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推進部会(平成21年)(第4回) 議事録

1.日時

平成21年11月2日(月曜日)13時59分~16時12分

2.場所

文部科学省 16階 特別会議室

3.議題

  1. 第26号科学衛星(ASTRO-H)プロジェクトの事前評価について
  2. 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)プロジェクトの事前評価について
  3. その他

4.出席者

委員

推進部会部会長 青江 茂
部会長代理 池上 徹彦
委員 森尾 稔
宇宙開発委員会委員長 松尾 弘毅
特別委員 栗原 昇
特別委員 小林 修
特別委員 佐藤 勝彦
特別委員 澤岡 昭
特別委員 鈴木 章夫
特別委員 高柳 雄一
特別委員 建入 ひとみ
特別委員 多屋 淑子
特別委員 中西 友子
特別委員 廣澤 春任
特別委員 水野 秀樹
特別委員 宮崎 久美子

文部科学省

文部科学省研究開発局参事官 松尾 浩道
文部科学省研究開発局参事官付宇宙科学専門官 若松 伸一
文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐 瀬下 隆
文部科学省研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長補佐 原田 大地

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
(ASTRO-H)
 宇宙科学研究本部 ASTRO-Hプロジェクトチーム
 プロジェクトマネージャ 高橋 忠幸
 プロジェクトサイエンティスト 満田 和久
 教授 堂谷 忠靖
(ALOS-2)
 執行役 道浦 俊夫
 宇宙利用ミッション本部 ALOS-2プロジェクトチーム
 プロジェクトマネージャ 大澤 右二
 宇宙利用ミッション本部 宇宙利用推進センター
 防災利用システム室室長 滝口 太

5.議事録

  【青江部会長】 第4回の推進部会を始めさせていただきたいと思います。お忙しい中御参集をいただきまして、本当にありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、議題2つでございまして、1つは、前回御審議を開始していただきましたASTRO-H、これにつきまして幾つかの御質問等いただいておりますので、それに対するJAXA側からの回答をお願いしたい、これが1つでございます。もう一つは、ALOS-2のプロジェクト、これにつきまして審議をスタートさせていただきたいということでございます。以上2件でございます。
 まずは本日の配付資料の確認の方、よろしくお願いします。

事務局から配布資料の確認が行われた。

【青江部会長】 資料のことにつきましては、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、早速、議事に入らせていただきたいと思います。第26号科学衛星(ASTRO-H)につきましての事前評価に対する質問を幾つかいただいてございます。それに対する御回答を、まずJAXA側から御説明をお願いいたします。

(1) 第26号科学衛星(ASTRO-H)プロジェクトの事前評価について

 JAXAから推進4-1に基づき、説明があった。主な質疑は以下のとおり。

【青江部会長】 はい。どうもありがとうございました。急がせて大変申し訳ありませんでした。
 今、JAXA側から皆様方からいただきました御質問に対する回答を、御説明いただいたわけでございますが、さらに御質問や御意見等ございますれば、よろしくお願い申し上げます。

【佐藤特別委員】 暗黒エネルギーのことについて、簡単な質問をさせていただきます。もちろん、これ、宇宙論の最大の謎なので、何らかのインフォメーションが得られれば、その意義は大変すばらしいものだと思っていますけれども、我々が知りたいと思うのは、やっぱり状態方程式とか、宇宙の中での暗黒エネルギーの時間変化ですけれども、これが銀河団の観測で本当に定量的にどのくらいまでわかるのかということなんですよね。もちろんここに書いてあるような背景放射の観測とか超新星の観測と多分相補的な、うまい関係になっているんだと思うんですけどね。この『日経サイエンス』の記事のようなところの銀河団の成長のことで、どこまで評価できると期待しておられますか。

【JAXA(満田)】 定量的にどこまでというのはお答えにくいですけれども、今、X線を使ってこういう研究をしようとしたときに、一番の問題は、やっぱり系統誤差で、X線が求める質量にどういう誤差があるかというところになります。統計的な誤差は、ほかのCMB(Cosmic Microwave Background:宇宙マイクロ波背景放射)とか、そのほかと同じような誤差で、合わせると非常に小さな誤差が出てくる。結局、その系統誤差をいかに減らすかというところにあると思っています。
 ASTRO-Hが活躍するのは、この部分でありまして、銀河団の中に、ほかのマクロな動きによる圧力であるとか、それから宇宙線による圧力とか、そういったものが3割、4割あるとすると、質量が間違っているかもしれないという大きな問題があります。まず、ASTRO-Hがそこをクリアにするということで、X線でやっていくところの系統誤差を非常に小さくすることにASTRO-Hは大きな貢献をすると考えています。

【佐藤特別委員】 CMBとか、超新星の観測を補うようなところではなくて……。

【JAXA(満田)】 すみません。ちょっと回答が悪かったんですけど、X線でやっていくと、超新星とか、CMBの観測をWMAP(Wilkinson Microwave Anisotropy Probe:ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機)の二次元で見るのとは違うので、そういう意味ではX線というのは非常に独立で非常にすぐれた観測の1つになります。まず、そこが第一です。ただし、それをやるためには、系統誤差をちゃんとしなければいけないというのが第二の点で、ASTRO-Hの一番の貢献は系統誤差を小さくして、X線による観測の誤差を小さくするところにあると考えております。

【JAXA(高橋)】 それから、X線で暗黒エネルギーを研究するときに、本来は銀河団全体というものを直接的に見ることができ、また、パラメータの依存性がほかの観測とは違うので、本当に暗黒エネルギーに関する考え方が正しいかどうかを検証する上でもX線観測は必要であるにもかかわらず、これまでうまくいってなかった。その大きな理由は、今、満田が説明したような系統誤差の大きさで、ASTRO-Hが登場することで初めてその系統誤差を小さくすることができるということだと思います。

【佐藤特別委員】 大体よくわかるんですけど、ダークマターや暗黒エネルギーの観測は、Sloan Digital Sky Surveyとか、SuMIReとか、いろいろなことで観測宇宙論のまさに最大のターゲットになっているわけですよね。今おっしゃったような、いろいろなベルトで精度がでてきているわけなので、そのベルトの大きさというか、幅の広さがどのくらいまで可能かということだと思うんですよね。まあ、今の段階では、とても系統誤差というのは評価は難しいということ……。

【JAXA(高橋)】 現在、ここの資料ではお見せしてません。それと、あともう少し今後開発を進めていくことで、まさに最近の知見を入れてASTRO-Hが迫れるところというものを今後詰めていくことになると思います。我々としては、初めてX線がこういうのに使えるようになるということだと思っています。

【佐藤特別委員】 そうですね。はい、わかりました。

【青江部会長】 ほか、いかがでございましょうか。どうぞ。

【小林特別委員】 もとの資料の方でもよろしいでしょうか。サクセスクライテリアのところで、たしか15ページですが、このクライテリアが実際に適用されて評価される時期というのは、いつ頃を想定されているんでしょうか。といいますのは、観測データをとって、それがうまくいったかどうかという時期と、それから、観測データを使ってサイエンス、ミッションチームというんですか、そちらの方で検討された成果の時期と2種類混在しているように思うんですよね。その場合は、やっぱり何か時期が少し明確になっていた方がいいのかなと思いました。

【JAXA(高橋)】 スケジュールとしては、PVフェーズというperformance verificationのフェーズというのがあって、最初半年であるとか、1年ぐらいですね。そこのところで我々が意図していたような観測というものが本当に可能であるかというようなことを世界のサイエンス・ワーキンググループの人たちと一緒になって、きっちり調べていくことになります。フルサクセスに関しては3年ぐらいの期間を通じて、我々としては達成できるということを期待しております。そのものを経て、延長運用をある種お願いをしてエクストラサクセスに向かっていくということかと考えております。

【小林特別委員】 わかりました。

【青江部会長】 どうぞ。

【鈴木特別委員】 衛星の最終組み立ては、具体的にどこで行われるんでしょうか。

【JAXA(高橋)】 これ、昔は宇宙科学のミッションというのは全部相模原でやっていたんですけれども、大きくなってしまったので、いよいよ我々が筑波のセンターに出ていって、そこでやることになっております。

【鈴木特別委員】 そうですか。それから、主に筑波で開発している衛星と相模原で開発している衛星と、体制とか、やり方というのは同じなんですか。それとも、それぞれの特徴を生かした、少しの差があるのでしょうか。

【JAXA(高橋)】 答えは多分大きく違うということになると思います。それぞれの文化がありますし、我々自身がユーザであるような衛星と、ユーザが外にいて作っていくような衛星とでは力の入れる場所もいろいろと変わってくるところがあると思います。利用本部の方たちと今非常にコミュニケーションが多くて、我々が学んでいることはたくさんあると思っていますし、チームの中にできるだけ利用本部のいい文化を入れていくことを心がけています。

【森尾委員】 X線の撮像システムとかで、1つの目標物の画像をキャプチャーするのに必要な時間って大体どれぐらいですか。

【JAXA(高橋)】 それは天体の明るさにものすごく依存するんですけれども、ざくっという言い方をすると、大体1日の観測で40キロ秒なんですね。40キロ秒というのが大体単位で、非常に暗い天体や、時間変動を本当に見たいという場合には、それが1週間とか10日ぐらいというようなものになりますが、1メガ秒というようなものは大きなプロジェクトです。
 40キロ秒って11時間ぐらいですよね。地球の低高度を回っているので、半分は観測できないのです。さきほど言いましたように、1週間、10日というようなものは非常に競争率の高いプロポーザルになって年間では何本もやらないというような、そういう世界になります。

【森尾委員】 私が角度分解能について疑問に思っていたことは、キャプチャーに要する時間と望遠鏡が向いている方向に対する揺らぎの関係です。例えば、熱的なものであればゆっくりだし、冷凍機の振動なんかは非常に速い。それによって方位そのものの誤差として出る場合と、解像力というか、分解能を劣化させるファクターになる場合とで、どっちが支配的で分解能を律しているのかなということが疑問だったんですけど。

【JAXA(堂谷)】 まず撮像にかかる時間ですが、検出器によって違うんですが、例えばCCDカメラみたいなものは4秒の間積分して、その4秒間を単位としてX線を検出しますし、硬X線撮像システムのようなものは、X線光子1つ1つを検出しますので、撮像という概念とはちょっと違いますが、X線光子1つ1つについて、ちゃんと何時何分何秒に検出したかというのがわかる仕組みになります。したがって、衛星の熱歪みのような、ゆっくりしたものについては、地上でゆがみを補整してイメージを重ねることで角度分解能を維持することができますけど、例えば冷凍機の振動のような速いものについては、それが撮像に影響を与えないように十分抑制する必要があります。

【森尾委員】 おそらく4秒というのは、冷却したCCDの熱雑音との関係で決まるんだろうと思うんです。感度を上げようと思えば、もっと長くすれば一般的には……。

【JAXA(堂谷)】 基本的には読み出す速さで決まります。CCD、100万ピクセル以上あるものなんですが、それを読み出すのに、読み出すスピードが速いと、どうしても読み出しの雑音が増えてしまいますので、X線のエネルギーを正確にはかるという意味では、どうしてもある程度時間をかけて読み出さないといけなくて、それが基本的に4秒ということになります。

【森尾委員】 ですから、もっと、じゃ、何で8秒じゃないかということになると……。

【JAXA(高橋)】 それからもう一つは、同じピクセルに2つの光子が入ってはいけないのです。だから、可視光のように、積分型の場合は、ずうっと長い間撮像していれば、それだけきれいになりますけど、X線CCDはそういうシステムではないのです。だから、4秒というのは、むしろそれ以上待っちゃうと、同じピクセルに2つ光子が来ちゃうということから来ています。

【森尾委員】 はい、わかりました。

【青江部会長】 ほか、いかがでございましょうか。
 それでは、さらに御質問がございますようでございますれば、これは11月4日ですから、あさってですか、あさってまでに再質問につきましての質問票を御提出いただけますればと考えております。その上で評価票への記入でございますけれども、この金曜日、6日までに御提出をいただけますればと思ってございます。かなりスケジュール的にタイトになってございますけれども、御協力方、よろしくお願い申し上げたいと思います。とりあえず、もう一つの案件もございまして、ASTRO-Hの方につきましては、とりあえずこの段階ではここで締めさせていただいてよろしゅうございましょうか。はい。それでは、そういうスケジュールで、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 では、引き続きまして、次の議題でございますALOS-2のプロジェクトにつきましてということでございますが、先般、宇宙開発委員会の方に、このALOS-2のプロジェクトにつきましての審議が付託されました。それを受けまして、どういう審議を進めるか、実施要領、あわせ事務局の方から御説明をまずお願いいたします。

(2) 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)プロジェクトの事前評価について

事務局から推進4-2-1に基づき、説明があった。

【青江部会長】 まず、先般、本件につきましての付託されました趣旨等の御説明をいただいたわけですけれども、これにつきまして何か御質問等ございますれば、お願いいたします。よろしゅうございますか。
 では、引き続き、どういう形でこの事前評価を進めていくのかという、その実施要領も説明をしてください。両方あわせまして何か御質問等ございますれば、お願いいたします。

事務局から推進4-2-2に基づき、説明があった。

【青江部会長】 はい。どうもありがとうございました。
 ということなんでございますが、要は、昨年の8月の段階では、災害監視衛星システムSAR衛星プロジェクトとして御審議をいただいたわけでございます。その段階は、災害監視ということを前面に押し出すといいましょうか、主眼に置いて、そして災害監視以外にも多様ないろいろな利用ができるわけでございますが、それは少し後列の方に置いた形で、このプロジェクトはいかがでしょうかということでJAXA側から御提示をいただきました。御審議をいただいて、結論的には進めるべしという結論をいただいたわけでございますが、その際、この部会では、いわゆる災害監視以外の分野の、ここにうんと使い手があるんだから、それをトータルしてきちんとしたシステムとして作り上げなさいという御指摘をいただきまして、そういう方向でよく考えますということでございました。
 その後宇宙基本法ができて、そして本部での議論が始まって、そこでの議論というのが、こういったものに関しましては、災害監視を含めて、より多様な利用、これに開いたシステムとして衛星開発計画というものを進めなさいというのが基本計画での議論の推移でございました。それをここでの、推進部会での皆様方からの御指摘と、それから基本計画の議論、この考え方を踏まえまして、JAXAとしましては、そのラインに沿って、この衛星開発計画というものをもう少し再整理をして、そして、今日ここで御提示をいただいて御審議をいただこうと、こういうことでございます。
 ということで、間に若干名称と、それから目的の打ち出し方といいましょうか、中味というのは、皆様方から前回1年前に御議論いただいたところと、その内容的には私は変わってないんじゃないかと思うんですけれども、打ち出し方、名称、こういったものを少し見直して整理をして、それで基本計画等に沿ったものにして、そして今日御提示をいただいたというものでございます。

【池上部会長代理】 ちょっとよろしいですか。

【青江部会長】 はい。

【池上部会長代理】 部会長代理として今の点について1つコメントいたします。去年、御記憶と思いますが、夏の暑いときに、いろいろ議論はしたんですが、まだ十分尽くせていなかったという認識を持った方が多かったと思います。それを受けて、実は前回の報告書には、事前評価結果の文章の最後に、委員の方の意見を反映した「助言」というのが入っております。評価の主文に加えて、文章の4分の1から3分の1ぐらいが助言という例は今までありませんでした。その助言もベースに考え直せという指示がJAXAに出され、今回の資料は作られており、大きな流れは変わらないかもしれませんけれども、もう一度、十分議論できなかったところを、ここで議論をしていただきたいと思っています。
 戦略本部の方も、その辺を非常に気にいたしまして、もちろん我々が出したものの方向性として災害対策についてはこれでいいとなったのですが、もう少し広くいろいろ展開できるのではないかということで、ある意味で差し戻しのような形になりました。ですから、前回は研究開発について我々は了解した。今回は次の段階の開発に行くことの可否を議論することになっていますが、議論でまだ落ちているようなところがあるかもしれませんので、それについては、もう一度ここでよく議論していただきたいと思います。

【青江部会長】 こういう実施要領でもってとり進めるということで、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。はい、どうぞ。

【水野特別委員】 今御説明いただいた資料の6ページ、7ページの網かけ部分が変わったところ、あるいは強化されたところですという御説明だったかと思うんですけれども、例えば6ページ目ですと、「3時間以内で」という行の3行下に「防災機関に提供する」という受け皿の話があって、同様に7ページで、上の3分の1ぐらい、(b)の「国土保全・管理」というところに「その情報を体系的に蓄積・提供する」という項目があって、これもやっぱり受け皿の話かと思うんですね。そうしたときに、そういった受け皿側のリクワイアメントを受けて今日御説明いただくものができているという状況ではないかと思うんですよ。だから、そこら辺について、どこまで意識してここで議論したらいいのか、ちょっと教えていただければと。

【青江部会長】 本部における基本計画というのは、御案内のとおり、まさにオールジャパンということで計画というものが立案されておるわけでございますね。したがいまして、多分、ここでの宇宙開発委員会での議論の場合は、まさに水野さんおっしゃったとおり、例えば国土の管理の蓄積をどういう形でやるのか。例えば国土地理院でこうするとか何とかという部分まで、そこまでクリアに視界の中に入れた形でなされているかどうかというのは少しぼんやりしたところがあったと思うんですね。
 ただ、いずれにしましても、JAXAの任務というのは、研究開発をして、それをこういう形で実用へつなげていくというところまではきちんと視界の中に入れて、その前の段階たる技術開発、そして技術開発実証というところまでの、お役目としてはこれだけのことをしますよという、御議論をいただいておいたはずなんですね。ですから、こちらの出口の利用、民間も含めましての他省庁におきましての利用といいましょうか、そこそのものにつきましては審議の直接の対象にしていなかったと思います。今度こういう状況になってどうかということにつきましても、そこのところは変わりはないんだろうと思っておるんですが。
 ただし、より変わったことをあえて申しますれば、その出口がよりはっきりしたといいましょうか、そこの出口のところをより鮮明に、我々のこの場の議論は鮮明なものとして受けとめて、それをかみ込んだ形で、このR&D、宇宙実証というフェーズの活動を御評価をいただくということになるんじゃないかと思っておるんですが。

【水野特別委員】 よくわかりました。だから、ある意味で、割りと靄っとしていたものをクリアにすることを意識して、現時点で最高技術レベルのものを完成させなさいよというようなことですね。

【青江部会長】 はい。

【水野特別委員】 はい、わかりました。ありがとうございました。

【池上部会長代理】 すみません。今の点で、私、こう理解しておりまして、これは、ですから、かなり広い願望を言っているんであって、とりあえずこの書き方は、まず我が国が得意とするLバンドレーダを搭載した「だいち2号」の打上げ・利用を促進すると言っていますので、この中の新たに追加するものとして、「だいち2号」で何ができるかというようなことは議論してもいいんじゃないかと思うんですが。

【水野特別委員】 私も出発点は同じような疑問から、いわゆる研究開発というと、出口を意識して、出口からのリクワイアメントは何だというようなことを考えるわけですけれども、今の部会長のお話、あるいは池上先生のお話で、そこはこれからの課題なんであるけれども、そういったことをにらんでやりなさいよと理解しました。

【池上部会長代理】 そういうことでないかと思います。ですから、今回全部積み込めということを要求しても、多分それはないよという話であって、今後も多分似たようなものの打上げということになると思うんで、できたら今後につながるようなもの、あるいは、ここで新たに搭載できるようなものがあれば、時間的な問題もあるにしても乗っけてほしいなというのが私の思いです。

【水野特別委員】 はい、わかりました。

【青江部会長】 ほか、いかがでございましょうか。はい。それでは、こういう形で評価を進めさせていただきたいと思います。
 引き続きまして、見直したものとしてのALOS-2プロジェクトにつきまして、資料ナンバーは推進4-2-3でございますが、この資料に沿いましてJAXA側から御説明をお願いいたします。

 JAXAから推進4-2-3に基づき、説明があった。

【青江部会長】 すいません。そこで1回ちょっととめてくれませんか。
 少し私の方から補足させていただきたいと思うんですけれども、1つ、例えば6ページをお開きいただけませんでしょうか。6ページの今後10年後の目標という左側の欄がございますね。これは国が基本法に基づきまして、国の政策として決めていることを抜き出しておるんですね。したがって、災害監視に関しましては、国内の災害につきましては、上から2つ目ですが、「我が国における災害においては」というところですが、「同様に」というのは災害発生後3時間以内に被災地の画像を撮影をして防災機関に提供する、これが国が10年をかけて、こういう状態を作り上げたい、上げますよということを国のポリシーとして今度確定したわけですね。10年後には3時間以内に画像をちゃんと撮って防災機関に提供するということを国のポリシーとして確定をした。
 それを受けてALOS-2はどういうお役目を果たすのかということなんですが、これによりますと、我が国における災害につきましては、おおむね12時間以内に画像を撮影して、そして何らかの処理をして迅速な観測を行いますと言っているわけです、JAXA側は実施機関として。したがって、例えば一例を挙げますと、3時間以内にちゃんと撮影をして提供するよというのは10年後の国のポリシーとしてあるわけですね。それに対して、ALOS-2プロジェクトを作り上げようとするJAXAは、12時間以内に画像を撮影して提供しますと言っているわけですね。これで、この段階ではよろしいと、国のポリシーに沿っておるというふうに御判断をいただけるかどうかということなんですね。出口がはっきりしたと先ほど申し上げましたのはそういう意味でございまして、それでもって今やろうとしている、この段階でやろうとしているALOS-2ミッションに負わせる任務とでもいいましょうか、それはこれでよろしいかということを御判断をいただければと考えております。
 また違う観点から申し上げますれば、1ページめくっていただきまして8ページに、「資源・エネルギー供給の円滑化」というところがございますが、その上の方に、鉱物やレアメタル等の鉱物の判別性能を現行の10種から3倍の30種程度に向上させた分解能の高いセンサによる観測を継続的・広範囲に実施をする、これが10年間かけて日本国として作り上げるということを宣言しておるわけですね。それに対しましてALOS-2は、石油・鉱物等の探査のためのALOS-2の高分解能観測データを提供すると、これだけ言っておるんですね。おおよそ多分、実態論としましては、おおよそ左に対応してないんですね。
 それは実を言いますと、経済産業省のもとで、これに対応したセンサの開発がきちんとなされておるんですね。ですから、それはそれでそちらにお任せしましょう。だから、国全体で見ればこれはJAXAがこのALOS-2で任務として背負う必要はありませんということです。だから、ここのところは、ALOS-2はこの程度のお役目しか果たしませんよということをJAXA側は言っとるわけですね。だから、それはそれで1つの考え方で、それでよろしいとおっしゃるかどうかということを目的・目標について、御審議をいただけますればと思っております。ちょっと補足をさせていただきました。
 引き続き、14ページから説明を続けて下さい。

 JAXAから引き続き推進4-2-3に基づき、説明があった。主な質疑は以下のとおり。

【青江部会長】 はい。どうもありがとうございました。
 以上のJAXA側からの御説明に対しまして、御質問、御意見等ございますれば、お願いいたします。

【廣澤特別委員】 よろしいですか。

【青江部会長】 どうぞ。

【廣澤特別委員】 このたび名前をALOS-2とされたことと、目的として多様な分野の利用拡大を図るという変更をされたこと、私としましては、とても適切で結構なことだと思っております。御説明の過程で宇宙基本計画との関係、先ほど部会長からも説明がございましたが、それを尊重するのは大事なことだと思います。ただし、10年先を見て、かなり総論的に書かれているように思いますので、プロジェクトとしては、「だいち」の利用の実績を十分踏まえて、それを拡大していくということ、それが着実な進め方ではないかと思います。
 技術的な面で、合成開口レーダの技術ですけれども、前回の研究開発のところでもかなり詳しくお話を伺っておりますから、それを踏まえていると思います。その後のフロントローディングの様子など拝見しましても、相当高度なものをねらっておられます。日本として、世界の先端を行くシステムを実現していく、そのことを期待したいと思います。

【青江部会長】 はい。どうもありがとうございました。どうぞ。

【澤岡特別委員】 廣澤先生と少し違う印象を持っているんですが、10年後にこれこれをやりたいという基本計画が出て、そして、ALOSの2が登場して、それでALOS-3でそこに行くかというと、この仕様を見ますと、その次に、4年後、5年後に次のALOS-3が出てきても到底行くものではなくて、かなりここに注力していかないと、ALOS-4ぐらいまで10年の間に上がればいいですが、無理なような気がするんです。例えば経産省で資源探査のためのセンサを開発している、それは経産省がやっていることだから、知らないよということで走っていいものかどうか。それを仕切るのが戦略本部なはずですけれども、今の戦略本部は政権交代でてんやわんやで、そんな状態じゃないわけです。
 そういう中で、粛々とこちらで議論しても、何か2月か3月になってひっくり返されるんじゃないかなという恐れが十分に感じられるんですが、例えばセンサの話が出てきたら、これにちょっと工夫すれば載るものなのか、かなり本腰入れて考え直さなきゃいけないのか、その程度のフィージビリティはやっておく必要があるんじゃないかなと。でも、ここで出すのもちょっと変だから、それはどういうふうにやるのか。戦略本部と文科省との間の水面下のキャッチボールが本来ならあるべきだと思うんですが、そのあたり、差し支えない範囲で教えていただきたいと思うんですが、このままで行くと、ちょっと途中で何か変なことが起きるという予感がするんですが。

【青江部会長】 大変ごもっともな御指摘だと思うんですが、ただ、揚げ足をとるつもりは毛頭ないんですけど、知らないよじゃないんだと思うんです。あちらにきちんとお任せしましょう。あちらがこれだけのことをおやりになっていらっしゃるから、それを発展させれば、ここに書いてあることは対応できるはずだ。ならば、JAXA側が、わざわざここへのこのこ出ていって対応する必要はなかろうというのがまず1点だと思うんですね。その上で、ハイパースペクトルセンサが順調に開発が進めば、それじゃどこの衛星に載せるんだねというのは、今、澤岡先生がおっしゃられたことをよくわきまえて、JAXA側としましても何らかの心づもりというものを考えておかなきゃいかんのじゃないかという気がするんですが、いかがでございましょうか。

【澤岡特別委員】 はっと驚くようなことが次々起こりますので、何が起きてもおかしくないなと。そのときに心構えができていれば、それでいいんだと思うんですが。以上でございます。

【栗原特別委員】 ちょっとよろしいでしょうか。

【青江部会長】 はい、どうぞ。

【栗原特別委員】 今のお話に関連すると思うんですが、6-3の観測システム、観測概要というところがあって、この観測する幅とか分解能というものであると、これ、1機ですと多分12ページの東京地区を観測するのに時間がちょっとかかりますねというお話だと思うんです。多分、新しい政権とか国が4機を早く打ち上げられるかどうかということは、いつそれが実現し、この(1)の90%になるかということになると思うんです。1機であっても、これは観測はできるのですが、災害が起きたときに、すぐそれを見れるかといったら、それはちょっと時間がかかりますねということだと思います。
 それと、11ページのこれを利用するいろいろなデータを蓄積していくという、標準データとか、災害速報図とか、被害区域図とか、SAR干渉、海氷分布というのは、これは定常的に運用することで、そういうデータが蓄積できていって、こういうものが各地で利用できるという、そういうところにつながっていくんじゃないかなと思うので、これらの研究を通じて、データが早期に構築されていくということが今回のミッションの非常に大事なことかなと私は考えます。

【青江部会長】 何かJAXA側でありますか。私が答えるのは変な話なんですけど、多分JAXA側は、1つは、まずこの段階で、今の時間の点につきましては75%。海外の衛星を使えば75%ぐらいの確率ではカバーでき、3時間以内観測がカバーできますので、この段階では、テクニカルには、これができる最大限のことなので、これで了としてくださいというふうにJAXA側は言っておるんだと思いますね。それで、おっしゃられるように、JAXAの任務というのは、あくまでも、そういうふうなシステムを作り上げるための、そのワンステップ、ワンステップのR&Dであり、その意味からすれば、これでもって我々は任務をちゃんと果たしているはずですよというのをJAXAは多分言いたいと思いますが。

【鈴木特別委員】 私もそう思います。

【松尾委員長】 すいません。僕が聞いちゃいけないんだろうけど、先ほどおっしゃった国の基本計画との整合性という話で、即しているのかどうかというときに、今の解はどう評価すればよろしいわけですか。

【青江部会長】 したがって、まさにここのレビュアーの皆さん方の一種の総合判断なんですよね。

【松尾委員長】 総合判断で。

【青江部会長】 それしかないんですね、多分。国の基本計画は、ここまで御丁寧に書いていただいているものですから、それとの関係において、この段階で何をするのかというのは、うんと見て非常にいいところだというふうに御判断なさるか、非常に定量的に物差し当てて、はい、丸、ペケと、こうはなかなかいかないだろうと思うんですね。したがいまして、総合判断という言葉で、レビュアーの皆さん方の御見識の上で、その目標としましては、大体、まあ、非常にいい線じゃないかと私は思っているんですけどね。

【鈴木特別委員】 お話を聞くと、それなりにもっともなんですけど、プロジェクトというのを進める上では、やっぱりトップの目標がありまして、それに対して、そのとおりできればいいんですけど、できない場合には、これをやるためには、これが要りますと、したがって、現状こうやるのがベストですというのが普通の書き方なんですけどね。今日の御説明だけ聞くと、何かそのあたりの考え方がわからないということがありますし、何らかの形ではっきりさせる必要があるんじゃないですか。水面下の交渉でも、もちろんいいかもしれませんけれども、そこを何かやらないと、今日の御説明だけだと、目標があるのに、目標はさておき、これやりますという、そういうふうにしか聞こえませんので、そこはちょっと考える必要があるんじゃないかと思います。
 それから、例えば、その1つの方法として4機作ればできるということは確かかもしれませんけど、それだったらできますとか、その代替案として、例えば外国との協議をしますということでしたら、観測だけじゃなくて、データ処理が結構問題だと思うんですね。外国の衛星で撮影しても、例えば外国でデータ処理して、それを日本に伝送するなんていったら、また3時間というか、かなり時間がかかるんじゃないかと。そうしますと、そのあたりのデータ処理から交渉しますとか、何かそういう次善の策の説明というのが要るんじゃないかと思うんですけど。
 まあ、技術開発ですから、確かにこれをやりたいといってもできないということ、これは重々あるわけでして、それを無理してやるというのは、やっぱり間違いだと思うんです。ですから、技術開発としては、これはベストかもしれませんけれども、国が立てた目標に対して、代替案としてもうちょっと具体的な説明が要るんじゃないかなと私は思います。

【青江部会長】 はい。

【JAXA(大澤)】 海外衛星の利用につきましては、先ほど申し上げました3機関というか、3国との調整はほぼ終わっているんですが、ただ、鈴木先生から御指摘のありましたデータをどっちで処理をするのか、JAXAが処理するのか、相手側で処理するとか、そのデータはネットワーク経由でもらえるのか、それとも航空便になるのかとか、そういった細かいところは、これから調整をさせていただきます。ただ、もともと災害での迅速な対応ということについては各宇宙機関と話をしておりますので、その中でベストな解をこれから調整することを考えております。

【鈴木特別委員】 そのあたりは第三者と申しますか、我々としては、そういう御説明がないと、ぽっと表が1枚出ているだけで、これで判断しろというのはなかなか難しいです。

【青江部会長】 その辺も少し整理をしないといけないですね。

【小林特別委員】 私も、公共の安全というのを10年後、何か国が方針を立てているなら、これに対しては、こういうふうに取り組んだらどうかという概念、コンセプトは、JAXAからきっと提案しないとできないことだろうと思いますし、それから、ちょっと気にしているのは、設計寿命が5年というのがありますよね。海外の衛星だって寿命があるはずですよね。例えば協力する場合だって、いつまで大丈夫なのとか、あるいは逆に日本がレーダ機4機というんですか、ということは同じような衛星を4つ上げるということですよね。設計寿命5年。毎年のように打ち上げないといけないわけですね。それが通るのかどうかという話だってあるでしょうし、そうすると、海外のも使いながら、日本はあと1機だけやれば、結構いい線までいくんじゃないのとか、何かそういうのを提案して、初めてこういう考え方でALOS-2はいきたいと。しかも、公共の安全だから、なるべく早くやりたい、ということで進めて、何か筋が通るような格好にした方がいいように思うんですけどね。

【青江部会長】 実は私もちょっとよくわからないんですけれども、先ほどの澤岡先生も同じような御趣旨だと思うんですけれども、その筋の通し方といいましょうかですね。現実問題としまして、向こうで3時間と、こう書いてあるんですね。それをどう本当に具体的に10年後に達成するのかというのは、一体全体誰が考えるんだというのがよくわからないんですよ。JAXAが専門機関として何らかの提案をするというのもあるのかもしれませんけど、基本的には本部の判断ですね。そこの道筋がどうもよくわからないんですよ、新しい体制でございましてですね。それで、現実問題としまして、3時間とか何とかと書いてありますけど、この絵を見る限り、現実的に非常に難しいということになるわけですね。

【池上部会長代理】 ちょっとよろしいですか。非常に本質的な問題に入ってしまったという感じがするんですが、戦略本部ができても、少なくとも宇宙開発委員会、あるいはこの委員会は科学技術あるいは研究開発については責任があるわけですよね。先ほど来、委員の方からもお話がありましたが、10年後の絵があるのであれば、それに対して技術的にどういう問題点があって、それらを解決するために我々はこの道を選ぶといったそういうストーリーがないと、いいか悪いかと言われたってわからない。
 陸域の観測については、衛星を使わなければ絶対に不可能という話はなくて、ASTRO-Hとはちょっと話が違うような感じがするんですよね。ですから、技術全体のマッピングがあって、それに対して我々はこうやるんだというようなことを言っていただければいいと思うんですけど、ただ、プロマネは、やっていることに一生懸命なのは仕事だからでありまして、それで給料をもらってますので、彼を責めてもちょっとしょうがないような感じがするんです。ですから、本来は、こういうような場での議論は難しいのではないかという感じがいたします。
 それからもう一つ、先ほど栗原委員から、産業界の意見ということで、ここまでの議論で計画がどんどんどんどん遅れることへの心配が指摘されましたが、一応我々としては、予定どおり上げることを前提としており、それに新たに加えるものがあればそれも検討するという事でして、プライムコントラクタの方にも何かおもしろい、SARに加えて積めるようなものがありませんか。例えばハイパースペクトルになるかどうかは別として、何かそういうことを含めて議論できる技術のマッピングというものがあればいいなと私も思っております。それはそんな難しい話じゃないような気もするんですけど、どうなんですかね。

【青江部会長】 どうぞ。

【中西特別委員】 非常に素人的な質問ですが、今、技術のマッピングと言われましたが、宇宙基本計画に航空機等による撮影と相まってと書いてあるのでお伺いしたいのですが、分解能3mだったら航空機でパッと飛んだ方が速く解像度の高い情報が得られるのではないかとも思われるのですが、どうなのでしょうか。
 また、書き方かと思われるのですが、海外と合わせて、これで3時間ごとに情報を得ることができるようになるだろうと書いてありますが、そうしますと、海外と同じぐらいの技術開発をこれからするのならば、何が技術的に新しいのかということが読み取りにくいと思います。特に、今、技術とおっしゃったので技術の優位性や、衛星の優位性、それらをもう少し書いていただけるといいのではないかと思いました。
 それから、あともう一つ、今、衛星の写真というのは結構身近に、あちこちで撮られているようなのですが、そうしますと、例えば応用面で農業の利用と書いてありますが、今撮られている画像と、どう違い、またどういう優位性がこれを上げることにより得られるのかということを、もう少し書いていただけるといいのではないかと思いました。
 以上でございます。

【青江部会長】 どうぞ。

【多屋特別委員】 このALOS-2というのは、例えば13ページのところのミニマムサクセス、フルサクセス、エクストラサクセスというところに打上げ後1年間、5年間、7年間と書いてあるわけですけれども、この辺のところに、例えば宇宙基本計画等に照らして3時間への目標なども時間的なことで入れていただけると、我々はわかりやすいのかなとも思います。
 それから、現在の「だいち」に比べては、ALOS-2というものの目的というのが、やっぱりかなりの進歩というのも書いてございますので、その辺のところも強調していただいて、やっぱり科学技術というのは一歩一歩の前進が必要であるということも入れながら、この辺のサクセスのミッションの方向性あたりに書いていただけると、わかりやすいのかなという気がいたしました。

【青江部会長】 私も先ほどわからないと申し上げましたけど、どう言うんでしょう、基本的にはこのプロジェクトは技術開発ミッションなわけですね。要するにシステム構築そのもの、社会システム、インフラの社会システム構築ということそのものを目的にはしてないわけです。技術開発をして、そういうところにつなげていくというのがJAXAの任務であり、このミッションの目的なんですね。ですから、そこの出口への道筋とでもいいましょうか、その構築される、そこへの一種の展望といいましょうか、そういうふうなものが技術開発側からこういう展望を持ってのこれだということがわかれば、それでいいのでしょうか。それとも、相当程度に道筋を、もっと脈絡をはっきりさせた形でないといかんとおっしゃるのか、その辺だと思うんですけれどもですね。

【栗原特別委員】 多分、今までのとちょっと違うと思うんですね。宇宙基本法の中で新たに求められていることは、研究開発は非常に大事であり、先端の宇宙探査も大事で、その中で利用という、技術開発で終わるんじゃなくて、もっと宇宙をシリーズ化して利用していく、拡大する、あるいは、それが産業につながっていくとかですね。例えばGPSとか、衛星を使って、あるいは米軍が運用している衛星は、インフラとしてシリーズ化されている。。これが、将来的カーナビとか、2兆円産業に繋がっていった。今回、戦略本部というのは、そういうことを多分考えているのかなと思うんです。
 その中で、このALOS-2というのは合成開口レーダですけれども、それが今まで1機、「ふよう1号」という昔、LバンドSARがありました。1回、それで終わっているんですけれども、今度「だいち」になって、ブラジルの森林の消滅がわかったとか、中国の四川の大地震でせきとめ湖ができたとか、そういう情報がわかったとか、非常に衛星によるデータが、役に立つということであります。日本でも災害が起きているので、それを迅速に被災状況等の情報を防災機関に提供するなどして、災害救援等に活用したいというのが、多分国の要求なのかと思います。そのときに、そういう利用に使える技術の、まず合成開口が必要であって、また、とったデータをどういうふうに加工して、どういうふうに利用して使うかというところに多分違いがあるのかなと思います。
 あと、これは同じものを何機も使うということになると、2機、3機目というのは、あんまり技術リスクはなくなってくるかなと思います。ただ、合成開口のほかに、「だいち」というのは光学センサを持っていますので、ALOS-3は光学のセンサを搭載するが、それを早く打ち上げて、レーダと光学とセットで、データを活用し、それを蓄積することで、こういう利用ができるというのを、まず早く実証しないといかんのかなと思うんですね。又、別の観点では、継続的に衛星が打上げられていくと、衛星データが、幅広く使われて日本の産業が活性化すると思う。
 科学技術の進歩というよりも、どちらかというと、衛星を継続的に打ち上げ、データを蓄積、提供し、拡大していくということが、多分利用を拡大していくこと、敷いては、産業に繋がっていくということの手段ではないかなと、私としてはこう考えております。

【青江部会長】 部会長の少し独断がすぎるかもしれませんけれども、要するに技術開発側として国が将来の姿として描いているのは、ここで明確にあるわけですから、今回の技術開発をとしてこれだけのことをやって、将来、この姿に持っていくんだという、この脈絡を展望という形で技術開発者としてきちんと見せていただくということはJAXAにお願いできるのかなと思います。
 一方、国としてこうする。例えば4機、レーダ衛星を持つんだと。これは多分誰も責任を持って言う人はいないんだと思うんですね。ですから、その議論をしても現実問題はしょうがないかなと。ですから、技術開発をする、責任を持ってする人が責任を持った立場として展望しているところを見せていただいて、それで皆様方の御判断をいただくぐらいかなと思っておるんですけど、鈴木さん。

【鈴木特別委員】 まあ、おっしゃるとおりだと思います。長期構想――確かに私、最初、長期計画と言おうと思ったんですけど、長期計画を宇宙開発委員会に出すのはちょっとと思って言いよどんだんですが、長期構想というのは非常に結構だと思うんですね。こういう考え方がありますよと。したがって、第一ステップとして、こういうことをやりますよということがあると非常に評価もしやすいし、いろいろな人から納得も得られやすいんじゃないかと思うんですね。

【青江部会長】 ということをJAXA側で整理をしてみてくれませんか。

【宮崎特別委員】 13ページの「目標」のところなんですが、1つのプロジェクトで、これほどたくさんのミッションを持っていて、それで1つ1つのミッションの性質が異なっているのは本当に珍しいと思うんですね。「公共の安全の確保」、これはアジアとかに対して国際貢献にもつながるミッションです。5番目の「地球規模の環境問題の解決」。これは国際協力をしないと地球規模の環境問題は解決できないから、そういうミッションがあるわけですね。国土の保全とか管理、それから食糧供給、それから資源・エネルギー、これは日本の国内のための、日本の競争力とか、国内が主な目標となっているものでして、特に資源・エネルギー供給の場合は、日本の産業競争力に直接つながっているようなミッションなわけですよね。ですから、1と5番目の場合は日本単独で行う理由はないわけです。例えばアジアの災害に関するミッションですとか、地球規模の環境問題の解決。これは本当にアジアの国とも協力して行っていくべきものでして。
 実は私はSJACさん、日本航空宇宙工業会のために、9年ぐらい前、2年間ぐらいかけて、あるワーキンググループの委員長をしていまして、アジアで共通の衛星を打ち上げる場合に、それに対する要求というのを、いろいろなアジアの国を回って調べました。そのときに中国、マレーシア、ベトナム、いろいろな国を回って要求について聞いたわけです。そうしますと、本当に各国での抱えている問題も異なっていますし、それからベトナムなんかと日本と比べますと宇宙開発のレベルも相当に違うわけですよね。ですから、この「開発方針」の14ページにしましても全く一方通行的な開発方針でして、全然、相手の利用要求に合致した観測データが何なのかですとか、相手側の技術レベルがどの程度なのかという、そういうことも今の段階では、それほど調査、考慮していないような開発方針が書いてあるわけです。ですから、まだまだ準備が十分ではないと思いますね。
 例えば、この資源・エネルギーの供給のところで、ここだけ誰に提供するのかということは書いてないわけですね。ほかのところでは誰に対して提供するということが書いてありますけど、この資源・エネルギーの場合は、じゃ、誰に対して提供するんでしょうか。

【青江部会長】 それはJAXAに聞いてもだめですよ、本部に聞かなくては。

【宮崎特別委員】 ですから、こういうふうに性質は全然異なっている。ミッションの性質が異なっているということで、ですから、もう少し幅を狭くした方がいいと。

【池上部会長代理】 その辺、どう議論するか……。この1年で世の中変わったわけですよね。今や、グリーン、グリーンと言われるようになりました。アメリカも、今までは地球観測はそれほど力を入れてなかったんだけれども、オバマに変わってNASAのサイエンス・ミッショングループで観測を一生懸命やろうとなっています。彼らの発想というのは、これも後でフォローしておいてほしいんですが、既に上がっている衛星である地域を同時観測してうまく処理をして最新のデータを出そう、彼らはA-Trainとか言っていますけど、そういうような動きもある。その中で議論するって、そう簡単ではないけど、ある程度の方向を出していかないといけないと思います。

【青江部会長】 大変難しいことをおっしゃっいましたね。

【池上部会長代理】 去年、わかっていればよかったんですが、そういうことではなくなって。戦略本部の方がよくわかっているかどうかは別として、彼らは多分世の中を先読みした上で、彼らなりの方向性を出したような感じがするんですけどね。

【JAXA(道浦)】 先ほどのアクションアイテムで、技術開発としての展望を見せるということ以上に、ALOSのところでどういうふうにもう既に利用されていますかというのを次回説明させていただくことによって、ALOS-2の利用というのは、このつながりの中でこういうふうにつながっていき、さらにそれが何年かたったときには、こういうふうな展望があるというステップを次回お見せできれば、ALOS-2の目標とか利用の関係のところも、もう少し御理解いただけるんじゃないかと思っております。

【池上部会長代理】 前回、それをやっているんですよ。ALOSは3つファンクションがあって、分解能が十分でない。そのうちの1つのSARの分解能を上げてやるというのは一体どういうことなんですかという議論がりましたが、結局うまく答えられなかったんですよね。ですから、もうちょっと知恵を絞らないと、ALOSの説明をして、皆さんが納得するかというと必ずしもそうはいかないでしょう。

【森尾委員】 いいですか。

【青江部会長】 はい。

【森尾委員】 今後10年程度というのが10年プラスマイナス1年なのか、プラマイ5年なのか、どのぐらいのなのでしょか。ここに書いてあることを10年目ぐらいに本当に実現しましょうというんだったら、実際は5年後ぐらいには衛星の設計を始めて、衛星を作って打ち上げて運用に入るのが10年目ぐらいになりますよね。書いてあることを読むと、お金をかければできることと、まだまだこれから技術開発をしないとできないことがありますね。だから、お金をかければできることというのは、多分こういう場での議論にはそぐわないと私は思うんで、それをあんまり議論しても意味がないように思うんです。
 ただ、ここに書いてある、例えば鉱物資源を判別するために10種類を30種類ぐらいに増やして、もっと性能を上げるとか、こういうのは経済産業省がやっているからじゃなくて、私はJAXAとして、やっているところは別、いろいろなところでいいんですけど、そういう情報をまとめて、何年ぐらい先だったら、どれぐらいのセンサが実用化できそうだみたいな話を一度していただけると、本当にこの中のどれぐらいまでが、どれぐらい先に実現できるのかというようなことがわかるので、経産省がやっていることは、ここでは議論しないみたいにあんまり言わないで、まとめだけはやっていただくといいと思います。
 それから、多分前のときの議論で、分解能をもっと上げるためにはバンド幅をもっと広く使えるといいんだけど、何かほかの理由で使えないというようなことがあったように思うんですね。そういうのも、本当にこれが国の施策として非常に重要であれば、ほかのところで使っている周波数をちょっとどこかに移して、こちらが使えるバンドを広げる努力とかですね。それは国としての意思の問題ですよね。だから、そういうところは問題点というか、課題として、こちらがきちんと整理するということができるんじゃないかと思いますけど。

【青江部会長】 はい。実は時間、大変過ぎてしまいまして申し訳ありません。本部ができて基本計画ができてということで、この場での議論の仕方というのも若干ちょっと、私もよくわからないところがありまして、少しトライ・アンド・エラーをさせていただく、で、御迷惑をかけることになるかもしれませんが、お許しいただきたいと思うんですが。

【松尾委員長】 最初にあまりにシャープに部会長が基本計画との関係をおっしゃったものですから、これではなかなか総合判断も難しかろうと思いましたが、やっと総合判断の材料がかなりそろったような気はいたしております。いつも質問の仕方が悪いから、これでは答えられないじゃないかと中西先生にしかられますので、それを何とか緩和したいというのが私の動機でございます。
 以上です。

【青江部会長】 はい。ということで、とりあえず今日のところはここで締めさせていただきたいと思います。あとは御質問等をいただくことになるんでしたっけ。その辺の今後のスケジュールをお願いします。

(3) その他

 事務局から、参考4-1に基づき説明があった。

【青江部会長】 はい。ということで、またこれもタイトでございますけれども、御協力方、よろしくお願い申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ということで、今日は終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(説明者については敬称略)

 

お問合せ先

宇宙開発委員会事務局

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成22年01月 --