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推進部会(平成21年)(第6回) 議事録

1.日時

平成21年11月24日(火曜日)14時~16時25分

2.場所

文部科学省 16階 特別会議室

3.議題

  1. 第1期気候変動観測衛星(GCOM-C1)プロジェクトの事前評価について
  2. 第26号科学衛星(ASTRO-H)プロジェクトの事前評価について
  3. 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)プロジェクトの事前評価について
  4. その他

4.出席者

委員

推進部会部会長 青江 茂
部会長代理 池上 徹彦
委員 森尾 稔
宇宙開発委員会委員長 松尾 弘毅
特別委員 栗原 昇
特別委員 小林 修
特別委員 澤岡 昭
特別委員 鈴木 章夫
特別委員 高柳 雄一
特別委員 建入 ひとみ
特別委員 中西 友子
特別委員 廣澤 春任
特別委員 宮崎 久美子
特別委員 古川 克子
特別委員 林田 佐智子

文部科学省

文部科学省研究開発局審議官 森本 浩一
文部科学省研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 松浦 重和
文部科学省研究開発局参事官付宇宙科学専門官 若松 伸一
文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐 瀬下 隆

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
(GCOM-C1)
 執行役 道浦 俊夫
 宇宙利用ミッション本部 GCOMプロジェクトチーム
 プロジェクトマネージャ 中川 敬三
 宇宙利用ミッション本部 GCOMプロジェクトチーム
 ミッションマネージャ 田中 一広
(ASTRO-H)
 宇宙科学研究本部 ASTRO-Hプロジェクトチーム
 プロジェクトマネージャ 高橋 忠幸
 プロジェクトサイエンティスト 満田 和久
(ALOS-2)
 執行役 道浦 俊夫
 宇宙利用ミッション本部 ALOS-2プロジェクトチーム
 プロジェクトマネージャ 大澤 右二
 宇宙利用ミッション本部 宇宙利用推進センター
 防災利用システム室 室長 滝口 太
 システムズエンジニアリング推進室 室長 岡田 匡史

5.議事録

【青江部会長】 それでは、時間になりましたので、第6回の推進部会を始めさせていただきたいと思います。お忙しい中お集まりをいただきまして、本当にありがとうございました。
 本日の議題でございますけれども、三つございます。一つは、GCOM-C1のプロジェクトの事前評価。二つ目は、ASTRO-Hの事前評価。三つ目はALOS-2の事前評価ということでございます。こういう順番でやらせていただきたいと思います。
 まず、審議に入ります前に、配付資料の確認の方をお願いいたします。

事務局から配布資料の確認が行われた。

【青江部会長】 はい。資料につきましては、よろしゅうございますでしょうか。
 1点、申し忘れておりましたけれども、今日はテレビ朝日のカメラが入っておいでです。一言御連絡を申し上げます。
 それでは、早速でございますけれども、議事に入らせていただきます。GCOM-C1、これは質問票で幾つかいただいております。それにつきまして、JAXA側から御回答をまずお願いいたします。

(1) 第1期気候変動観測衛星(GCOM-C1)プロジェクトの事前評価について

 JAXAから推進6-1に基づき説明があった。

【青江部会長】 はい。どうもありがとうございました。
 以上、JAXA側からの回答がございました。御質問、御意見等ございますればお願いいたします。いかがでございましょうか。
 私からよろしいですか。14ページですけれども、この静止衛星用ではない方の地球センサ、太陽センサにつきましては、国産品はないから、輸入品にしたという事ですね。これは日本の技術を持ってすれば、作ろうと思えば作れるけど、あまりにもマーケットが小さいために、メーカーがここに進出をしていないだけの話だというふうに理解してよろしいですか。

【JAXA(中川)】 例えば太陽センサにつきましては以前、国産品がございました。ただ、今おっしゃいましたように、マーケットが小さいということで、技術はあるけれども、あまり売れませんでしたので、現在はもう製造を中止しています。

【青江部会長】 はい。それから、もう1点、GOSATとGCOM-C、Wはメーカーが違いますね。

【JAXA(中川)】 はい。

【青江部会長】 それでも衛星バスの搭載機器は40%同じだということですか。

【JAXA(中川)】 はい。

【青江部会長】 そういうことですよね。これはJAXAが、搭載機器を今までの開発を経たものとして指定をするわけですね。指定をするんじゃなかったですか。

【JAXA(中川)】 ええ。指定はしておりません。

【青江部会長】 いずれにしましても40%、同じものが使われることになっていますね。それはコスト削減にも影響しておると考えていいのですか。

【JAXA(中川)】 はい。要求としましては、我々は使用実績のあるものをできるだけ採用するようにという要求をしていますので、信頼性の向上のために、国産で今まで使われてきたコンポーネントが順次使われるような形として現状進んできているということになります。これだけのものが同じものを使っているということでございます。

【青江部会長】 というのは、後ろのコスト削減の努力をずっと書いておられますけれども、その中にこれが入ってもいいじゃないかということが言いたかっただけなんですよね。

【JAXA(中川)】 わかりました。結局、それぞれのプロジェクトで新規に機器を開発するということをできるだけしないようにしていますので、共通に作られているコンポーネントを順次採用して、それをどんどん新しいプロジェクトで使っているという形をとっています。従って、信頼性が上がると同時にコストが下がるということになっています。

【松尾委員長】 関係あるかもしれませんが、その16ページの図で、GCOM-Cが安いのは何でだとお考えですか。このカーブの上でGCOM-Cは安いことになっていますよね。

【JAXA(中川)】 はい。

【松尾委員長】 理由は何だとお考えですか。よその衛星というのは、用もないのに新しいものを使うから高い。そういうことでもないだろうと思うんだけれども、どういうふうに解釈すればいいですか。

【JAXA(中川)】 海外と比べてとおっしゃっていますか。

【松尾委員長】 今言っているのは。この絵で海外との比較ですよ。

【青江部会長】 この今の図の為替レートを教えてください。

【JAXA(中川)】 為替レートは17ページの下に書いてございますように、米ドルで100円、ユーロで140円です。開発費と言われるものにはフライトモデルを作るコストとBBMやEMを作るコストがございます。それで、観測センサは御説明しましたように、3段階開発を実施しますので、BBM、EM開発費というのはそれなりのコストを占めていますが、バス側のEM開発費というのはほとんどないに等しく、1割とか2割のコストになっています。それは先ほど御説明しましたように、既に使用実績のあるものを使っていますので、その開発試験ということをほとんどしなくて済むという状況になっているからで、そういったことがコスト低減の大きな要因かなというふうに考えています。

【松尾委員長】 外国でもやりそうな話だと思うんです。

【JAXA(中川)】 外国でも、例えばMETOPとかという衛星は、METOP-A、B、Cとほとんど同じ衛星を打ち上げています。それで、彼らはフライトモデルを2機、3機と一緒に作るような体制をとっていますので、基本的にはこの線でも見えるように安くなっています。ほかの衛星は、どうしても最初に開発している衛星を例としていますので、そういう意味で開発のコストがかなりの割合を占めているのではないか推定しています。実際にデータを、コスト内訳を見せてもらったわけではないですけれども、開発期間等を考慮すると、そういったことが考えられます。

【松尾委員長】 要するに共通のものを使えるかどうかというところがポイントなわけですね。

【JAXA(中川)】 過去の実績のものが使えることです。

【松尾委員長】 そうすると、問題は過去の実績が使えるような戦略というのは何かという話になっていくんだと思うんですけどね。

【JAXA(中川)】 はい。それは、私が答えるのが妥当かわかりませんが、JAXAとしては、戦略コンポーネントというものを考えて、コンポーネントの開発ロードマップというのを作っていまして、それで将来の衛星の要求、需要、ニーズに満たすようなものを、プロジェクトとは別に並行して順次研究開発をやっていくという手順をとっています。それで、プロジェクトではできるだけ新規のものの開発を避けようといった取り組みをやっているところです。先ほど御説明しましたマルチモードトランスポンダとか、リウチムイオンバッテリセルと言われているものはそういった流れに乗ってきていて、それで、ちょうど我々が開発スタートするときに完成していて我々は採用できる、といった手順になっています。

【池上部会長代理】 今のに関連しまして、横軸を重さでとっているからよくわからないということになるんですよね。本当は性能、ファンクションというか、衛星の機能を横軸にとるというのがわかりやすいけれど、これは、難しいですよね。見方によりますと、本来軽くできるやつをわざわざ重く作っているというふうにも読めるし、本当は2トンだったら、もっとファンクションをいろいろ積み込めるのではないかというふうにも読めるわけですよね。そういうことないですか。というのは、これで見るとべらぼうに安いわけですよ。だから、本来1トンでもできるんじゃないかというふうにも読めちゃうし、そういう意地の悪い質問が出た場合、どうお答えになりますか。

【JAXA(中川)】 非常に難しい御質問でございまして、答えるのに窮するんですが、一般的に打ち上げられる衛星の質量とコストについては、まず衛星のほとんどすべてが電子部品です。構造体というのは全体に占める割合は非常に小さいですので、2トン以上になりますと、ほとんどが電子機器ということになります。その電子機器の重さの割合とそのコストというのが大体リニアに乗っているというのがNASAのモデルでも、米国のモデルですが、それを採用しているわけです。
 今おっしゃったように、一つの大きな衛星にたくさんの観測センサを載せているという衛星が割と米国などでは多いわけで、JAXAは今までそういう方針をとっていたわけですけれども、ADEOSの事故以降は方針を変えて、それで、2トン程度の中型衛星で一つずつのミッションにすることにしています。その方が信頼性も高く、実際、衛星のコストも、先ほど見ていただいてわかるように割と安くなっているということで、そういう方針をとっています。横軸に機能をとっていいかというのは非常に難しくて、そういうアプローチはちょっとまだやっていません。

【池上部会長代理】 これはあくまでも事実としてこうだということですね。

【JAXA(中川)】 そうです。

【池上部会長代理】 はい。わかりました。

【松尾委員長】 それ以上のことはなかなか、どんどん深みにはまっていくと思いますね。

【青江部会長】 しかし、栗原さん、こう見てみると、一品物は十分に日本では安いけれども、量産物はどうも太刀打ちできないという感じですか。

【栗原特別委員】 そうですね。コストには、開発費と衛星を製造するという費用があります。大型にして複数のミッションを乗せた衛星は、過去、アメリカもそうですが、何回か失敗しました。そこで、日本は一つのミッションにして、衛星も中型にすることにし、バスは同じものを繰り返して使い、バスは、新たな開発リスクがないので、開発要素がなくなり開発費はあまり要らなくなります。ただ製造するための設計とか、製造するコストとか、試験するコストとか、そういうところのコストはかかります。また、部品も共通で、同じものを3種類、4種類、まとめて買えば、少し安くできます。あとは、ミッションですかね。ミッション要求に合ったセンサを重点的に開発していけばいいというふうになります。大型にするとバスも開発して、どんどん膨れていってしまうことになります。

【林田特別委員】 ちょっと一つ質問なんですけれども、今、論点になっている参考の図にあるお金は、センサの開発経費を含んでいるんですか。

【JAXA(中川)】 JAXAが開発したセンサのコストは含まれています。

【林田特別委員】 はい。そうすると、Terraとか、AquaとかいうNASAのセンサの開発費が含まれていますよね。

【JAXA(中川)】 はい。

【林田特別委員】 それから言うと、比べる相手がすごくでかいですよね。TerraもAquaも、それから、Enviastもものすごい大型のセンサなので、これはすごいお金がかかっているのは当たり前ですね。それから比べると、SGLIで1個ですよね。

【JAXA(中川)】 ええ。

【林田特別委員】 だから、そういう意味では、ちょっと比べる対象が違い過ぎて、そういう議論はあまり軸の上に乗せてお話しするのがちょっと不自然なように承っていたわけなんですけど。

【松尾委員長】 大きいのが高いのは当たり前だろうということを非常に直接的に目方に比例するだろうと言っていますよね。

【林田特別委員】 ええ。ですから、決して日本は特別異常ではなくて、頑張っていて、削減努力をすごくしているというのは非常によくわかりました。

【松尾委員長】 そうですかね。

【林田特別委員】 逆に言わせてもらうと、地球観測全体の比重みたいなことを言うと、日本ってすごくけちですよと、私は研究者の立場からそう思います。ほかはみんなもっと予算をかけて、複数のセンサを上げて気候変動でも総合的な観測をやっているのに、1個しか上げさせてくれなくて、300億円しかつけてくれなくて、かわいそうじゃないですか。日本の地球観測はお粗末ですよねということだというふうに、私はこの図や表を見て思います。

【青江部会長】 なるほど。

【森尾委員】 私も、17ページの表は開発費の定義が違う。あまりにも数字が違い過ぎるので、今おっしゃったように、どこまでを開発費としてカウントするかという開発の計算の仕方の定義がそろっていないんじゃないかと思うんです。先ほど栗原委員がおっしゃったことだと思うんですけど、衛星のコストを材料費と開発費と製作費と三つに分けると、材料費の部分というのはほとんど重さに比例すると思うんですけど、開発費の部分は全く新しいセンサを積むのか、あるものを流用するのかとか、そういうことで随分変わるわけですね。だから、でき上がったコストそのものを比較することはあまり大きな意味がなくて、やっぱりそういうミッションが何なのか、それを達成するための新しい開発がどのぐらいあるのか、池上先生も言わんとしたことはそういうことじゃないかと思うんだけど、もうちょっとブレークダウンしていただかないと、この数字だけがいいとひとり歩きするのが逆に、私はちょっと怖いような気がしますけど。

【青江部会長】 これは前回ですか、中西先生が安いのか、高いのか、全体の数字を言ってもらってもわからないので、何かそれなりに努力をしている跡が見えるようにという趣旨の御発言がありまして、それで、海外の同じくらいの規模の衛星と比べたらこういうふうな感じというのが一つのJAXA側の回答ということであったわけなんですけれども、ある程度は御納得できませんか。

【森尾委員】 ますます納得できなくなってしまう。

【中西特別委員】 よろしいですか。今見せていただいた資料では、あまりにも安いですね。比べる対象が違うのかもしれないのですが。そうしますと衛星を上げることによる技術のスピンオフというのは海外と日本でかなり違うのでしょうか。新しいものを使わずに、古いものを使い回しというか、既にある技術を使っているとおっしゃったのですが、そこら辺はどういうふうに考えたらよいのですか。

【JAXA(中川)】 なかなか難しい御質問なんですけど、基本的に、既存のものを使い回すということは、最先端でないということを言っているわけです。最先端なものをどんどん新しい衛星で使うのがいいのか、それとも、少しコストが安くて、それで信頼性のあるものを使う方がいいのかという選択だと思うんですよね。それで、こういう地球観測衛星の場合は、ミッションが基本的にはちゃんと達成することが命だと思っていますので、バスが世界最高でなくても、信頼性があって、ミッション寿命をちゃんと最後まで初期の性能を出すことの方が重要だと思っています。今、我々の考え方は、そういう信頼性のあるバスのコンポーネントを採用して、そのコストを下げながら信頼性を上げるというのを第一方針として置いている。それはGCOMの最初の開発方針のところでも御説明したとおり、そういったことを実行しているということでございます。

【鈴木特別委員】 このミッションでは、ミッション機器はともかく最先端をねらって開発していますよね。バス機器は今おっしゃったように、プロジェクトごとに最新のものを開発するんじゃなくて、バスはバスとして、次の世代をにらんだ最新のものを別のラインで開発して、その開発したものをいろいろなミッションに適用していくのが正しいと思うので、そういう意味では、JAXAでは最新のバスというものの研究をやられているというふうに思っていますけれども、それでよろしいですか。

【JAXA(道浦)】 はい。先ほどプロマネが言いましたように、コンポーネントごとにやっていまして、それをまた、あるレベルになると、10年ごとぐらいに新しいバスをまたそこでやるというような形で、研究開発を進めております。
 それから、補足させていただきますと、例えば17ページのSentinel-3A(欧州)はほとんどGCOMとよく似たミッションです。彼らは、どこの国が開発するかによって使う機器とか、バス部分も違いますので、コストが非常に高くなっているということを私どもは漏れ聞いております。

【小林特別委員】 先ほどからコストとミッションの関係の話が出ていますけど、やっぱりミッションの内容とそのミッションが使われる運用期間というものを反映したグラフみたいなものができると本当はいいんだろうと思うんですよ。例えば、エアラインが航空機の価値を評価する場合に、初期に購入する資金、それから20年とか15年とか運用するときの整備費等も含めた維持費を、その航空機が一生涯つぶれるまでに何人の人を何キロメートル運べるのかとかで割り算をして、コストに対する目安なんていうのを出して、ほかにもいろいろあると思いますけれども、そういうので検討していくんだと思うんですね。
 衛星の場合も、今の場合はどちらかというと総額だけになっていますけど、総額が安ければいいというものでもないでしょうしね。どうしても日本で開発して、お金かけてでもやっておかないというクリティカルなもので、すごいお金をかけなきゃならない場合だってあるわけですから、そういう内容も含めて私たちにも伝わるような努力をしていただけないものでしょうか。これはこのプロジェクトだけではなくて、一般的に何かそういうのができるといいですね。

【青江部会長】 確かに、事業仕分けを見ておりますと、コストということに対する非常にシビアな見方が出ておるわけですね。その点からすると、さらに我々自身、この場も含めまして努力をしなきゃいかんのだろうとは思うんですね。確かに性能、機能といったものを数値化するのは大変難しいとは思うんですけれども、その辺の合理性というものをどう見る、どう判定するかといいましょうか、その辺につきまして、もう少しJAXAとして考えていただきたいと思います。我々も考えていかなきゃいかんかなというふうにも思うんです。
 一方、ちょっとこれは少しそれるかもしれないんですが、宇宙機器の場合、コストと信頼性、多分トレードオフにあるんだと思います。そこのところは、宇宙機器の場合はよくよく注意をしないと、コスト、コストと言って、それこそ全損になって元も子もなくなっては、いかんと思うんですね。その辺のバランスもどう見るのかというのも難しいところだろうという気がするわけですね。その辺も含めまして、コストのいわゆる合理性というものをどう見たらいいのか。これから先、もう少しお互いに勉強していきたいなということで、JAXAもよろしくお願いします。

【池上部会長代理】 すいません。一言。そのとおりだと思うんですけど、僕も、信頼性、信頼性ということを言うのはいいですけれど、それもある意味じゃ基本的なところであって、それを、あまり主張するというのはこれからのJAXAにとってあまり幸せじゃないんじゃないかという感じがするんです。
 先ほど林田委員の御指摘があったように、必要なところには基礎的な研究についても金を入れるということをやらないと、要するに誰がやってもできるようなものしかできないわけですよね。そこのところを説得するのは非常に難しいんだけれど、やはり科学技術力、あるいは基礎研究力を上げるという点で、そういう部分がどこにあるんだということもちゃんと示していただけるような考えで進めていただいた方がこれから先、よろしいんじゃないかというふうに思いました。

【青江部会長】 はい。時間の関係もございまして、このGCOM-C1につきましては、とりあえずこのあたりで閉めていただきまして、さらなる御質問があろうかと思いますので、また質問票でよろしくお願い申し上げたいと思います。加えて、その上で、評価票を事務局より事前に配付しておりますけれども、御記入をいただきまして、12月の3日までに事務局まで御提出をいただけますれば大変ありがたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次のASTRO-Hのプロジェクトの事前評価につきましての議題に入りたいと思います。追加でいただきました御質問につきまして、まずはJAXA側から御回答のほどお願いいたします。

(2) 第26号科学衛星(ASTRO-H)プロジェクトの事前評価について

 JAXAから推進6-2-1に基づき説明があった。

【青江部会長】 はい。どうもありがとうございます。追加の御質問をいただきまして、御回答をいただいたわけでございますけれども、御質問等ございますれば。はい。どうぞ。

【小林特別委員】 この質問はたしか私が出したと思うんですけど、実はどのプロジェクトもそうなんですが、開発計画のスケジュールが書かれている事前資料を見ると、はい、概念設計、基本設計、詳細設計何とかとただ書いてあるだけじゃないですか。それを見て、僕らは、一体これでスケジュールがいいとか何とかと言って、これもさっぱりわからないですよね。毎回同じようなものが出てくるんですよね。だけど、このプロジェクトでは何を問題にして考えていますか、どこを心配していますかというぐらいはやっぱり話していただかないと本当に何を心配してこのプロジェクトに取り組んでみえるんだろうか、逆に心配になっちゃいますよね。そういう意味で、本当はほかのプロジェクトについても、やっぱり同じように、説明とか補足が何か出てくるとありがたいなと思っております。

【青江部会長】 わかりました。非常にごもっともな御指摘で、今後、JAXAにも伝え、事務局も事前のすり合わせをするときに、その点、今、小林先生が言われた点、よく留意しておくようにお願いいたします。どうもありがとうございました。
 ほか御質問等ございますれば。よろしゅうございますか。
 はい。それでは、各評価委員の方々、先生方から評価結果につきましていただいたものを集約いたしましたものとして、事務局が整理をしております。それにつきまして、資料の6-2-2ですか。本資料につきまして、まず、事務局の方から御説明お願いいたします。

事務局から推進6-2-2に基づき説明があった。

【青江部会長】 どうもありがとうございました。
 以上御説明いただきました報告書の原案でございますけれども、御意見いただけますればお願いいたします。はい、どうぞ。

【池上部会長代理】 これで進めて予定どおり打ち上がるとその先はX線でやることはないんですか。これを見ると、すべてこれでX線については全部できますよと、こういう文章にも読めるんですが、その後はX線の衛星を上げる必要はないんですか。

【JAXA(高橋)】 まず、答えはこれで終わりではないと思うんですね。今でも、このASTRO-Hでできないことで次の衛星だったらこんなことを作ろうというのは参加メンバーの頭の中にいろいろとあると思いますし、私もあります。世界の中でも、次にASTRO-Hでできないこと、あるいはASTRO-Hで見つかったことを、今度は例えばブラックホールであるとか、銀河団であるところの、初めてそういうものができたところまでさかのぼるというようなイメージはあると思います。
 もう一つ大事なのは、ASTRO-Hが上がると、おそらく今、我々が考えてもいなかったような新しいものが出てきて、それがX線天文ではなくて、別の分野として展開していくようなことができると、それは非常におもしろいんじゃないかなと思いますし、きっとそうなるんじゃないかなと思っています。

【池上部会長代理】 あとすいません。今、NASAがいろいろ悩んでいますよね、あそこも金がなくて。NASAのここに書いてあるプロジェクトがありますね。それが消えるという可能性はリスクとして考える必要はないんでしょうか。

【JAXA(高橋)】 NASAのというのは、大きなプロジェクトということですか。

【池上部会長代理】 ええ。SXSですね。

【JAXA(高橋)】 SXSの協力に関しては、日本側が適切に対応していけば抜けることはないと思います。ただ、彼らが要求しているようなことに対して、日本側が適切に、例えば設計情報であるとか、そういうものを出せない状況になってしまうと、それは若干影響が出てくると思いますが、予算に関してはNASA側としては現時点においてはすべてきちんと出ていますので、現在のまま進めることができれば何の問題もないと思っています。

【池上部会長代理】 最後に、いつも同じ問題になるのは、ホイールがだめになりますよね。それについては、今回、何か特別配慮なり心配なりしているんでしょうか。位置決めですよね。

【JAXA(高橋)】 ホイールに関しては、前回に説明をさせていただいていると思いますが、国産を使って、JAXA全体の開発計画の中で信頼性の高いものを使うことになっています。

【池上部会長代理】 そうすると、今回独自のものというのではなくて、開発実績があるものを使うということですか。

【JAXA(高橋)】 もちろんそうです。

【森尾委員】 今のホイールと関連するんですけど、今までの衛星で細かな不具合って、わりとぽつりぽつりとありますよね。例えばETS-8で何か異物が混入したんじゃないかと思われる電源のショートとか、JAXAの方で過去のそういう事故のデータがあると思うんですけど、そういう過去の例を網羅した確認といいますかね。例えば異物混入したという事故に対して、何で異物が混入したのか、どのプロセスで混入して、そのプロセスをどういうふうに変えれば、そのリスクがもっと減るかという、そういうことを是非やっていただきたいです。今までの事故は、大体新しいところにチャレンジしたところは案外うまくいって、何でもないようなところで何か事故を起こすことがあり、もったいないと思うので、是非それはよろしくお願いしたいと思います。

【JAXA(高橋)】 御指導、ありがとうございます。

【青江部会長】 道浦さん、何かありますか。

【JAXA(道浦)】 基本的に、全社的に軌道上及び大きな不具合につきましては安全・信頼性管理部が展開しておりまして、それを宇宙科学本部、それから利用本部も、審査会のときに、そういう100個ぐらい不具合があったと思いますが、それについてどういうふうに対応しているかというのを必ずチェックしております。
 それともう一つ、過去の衛星で一番いろいろ問題があるのは、やはり途中での設計変更した場合でして、それについても審査会で設計変更はどうされているかというのを必ずフォローしております。我々、利用本部の衛星も順調に進めておりますし、同時に宇宙科学本部の衛星もそういう形でチェックしておりますので、今後、問題ないとは言えませんけれども、そういう万全な体制、チェック体制をとっておるということでございます。

【JAXA(満田)】 不具合の水平展開については、科学衛星だけではなく、すべてのJAXA内のデータベースがほぼできておりますので、その辺をプロジェクトとしてもチェックしながら、十分万全を期してやっております。

【青江部会長】 先ほどのNASAの48ミリオンですか、あれは順調に予算がついておるということではあるんですけれども、そこが何らかの事情で非常に大きなカットがなされるようなことになった場合のリスク管理はどうすることにしていたのですか。相手のある話ですからね。

【JAXA(高橋)】 相手のある話ですが、もともと我々が研究開発の1つ前のレビューのときには既にNASAの側でそれを完全にサポートするのが決まっておりましたので、それ以降は、それが削減されるというのを大きなリスクとしては考えていませんが、一方で、我々、もともと性能は限られますが、日本の中だけで作るというオプションも大もとは持っていました。NASAが完全に手を引いたというようなことがあると、そういうところまで戻るということはあり得るのかもしれませんが、現在では想定する必要はないと考えております。

【青江部会長】 いや、想定する必要ないのは、それは今の状況からするとそうだろうというのはいいんですけれども、まさにリスク管理なんだから、ここにもあるように、いわゆるテクニカルな面でのリスク以外の点につきましても十分検討しておきなさいという指摘があります。

【JAXA(高橋)】 技術的には、NASAの開発されているものと同等な技術を日本できちんと蓄積するということをやっていて、それは1つのリスク管理だと思います。資金的な問題が生じてきますので、NASAが出なかった場合、プログラムそのものがその分遅れるということは出てくる可能性はあります。ここでリスクの分類でいうと、リスクの影響度は大きいけれども、発生確率は低いというものだと考えています。だから、リスク大、赤には分類されません。

【池上部会長代理】 ですから、そういうことが起きるということを前提に、ここは詰めておいた方がいいと思いますよ。

【JAXA(高橋)】 ええ、そうですね。

【池上部会長代理】 今、有人宇宙飛行を進めるためには、場合によってはサイエンス・ミッションは60件から40件ぐらいにするとかという話もあるから、ひょっとしたら、日本でそんな立派なものがあるんだったら、NASAはやめようと言われる可能性も幸か不幸かあるかもしれないので、今、青江さんが指摘されたことは、ちょっと具体的に頭の中で考えておいた方がいいと思います。

【JAXA(高橋)】 思考実験ですね。はい、わかりました。

【青江部会長】 要は自分で手当てをして、遅らせてでも手当てをして成し遂げる以外の道はなさそうですね。

【JAXA(高橋)】 そうです。協力相手の中にはヨーロッパというのもあります。とにかくこれを実現するのは世界の研究者の悲願でもありますから、我々だけというよりも、そういうネットを使ってやるんだと思います。

【青江部会長】 ほか、いかがでございましょうか。はい、どうぞ。

【宮崎特別委員】 やはりリスク管理というのは、起きないと思われていることは、仮に万が一起きた場合のことを考えて、そのリスク管理というのをするわけです。ですから、このコメントは私が出したんですけれども、そういうことをちょっと考慮するべきだと思いました。
 ちょっと事務的に確認したいことがあるんですけれども、評価結果のところを見ますと、2項目のシステム選定、開発計画、リスク管理、そこでは「概ね妥当」の数と、それから実際にそこに示されているコメントの数が1個ずつ違うんですけれども、その場合、「概ね妥当」、コメントがそれぞれ1つずつなかったということでしょうか。

【事務局】 はい、そのとおりです。判定として「概ね妥当」といただいておりますが、コメントをいただかなかったということです。

【青江部会長】 ほか、よろしゅうございましょうか。
 それでは、一応本件につきましての審議はこれでとりあえず終わらせていただきまして、いままでの御意見を踏まえまして、私の方に御一任いただきまして、その結果を踏まえて宇宙開発委員会に報告をさせていただきたいと思いますが、御了承いただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【青江部会長】 はい。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、ALOS-2の議題の方に入らせていただきたいと思います。
 まずは、JAXAの方から御質問に対する回答等の説明をお願いいたします。

(3) 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)プロジェクトの事前評価について

 JAXAから推進6-3に基づき説明があった。

【青江部会長】 質問番号2-1は、経済産業省のホームページを見ろというのですか。

【JAXA(大澤)】 JAXAがそれをお出しするのも問題かなということで、ここでは入れておりません。

【青江部会長】 JAXAというのは宇宙開発に関する中核機関なわけですよ。その中核機関が宇宙基本計画を受けて日本全体のセンサ開発はどうあるべきかということをちゃんと考えて、中核機関として私はここを負いましょうと、ここは経済産業省がやっておるから、そこはちゃんとお任せすればよろしいですね、というように日本全体を見て、それで自分たちのやることをきちんと果たしていく、その責務があるのと違うんですか。あまたある中の一つの機関であれば、私はここをやりますというだけでいいですが、JAXAは宇宙開発に関する中核機関なんですよ。それでセンサをオール・ジャパンでどう持っていくのか、その全体構想を見てないわけですか。

【JAXA(道浦)】 いえ、すいません。経済産業省のロードマップづくりにもJAXAが参加しておりまして、やっております。今日、ここにおつけしなかったのは非常に申し訳ございませんでした。

【青江部会長】 質問も多分そういう、オール・ジャパンのセンサの開発をどういうふうに将来的に描いておるのかということを少し見せてくれというのが質問じゃないかと思ったものですから。鈴木さん、僕の言っていること、おかしいですか。

【鈴木特別委員】 まあ、これはいろいろ立場があるかもしれませんが、やっぱり前回の御説明でも、このセンサはどういうもので、コンパチはどうかとか、全体の質量はどうかと、そういう御説明がないので、できたら、それの全体を含めて、どこかでまとめておられると思うんですけど、立場にあんまりこだわらずに、ざっくばらんにこういうものだという説明をしていただいた方が理解はしやすいと思います。

【青江部会長】 何か言いたいことがあれば、どうぞ。

【JAXA(大澤)】 プロジェクトという単位でいうと、なかなか申し上げづらいというのが本音でございます。

【池上部会長代理】 多分、大澤さんにこれを質問しても、僕は無理だと思うんですよ。

【青江部会長】 いや、JAXAに聞いたんだから。

【池上部会長代理】 わかりました。そうしますと、幹部というか、理事に問題があるなと。次は理事長に問題があるなという話になると、理事長は多分、宇宙開発委員会が決めたからやっているんだと、こういう言い方になるでしょう。今、そういうような状況は、新しい法律も通って変わりつつあるわけですよね。少なくとも日本全体でものを考えましょうと言っている話の中で、青江さんが言っていることというのはごく自然ですよね。外国とは協力するけれども、日本の隣の省庁とは協力しないというのは非常に理解できないことですから。そういう意味からすると、少なくともここの委員の方が納得するようなものが出ていないとゴーは出せない。だから、これは大澤さんが言われちゃって困るかもしれないけど、そういうようなある意味で要請があったのに対して、やはり何か答えを出していただく必要があるんじゃないかと思います。
 もう一つ、それと関連して言うと、先ほどGCOMの話があったんだけれども、GCOMとALOSの間の関係はどうなっているかという話も、やはり我々は関心があるわけですね。情報収集衛星については、一応あれはクローズでやっているから、技術的な共通点というのはあってもここでは議論しないけれども、農水省と経産省でやっているようなことについては、技術的なものについてはやはりカバーしたものでないといけないと思うんです。

【青江部会長】 もう一回、ちょっとしつこく言いますけど、JAXAは宇宙開発の技術開発の中核機関なんですよ。ワン・オブ・ゼムの機関であれば、僕はさっき言った回答でいいですよ、そういう態度で。中核機関である限り、全体を見て、JAXAがどういう役割を負い、経済産業省にはどういう役割を負ってもらい、オール・ジャパンとしてはこういうふうな将来をという、そのものの考え方がやっぱりないといかんのでしょう。だから、そこのところを、まずセンサについてトータルの絵ですよね、それをきちんと持っているはずなんだから見せたらどうですかということなんですよ。だから、これは、そういう意味で今のような視点に立った資料ではないので、もう一回きちんと作り直してくれませんか。

【JAXA(大澤)】 はい。

 JAXAから引き続き推進6-3に基づき説明があった。

【青江部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、全体につきまして、御意見、御質問等ございますれば、お願いします。どうぞ。

【鈴木特別委員】 前回の御説明では、鉱物探査センサをALOS-2は載せるように聞いたんですけど、そうではないんですか。

【JAXA(大澤)】 ハイパースペクトルセンサについてはALOS-3に搭載するということで、経済産業省さん、それからJAROSさん等と話をしております。前回の御説明で今後10年程度の計画という表でお示ししました中にはALOS-2とALOS-3と両方書いてあったので少し誤解が生じているかなと思いますが、ALOS-2はSARセンサのみでございます。

【鈴木特別委員】 そうですか。私、誤解していました。

【青江部会長】 ALOS-3ですね。ほか、いかがでございましょうか。

【森尾委員】 開発のコストの7ページ、マル1、マル2、マル3の間接部門の経費が入ってないと書いてあるんですけど、本来、JAXAという組織が達成すべきミッションと、そこが使う資金との関係ととらえると、間接も何も全部引っくるめて考えなくてはいけないわけですよね。それはどういうところでやられるのですか。この場が適当かどうかはわかりませんけど、普通の私企業であれば何年に一度かはそういう見直しをやることだと思うんですけど、やっぱりJAXAなんかも要するに、そのミッションを達成するために直接的に貢献する人たちとそれをサポートする人たちの比率がどうかとかいうようなことを組織として何年かに一度はされた方がいいかなと思います。
 それから、2番目の効率というのは、先ほども小林委員から質問ありましたけど、プロジェクトの中に何かすごく難しい、クリティカルパスになりそうなものが幾つかあって、先ほどのASTRO-Hでは、それがSXSの開発だというお話でしたけど、それが開発効率に非常に関係してくる。その最たる例は、私はLUNAR-Aプロジェクトだったと思うんですね。結局、ペネトレーターというものがうまくできなくて、あれが最初から多分クリティカルパスだということは関係者の皆さんはわかっていたけど、最後はできなくてプロジェクトそのものが中止になってしまったわけです。1つのクリティカルパスのために、ほかのことができたけど、少し待っているというような状況ですね。まあ、バランスが悪いと効率を下げるということがあると思うので、ぴったりいくというのはなかなか難しいことだと思うんですけど、そういう意味では、クリティカルパスが幾つかあっても、それをうまくマネージして、大体同じ頃にいろいろな問題が解決されるというのが効率的には一番いいわけで、そういう意味で効率というのをとらえていただくといいです。やっぱり研究者がそれに没頭して、でき上がったときには衛星ができ上がっているというのが一番いい状態なわけで、そういうことを考えていただきたいという思いで、これを質問しました。

【青江部会長】 すいません、私から、ちょっと教えてくれませんか。カナダのRADARSATとドイツのTerraSAR-Xの分解能と観測幅を、それぞれ言ってみてくれませんか。それは今のこのALOS-2とほぼ同じですか。大体同じですか。

【JAXA(大澤)】 まず3メートル分解能の観測幅は、たしかほぼ同等だったと思います。1メートル×3メートルという分解能の観測幅はALOS-2が一番広いです。

【青江部会長】 ということは、先ほど機能とか何とかという議論がありましたけれども、少なくともカナダとドイツの現に動いている同じレーダ衛星でいくと、機能的にはよりすぐれておって、値段的にいうと一番低いところあたりにあるということは言えるわけですか。

【JAXA(大澤)】 はい。1つの物差しとしては、そういう形で言えると思います。
 それからもう一つは、なかなかこれも公式な情報というのがないんですが、周回中に何分観測ができるかというところも、「だいち」のときも非常に苦労して、1周回当たり、1周100分ですけれども、それが50分観測できるとか、70分観測できるといったようなところでやってまいりました。このALOS-2の場合も最低限は30分で、目標として50分、ほぼ「だいち」と同様の観測ができるような形にしております。海外衛星は実はどうもそうはなってないということもありまして、先ほどのコストに対する指標という形では観測時間というようなものが、この高分解能衛星の場合は適当なのかなと先ほど伺って考えておりました。

【青江部会長】 といいますのは、さっきのASTRO-Hのような、ああいう衛星ですと、それこそ機能がピンからキリまで役割が随分違うわけですから、それを単に重さでもってはかるというのはどうもという感じがするけど、これぐらいですと非常に単純化して、機能と重さは、その際どっちでもいいのかもしれないですね、それと値段ということで、海外衛星との比較というのはわりあい単純にできるんじゃないかという気がしますけどね。

【JAXA(大澤)】 前回の推進5-1の資料の中で24ページ目でございますが、これは海外SAR衛星との比較をしております。そこでどういった技術を使っていて、どういう差が海外衛星とALOS-2とであるかというものを示した表になっております。ここでALOS-2の観測機会の向上、それからスポットライト方式、デュアルビーム方式、データ圧縮という形で、例えば観測機会の向上のために広い観測可能域と書いてありますが、1,160キロメートルの中で50キロ観測できるというようなものでございますが、それが他のTerraSAR-X、それからイタリアのCOSMO-SkyMed、カナダのRADARSAT-2に比べても格段に広いというような形でどこが違うのか明確にしています。

【青江部会長】 ということで、先ほどのASTRO-Hのような、ああいうものはちょっと難しいかもしれませんが、これはわりあい単純化して、海外衛星を見るに日本のやつが現実に一番安そうだから、そこのところをもっと客観的に示せるんじゃないですか。

【JAXA(大澤)】 どういう物差しがいいのかも含めて、少し検討させていただいて御提示したいと思います。

【青江部会長】 はい。

【松尾委員長】 そこのところの次の関心は、やはり何で安いんだという話だと思いますけど。道浦さんがちょっとおっしゃったんだけど、ああいう種類のことがきっとあるんでしょうね。

【JAXA(大澤)】 そうですね。

【松尾委員長】 それでないと、例えば今まで使った、安全なものを使うぐらいのことは、プロマネはみんな金がないわけだから、どこだって考えるわけですよ。僕はそれだけじゃ決して説明つかないんだと思います。

【JAXA(大澤)】 カナダのRADARSAT-1からRADARSAT-2は、実際はかなり大きな変更をしております。レーダの方式としても、かなり大きく変わっております。

【松尾委員長】 そうだと、我々も大変更がもし必要になったとすれば、同じような話になっちゃうわけですねですね。

【JAXA(大澤)】 はい。おっしゃるとおりだと思います。

【松尾委員長】 そこ、条件をそろえて、何か安い理由があるんだったら、それは明らかにしておいた方がいい。

【建入特別委員】 もうALOS-2の評価は終わっていますよね。

【青江部会長】 それで恐縮です。今日、その点、ちょっと申し上げようかと思っておったんですが。

【建入特別委員】 わかりました。今説明されても、もう評価が終わっているのにどうしちゃったのかと思って。すいません。

【事務局】 すいません。事務局からですけれども、実は評価票をいただいているんですけれども、まず件数が少なかったということと、コメントの中にかなりいろいろと議論しなければいけないことが含まれていることもありまして、本日は取りまとめということをせずに、この御議論だけにさせていただきました。したがいまして、この御議論を踏まえまして、もし評価票をお出しいただいた方で、例えば出し直しをするとか、それから、お出しいただいてない方も、本日の御議論を踏まえて提出いただくということであれば、是非提出していただきたいと思っております。できましたら今週金曜日までの期限でしていただけるとありがたいです。

【青江部会長】 ということで、よろしくお願いします。

【建入特別委員】 それじゃ、すみません、私、評価票をもう出してしまったんですけれども、再度書き直したいと思いますが、そのときに書いたのは、ALOSが、この後、4、5と上がっていくわけですよね。そのときに一応3までは大体検討はつくんですけれども、4、5がどういうふうになっているのかというのは一覧的に見えないので、その辺、もし可能性があるとしたら資料的に出していただけると全体が見えるかなということですね。
 それと、4、5をどうしても上げなければいけないのか。前回も話が出たかもしれないんですが、海外の衛星との連携によって、例えば、4、5を上げなくても4で何とか抑えられそうだとか、何かそういった努力ができるのかどうか、可能性があるのかどうか、その辺も含めて教えていただければと思うんです。

【JAXA(大澤)】 まず、ALOS-4、5は、現状では、いわゆるフライトモデルと呼ばれる、特に開発は要しないような形のものでいけるんではないかと考えております。ですので、機能・性能的にはALOS-3の話はまだ十分にはしておりませんが、そういうような形で、現状、この「だいち」シリーズという形では考えております。
 その中でやはり海外の宇宙機関の衛星を使って災害時のときに協力していただいて、できるだけ頻度を稼ぐというような形で今いろいろ調整は進めておりますが、最終的には3時間というところにどれだけいけるのかというのは、前回、前々回も御説明いたしましたように、まだまだ海外宇宙機関の条件も十分にわかっておりませんので、それとセットで、これから評価というか、検討を進めていかないといけないと考えております。

【青江部会長】 今の点ですが、こういう理解をしたと思っておったんですけれども、違ったら教えてください。要するに、基本計画は3時間というのを目指すと言っているわけですね。これは国として「そうだ」と宣言しておるわけですね。ですから、そういうことを目指そうという立場の人が、すなわち本部が、その3時間を達成するために、2機・2機要るよという御判断をなさればそうなっていくということだと思うんですよね。そこをまだ本部は必ずしもきちんと明確にしてないという段階だと思うんですね。

【建入特別委員】 ですから、2、3と上げてみなければ、わからないということになるんでしょうか。

【青江部会長】 そこはその要素もあるし、それから、さっきJAXAが言われた海外のやつをどう使えるかといったものもあるし、もっと違うやつが出てくるかもしれないという、そういうことを見ながら多分、3時間を標榜した本部が御判断なさるんじゃないかと思うんですね。一方、JAXAは、2号(レーザ)、3号(光学)でもって、これだけの技術開発はやりますと言っているわけですね。ですから、その次の技術開発課題がまだ残っているのかどうなのかというのは、これこそ2号、3号を上げてみて技術開発課題がさらに要るということでしたら、いわゆる技術開発機関としてのお役目が出てくる。もしそれが、大体これは、いわゆる実用という観点からすれば、技術開発は国のお金を入れてまでやる必要はないよということでしたら、これはもうその段階で技術開発としては終わりで、あとは本当の実用衛星として、いわゆる研究開発を担当するところでないところが、その技術を継承した民間から衛星を調達して運用するだけになりますね。これが場合によっては内閣府になるのか、国交省になるのか知りませんけれども、そういったところがおやりになる話になるということだと思いますね。

【JAXA(大澤)】 はい。

【池上部会長代理】 すみません。今の私流のわかりやすい理解で言いますと、決定は国がやる。具体的には宇宙担当大臣、前原さんのところで決定をする。ただ、あそこでそれを決定するに必要な十分な判断の資料がそろっているかどうかというと、現状ではそろっていないというのが多分事実と思います。いろいろなケースを想定した判断をやるところは、やはり今ここしかないんじゃないかと思います。ですから、今までの国の会議では既に筋書きがあって、それを我々が追認するような例がたくさんあったように聞きますが、少なくともこれについては、若干色がついているかもしれないけど、ほとんど白紙に近いと考えて良いと思いますね。ですから、ここでの議論は非常に重要じゃないかと私は思っています。

【高柳特別委員】 確認ですが、そうすると、とりあえず2号と3号で何らかの成果をあげ、4号、5号の方は、そこから後で必要かどうかを考えると思っていいわけですか。

【青江部会長】 JAXAの立場としましては、そういうことであると思いますね。

【高柳特別委員】 評価の仕方ですれども、2号、3号で4号、5号の必要性がわかるかどうかを評価するのですか。

【青江部会長】 本部が描いている10年後の姿というのは、3時間ごとに、いわゆる1メートル以内でもってちゃんととると、こういうのがあるわけですね。平成21年の段階で、JAXAがこれだけの技術開発をまずレーダについてやりますと言っているわけですね。その技術開発が、この本部が描いている姿に至る、その道筋上にきちんと乗っているかと、ここを御判断いただけましたら、それでいいと考えています。これがとんでもない、いわゆる違う道筋の方に行っておることでしたら、これをとても延長させていっても、ここの1メートル以内、3時間体制のような姿には絶対至らないような変な技術開発をしようとしておったら、これはいかんよといって、とめていただかなきゃ困ります。こういう話なんじゃないかと思っているのですが。

【高柳特別委員】 状況を伺えば伺うほど書きにくくなりました。再度書き直そうと思いますが、つまり、いただいた資料で外挿して、本部が描いているものに達するようなものが見えるかどうかを見てくださいということでしょうか。

【青江部会長】 ですから、例えば今回のレーダで、とりあえずきちんと1メートルは達成したぞと、これは言っておるわけですね。向こうが言っておるところまで、レーダで1メートルは達成確保したよと言っているわけですね。観測幅50キロでしたか、これだけの幅のものも確保したよと。だから、分解能と観測幅の両立ということを、この際テクニカルにそこを追い求めますと言っとるわけですね。これによって少なくとも1機12時間頻度でとれるところまでは、少なくとも持っていくと言っとるわけです。
 そうすると、海外のものを組み合わせたり、それから将来的に光学をもう1機増やす、それからレーダをもう1機ずつ増やす、こういった体制でいくと3時間頻度というのが95%の確率でもって達成できますという技術的な見通しをJAXAは宣言しているわけですね。だから、それはそれだけの、1メートル未満の分解能と50キロ観測幅、これの技術開発の方向性でもって、それを外挿させると、これだけのことはできますよということをJAXAは言ったわけですね。

【松尾委員長】 そんなに評価することがあるのかと、むしろ言った方がいいのかな。1メートルができちゃっていて、頻度の方は数の話でしょう。

【青江部会長】 はい。

【松尾委員長】 それだけの話ですよね。

【池上部会長代理】 1つ、これについて言えば、Lバンドでやるということのメリットというのを、やはりもうちょっと言っておかないと。分解能だけだったら、一般的に言えば5~10ギガヘルツでやった方がよっぽどいいという話があるわけですよね。ですから、Lバンドでなければできないことというのを、これは本来ユーザ側が考えるべきだと僕も思いますけど、JAXAの方でそこを主張しないとだめですよね。少しその辺、例えば金属鉱山なんかは無理と思うかもしれないけど、森林の下にある地形から逆に何かありそうだという話も出てくるかもしれないしね。その辺をもうちょっとLバンドの魅力を言わないと、なかなか皆さんに納得していただけないんじゃないかと。私はちょっとそんな感じがするんですけどね。

【JAXA(大澤)】 それも前々回の推進4-2-3のところに、プロダクトという形でいろいろお示しはしておりましたが、多分特徴というのを一言、二言で言わないといけないんだろうなとも思っております。

【鈴木特別委員】 もう一つ、昨年の説明は災害監視衛星だったわけですね。ですから、そこにかなり目が行っているんですけれども、結局、基本的にはALOSの後継機なわけですよね。それでプラスして災害監視にも使うという、そういう趣旨だと思いますので、ご説明で、どうしても1メートルと3時間ということに非常に集中し過ぎる嫌いがあるんですよ。確かにそれを守らないといかんのですけれども、ミッション全体を見ますと、災害監視というのはワン・オブ・ゼムといいますか、何%かは別としまして、例えば5つあるうちの1つの目的なんですね。だから、そのあたりをもうちょっときちっと強調された方が納得しやすいと思いますね。

【青江部会長】 ただ、本部の宇宙開発基本計画を見ますと、やっぱり災害状況の監視といいましたかね、そこのところが一番突端に出てきた上で、そこがうんと丁寧に書いてあるんですよね。ですから、当然、やっぱり本部も、こういうALOS-2、いわゆる陸域観測と標榜しつつも、そこのところが一番の眼目だということであるのは多分間違いないと思うんですよね。

【鈴木特別委員】 それはそうかもしれませんけれども、ただ、ミッションの目的の御説明を見ますと、確かに災害監視も一番重要なミッションでありますけれども、そのほかのミッションがいっぱいあるわけですよね。そこでやっぱり現在、一番問題になるのは3時間ということ、それをどうするかというところだけが問題と申しますか、ということなんですね。だから、それをどう評価するというのは、確かに数を上げなきゃどうしようもないと、これは非常に明白な事項でして、現状はそれを突破するというのは、なかなか現時点では結論はないと思いますね。ですから、やっぱり将来の国際協力も考えて、少し時間を置いてどうするかというのは、また次のステップとして結論を出すというしかないと私は思いますけど。

【青江部会長】 50キロ観測幅というのは、よくやっとるという。確かに今、鈴木さんが言われたような側面もあるんですけれども、若干評価しにくいとでも言いましょうか、そこを大体それなりに整理いただいて評価を是非お願いいたします。
 先ほどの若干の宿題というのは、今週金曜日までに評価票を再提出いただくんですよね。ということは、あすにでも再整理した資料はきちんと作っていただいて、すぐにメールでもってお送りするということで準備をしてください。
 ということでもちまして、とりあえず今日、追加的に補足をしてもらった点につきましての説明は、時間の関係上、この辺にさせていただきますればと思います。若干、評価しにくいところもございますけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 あと、事務局の方から御連絡をいただいておくことはありますか。

(4) その他

【事務局】 参考6-1で、第4回推進部会の議事録の案を提示しておりますが、既に事前にお送りしていますので、御了解いただければ、この場で(案)を取らせていただきたいと思っております。

 事務局から引き続き参考6-2に基づき説明があった。

【青江部会長】 ということで、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 以上をもちまして本日の議事は終了させていただきたいと思います。本当にありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(説明者については敬称略)

お問合せ先

宇宙開発委員会事務局

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成22年01月 --