平成22年4月28日
宇宙開発戦略本部事務局
外務省
文部科学省
国連宇宙空間平和利用委員会法律小委員会(以下、「法小委」)は、国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の下に設置された小委員会であり、宇宙活動に係る諸問題について法的側面からの検討を行っている(年1回開催)。第49会期は、以下の通り開催された。
(1)期間 2010年3月22日(月曜日)~4月1日(木曜日)
(2)場所 国連ウィーン国際センター(オーストリア共和国)
(3)参加国 49カ国(その他、オブザーバーが参加)
我が国からは、宇宙開発戦略本部事務局、外務省、文部科学省、慶應義塾大学、宇宙航空研究開発機構が出席した。
(4)今次会合の主な議題と結果(議題毎の概要は(参考)参照)
米国の提案により一昨年会合から議題化され、今次会合が4年間の作業計画の3年目となる。本議題は、各国による国内法制の作成に資するため、宇宙の平和利用に関する各国の国内法制の情報交換を行うものであり、我が国からは、宇宙基本法を踏まえた、最近の動向について紹介するとともに、宇宙活動法の検討状況に関するテクニカルプレゼンテーションを実施した。これに対して、各国から謝意と高い関心が示された。この他、ドイツ、米国、フランス等もプレゼンテーションを実施した。
また、我が国からは宇宙物体登録が内包する技術的問題の解決方策やJAXAのデブリ発生防止標準等について発言し、議論に貢献した。各国からは、人工衛星の軌道上での所有権や管理の移転等に関し活発な意見交換が行われた。
従来より、意見が対立し、議論が平行線をたどっている、「宇宙空間の定義」、「静止軌道問題」及び「包括的宇宙条約」に関しては、今次会合でも特段の議論の進展はなかった。
1.議題採択・議長選出・議長演説(議題1-3)
提案通り議題・議長が採択され、議長演説ののち各議題及び各WG設置の説明があった。
2.一般発言(議題4)
本議題では、各国から、宇宙開発の状況、宇宙活動に伴う法的側面への対応、法小委への取組について発言が行われた。
我が国からは、我が国の宇宙開発の状況につて、(1)宇宙基本法をめぐる国内の検討状況、(2)国際宇宙ステーションに関する取組、(3)地球観測分野の取組、(4)宇宙科学・探査、情報通信分野の取組、(5)スペースデブリ問題に対する取組等に関する発言を行った。
3.宇宙5条約のステータスと適用(議題5)
本議題では、包括的宇宙条約に関し、ロシア、イラン、リビアから、その必要性に関する発言があったが、特段議論が行われることはなく、引き続き本議題の下で議論が行われることになった。
4.宇宙法に関連する国際機関の活動状況(議題6)
本議題では、ウクライナ、コロンビア、韓国、米国、国際法協会(ILA)、European
Space Agency (ESA)、EUTELSAT、SECURE WORLD FOUNDATIONから活動報告が行われた。
5.宇宙空間の定義(議題7(a))
本議題では、第6会期(1967年)以来、宇宙空間の定義について議論が行われてきており、今次会合でも、コロンビア、サウジアラビア、ロシアからの宇宙空間の定義を必要とする立場からの発言に対して、米国及びイタリアからは、宇宙空間の定義は必要ではないとの立場から発言が行われた。メンバー国への質問事項を追加し、次年度以降も、引き続き本議題の下で議論が行われることになった。
6.静止軌道問題(性質と応用)(議題7(b))
本議題では、静止軌道に赤道直下諸国の主権的または優先的権利を認めるべきとする赤道直下諸国と、それに反対する先進国との間で議論が行われている。
今次会合でも、従来と同様、中南米諸国等から静止軌道に対する平等なアクセスの必要性に関する発言が行われたが、特に新たな展開は無かった。
7.原子力電源(NPS)原則のレビュー(議題8)
本議題では、「宇宙空間における原子力電源の使用に関する原則宣言」(NPS)原則のレビューを行っている。
昨年2月の科技小委にIAEAとの共同専門家会合から報告された「宇宙空間における原子力電源の活用に関するフレームワーク」について本年技術的な情報交換が行われたことに対する歓迎が各国から示された。
ベネズエラからは、法的拘束力のある文書に向けて、NPS原則のレビューを実施すべき旨強く主張があり、これに対しロシアからは国際法上合法な活動である旨応答した。ウクライナからも原則レビューの必要性が述べられ、また、中国からはNPSを利用する予定である旨発言があった。
8.可動物件の国際的権益に関する条約宇宙資産議定書予備草案の検討(議題9)
本議題では、「可動物件の国際的権益に関する条約宇宙資産議定書予備草案」に関し、国連との関係及び既存宇宙法体系との関係について、議論がなされている。今次会合では、私法統一国際協会(UNIDROIT)及びイタリアから発言があった。また、我が国からはUNIDROITとCOPUOSが連携していくことが重要である旨発言を行った。米国も明年議題に残すことを支持する旨の発言を行った。以上より、法小委での本議題の継続が合意された。
9.宇宙法に関する人材育成(議題10)
各国から、自国が行った宇宙法に関する人材育成に係る活動について報告があり、我が国からは国際宇宙法学会(IISL)が運営する国際宇宙法模擬裁判(ManfredLachs
Space Law Moot Court)への参加に関し、JAXAがアジア・太平洋地域の代表学生チームに資金的支援を行い、アジア・太平洋地域での宇宙法における人材育成を積極的に努めていることについての報告と、アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)の枠組みを通じて、国連宇宙部が作成する宇宙法教育カリキュラムの普及を推進する計画を紹介した。
10.スペースデブリ低減に関する国内メカニズムに関する情報交換(議題11)
一昨年会合におけるイタリア提案の提案により議題化されたものである。
各国から、スペースデブリ低減に関する活動状況の紹介があり、日本からは宇宙基本計画におけるデブリ低減の姿勢とJAXAにおける活動を紹介した。
11.宇宙の平和利用に関する各国の国内法制に関する情報交換(議題12)
米国の提案により一昨年会合から議題化され、今次会合が4年間の作業計画の3年目となる。本議題は、各国による国内法制の作成に資するため、宇宙の平和利用に関する各国の国内法制の情報交換を行うものであり、我が国からは、宇宙基本法を踏まえた、最近の動向について紹介するとともに、宇宙活動法の検討状況に関するテクニカルプレゼンテーションを実施した。これに対して、各国から謝意と高い関心が示された。この他、ドイツ、米国、フランス等もプレゼンテーションを実施した。
また、我が国からは宇宙物体登録が内包する技術的問題の解決方策やJAXAのデブリ発生防止標準等について発言し、議論に貢献した。各国からは、人工衛星の軌道上での所有権や管理の移転等に関し活発な意見交換が行われた。
12.来年法小委議題(議題13)
来年の第50会期法律小委員会は、3月28日から4月8日に開催され、今次会合と同様の議題にて行われることとなった。欧州の複数の国より、EUTELSATの衛星に対するジャミングの疑いに関する新規議題の提案に関する事前情報があったが、提案は行われなかった。
また、チェコから、2012年以降の議題案の候補として、既存の「COPUOSスペースデブリ低減ガイドライン」の法的側面のレビューについて新規議題候補リストに加える提案があり、特段異論がなく了承された。
13.その他
本会合中、3月22日の午後に「国内法制-宇宙活動の発展のための法的レジームの作成」に関するシンポジウム、3月25日にオーストリア主催の月協定に関するセミナーが開催された。
(以上)
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