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推進部会(平成21年)(第7回) 議事録

1.日時

平成21年12月10日(木曜日)14時~15時54分

2.場所

文部科学省 16階 特別会議室

3.議題

  1. 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)プロジェクトの事前評価について
  2. 第1期気候変動観測衛星(GCOM-C1)プロジェクトの事前評価について
  3. その他

4.出席者

委員

推進部会部会長 青江 茂
部会長代理 池上 徹彦
委員 森尾 稔
宇宙開発委員会委員長 松尾 弘毅
特別委員 栗原 昇
特別委員 澤岡 昭
特別委員 鈴木 章夫
特別委員 高柳 雄一
特別委員 建入 ひとみ
特別委員 廣澤 春任
特別委員 横山 広美
特別委員 宮崎 久美子

文部科学省

文部科学省研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 松浦 重和
文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐 瀬下 隆

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
(ALOS-2)
 執行役 道浦 俊夫
  宇宙利用ミッション本部 ALOS-2プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 大澤 右二
 宇宙利用ミッション本部 衛星利用推進センター 防災利用システム室 室長 滝口 太
 システムズエンジニアリング推進室 エンジニアリンググループ グループ長 石原 和臣
(GCOM-C1)
 執行役 道浦 俊夫
 宇宙利用ミッション本部 GCOMプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 中川 敬三
 宇宙利用ミッション本部 GCOMプロジェクトチーム ミッションマネージャ 田中 一広

5.議事録

【青江部会長】 それでは、時間が参りましたので、第7回の推進部会を始めさせていただきたいと思います。お忙しいところお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。
 本日の議題でございますけれども、2つ、陸域観測衛星(ALOS-2)のプロジェクトの事前評価、それからGCOM-C1のプロジェクトの事前評価、それぞれお願い申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、審議に入ります前に、配付資料の確認、事務方からお願いいたします。

事務局から配布資料の確認が行われた。

【青江部会長】 どうもありがとうございます。
 資料につきましては、よろしいでしょうか。
 それでは、早速でございますけれども、ALOS-2につきましての議事に入りたいと思います。最終的に皆様方から御提出をいただきました評価票を事務局の方で集約して、整理をしておりますので、それについての御審議をお願いしたいと思ってございますが、それに先立ちまして、前回ないし、それから評価票でいただきました御意見を踏まえまして、JAXA側から今まで行っておりました説明について再整理をしましたので、それにつきましての説明をしてください。

(1) 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)プロジェクトの事前評価について

 JAXAから推進7-1-1に基づき説明があった。

【青江部会長】 どうもありがとうございます。
 要は、センサ開発の全体像というのが6ページ、7ページに記載されており、赤で囲んだ経済産業省で御担当いただいているところ以外は、すべてJAXAが担って、このロードマップに従い進めているという全体像になっているということですね。

【JAXA(石原)】 はい、概ね正しいのですが、少しだけ補足させていただきますと、6ページ目、7ページ目の技術ロードマップの中の点線で囲ったものがございます。例えば、7ページ目の一番上のところでございます。気象の静止のセンサのところで、分解能1キロ、あるいは分解能500メートル、こういったところはJAXA外の機関が担当されているものです。
 それから、実線のものはJAXA、あるいはJAXAと他機関が一緒に開発しているものという区別をさせていただいております。

 引き続きJAXAから推進7-1-1に基づき説明があった。

【青江部会長】 どうもありがとうございました。
 以上、前回御意見をいただいたことに対しての回答、及び御意見を踏まえての再整理につきまして説明をいただいたわけですけれども、これにつきまして何か追加的に御質問や御意見等ございますればお願いいたします。

【森尾委員】 最後のところの17ページです。一番下のコスト性能比の表で、これにALOSを入れると、ALOSはどんな感じになりますか。

【JAXA(大澤)】 ALOSの場合はセンサを複数搭載しております。そこをやろうかとちょっと思ったんですが、3センサを全部並べるのも比較にならいないかなということで、最終的にはこの中には含めておりません。合成開口レーダだけで分母にしてしまうと、かなり高くなると思います。

【青江部会長】 それを3で割ると、どうなるのですか。

【JAXA(大澤)】 光学センサのプリズムが、画素数でいえば一番多いので、多分、その分から見ると3分の1というのも、比較をするという意味ではあまり有効ではないのかなというふうに思います。

【青江部会長】 難しいところですね。
 それから、アジアのニーズにつきましては、確かにこういうふうな形で、それなりには把握をしているということなんですけれども、リアルなニーズとの間のマッチングが本当にきちんとできているかという心配が、この質問にはおありになったんじゃないかと思います。現場を御覧になられて、一番リアルな災害現場のいわゆるニーズとのいいマッチングがきちんとできているのかという心配があったのではないでしょうか。例えばこういったニーズの把握の議論というのは、それこそ多くの場合は相手国政府の中の防災担当部局じゃなくて、研究開発担当部局と話をしておるということですか。

【JAXA(大澤)】 能力開発のときも、やはり研究開発機関だけではなくて、いわゆるその国の実際の、日本でいう省庁のようなところと一緒になってやっていると聞いております。これも、JAXA側からこういうのがいいんじゃないかというようなことではなくて、各国から提案をいただいて、そのテーマで能力開発というのをやってきておりますので、それなりのニーズを酌み取っているのではないかと思っております。

【青江部会長】 ということで、この追加的な質問の回答に対しましての御意見、御質問等はよろしゅうございましょうか。
 それでは、皆様方からいただきました評価票等を集約してもらっておりますので、その資料は7-1-2ですね。原案として事務局の方で整理をしております。その結果につきまして、事務局の方から説明をしてください。

事務局から推進7-1-2に基づき説明があった。

【青江部会長】 どうもありがとうございました。
 以上、本件につきましての意見集約でございますけれども、御意見等ございますれば、よろしくお願い申し上げます。いかがでございましょうか。

【池上部会長代理】 確認なんですけど、仮に打ち上がったとした場合の、その後のメンテナンスコストというのはどう見ているんですか。それぞれ使う省庁の方で考えるというふうになっているのですか。

【JAXA(大澤)】 基本的なALOS-2の運用につきましては、もちろんJAXAが衛星管制等を行うことにしておりますし、これまでも御説明を差し上げましたように、高次のプロダクトというものも、JAXAが作る範囲というのはJAXAが見ています。

【池上部会長代理】 費用の見積もりはどれくらいですか。それはJAXAとして余裕を持って出せるような範囲内、つまりほかのプロジェクトと共用であればできるということなんですか。

【JAXA(大澤)】 JAXAの中でのプロジェクト移行審査のときには、運用費についても一緒に提示をいたしまして、それで妥当だということで今回の推進部会に提示しています。

【池上部会長代理】 今の「だいち」のメンテナンスコストは年間、大体どのくらいなんですか。

【JAXA(大澤)】 約30億円です。

【池上部会長代理】 そうすると、同じぐらいのコストがこれについてもかかるわけですね。

【JAXA(大澤)】 それよりは大分安くなると思っております。

【池上部会長代理】 でも、オーダー的には数十億という単位ですか。

【JAXA(大澤)】 20億強を見ております。

【池上部会長代理】 そうですか。わかりました。

【青江部会長】 ほか、いかがでございましょうか。

【宮崎特別委員】 さっきアジアのニーズに関する追加の御説明がありましたが、問題解決型ミニプロジェクトのサマリーというところで、いろいろな国名と分野というのがここに出ていますけれども、例えば洪水にしても、やはり一番役に立つシステムというのは、洪水が起きる前に、そういう洪水が起きるということを知らせるシステムだと思うのです。でも、こちらではそうではなくて、洪水が起きた後でそれを知らせるんではないでしょうか。例えば、ベトナムの場合、なぜ洪水が起きるのかというきちんとしたニーズの分析はされていますか。ベトナムの例を挙げますと、なぜベトナムの川が氾濫して洪水が起きるのか、どのくらい把握、状況を把握しているのか、ちょっとお答えをお伺いします。

【JAXA(滝口)】 すべて把握しているわけではございませんが、我々もアジアの防災の人たち、それから例えば国交省の国際関係者、それからJICAといった方々といろいろお話をさせていただいています。
 例えばベトナムですと、やはり治水の工事、技術がまだ十分ではないとか、それから侵食されていく中で、増水による侵食なのか、乾いた後に地形が崩れて河川が維持できないのかといった、護岸のメカニズムといったところがまだまだ解明されてないことが多いということでした。私は国際技術建設協会の国交省系のよく海外を飛び回るチームとも話ししていますが、そういった方々にALOSの平時の画像なんかお渡しすると、雨季と乾季での河川の違いとか分析されて、護岸の工事、それから護岸対策、河川治水対策といったところに飛び回っておられるという事情を聞いております。
 それから、ALOSは陸域の状況をモニタする衛星で、そういったプロの方々に平時データをお渡しして、治水とかの観点で使ってもらえればと思っていますが、このプロジェクトとは別に、今、GPMというプロジェクトも考えておりまして、降雨レーダとして、雲が今、どこにあって、どこで雨を降らせているかという状況と、それをベースにしたGSマップMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)という全球の降水状況を見える化したデータベースといったものも我々作っていまして、まさに国交省系の人たちとも協力してやっています。
 それから、センチネル・アジアのシステムの中のGSマップMaP、それから国交省側で作っているGFAS(Global Flood Alert System)と呼ばれている、降水をモニタして洪水アラートを出していくようなシステムとリンクを張った形でシステム構築をして、我々は、国土のプロではないので、国交省の河川局の人たちや、これからJICAとも連携して、アジアの役に立っていくということを、今、考えております。

【宮崎特別委員】 前回かその前の会のときに、私は数年前にSJACのメンバーたちと一緒にいろいろアジアの国を回ったということを申しました。その時にベトナムも訪問したのですけれども、そこで洪水の原因とか、状況についても詳しく聞きました。その時にベトナムの中だけのことではなくて、川はいろんな国を通っていますから、中国の上流の部分で川が氾濫した場合、中国から天気などの情報が伝わらないので洪水などを事前に予知することができないので、対応することができないと聞きました。ですから、そのように、日本とベトナムのことだけではなくて、アジアのこのような地域の場合はいろいろな国が関わっているわけです。つまりそのように政治的なことにもかかわってくることなので、そこまで本当に把握しなければ、本当のニーズもわからないと思いますし、それに対する対応というのもわからないと思うんです。
 それから、技術力は本当に国によってまちまち、ばらばらだということも前回の調査でわかりました。ベトナムのように、その当時は宇宙開発の関連の知識とか、そういうノウハウとかも本当に蓄積されていない状態のときに、こういったデータセットを受け取っても、果たしてそれでベトナム人の研究者によって、解析がスピーディーに、うまく行われるかどうか、その点も多少難しいかもしれません。

【JAXA(滝口)】 国際河川の問題は我々も承知していますが、いかんせん我々だけでも解決できる問題じゃないと聞いています。中国が急に上流でダムをあけたから、下流の国でどこか水害に遭ったとか、そういう話もよく聞きます。ですから、我々だけで解決できない問題も多いと思いますので、引き続きそこは現地防災機関、それから国交省の河川局の国際系の方々、JICAといった方々と、このデータが少しでも役に立てるような姿を目指していきたいと考えています。

【青江部会長】 そうですね。確かに、これは何も宇宙だけの問題じゃなくて、押しなべて途上国との関係におきましては、本当のリアルなニーズに日本のいろんなやっていることがヒットしているのかというのは多々あるところですよね。ですから、よく今のような御意見を踏まえて、いろんなルートを通じて、本当のリアルなニーズにきちんと対応するということを、引き続き指向してもらいたいですね。
 ほか、いかがでございましょうか。それでは、御意見も尽きたようでございますので、とりあえず本日の御議論を踏まえた上で、宇宙開発委員会への報告も含め部会長であります私に御一任をいただくということで御了承いただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【青江部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、以上をもちまして、まずはALOS-2の議論は、とりあえずここで終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 引き続きまして、GCOM-C1のプロジェクトの議論の方に移りたいと思います。
 それでは、GCOM-C1の方でございますけれども、これもALOS-2と同じく、評価票でいただきました御意見、これを踏まえましてのJAXA側から回答等をまずはお願いいたします。

(2) 第1期気候変動観測衛星(GCOM-C1)プロジェクトの事前評価について

 JAXAから推進7-2-1に基づき説明があった。

【青江部会長】 今の追加的な説明に関しまして、御質問等ございますればお願いいたします。これらにつきましてはよろしゅうございますか。
 それでは、報告書の方にまいりたいと思います。事務局でとりあえずまとめてもらっております。説明をしてください。

事務局から推進7-2-2に基づき説明があった。

【青江部会長】 どうもありがとうございました。
 以上が原案でございますけれども、御意見等ございますればお願いいたします。いかがでございますか。

【廣澤特別委員】 この文章にかかわることではありませんが、今回、GCOM-C1プロジェクトの実施体制に関して、GCOM-C1とGCOM-W1のプロジェクトの両方を、お一人のプロジェクトマネージャ、中川さん、がまとめられることになったわけですね。これについては、以前、この推進部会の場で実施体制についての課題として提示していたことが背景にあったと思います。この体制は私もいい形だと思います。ただし、2つの衛星プロジェクトを見るということは大変なことですので、JAXA利用本部において、更にはJAXA全体として、十分なバックアップをして、プロジェクトが順調に進むようにされるよう、差し出がましいことかもしれませんが、申し上げたいと思います。

【青江部会長】 宇宙開発委員会としても、よくフォローしていきたいと思います。
 ほか、いかがでございましょうか。

【池上部会長代理】 これは確認なんですけれど、ALOS-2と違って、ツール開発はもちろんあるんだろうけど、ツール開発プラスどう使うかというところまで踏み込んでいるわけですよね。実際にどう使うかは幾つかの研究機関がやることになっており、JAXAはどう使うかということについてはやらず、あくまでも、こういうようなことで使いたいよというユーザである研究機関、大学等の要求をくみ上げてきたわけですね。だから、それはツールとして、実験装置としてきちっと動かなければ、JAXAに責任があるということになる。私、申し上げたかったことは、ほかの機関が、いろいろ観測しますよと言っている、その機関が計画変更しちゃって、やりませんよと言ったことが起こった場合、ひょっとしたらそれが一番大きいリスクじゃないですかという事です。それはJAXAのリスクではないという考え方もあって、JAXAはあくまでもツールだけを提供したんですよ、ツールがちゃんと動いていればいいですよという考え方もあります。
 これは先ほどの体制にも関係するんですけど、いろんな機関が精度等についての要求を出して、それをJAXAの方で苦労して実現しようとしているのですが、そうすると、全体をちゃんとマネージするような仕組みというのは、すごく難しいような気がするんですけど、それはどうなっているんですか。つまり、衛星自体がちゃん動くかどうかということについては、これはJAXAの方で十分できるというように思っているんですが、利用による成果を含めたところまで考えると、全体のマネージメントはどうなっているんですか。

【JAXA(中川)】 はい。今、おっしゃっていることは、非常に難しいことなんですけど、基本的には相手機関があることですので、我々も地道に、それぞれの研究者間の連携を進めていくということだと思います。EORCという我々の研究センターがありますけども、そこの研究者と他機関の研究者との連携だとか、それから実利用機関につきましては、それも機関間のいろんな枠組みがございますので、そういったところで、一気にそれがぱっと広がるというのは多分無理だと思っていまして、地道にそういう機関を増やしていくというふうに考えています。
 それで、あと利用の見通しですけども、GCOM-C1につきましても、アメリカの気象機関からも是非使いたいというふうに言われていますし、最近、ヨーロッパのそういう機関からも是非使いたいという話が来ているような状態ですので、多分、利用はどんどん進んでいくと私は思っています。世界的にもそういう光学センサのデータというのは、徐々に実用に使われ始めています。今、海外では気象の実用にも使われており、そういったことが日本でもどんどん適用されていくと考えていますので、利用について私自身は楽観視しています。ただ、日本の他の機関と地道に連携をとっていかないと、そういうことは実現しませんので、その辺は打上げまでに地道に努力して、そういう利用機関と連携を強めていきたいというふうに考えています。

【青江部会長】 今の、まさに池上さん言われたことを、まとめて、全体を俯瞰しながらどう持っていくかといったことを議論して、イニシアチブをとっていくのは、科学技術・学術審議会の地球観測推進部会がやっているのと違うのですか。そこでちゃんとやられているのと違うのですか。

【事務局】 その理解でいいと思います。

【青江部会長】 そこがちゃんとしとれば、池上さんの御心配はないですね。

【池上部会長代理】 それなら僕も納得します。
 ご案内のとおり、今コペンハーゲンでCOPが開かれる。また、IPCCは基本的には科学者のデータを集めているだけで、政治的な動きをしていないということを言っているんだけれど、地球環境については科学者の発言が下手をすると政治をミスリードする可能性があるわけですよね。そういう意味からすると、本プロジェクトは大変なことをやっているという意識を持ってやっていただきたいです。

【JAXA(中川)】 わかりました。

【池上部会長代理】 あと、体制については、これは総合科学技術会議も、ちゃんとやってもらうということを期待するしかないですね。

【鈴木特別委員】 確かにおっしゃるように、成果がどういう格好で目に見えるかというのは、次のステップの問題だと思うんですけども、外国の場合は、こういうのはどういう組織が責任を持っているのでしょうかね。もっとまとまった形と言っていいかどうか知りませんけども、何かもうちょっと全体を把握するような、明確な責任機関があるのでしょうか。あるいは、日本と同じように、いろんな部門でデータを並行して解析して、それぞれの結果を出すという、そういう体制なのか。外国ではどんなふうになっているんでしょうか。

【JAXA(道浦)】 アメリカの場合は、NOAAという現業機関が、こういうオペレーションの衛星を持っているから、利用機関と衛星を持っている機関が一体化しています。ヨーロッパの場合は、今後はECというところがそのデータ利用を全部取り仕切っていて、衛星開発はESAという宇宙機関がやっているという形で、うまくハーモナイズしているという状況でございます。

【鈴木特別委員】 わかりました。そうすると、やっぱり日本はもう少し、一工夫あってもいいというような状況ですか。機関はあるにしても、そこがどれだけ活動するか、これはまた別の話ですけども、ともかく日本よりも強力な体制ができているという、そういう理解なわけですね。

【JAXA(道浦)】 そうですね。

【横山特別委員】 データの公開についてお伺いしたいとおもいます。例えば天文などでは1年ほどデータを伏せておいて、日本の研究者がある程度結果を出してから世界的に公開するというようなことを伺っていますが、今回の場合はいつのタイミングで世界にデータを公開されるのでしょうか。穀物がどれくらい育っているかというデータは比較的迅速に世界で使うことが必要とされるようなものかと拝見しています。そうしたデータの世界的な共有、日本の研究者が先に使う優先度、そういったことはどういうふうになっているんでしょうか。

【JAXA(中川)】 このデータ、先ほどお示ししたプロダクトは、最初の初期校正検証というんですが、そのデータの精度を保証する過程が済みますと、JAXAが構築するウェブで一般研究者に公開する予定にしています。それは、国内、国外問わず一斉に公開する予定にしています。

【青江部会長】 即座に? 一定ホールドせずに? 処理ができれば?

【JAXA(中川)】 校正検証という、そういう期間を終えて、精度保証ができた後、一般に公開できるようにしています。

【JAXA(道浦)】 1年間は、基本的にJAXAが校正検証をするということでデータの権利をずっと持っていて、その検証が終われば一般に公開していくというシステムをとっていまして、これはほかの国でも大体同じような手順でやっております。

【青江部会長】 だから、1年過ぎた後は、データを取得して、一定の処理を3時間でするわけですね。そうしたら、もう後はオートマティカルにオープンになるということなんですかね。

【横山特別委員】 特に日本の研究者が有利な立場にあるというわけではなく、という理解でよろしいんでしょうか。

【JAXA(中川)】 ええ。

【青江部会長】 だから、要は日本の研究者が若干なりとも、短時間なりともホールドできると、有利にあるということはどうもなさそうですね。

【横山特別委員】 なるほど。はい、了解しました。ありがとうございます。

【JAXA(道浦)】 いえ、1年間は、要するに日本の研究者がある有利性を持っているというふうな形がとれるということです。

【青江部会長】 それは校正期間中でしょう?

【JAXA(道浦)】 そうです。

【青江部会長】 それで、それは結果としてはそういう効果もあるかもしれませんと。しかし、あくまでもその1年間は校正期間だと。それから1年たったら、あとはもうオートマティカルに一定時間内に全部出ていくということですね。

【JAXA(道浦)】 そうです。

【池上部会長代理】 関連して、データ形式の標準化というのはされているのですか。それは問題ないのですか。

【JAXA(中川)】 標準化とおっしゃいますのは。

【池上部会長代理】 共通で使う場合、データそのものが標準化されていないとフォーマッティング等が問題になるわけですよ。今まであまり問題ないということですね。

【JAXA(田中)】 宇宙機関の集まりであるCEOS(Committee on Earth Observation Satellite:地球観測衛星委員会)とかで議論されており、基本的には同じフォーマットを使ってアクセスできるように考慮しています。

【池上部会長代理】 一応そういうようなことは意識してやっているのですか。

【JAXA(田中)】 はい、それはやっております。

【森尾委員】 基本計画の、今後10年程度で現状の2倍の正確さとか、2倍以上の高精度化とか、いろいろありますね。その中で、観測メッシュとか、分解能は非常によくなるという御説明でしたけど、基本計画の中で私が気になっているのは、それ以外にも、例えば雲とかエアロゾルの垂直分布の動きを把握するとか、そのために何か、最小感度を10倍ぐらい改善するだとか、解析手法そのものを高度化するとか、いろんなことが書かれているんですけども、その辺を全部ひっくるめて、大体基本計画で述べられていることはこれでできますということなんでしょうか。
 資料の24ページのところ、いろいろいっぱい書いてあって、この中のどの部分がGCOM-Cでやるべきことかというのもちょっとわかりにくいんですけど。ここにいっぱい書いてありますよね。その中で、GCOM-Cがやるべきことはみんなクリアできそうですよという御説明と理解していいんでしょうか。

【JAXA(中川)】 それらがすべてGCOM-Cで対応できるわけではありません。

【森尾委員】 ですから、推進7-2-2の24ページに書いてある中で、多分、GCOM-Cが対応するものはマイクロ放射計の部分と、雲・エアロゾルでの把握の精度を上げるだとか、その辺だろうと思うんですけど。

【JAXA(中川)】 24ページで対応しているのは、この下線が引いてある部分です。

【森尾委員】 それ以外の、先ほど言いました解析手法そのものを高度化するとかアンダーラインが引いていませんけど、でも、どなたかやるわけですよね。それはどうなんでしょうか。

【JAXA(中川)】 この大気海洋結合モデルと言われているものは、括弧して書かれていますけど、これは地球システムの数値モデルですので、以前、質問でもお答えしましたけども、気象庁とか、そういった気象モデルを持っておられる機関だと我々は考えております。

【青江部会長】 ただし、衛星システムとして受けるところは、これはJAXAしかないわけですから、例えば線を引いてない二周波降水レーダで何とかかんとかと言って、0.7mm/hとかを0.2mm/hとかへ改善するというのは、これはJAXAで受けて、ちゃんとやるのでしょう。

【JAXA(中川)】 ええ、もちろん。

【青江部会長】 それは、この衛星でもってこれをやりますということが、きちんとなければいかんわけですよね。

【JAXA(中川)】 ええ。そこに書かれていますように、二周波降水レーダはGPMというプロジェクトで対応し、雲プロファイリングレーダと書かれている部分につきましてはEarthCAREで対応し、Lバンドレーダ、光学センサと呼ばれているのは、今、言われているALOS-2、3のことを指していると我々は理解しています。

【青江部会長】 関連してなんですが、これは単なる言葉だけの問題なのかもしれませんけれど、今、これで、GCOM-C1でやろうとしているということは、現在のプロダクトの精度レベルを維持しつつ解像度を4倍にするんですね。それは、基本計画が求めておる現状の2倍以上の高精度化を図ることということを充足しているんですか。というのは、同じ精度という言葉を使っているものですから、精度は現状のままじゃないかと思えてしまうのですが。これはもう言葉の使い方の問題なのかもしれませんけどね。
 実質的に基本計画が言っていることは、2倍以上の高精度化でもって充足はできているというふうに理解しておいてよろしいんですか。

【JAXA(中川)】 我々、そう考えていますし、基本計画の付表に具体的な内容が書かれていますけども、そこに多波長光学放射計の観測メッシュを1キロメートルから250メートルにするというふうに書かれておりますので、我々の理解はそういうことです。

【森尾委員】 GCOM-C1の担当の方にこういう質問をするのは適切でないのかもしれないんですけど、国として基本計画で10年程度の目標として書かれていることは、例えば、地球環境変動や水循環メカニズムの解明と予測手法確立を行うことです。そのために、例えばGCOM-C1では分解能を250メートルにしますと言っておられると思うんですね。ですから、それは手段を言っておられるので、国としての目標である予測手法を確立するという、この主体というか主語は、誰なんでしょうか。JAXAとしては、GCOM-C1の方だけはやりますよとおっしゃっているように聞こえるんですけど、基本計画が求めていることをやりますと言ってくれる人はどなたなんですか。

【池上部会長代理】 それは私の一番最初の質問に関連するんですよ。誰が主語なんですか、どこまでやるんですか。

【青江部会長】 少なくともJAXAではないですね。

【池上部会長代理】 そうすると、誰がやるんですか。

【事務局】 その辺については、JAXAはあくまで観測手段の提供者ということで、そのデータの利用者というのについては、当然、大学とか、JAMSTECとか、そういったデータを使って海洋とか地球の全体の解析をしたりとか、そういったアウトプットを出している機関になります。その辺の全体の枠組みなり姿というのは、科学技術・学術審議会で審議したり、計画を作ったりしています。最終的には、それら各省の交流として総合科学技術会議があるということになっていますので、あくまでJAXAはプロバイダの立場であるということです。

【青江部会長】 したがって、ここの場では、提供するデータが、今、おっしゃられたようなことの実現を求めているんですから、それに合致したデータがきちんと提供できるような衛星を作ろうとしているか、ということを御吟味いただけますればと思います。

【池上部会長代理】 ですから、それは多分、これからいろいろ議論するんじゃないですかね。似たような議論として、今、スパコンの議論がそうですよね。あれは是非使いたいという声が上がってこないから、何だ、こんな道具としては要らないんじゃないと言われる。やっぱりいいツールを作っても、うまく使うグループがないと日本全体、別に日本全体に限る必要はないと思いますけど、やっぱり活かせないですよね。

【青江部会長】 いいデータを出しても使われなければ、それは全くそのとおりで、だからこそこのレポートにも再三書いてありますけれども、開発内容を詰めるに当たっても今までもずっと、利用ユーザとの間のインタラクションを積み重ねてきたし、そして、これから先も、よくよくその連携を十分に、緊密な連携をとるようにしなさいよということは、再三にわたって書いてあります。

【池上部会長代理】 文章的にはいいけど、本当にできるんですかという話ですよね。あるいは仕組みを変えるともっとうまくいくんであれば、そういうことをやっぱり考えていかなきゃいけない。とりあえずは、JAXAがそういう意味では一番よくわかっているから、少なくともきっかけを作るのはJAXAができるんじゃないかというふうに私は思っています。

【青江部会長】 何かありますか。

【事務局】 至らないところは多分あると思うんですが、第3期科学技術基本計画の中でも、国家基幹技術の一つに海洋地球統合観測システムということで、これは大学の本当のサイエンティストの先生方も入って、衛星だけじゃなくて地上での観測データとか、ツールとか、そういったものをトータルで見て、実際の観測のための手段がどうあるべきかということを見ている場は一応できています。ただ、そこで本当にそれを使ったアウトプットが、今の本当に政策的なところをどれだけ反映できているかというのについては、全くできないわけじゃなくて、できる限り頑張ってはいるつもりですが、決してそれで完璧とは言われてないので、それはまた次、第4期の科学技術基本計画のときにどうするかとか、そういった議論はずっと続けているような状況です。日々努力しているというのが現状と思っています。

【青江部会長】 先ほど僕はJAXAでないと言いましたけれど、少なくとも文科省は、今、先ほど池上委員が言われたような、実際できてないんだと言われるような状態のままおるということはよくないですね。

【事務局】 合格点なのかどうかという点では、決して現状に誰も満足しないというのは確かなんですが、落第点かどうかという点については、海洋地球課の環境科学技術推進室がありまして、そこが司令塔となって、今、一生懸命やっているという状況だと思います。

【鈴木特別委員】 衛星の場合は、衛星のミッションが終わりますと評価をするわけですね、その目的に達したかどうか。そうすると、こういう地球観測でも、トータルとしてのシステム、こういうものをやるべきだという、その評価というのは何か具体的にやるところは決まっているんでしょうか。

【事務局】 最初の質問に関連していると思うんですが、その辺は科学技術・学術審議会の中に研究計画・評価分科会というのがありまして、そこで評価をするというふうになっています。この研究開発ものについては、国の研究開発に関する評価の大綱的指針というものがありまして、必ずどこかで評価をしなければいけないということで、宇宙に関しては科学技術・学術審議会の方ではなくて、宇宙開発委員会の方にタスクアウトされているような感じなんですが、宇宙でない、およそ一般的なものは、文科省がやっている限りは、まず科学技術・学術審議会の研究計画・評価分科会というところで評価をすることになっています。

【池上部会長代理】 形式的にはそういうのがあるんですけど、御案内のとおりなんですね。それはむしろ科学者、技術者の日本のコミュニティーの方にかなり責任があるような気がしますね。私もずっと色々なプロジェクトを評価してきたんですが、適切な評価をするのがなかなかうまくないなという感じがいたします。澤岡先生もそういうことをずっとやってきていますよね。そういう評価、要するにプロジェクト、フォローアップ、そして評価についてどんなようなお考えをお持ちですか。私が指名するのは失礼なのですが。

【澤岡特別委員】 地球観測を一元的に推進する機関は、総合科学技術会議ですが、連絡調整役として文科省の科学技術・学術審議会の中の研究評価分科会に部会をおいて、そこがオールジャパンの窓口になる仕組みが出来ました。

【青江部会長】 それが地球観測推進部会ですね、先ほど来出ている。

【澤岡特別委員】 はい。私はその部会長を2期4年間務めて、この春で役目を終えました。この仕事を通じて、いつも欲求不満に思ったのは、出てくる書類には一切金額が入ってないことでした。そのため、議論が精神論的にものにならざるを得ないことでした。お金は各府省が持っていて、そこにはほとんど口を出せないため、心地の良くない作業であったと思います。金額の入らないプロジェクトの評価は不十分と思います。部会長の任期が終えてから相当期間経っているので、その後、事情が劇的に変わっていればいいなと思っています。

【青江部会長】 少なくともこの場のレビュアーの皆さん方の一種の感触としては、やっぱり求められている衛星はどうも、少なくとも充足はしていそうだと、だから、いいデータは出せそうだと。出せそうだというところまでは、皆さんの御認識としては持っていただいた。しかし、出したいいデータを使って、どう地球変動の予測をするとでもいいましょうか、そういうところにきちんとつなげていって、そして、そこが成果を上げていく。ここのところについては、やっぱり相当多くの方が御心配、御懸念を持っておられるということのようでありますので、そこはちょっと文科省としてきちんと受けとめていただいて、よろしくとお願いする以外にないのかなと思います。少なくともそうであると、衛星側はどうも合格点だとそういう整理をさせていただいてよろしいでしょうか。

【事務局】 非常に重要かつ難しい宿題をいただいたということで、頑張ります。

【青江部会長】 ほかに、何かいかがでございましょうか。
 それでは、これも先ほどのALOSと同じく、とりあえず私に宇宙開発委員会への報告も含め御一任いただきまして、しかるべく措置をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それで、もう一つ、今シリーズを始めるに当たって、もう一件御審議をということでお話をしておったと思うんですけれども、今、3つ進んだわけですね。4つありそうだということでお話をしておったように記憶をしているんですけど、そうではありませんでしたか。

【事務局】 一応、一番最初の計画としてはそのようなことも念頭においていたんですが、残念ながら準備の都合上、今年内にご審議いただく予定はございません。

【青江部会長】 はい。ということをもちまして、年内の本推進部会の議論は今日で終わりにさせていただきまして、若干早いんですけれど、よいお年をお迎えいただきますように。
 それで、あと、年明け早々また、もう1件残ってございますのを、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思ってございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 あと、御連絡いただくことはありますか。

(3) その他

【事務局】 最後、一つ事務局からの確認ですが、参考7-1と7-2に第5回と第6回の議事録をお配りしておりますが、事前に送付しておりますので、御了解いただければ案を取らせていただきたいということでございます。
 以上です。

【青江部会長】 ということで、本年はどうもありがとうございました。

(説明者については敬称略)

お問合せ先

宇宙開発委員会事務局

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成22年02月 --