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参考資料2 教科書検定の改善に関する検討課題(平成28年9月8日総会資料)

参考2  平成28年9月8日総会(第1回)資料

教科書検定の改善に関する検討課題



(1) 次期学習指導要領の実施に向けた教科用図書検定基準の改正
 次期学習指導要領については、本年8月の中央教育審議会教育課程部会において「審議のまとめ」がとりまとめられた。今後、年内にとりまとめられる予定の中央教育審議会からの「答申」を踏まえ、平成28年度中に小・中学校、平成29年度に高等学校の学習指導要領の告示が見込まれる。このため、教科用図書検定基準を次期学習指導要領を踏まえたものとすることが必要である。
○ 育成を目指す資質・能力に基づく指導内容の見直しに対応し、主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)の視点に立った学びの過程の質的改善を実現するための教科書記述
○ 教科・科目の新設・改編等への対応 等

<現状>
・ 現行の検定基準では、「各教科共通の条件」として、学習指導要領の総則に示す目標との一致とともに、「内容」「内容の取扱い」で示す事項を不足なくとりあげることや、これらに照らして不必要なものはないことが規定されている。
・ また、「各教科共通の条件」に加えて、各教科ごとに、その特質を踏まえた「各教科固有の条件」が規定されている。
・ 教科書への記載が許容される「発展的な学習内容」の取扱いについては、「各教科共通の条件」で規定されている。


義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成21年文部科学省告示第33号)
第2章 各教科共通の条件
2 選択・扱い及び構成・排列
 (選択・扱いの公正)
 (5)話題や題材の選択及び扱いは、児童又は生徒が学習内容を理解する上に支障を生ずるおそれがないよう、特定の事項、事象、分野などに偏ることなく、全体として調和がとれていること。
 (6)図書の内容に、児童又は生徒が学習内容を理解する上に支障を生ずるおそれがないよう、特定の事柄を特別に強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。
 (発展的な学習内容)
(16)発展的な学習内容を取り上げる場合は、それ以外の内容と区別され、発展的な学習内容であることが明示されていること。

第3章 教科固有の条件
 [社会科(「地図」を除く。)]
2 選択・扱い及び構成・排列
 (2)未確定な時事的事象について断定的に記述していたり、特定の事柄を強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。
(3)近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示されているとともに、児童又は生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。

高等学校教科用図書検定基準(平成21年文部科学省告示第166号)
第3章  各教科固有の条件
 [理科]
2 選択・扱い及び構成・排列
 (2)実験及び観察については、学習指導要領に示す目標、学習指導要領に示す内容及び学習指導要領に示す内容の取扱いに基づき、学習内容と一体のものとして扱われていること。



<検討課題>
1. 次期学習指導要領においては、育成を目指す資質・能力に基づく指導内容の見直しに対応するとともに、主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)の視点に立った学びの過程の質的改善の実現が求められる。このような点を踏まえた教科書となるよう、共通基準において適切な配慮を求めてはどうか。その際、学習内容の見直しにとどまらず、育成を目指す資質・能力、学びの過程を一体的に捉えた改定が次期学習指導要領で行われる見込みであることに留意が必要ではないか。
 
2. 次期学習指導要領においては、小学校高学年における外国語、高等学校における共通教科理数が新たに教科として位置付けられる方向であることに加え、高等学校地理歴史科に「地理総合(仮称)」、「歴史総合(仮称)」が、公民科に「公共(仮称)」が新たに設置されるなど、各教科内でも、構成の見直しが見込まれている。このため、これらの内容の具体的な検討状況をみつつ、「各教科固有の条件」の見直しについて検討してはどうか。
 加えて、高大接続システム改革会議「最終報告」(平成28年3月31日)において、「歴史系科目や生物など、高等学校教育における教材で扱われる用語が膨大になっていることが学習上の課題となっている科目」について、各教科の「見方・考え方」につながる主要な概念を中心に、用語の重点化を図ることが重要と指摘されている。これについては、必要な用語の在り方を含む次期学習指導要領の当該科目における整理を踏まえ、必要に応じた対応を図ることとしてはどうか。
 
3. 現行の検定基準において、社会科、地理歴史科及び公民科の「各教科固有の条件」では、見解や事実が未確定な時事的事象や近現代の歴史的事象については、バランスがとれた記述となっているかどうかを審査する規定が置かれているが、1.の趣旨を踏まえ、より児童生徒が多面的・多角的に事象を考察することができるような記述とすることについても基準上明確化してはどうか。
 
4. 現行の検定基準において、高等学校理科の「各教科固有の条件」において、「実験及び観察については、…学習内容と一体のものとして扱われていること」が規定されているが、どのような場合に実験及び観察が学習内容と一体のものとして扱われるかについては必ずしも明らかでないため、実験及び観察について一体と扱われるべき学習内容は「本文の主たる記述」であることを基準上明確化してはどうか。
 
5. 現行の検定基準において、「各教科共通の条件」では「発展的な学習内容を取り上げる場合には、それ以外の内容と区別」されていることが定められているが、教科の特質に応じて取扱いが異なる点もある現状を踏まえ、多様な教科書記述に統一して対応できるよう「各教科共通の条件」を見直してはどうか。
 
6. その他各教科においても、検定基準の運用を踏まえて、検討すべき点があるか。
 
 (2)デジタル教科書の導入の検討に関連した教科用図書検定基準の改正
 本年6月の「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議中間まとめ(以下「デジタル教科書会議中間まとめ」という。)において、デジタル教科書についての考え方が提言されているところ。これを踏まえ、デジタル教科書及び関連する課題と教科書検定の関係について、検討する必要がある。
○ URLやQRコード等の取扱い等

<現状>
・ 現行の検定基準では、URLやQRコードに関して、検定基準上で明確な取扱いは定められていない。学習上参照させるウェブサイトを「各教科共通の条件」における「引用」と解して、各教科の特質に応じ、当該コンテンツの内容を可能な範囲で調査する運用が行われてきている。
・ 参照先が「各教科共通の条件」の「特定の営利企業、商品などの宣伝」に該当すると判断されるケースもある。


義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成21年文部科学省告示第33号)
第2章 各教科共通の条件
2 選択・扱い及び構成・排列
 (特定の企業、個人、団体の扱い)
 (7)図書の内容に、特定の営利企業、商品などの宣伝や非難になるおそれのあるところはないこと。
 (引用資料)
(9)引用、掲載された教材、写真、挿絵、統計資料などは、信頼性のある適切なものが選ばれており、その扱いは公正であること。



 高等学校教科用図書検定基準(平成21年文部科学省告示第166号)
第3章  各教科固有の条件
 [外国語科]
1 選択・扱い及び構成・排列
 (3)外国語科の各科目において、図書の内容と一体のものとして、視聴覚教材などが必要とされる場合は、相互に適切な関連が図られていること。



<検討課題>
1. デジタル教科書会議中間まとめ(平成28年6月)においては、紙の教科書と同一のコンテンツであるものをデジタル教科書とした上で、
1 )デジタル教科書については、改めて検定を経る必要はないとすることが適当、
2 )動画や音声等は、学習効果が期待されるものの、検定を行うことが困難、かつ、必ずしも適当ではないことから、検定を要しない教材とすることが適当、
と整理されているが、このような方向性で良いか。
 
2. デジタル教科書会議中間まとめにおいては、今後、紙の教科書においても、動画や音声等を含めて教科書の内容と関連のあるさまざまな教材にアクセスするためのURLやQRコードを紙面に掲載される例の増加も見込まれることから、これらについての検定上の取扱いについて、次期学習指導要領の実施に併せた教科書制作に間に合うよう、教科用図書検定調査審議会での審議が求められている。
 現行の検定基準においては、URLやQRコードの教科書上の取扱いについて定められておらず、事案に応じての対応となっているが、各教科における取扱いを統一するため、「各教科共通の条件」において明確化してはどうか。
その際、URLやQRコードが参照する情報自体は、教科書そのものではなく、あくまでも学習上の参考情報として供するものであることから、掲載されたURL等が明らかに不適切な情報でないことに限り審査することとしてはどうか。 また、審査対象を明確化するため、検定申請時にはURL等が参照させるウェブサイトの内容が分かる資料を紙媒体で添付して提出させることとしてはどうか。
 一般のウェブサイト上の情報は、リンクが切れたり、内容物を変えることことも容易という可変性を有するものであるため、その内容について発行者の責任の下で教科書への掲載がなされることが必要である。このため、教科書上に掲載するURL等は、発行者自身のサイトに限ることとしてはどうか。
 
3. デジタル教科書会議中間まとめにおいては、新学習指導要領において、外国語教育とりわけ小学校外国語科について、主たる教材である教科書に音声を加える必要が高いという意見や、「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」をバランス良く習得するため、教科書がその役割を適切に果たすことができるようにするためにデジタル教科書を導入する意義が大きいという意見があった旨が言及されている。
このため、上記1.のURLやQRコードに係る「各教科共通の条件」に加え、例えば、外国語の教科書の内容を音声化したものを発行者のサイトに掲載した場合についてはURL等の掲載を許容することなどについて、外国語の「各教科固有の条件」に取扱いを位置付けてはどうか。
その場合、URL等が参照する情報自体は教科書そのものでないことに留意しつつ、音声につき一定のチェックをすることをどう考えるか。また、チェックの程度にもよるが、音声に特化して確認を行う専門委員の委嘱など、検定に係る事務体制の充実を行うことが必要になるが、どう考えるか。
     
(3) 検定手続を改善するための教科用図書検定規則の改正

○誤記誤植など欠陥を減少させるための訂正申請手続の在り方

<現状>
・ 教科書の訂正申請制度は、児童生徒が充実した学習を進められるよう検定済図書の記述をより適切に改善するため、誤記、誤植、脱字や客観的事情の変更に伴い明白に誤りとなった事実の記載、学習を進める上で支障となる記載、更新を行うことが適切な統計資料の記載について、発行者が文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行うものである。
・ 検定済図書の1年間の訂正件数は、箇所数で約4万6千件にも上り(平成27年度)、本来的には発行者の責任において、申請前、供給前に十分な吟味の上で事前に訂正しておくべき誤記、誤植、脱字など内容の同一性を失わないような欠陥の修正も多い。
・ 単純な誤記等の減少について発行者の自覚を促すとともに、訂正申請手続の効率化を図る必要がある。


教科用図書検定規則(平成元年4月4日文部省令第20号)
(検定済図書の訂正)
 第14条 検定を経た図書について、誤記、誤植、脱字若しくは誤った事実の記載又は客観的事情の変更に伴い明白に誤りとなった事実の記載があることを発見したときは、発行者は、文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行わなければならない。
2 検定を経た図書について、前項に規定する記載を除くほか、学習を進める上に支障となる記載、更新を行うことが適切な事実の記載若しくは統計資料の記載又は変更を行うことが適切な体裁があることを発見したときは、発行者は、文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行うことができる。
3 第1項に規定する記載の訂正が、客観的に明白な誤記、誤植若しくは脱字に係るものであって、内容の同一性を失わない範囲のものであるとき、又は前項に規定する記載の訂正が、同一性をもった資料により統計資料の記載の更新を行うもの若しくは体裁の変更に係るものであって、内容の同一性を失わない範囲のものであるときは、発行者は、前2項の規定にかかわらず、文部科学大臣が別に定める日までにあらかじめ文部科学大臣へ届け出ることにより訂正を行うことができる。
4 文部科学大臣は、検定を経た図書について、第1項及び第2項に規定する記載があると認めるときは、発行者に対し、その訂正の申請を勧告することができる。
5 第3条の規定は、第1項又は第2項の承認について準用する。



<検討課題>
1. 教科用図書検定規則第14条では、訂正に係る承認事項について、訂正を行わなければならない「誤記」等(第1項)と、訂正をすることができる「学習を進める上に支障となる記載」等(第2項)が規定されており、これらのうち一定のものは届出により訂正することができることとされている(第3項)。この際、教科に応じて幅広に解釈して認められていた「誤記」等、訂正のための要件を整理してはどうか。
また、発行者に訂正届出制度の活用を促すため、統計資料の更新等緊急度が低い訂正承認事項については、申請の始期を現行の検定決定直後からではなく一定の時点を定めてはどうか。
 
2. 現行では、検定決定直後の訂正申請においても、見本本作成に間に合わせるために大きな修正が申請されるケースも見受けられる。
このため、発行者に対しては、見本本作成に間に合う時期でなくとも教科書供給前までに訂正申請を行うことが可能であることを改めて明らかにしてはどうか。
また、  訂正申請であっても実質的な変更を加えると判断される案件については、積極的に審議会に付議することとしてはどうか。
 
3. 記述の正確性の向上を図るため、平成27年度分から検定に係る「客観的に明白な誤記、誤植、脱字があった箇所」数の一覧表について、申請者名を記載した上で、文部科学省ホームページでも公表されていることと同様に、訂正申請において訂正がなされた客観的に明白な誤記等の数についても、申請者名を記載した上で、文部科学省ホームページにおいて公表することとしてはどうか。
 
○ 検定申請者の在り方

<現状>
・ 現在、教科書の著作者又は発行者であれば誰でも検定を申請することが認められており、それ以上に特段の審査を行う仕組みとなっていない。


教科用図書検定規則(平成元年4月4日文部省令第20号)
(検定の申請)
 第4条 図書の著作者又は発行者は、その図書の検定を文部科学大臣に申請することができる。
2 前項の申請を行うことができる図書の種目並びに各年度において申請を行うことができる図書の種目及び期間は、文部科学大臣が官報で告示する。
3 (略)



<検討課題>
1. 近時、教科書発行者による教科書採択の公正性・透明性に疑念を生じさせる不公正な行為が相次いで発覚しており、社会的に大きな問題となっている。このため、教科書に関する公正性・透明性を確保する方策の一環として、不公正な行為を行った発行者に対し一定の場合には検定申請を認めないこととしてはどうか。
 
2. 仮に1.の仕組みを設ける場合、具体的なペナルティの内容はどのようなものが適当か。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課

-- 登録:平成29年01月 --