【JAXA(泉)】 CDRの当該部分をオープンのままにしていた場合、実際にはこれまで何も起きていないので、何も起きない可能性が非常に高いとは考えています。しかし、部品メーカともいろいろ協議しましたが、オープンの状態で問題なく動作するという確証が得られなかったということです。要するに何が起こるかわからないというのが現状で、CDRですので最悪のことを考えますと、飛翔中、問題ないにもかかわらず破壊のコマンドが出てしまう、あるいは安全ではない状態になったときに、コマンドを打って安全を確保しようとしたときにコマンドが効かないということがワーストのシナリオとしては考えられると思います。
【中島特別委員】 机上の検討では何が起こるかわからないということですか。
【JAXA(泉)】 わかりません。
【河内山部会長】 よろしいですか。
ないようでしたら次の議題、2の方へ移りたいと思います。
【河内山部会長】 冒頭、説明いたしましたとおり、情報収集衛星の打上げということで、ミッションの性質上、情報の保全管理を求められておりますので非公開審議とさせていただきます。傍聴者は退席をお願いいたします。
(報道関係者・一般傍聴者退席)
(説明者については敬称略)
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