ここからサイトの主なメニューです

平成25年度教科用図書検定調査審議会(第1回) 議事録

1.日時

平成25年11月22日(金曜日)10時30分~12時00分

2.場所

霞が関ビル 35階 東海大学校友会館「望星の間」

3.議題

  1. 教科書検定制度の改善に関する審議に係る教科用図書検定調査審議会の会議等の公開について
  2. 教科書検定制度の改善について(審議要請)
  3. その他

4.出席者

委員

浅井委員、乾委員、上山委員、魚住委員、鵜沢委員、金井委員、紀平委員、河野委員、榊原委員、島谷委員、清水委員、ト田委員、杉山委員、鈴木委員、田中委員、塚原委員、遠山委員、友国委員、中森委員、橋本委員、日野委員、本間委員、前田委員、吉江委員

文部科学省

下村大臣、前川局長、義本審議官、永山課長、大西企画官 ほか

5.議事録

【杉山会長】

 皆様おはようございます。所定の時刻になりましたので、ただいまから教科用図書検定調査審議会総会を開催させていただきます。
 本日は、御多用の中、審議会総会に御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 本日、下村文部科学大臣は国会にいらっしゃっておられて、後ほどお見えになる予定と伺っております。
 それでは、まず、事務局から本日の会議の配付資料の確認をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【大西企画官】

 それでは、お手元の議事次第の次にございます配付資料一覧に即しまして、確認させていただきます。
 資料1が、教科書検定制度の改善に関する審議に係る教科用図書検定調査審議会の会議等の公開について(案)という資料でございます。
 資料2が、教科書検定制度の改善について(審議要請)という資料でございます。
 資料3、横長の1枚紙が、教科書改革実行プランでございます。
 資料4が、教科書検定に関する現状と検討課題についてという資料でございます。
 資料5が、教科書検定に関する主な根拠規定等についてという資料でございます。
 資料6が、教科書の改善について、平成20年におまとめいただきました報告の概要の資料でございます。
 最後に、資料7が、教科用図書検定調査審議会委員名簿でございます。
 以上よろしくお願いいたします。

【杉山会長】

 ありがとうございました。
 資料に不足等がございましたら、お知らせいただきたいと存じます。よろしいでしょうか。
 それでは、早速、議事に移らせていただきます。
 本日は、後ほど御説明がありますけれども、検定申請された教科用図書の調査審議以外の案件について御審議いただくことになりますので、まず最初に、会議の公開の取扱いを定めたいと考えております。
 内容については、事務局から御説明いただきたいと思います。

【大西企画官】

 それでは、資料1を御覧いただけますでしょうか。会議等の公開について(案)という資料でございますが、資料1の3枚目をお開きください。右肩に参考と付してある資料ですが、平成21年4月9日に審議会で決めていただいた会議等の公開についてのルールでございます。
 その中の1ポツでございますけれども、人事に係る案件、教科用図書の調査審議に係る案件については、会議は非公開とする。これら以外の案件で審議会が認める場合には、審議会で定める方法により公開するものとするとございます。この後半の部分を、今回お諮りしたいというものでございます。
 1枚目にお戻りいただきまして、本日以降の会議につきましては、人事案件、調査審議の案件ではない案件、制度改正についての案件を御審議いただくことになりますので、会議は原則として公開とさせていただいてはどうかということでございます。
 また、会議資料につきましては、可能な限り公開とすること、議事録を作成・公開すること、そのほか、会議の傍聴、取材に関する取扱いについて定めていただきたいと考えてございます。
 以上でございます。

【杉山会長】 

 ありがとうございました。
 今、御説明いただきました会議等の公開の取扱いの案につきまして、お諮りをしたいと思います。御質問、御意見等がございましたら、お願い申し上げたいと思います。
 よろしゅうございますでしょうか。それでは、会議等の公開の取扱いについては、ただいま提案のあったとおりとさせていただきたいと思います。
 それでは、ここで、報道関係者、一般傍聴者の入室を許可することといたします。本日、報道関係者からあらかじめカメラ撮影を行いたいという申出を受けておりますので、そのことを許可いたしますので、御承知いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます。

(報道関係者、一般傍聴者入室)

【杉山会長】

 それでは、ここで、前川初等中等教育局長から一言、御挨拶を頂戴いたしたいと存じます。

【前川局長】

 初等中等教育局長の前川でございます。よろしくお願い申し上げます。教科用図書検定調査審議会の総会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 本来ですと、大臣がこの開会当初より出席いたしまして、御挨拶申し上げる予定でございましたけれども、急きょ、本日、国会での答弁が必要になったということで、残念ながら、開会当初からの出席がかないませんので、私が代わりまして、開会に当たっての御挨拶を申し上げる次第でございます。
 教科用図書検定調査審議会の委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、日頃より教科書検定につきまして、多大な御協力を頂きまして、誠にありがとうございます。この場を借りまして、改めてお礼申し上げる次第でございます。
 先日、11月15日でございますけれども、下村文部科学大臣から、今後の教科書改革に向けた総合的な政策パッケージといたしまして、教科書改革実行プランが発表されたわけでございます。
 後ほど大臣が到着いたしました際には、改めて正式な審議要請を含めまして、お話し申し上げることになるわけでございますけれども、本審議会におきましては、この教科書改革実行プランのうち、教科書の編集と検定の段階における制度改善につきまして御審議いただきたいと考えております。
 委員の皆様方におかれましては、教科書検定に関する審議に加えまして、本件についても御検討いただくことになるわけでございますけれども、より国民全体の理解が得られるような教科書作りを目指すため、よろしく御審議いただきたいと思っております。
 重ねてお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。

【杉山会長】

 大変ありがとうございました。
 それでは、大変恐縮ですけれども、カメラ撮影は、とりあえず、まずここまでとさせていただきます。後ほど大臣が御到着されましたら、再度、撮影の時間を取らせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず、事務局から、配付されている資料につきまして御説明を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

【大西企画官】

 それでは、御説明したいと思います。
 資料3を御覧いただけますでしょうか。資料3、横長の1枚紙が、ただいま局長からも御挨拶の中にありました教科書改革実行プランで、先週11月15日に下村大臣より発表されたプランでございます。
 1番、編集、2番、検定、3番、採択ということで、この1番、編集、2番、検定につきまして、後ほど、より詳しい資料で御説明をしたいと思います。
 なお、3番目の採択につきましては、中央教育審議会に御審議をお願いする予定でございますけれども、ごく簡単に内容について御紹介させていただきます。
 教科書採択の改善につきましては、現在、共同採択ということで、市又は郡、又は、これらを併せた地域で、小中学校の教科書については、共同採択を行うというルールになってございます。
 その市郡単位となっている採択地区の設定の単位である郡を更に分割して、市町村というふうに、市、町、村がそれぞれ採択の最小単位となるように柔軟化をするということと、採択結果・理由など、教科書採択に関する情報の公表を求めるということでございます。
 そのようなことによりまして、教科書が一本化できないという事態の発生を防止すること、地域の実情に合った採択を可能にすること、各採択権者による責任ある採択を促進することを狙いとして、来年の通常国会に法案を提出する予定となってございます。
 以上が採択の説明でございますが、この1番、編集、2番、検定の部分につきまして、本日、御審議をお願いしたいということでございまして、資料2を御覧いただきたいのですけれども、教科書検定制度の改善について(審議要請)ということで、次の3点について審議要請、1番が検定申請時の提出書類の改善について、2番が教科用図書検定基準等の改正について、3番が検定手続の透明化についてということで、教科書改革実行プランの項目に即した形での審議をお願いしたいと思っております。
 2枚目の別紙ということで、趣旨が書いてございますけれども、教育基本法等に示される教育の理念や目標等をより一層適切に踏まえるとともに、公正・中立でバランスのとれた教科書となるよう、改善に向けた方策について検討を行う。
 また、審議の透明性の一層の向上を図るため、検定手続の改善方策について検討を行うということで、2番目の検討事項が(1)から(3)まで記されているものでございます。
 この具体的な内容について、これから御説明をさせていただきたいと思います。資料4を御覧いただけますでしょうか。教科書検定に関する現状と検討課題についてという資料でございます。
 まず、大きな3つの柱のうちの1つ目の検定申請時の提出書類の改善についてでございます。現状でございますけれども、教育基本法にのっとった教科書の著作・編集を促進するということにつきましては、平成20年に当審議会におきましても、教育基本法が変わり、学校教育法が変わり、学習指導要領が変わるといった中で、御審議いただきまして、その御審議、御報告を踏まえて、平成21年に検定基準の改正を行っております。
 そこでは、総則に、教育基本法に示す教育の目標等に基づき、教科用図書の審査を行う旨が明記されているということでございます。下半分にございます枠囲いが実際の基準でございますけれども、総則のところに教育基本法についての言及をしておりまして、破線で教育基本法の第2条の第1号から第5号までの目標が書いてございますが、これも実際に基準の中に明記しております。
 2ページの一番上ですが、各教科共通の条件の基本的な条件で、教育基本法の教育の目的、教育の目標に一致していることと、教育基本法の義務教育の目的、学校教育法に掲げるもろもろの目標・目的に一致していることという基準を、各教科共通の条件として明記しているところでございます。
 そのようなことをどう確認するかということでございますけれども、教科用図書検定規則実施細則がございますが、その中に申請図書に添付する書類として、編修趣意書がございます。この編修趣意書につきましても、平成20年に頂いた報告に基づきまして、教育基本法に示す教育の目標を達成するための編修の基本方針を記載することとしております。
 3ページを御覧いただけますでしょうか。これが編修趣意書の現在の様式でございますけれども、2ポツのところに編修の基本方針ということで、教育基本法に示す教育の目標を達成するための編修の基本方針を記していただく。
 3ポツで対照表ということで、教育基本法の第2条の第1号から第5号までの目標に即した形で、執筆・編集に当たって、特に意を用いた点や特色、どのページがそれに該当するかということを記していただくような様式になっているところでございます。
 こういった編修趣意書につきましては、検定が終わった後に展示・公開を行っておりまして、申請図書、検定意見書、修正表、見本等の関係資料と一緒に、全国おおむね7会場で行っております検定結果の公開事業におきまして、展示・公開を行っているところでございます。
 そこで、検討課題ということで御説明したいことが、4ページでございます。ただいま御覧いただきましたように、対照表の作成を求めているところですけれども、現在の様式によりますと、教育基本法の第2条の各号ごとに、申請者が特に意を用いた点や特色を記載することになってございますので、1か所でも、そういうことを掲げてくれば、それでよいことになっているわけですけれども、今のままですと、図書の構成・内容全体におきまして、教育基本法の目標がどのように反映されているかということを確認することができないのではないかということでございます。
 また、そういった課題もございまして、審査の際に編修趣意書が十分活用されていないということも懸念されるのではないかということでございます。
 このようなことから、編修趣意書の様式を変更しまして、まず、申請図書の各構成・内容を第1章、第2章と書いていただいて、その構成内容ごとにそれぞれ教育基本法の目標を達成するために、意を用いた点や特色を記載するなど、教育基本法の目標をどう具現化したかが明らかになるように改めてはどうかということでございます。
 机上に緑色の冊子があると思いますけれども、それの92ページ、93ページを御覧いただければと思います。92ページが、ただいま御説明した編修趣意書でございまして、それとは別に、93ページに学習指導要領との対照表がございます。学習指導要領との対照表を御覧いただきますと、対照表の左に、まず図書の構成・内容を書いていただいて、それが学習指導要領の内容のどこと対応しているかということを、真ん中の欄に書いていただいて、それはどのページの部分であるかということを記載するようにしております。
 ただいまの御提案は、編修趣意書につきましても、この学習指導要領との対照表と同じような形に改めてはどうかというイメージでございますので、御参照いただければと思います。
 4ページの丸2でございます。先ほども御説明したように、現在、検定終了後に編修趣意書を展示・公開しているところですけれども、全国7会場にとどまっておりますので、そこに足をお運びいただかないと見られないということになってございます。そういった教科書の編修の趣旨・基本方針などについて、より広く国民・学校教育の関係者などに公開して、内容の理解を促進してはどうかということで、編修趣意書をホームページで公開するなどの改善を図ってはどうかということが、もう一つの御提案でございます。これが大きな柱の1本目の御説明でございます。
 次に、5ページですが、教科用図書検定基準等の改正についてという2本目の柱でございます。現状の検定基準におきましては、各教科共通の条件として、教科書の内容が公正・中立であり、バランスがとれたものとなっているかというバランス関連の規定としましては、話題・題材の選択・扱いの調和に関する規定、事柄や見解の取扱いに配慮等を求めた規定が設けられております。
 枠囲いの中で申しますと、各教科共通の条件の2の(5)、(6)が、それに相当してございます。
 社会科固有の条件として、未確定な時事的事象について断定的に記述しているところがないことを求める規定がございますが、平成20年の御審議、御報告を踏まえまして、基準を改正しまして、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないことについても追加されているところでございます。それが、枠囲いの真ん中ほどの2の社会科の基準の2の(2)でございます。
 6ページでございます。そのような状態でやっているわけですけれども、社会科の教科書に対しましては、なお、公正・中立でバランスのとれた記述がなされているかといった観点から、様々な指摘がなされているところでございます。
 こういったことから、検定基準の社会科固有の条件について、例えば、以下のような改善を図るべきではないかということで、3つのポツで御説明しているところでございます。
 1つ目が、未確定な時事的事象について記述する場合に、特定の事柄を強調し過ぎていたりするところはないということを明確化してはどうかということで、これは先ほど見ていただいた社会科固有の基準を、更に改正するというイメージでございます。
 共通の基準にも特定の事柄を特別に強調し過ぎていたりしないという基準はございますけれども、社会科固有の基準におきましても、未確定な時事的事象については、やはり、特定の事柄を強調しないということを、基準として明確化してはどうかということでございます。
 2つ目のポツでございますが、近現代の歴史的事象のうち、数字など通説的な見解がない事項について記述する場合には、通説的な見解がないということが明示されていることを定めてはどうかということでございます。
 これは新しく基準に加えるということになりますけれども、何をもって通説とするかということは非常に難しい問題でございますので、通説的な見解がない、いろいろな説があるという状態を明示していただいてはどうかということと、近現代に限らせていただいておりますのは、古代から中世、近世となりますと、非常にますます多様な説がございまして、判断が一層難しくなると思われますので、近現代の歴史的事象のうち、数字などという表現をさせていただいているところでございます。
 3つ目のポツが、政府の統一的な見解や判例がある場合には、それらに基づいた記述が取り上げられていることを定めてはどうかということでございます。
 これは、政府の統一的な見解とは異なる見解を排除するという趣旨ではございませんので、政府の見解と異なる見解を記す場合には、政府の見解はこうであるということにも触れていただくことによって、バランスのとれた理解を児童生徒にしていただくということになるのではないかという趣旨でございます。
丸2の御説明につきましては、5ページの枠囲いの下でございますけれども、平成13年に当審議会でお決めいただいた教科用図書検定審査要項がございます。この中に合格又は不合格の判定方法が記されております。丸1から丸3でございますけれども、丸1は、検定意見相当箇所の数が、100ページ当たり80を超える。丸2は、観点別の検定意見相当箇所の数が、100ページ当たり65を超える。
 丸1、丸2は、いわば積み上げ方式で、数でもって切っていくという考えでございますけれども、それとは別に丸3がございまして、教科用図書としての基本的な構成に重大な欠陥が見られるもの、1単元や1章全体にわたる極めて重大な欠陥が見られ、適切な修正を施すことが困難と判断されるものがございます。
 こういったものにつきましては、図書全体についての調査あるいは審議会における審査を経た上で、重大な欠陥があるという御判断であれば、積み上げ方式によらずに、不合格と判定するという仕組みになってございます。
 これは従前からこういう規定が定められておりますけれども、6ページの丸2の方を御覧いただきたいのですけれども、第1段落が今御説明した点でございます。第2段落ですが、教育基本法や学校教育法で示された教育の目標等、学習指導要領の趣旨等を適切に反映した教科書の著作・編集がなされるべきことを明確にするという観点から、ただいま御説明した重大な欠陥が見られるかどうかの判断に当たって、一つの例示として、これらの観点に照らして、判断するという旨をこの審査要項に書いてはどうかという御提案でございます。
 例示として、教育基本法の目標等に照らして、重大な欠陥を判断するんだということを明記するということでございまして、運用自体、現在の運用を変えようということを御提案しているわけではございません。
 7ページを御覧いただきたいと思います。大きな3つ目の柱ということで、検定手続の透明化ということでございます。
 現状ですけれども、平成20年に御審議・御報告を頂いた際に、検定手続の透明化についても、随分御審議を頂いたと理解しております。その際、やはり、行政処分の前提となる審査を行うものですので、静ひつな環境の下で審査を行うことが必要であるということで、会議自体は従来どおり非公開とさせていただいております。ただ、事後的に公開をしていこうということで、総会につきましては、議事録を作成しております。
 また、部会、小委員会の議事につきましては、平成21年度の検定から議事概要を作成いたしまして、検定終了後に展示・公開をするとともに、議事録、議事概要ともホームページに掲載しているところでございます。
 平成20年の御審議を踏まえて、新たに公開することとした資料も拡大しておりまして、教科書検定の流れという流れ図の中で、アンダーラインを引いているところが、平成21年度検定から新たに公開を拡大した部分でございます。
 検定意見につきましては、従来から文書で通知してございますけれども、検定意見書につきましても、検定が終わった後には、展示・公開を行っているところでございます。また、特に小・中・高の歴史分野の検定意見書と修正表につきましては、国民の関心が高いということで、ホームページにも掲載をしているところでございます。
 そういった現状を踏まえましての御提案が9ページでございます。丸1でございますけれども、部会、小委員会の議事につきましては、現在、事後的に議事概要を作成して、公開しているところでございます。
 ただ、この議事概要の内容が、現在の場合、例えば、受理番号しか書いてございませんので、一般の方から見ると、何のことかよく分からないような感じになっておりますので、事後的な公開でございますので、せめて申請者名は記してもよいのではないか、その図書に対して検定意見が幾つ付いたかということも付記してよいのではないかということでございます。
 審議会での御審議のうち、特に記すべき事項があるような場合には、それも記載してもよいのではないか。例えば、特に検定意見を付すまでには至らないまでも、申請図書全てについてあるような課題といいますか、そういったものがもしある場合には、特記事項として記してはどうかということで、議事概要をより具体的に作成することとしてはどうかというものが、1つ目の御提案でございます。
 丸2でございますけれども、現状では、検定終了後に検定意見書等を展示・公開しておりますけれども、国民一般の方にとって、よりアクセスしやすくするという観点から、全ての教科の検定意見書等についてホームページにも掲載することなど、公開方法を改善してはどうかということでございます。
 検定意見書は、手続としては問題なく公開できるかと存じますが、修正表につきましては、申請者から出されてくるもので、著作権の問題も絡みますので、これはできるかどうかということは、なお事務的に検討する必要があるかと存じておりますけれども、方向性としては、そういったことを御提案させていただきたいと思っております。
 併せて、検定意見書を公開するということで、その内容がより分かりやすいものとなるよう、記述内容の具体化を図るなどの改善を行ってはどうか。ただ単に不正確であると書いてあるだけではなくて、何について不正確であるといったことを若干補足するなど、そういった改善を行ってはどうかということが、この内容となっておるところでございます。
 以上、教科書改革実行プランの項目に即しまして、その具体的な内容について御提案いたしましたので、御審議をよろしくお願いしたいと存じます。

【杉山会長】

 どうもありがとうございました。
 それでは、今、御説明のありました中で、資料2に審議要請として3点が掲げられておりまして、それらに関して、資料4で提案も含めて御説明を頂戴いたしました。したがって、資料4で述べられていることが中心になるかと思いますけれども、委員の皆様の御意見、御質問等、いろいろな御発言を頂戴いたしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【日野委員】

 1つお伺いします。検定基準の改正に関係するところでして、検討課題の丸1に、3点具体的に事項が挙がっているわけですけれども、今日配付されています教科書制度の概要の66ページに検定基準が紹介されておりまして、各教科共通の条件、基本的条件、次いで、選択・扱い及び構成・排列とありまして、特に構成・排列の項については16項目にわたって細かく挙がっております。先ほど御説明いただいた事柄が、この検定基準の2のところの16の項目の中に加えられるというか、加えることが検討されていると理解してよろしいんでしょうか。

【杉山会長】

 ありがとうございます。
 それでは、事務局の方から、ただいまの御質問よろしくお願いいたします。

【大西企画官】

 お答え申し上げます。
 今、御参照いただきました66ページ、67ページにつきましては、これは各教科共通の条件を記しておりまして、68ページに第3章各教科固有の条件がありますけれども、ここは略という形で略されてしまっております。
 ですので、御覧いただく際には、ピンク色の教科書制度の概要ではなくて、緑色のこちらの方の冊子を御覧いただきますと、例えば、義務教育諸学校教科用図書検定基準であれば、21ページから始まりますけれども、これが義務教育諸学校教科用図書検定基準全体版でございまして、特に社会科の固有の基準ということですと、26ページの一番下から、社会科(地図を除く)ということで、1、基本的条件、2、選択・扱い及び構成・排列、2のところに(1)から(5)がございますので、これについての御提案ということでございます。同じように、義務教育だけではなくて、高等学校につきましても、同様の改正を行いたいという御提案でございます。

【日野委員】

 ここに追加されるということなんですか。

【大西企画官】

 はい。27ページの2、選択・扱い及び構成・排列の(2)のところに未確定な時事的事象についてという規定がございます。ペーパーの方の1つ目のポツにつきましては、この未確定な時事的事象についてという2の(2)の規定を改正するというイメージでございます。
 ペーパーの2ポツ、3ポツ、2ポツの近現代の歴史的事象のうちうんぬんということ、3ポツの政府の統一的な見解・判例うんぬんについては、これに相当する規定は現在ございませんので、新しくそういう規定を追加するという御趣旨でございます。

【杉山会長】

 どうぞ。

【永山課長】

 教科書課長でございます。
 1点補足させていただきますと、御説明させていただいた、我々として改善を図りたいと考えている3点のうち、今、企画官から説明がありました検定基準、2番目に御説明した検定基準の改正については、各教科固有の条件の中の社会科の部分について改正してはいかがかという御提案でございます。
 また、ほかの2点、検定申請時の提出書類の改善、また検定手続の透明化の2点については、全教科共通の改善ということでの御提案でございます。

【杉山会長】

 日野先生、今のものはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

【日野委員】

 どうもありがとうございます。

【杉山会長】

 ありがとうございます。
 それでは、また別の御指摘、御意見等があればどうぞ。

【乾委員】

 それでは、資料4の6ページ、検討課題の丸1でございまして、丸1の後半の方に中黒が3つ並んでおりまして、中黒の真ん中で、近現代の歴史的事象のうち、数字など通説的な見解がない事項についてうんぬんという項目がございますが、近代的というものはいろいろ学説があるかとは思うんです。検定をする立場としましては、近現代というものは、具体的な構想といいましょうか、案といいましょうか、あるのでございましょうか。つまり、明治維新以降かとか、あるいは、大東亜戦争以降かということで、この記述の仕方が大分変わってくるのかということでございます。よろしくお願いいたします。

【大西企画官】

 お答えいたします。

 近現代の歴史的事象ということで想定してございますことは、おおむね幕末から明治維新以降の事象と考えております。

【乾委員】

 ありがとうございました。

【杉山会長】

 それでは、また、ほかにお願い申し上げます。

【鈴木委員】

 ありがとうございます。
 今、触れられた6ページの丸2の重大な欠陥について一つの例示としてという意味をもう少し詳しくというか、丁寧に説明していただけると、この趣旨がもっと明らかになるかと存じますので、もしよろしければ、一つの例示としてという含意というか、意味内容というか、これをもう少し外郭を明らかにしていただけると、大変助かるのでよろしくお願いしたいと思います。
 先ほどお触れになった緑の方の27ページの2の選択・扱い及び構成・排列の(3)のところに、近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること、既にこれは書かれているわけですので、この点と今お触れになりました丸1の2ポツがどういう関係になるのか、もう少し説明していただけると有り難いと思います。
 2点です。ありがとうございます。

【杉山会長】

 よろしくお願いいたします。

【大西企画官】

 1点目の重大な欠陥が見られるかどうかの判断に当たっての一つの例示としてということでございますが、5ページの方を御覧いただきまして、教科用図書検定審査要項の丸3、教科用図書としての基本的な構成に重大な欠陥が見られるものがございます。現在、これについては、何ら、どういう観点で、これが重大な欠陥かという規定になっておりませんので、恐らく適用例もないかと存じますけれども、ここの部分に教育基本法の目標等に照らしてということを書き込むということでございます。
 検定基準の方にも、既に教育基本法の目標と一致していることといったような基準が定められておりますので、こちらの合格又は不合格の判定方法につきましても、そういった教育基本法の目標に照らしてということで、重大な欠陥かどうかの判断の一つの尺度にしてはどうかという御提案でございます。
 もう1点目の27ページの2の(3)近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていることという基準でございます。これは、今回の場合は、何ら改正しないで対応したいと考えているところでございます。いわゆる近隣諸国条項でございますけれども、これは、もし改正するのであれば、政府全体での検討が必要であると考えているところでございます。
 それとは別に、今回は丸1の2ポツにございます近現代のうんぬんということを御提案しておりまして、通説的な見解がない場合には、それを明示していただくことによって、よりバランスのとれた理解を児童生徒にしてもらうということを狙いとして御提案しているものでございます。

【鈴木委員】

 ありがとうございました。

【杉山会長】

 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 ほかに続けていかがでしょうか。
 どうぞ。お願いいたします。

【上山委員】

 6ページのところに話題が集中しているようで、私も、その問題なのですが、企画官からは、大変抑制的なというか、説明を受けましたが、この問題の出てきている背景、幾つかのものを読ませていただきますと、やはり特定の日本史や社会科の教科書に対する強い批判といったものから出てきている。これは周知の事実でございます。
 そういうことは、私は、ここ数年間にわたって、様々な日本史関係、社会科関係の教科書を読ませていただいた感じといいましょうか、同じくするところもあるのですが、ところが、それだけではなくて、そういった御批判、バランスを失したとか、あるいは、公正・中立という言葉を出すと、その二、三だけではなくて、それ以外の教科書に対しても、同様な批判を投げ掛けざるを得ない。
 検定というのは、あちこちから批判されながら、順番に、順番にいいものになっているのだと思いますが、今回もやはりそうだったと思うのですけれども、こうやって批判を受ければ、これはやっぱりもろ刃になるわけでして、そうすると、検定がもっと、もっと大変になってくる。今までは具体的な審議の中で、小委員会、部会などでもって従来認めてきたことだからといって、形でもって見逃してきたといいましょうか、そのまま従来認めていたわけですからという形でもって、きているわけですね。それに対して、きちんと歯止めをかけようといった御意思なのかなと感じております。
 もしそうであるのだったら、それはそれで結構だと私は思うのですが、そうすると、何か今の検定のやり方では、変えられないのではないかと感じております。もっと新しい制度というと大げさですが、少なくとも新しい仕組みみたいなものがないと、例えば、ここで何度も出てきていますが、未確定な時事的事象、誰が未確定と判断するのか。また、数字、「など」という言葉がありますが、「など」の通説的な見解がない。
 誰か1人が、これは通説ではない、こういうふうな意見があると言えば、それはもう通説ではなくなってしまうわけです。確定ではなくなってしまうわけで、そういったところを耐えられるだけの体制というか、仕組みといったようなものをやらないと、これはちょっともたないのではないかということが、率直な感想でございます。

【杉山会長】

 ありがとうございました。
 ただいま、上山委員から、大変本質的かつ難しい御指摘がございました。これについて、後ほど事務局にお答えを頂きたいと思います。
 ただいま下村文部科学大臣が御到着なさいました。ここで、大臣から御挨拶を頂戴いたしたいと思います。
 下村大臣、よろしくお願い申し上げます。

【下村大臣】

 大変重要な会議にもかかわらず、遅参しましたことをおわび申し上げます。参議院の本会議で急きょ呼ばれまして、答弁があったために、遅参いたしました。
 委員の皆様方におかれましては、日頃より教科書検定について、多大な御協力を頂いており、感謝申し上げたいと存じます。本日は既に御議論いただいているわけでございますが、教科書検定制度の改善について、途中でございますが、私の方から一言挨拶とともにお願いを申し上げさせていただきたいと思います。
 教科書は児童生徒の教育にとって極めて重要な役割を果たしている主たる教材であり、児童生徒により良い教科書が提供されるよう、教科書制度やその運用の改善を図っていくことは、最も重要な政策の1つであると考えております。
 去る11月15日に、私は今後の教科書改革に向けた総合的な政策パッケージとして、教科書改革実行プランを発表いたしました。これは新しい教育基本法にのっとって、バランス良く記載され、採択権者が責任を持って選んだ教科書で子供たちが学ぶことができるよう、教科書の編集・検定・採択の各段階において、必要な制度改善を行おうとするものでございます。
 本審議会においては、教科書改革実行プランのうち、教科書の編集・検定の段階における制度の改善に係る、1つ目は、検定申請時の提出書類の改善について、2つ目に、教科用図書検定基準等の改正について、3つ目に、検定手続の透明化について、この3点について審議をお願いしたいと思います。
 今お話があったようでございますが、特に歴史について、これは光と影の部分があり、影の部分のみならず、光の部分も含めて、バランスよく教えることにより、子供たちが我が国の歴史について誇りと自信を持つことが重要であると考えます。
 こうした観点から、検定基準については、特に社会科に関して、1つは、通説的な見解がない事柄を記載する場合や特定の見解を強調して記述している場合などに、よりバランスのとれた記述にすること、2つ目に、政府の統一的な見解や確定した判例がある場合には、それらに基づいた記述も取り上げられること、このような内容を新たに盛り込むべきであると考えます。
 このため、公正・中立でバランスのとれた教科書の記述となるような教科用図書検定基準の改正について、御意見を頂きたいと考えております。
 教科書改革実行プランについては、来年度以降に予定している中学校用の教科書の検定・採択から適用することを考えております。このため、本審議会においては、大変恐縮でございますが、本年中をめどに御審議いただき、取りまとめを頂きたいとお願い申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては、短期間の審議となりますが、精力的に御審議いただくよう重ねてお願い申し上げまして、途中で大変恐縮でございますが、私のお願い、挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【杉山会長】

 大変ありがとうございました。
 それでは、申し訳ございません、カメラ撮影はここまでとさせていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、討議に戻らせていただきます。先ほど上山委員から御質問、御指摘がございました。それでは、事務局の方から、それに関してコメントをお願いいたします。

【大西企画官】

 御回答いたします。
 委員の御懸念は、至極ごもっともであると考えてございます。検定基準におきまして、どの程度、具体的に記述することができるかという技術的な問題もございまして、すぱっと明確に記述するということが、なかなか難しいという点もございます。
 例えば、未確定な時事的事象につきましても、何がそれに当たるかということは、現在も未確定な時事的事象という表現はございますので、その検定の時点における状況を審議会の方にお諮りをして、これに該当する、しないということを判断していただいているという現状でございます。
 また、数字などという表現につきましても、やはり例示といったものは、なるべく具体化を図る上で必要ではございますので、挙げさせていただいておりますけれども、「など」に何が入るかということにつきましても、個別、具体の申請図書の審査の際に判断されるものではないかと考えているところでございます。
 また、審査のラインについて、現行の図書と同様の記述であっても、新しい検定基準の下で、また判断していただくということになりますので、それは、当然、現在の記述と同様の記述であっても、新しい基準に即して判断していくということにはなるのであろうと考えてございます。
 最後に、審査体制の話でございますが、これは非常に今までと違う状況になることは当然でございますので、1つの課題として、私ども、また更に検討課題として考えていきたいと思っています。ありがとうございます。

【杉山会長】

 いかがでございましょうか。

【上山委員】

 未確定あるいは通説は、現在でもなかなか難しいし、こういったものを作れば、判断できるとか、そういったものではないので、今おっしゃったような形で判断していかざるを得ないわけですが、それはもちろんそうしていくわけですが、それをやろうとすると、本当に全ての教科書に関して、かなりしっかりした網を掛けなければならないという感じを持ちます。
 だから、一番最後におっしゃったような調査のレベル、また審議のレベルでもって、どういったような仕組みを作るのかということが、私が関わっている限り、大変大きな問題になるだろうという印象を持っていますということだけを申し上げておきます。

【杉山会長】

 ありがとうございました。
 それでは、ほかに御発言がございましたら、お願い申し上げます。
 よろしくお願いいたします。

【紀平委員】

 今、上山先生から大変厳しい御指摘があったと思うんです。こういう改正で、とりわけバランスをとった記述をという、一面的な記述をしないということを文言として入れたとしても、入れた場合、何が一面的なのか、何がバランスのとれたものなのか、それを判断することが実は非常に難しくなってくる。
 ある意味でいえば、従来、検定の中で積み上げてきた一種の実績の中で継続し、あるいは徐々に変えていくということが望まれることだろうと思うのですが、一面的、あるいはバランスがとれていないという形で、議論を表に出した場合、恐らく検定として、審議会がやっていけなくなるのではないか、もたなくなるのではないかという懸念をされておられます。
 私も同じ懸念を持っているわけですが、そのことも含めて、少し前に遡って御質問したいのですが、5ページのところです。今回の改正の目的が、改正についてということで、2のところ、教育基本法の目標等に照らして重大な欠陥がある場合の対応方策と書かれています。
 こういう書き方をされて提案をされるということは、従来の教育基本法の目標等に照らして、重大な欠陥があるものを見逃すようなことになっていたという形の従来の検定の在り方に対する、いわば、自らそれを変えなければならないという意味の対応方策とも読み取れるわけですが、重大な欠陥があったのか、検定を実施しておられる文科省の側からも、それを少し具体的に説明していただきたいということが、私の質問の1点です。
 その点は、実は教育基本法に基づくと、目標等に照らしてということなので、教育基本法の場合、第2条で5つの点を言っているわけですが、どこに一番問題があったのか。この5つの点についても少し触れながら、今までの我々の検定の在り方そのものに関わって、具体的に少し御説明を頂きたいと思います。

【杉山会長】

 ありがとうございました。
 よろしゅうございますか。

【大西企画官】

 ありがとうございました。
 資料の5ページでございます。5ページの下の方に、現在の審査要項がございまして、その丸3に教科用図書としての基本的な構成に重大な欠陥が見られるものがございます。恐らくこの基準を適用して、これまで不合格にした事例はないと考えております。
 したがいまして、今まで審議会で御審査いただいて、重大な欠陥があるのに、通してきたという認識は、私どもにもないわけでございまして、今回御提案したい趣旨と申しますのは、その重大な欠陥があるかどうかという判断に際しまして、教育基本法の目標等に照らして判断するということを例示としてはどうかということの御提案でございます。
 この資料の1ページ目に戻っていただきますと、平成20年の審議と御報告を経まして、平成21年の改正で、総則に教育基本法の目標もきちんと明記をした。2ページの一番上で、各教科共通の条件として、教育基本法の目的・目標に一致していることということも基準上、明記をしているわけですけれども、5ページにお戻りいただいて、審査要項というところでも同様に、教育基本法の目標等に照らして判断するということです。
 例えば、教育基本法は理念法ですけれども、その下位の学校教育法、更に学習指導要領、教科書という体系の中で、著しく学習指導要領の趣旨を逸脱したような教科書が、仮に申請されてきたとすれば、こういったところにも該当するということですので、こちらの方に教育基本法の目標等に照らしてということを例示として掲げたいという趣旨でございます。

【永山課長】

 補足させていただきますと、特に社会科について、具体的な検定の課題として御指摘を受けている内容について、私どもの提案の中の3つ、未確定な時事的事象についての記述の場合、近現代の歴史的事象のうち通説的な見解がない事項、また、政府の統一的な見解・判例の取扱いという具体的な課題の御指摘という点では、この3つに大きく整理されるのではないかと思っております。
 また、教育基本法上の重大な欠陥ということは、具体的にどうこうということは特に申し上げるものはございませんが、様々な御指摘の中で、教育基本法の趣旨をより今の教科書に反映させるという観点から、今回提案しているものは編修趣意書という、編集段階で、より発行者の方に意識していただくという方策とともに、これまでも十分そういう観点から御審査いただいていると思っておりますけれども、審査要項の中に趣旨を明記してはいかがかという趣旨でございます。

【紀平委員】

 おっしゃることはよく理解しました。ただ、今の意味で、あえて言えば、教育基本法に立ち戻って、きちっとやろうということであれば、資料の3の編修趣意書の様式を変えるということであるわけですが、その場合の編修趣意書は、従来は、いわば教育基本法第2条を第1号から第5号まで並べて、それに対して、趣意書がどうであるかという、特徴がどうであるかという記述を求めていたわけです。
 それが実は今回の改正の御提案では、むしろ教育基本法第2条が消えてしまって、図書の構成・内容、緑色の冊子の93ページの学習指導要領との対照表という形に変えられると私は理解したのですが、そうであれば、従来、教育基本法第2条の第1号から第5号までを詳細に明記した上で、趣意を書いてもらうということに対して、むしろ後退するのではないのか。教育基本法を改めて確認するということと、どう整合性があるのだろうかと思うのですが、その点いかがでしょうか。

【大西企画官】

 資料の3ページの現在の編修趣意書の様式ですと、左の第2条の第1号から第5号までの目標が書いていて、真ん中の欄に申請者が意を用いた点や特色を記載することになっておりまして、現在の様式ですと、例えば1か所の記述でも、これを埋めていけば、一応書いているということになるということでございまして、例えば200ページの図書があるとして、それぞれの目標ごとに1ページ、1ページと挙げていけば、5ページで、この様式としては一応満たされたことになるという様式になってございます。
 そういった在り方を改めまして、先ほど緑の方の93ページで学習指導要領との対照表に変えていくという場合には、図書の構成・内容をまず第1章、第2章、第3章と書いていただいて、第1章の記述の中には、例えば教育基本法の第2条の第1号を意識した記述として、こういう記述をしました。あるいは、第3号を満たす記述として、こういうことを記述しましたということを書いていただこうという趣旨でございますので、御指摘とは、いわば反対に、現在よりもむしろ図書の構成・内容全体について教育基本法との対照が、より把握できるような様式に改めたいという趣旨でございます。

【紀平委員】

 それも理解できるのですが、実は教育基本法の第2条が、我々にとっては最も重要な法律、学習指導要領は、それに対応して、学習指導要領という形の詳細が書かれていると理解しています。だから、学習指導要領は教育基本法を踏まえているといえば、それまでの話だと思うのですが、実は教育基本法第2条の第1号から第5号までは、あえて言えば、先ほども御説明の中にあったように、一番重要な事項、教科書の目標、教育の目標だと思うんです。
 例えば、そこには第2項で個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を養いうんぬんという形の、いわば、個人の価値を尊重するという最も重要なものが書かれている。あえて言えば、しばしば語られるところの第5号で、伝統と文化を尊重しというようなものも、もとより教育基本法の改正で入ったわけだけれども、しかし、第2号もやはり極めて重要なものである。
 そういう観点から、教育基本法に沿った、あるいは、逆に言えば、それに重大な欠陥があるといった場合、第1号、第2号に沿う、この部分も決してなおざりにされるべきものではないと私は思うのです。
 学習指導要領が新しい趣意書の中で表に出てきて、かえって教育基本法第2条の第1号、第2号から第5号までという、それぞれの条項についての尊重が確認できないような状態になると、それはまずいのではないかという気がしています。教育基本法に戻るということであれば、それもやはり重要なものとして理解して、文科省の側でやっていただきたいということが私の希望です。

【杉山会長】

 ありがとうございました。
 事務局サイドは重ねて何かございますか。

【大西企画官】

 ただいまの御指摘、教育基本法第2条の第1号、第2号、第3号、第4号、第5号、等しく重要であるという御指摘は全くそのとおりでございますので、改正した様式の場合に、それぞれがきちんと図書全体の中で踏まえられているということを確認するような様式にしたいと思ってございます。
 なお、教科によっては、編修趣意書の記載について、非常に頭を悩ましている教科もあるかと思います。例えば数学ですとか、そういったものはなかなかどれがどれというふうに書きにくいわけでございますが、その辺は各教科の特性に応じて記載していただければ結構かということを付言させていただきたいと思います。

【杉山会長】

 ありがとうございます。
 よろしゅうございますでしょうか。今の御指摘の点は、今後、事務局の方で強く受け止めていただきたいと思います。

【魚住委員】

 先ほどの御質問と説明のところでちょっと疑問に思ったのですが、先ほど説明されましたものは、93ページの学習指導要領の話は、こういう形式にするという話ですよね。ですから、ここは図書の構成・内容に関してのところと、その次は、学習指導要領の内容と書かれていますが、ここが教育基本法の第1条及び第2条という形になると理解してよろしいでしょうね。
 よろしいですか。

【杉山会長】

 どうぞ。

【魚住委員】

 続けて申し上げたいのですが、教育基本法の各項目、号ですが、第1号から第5号までという形で限定された書き方がされていますが、やはりこれは教育基本法の第1条及び第2条という教育の目的及び目標の両方が、問題になるのではないかと思います。
 その事柄というのは、資料4の4ページの4行目のところの図書の構成・内容全体において、同法の目標がどのように反映されているかを確認することができない。それで、今回やるという形ですが、これは、やはり教育基本法の第1条及び第2条で、教育の目的及び目標という形で、今回そういう形で明確にするというふうに私自身は受け取りましたが、それでよろしいでしょうか。

【大西企画官】

 おっしゃるとおりでございまして、教育基本法には、まず第1条で教育の目的ということが規定されているところでございます。
 教育の目的につきましては、2ページの一番上を御覧いただきますと、各教科共通の条件ということで、1の(1)でございますけれども、教育基本法第1条の教育の目的及び同法第2条に掲げる教育の目標に一致しているということを、平成21年の基準改正で明記しているところでございます。
 したがいまして、第1条の教育の目的が最も重要である構造は、検定基準でも踏まえられておりまして、その上での第2条に第1号から第5号までございますので、その目標に一致しているかどうかを、編修趣意書で確認をしていくという構造になっているかと思っております。

【杉山会長】

 どうぞ。

【魚住委員】

 やはり、2ページの基本条件が、正に基本だと思うんです。今回の御提案の5ページのところです。5ページの3項の丸3の極めて重大な欠陥の内容として、今回、教育基本法の第1条及び第2条の観点からしてという、要するに、基準になる視点を追加するという形で理解してよろしいでしょうか。

【大西企画官】

 そのとおりでございます。

【杉山会長】

 よろしゅうございますでしょうか。

【魚住委員】

 はい。

【杉山会長】

 ありがとうございました。それでは、ほかに御意見等がございましたらお願い申し上げます。どうぞ、先生。

【鈴木委員】

 ありがとうございます。
 実は、9ページに、全ての検定意見書等についてホームページに掲載するという形で公開を徹底するとあります。私は、この趣旨には全く賛成なんですが、公開をホームページでいたしますと、どうしても日本だけではなくて、近隣諸国はもちろんのこと、あらゆる地域からこれにアクセスしてくるということになります。そうすると、全ての人が教育基本法や日本の教育の基本的な枠組みを知らない可能性があって、恐らく判断をするということが起こり得るので、できればホームページに掲載する際に、1つだけお願いがございます。
 それは、日本の教育基本法は、ユネスコの精神に非常に即した格好で出来上がっている、ある面でいうと、世界でもあまりない法律だと私は理解しているのですが、そういう国際的な協調や国際理解に基づいているという、何らかの国際的な判断、国際的な基準がやはりどこかに書かれていた方が、説得力が強くなるのではないか。
 ホームページは、どうしても全く知識を持たない人が読んで、予断で偏見を持たれると非常に困りますし、注目されているだけにどこかで国際的なスタンダードを尊重していることを書き込んでいただくと、非常にプラスになるのではないかと思うのですが、事務局では、そういうことを検討していただけないでしょうか。

【杉山会長】

 ありがとうございました。

【大西企画官】

 誠にごもっともな指摘でございますので、勉強させていただいて、先生のお知恵もお借かりして、検討したいと思います。ありがとうございます。

【杉山会長】

 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでございましょうか。
 どうぞ。よろしくお願いいたします。

【橋本委員】

 ただいまの意見に付け加えてでございますが、私も公開するということは、もう現状に即して大賛成ですけれども、当然、国内外からの意見等も多く寄せられると思います。そういう意見が寄せられた後の対応だとか体制、当然、文科省が窓口でやるわけだと思いますけれども、特にそういう対応・体制について既にお考えになっているのか、どうか。
 お考えになっていないのであるならば、やはり、そういう体制も作っておく必要があるのではないかと思います。
 以上です。

【杉山会長】

 ありがとうございました。いかがでしょうか。

【大西企画官】

 これにつきましても、今後、十分踏まえて検討させていただきます。ありがとうございます。

【杉山会長】

 大変ありがとうございました。ほかにはいかがでございましょうか。どうぞ。

【中森委員】

 恐れ入ります。同じ9ページのところなのですが、丸1のところで、これまでの議事概要をより具体的にという御提案がありまして、それ自体には賛成ですけれども、もう少し詳細をお聞きしたいのですが、これは、例えば、小委員会の1回ごとの議事に関してということでしょうか。あるいは、最終的に1つの教科書に対する判断としてということでしょうか。それが1点です。
 例えば、御説明にあったような申請図書全体についての課題ということが出てしまいますと、今でも出てはいるんですけれども、採択への影響は、もしかしたら、今までよりも大きくなる可能性がある。
 当然、これは合格の場合は、合格の教科書として出すわけですから、そこに課題はあったけれども、こういうふうに解決されたという、その解決のところまでも、やはり議事概要として掲載されるべきだとは思うんです。そうしますと、やはり、議事概要といえども、一つ一つについて随分と詳しく書いていく必要が出てくるのかなとは思うのですが、確認ということでお願いいたします。

【杉山会長】

 よろしくお願いいたします。

【大西企画官】

 議事概要につきましては、現在も1回、1回の会議ごとにまとめさせていただいておりますので、小委員会の第1回の会議、第2回の会議といった単位で議事概要を作成するということとしております。
 特記事項につきまして、どの程度記載するかということにつきましては、やはり、より具体的に書き込むということになりますと、正確性の観点から非常に繊細なことになってございますし、また、そういったことが公になってきますと、現在の検定審議会は、検定意見でもって意思を伝達するという基本的な仕組みになってございますので、仮に事後的であっても、それとの関係で静ひつな環境が保たれるかという問題も出てくると思います。
 その辺について、採択との関係も考慮しながら、非常に限定的なものになるかもしれませんけれども、それについて、また、なお検討させていただいて、運用していければと考えているところでございます。

【杉山会長】

 よろしゅうございますでしょうか。

【中森委員】

 はい。

【杉山会長】

 ありがとうございました。
 そのほかにはいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、大体時間も参りましたので、本日の議題に関しての直接の議論は、この辺りまでとさせていただきたいと存じます。
 大変重要な懸念あるいは視点、配慮すべき事柄等々を御示唆いただきましたので、これを事務局に受け止めていただいて、次回の議論に向けて整理をしていただくということをお願いしたいと思っております。
 ここで、今後の検討予定について、事務局から御説明を頂戴したいと思います。

【大西企画官】

 今後の教科用図書検定調査審議会総会の開催について申し上げます。
 次回は12月中下旬での開催を予定しております。詳しい日程につきましては、追って事務局より御案内を差し上げることとしておりますので、年末の非常にお忙しい時期で恐縮ではございますが、御出席賜りますようよろしくお願いいたします。

【杉山会長】

 ありがとうございました。
 本日の議事は以上でありますけれども、加えて、直接今日の議題に関わらなくとも、全体的な観点からここで御発言がございましたら、お願い申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、特段ないようですので、本日はここまでといたしたいと思います。
 下村大臣には、最後までお聞き届きいただきまして、大変ありがとうございました。

【下村大臣】

 ありがとうございました。

【杉山会長】

 それでは、本日の総会をこれで閉会させていただきます。大変ありがとうございました。

 

―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局教科書課検定調査第三係

増田、鈴木
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線3295)

-- 登録:平成25年12月 --