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大学等におけるゲノム研究の推進について(報告 概要)(学術審議会特定研究領域推進分科会バイオサイエンス部会 平成11年6月17日))

平成11年6月17日
学術審議会

1 経緯

 ゲノム研究においては、従来からの国際的プロジェクトとしてのヒト・ゲノム解析プログラムが進められているが、2003年頃には、ヒトゲノムの全塩基配列が決定されるとの予測もあり、ポストシーケンス時代においては、人種や民族・集団から個人に至るまでのヒトゲノム多様性に関する研究や、微生物、植物、モデル動物等、ヒト以外の多様な生物のゲノム研究が、重要な課題として認識されるようになってきた。
 こうした状況をも踏まえ、学術審議会特定研究領域推進分科会バイオサイエンス部会
 (部会長:井村裕夫科学技術会議議員)では、従来の「ヒト・ゲノムプログラム推進小委員会」を「ゲノム研究推進小委員会」(主査:吉川寛奈良先端科学技術大学院大学教授)へ改組し、大学等におけるゲノム研究の推進について昨年7月以来審議を行い、その成果を本年2月に中間報告として取りまとめた。その後、大学や研究機関等に意見を求めるとともに、バイオサイエンス部会において引き続き審議を行い、最終的な報告とした。

2 概要

第1章 「ゲノム研究とその意義」

 ゲノム研究は、生命の起源と進化の理解に革命的な進歩をもたらすとともに、がんや生活習慣病、老人性痴呆症等多くの疾患の解明を促進し、診断・治療・予防法の開発を通じて医療に貢献し、さらには食糧・環境問題の解決にも寄与する。

第2章 「ゲノム研究の現状と問題点」

 10年前にヒトゲノム解析計画が開始され、アメリカが世界をリード。日本はイネや線虫のゲノム解析で成果を挙げているが、情報系の人材不足等の理由により、大量の情報処理に遅れ。ゲノム科学は、情報科学と生命科学が融合し、人文・社会科学をも巻き込む新しい科学の枠組みであるため、研究の推進と人材の養成において大学が最も中心的な役割を担わなければならない。

第3章 「ゲノム研究の今後の推進課題と推進方策」

 ゲノムの塩基配列決定、機能解析、情報科学研究を推進し、あらゆる疾患が遺伝子に原因を持つことからゲノム医学を緊急に推進すべきである。
 研究体制としては、急速に進展している欧米との競争に遅れないために、ゲノム科学とゲノム医学において先導的研究を展開する研究拠点に集約する必要がある。
 研究費については、科研費特定領域研究に総合ゲノムを設定して推進領域の選択や若手の抜擢を行う研究費を申請することも考えるべきである。
 また、ゲノム研究は社会的倫理的問題を含めた人文社会学的要素をも取り入れつつ、ユネスコヒトゲノム宣言を尊重して研究が進められるべきであり、対社会方策として、情報公開やゲノムに関する知識の普及啓発が必要である。

お問合せ先

学術国際局研究助成課

-- 登録:平成21年以前 --