平成17年4月5日(火曜日)15時~16時
東京會舘ロイヤルルーム
第一部会(国語) 出雲朝子、谷脇理史、篠塚純子、橋本喜一、長谷川秀一 第二部会(社会) 天児慧、太田公、紀平英作、栗田充治、杉本良男、栖原彌生、高橋文博、谷聖美、波多野澄雄、廣部和也、二木謙一、宮地忠明、村木逸子、山本孝宏、山田卓生、渡辺真知子 第三部会(数学) 筱田健一、杉﨑洋一郎、高木亮一、西沢清子 第四部会(理科) 浅井吉蔵、伊藤卓、大井みさほ、大野照文、大室文之、岡崎浩子、榊原博子、関沢和子、都築功、富岡康夫、中川義次、中村洋、橋本剛、本田裕、森川靖、横井洋太 第五部会(音楽) 蛭多令子、茂手木潔子 第六部会(図工・美術・書道) 浦野俊則、尾登誠一、神崎充晴、山本公之 第七部会(外国語) 秋山庵然、乾隆、太郎良博、山崎朝子 第八部会(保健体育) 蟻塚昌克、岡本民夫、栗原敏、甲田充彦、袖井孝子、和田清美 第九部会(家庭・職業) 安藤英義、大橋博行、片岡昭雄、片山倫子、金井幸雄、木村耕、久保豊子、近藤弘樹、田口冬樹、武市正人、谷坂隆俊、常秋美作、遠山曉、苗村憲司、中谷延二、長津美代子、根本正之、橋本正明、前田研一、前田和實、松田智明、山縣然太朗、山根隆一郎、山本順子、山本康弘、米山高生
銭谷初等中等教育局長 山中大臣官房審議官 片山教科書課長 江崎教科書企画官 その他関係官
○事務局から開会が告げられ、議事に先立ち、銭谷初等中等教育局長から挨拶があった。
○事務局から配布資料の確認、新任の委員及び事務局の紹介があった後会長の選出について諮られ、以下のように議事が進められた。
○安藤会長から次のような挨拶があった。
会長の指名に与りました安藤でございます。委員名簿を見ていただきますと私あいうえお順で2番目、一橋大学教授でございます。所属は商学研究科で専攻は会計学ということをやっておりまして、当審議会の所属部会は第9部会の中の商業小委員会に属しております。それでは、一言就任のご挨拶ということをさせていただきます。
先ほどの資料1を見ますと、第一条組織の第一項を見ますと、委員30人員以内その次に臨時委員をおくことができるとあります。実は、数えたことがあるんですがあるいは、名簿を数えてもわかるんですけど確か臨時委員は100名を超える先生方がご参加でございます。大変大きな審議会でありまして、検定調査という一国の教育行政の根幹にかかわる仕事を我々しているわけです。その会長ということで、微力でございますけれども尽力をして、この審議会の適正な運営に努力致しますので、皆様のご協力をお願い申し上げます。教科・科目によりましては、色々とマスコミとか国会とか話題になりますけれども、委員の先生方にはそれぞれ立派なご見識がある方が就かれているわけでございますから、それぞれのご見識に従って、それぞれの担当科目の検定調査を今まで通りやっていただければ、私はいいのではないかと思っております。簡単ではございますが、私のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
○会長から、出雲委員を会長代理に指名する旨の発言があり、出雲委員から次のような挨拶があった。
ただ今ご指名頂きました出雲でございます。至らない所が多いと思いますが一生懸命勤めさせて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
○会長から部会に属すべき委員、臨時委員について、配布資料3の教科用図書検定調査審議会委員部会別名簿のとおり指名する旨の発言があった。
○平成16年度の各部会における審議経過等について、各部会長等から次のとおり報告があった。
第1部会国語科の審議状況についてご報告致します。
平成16年度は、国語の審議会を3回、書写の審議会を2回開催し、申請された中学校用の図書について調査・審議致しました。
その内訳は「中学校国語」5社10点、「中学校書写」6社12点であります。
審議会において、これらにつき慎重に審議しましたところ、多くの欠陥が目に付きました。
「中学校国語」では、十分な配慮なく専門的な用語を用いたコラムや、説明が断片的であったり、説明不十分であったりする文章、また誤った地名・人名や仮名遣いなどの欠陥が、相変わらず目に付きました。
また、昨年度の小学校国語に引き続き、新しく加わった発展的な学習内容に関して、文学史・文学史年表や文語文法を、どの出版社もその全てあるいは一部を取り上げて参りました。但し、昨年度経験しているにも関わらず、発展教材の明示や区別をきちんとしていないものがありました。
「中学校書写」では、発展的な学習内容に関して、学習指導要領に示していない内容であることを明示せずに掲載した教材が多く見られました。また、学習指導要領に示す内容に照らして扱いが不適切なもの、字形に偏りのあるもの、誤った字形をもつものなどの欠陥がありました。
このため、「国語」10点、「書写」12点の全てについて合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。その後、修正された内容について再度審議し、その結果22点を合格と判定致しました。
以上でございます。
第2部会よりご報告いたします。
今年度の第2部会は、中学校社会科の申請図書、計24点について審議を行いました。結論を申しますと、24点すべてについて、修正を要する箇所があると認められましたので、合否の判定を留保し、修正内容を改めて慎重に審議いたしました。その結果、すべての指摘箇所について、妥当な修正がなされたと判断し、全24点の申請図書を合格と判定いたしました。
社会科の各分野の審議について、その概略をご報告します。
まず、「地理的分野」の申請図書は6点でございました。環境問題や発電などのエネルギー問題に関する記述でバランスを欠いているものが見られました。その他、相互の記述が適切に関連付けられていないところ、誤りや不正確なところ、誤解の恐れのあるところなども多々ございましたが、これらについても指摘により適切に修正されました。
また「地図」の申請図書2点につきましては、酸性雨などの環境に関わる図について、誤りや不正確なところ、誤解の恐れのあるところなどが適切に修正されました。
次に、「歴史的分野」では8点の申請がありました。個別の事項では、日本の古代史で、現在の学説に照らして適切な記述に修正を求めました。またイスラム史などで、より正確な記述を求めました。近現代史では、第二次大戦期の記述などについて、学説状況に照らして適切な記述に改められました。
さらに「公民的分野」につきましては、申請のありました8点の図書につき、審議を行いました。政治の分野におきましては、憲法、外交・領土問題、イラク戦争、男女共同参画社会など、現代日本が直面する諸問題について記述の訂正を求めました。経済の分野におきましては、財政投融資、政府開発援助や環境・エネルギー問題などで記述の訂正を求めました。いずれも検定で、適切な記述となりました。
以上のような審議を経て、冒頭にご報告したとおり、全申請図書を合格と判定した次第でございます。
以上でございます。
第3部会の審議状況について御報告いたします。
審議会を合計4回開催し、中学校の数学の申請図書21点について調査・審議いたしました結果、全ての申請図書を合否留保とし、必要な修正が行われた後に再度審査を行い、最終的に全て合格と判定いたしました。
今回申請の各図書とも、章の始めの導入に当たり、身近な事例を用い、図等を有効に活用し、学習内容の有用性・必然性を示し、そこで提起された課題を解決し、さらに学習を進めていく構成になっているなど、生徒の学習意欲の喚起にも十分配慮した構成になっております。
検定意見を付して修正を求めた箇所につきましては、学習指導要領改訂後二巡目ということもあり、箇所数もそれほど多くはなく、内容の大きな欠陥の見られる所もほとんどございませんでした。意見の趣旨といたしましては、正確性に関わるものがほとんどで、言葉が不十分なことを原因とする欠陥、例えば演習問題の発問に当たって、どのような範囲の数や図形について考えているのか等、教室での実際の指導の際になら、お互いに既に分かっているということで省略してしまうこともあり得るような条件についての説明が欠落しているといった種類の欠陥が各図書に共通して見受けられました。これは著者が「話すように書く」という流儀を採用している故の欠陥であるのかも知れません。
最後に、今回中学校の教科用図書への記載が許容されることになりました「発展的な学習内容」に関しましては、数学の学習内容が系統性・体系性のはっきりしたものであることの反映として、各図書とも、立体の切断・投影、三角形の五心、有理数と無理数、二次方程式の解の公式、確率における余事象の考えなどほぼ共通のものを取り上げて参りました。なお、大部分の事例につきましては、このように「発展的な学習内容」が本文の学習内容の自然な発展になっておりますので、本文内容との適切な関連付けに関しましてはほとんど問題がございませんでしたが、中にはその点への配慮を欠くものもございました。また、通常とは異なる学年で取り上げてきたため関連の付けようがなく、余儀なく差し替えとなったものもございました。
以上でございます。
第4部会、理科の審議結果についてご報告いたします。
本年度は、中学校理科第一分野及び第二分野につきまして、それぞれ5社5点が検定申請されました。これら計10点につきまして、部会6回の審議会を開催し、慎重に審議いたしました。
学習指導要領の改定2巡目の検定ということもございまして、申請図書は概ね学習指導要領の趣旨に沿った編集がなされておりました。一方で、学習指導要領に示されていないいわゆる「発展的な学習内容」の取扱いにつきましても、義務教育としては前年の小学校理科検定において経験済みということもありまして、表示の仕方などの形式面ではさしたる混乱は見受けられませんでした。内容面につきましては、「発展」とすべきところを「本文記述」として申請された事例が見受けられました。こうした点を中心とした検討結果を踏まえまして、すべての申請図書について判定を留保し、不適切な箇所に対する修正を求めました。修正した内容を再度審査いたしまして、全点合格と判定いたしました。
以上でございます。
第5部会、音楽は審議状況以下のとおりでございます。
平成16年度は、審議会を3回開催しまして、中学校4点、器楽2点の申請図書について審議いたしました。
全般的には、学習指導要領の趣旨を反映し、現行の教科書の内容をさらに充実させたものとなっており、各社の特色がより明確になっているように見受けられました。
発展的な学習に関する内容につきましては、申請者側の整理が進み、前年度に比較して問題に該当する箇所がかなり少なくなりました。多少欠陥のある箇所はありましたが、大きな問題は生じませんでした。
今回は新たに企画・構成された内容や書き下ろされた文章が多く、例年見られる不正確な記述や誤解を与えるおそれのある表現などに加えて、活動に際しての説明が不十分でわかりにくいといった問題のある箇所がやや多く見受けられました。
文章や図版等の引用に関する出典一覧表への記載方法などについても、今後も引き続き改善を図っていく必要があると考えております。
いずれの申請図書にも修正を要する箇所がありましたので、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。そして、修正された内容について再度審議しました結果、全6点を合格と判定いたしました。
以上ご報告でございます。
平成16年度、第6部会、美術・工芸小委員会の審議状況についてご報告いたします。
本年度は、中学校「美術1年及び2,3年上下巻」において3社6点9冊の教科用図書が検定申請されて参りました。
平成16年9月に小委員会を開催し、学習指導要領及び教科用図書検定基準をふまえ、申請された図書を慎重に審議いたしました。結果、本文及び図版の取扱い・選択等に、学習指導要領に示す内容や内容の取り扱いに照らして不適切な箇所、正確性を欠く記述が非常に多く見受けられ、また一部に、学習指導要領上扱うことができない内容が含まれておりました。
よって全6点について合否の判定を留保し、欠陥箇所を検定意見として申請者に伝え修正を求めました。
平成17年2月に、修正された内容を再度審議いたしました結果、全6点につきまして合格と判定いたしました。
以上でございます。
第7部会、外国語科の審議状況についてご報告いたします。
平成16年度は、9月に申請図書の審議会を2回開催し、中学校外国語のうち「英語」用図書7点21冊について審議いたしました。その結果、すべての図書について修正が必要であるとの審議結果になりました。指摘した欠陥としては、正確性及び表記・表現に係わるものが圧倒的に多く、その他に、特定の営利企業や商品の宣伝になるおそれのある写真あるいは記述、出典の扱いが不適切な資料などもございました。また、いわゆる発展的な学習内容に係わる教材の扱いについては、申請図書4点について「学習指導要領に示す内容と明確に区別されていない」などの欠陥を指摘いたしました。
以上のように、本部会において申請図書すべてについて修正が必要であるとの審議結果を得ましたので、検定意見を通知して修正表の提出を求めました。その修正内容については、本年1月に部会を開催し審議いたしました。その結果、すべての図書についての修正内容が適切であると認めましたので、合格と判定いたしました。
平成16年度は指導要領改訂後2巡目の検定に当たり、学習指導要領の趣旨がおおむね適切に理解されたと思われました。
以上ご報告いたします。
平成16年度、第8部会、保健体育小委員会の審議状況についてご報告いたします。
現行の学習指導要領のもと、中学校2巡目の検定でございました。
3点の申請がありまして、これらについて3回の審議会を開き、慎重に審議をした結果先ず、2点について、判定を留保し、必要な修正を求めた後、修正された内容を審査した結果合格となりました。残りの1点につきましては、誤りや不正確な記述がたいへん多く図やグラフ、写真が脈絡無く挿入されており、中学校の教科書用図書として不適切であったので、検定審査不合格とするべき理由書および欠陥箇所一覧表を添付して不合格と致しました。これを受けて、再度申請がありましたので、慎重に審議し、判定を留保し、必要な修正を求めた後、修正された内容を審査した結果合格となりました。
今回の申請図書の特色は、2巡目とあって、その内容は概ね学習指導要領に準拠したものでした。
しかしながら、前回は無かった、発展的な学習内容の記述にあたって、学習指導要領の外であることの適切な区別をつけていないもの、本文と適切な関連が無く、発展的な学習内容として取り上げてきたものが多くありました。
各図書に共通して、精神機能の発達と自己形成の単元の「人とのかかわり」や「飲酒・禁煙・薬物乱用防止」の単元では、ライフスキルを身につける観点から、実際に遭遇するであろう場面を設定し、具体的にどのような対応をしたらよいかを学習させる形態での記述が、前回にもまして多くなっておりました。
以上でございます。
平成16年度の第9部会における審議結果についてご報告いたします。
平成16年度は,申請のあった中学校技術・家庭科の「技術分野」2点及び「家庭分野」2点の計4点について,技術・家庭小委員会を2回及び部会を1回,計3回の会議を開催して,申請図書及び修正結果の審査を行いました。
第1回目の技術・家庭小委員会において申請図書を審査した結果,申請された4点いずれにも多数の欠陥が認められました。これら4点すべてについて合否の判定を「留保」し,不適切な箇所を検定意見として申請者に伝え,修正された内容を再度審査することと致しました。
検定意見を申請者に伝えたのち,第2回目の技術・家庭小委員会において,提出された「検定意見箇所の修正」について再度審査を行いました。その結果,4点すべての図書において,全ての欠陥箇所について検定意見に従った適切な修正が行われていると認められましたので「合格」といたしました。
このような技術・家庭小委員会からの審議結果の報告を,本日開催されました第9部会において承認致しました。
平成16年度の第9部会における審議結果は,以上でございます。
(会長)
はい、ありがとうございました。資料3の部会別名簿に第10部会「生活」というのがありますが、第10部会には、検定申請がなかったということで報告はございません。
○事務局から、配付資料4に基づき、平成15年度教科用図書検定結果の概要について説明があった後、次のような質疑応答があった。
(会長)
私から情報ということですが、検定結果公開会場として財団法人教科書研究センターとありますが、ここ実は私、数ヶ月以内に1度行ってみたのですが大変いいですね。過去の検定済教科書ですとか外国のも科目によっては結構揃えてありますから皆さん方もこちらの方行かれてはいかがでしょうか?これは情報提供でございます。
○事務局から、配布資料5に基づき、平成17年度審議予定について説明があった。
(委員)
今回、この審査の過程に参加させていただいているわけですけれども、社会科の中で、申請本の段階で、内容が外に出ている。それが一人歩きをしまして、韓国、中国からも厳しい批判の声が高まっている。この事態はやはり、ただ黙って座視しているようなレベルの問題ではなくて、深刻な問題だと受け止めていただきたい。そういう意味では、どういう段階でこれがもれていたのかしっかりとチェックをするということと、同時にもし、これが出版社側の方からもれるということであれば、何らかのペナルティを課すことも考えていただきたい。
それから、3番目に、途中でもれて、いろんな議論になっていきますと外交的なレベルの問題になるわけで、現にそうなっているのですが、政府、文部科学省はこれが申請本の段階であることを各国に十分に伝えて、あまり騒ぎを大きくしないということをしていただきたい。そうでないと、せっかく我々が一生懸命この審査過程をやって、バランスのとれた教科書にするという努力をしているにも係わらず、もれていること自体で教科書の問題が一人歩きするという事態になっている。これはやはり前回もありましたけれども、今回こういう形で出てきているということを深刻に受け止めて対策を考えていただきたい。
(事務局)
先生のご指摘のあったように前回、同じような状況がございまして、これをふまえて、検定規則の実施細則というところで、申請者つまり教科書会社ですけれども、教科書会社は、申請図書の内容などを外部に知られないように管理しなければならないという規定を新たに設けたところでございます。ただ、今回、ご指摘のようなことがございましたので、そのような状況になれば、教科書会社の方に対しては、事実関係の報告を求めたり、適切な指導を行っているところでございますけれども、今後このようなことがないようにより厳しく、その点については、指導をしていきたいというふうに考えておりますので、ご理解いただければと思います。
○会長から閉会が告げられた。
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