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平成22年宇宙開発委員会(第7回) 議事録

1.日時

平成22年2月17日(水曜日)14時~15時

2.場所

文部科学省18階 宇宙開発委員会会議室

3.議題

  1. 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の後期運用における地震調査研究への利用について
  2. その他

4.出席者

委員

池上 徹彦  (宇宙開発委員会委員長)
青江 茂   (宇宙開発委員会委員)
井上 一   (宇宙開発委員会委員)
野本 陽代  (宇宙開発委員会委員)
森尾 稔   (宇宙開発委員会委員)

文部科学省

森本 浩一  (文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当))
松尾 浩道  (文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当))

(説明者)
鈴木 良典  (文部科学省研究開発局地震・防災研究課課長)
長谷川 裕之 (文部科学省研究開発局地震・防災研究課地震調査研究企画官)
道浦 俊夫  (独立行政法人宇宙航空研究開発機構 執行役)
滝口 太   (独立行政法人宇宙航空研究開発機構 宇宙利用ミッション本部宇宙利用推進センター 防災利用システム室室長)

5.議事録

【池上委員長】 第7回の宇宙開発委員会を開始したいと思います。
 今日の議題は、陸域観測技術衛星「だいち」の後期運用における地震調査研究への利用についてと、その他になっております。
 それでは、最初の議題につきまして、JAXAの道浦さんと開発局地震・防災研究課長の鈴木さんにお願いいたします。

(1) 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の後期運用における地震調査研究への利用について

 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の後期利用段階の利用状況について、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(道浦執行役)から報告があった。

【池上委員長】 最後ページの北行と南行で絵が違うのは、どういうことですか。

【JAXA(道浦)】 南行というのは北から南にとったときの画像をあわせて干渉処理したものです。北行というのは南から北へ、夜はALOSが南から北へ上がっていきますよね。そのときに撮ったPALSAR(フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ)の画像を干渉処理したデータでございます。

【池上委員長】 そうすると、PALSARでねらう方向が違うので絵が違ってくるということですか。

【JAXA(道浦)】 角度を前の画像とルッキングアングルというか傾ける角度を合わせないとだめなので、必ずしも北行が地震の中央地のところを通ってないということがございました。

【青江委員】 森林の減少なのですが、シベリアの監視にも使っていませんか。

【JAXA(道浦)】 今、どちらかというとGEO(地球観測に関する政府間会合)で森林のこのモニタというのが7カ所ぐらいと思いましたが、そこをまず重点的に監視しましょうというのがございます。それはどちらかというと熱帯雨林関係のところをやっているので、我々はそのGEOの監視にあわせてその世界で7カ所を重点的に今やっているという状況でございます。

【青江委員】 だから、それから言えば、ブラジル、インドネシアのほかにもう5カ所、アフリカ等々でやっているわけですか。

【JAXA(道浦)】 はい。

【青江委員】 シベリアはそこに入ってないのですか。

【JAXA(道浦)】 たしか入ってなかったと思いました。

【青江委員】 シベリアの減少も非常に大きいんだそうですね。

【JAXA(道浦)】 そうですね。今年1月から、このデータというのは非常に大事だということで、世界のデータを全部ALOSでとれていますので、解析をやり始めたところです。そのために、コンピュータが必要になってくるので、今コンピュータをそろえて、今年の11月か12月にメキシコでございますCOP16までに、できれば全部を仕上げようというので進めています。

【青江委員】 それは、誰がやっているのですか。

【JAXA(道浦)】 JAXAがやっております。

【青江委員】 それから、もう一つこれに関連して、ブラジルはまさに違法森林伐採の摘発に使って、森林伐採が相当とまっているわけですね。

【JAXA(道浦)】 そうです。森林伐採がとまったというのを聞いております。

【青江委員】 インドネシアは、これによると、森林変化を観測するというところまでにとどまっているわけですか。

【JAXA(道浦)】 これは青江委員が言われているように、不法伐採というよりも、どちらかというと森林火災でインドネシアはどんどん減っているんですよね。それが必ずしもまだ完全に抑え切れていないというところがございます。

【青江委員】 そういう消火について、北海道大学の先生に来ていただいてお話を聞いたときも、消火が何かたたくぐらいしかないんだという話だそうで、それでも随分大きいんだということでした。

【JAXA(道浦)】 そうですね。

【青江委員】 早目にこう回ってその火を消して、それによって拡大を防ぎ、「だいち」によって救われたというのは、多分インドネシアとシベリアと思うんですよね。そういったところで、どれくらい「だいち」のおかげで救われたかというのが出てくるとわかりやすいですね。

【JAXA(道浦)】 森林火災はNASA(米航空宇宙局)の衛星に搭載しておりますMODISというセンサと「だいち」をセットにして、森林火災のアラームを出しています。

【青江委員】 セットにして効果があるのなら、やればいいと思うんですよね。

【JAXA(道浦)】 そうなんです。それで、今、まだ完全にエンドユーザのところまではきちっと情報が使われているのかは把握できていません。

【青江委員】 だから、何か一種の試算でもいいから、この衛星のおかげで、どれくらいとまったかというのが少しわかるといいと思うんですけどね。

【JAXA(道浦)】 わかりました。ちょっと試算等も検討させていただきたいと思います。

【青江委員】 それから、もう一つは、もう随分前になりますけれども、ここでいわゆる国土地理院の2万5,000分の1の地図更新に、硫黄島とどことどこは使われたという御報告をいただきましたけど、それ以降、随分量的に増えましたか。

【JAXA(道浦)】 そうです。刊行物というよりも、ここに書いてありますように、地理院がインターネットで載せている電子国土ポータルというシステムを、ALOSデータをすぐ使えるように作りかえてくれたのです。
 それで、この電子国土ポータルでは、例えば港が変わったとかそういうことになると、どんどん更新しているということになっております。

【青江委員】 そこはわかりました。そこは非常に一つの大きな貢献だと思うんですよね。
 それと同時に、今、市販されている2万5,000分の1という一番一般的な国土地理院が出している地図があるじゃないですか。それのリプレースにどれくらいこのALOSが寄与したかという、例えば今何枚発行されているのか知りませんけれども、そのうちの3分の1はこれによってリプレースされているんですよとか、言ってくれると非常にわかりやすいんですけどね。あの当時はとにかくごくごく少なかったですね。

【JAXA(道浦)】 20枚ぐらいまでいってくれたんですね。その後、この電子ポータルにかわったので、具体的に刊行している2万5,000分の1のところに何枚かえたかというのはちょっともう計算ができないシステムになりました。

【青江委員】 そういうことになっているわけですか。

【JAXA(道浦)】 はい、地理院にも言われているんですけれども。

【青江委員】 それはどうして計算できないんだろう。

【JAXA(道浦)】 電子ポータルにどんどん入れていますよね。それで、その部分を多分更新していくんですけれども、それにこのALOSのデータが、何枚、どう入ったかというのがちょっとわからないそうです。

【青江委員】 要は、日本国では国土地理院が地図作成に責任を持っていますとうことですか。

【JAXA(道浦)】 そうです。

【青江委員】 その人が地図発行というその実務にこのALOSがどれくらい寄与しているのかというのを何かわかりやすく示してくれるとありがたいですけどね。

【JAXA(道浦)】 定量的にですね。

【青江委員】 彼らの地図作成という仕事にどれくらいALOSが本当に働いているのだというのを。いろんな整理の仕方があると思うんですがね。

【JAXA(道浦)】 定量的にどういうふうにあらわせるかというのを地理院とも相談させていただいて、定量的な、できれば外部評価のときに定量的に出せるようにしたいと思います。

【青江委員】 そういうふうにしてくれると物事がわかりやすいですね。

【池上委員長】 地理院の方も相当積極的に載るようになりましたよね。

【JAXA(道浦)】 そうです。今、もう電子国土ポータルにどんどん入れて、もうどのくらい使ったかというのをあんまり勘定できないと言われているので。

【井上委員】 知らないので教えていただきますか。今、先ほどハイチの地震について出されましたけど、この種のことというのは国際災害チャータと言っているのは、これはどんなシステムで動いているものなのでしょうか。

【JAXA(道浦)】 世界の宇宙機関が集まってこのデータをできる範囲で出しましょうという話になっています。今度、その使うデータは災害関係機関ということになっております。日本の場合は内閣府がその使用機関になっております。

【森尾委員】 資料の2ページの一番下ですけれども、船舶監視の可能性の実験、この結果はどうなんですか。

【JAXA(道浦)】 このALOSデータのPALSARのデータを使った関係なんですが、PALSARの分解能が10メートルなので、残念ながら船長が30メートルぐらいのものしかPALSARでは認識できなかったという結果になっております。
 ただ、航空機SAR(合成開口レーダ)も一緒に使いまして、航空機SARは3メートルの分解能ですので、湾内にあったヨットなんかも全部検知できました。多分ALOS-2が3メートルの分解能ですので、ALOS-2であればそこまでの検知ができるだろうと考えております。

【森尾委員】 いわゆる不審船の発見とか。

【JAXA(道浦)】 ALOS-2になれば使えるかなと。ただ、ALOSの場合は実験結果ではちょっと苦しいかなという感じでした。今ちょっとその解析を見直して、もう少し船長の短いものまでわかるようにしている最中でございます。

【青江委員】 この場所はどこですか。

【JAXA(道浦)】 東京湾の出口のところ、そこで結構AIS(自動船舶識別装置)の海上保安庁の受信局もございますので、そういうところを使わせていただいて。

【池上委員長】 「だいち」は3つ積んでいますよね。PALSAR、PRISM(パンクロマチック立体視センサ)とAVNIR-2(高性能可視近赤外放射計2型)。

【JAXA(道浦)】 はい。

【池上委員長】 何が一番使われているのですか。

【JAXA(道浦)】 国内ではやっぱり、PRISMとAVNIR-2のパンシャープンですね。後ほど御説明されますが、その辺のところが一番よく使われています。海外ではやはりPALSARが一番よく使われています。

【池上委員長】 そうですか。
 では、次に移りたいと思います。資料1-2でございまして、これは鈴木課長、お願いいたします。

 地震調査研究推進本部が作成する活断層基本図への「だいち」光学画像の利用について、文部科学省研究開発局地震・防災研究課(鈴木課長、長谷川企画官)から報告があった。

【青江委員】 この基本図を作るのはやっぱり文科省が作るのですか。

【鈴木課長】 政府の特別な機関の地震調査研究推進本部の方で作成、公表します。

【青江委員】 古い事業はそうだけど、事業そのものは文科省ですね。

【鈴木課長】 事務局である我々の方が行います。

【青江委員】 今聞いていると、その衛星画像の使用というのは研究開発じゃないですね。
 というのは、何を言っているかというと、料金の事です。

【鈴木課長】 研究開発かと言われると、我々はそういう点では地震調査研究推進本部とありますとおり、既存の研究成果と足らない分については調査研究を行ってそれらの成果を取りまとめた上で出すという点で、完全には、研究開発という用語だと合いませんけれども、調査研究のうちだと考えています。

【青江委員】 いや、そこはそれでだけど、要は活断層基本図作成作業なんですね。

【鈴木課長】 それはそのとおり、御指摘のとおりです。

【青江委員】 要は払うべきなんじゃないのですか。

【JAXA(道浦)】 いや、これは試行ですので、購入ベースではないのです。

【JAXA(滝口)】 国土地理院と同様、実費で御提供させていただくということです。

【青江委員】 非常にこれ自体、こういうものを使っていいことをしているんですよ。それはもうそれで大変効果的な使い方をしていただいて結構です。ただ、払うべきものはきちんと払ったらどうでしょうか。

【事務局(宇宙利用推進室松浦室長)】 国土地理院も同様に衛星画像を使ってまず実際の利用ができるのかどうかという調査研究をしています。これと同じフェーズで、ALOSのデータを使ってまず活断層の調査ができるかどうかというところでJAXAと共同の研究フェーズにあるという位置づけだとすれば、そこは実費程度の徴収ということになります。
 ただ、同じ範囲でも年間50シーンとかいうある程度超える部分については通常どおりの価格で購入するというふうにほかの事業もなっていますし、最初から行政利用というよりは、まず活断層調査に使えるかどうかのちょっと研究要素が入っているということで、50シーンまではお試し利用みたいな感じだと思っていただければと思います。

【池上委員長】 よろしいですか。まずお金の話で。

【青江委員】 あんまり納得はしませんけれども、いいです。

【井上委員】 先ほど岩手大学とおっしゃいましたが、「だいち」側はもともとの何でもないパンシャープンオルソ画像になる手前のものが用意されていて、それをパンシャープンオルソ画像にするところというのはいろんな開発されたツールというのを使われて、それぞれがいろんなことをやられると、そんな世界なのでしょうか。

【長谷川企画官】 そうですね。データとしては最初からパンシャープンになったものではなくて、それぞれをばらばらにいただきます。なぜかというと、やはりカラーでありながら、かつ、実体視もできるというのは単純にパンシャープンを重ねただけでは作成できないので、その部分がある意味、大学の先生のノウハウということになってございます。
 ですので、逆に言うとこの1シーン分を作るのにPRISMの直下視、斜方視、それから、AVNIRのカラーを別々にいただきまして、それをプロセッシングするという手順になってございます。

【井上委員】 それは何か手法にオリジナリティがあるようなものなんですね。

【長谷川企画官】 そういうことでございます。パンシャープンにするというアイデアはもちろん通常もう商品として売っておりますし、実体視するというものもそれはある意味もう市販のシステムがあるのですが、それを両方同時にプロセスするという処理にオリジナリティがあるということと、それから、やはり岩手大学のやり方で作業していただいたものは大変見やすい画像になっています。要するに判読性が非常にいいということでその手順を利用させて、そのやり方を利用させていただいているということにしております。

【森尾委員】 これは調査研究ですけれども、これでうまくいけば10年ぐらいの間に活断層基本図をお作りになる。10年というと今のALOSはおそらく寿命が来て、先ほどもちょっとお話もありましたALOS-2のデータを使って作るということになるんでしょうか。

【鈴木課長】 そういう点では、10年間で活断層基本図というのを作るんですけれども、通常のやり方ですととてもできないので、まず、こういう新しい活断層の位置の特定というか判読の手法を導入していけば、その期間内にできるのではないかということでチャレンジをしようということです。

【森尾委員】 期間内というのは、ALOSの寿命のある間という意味ですか。それとも、先ほどの10年間で取り組むべきという10年間の期間ということですか。

【鈴木課長】 私どもの方はそういう点では10年間でその活断層基本図というものを作って出すということになっていますので、それより手前でそういう点では位置とかそういうものは決めていかないと、最終的にほかのものも含めたデータベースとして出すことができませんので、10年間でこれを読むというよりは、もう少し早く読まないといけないと考えています。

【森尾委員】 そうですか。それで、仮にALOS-2になって、先ほど精度が4倍ぐらいよくなるんですか。そうなると、もっといいことが何かありますか。それとも、精度的にはもうそれは十分だということですか。

【長谷川企画官】 先ほどの説明の中でも、現在は写真と「だいち」の画像を併用させていただいていると申し上げましたが、将来、例えば50センチとか、あるいは、それを切るような解像度の衛星が上がるということになれば、衛星画像上ですべての処理ができると期待をしてございます。
 ですので、もしそういう解像度の衛星が上がれば、それで全面的に作っていくということができて、かなり作業のスピードが上がるのではないかと期待しております。

【事務局(宇宙利用推進室松浦室長)】 補足ですけど、ALOS-2はレーダの衛星になりますので、立体視をする衛星は一応ALOS-3で今検討中です。ALOS-3についてはまだ研究フェーズということで仕様は完全に固まっておりませんが、一応解像度を上げた立体視のセンサを積むという意味ではALOS-3になるかなと思っています。

【池上委員長】 今のに関連して、要するにPRISMとAVNIRでこういう断層をチェックするという手法はもう確立していると考えていいんですか。

【長谷川企画官】 そうですね。そこも実はある程度、今年度研究テーマにしておりまして、写真と比べてどこまで見えるのかといった観点については今年度実は地震ワーキングを通じましてデータをいただいておりまして、その中で、どこまで「だいち」でできるかという点については研究させていただいているという状況でございます。

【池上委員長】 もしそうしますと、SAR衛星を使って、森林の下の情報も入れるとさらによくわかるというふうになるとおもしろいですね。

【長谷川企画官】 そうですね。おっしゃいますように、森林の下ですと地形が見えませんので、そういったデータ、プラス、例えば断層があって地質が違うとその境で木の生え方が違うとか、そういった事例もありますので、木の下も見ながら例えばほかに植生等にあらわれている情報も見るということで、全部を統合すればより見つけやすいという可能性もございます。

【池上委員長】 あとは、これまでの地味なデータは、今は産総研になっていますけど昔の地質研が持っていますよね。

【長谷川企画官】 持っています。

【池上委員長】 レファレンスをとりながらいろいろやっておられるのですか。

【長谷川企画官】 そうですね。ここでは単純化して説明しましたけれども、実際の作業の中では既存の調査研究の資料、既存の活断層図のほかに地質の状況でありますとか、重力異常分布、それには岩質の違いがあらわれるんですが、そういったものも見ながら、最終的には総合的に判断するという形になるかと思います。

【池上委員長】 産総研もジオグリッドに参加していますね。多分一緒にやっていると思いますけれど、産総研も情報処理をやっているグループがこういった分野に貢献したいと言っていますので、省庁を超えてよく連携してやってください。

【鈴木課長】 省庁間の連携については、そういう点では地震調査研究推進本部で国土地理院、産総研、実は気象庁も含めまして、かなり連携はよくとれております。
 そういう中で、それぞれの持っている断層についてのデータをお互い持ち寄る部分があるのですけれども、いざこれを使ったというのについては、これまで先ほどからありますように活断層は写真でやるという手法が確立をしていて、そういう形でその判読をするというのが大学の先生方の中にある中で、新しい方法として提案をしながら、先生方の御了解というか認定を受けながらその作業を進めていくという点で、研究開発ではないと申し上げたんですけれども、既に確立した手法でもって基本図を作るというよりは、同時並行的に効率的な手法で活断層の専門の先生方の御了解をいただきながら進めるということでありますので、なかなか高い値段で買うというのは御勘弁をいただければありがたいなという気はしております。

【青江委員】 いわゆるユーザを引っ張っていくためのお試し試用期間、これもあってもいいと思っているんですよね。ただ、一方、「だいち」を含め、いろんな衛星画像というものの利用促進ということは、それこそ基本計画を作る段階でも何か利用への貢献ということが随分言われているわけでして、その面の利用が進まないという事の例えば、アメリカと比べての大きな違いというのは、ユーザ官庁に画像購入のためのお金が計上されていないという違いがあるんですよね。
 ということで、農水省や国交省やいろんなところに画像を利用してもらうための予算をちゃんと手当てをしてもらうようにというのが一つだと思うんですよね。その意味において、文科省も是非利用を、画像購入のためのお金をちゃんと計上して率先してもらいたいと思います。

【森尾委員】 これは衛星のデータを活用して地震の予測をしようという試みだと思うんですけど、地震ではないんですけど、最近何かイタリアで大規模な地すべりが。そういうことの予測でもこの衛星データというのは活用できないのですか。

【JAXA(道浦)】 地すべり関係は別途国土地理院の研究所、それから、地理院等とSARデータを用いてどういうふうに観測できるかというスタディをやっております。

【池上委員長】 いずにしても、研究開発ですから、ただで使ってもいいんですよね。ベンチャーもそれを使ってもいいんですよね。

【JAXA(道浦)】 私ども、共同研究なり、協定を結んで、ある限定のシーンを無料、または、実費という形でデータを提供しています。

【池上委員長】 そうですか。
 だから、むしろ重要なのはそこのグループが研究できるように研究費を入れることが必要でしょうね、各省庁とも。

【JAXA(道浦)】 そうですね。

【池上委員長】 そういうグループを作るためには金が必要ですね。
 ところで、農水省はなぜこれに入ってないのですか。農水省は、活断層とか森林とかについてあんまり関係ないのですか。

【鈴木課長】 すみません。農水省については。

【池上委員長】 わかりました。
 あと、10年かかるというのはどうして10年かかるのですか。

【長谷川企画官】 基本的には断層の数がかなり多いということがございます。主要断層帯だけでも100ございまして、そのほか、私どもが今評価の対象になっていないものを入れると、一説には2,000あるとは言われていますが、例えば産総研がデータベース化しているものだけでも700ございます。しかも一つの断層が20キロとか、もっと長いものもございますので、やはりなかなかマンパワー的に限られた、例えば5年とか、あるいは、3年とかでやるというのは難しいということで、10年程度かけてやるということにしております。

【池上委員長】 そうすると、将来例えば海外についても適用できるようなことまで考えているのですか。例えば中国とか東南アジアで多分こういうことを期待している人がいると思うんですが。

【長谷川企画官】 そうですね。地震本部としては基本的には日本国内が所掌でございますが、ここである程度やり方が確立すれば、例えばそういった技術を中国等で使っていただいて、四川大地震みたいなものもございますので、そういった断層がないかどうかということについて同じようにデータを作ってもらうということは可能だと思います。

【池上委員長】 そうすると、APRSAFでうまく生かせるかもしれませんね。

【JAXA(道浦)】 そうですね。これが確立すれば、今度APRSAFに展開していきたいと思っております。

【池上委員長】 ほかにございませんか。
 (壁に貼られたパンシャープン立体視画像について)これは見るだけでよろしいんですか。

【長谷川企画官】 そうですね。後ほど会議が終わった後にでも見ていただければよろしいんですが、このくらいかなり細かく見えますよというサンプルにお持ちしたというもので、右側が北になっていて、立体視する関係上、横になってしまっていますが、一番右が青森市、津軽湾、青森湾になります。それから、真ん中辺の上にあるものが十和田湖になります。それから、左上にちょっと青い部分がありますが、あれが田沢湖になります。
 それから、逆に左下のところにぼこっとでっかい山が出てありますが、それが岩手山になりまして、実は岩手山の左側に横に真っすぐ平野と山地を境する境界がございますが、あれは北上低地断層帯という断層、活断層でございまして、一昨年になります岩手・宮城内陸地震も、この範囲からは外れておりますが、大局的に見るとその北上低地のさらに延長上で起きました。ただし、事前に活断層がわかってない場所で起きたというものですので、こういったもので広域的な分布を見ることによりまして、そういう今まで見つけにくかった断層も見つけられるのではないかと期待してございます。

【鈴木課長】 先ほどのこの図のところが、ここにありまして、今、ここら辺までは断層があるというのが引かれておりまして、ここはこれを使って見たときに、続きとして同じ地形のものがずっと続いてきているというのが今回お試しの中で出てきました。

【池上委員長】 これ、高さ方向は何倍ぐらい強調してありますか。

【鈴木課長】 これは多分二、三倍だと思います。

【池上委員長】 それでは、また終わった後、ゆっくり御覧いただきたいということで。よろしゅうございますか。
 それでは、その他の方に移ります。どうぞ。

(2) その他

1.宇宙開発の現状報告

 宇宙開発の現状報告について、事務局から説明があった。

【野本委員】 きのうのニュースで若田さんがNASAの何か部長になったとかというニュースが流れていたんですけれども、そのことは。

【事務局(宇宙利用推進室松浦室長)】 すみません。私もニュースで知ったんですが、一応NASAの宇宙飛行士室のようなところの部門のヘッドみたいなところで、現役宇宙飛行士のサポートとか、そういう運用面等の中でのリーダー的なセクションに上がったということらしいです。

【野本委員】 若田さんは、JAXAの方ですよね。その辺の関係というのはどうなっていますか。別に今わからなければ今お答えいただかなくてもいいんですけれども。

【事務局(宇宙利用推進室松浦室長)】 ちょっとその辺は調べてまたお答えします。

【池上委員長】 ありがとうございました。

2.議事要旨

 第6回宇宙開発委員会議事要旨(案)について、原案どおり決定した。

(説明者については敬称略)

お問合せ先

研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成22年06月 --