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平成25年度教科用図書検定調査審議会(第2回) 議事録

1.日時

平成25年12月20日(金曜日)13時30分~15時00分

2.場所

霞が関ビル 35階 東海大学校友会館「望星の間」

3.議題

  1. 教科書検定の改善について
  2. その他

4.出席者

委員

浅井委員、乾委員、上山委員、魚住委員、尾登委員、金井委員、久保委員、河野委員、榊原委員、島谷委員、清水委員、ト田委員、杉山委員、鈴木委員、田中委員、遠山委員、友国委員、中森委員、根岸委員、橋本委員、日野委員、本間委員、前田委員

文部科学省

前川局長、義本審議官、永山課長、大西企画官 ほか

5.議事録

【杉山会長】

 それでは、所定の時刻になりましたので、ただいまから教科用図書検定調査審議会総会を開会いたします。
 本日は、年末の御多用の中、審議会総会に御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 それでは、まず事務局から配付資料の確認をお願いします。

【大西企画官】  

 本日は、御出席いただきまして、ありがとうございます。文部科学省側に席がまだ空いてございますが、遅れて参る予定になってございますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第の1枚紙の配付資料の一覧に即して確認させていただきます。
 資料1が「教科書検定の改善について(審議のまとめ)」の案でございます。
 資料2が「義務教育諸学校教科用図書検定基準及び高等学校教科用図書検定基準の改正案について」でございます。
 資料3が「教科用図書検定調査審議会委員名簿」でございます。
 参考資料として、前回の総会の議事録をお付けしてございます。なお、この議事録につきましては、既に文部科学省のホームページに掲載させていただいております。以上でございます。

【杉山会長】  

 ありがとうございました。資料に不足等ございましたら、お申出いただければと存じます。

 それでは、会議の公開につきましては、前回お諮りをして決定しましたとおり、原則、検定制度改善に関する審議については公開ということになります。したがいまして、報道関係者、一般傍聴者は冒頭から入っていただいておりますことをお知らせ申し上げます。
 また、本日、報道関係者からカメラ撮影を行いたい旨のお申出がありましたので、これを許可しておりまして、議事に入る前にここでカメラ撮りの時間を取らせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 それでは、よろしゅうございますでしょうか。大変恐縮ですけれども、それでは、カメラ撮影はここまでということにさせていただきます。御退出のほどよろしくお願い申し上げます。

(報道関係者退室)

【杉山会長】

 それでは、議事に入ります。「教科書検定の改善について」でありますけれども、文部科学大臣から、本年中をめどに審議をし、取りまとめていただきたい、そういうお話があったことを踏まえまして、本日の会議におきましては、事務局が用意した審議のまとめの案について御審議いただきたいと思います。
 それでは、事務局から資料の説明をよろしくお願いします。

【大西企画官】

 それでは、資料の1の御説明をさせていただきたいと思います。「教科書検定の改善について(審議のまとめ)」の案というものでございますけれども、前回の総会における先生方からの御意見、それから、その後個別に先生方から頂いた御意見を踏まえまして、審議のまとめの案ということで取りまとめているものでございます。

 初めに、資料の構成でございますけれども、今回の検討が11月15日の文部科学大臣が発表した『教科書改革実行プラン』、それから、それに基づきました11月22日の本審議会への審議要請、それから、具体的な改善事項についての文部科学省からの御提案というものを踏まえておりますので、そういった中身につきまして、報告の資料に資料1、2、3、4という形で全て添付をいたしまして、一体として報告書を構成するというふうにさせていただいているところでございます。それでは、逐次、中身についての御説明をさせていただきたいと思います。

 まず1ページ目は「はじめに」ということでございますが、今回の検討の経緯について御説明をさせていただいているところでございます。
 1つ目の丸で、11月15日に文部科学大臣が『教科書改革実行プラン』を発表して、審議要請においてこのような考えが示されたということを資料1、資料2とともに説明をしているということでございます。
 それから、2つ目の丸でございますが、11月22日に審議要請があったということ、3つの事項について審議要請があったということで、3つ目の丸でございますが、その具体的な検討事項として、それぞれこういったことが示されたという内容の説明になっております。
 4つ目の丸で、審議結果を取りまとめたということでございます。
 それから、1枚おめくりいただきまして、2ページ目でございますが、今回の審議の経過についての説明でございます。「平成26年度に予定している中学校用教科書の検定から適用することが予定されている」、「このことから」、「審議要請に当たっては、本年中を目途に審議し、とりまとめを行うことが要請された」と記しております。
 2つ目の丸で、「短期間での審議となるため」、「まず文部科学省より」、「具体的な改善事項の提案」、これは資料4に付けてございますけれども、「提案について説明を受け、その趣旨や内容などを確認する質疑応答を行うという形で、審議を行った」と記しております。この部分も事実の説明でございます。
 3つ目の丸でございますが、「次ページ以降においては、項目ごとに、まず制度や運用の現状について述べ、その次に『教科書改革実行プラン』の内容及びそれに基づく具体的な改善事項の内容や、留意点などを述べるという形で、とりまとめを行っている」としております。
 それから、4つ目の丸で、本審議会が平成20年に報告を取りまとめていただいておりますので、そのことを参考資料として添付しておりますが、そのことを紹介した上で、「今般の改善は、それらを更に進めたり、あるいは運用してみての課題の解消を図る趣旨で行われる性格のものがあると考えられる」と記しております。
 5つ目の丸は、原則論と申しますか、「教科書の著作・編集を民間に委ねることにより、その創意工夫に期待するとともに、検定を行うことにより、適切な教科書を確保するという基本的な仕組みの中で、より国民全体の理解を得られるような教科書の改善を図ることが重要である」という考えをお示ししてございます。
 3ページからが具体の事項についての記述でございます。まず1つ目が、「検定申請時の提出書類の改善について」でございます。1つ目の丸から3つ目の丸までは現状についての御説明になっております。
 1つ目の丸としては、教育基本法、それから、学校教育法、更に学習指導要領の改訂という事実、それらを受けて、「検定基準についても、平成21年に改正が行われ、総則に、教育基本法に示す教育の目標並びに学校教育法及び学習指導要領に示す目標に基づき教科書の審査を行う旨が明記されている」ことを記しております。
 2つ目の丸で、「各教科共通の基本的条件として、教育基本法に示す教育の目的・目標及び義務教育の目的、学校教育法に示す義務教育の目標並びに各学校の目的及び教育の目標等に一致していることが定められている」ということを記しております。
 3つ目の丸で、これらの検定基準の改正に即しまして、教科用図書検定規則実施細則、これは文部大臣の裁定でございますけれども、実施細則により、申請図書への添付を求めている編修趣意書におきまして、「教育基本法第2条に示す教育の目標を達成するために編修の基本方針とした点を記入し」ていただくことですとか、教育基本法の2条の「各号に示す目標を達成するために、図書の構成や内容において編修上特に意を用いた点や特色について記載した対照表を作成」していただくということになっていることを記してございます。
 以上が現状でございますが、4つ目の丸で、『教科書改革実行プラン』におきましては、教科書の編集段階における改善としまして、「編修趣意書等の検定申請時の提出書類を改善し、申請図書の作成に当たって教育基本法の目標をどのように具現化したかを明示してもらうこと、また、これらの提出書類をホームページにおいて公開することにより、より教育基本法の目標を意識した教科書編集を促進する」という考えが示されているというプランの内容の御説明でございます。
 1枚おめくりいただきまして、編修趣意書についての課題の御説明でございますけれども、現行の様式、これは17ページにございますけれども、「現行の様式によると、教育基本法第2条の各号ごとに、申請者が編修上特に意を用いた点や特色を記載することとしており、申請図書の構成・内容全体において」、教育基本法2条「各号の教育の目標がどのように反映されているかを確認することができないという課題がある。また、申請図書の審査を行う際に、編修趣意書が十分活用されていないことも懸念される」ということでございます。
 前回の総会でも御説明しましたけれども、17ページをおめくりいただきますと、現在の編修趣意書の様式がございますけれども、左側に教育基本法第2条の第1号、第2号、第3号、第4号、第5号が掲げられておりまして、真ん中のところに、特に意を用いた点や特色を記載していただくという様式になってございます。この様式ですと、前回も御説明しましたとおり、例えば200ページの図書のうち、それぞれについて1ページぐらいを書けば様式としては満たしているということになるわけでございます。これですと、図書の構成・内容全体について、教育基本法の第1号から第5号までをどのように反映させているかということについて確認することが難しい様式になっているという問題でございます。
 したがいまして、4ページに戻っていただきまして、2つ目の丸でございますが、「このようなことを踏まえ、検定規則実施細則を改正し、編修趣意書の様式について、申請図書の構成・内容ごとにそれぞれ、教育基本法第2条第1号から第5号までの教育の目標を達成するために編修上特に意を用いた点や特色を記載するなど」、教育基本法の「目標をどう具現化したかが明らかになるよう改善を図る」ということでございます。
 それから、3つ目の丸でございますが、もう一つ御提案させていただいたこととして、現状では、編修趣意書は、検定結果の公開事業において展示・公開しておりますけれども、より広く教科書の編集の趣旨、それから、基本方針などについて、「国民や学校教育の関係者などに公開し、内容についての理解を促進する観点から、今後は、文部科学省ホームページにおいても編修趣意書を掲載することが適当である」と記述してございます。
 4つ目の丸が、留意点と申しますか、「編修趣意書は、申請図書と同時に提出を求める書類」でございまして、「申請図書の内容が教育基本法等に示す教育の目標等に一致していることに関する申請者の認識を確認することに資するもの」という位置付けでございますが、「編修趣意書そのものは検定の対象ではないことには引き続き留意する必要がある」と記載をさせていただいております。これは、前回この編修趣意書に教育基本法との対照表を求めた、あの時点におきましても、出版、発行者の方から編修趣意書の位置付けが変わるのかというような御質問もございましたので、そうではないということで、編修趣意書そのものは検定の対象ではないということを引き続き留意したいという趣旨でございます。
 それから、5つ目の丸でございますが、平成20年の報告において本審議会がお示しいただいたとおり、「教科書発行者は、教育基本法や学校教育法の改正で明確に示された教育の理念や目標、新しい学習指導要領に示された各教科の目標、内容等を正確に理解し、教科書の著作・編集を行うことが求められる。他方、編修趣意書における教育基本法に示す教育の目標との対照表については、教科によっては、網羅的に記載することが難しい場合もあることから、各教科の特性に応じて記載すればよいこととするなどの配慮が必要である」と記述しているところでございます。
 以上が1つ目の検定申請時の書類の改善についてでございます。
 2つ目が5ページからでございますが、「教科用図書検定基準等の改正について」でございます。
 まず1つ目の「教科用図書検定基準の改正について」でございまして、これも1つ目の丸から3つ目の丸が現状についての御説明でございます。1つ目の丸では、「教科書における記述内容や話題・題材等の扱いについては、児童生徒の多面的・多角的な考察に資するよう、公正・中立でバランスのとれたものとなっていることが必要である」と記載しております。
 2つめの丸では、「検定基準においては、各教科共通の条件として」、バランス関係の規定としましては、「話題・題材の選択・扱いの調和に関する規定」、それから、「事柄や見解の取扱いに配慮等を求めた規定」が設けられております。
 また、3つ目の丸では、社会科固有の条件におきまして、「未確定な時事的事象について断定的に記述しているところはないことを求める規定」が既にございますけれども、平成21年の検定基準の改正によりまして、「一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていないこと」ということも加えられているところでございます。
 4つ目の丸が、プランの中身でございますが、『教科書改革実行プラン』におきましては、「バランス良く教えられる教科書となるよう、社会科の検定基準を見直し」、「通説的な見解がない事柄を記述する場合や、特定の見解を強調して記述している場合などに、よりバランスの取れた記述にすること」、それから、「政府の統一的な見解や確定した判例がある場合には、それらに基づいた記述も取り上げられていること、といった内容を新たに盛り込むべきである」という考えが示されております。
 5つ目の丸で、「これに基づき、検定基準の社会科固有の条件について、以下のような改善を図る」ということでございます。
 丸1が、「未確定な時事的事象について記述する場合に、特定の事柄を強調し過ぎていたりするところはないことを明確化する」。
 丸2が、「近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示されているとともに、児童生徒が誤解しないようにすることを定める」ということ。
 丸3が、「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や最高裁判所の判例がある場合には、それらに基づいた記述がされていることを定める」というものでございます。
 この丸1から丸3につきましては、前回の総会におきまして御提案をさせていただいておりまして、一部文言が前回の資料と異なるところがございますけれども、趣旨としては同じ趣旨を説明しているつもりで書かせていただいております。一部表現等で明確化を図っているものでございます。
 こういった御提案に対する審議会としての留意点ということで、次の丸から述べさせていただいております。
 丸1について、「前述のとおり、『未確定な時事的事象』に関する規定は従前から検定基準の社会科固有の条件に定められて」いるということで、「『未確定』であるかどうかの判断については、これまで同様、申請図書の調査審議の時点において、当該事象について得られる専門的・学術的な知見に基づき、判断されることとなる」と記させていただいております。これは前回の総会などでも、飽くまで学問的な見地から判断されるべきであるという御意見があったことを踏まえているものでございます。
 それから、1ページおめくりいただきまして、6ページの1つ目の丸でございますが、「丸2について、どのような学説をもって通説と考えるかの判断には難しい面があるが、特定の歴史認識や歴史事実を確定するという立場に立って行うものではないことは言うまでもない。申請図書の調査審議の時点における客観的な学説状況等に照らして、いまだ『通説的な見解』として広く受け入れられている学説がない状況において、申請図書の記述では児童生徒にとって誤解するおそれのあるものとなっていないかといった観点から、判断されることとなる」と記しております。
 それから、丸3につきましては、「著作・編集に係る民間の創意工夫を生かし、多様な教科書の発行を期するという制度の趣旨から考えると、政府の見解や判例と異なる考えに基づく記述がされることを認めないというものではなく、児童生徒の多面的・多角的な考察に資するような記述を求める趣旨であると考えることが適当である」というのが1つ目。「また、政府の統一的な見解については、閣議決定などの手続を経ている、あるいは、ある程度の安定性をもっているものである、などの観点から判断されることが適当である」と記しているところでございます。
 その次の丸でございますが、これも審議会で御意見がございましたように、「新しい基準の適用に際しては、より一層公正・中立でバランスのとれた記述となることを求めることから、申請図書の調査審議において慎重な判断が必要になることも予想される。このような場合には、例えば、平成20年報告において本審議会が示したとおり、必要に応じて、関連する分野の専門委員を任命したり、外部の専門家からの意見聴取等を行ったりして、より専門的できめ細やかな審議を行うことなどのように、申請図書の記述の状況に応じた審査の運用を行うことが必要である」と記しております。
 その下にございます、ちょっと小さな字で恐縮ですけれども、アスタリスクの3を御覧いただきますと、平成21年4月9日に本審議会において決定していただいた、「『特に慎重な判断を要する事項』についての審議の進め方」という手続がございます。
 1ポツで、例えば、「高度な専門性を要する新たな記述の審査」ですとか、「学説が複数ある記述に意見を付す審査など」のように、より専門的できめ細やかな審査を行う必要がある「特に慎重な判断を要する事項」については、「部会において審査する事項及び審査の方法を決定する」ということで、2ポツで、「審査の方法は、以下の方法のいずれか、又は両方を行うこととし」、「部会において決定する」となっております。1つ目が、「関連する分野の専門委員を発令し、その調査結果を考慮して、部会において調査審議を行う」ということ。2つ目が、「関連する分野の外部の専門家から」、「文書又はヒアリング等により意見を聴取し、その意見を考慮して部会において調査審議を行う」ということ。3ポツで、小委員会が置かれている場合には、小委員会においてそれらのことを決定するという手続を平成21年にお決めいただいております。
 本文の3つ目の丸につきましては、例えばこういう手続も活用するなどして、申請図書の記述の状況に応じた審査の運用を行うということを説明しているものでございます。
 次に、7ページでございます。(2)で、「教科用図書検定審査要項の改正について」というものでございます。『教科書改革実行プラン』におきましては、「教育基本法の目標等を意識した教科書作りを促進するという観点から」、教育基本法の「目標等に照らして重大な欠陥がある場合を検定不合格要件として明記する」という考えが示されてございます。
 教科書検定における申請図書の合格又は不合格の判定方法につきましては、前回も御説明いたしましたとおり、教科用図書検定審査要項という本審議会において決定していただいた審査要項がございます。そちらに示されておりまして、「検定意見相当箇所の数による判定方法のほかに、教科書としての基本的な構成に重大な欠陥が見られる場合などには、検定審査不合格と判定する旨が定められて」おります。
 7ページの一番下に、これも小さい字で恐縮でございますが、その審査要項の抜粋が記述されておりまして、具体的には、(2)の丸3のところに、「教科用図書としての基本的な構成に重大な欠陥が見られるものや1単元や1章全体にわたる極めて重大な欠陥が見られ、適切な修正を施すことが困難と判断されるもの」については不合格と判定すると定められております。
 本文の3つ目の丸でございますが、これは、ある申請図書について、検定基準に照らして、飽くまで基準は検定基準でございますが、「検定基準に照らして教科用図書として不適切な箇所とその内容を特定していく」という、その「調査審議の流れにおいて、仮にそういった検定意見相当箇所の数は不合格となるべき数を超えない場合であったとしても、例えば、学習指導要領に示す事項を取り上げていな」いということであったり、「教科の目標に一致していないというように、記述の欠陥が基本的な構成に及び、重大であると評価される場合には」、数による判定方法によらずに不合格と判定するという趣旨だと考えております。
 前述のとおり、教育基本法や学校教育法の改正、それから、学習指導要領の改訂を踏まえて、検定基準におきまして、これらに示す目標に基づき審査するという旨が定められております。したがいまして、「合格又は不合格の判定において重大な欠陥が見られるかどうかということについても、同様の法的な体系の中で判断する旨を明らかにするという観点から、教科用図書検定審査要項を改正し、教育基本法に示す教育の目標並びに学校教育法及び学習指導要領に示す目標等に照らして判断する旨を定めることが適当である」と記しております。
 5つ目の丸で、念押しでございますが、「なお、このような改正の後も、重大な欠陥が見られるかどうかの判断については、前述のような調査審議の流れにおいて、個別の申請図書の記述の欠陥に即して判断していくことになる」ということを記しております。
 以上が大きな2つ目の項目についてでございまして、8ページが大きな3つ目の「検定手続の透明化について」の御説明でございます。
 1つ目の丸から3つ目の丸までが現状についての御説明でございまして、1つ目の丸では、「本審議会は、行政処分の前提となる審査を行うものであり、静ひつな環境の下で」、委員に自由闊達な議論をしていただいて、合意形成を図っていくということが重要であるため、会議自体の公開は行っていないと記しております。
 それから、2つ目の丸では、部会、小委員会における議事につきましては、平成21年度の検定から、議事概要を作成し、事後的に公開をしていることを記しております。
 それから、3つ目の丸では、検定意見書につきましても、検定結果の公開事業で展示・公開を行っているとともに、歴史の検定意見書と修正表については、文部科学省のホームページに掲載をしていることを記しております。
 4つ目の丸が、『教科書改革実行プラン』でございますが、プランにおいては、「検定関係文書をより具体化した上で、ホームページにおいて常時公開するなど、検定手続の透明化を図る」という考えが示されてございます。
 その次の丸が、議事概要についての御提案ですが、「その内容を国民にとってより分かりやすいものにし、透明性の一層の向上を図る」という観点から、「例えば、これまでは受理番号のみであった申請図書の識別に申請者名や検定意見の箇所数を付記することとしたり、審議会での議事のうち特に記すべき事項があれば記載することとしたりすることなど、より具体的に作成するよう運用を改善することが適当である」と記しております。
 その次の丸は、検定意見書についてでございまして、「国民一般にとって透明性の一層の向上を図る観点から、全ての検定意見書等について文部科学省ホームページにも掲載することなど公開方法の改善を図り、あわせて、検定意見の趣旨がより分かりやすいものとなるよう、検定意見書の記述内容の具体化を図るなどの改善を行う」ということが記しております。
 一番下の丸で、留意点といたしましては、「議事概要や検定意見書のホームページでの公開に際しては、併せて教科書検定制度の枠組みなどについての理解に資する内容を掲載するなど、より分かりやすい方法を工夫することが求められる」と記しているところでございます。
 10ページでございますけれども、この審議のまとめの「おわりに」ということでございます。「この審議のまとめにおいては、『教科書改革実行プラン』に基づき」、「3つの事項について、具体的な改善事項の内容やそれに関する留意点などをとりまとめた。文部科学省においては、今般の審議を踏まえて、検定基準や検定規則実施細則を速やかに改正するなどし、運用することを望む。平成26年度に予定している中学校用教科書の検定の実施までは期間が短いことから、今回の改善の趣旨等が教科書発行者によく理解されるよう、十分に周知を図るとともに、丁寧な対応を心がけるよう求めたい」と記しております。
 また、2つ目の丸で、「教科書発行者においては、改めて教科書が著者の学術研究の発表の手段ではないことを十分認識し、教科書の著作・編集に当たって、内容が公正・中立でバランスのとれたものになっているかなどについて、十分な吟味・検証を行うことを望みたい」と記しております。
 3つ目の丸で、「本審議会においても、今回の改善を踏まえ、公正・中立で専門的・学術的な審議を行い、適正な検定審査を行っていくこととする」と記しております。
 4つ目でございますが、「教科書検定制度は、著作・編集に係る民間の創意工夫を生かしながら、教科書検定により適切な教科書を確保するという仕組みであり、適切な教育内容を確保しつつ、個性豊かで多様な教科書が発行されるよう、これまでも、著作・編集機能の向上、検定基準の見直し、検定関係文書の公開、検定意見の文書化など、適時、見直しを行い、運用することにより、教科書検定に対する国民の信頼を高める努力を行ってきている。今後とも、児童生徒が学ぶ意欲を高め、理解を深めることに資する教科書が提供されるよう、努める必要がある」と記しているところでございます。
 11ページ以降は、冒頭も御説明しましたとおり、これまで文部科学省の方でお示しさせていただいている資料を報告書と一体のものとしてお付けしておりますので、併せて審議のまとめとして公表させていただきたいと思っている中身でございます。
 御説明の方は以上でございます。

【杉山会長】

 どうもありがとうございました。それでは、ただいま御説明いただきました審議のまとめ案につきまして、委員の皆様方から御討議いただきたいと存じます。どうぞ御発言をよろしくお願いを申し上げます。

【前田委員】

 5ページの白丸の5番目の丸2の提案ですけれども、前回少し私がこれからお話しすることに類するお話があったので、ちょっと変わっているのかなと思ったのですけれども、丸2の1行目の「通説的な見解がない数字などの事項」という、この数字だけが前面に出ているのは、少し特定のものを指しているということと、今後どういう事項が出てくるか分からないということで、数字だけが前面に出ているのはおかしいのではないですかというのは、どなたかおっしゃったと思うのですけれども、そのままになっておりますので、再度私の方からお話ししますけれども、やっぱり数字が前面に出るよりは、一番簡単なのは、単なる「事項」でいいのではないかということと、これまでも数字だけの問題ではないものもあったような気がしますので、どうしても「数字」を入れたいというのであれば、「事項や数字」とか、ちょっと国語の先生に、もっといい表現があるとおっしゃるかもしれませんけれども、なくしてしまうか、「事項や数字」というふうな形にした方がより汎用的にこれからも使っていけるのではないかという気がいたします。どうしてもということではございません。

【杉山会長】

 大変ありがとうございました。これについて事務局はいかがでしょうか。

【大西企画官】

 ありがとうございます。前回、御提案させていただいたのは、20ページにございますけれども、20ページの検討課題の丸1の2つ目のポツに、「数字など通説的な見解がない事項について記述する場合には」とございます。この「数字など」ということと、今日お示ししました5ページの「通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には」の表現は、意味するところは同じであると考えております。ただ、前回の表現につきまして、表現として「数字など」という例示は、ちょっとおかしいのではないかということが部内でございましたもので、それについて検討して、「通説的な見解がない数字などの事項」というふうに改めておりますけれども、意味するところは変わっていないと考えておるところでございます。

【前田委員】

 私の意見は、数字だけが余り前面に出ない方がいいという意見なのですが、いかがでしょうか。

【大西企画官】

 そこにつきましては、前回も御説明させていただきましたが、歴史的事象といいますと、古代から近世になりますと、非常にますます判断が難しくなってくるものもございますので、近現代というふうにまずは歴史的事象のところに限定を掛けているということと、あるいは、通説的な見解がない事項というものも、例示として数字などということを挙げることによって、ある程度の限定を掛けていきたいという趣旨でこのような案にさせていただいているところでございます。

【永山課長】

 ちょっと補足させていただきますと、5ページの方で、基本的に意味することは我々が変えているということではありませんけれども、読み方として、これは通説的な見解がない事項、その事項の例示として数字を挙げているということで、前回よりは先生の趣旨を踏まえて、通説的な見解がない事項について記述する場合にはということで、その趣旨は明確になったのではないでしょうか。事項の1つの例示として「数字など」ということを入れさせていただいているということでございます。大きくは、通説的な見解がない事項について記述する場合というふうに読んでいただければと思っております。

【杉山会長】

 先生、いかがでございましょうか。

【前田委員】

 どうしてもということではございませんで、そう解釈するということであれば、それはお任せします。

【杉山会長】

 もしこの件に関して、ほかの委員の先生方でお考えのことがございましたら、お聞かせいただければと思います。いかがでございましょうか。

【上山委員】

 今の課長さんの御説明、前回の説明とちょっと違うんじゃないですか。「数字などの事項」という、「通説的な見解がない数字などの事項」、「通説的な見解がない」というのは、主に「数字」に係るというふうに御説明いただいたように記憶している。ただ、数字だけじゃなくて、それ以外の事項にもわたるという、そういったような御説明だったと私は記憶している。主には「数字」に係っているといったような御説明だったというふうに思います。

【永山課長】

 そういう意味で、今もそういう意味で申し上げたのですが、例示というのは、1つの代表的なものということで挙げておりますので、広くは、数字だけには限られないということは、これは前回も申し上げておりますが、一応代表的なものとしては数字というものを我々は想定していますので、その代表的なものを例示として挙げさせていただいているということでございます。

【杉山会長】

 どうぞ。

【魚住委員】

 先ほどの前田委員の御発言ですが、やはり私も、「数字などの」という例示は設けないで、「事項」という形だけでいった方がより広く示せると思います。単に数字だけの話ではありませんので。確かに言葉上も、「数字などの事項」という形ではありますが、先ほど前田委員が懸念されましたように、数字だけというのを特に取り上げるということよりも、むしろ一般的に、これは基準の話ですから、「見解がない事項」という形でいいのではないかと思います。

【杉山会長】

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 さて、それでは、どのように考えましょうか。この『教科書改革実行プラン』の中で、この記述の仕方というのは、『教科書改革実行プラン』で書かれていることをまず紹介して、それを受けて私どもの審議の中身に移っているわけですけれども、この5ページで言いますと、この4つ目の丸の中に、「通説的な見解がない事柄」と、こうなっていて、ここには特に「数字など」という言葉は特に出てきていないのですが、元の『教科書改革実行プラン』にはその言葉はどのようになっていますか。

【大西企画官】

 元の『教科書改革実行プラン』は、11ページにお付けしてございますけれども、左の上の方のところに、ただ単に「通説的な見解がない場合や」というふうにしております。

【杉山会長】

 なるほど、分かりました。

【大西企画官】

 このことにつきまして、補足で御説明させていただきますと、「数字など」ということを例示で挙げさせていただいておりますので、「通説的な見解がない事項」と書いても、「通説的な見解がない数字などの事項」と書いても、適用する対象は同じであると考えております。「数字などの」というのは飽くまで例示にすぎませんので、数字しか適用ができないということでもございませんし、「など」というふうに書いているわけですので、「数字などの」というのがあっても、なくても、対象としては同じであると考えております。
 そこで、なぜ「数字などの」と入れさせていただいているかと申しますと、ともすれば、社会科の検定において、多様な説が出てくるのが、1つは数字として出てくる場合が多いということが1つでございますのと、あとは、このような例示を設けている趣旨としましては、教科書の記述自体が特定の執筆者の方の見解に基づいて執筆をされているわけでございますので、広く取れば、教科書の記述自体が通説かどうかという判断をしなければならなくなるかもしれませんけれども、そこまで広げるべきなのかどうかという考えもございますので、「数字などの」という形で、代表的な例示として挙げさせていただいております。対象として係るところは変わりませんけれども、例示をすることによって、何をこの基準として念頭に置いているかということをある程度お示ししたいということで入れておりますので、なくてもいいのですけれども、ないと、すごく広く逆に読める可能性もあると考えております。

【杉山会長】

 はい、分かりました。今の質疑の中で、考え方については大体共通の理解ができているように思います。ただ、その上で、先生方の御意見の中には、通説的な見解がない、例えば数字などの事項についてと、こう読めばよろしいのだというのと、それでは、やはり、それと同じことだけれども、狭めてくるので、むしろ広く「事項」と言っておけば、それは数字なども含む話になるからという、この2つに今分かれているように思うのですが、これについて、事務局は、なるべくならばこのもとのままで行きたいと、こういうことでお考えですね。それを踏まえて、何か重ねて御意見等はございますでしょうか。もともと前田先生からは、もしそういうことであればそれでもよいのだがということを前置きしてくださっていますけれども、それに対して、また別の、やはり限定はない方がよいのではないかという御意見もありますので、もし重ねて御意見があれば、伺いますし、そういう討議がなされて了解ができたということで、よいのではないかということであれば、このままで行きたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。上山先生、よろしいですか。

【上山委員】

 結構です。

【杉山会長】

 じゃあ、この件については、そういう理解を私たちは共通して持つということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ほかにはいかがでございましょうか。

【乾委員】

 前回の審議会が終わりまして、報道等を見ておりましたら、審議会におきましては特に異論がないというふうなことで、誠に平穏に過ぎたように報道されておりましたので、今の件でもございますけれども、こういうことが出てくる下敷きになっておりますのは、例えば教育再生実行本部などの御意見を踏まえて、それを文部科学省側が受けて、こういう形で審議をすることになったのかと思います。当初、資料に出ております、最近の教科書改善に関する提言等を読んで、あるいは、教育再生実行本部の特別部会の中間まとめ等を読みまして、これは大変なことになるのだなと認識して前回来たのですけれども、この事務局案では、非常にそれが、何といいましょうか、公正・中立に、まるで教科書のようによくできているなということで、本当に文句の付けようがないというか、これならば特に異論は差し挟めないなというふうな気がしたんでございますけれども、例えばさっきの「数字など」というのは、例えば南京問題の死傷者の数とかいうことが下敷きにあると考えますと、なかなかこれは削りにくいのかなという、苦しいお立場にあるなとかいうふうな気もしたのでございますけれども、要するに何が言いたいかといいますと、ここに出てきた表面的なものはいいのですけれども、その根底にあるものにちょっと一抹の不安を覚えなくはないということです。教科書制度の概要に世界の検定教科書というので、国定教科書、あるいは、検定制度の一覧表がございますけれども、中国でさえ国定教科書はちょっと前にやめて、韓国などがまだ国定制度が残っているということなのですけれども、日本はもちろん検定制度ですけれども、本来の検定制度というのは、公正・中立である教科書を、民間の力を活用して良いものを作ろうという趣旨だと思うのですけれども、余り国定教科書的な検定になってはいけないのではないかというふうな、もともと検定制度というのは、より良い公正・中立でバランスの取れたものを作るということだと思いますので、その点において、多少懸念を覚えなくはないけれども、お出しいただいたこの改正案については、特に異論を挟むものではございませんということです。【杉山会長】

 大変ありがとうございました。今の乾先生の御感想に対して何かございますか。

【上山委員】

 非常に肯定的な御意見がございましたけれども、私は、前回の審議会でも、それからまた先回、歴史関係の方の懇談会が持たれまして、そこでも申し上げたのですけれども、やっぱり賛成できない。一番最初に、2ページに、今回の検定基準の改定に関して、丸の4番目で、どのような事情でもって検定基準を改定するのかということが書いてありますけれども、検定基準というのは、教科書というのはどんどん変わっていってしかるべきものだと思うのですけれども、それを検定する基準というのは基本的に変わるものではない。政権が変わったからといって、あるいは、一部の勢力の主唱といいましょうか、それによって基準を変えるべきではない。この報告書案には、そういったようなものによって変えるんじゃないということが書いてありますけれども、しかし、事実としては、そうじゃないということですね。そういったような政権の交代とか、あるいは、一部の方々の主唱によって基準が改定されるという今回の基準の改定というのは、やっぱり異常であるということを私は思っているということですね。
 これが一つと、それから、もう一つですが、やはり5ページになりますけれども、これも申し上げましたので、重ねては詳しくは申しませんけれども、今も問題になりましたが、通説的な見解がないという、その事項ですね、そういったようなものというのは大変難しい。南京事件というのは、これを誰かがあんなのはなかったと言ったら、これはもう通説的な見解がない事項になってしまう可能性があるということですね。それから、慰安婦の問題にしたって、そんなものは軍隊がやっていなかったと言えば、誰かが言えば、通説的な見解じゃないじゃないかと言われてしまう。そういうような可能性があるので、通説的な見解がない事項というのは、これは基準の中にきちんとした形で書くというのは、大変問題があろうという感じですね。そういう意見を持っております。
 それともう一つですが、同じ5ページの丸3のところですが、ここもきちんと申し上げましたけれども、それでまた、前回の審議会での議論を踏まえた形で、6ページのところに記載していただいておりますが、ただ、丸3の文章とは明らかに異なっている。丸3の文章は何が書いてあるかというと、「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や最高裁判所の判例がある場合には、それらに基づいた記述がされていることを定める」。政府の統一的な見解がきちんとしたものがある場合には、それに基づいた記述をしなさいということを明らかに丸3で書いている。ところが、6ページの方では、丸3に関する説明というのは、そうは言っていない。多様な記述が可能ですよということを丸3の説明では書いていらっしゃる。どちらが上位規定かというと、これはもう明らかに丸3が上位規定になるわけで、その規定を注釈でといいましょうか、注でもって、これをこういうふうに読んでくださいということを書いていらっしゃるわけですよね。そういうふうに、私たちの懸念といいましょうか、あるいは、従来の検定との整合性を維持するためにこのような形で書いていただいたと思うのですけれども、それはそれで有り難いと思うのですけれども、やっぱり上位規定が明確に変えられる、そういうような形になっているというのは、これは強い懸念を覚えるということを意見として申し上げておきたい。以上でございます。

【杉山会長】

 ありがとうございました。それでは、今の御発言に関しては、事務局から何か御発言いただきたいと思いますが。

【永山課長】

 1点目の検討の経過についてですが、当然検定制度をめぐっては様々な場で様々な御批判、御意見を頂いております。それを文部科学省として真摯に受けとめ、大臣の下で検討を進めて、『教科書改革実行プラン』という形でまとめさせていただいたと。文部科学省、文部科学大臣でまとめたものですので、当然検定制度というものの制度の趣旨、これまでの運用の在り方というものを踏まえた形で我々として提案させていただいたものだと考えております。
 いろいろ御批判はあるかもしれませんが、我々としては、様々な御意見を踏まえつつ、取捨選択しながら、こういう形で提案をさせていただいているというふうに御理解いただければと思います。
 また、通説的な見解との関係なのですが、様々な歴史的な議論のある事柄については、当然、ある方が一方的に違う見解を述べたときにどうなるのかということがありますけれども、その一方で、そういう多様な意見がある、特に社会的に議論がなされている様々な事象の中には、質問主意書の閣議決定などで、政府の考え方というのは発表されているものも幾つかございますので、当然これからの検定におきましては、そういう学説の状況、またそれに続いての政府の考え方とスタンスというものも踏まえながら検定をしていただく必要があるかと思っております。私どもとしても、今後の検定に当たりましては、その辺りの資料をきちんと整理をした上で、御審議いただくように努めていきたいと考えております。
 あと、3つ目の政府の見解との、資料でいいますと5ページの丸3のところですが、これは我々としては、意見が分かれていることについて政府の統一的な見解がある場合には、それに基づいた記述もしてくださいということで、我々の意図としては、6ページに、それに異なる考え方を記述してはいけないということまで求めていることではないというのは、これまでも大臣も会見などでもお話をしておりますけれども、それはそういう趣旨でございますので、そういうふうに御理解いただければと思っております。見解が分かれていることについて、記述する際には、これまで政府見解について十分な配慮がなされていないものが仮に今後出てきた場合については、そういう記述も併せてきちんと記載していただくということをきちんと検定基準として求めていきたいという趣旨でございます。そのように御理解いただければと思います。

【杉山会長】

 ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。
 そういたしますと、今の議論、これは、上山先生、乾先生はじめ、読み手の側で、同じ文章を読んでも、それぞれまたいろいろなお考えがあり得ると思います。したがって、私たちとしては、個別の調査審議の流れの中で、専門的・学術的な視点からということが非常に大事だということを共通の理解とさせていただきながら、これを読み取ると、こういうことになるのだろうと思います。個々の文言については、今のようなやり取りの中で、一方的にそれではこうする、これではこうするという形になかなかいかないと思いますので、こういう形でお認めいただければと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 大変ありがとうございます。
 それでは、このまとめ案につきましては、そのようなことで議論を一応終了させていただきまして、この際に、新学習指導要領に基づく教科書検定、これは、おおむね一巡しておりますので、検定作業を行っていただいた上での、そのプロセスでの御感想等も含めて、何か御発言がございましたら、お願いを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

【日野委員】

 検定基準の実際の運用などに関係しまして、調査審議の流れが非常に重要というふうに理解します。それで、前回配っていただきました資料、今回も用意されているのですけれども、資料1の30ページを御覧いただきますと、下のところにフローチャートがありまして、教科書検定の流れが出ております。まず申請があって、「教科書調査官等による調査」、そして、「審議会による審査」となっております。こういう流れですけれども、実際には我々、夏休み前にはたくさん資料が送られてきて、3か月余り掛けてそれに目を通すわけです。これは結構な作業でもあるわけですけれども、私の経験するところでは、非常に熱心な先生が多くて、審議会には、山積みされた資料にたくさんの付箋紙を付けて、それだけの準備をされて審議会に臨まれている委員が多いです。だけれども、この図を見る限りには、その過程が描かれていないですね。これは何とかならないものでしょうか。

【杉山会長】

 ありがとうございます。これは事務局からどうぞ。

【大西企画官】

 すいません。本当に至らない図でございまして、申し訳ないと思っております。ピンク色の、恐縮ですが、ピンクの方の教科書制度の概要の冊子でございますけれども、これの9ページを御覧いただければと思いますが、この9ページを御覧いただきますと、この検定の手続の流れの中で、一番上に「申請」という枠がありますが、その下に、審議会の委員、臨時委員、専門委員、それから、教科書調査官による申請図書の調査ということで、調査官だけではなくて、審議会の委員、臨時委員、専門委員も非常に調査をしていただいていると。そういうことは書いていませんけれども、同様にやっていただいているということを表しておりますが、先ほどの資料につきましては、手続としては、調査意見書を審議会にお示しして、それを審議いただいて、検定意見書を作成していただくという流れになってございますけれども、先生がおっしゃることはごもっともでございますので、今後対外的に出すような資料については、そういうところを気を遣って作りたいと思います。どうもありがとうございました。

【杉山会長】

 ありがとうございました。それでは、どうぞ。

【魚住委員】

 同じこのピンクのもの、制度の概要の11ページのところでちょっとお伺いしたいのですが、これは検定とはちょっとずれるとは思うのですが、この11ページのところ、「採択の仕組み」というところですね。これですと、「都道府県教育委員会」という形が載っております。本年度、平成26年度使用教科書の採択についての通知というものでも、教育委員会その他の採択権者という判断で行うという形になっておりますが、今、報道等で見ますと、中央教育審議会の方ですね、採択権者というものの形が教育委員会というところから首長というところに変更されるというような報道を見ておりますが、その点についてはいかがでしょうか。

【永山課長】

 今先生が御指摘の部分は、教育委員会制度改革の関係で、教育委員会制度の在り方として、現在は合議制の教育委員会が教育行政に関する権限を有していると。それについて見直すべきではないかということを受けて、中央教育審議会の方で検討し、教育委員会も重要な事柄については当然意見を申し上げるということで関与はいたしますけれども、大きな方向としては、中央教育審議会から先生御指摘のような答申を頂いていると。今後当然、法案ということになりますので、与党での調整、御調整いただいた上で、政府として出させていただく。まだ、ああいう形で答申を頂いて、今、政府部内で具体的な法案、どういう形で出すのかを検討しているという段階でございます。

【魚住委員】

 やはり教科書の採択というのは非常に問題になるかと思いますが、先ほど言いました平成26年度の教科書採択というものの通知の中でも、教科書採択の公正確保についてという事項がございます。そのときに、第3項で、都道府県教育委員会は外部からの働きかけの状況を適切に把握し、過当な宣伝行為その他の外部からの不当な影響等により、採択の適正・公正確保に関し問題があると考える場合には、教育委員会において適正な措置を講ずるものとすると、その都度速やかに文部科学省教科書課宛てに報告することという形で書いてありますが、この公正というものについても留意した形での、こういう公平というのを確保する措置というのは、是非していただきたいと思います。

【義本審議官】

 ちょっと補足させていただきますと、答申をこの前出させていただきましたけれども、それを踏まえて、今後法案の作業等については、これは与党との調整をした上で、教育委員会制度についてでございますが、答申の中においても、政治的中立性の問題、議論させていただきました。その中において、首長を中心とした執行機関として位置づけるかどうかの問題と別に、いわゆる個々の教科書採択の権限、あるいはその方針を作ることにつきましては、基本的には教育委員会の考え方、意見をしっかり議論を経てやるということ、それから、日常的な事柄については、具体的な指示を首長は出さないという制度にさせていただきますので、大枠については基本的に公正、政治的な中立性を確保するというような観点から、しっかり採択の話についても考えていこうと議論しておりますので、今日の話もしっかり受けとめて進む話になると思っているところでございます。

【魚住委員】

 新聞等でもそういう指摘がありましたが、首長のところの暴走というのが一例でもあれば、やはり非常に問題な事項になりますので、是非慎重に御討議いただきたいと思います。

【杉山会長】

 ありがとうございました。ほかによろしゅうございますでしょうか。
 それでは、大変貴重な御発言、御意見を頂戴しました。今の義本審議官のお話にもありましたように、今後ともひとつよろしくお受けとめいただいて、お願いを申し上げたいと思います。
 それでは、先ほどのところに戻りまして、審議のまとめ案につきましては、御提案、御説明のあった形で確定するということにさせていただきたいと存じます。文部科学省においては、この審議のまとめを踏まえて、必要な施策の検討を行っていただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
 続きまして、資料の2でお示しをしております「義務教育諸学校教科用図書検定基準及び高等学校教科用図書検定基準の改正案」、これにつきまして、事務局から御説明いただきます。

【大西企画官】

 どうもありがとうございました。資料の2を御覧いただけますでしょうか。「義務教育諸学校教科用図書検定基準及び高等学校教科用図書検定基準の改正案について」というものでございます。ただいまの審議のまとめの内容を検定基準という形で、これは、文部科学省の告示でございますけれども、改正案としてまとめたいというものでございます。
 1枚目が義務教育諸学校小中学校の方の検定基準でございますが、第3章の「各教科固有の条件」の社会科の部分につきまして、2に「選択・扱い及び構成・排列」というところがございます。(2)につきましては、従来もある(2)を一部改正という形で行いたいと。それから、(3)、(4)につきましては、新しく設けるという形で改正を行いたいというものでございます。
 1枚おめくりいただきまして、2枚目が高等学校の検定基準でございますが、こちらも同様に、「各教科固有の条件」のところに、地理歴史科、それから、公民科とございますので、同様の改正を行わせていただきたいというものでございます。
 この検定基準の改正につきましては、来週パブリックコメントを開始いたしまして、1月中旬頃までパブリックコメントを求めたいと考えております。その上で、次年度の中学校の検定から適用するということでございますので、検定基準の改正を行うということでございます。あわせて、編修趣意書の様式の改正は、検定規則の実施細則でございますので、そちらの改正も行いたいと考えてございます。以上でございます。

【杉山会長】

 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明、資料2について御質問、御意見等ございましたら、お願いを申し上げます。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、今御説明のあったように進めていただきたいと思います。
 大変ありがとうございました。以上で本日用意をした議題についての御議論は終えました。時間もちょうど予定していたところに参りましたので、本日はこの辺りまでということにさせていただきたいと思います。
 最後に事務局から今後の予定について御説明いただければと思います。

【大西企画官】

 どうもありがとうございました。今後の総会の予定でございますが、何もなければ、次回の総会は例年どおり、今年度の検定終了時に開かせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【杉山会長】

 ありがとうございました。それでは、閉会に当たりまして、前川初等中等教育局長から一言御挨拶を頂戴したいと思います。

【前川局長】

 予算編成でばたばたしておりまして、なかなか出席をさせていただくことができませんでして、申し訳ございませんでした。
 今回、この教科用図書検定調査審議会の総会の終わりに当たりまして一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 11月15日に下村文部科学大臣から発表されました『教科書改革実行プラン』に基づきまして、検定申請時の提出書類の改善について、また、教科用図書検定基準等の改正について、更に、検定手続の透明化について、こういった事項につきまして御審議いただいたわけでございます。
 非常に短時間の中で集中的な御審議をしていただきました。委員の皆様方におかれましては、年末のお忙しい中で、多大な御協力を頂きましたことにつきまして、大臣に代わりまして、この場を借りまして、私から改めてお礼を申し上げたいと思います。
 この場で頂きました貴重な御意見につきましては、今後の教科書行政に十分生かしてまいりたいと考えております。
 今後のスケジュールといたしましては、先ほど説明申し上げましたとおり、来年度の中学校用教科書の検定に向けまして、検定基準及び検定規則実施細則の改正手続に入ってまいりまして、速やかにこれを行いたいと思っております。
 御承知のとおり、検定制度の基本的な枠組みというのは、教科書の著作・編集を民間に委ねまして、その創意工夫に期待すると。その上で、検定を行うことによって、適切な教科書を確保すると、こういう趣旨でございますが、この枠組みの中で、今後とも文部科学省といたしましては、国民全体の信頼を高める努力を行ってまいりたいと考えております。委員の皆様方におかれましては、今後とも引き続き教科書検定につきまして御協力を賜りますよう、お願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【杉山会長】

 どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして、本日の総会を閉会とさせていただきます。大変ありがとうございました。

 

―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局教科書課検定調査第三係

増田、鈴木
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線3295)

-- 登録:平成26年01月 --