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平成21年宇宙開発委員会(第29回) 議事録

1.日時

平成21年9月30日(水曜日)13時59分~14時31分

2.場所

文部科学省18階 宇宙開発委員会会議室

3.議題

  1. 宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の運用管制状況について
  2. 人事案件について【非公開】
  3. その他

4.出席者

委員

松尾 弘毅  (宇宙開発委員会委員長)
青江 茂   (宇宙開発委員会委員長代理)
池上 徹彦  (宇宙開発委員会委員)
森尾 稔   (宇宙開発委員会委員)
野本 陽代  (宇宙開発委員会委員)

文部科学省

森本 浩一  (文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当))
佐野 太   (文部科学省研究開発局宇宙開発利用課長)
松尾 浩道  (文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当))

(説明者)
白木 邦明  (独立行政法人宇宙航空研究開発機構 理事)
虎野 吉彦  (独立行政法人宇宙航空研究開発機構 HTVプロジェクトマネージャ)

5.議事録

(1) 議題1.『宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の運用管制状況について』

宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の運用管制状況について、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(白木 理事)から報告があった。

【青江委員】 HTVのドッキングについて、日本の宇宙技術の高さを示したといって大変称賛を受けておるわけですが、もう一段下げたレベルでのすぐれた日本の技術というのは何なんでしょうか。例えば、センサ技術だとか、位置をはかる技術だとか、それを全部計算して、スラスタをちゃんとシステマティックに動かす技術だとか、いろいろな技術があるんだと思うんです。何が一番難しい技術で、今回成功してさすが日本と言われた技術というのは何なんですか。

【JAXA(白木)】 今回、技術実証機という一発目であるということと、ランデブーで10m近くに飛んでいること。そのときにステーションと同じ位置を、相対速度が変わらないように保持しておりますので、HTVそのものの姿勢と軌道を維持するという、そういう制御の技術ですね。そこのあたりが今回、特記すべきことだろうと思っております。

【松尾委員長】 その制御の技術をもうちょっと言うと、センサなんですか、ロジックなんですか。

【JAXA(白木)】 センサもありますし、ロジックというか、アルゴリズムもございますし、特にソフトウエアですね。センサも、最初遠くにいるときにはGPS衛星のデータを使ってGPS航法をやっております。30キロ近傍になりますと、相対GPS航法をやるということで、「きぼう」の中にGPSの装置を積んでおりまして、「きぼう」の方から「きぼう」の位置と速度情報を送ってきます。それと、HTVも自分で位置と速度情報をGPSからとってきて、両方のデータを比較しながら相対的な位置をコントロールして接近していくという、そこのところが非常に大きなポイントだろうと思っております。
 300mぐらいの近傍になりますと、今度はレーザレーダで接近していきますので、そこも先ほどビデオで見ていただいてわかりますように、HTVがほとんど揺るがず姿勢を保持しておりまして、そこが特筆すべきところかなと思っております。

【青江委員】 その辺は外国、特にアメリカとの間の技術水準とでもいいましょうか、例えば揺らがずに制御する、あれだけのものが少しも揺らがないとでもいいましょうか、それはもうアメリカをしのいでいるのですか。

【JAXA(白木)】 GPS航法を使って、軌道上でランデブー、ドッキングする衛星を、ETS-Ⅶで、過去、日本でもやっております。その後、アメリカなんかでもそういう衛星をやっていますが失敗している例がございまして、そこで何で失敗して今回はうまくいったかというと、特にGPS航法のところが、やはり一つのキーになっております。我々も今非常に順調と申し上げましたが、GPSのデータが、若干想定外のものが出ました。それはどういうことかというと、5個、6個のGPSの衛星のデータを拾って、それで自分の位置とか速度を計算するわけですが、GPS航法の場合、GPSのデータを自分の中で計算して将来の軌道を予測するような、カルマンフィルタと言っておりますが、そういった航法をとっております。それが若干、発散ぎみなことが起こりまして、どうしてだろうということで調査したところ、カルマンフィルタの特性によるということがわかりました。それをリセットすることで、初期値の誤差ゼロの状態に戻るということもわかりましたので、そういう処置をやりながら今回はうまくいきました。
 アメリカのその衛星の例は、やっぱり同じようなことが起きて、結果的には燃料を使い果たしたというようなことも聞いておりまして、そういう意味では非常にうまくいっており、日本の技術としての高さを示せたのかなと思っております。

【青江委員】 あれだけの精度を保持し得る能力を持っているのは、今のところは日本とアメリカだけですか。

【JAXA(白木)】 そうだろうと思います。ESAのATVも同じような航法を遠距離ではやっておりますけれども、最終接近がATVのドッキングという自分でぶつかっていくような方法です。それに対して日本の場合は、先ほどの最終接近ではレーザレーダでISSとの距離を保ちながら飛んでいくというところが大きな違いですね。

【松尾委員長】 何かほかに慌てたことありましたか。

【JAXA(白木)】 きのうのNHKでもやっておりましたが、スラスタがオーバーヒートしかけたという話がございました。あれは、資料の4ページの左下にございますように、9月18日でISSの下300mの地点で、ISSとの相対位置をキープしながら飛んでいくようなモードがございます。そういうモードで、その状態からの離脱、退避など、いろんな能力を検証していました。普通は自由運動をさせますと、300m下の軌道を飛んでいるHTVがどんどん先に行くわけですね。それを引きとめようとすると、速度を落とさなきゃいけない。速度を落としますと、同心の遠心力運動になりますから、だんだん落ちてくるんですね。落とさないようにするためにHTVのスラスタを噴かして半径方向に上がらせようとすると、それが予定したよりも多くの回数、スラスタを噴かせてあげないと維持できなかったというところが、温度上昇の原因の一つと考えられており、それはちょっと想定してないようなところでしたね。

【松尾委員長】 予定より必要になったというのは、何のせいなんですか。

【JAXA(白木)】 まだはっきりしたことは、ちょっと私も確認しておりませんが。

【JAXA(虎野)】 実は、下向きに噴かなきゃいけないスラスタは4系と9系という二つの系ですが、今回、温度が規定値に近くなってきたのは9系の方、ナンバー9の方のスラスタでありまして、もう一つの4系の方は、ほぼ予定どおりの温度上昇だったんです。なので、今理事が言いましたように、予定よりたくさん噴いたので、当初計画よりは確かに温度は上がっているんですが、9系の方だけが非常にクリティカルな値に近くなってきた。4系の方はそれほどでもなかったという状況はありますので、スラスターの噴くパルスの関係もありましょうが、それ以外に熱艤装の関係で、もしかしたら熱がこもるような艤装をしていたのかもしれないということもあります。その辺はちょっと詳細に検討させていただきたいと思っています。

【松尾委員長】 私のもともとの質問は、何で数多く噴かなきゃいけないようなことになったんでしょうかという話なんです。いずれにせよ、最初は静止状態から出るわけだから。

【JAXA(虎野)】 すいません。それは、今、白木理事が申しましたように、軌道高度の差が300mでもその速度差が違いますので、いわば人間がプールで立ち泳ぎ状態をしなきゃいけなのと同じで、そのためのスラスタのパルスを噴いているんですが、これはほぼ予定どおりのスラスタの作動回数ではあります。

【青江委員】 ほぼ予定どおり?

【JAXA(虎野)】 ほぼ予定どおりの回数です。

【JAXA(白木)】 私の先ほどの発言を修正させていただきますが、予定どおりだと。温度上昇が想定外だということです。

【松尾委員長】 そういうことですね。先ほどおっしゃった。

【JAXA(白木)】 はい。

【青江委員】 そのスラスタを噴かさなきゃいかん回数が予定どおりなら、それはもう原因のところというのが、いろいろあったところというのは、その9系の方の熱が十分に逃げなかったか、ここぐらいしかないですね。

【JAXA(虎野)】 はい。それは、現時点ではそれが一番疑わしいんですけれども、もう少しデータを、収集して解析させていただきたいと思います。
 それで、運用機になりますと、今回のように長い間300m地点にとどまることはございません。この300m地点でも、一たん行って戻ったりという万一のときの試験を2度ほどやっておりますので、そのためにあそこの位置にとどまっている時間が非常に長かったのです。運用機の場合はそういうことをする必要はございませんので、300m下に行くと、全機器オーケーならばそのままずっと上がっていきます。したがって、スラスタのトータルの噴く回数は、今回に比べて非常に少なくなりますので、たとえ今回と同じ熱艤装でいっても、今回のようなクリティカルな温度状態になることはないと考えています。

【松尾委員長】 4系と9系、メーカーは同じですね。

【JAXA(虎野)】 はい、同じです。

【JAXA(白木)】 メーカーも同じで、部品も同じですよね。

【JAXA(虎野)】 部品も同じです。はい。

【森尾委員】 いいですか。ちょっと興味があるので聞きたいだけなんですけれども、GPSの信号を受けてから自分の位置が決まるまでの時間はどれぐらいですか。これが長いと、先ほどおっしゃったフィルタの特性が非常に難しくなると思うんですよ。一つのサイクルというか、フィールドバックループが長くなるということで。だから、これを非常に短くされるというような努力がしてあるんじゃないかなと思うんです。

【JAXA(虎野)】 すいません、具体的な何秒という数字は、申し訳ありません、私、覚えておりません。ただ、先ほど理事が説明した中の誤差要因は確かにたまっていくということもありますし、もう一つ、GPSの数が多ければ多いほど精度がいい位置が出せるということは、もう御承知のとおりだと思うんですよ。だから、最初、数が多いからいいだろうと思ってたんですが、ところが、たくさんのGPSの中で、この下の方から、この辺から来るGPSは電離層の影響だとか、あるいは到達時間の話とかがあって、逆に使うことによって精度が悪くなるというものもありますので、それを最適な数と、どの衛星を使ったらいいかという、その辺の方が精度算出には効いてきたんだということになっています。

【青江委員】 それもノウハウだよね。

【森尾委員】 うん、そうだと思いますね。

【JAXA(白木)】 今回、GPSをきちんと使えるということはノウハウだということがわかりまして、今、彼が言った、あんまりたくさん下の方のデータまでとると誤差を拾うとかですね、精度よくやろうとすると新たなデータを取り込まなくなってしまうとか、そういうのがありまして、これらは、ノウハウですね。

【松尾委員長】 はい。あと、よろしゅうございますか。では、どうもありがとうございました。
 今、議題の1が終わりまして、次は2に行くわけでございますが、これは人事案件でございます。宇宙開発委員会の運営等についての第13条に、会議については特段の事情がある場合においては、事前に理由を公表した上で非公開とすることができるとされていることに基づきまして非公開として後ほどとり行います。
 その前に、飛び越す形で議題の3を行いたいと思います。

 

(3) 議題3.『その他』

1.宇宙開発の現状報告

 事務局から説明があった。

2.議事要旨

 第28回宇宙開発委員会議事要旨(案)について、原案どおり了承した。

【以下非公開】

 

(2) 議題2.『人事案件について【非公開】』

【以上で議事は終了】

お問合せ先

研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成21年以前 --