ここからサイトの主なメニューです

安全部会(平成21年)(第6回) 議事録

1.日時

平成21年8月24日(月曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省 16階 特別会議室

3.議題

  1. H-ⅡBロケット試験機打上げ時のコマンド局の運用について
  2. 「ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全評価基準」の改訂について
  3. H-ⅡBロケット試験機の射場整備作業中の警戒区域について
  4. H-ⅡAロケット16号機の打上げに係る安全評価について
  5. H-ⅡAロケット16号機の打上げに係る安全対策について
  6. その他

4.出席者

委員

宇宙開発委員会委員長 松尾 弘毅
安全部会部会長 池上 徹彦
部会長代理 青江 茂
委員 森尾 稔
特別委員 飯田 光明
特別委員 工藤 勲
特別委員 栗林 忠男
特別委員 下平 勝幸
特別委員 竹ヶ原 春貴
特別委員 雛田 元紀
特別委員 宮本 晃

文部科学省

文部科学省研究開発局参事官 松尾 浩道
文部科学省研究開発局参事官付参事官補佐 瀬下 隆

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 宇宙輸送ミッション本部
  鹿児島宇宙センター射場技術開発室室長 西田 隆
  宇宙輸送安全・ミッション保証室室長 佐藤 隆久
  打上安全評価室室長 江口 昭裕
 宇宙基幹システム本部
  宇宙輸送安全・ミッション保証室輸送安全課主任開発員 成尾 俊久
  宇宙輸送安全・ミッション保証室技術領域リーダ 川畑 広文
 経営企画部企画課主任 佐々木 健

5.議事録

【池上部会長】 それでは、定刻になりましたので、第6回安全部会を開催したいと思います。
 皆様方におかれましては、本日、お忙しいところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 本日の安全部会の議題は、お手元に示してございますように、「H-ⅡBロケット試験機打上げ時のコマンド局の運用について」、これは前回、トラブルがあるという報告に対するその後の対応です。
 それから、2番目に、「『ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全評価基準』の改訂について」、これは後ほど事務局の方が説明いたしますが、現実に必ずしも即していないところがあるということで、今後のことを考えまして、現実に即した表現に変えていこうという内容でございます。
 3番目は、「H-ⅡBロケット試験機の射場整備作業中の警戒区域について」、それから、4番目は、情報収集衛星を打ち上げるH-ⅡAロケット16号機にかかわる安全評価について、安全対策について御議論いただきたいと思っております。
 あらかじめ一言、部会長として申し上げたいのですが、安全部会が行っておりますロケットの打上げにかかわる安全評価に必要な情報の中には、悪意を持つ者によるロケットの打上げの妨害、あるいは破壊を容認するようなものも含まれている可能性がございます。情報セキュリティ対策、あるいはテロリズム対策、それから、今日、御審議いただくH-ⅡAロケット16号機、これは情報収集衛星ということでございまして、国の安全保障に関する機微のある情報が入っているということもございまして、3番目以降の議題につきましては非公開で調査審議を進めたいと思っておりますので、委員の皆様方には御理解と御協力をお願い申し上げます。

 (1)H-ⅡBロケット試験機打上げ時のコマンド局の運用についてJAXAから安全6-1に基づき説明があった。主な質疑は以下のとおり。 

【池上部会長】 やはりメカ的なところに問題があったということです。話によりますと、同軸型コネクタのオスの部分の挿入部分が短かったんですね。

【JAXA(西田)】 そうですね。

【池上部会長】 十分、勘合できていなくて、5キロワットをかけると、熱かどうか、よく原因はわかりませんけど、あるいは振動かもしれませんが、どうもそこでガタガタガタというようなことが起きたらしいということで、これは全部、変えたということなんですね。

【JAXA(西田)】 はい。全数、変えています。

【下平特別委員】 15号機の作業ですから、14号機まではこの現象はなかったんですか。発見されなかったのか、あってもわからなかったのか。

【JAXA(西田)】 この15号機のときに確認された現象は、14号機のときには確認されておりませんでした。

【下平特別委員】 ということは、14号機までは、この問題は出ていなくて、従局も5キロワットでちゃんと送信していた。

【JAXA(西田)】 はい。

【下平特別委員】 ところが、この整備作業中に発見されて、そしてコネクタを取りかえても結果としては同じだったと。高いレベルはなくなったけれども、放電のノイズ発生放射が、いわゆる放電の現象というのは見られるんですか。

【JAXA(西田)】 まず送信系の方ですけれども、これが放射されているというのは確認されております。それに伴ってノイズが発生しているのは確認しています。

【下平特別委員】 逆に言うと、放電現象がおさまらないんですね。

【JAXA(西田)】 今、送信系の方の放電現象はおさまりました。

【下平特別委員】 そうか。高圧の電圧の高い方の放電はなくなったと。

【JAXA(西田)】 はい。ただ、アンテナが直近にございますので、それの影響を受けたと思われる微小なノイズ、低いレベルのノイズですね、これがまだ残っているというところでございます。

【下平特別委員】 分解して、そのあたりのところを調べようとしても、もう時間がないので、手をつけないままにしようと、こういうことですね。

【JAXA(西田)】 本来、もともと不具合として見つかっていました送信系のノイズというのはなくなりました。ただし、受信系の方に関係しますノイズがまだ部分的に残っています。

【下平特別委員】 送信側はおさまったように見えるけど、受信側はもう1回調べるには時間がないので、次回にさせてくれということですね。

【JAXA(西田)】 はい。そうです。

【下平特別委員】 急に悪くなったように読めるんだけれども、そうじゃないんだね、これ。

【JAXA(西田)】 受信系の方はもともとそういう内在的なものがあったのかもしれないですけれども、ちょっとそこは今、調べている最中でございます。ただ、送信系の方は明らかに、先ほど勘合代と言いましたけど、実際のJISとかMILでいきますと、2ミリから大体3ミリぐらいの勘合代があるのが普通なんですが、最悪値でいきますと、実際装着されたものは0.14ミリというところで、ほとんど当たるか当たらないかという状態が起きています。それが、14号機では問題なかったんですが、15号機の前に表に出てきたという状況だと理解しています。

【下平特別委員】 はい。わかりました。

【雛田特別委員】 この1のところなんですけど、設計不良と書いてある。設計不良と書いてあるので何となく気になるんですけど、設計不良と書いていないとまずいんですか。

【JAXA(西田)】 ここのところは。

【雛田特別委員】 設計不良だということを言われると、そういうものがほかにもいっぱいあるかもしれないですね。設計不良だということでパスできるんだったら、幾らでもいいわけができるということになるんですね。

【JAXA(西田)】 これは、通常の市販的なコネクタではなくて、この部分だけに使うというために特別に設計したコネクタです。そのコネクタ、通常、JISの規格で2ミリから3ミリ程度の勘合代がなきゃいかんところが実際に作られたものはそこまで勘合代がなかったというのがありました。これにつきましては、製造段階でどうも図面が間違っていたというところがありまして、設計と製造段階で間違っていたというところが確認されました。

【池上部会長】 設計不良という言葉は適切じゃないんじゃないか。

【雛田特別委員】 いや。それはちょっといろいろなことが含まれるんじゃないか、そんなこと安易に……。

【池上部会長】 設計どおりできていなかったということですよね、これは。

【雛田特別委員】 安易に言っちゃうと。

【JAXA(西田)】 そうです。

【森尾委員】 設計どおりできていなかったのか、設計図面が間違えていたのかをきちんと検証する必要があると思うんです。

【JAXA(西田)】 はい。それにつきましては、メーカーを含めて、なぜなぜ分析の中で今、追っているところでございまして、まだその結論が最終的に見えていないところがございます。

【森尾委員】 それが確定するまで設計不良という表現は不適当ではないかとおっしゃっていたんですか。

【雛田特別委員】 ほかに、こういう言い方でいいことになると、ほかにもいっぱい出てくると思うんですね。設計不良ということを安易に認めると。私はそういうふうに思いますけど。
 それから、ほかにこういう言い方が重大な設計不良があったとしても、設計不良だったんですよと言っちゃえば全部済んじゃうんですね。これは、非常に軽微な設計不良なんですか、それとも。これはいつ設計が行われて、何回使われたとか、検証はどうしたとかということは全部調べてはないんでしょう、まだ。

【JAXA(西田)】 今現在、調べているところでございます。

【雛田特別委員】 調べ中ですけど、これ、何回も使っているわけでしょう、システムとしては。だから、何となくこれを見たときにちょっと奇異に感じたんです。

【JAXA(西田)】 そういう意味で言うと、設計不良、設計上の不良ということで、勘合不良というのは。

【雛田特別委員】 いや。勘合だけならいいですよ。設計不良というのをもっと持ち出されるとねと思いましたけど。

【森尾委員】 いや。これは、私は、設計図面をかいて、それを誰かかいた人以外の人がそれでいいかどうかを検証するという品質確認の手段があって、その図面を受け取ったメーカーさんが作って納入したときに、図面どおりできているかどうかをもう1回、検証する。各製図のどこが間違えていたのかということを明らかにしないと再発防止につながらないんじゃないかと思う。

【池上部会長】 私が見ると、よくあるちょんぼだなという感じで。というふうに見たんですが、多分きちんとやれば行くかもしれないし、逆に見落としがちだということがあるかもしれません。

【森尾委員】 ノイズが出たからわかったんで、本来であれば、こういう勘合だったら、アンテナから出すべき電力が出ていなかったと思うんですよ。だから、それは、それを確認するためには、別な受信アンテナを設けて、5キロワットで送信していますと言っているけど、本当に予定どおりの電波が出ていますかどうか。あるいは衛星から返ってくるテレメータの電波をアンテナのところの電力で見て、その電力なり、C/N(Carrier to Noise ratio:搬送波対雑音比)の観測をすべきです。そういう手段がないと、通信ができてしまったから不良ではなかったんだということで、ずっと過去、何号機か来たんだと思うんですね。だから、そこはきちんとやらないと、なかなか再発防止につながらないんじゃないかというふうに心配するんですけど。

【JAXA(西田)】 はい。ここのところ、まだ先ほど申しましたように、なぜなぜ分析の中で進めておるんですけれども、まず、今、わかっているのは、もともとの製造、設計をしているメーカーの方からの図面指示というんですが、それはどうもちゃんと出ているらしいというところまでは確認しています。ただ、その後の実際に製品に落とすときの設計の部分ですね。そこのところがベンダーになるんですけれども、そこが今、確認できていないのと、あと、返ってきたときに、納入されたときにメーカーとしてのどういう確認をしたかというところの記録を、過去のものなものですから、今それを掘り起こしているという状況です。

【飯田特別委員】 受信機が混入するノイズのレベルは一定なんでしょうか。つまり打上げのときもこれぐらいのレベルでおさまると見込めるものなんでしょうか。1キロワットにすれば全然問題ないというレベルでおさまってくれるものというふうに推定できるものなんでしょうか。

【JAXA(西田)】 現在、1キロワットで送信したときに、送信に起因して出てくるノイズというのは最高でもマイナス80ぐらいとかということで、ほぼそれを超えることはないと確認しています。我々、10分間の送信で二十数回、確認をして、レベルがこれ以上上がらないというのを確認していますし、出てきたノイズに基づいてテレメータデータが影響を受けていないというところも確認をしています。ですから、必ずしもノイズが出ても、データに影響を与えているというようなことがないということを1キロワットで確認しています。

【池上部会長】 集まるところは集めて、H-ⅡBロケット試験機の打上げにも適用されるということで御了解いただきたいと思います。

【森尾委員】 すいません。もう1つ、確認。今日、回答をいただかなくてもいいですけど、受信設備の給電系からノイズが入るというのが、設計が非常に下手で、やっぱり受信アンテナそのものの端末でC/Nが幾らで、増幅器を通って増幅された後が幾らかを比較していないと思うんですよ。給電系の電源からノイズが混入するなんていうのは、給電設備そのものの設計が非常にプアだという証拠なので、今までそういうことがされていなかったんじゃないか。だから、アンテナのようなものというのは、やっぱり受信端末のC/Nが全体の系のC/N決めるという設計にしないと、途中でS/N(Signal to Noise ratio:信号対雑音比)、C/Nがだんだん劣化するようなものは全然だめだと思うんですね。その辺は、設計者をもう一度、教育していただかないといけないのか、あるいはやるべきチェックがやられていなかったのか、どっちがではないかと思うので、それはちょっときちんとしていただかないと。ただ、C/Nが悪いから、電力をどんどん上げる、送信側の電力を上げるというのは一番まずいやり方だと思う。

【JAXA(西田)】 今、そこの設計のところに立ち返った格好での評価もしなきゃいかんということで進めておりますので、今いただきましたようなことは、我々も今後、検討して、最終的な評価にしたいという具合に思っています。

【池上部会長】 検討を続けてください。

【JAXA(西田)】 はい。

(2)「ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全評価基準」の改訂について事務局から安全6-2-1、安全6-2-2及び安全6-2-3に基づき説明を行った。主な質疑は以下のとおり。

【竹ヶ原特別委員】 HTVのところで再突入という話が出てきていて、使っている評価基準が人工衛星等の打上げに係る評価となっています。再突入というのは、中では定義されているけれども、評価基準自身は打上げに係る評価基準ですね、今、我々が使っているのは。御説明いただいた文言はいいと思うんですけれども、これ、このまま行くんですかというのがやっぱり一番の疑問なんです。いっそのこと、例えば「打上げ・再突入」なり、何かした方がすっきり話が済むんじゃないのかなとは思うんですけれども、安全評価基準自身の題名を「打上げに係る」という名前で審議しておきながら、やっているのは再突入の話ですというのが、どうお考えなのかなというだけです。

【事務局】 もともとこの打上げに係る安全評価基準は再突入を定義する以前から作られていた基準でして、それを安全部会で再突入機の審議をしなきゃいけないという状況が起こりまして、そのときに基準を変更したものです。御指摘のように、「打上げに係る」という表題でありながら、中身は再突入を評価するというのは、御指摘はごもっともという部分はあります。

【青江部会長代理】 「人工衛星等の打上げ等に」となっちゃって、まずいなと。少しいい案を考えましょうか。何かいい知恵が出てくるかもしれない。御指摘は言われればごもっとも。考えましょう。

【池上部会長】 そうですね。打上げ等ぐらい入れたいぐらいですね、これは。

【青江部会長代理】 いやいや。等々と重なるから格好悪いなと言っているだけなんですけどね。

【池上部会長】 それは今後の課題として、検討させていただきたいと思います。

事務局から安全6-2-4に基づき説明があった。主な質疑は以下のとおり。

【下平特別委員】 参考までですけれども、「人工衛星」という言葉でいきますと非常に狭くなってしまいますので、ある程度ここで決まってきましたので、定義を「宇宙機」という言葉に変えたらどうでしょうか。最近、「宇宙機」という言葉を大分使い始めました。参考にひとつ御検討いただければと思います。

【池上部会長】 ありがとうございました。

【事務局】 「宇宙機」という言葉自身は、この再突入機の定義の中で広く言っています。宇宙機という言い方をするとすごく幅が広くなってしまう概念かと思います。

【下平特別委員】 ええ。そこで、定義として、ロケットを除いて、飛翔体として上へ上がった状態から、落下傘であっても何でもおろして、成果物としてとるまでを、全部を宇宙機という表現をしたものですから、そうすると割合制限できて、なおかつ、地上へおろすまでというのが入ったものですから、その宇宙機が使いやすいということで、最近、使い始めました。あの定義の仕方だけで大分変わると思いますので、御検討いただければと思います。

【池上部会長】 わかりました。何かほかに、御意見ございますでしょうか。
 それでは、そのような御意見があったということを含めて上の委員会の方に報告したいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に入るんですが、先ほどお願いいたしましたように、非公開審議ということで、閉めさせていただきたいので、その前に、次回の予定、あるいは連絡事項等がございましたら、事務局の方から御説明してください。

【事務局】 はい。今後の予定は現時点で特にございません。
 それから、第5回議事録につきまして参考6-1に示しております。これにつきましては、事前に送付させていただいておりますので、御了解いただければ、この場で「(案)」を取らさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【池上部会長】 よろしゅうございますか。
 それでは、これからの審議は、ロケット打上げに係る施設・設備等に機微なる情報が含まれているということで、非公開で審議をしたいと思います。オブザーバーの方、あるいは一般聴講の方については御退席をお願いしたいと思います。 

(一般傍聴者退室)

お問い合わせ先

宇宙開発委員会事務局

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)