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科学技術創造立国を目指す我が国の学術研究の総合的推進について (審議経過報告)

平成11年3月2日
学術審議会
学術研究体制特別委員会

○ 審議経過

 昨年1月14日に文部大臣から学術審議会に対して「科学技術創造立国を目指す我が国の学術研究の総合的推進について」諮問が行われた。
 それを受けて、学術審議会では、学術研究体制特別委員会の下に基本問題小委員会と研究基盤小委員会を設置して審議を進めている。昨年7月28日に開催した学術審議会総会(第94回)では、主に基本問題小委員会で審議した学術研究を総合的に推進する上での基本的考え方について、主な意見を整理して報告した。
 その後、昨年9月以降の基本問題小委員会においては、文部大臣の諮問理由の中で示されている審議事項のうち、(1)人文・社会科学研究の推進、(2)学術研究の社会的協力・連携の推進、(3)学術国際交流の推進、(4)研究評価、(5)学術研究に関する国民理解の増進等について計10回(第7回~16回)の審議を行った。
 また、研究基盤小委員会においては、(1)研究体制(研究組織、研究施設・設備、研究支援体制)、(2)研究者の養成・確保、(3)研究費等について計11回(第2回~12回)の審議を行った。
 さらに、審議を深めるため、基本問題小委員会には、学術研究の社会的協力・連携ワーキング・グループ(以下「WG」という。)(2回開催)、学術国際交流WG(3回開催)及び研究評価WG(3回開催)を設置するとともに、研究基盤小委員会には、研究者の養成・確保WG(2回開催)を設置し、併せて10回の審議を行った。
 本委員会においては、今後、学術研究の総合的推進のための基本的方向及び具体的施策について、中間まとめ及び答申に向けて審議を重ねていくこととしているが、これまでの両小委員会等における主な意見を整理したので、報告する。

-目次-

〔基本問題小委員会において審議した事項〕
○人文・社会科学研究の推進
○学術研究の社会的協力・連携の推進
○学術国際交流の推進
○研究評価
○学術研究に関する国民理解の増進

〔研究基盤小委員会において審議した事項〕
○研究体制(研究組織)
○〃(研究施設・設備)
○〃(研究支援体制)
○研究者の養成・確保
○研究費(科研費を除く。)

〔関係委員会等名簿〕
○学術審議会学術研究体制特別委員会
・基本問題小委員会
 学術研究の社会的協力・連携ワーキング・グループ
 学術国際交流ワーキング・グループ
 研究評価ワーキング・グループ
・研究基盤小委員会
 研究者の養成・確保ワーキング・グループ

人文・社会科学研究の推進(主な意見の整理)

[現状と基本的方向]

(人文・社会科学研究の重要性)

○ 人文・社会科学は、人間やその帰属集団の本質や行動を対象とする学問であり、文化的諸問題あるいは社会的・経済的・政治的諸問題への対処や解決のための基礎を提供するものである。また、特に人文学は、人間の精神生活の基盤を築くとともに、自己の存在意義や祖先から継承した文化の本質を明らかにすることを通じて、人間が今後歩むべき道を照らすものである。このような人文・社会科学は、自然の法則を探求する自然科学とともに重要な文化的価値を有し、長期的な文化の発展、社会の繁栄に貢献するものであり、これを積極的に推進することが必要である。

○ さらに、21世紀が間近に迫った今日、改めて人文・社会科学研究の推進を学術研究推進の課題として取り上げる背景としては次の点が考えられる。

  • 高度に発展した現代社会においては、自然科学及びそれを基盤とする技術が果たす役割は極めて大きい。しかし、自然科学及び技術の成果は、社会の発展や生活の向上に貢献する一方で、人類の生存や基本的な倫理観すら脅かすことがある。
    地球環境問題や生命倫理問題がその例であり、これらの問題は21世紀に一層深刻化すると予想されるが、自然科学や技術そのものだけではそれを解決できないと考えられる。
  • 社会構造の変化などを背景に、人文・社会科学が取り組むべき課題も増加している。民族的・宗教的対立のように、古くて新しい問題に加えて、情報化の進展等に伴う生活の複雑化、人口構成の高齢化、外国人の増加等に伴う社会構造の変化、既存の経済理論では予測・対処できないような経済変動など、現代社会が抱える問題で人文・社会科学が取り組むべきものが増加している。また、それらの中には、人口構成の高齢化などのように、21世紀に極めて深刻な問題として顕在化してくるものもある。

(人文・社会科学研究の現状と基本的方向)

○ 人文・社会科学は、その多くが個人研究中心の学問であり、その進展は、研究者個人の意識に負うところが大きく、各種推進施策の効果にも自ずと限界がある。したがって、人文・社会科学の発展のためには、個々の研究者が人文・社会科学に期待されている諸課題に積極的に取り組んでいく姿勢を持つことがが何よりも重要である。

○ 人文・社会科学、特に人文学においては、分野・領域によって研究者の層が極端に薄いものがあるが、古典などのように文化の継承などの観点から大切にしていくべきものや、特定地域の言語のように学問の総合的発展の観点から大切にしていくべきものもあるので、大学院や研究機関の整備の際には配慮することが必要である。

○ 人文・社会科学においても、自然科学と同様に学問の進展とともに細分化が進んでおり、全体的展望や体系性が失われてきている。一方で、人文・社会科学が取り組むべき課題は、様々な学問分野の成果を結集しないと解決できないものが多く、複合領域研究、さらには学問の統合が必要である。
 しかしながら、複合領域研究に取り組む手法を学生に教える体制も極めて不十分であり、そのための研究組織もほとんど準備されていない。さらには、教育研究組織が細分化された学問に即して編成されているため、地域研究のような学問の統合に向かう学問分野が出てくると旧来の組織を維持したまま新たな組織を創るなどして対応しようとする傾向がある。

○ 人文・社会科学、特に社会科学は、人間やその帰属集団である社会を取り扱うものであるにもかかわらず、実際には現実の社会的課題に取り組む姿勢が弱いとの指摘もある。このため、人文・社会科学研究の成果から実社会の問題解決の手がかりになるような知見があまり出ていない。今後、社会的要請をも踏まえ、社会的課題に取り組む研究を推進していくことが必要である。

○ 人文・社会科学においては、国内に向かって外国の研究方法や成果、文化を紹介するにとどまり、我が国の研究成果を世界に発信することが少なかったことや、国際交流が低調であることを指摘する声も多い。

○ 近年、自然科学の発展とともに、一般に価値判断を研究活動から排除するような傾向が見られるが、最先端の研究分野においては人間の価値観の根底に触れるような研究が増えてきている。このような問題においては、人文学の研究者が自然科学の研究者とともに取り組み幅広い観点から対応を考えていくことが必要である。また、自然科学の研究者自身も、自分の研究活動を律していくための倫理的な視点を持つように努めることが必要である。

○ 学術研究は、科学技術の基盤として人類・社会にとって様々な有用な成果をもたらす。しかし、それは、時として予期できない負の効果、場合によっては人類・社会にとっての脅威をももたらすことがある。
 このため、このような予期できない負の効果をできるだけ予期可能なものにしていくための仕組みを構築することが必要になっている。

[具体的施策]

○ 人文・社会科学研究においては、図書・資料、データベースそのものを始め、これらの情報を検索するためのシステムや情報通信システムの整備が極めて重要であり、これらを総合的に整備し、研究のための情報基盤を充実することが必要である。
 特にデータベースについては、それが効果的に活用されるように、全国的あるいは国際的に共用される大規模なものを構築することについても検討することが必要である。

○ 複合領域研究の推進や学問の統合のためには、優れた複数の研究者が相互に刺激しあいながら研究に専念することが大切であり、そのためのCOEとなる研究組織を形成することが必要である。その際には、研究者が一定期間その研究組織に在籍し、元の大学等に戻れるような制度を活用することが望ましい。
 また、人文・社会科学研究の推進のためには、複合領域研究の課題などについて多くの研究者の参加を得て大規模なプロジェクト研究を推進することも有効と考えられる。

○ 研究者が世界水準の研究に取り組み、国際交流も積極的に推進していくような環境を醸成していくためには、人文・社会科学研究の特性に配慮した厳しい評価が必要である。その際、学問の細分化を進めることになる論文だけに依存した評価でなく、広がりを持った専門研究者の連携の下に、国際的な視点も含む評価を行うことが必要であり、その一環として例えば、学術審議会に人文・社会科学の学問の動向や研究状況などを分析・評価する組織を設けることも考えられる。また、その際人文・社会科学における評価についても、新しい学問の芽ばえを評価することなども含め、その在り方について研究が進められることが必要である。

○ 地域研究は、世界の諸地域についての人類の営みに関わる諸事象を総合的に把握して地域の全体像を理解することを目的とする複合領域研究であり、人文・社会科学研究の理論・方法・体系に新しい刺激を与え、学問の統合や再編成を促す可能性を持っている。また、地域研究に係るデータ・資料は、個々の研究者が保有していることが多いが、その継続的な拡充のためには、中核的な研究機関において集中的に蓄積・整備していくことが望ましい。このため、地域研究のCOE構築を目指して中核的研究機関あるいはネットワークの整備について検討することが必要である。

○ さらに、地域研究は、諸外国の研究者との交流を通じて、人文・社会科学の各学問分野の研究交流を促進することになる。このため、例えば、日本学術振興会の海外研究連絡センターを活用するなどして、海外における地域研究の拠点を整備していくことが必要である。

○ 人文・社会科学における社会的課題への取組を強化するためには、大学等の研究者が比較的若いうちに一定期間、行政機関や企業等で政策の企画・立案業務等に携わる機会を持つことが大切であり、そのための関係制度の整備が必要である。

○ 現代的な社会的課題に関する研究が学会から評価されにくい傾向があることも踏まえ、学会誌の対象者よりも広がりを持つ人々を対象として研究成果を発表できる出版物が必要であり、そのために必要な支援を行うことが大切である。

○ 人文・社会科学は自然科学と異なり、それぞれの国・地域の歴史・社会構造と密接に関わっていることから、国際的な交流・協力、あるいは競争に馴染まない分野がある。このため、人文・社会科学においては、自然科学と比べて国際交流・協力が進展しない傾向があったが、今後、国際化の中でこれらの分野の一層の発展を期するためには、国際的な交流・協力を推進しつつ国際的評価の下で研究を進めることが必要である。

○ 特に、地球環境問題、人口問題やエネルギー問題などの地球規模の課題の解決のためには、人文・社会科学から自然科学までの幅広い分野にわたり、世界の研究者が協力することが必要であり、人文・社会科学分野の研究者も積極的に国際交流に取り組むことが大切である。

○ このため、外国人学生・研究者の受入れ、我が国の研究者の海外派遣、外国語による論文発表、国際的な共同研究・シンポジウムなどを積極的に実施することが必要である。

○ 人文・社会科学研究の推進においては、自然科学との研究対象の違いなどからくる研究手法の違いについて配慮することが大切である。例えば、科学研究費補助金について、より長い助成期間を可能にするなどの配慮を行うことが必要である。また、研究対象に係る現地に出向いて調査等を行うことが必須の研究領域については、長期間にわたり旅費等を含む経常的な研究を支援できる仕組みを検討することが必要である。

○ 国立大学の教官当積算校費は、長期間にわたり地道な研究を続ける場合が多い人文・社会科学研究にとって重要な経常的研究費であるが、この分野においてもフィールドワークや自然科学的研究手法等が一般化しているにもかかわらず、なお非実験系として扱われているものも多く、研究内容に相応しい経費が確保されていないとの指摘もあり、見直しが必要である。

○ 学術研究がもたらす人類・社会に対する正の効果と負の効果をあらかじめ把握して多面的かつ同時並行的に評価する俯瞰的な視点を備えた研究プロジェクトの仕組みを構築することが求められるようになっている。このため、人文・社会科学から自然科学まで、関係する分野・領域の研究者を幅広く含む研究プロジェクトの推進について検討することが必要である。

学術研究の社会的協力・連携の推進(主な意見の整理)

[理念と基本的方向]

○ 大学の基本的使命は、人材養成と学術研究の推進であり、それを通じて社会、さらには世界・人類に貢献している。
 このような大学本来の使命・役割を踏まえつつ、社会の各方面から寄せられる要請に、主体的かつ積極的に対応することは、社会にとっても大学にとっても有意義であり、社会貢献が大学の第3の役割として広く認識されつつある。

○ 特に、工業社会から知識社会への移行、社会のあらゆる局面での複合化などが進む中で、大学の役割自体が拡大・変化しつつあると同時に、実用化の研究や「実用化の後に来る研究」、社会の中での萌芽的な研究から新たな知見や発明、新しい学問分野が生まれるなど、教育研究活動そのものと社会との関係が益々緊密になっている。

○ これまで、我が国では、産学連携を主として産業政策上の必要性から論じることが多く、また、その活動も、個々の研究者と企業との間で進められる傾向が強かった。
 しかし、産学連携は、大学がその研究成果を社会全体に還元する有効なシステムであり、その活動を通じて、大学に対する国民の理解と支援を得るという観点からも重要である。
 特に、今日、新技術・新産業の創出を通じた我が国経済の活性化、「科学技術創造立国」が重要な課題となっており、大学の学術研究に対して寄せられる期待は大きい。
 したがって、今後は、大学がその社会的使命を果たす上で不可欠な大学自身の問題として、より積極的に、かつ、組織的に産学連携に取り組む姿勢が強く期待される。
 その際、我が国の大学の現状を考慮すると、まずは、連携・協力を行おうとする研究者が円滑に実施できるシステムの構築が焦眉の課題と考える。

○ もとより、産学連携は、大学の教育研究上有意義なものであるべきこと、大学の自主性・主体性の尊重が当然の前提であるが、同時に、大学と企業とがお互いに理解し合い、ギブ・アンド・テイクの精神で推進する必要があり、そのためにも、オープンで合理的な対応が求められる。
 また、研究成果を人類共有の財産とするため公表を原則とする大学と、営業上の秘密を当然のものとする企業との間の円滑な調整が求められるとともに、ボーダーレス化、グローバル化の中での連携・協力の在り方に留意する必要がある。
 さらに、個々の研究者が企業と連携する際には、社会的な疑惑や不信を招くことのないよう、研究内容の妥当性と手続きの透明性を確保するため、各大学が主体的にルールを明確化するとともに、モラルの確立に努めることが重要である。

[具体的施策]

1.社会的連携・協力の推進のための体制の整備

○ 国立大学では、理工系学部を置く大学を中心に、地域共同研究センター等の整備が進んでおり、産業界との研究協力の推進の場として、一定の成果を挙げている。
 しかし、大学の社会に対する「窓口」に加え、産と学とのリエゾン(仲介・連絡)の役割を積極的に果たしていこうとする場合、専任教官が原則として助教授一人という現在の体制は、十分とは言い難い。
 また、学内での迅速な意思決定と機動的な対応の可能なシステムが求められていることから、リエゾン機能を中心とした役割・権限の明確化とともに、企業のニーズと大学のシーズをつなぐ「産学のコーディネーター」の配置など組織体制の強化、施設・設備の拡充など、地域共同研究センター等のさらなる整備・拡充を進める必要がある。
 また、地域のニーズや大学のポテンシャル(潜在的能力)に対応し、例えば、社会科学系の学部を基盤とする共同研究センターや商業地区等へのサテライト・センターの設置など、多様な発展を推進していくべきである。

○ 国立大学等の敷地内に、民間の共同研究施設が整備されることにより、産学官の共同研究が一層促進されることが望まれる。
 また、民間と国が共同で施設を整備することについて検討する必要がある。

○ 大学が社会的連携・協力に組織的に取り組むためには、「産学連携推進機構」や「兼務教官制度」のような全学的な協力・支援体制の整備と研究協力部・課等の事務組織の強化・資質向上が重要である。

○ 大学と企業、特に中小企業との間のコミュニケーション・ギャップを埋める必要がある。
 また、企業の規模だけでなく、研究力やその進度等によって、大学に求めているものも異なる。
 従来、大学からの情報発信は、論文や学会発表が基本であるが、社会や企業が実際に必要としている情報を提供するには、その伝達の仕方や内容を考える必要がある。例えば、「研究者名鑑」なども、氏名や分野だけでなく、具体的なシーズを分かり易く紹介することが重要である。
 また、一つの大学で対応可能な研究領域には限界があることを考えると、公私立大学を含む複数大学の連携による広域的なインフォメーション、さらには全国的な情報提供システムの構築が効果的である。

○ アメリカでは、産学連携に伴う、大学の研究者の利害関係の衝突(コンフリクト・オブ・インタレスト)に対する管理の在り方が明確にされている大学が多い。
 我が国でも、現在の各国立大学等ごとに定められている倫理規程に加え、産学連携に係るルールをより明確にする必要があり、今後、国等がそのモデルを示すことなどにより、各大学における取り組みが推進されることが期待される。
 また、大学におけるチェック機能を強化するため、大学内に産学連携の在り方と倫理に関する委員会組織を設置することを検討すべきである。
 併せて、産学連携の諸活動について、大学等からの積極的な情報公開に努めるべきである。

○ 産業界や社会に対しても、制度やルールの共通理解が図られるよう、パンフレット等により、できるだけ分かりやすく具体的に示す必要がある。

○ 大学における産学連携の先進的な取り組みを支援するため、国が、内外の事例を収集したり、大学等と共同してモデル開発を行い、それらを広く関係者に紹介することが期待される。

2.連携・協力の推進に係る諸制度の改善

○ 大学の社会的連携・協力を促進する観点から、任期制の活用、兼業規制の一層の緩和等民間との人事交流の円滑化、会計制度の一層の弾力化を推進する必要がある。
 その際、諸外国の例は一つの参考となるが、公務員制度や大学の財政基盤など、背景となる事情がそれぞれ異なることに留意する必要がある。

○ 大学への外部資金の導入を一層促進するため、受入れ手続きの迅速化等に努める必要がある。
 また、大学の研究者が主体的に産学連携に向かうインセンティブを与えるため、研究目的であれば、できるだけ自由かつ迅速に外部資金を使用できるよう、一層の弾力化に努めるべきである。
 例えば、国立大学等に関し、奨学寄附金によりポストドクター(大学院博士課程修了者)等を雇用できるようにするとか、大学院生の旅費に使用できるようにするなど、使途の制約を可能な限り廃止するとともに、共同研究や受託研究に係る経費の委任経理金化を検討すべきである。
 併せて、大学の研究基盤の整備に資する観点から、外部資金に係るオーバーヘッド(間接的経費)の在り方についても、今後、検討が必要である。

○ 大学に関する制度改善、規制緩和措置が、大学の各学部・研究所等の現場まで必ずしも十分には徹底していないという指摘がある。このため、マニュアル等の形で、より明確に示すとともに、関係教職員に対する研修の充実に努める必要がある。
 また、国立大学等に関する制度改善等が、公立大学等においても、それぞれの実情に即しつつ、可能な範囲で実施に移されるよう、国は、各設置者に対して周知に努める必要がある。
 例えば、現在、公立大学には委任経理金制度がないが、その導入を望む声が強い。

○ 国立大学における民間等との共同研究制度は、金額、手続き等の面で、企業等から寄せられる多様な期待に十分には応えきれていないとの指摘がある。
 このため、より簡易な手続きによる共同研究制度の創設や、有料による技術相談制度の導入など、新たな研究協力制度について検討すべきである。
 また、共同研究に係る国の経費の確保など、国による財政的な支援の拡大が望まれる。

○ 産学連携を一層推進する上で、個々の研究者の共同研究や受託研究の実施、地域共同研究センター等の活動への参加、特許の取得などの取り組みが、研究業績として適正に評価されることが極めて重要である。
 また、学術研究を通じた社会貢献に対して、個人への経済的な還元を透明性を確保しつつ認めることについても、今後、検討していく必要があると考えられる。

○ 長引く景気の低迷などから、企業は寄附金を出しにくい状況にある。
 奨学寄附金等大学に対する寄附は、教育研究を充実させる上で極めて重要なものとなっており、今後とも、企業等が寄附をしやすい環境づくりが求められる。
 特に、寄附金税制に関し寄附金控除や損金算入限度額の拡大等について検討すべきである。

○ 私立大学における産学連携を支援するため、情報提供、各種助成制度の充実とともに、税制上の優遇措置の拡大が必要である。特に、国公立大学とのバランス上も、受託研究を行った場合の受託料収入の非課税措置が強く望まれる。

3.研究成果の社会での有効活用

○ 経済競争がグローバル化する中で、特許の取得・管理は益々重要なものとなっている。
 大学の研究者に対して、特許の取得は、社会での実用化等を通じた公益の増進につながるものであるという共通理解を図るため、啓発活動を行うことが望まれる。
 ただし、大学で主に担うべきものは、原理特許のような基本的な特許であることを意識することが望ましい。
 また、特許等研究成果の移転・活用に関する支援機能を強化するため、学内の相談及び外部との窓口を整備・充実するとともに、弁理士等専門家の積極的活用、教職員の研修等を通じ、技術移転等の専門知識を有する者の養成・確保に努める必要がある。

○ 大学等における研究成果(特許等)の企業への効率的な移転を促進することにより、大学等における研究活動の活性化や新規産業の創出等を図るため、昨年、「大学等技術移転促進法」が制定され、技術移転機関(TLO)の設置が進みつつある。
 この技術移転機関の設置促進や円滑な定着に資するよう、国の支援措置の拡充、関係する諸制度の改善等に努めることが望まれる。

○ 現在、国立大学における研究者の発明に係る特許権等については、原則として発明者個人に帰属させている。
 大学が、組織として産学連携に取り組む際の特許の重要性、収益の還元による教育研究活動の進展への寄与などを勘案しつつ、今後、特許等の取扱いについて検討する必要があると考える。

○ 当面は、特許申請の円滑化に資する観点から、各国立大学等に設置されている発明委員会の運営改善を進めるとともに、国有特許等の社会での有効活用を促進するため、科学技術振興事業団の諸制度、技術移転機関の活用も含め、現行の制度の周知と積極的な利用を推進する。

○ 国立大学教官の技術移転機関の役員への兼業を可能とするために、必要な措置を講ずるよう努めるとともに、ベンチャー企業等の役員への兼業の問題について、国民の理解の状況を踏まえ、引き続き検討を進める必要がある。

○ また、特許取得に対する研究者や大学の取り組みを促すため、研究評価における特許の位置づけの明確化、特許料収入の大学の研究費への還元、研究者への発明補償金の上限の撤廃など、インセンティブを高める措置が求められる。

4.地域との連携・協力の促進

○ 今日、地域において、大学に対する期待が高まっており、大学が、戦略的な拠点となって地域づくりに貢献するという視点が、今後、一層重要になるものと考えられる。
 このため、大学と地域、地方公共団体や諸団体等との協調・協力関係を構築する必要がある。

○ 例えば、大学と地方公共団体との間で、共同研究や受託研究を実施する、イベントを共催する、職員の派遣・受入れや地域と一体となったリエゾンシステムを構築する、研究施設を共同で設置・運営する、大学の後援法人や第3セクター等を通じた支援を行うなどの多様な取り組みが期待される。
 特に、地方公共団体には、大学と地域企業とをつなぐコーディネート機能の発揮が期待される。

○ さらに、現在、地方財政再建促進特別措置法により、国立大学に対する地方公共団体からの寄附等は禁止されているが、国立大学の地域への貢献、地域産業経済への波及効果が一層重要になっており、この規定の在り方について、今後、見直しが必要と考える。

学術国際交流の推進について(主な意見の整理)

○ 学術国際交流の推進については、すでに、「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」(平成4年答申)、「学術国際交流の推進について」(平成6年建議)等において基本的考え方や必要な諸施策を提言したところであり、その提言が十分に実行に移されることを改めて期待するものである。このことを前提としつつ、今次検討に当たって、大学・共同利用機関の国際化、学術国際交流の戦略的推進、アジアを中心とした学術交流・協力の推進の三つの課題を特に取りあげ重点的に検討する必要がある。

1 大学・大学共同利用機関の国際化の推進

[基本的方向]

○ 我が国の学術研究の振興を図るためには、我が国の大学等において相当数の優れた外国人研究者が活動を展開する状況を作り出すことが重要であり、我が国の大学等は一部を除き国際化が進んでいないとの認識の下に、我が国の大学等の一層の国際化を積極的に推進することが必要である。

○ 大学等の国際化は、それぞれの機関や組織の必要性に応じて進められるべきものであるが、特に大学共同利用機関や研究志向の大学においては国際化を優先的に進める必要がある。

○ 今後の学術研究の振興の展開を図る上で大学等の教育・研究両面における国際化を進めることは重要な課題である。大学等の国際化を着実に進めていくためには、国際化推進のための方策を講じつつ、中・長期的には日本人と外国人について別立ての取り扱いを収斂させる方向で諸制度を検討する必要がある。

[具体的施策]

(1)外国人研究者雇用の推進

○ 自ら目標を設定し、外国人研究者の雇用・受入を推進する研究組織については、目標実現に向けた重点的支援を行うべきである。

○ 研究組織が高い研究水準を達成し活力ある研究活動を展開していく鍵は優れた研究者の確保にある。特に、指導的立場に人材を得ることは極めて重要な意味を持つものであり、欧米諸国の研究組織においては、これらの研究者の確保に当たって、内外を問わず優れた研究者を集める体制を備え、世界第一線の研究を展開している。
 今後、我が国においても、このような観点から、外国人研究者をプロジェクトリーダー等として迎えるなどの外国人研究者雇用の方策を検討する必要がある。

○ 外国人研究者の正規雇用のほかに、外国人客員の拡充や様々な資金を活用した契約による雇用などの外国人研究者雇用の増加策を検討する必要がある。

○ 優れた研究者を確保するためには機動的で競争的なリクルートと魅力的な雇用条件が重要であるが、研究業績に見合った国際的なレベルでの処遇や特別な研究費等のインセンティヴなどの柔軟な措置や任期付きの雇用の場合の処遇の特例について検討する必要がある。

○ 外国人研究者の負担を軽減する観点から、諸手続の合理化と迅速化により受入の一層の円滑化を進める必要がある。

(2)外国人研究者招致の拡充

○ 組織の国際化にとって、外国人スタッフの雇用とともに、ある一定期間外国人研究者を受け入れる招致事業の拡充も重要である。日本学術振興会の招致事業について、世界的に著名な研究者の招致とともに、特に若手研究者の招へい事業について制度の改善を行いつつ一層の拡充を進めるべきである。

○ いわば研究者の予備的段階にあると言える大学院博士課程学生についても研究交流の機会を充実させることが重要である。留学生制度との関係に留意しつつ、大学院レベルでの研究交流機会増大について検討すべきである。

(3)外国人研究者受入れ体制・環境の整備充実

○ 外国人研究者宿泊施設や研究スペースの確保などの物的条件整備とともに、大学等の国際交流担当部局の組織整備や担当職員の能力・資質向上は極めて重要な課題である。特に担当職員については専門職化や選考採用、外部人材の活用などの工夫を図るほか、能力向上を図るシステムの整備も重要である。

○ 大学等において、研究・管理運営面で日本語と英語によるバイリンガル化を進めている事例もあるが、このような取り組みを奨励すべきである。

○ 外国人研究者の同伴家族についても、子女の教育問題や日本語学習など様々な配慮が重要であり、大学等と受入自治体との連携協力強化により受入施策を充実させる必要がある。

(4)若手研究者の海外派遣機会の拡充

○ 研究者が海外での活動の機会を得ることは、研究の進展のために極めて有効である。特に将来を担う我が国の若手研究者の海外派遣機会を一層充実させる必要がある。このため、日本学術振興会の海外特別研究員の拡充とともに、大学院学生の海外研究経験機会の充実方策を検討する必要がある。

2 学術国際交流・協力の戦略的推進

[基本的方向]

○ 学術交流の基本は研究者間のつながりであり、研究者の主体的取り組みが重視されなければならないが、我が国として国際的に対応しなければならないもの、積極的に国際貢献すべき課題、研究の性格上国際協力で不可欠な課題等については、研究者の主体性を踏まえ、我が国の学術の振興、ひいては国益も意識しつつ、研究者の組織化を図ったり、推進すべき分野・活用すべき財源・中心となるべき研究者(グループ)などを戦略的に検討することが重要である。

○ 学術交流を戦略的に推進するに当たって、過度にトップダウン的要素を強め、学術の方向を誤らせることのないように十分留意することが必要である。戦略的推進が優れた成果を生むためには、戦略上の必要性と研究者の主体性との適切な調和を図るメカニズムを形成する必要がある。

[具体的施策]

(1)学術交流の戦略を推進するメカニズムの形成

○ 重点的に推進すべき学術研究分野や協力・交流を進めるべき相手地域・国さらにこれらの協力をいかに進めるべきかという戦略的な学術国際交流・協力の推進方策を検討するシステムを確立する必要がある。このため学術審議会等において国際戦略を検討するメカニズムを形成すべきである。また、同時に大学共同利用機関等における国際戦略の立案機能を充実・強化する方策を検討する必要がある。

○ 優れた学術研究を推進する研究グループ、組織には、優れた研究者が多数集まり、多数の研究者が参加し推進される。この場合これらを支援する方策を検討する必要がある。

(2)戦略的学術交流を支える国際共同研究経費の措置

○ 国際共同研究プロジェクトへの参加あるいはそれを提唱することについて政府レベルでの方針決定を行うまでには時間を要するが、それまでの間の研究者側における準備調査は、政府の方針決定の基礎ともなるものである。このための調査研究経費の確保方策について検討すべきである。

○ トップダウンとボトムアップの両面の調和を図る意味から、国際共同研究経費の措置としては、戦略的に研究領域を設定し、具体的提案を公募する方式と、大学共同利用機関のような研究機関が日本の中核として主体的に国際共同研究をリードできるようにこれらに長期的に研究費を措置する方式の二通りの経費措置のやり方が考えられる。

○ 国際共同研究を議論する国際学術会議等において、研究者としてのイニシアティヴを発揮できる一定の裁量権を持ちうることは重要であり、これを可能にする財政的な裏付け等の措置を検討すべきである。また、国際共同研究の経費については多様な使途に対応できる柔軟性を確保するなど、機動的な国際対応を可能にする方策について検討する必要がある。

(3)国際共同研究の円滑な実施のための枠組み整備

○ 国際共同研究については、その実施の取決めに当たり、知的所有権の帰属・配分や当事者間の権利義務に関する規程について、それぞれの国の制度等の調整等が必要となるが、これらにかかわる制度的枠組みや対応体制などについては、十分に整っていると言えない状況にあり、円滑な国際共同研究の実施に支障をきたすおそれがある。国際共同研究の円滑な推進に必要な法的・制度的枠組みや対応体制について整備を進める必要がある。

(4)海外研究拠点の設置

○ 国立天文台のハワイの研究施設は、我が国として海外に研究拠点を設けた第一のケースであるが、今後海外における研究施設等の設置について学術研究の振興に重要な方策として検討する必要がある。

3 アジアを中心とした学術国際協力・交流の推進

[基本的方向]

○ 学術国際協力・交流を展開する場合、最も身近な近隣諸国であるアジア諸国と協力・交流を深めることが重要であるが、協力・交流の実態は必ずしも十分と言えない。さらに協力・交流を推進する必要があり、将来、アジアがヨーロッパ、アメリカに対応するような一つのセンターオブラーニングとして一層の学術研究の発展を目指す観点からも、まず、アジア諸国との協力・交流を重点的に推進することが必要である。

[具体的施策]

○ アジア諸国との大学間研究・協力ネットワークの強化、アジア域内のCOE形成への支援、これらCOE間のネットワークの構築を進めるなどの連携協力の方策を検討する必要がある。このような観点から、日本学術振興会がアジア諸国において展開している拠点大学方式による交流事業、論文博士号取得希望者への支援事業及びアジア学術セミナー等の充実・強化が必要である。

○ 日本学術振興会の海外研究連絡センターの整備を進め、アジア地域における学術情報収集と我が国の学術情報提供機能を強化することも重要である。

○ 分子生物学や理論物理学などの分野で国際共同研究所を形成する動きが見られるが、我が国の研究者コミュニティがこれらに積極的に関与し、発展に貢献することを支援することは重要である。また、アジアを中心とした学会活動や学術国際交流事業への協力方策も検討すべきである。

○ 外国人研究者受入に関しては、特に欧米で訓練を受けたアジアの研究者の招致を進めることはアジアとの接点を拡大しつつ多様な人材を受け入れることとなると考えられる。

○ 特に人文・社会科学分野では、アジア諸国と密接に協力・連携すべき分野が多いにもかかわらず、我が国の研究者の取組みは必ずしも十分な状態にあるとは言えない。研究者がアジアに出かけ研究するインセンティヴを検討する必要がある。また、これらの分野を含め、フィールドワークが必要となる分野において、特に若手研究者がより積極的に現地において研究できるようなシステムを整備することが重要である。

○ 学術国際協力・交流において、相手国の状況によっては相手国の研究基盤整備への協力が重要な意味を有する場合があるが、これについては、学術国際協力事業だけでは対応に限界がある。学術国際協力と技術協力などのODA事業との有機的な連携の強化を図る必要がある。

○ 国際共同研究への参加に必要な国際分担金や研究経費の確保などについて、十分な支援を得ることが難しい状況にある国の研究者の国際共同研究への参加の機会を確保するための協力方策が重要である。また、我が国の大規模・先端的研究施設へのアクセスの確保についても留意すべきである。

研究評価について(主な意見の整理)

(学術審議会における研究評価に関する審議状況)

○ 学術研究における評価については、平成9年12月に本審議会が建議「学術研究における評価の在り方について」(以下「建議」という。)をとりまとめた。

○ この建議においては、研究課題の評価、研究機関の評価のいずれにも共通する事柄として、学術研究の特性に配慮した「評価の視点」、「評価者」、「評価支援体制の整備」、「評価結果の社会への発信」についてとりまとめた。
 研究課題の評価については、「経常的な研究資金による研究の評価」、「一般的な公募型研究の評価」、「学術政策上の見地から推進される研究の評価」に分類してその在り方をとりまとめた。また、研究面における大学等の機関評価については、「外部の研究者や有識者の参加の促進、評価基準や方法の改善・充実などの取組みの一層の推進等に努めて、当該研究分野等の特性を踏まえた、定期的な自己点検・評価の一層の定着を図る必要がある。」とした。

○ この度の審議においては、この建議の内容を前提にして、さらに議論を深めることが必要な分野として研究面における大学等の機関評価を取り上げることとした。

(研究面の機関評価の現状)

○ 大学等の自己点検・評価については、平成9年10月現在、国公私立大学全587校のうち、88%の大学で実施している。また、大学等の研究機関においては、自主的に大学外の研究者や有識者の参加を得て行う評価(以下「外部評価」という。)を行っているところも多い。例えば、国立大学の附置研究所、全国共同利用施設及び大学共同利用機関の全95機関のうち、平成7~9年度に外部評価を実施した機関は、77機関(81%)となっている。
 このように、大学等の研究機関が自ら研究活動・組織を見直し、活性化を図る動きが広がってきている。

○ しかし、一方で自己点検・評価については、研究活動を幅広い視点から点検・評価し、当該機関の欠点や他機関との比較も含めた厳しい評価を行うには限界があるとの指摘もある。

○ 大学共同利用機関や共同利用の研究所については、他の大学等の研究者が共同で利用するという性格を有しているため、従来より、外部の研究者や有識者によって組織される評議員会や同一分野の研究者の参加を得て組織される運営協議員会などが設置されており、外部の研究者等の率直な意見を集約していくための仕組みが確立されている。このため、これらの機関においては、より第三者評価に近い評価が常時実施されてきている。

○ 学術審議会では、従前より、特定研究領域推進部会などを中心に特定領域の研究活動全般のレビューや大学共同利用機関等の機関評価を実質的に行ってきている。また、その成果は研究機関の整備など研究体制の整備に活用されており、第三者による機関評価が有効に活用される先例となっている。

(自己点検・評価の充実)

○ 自己点検・評価には、一定の限界があるものの、それは研究機関としての大学等の組織が自律的に改善・変革を進めていく際の必然的なプロセスであり、極めて重要であることに変わりはない。
 このため、できるだけ効果的・効率的な自己点検・評価が行われ、その成果が活用されるように、自己点検・評価の共通的な基準や手法の研究・開発、普及、成果の公開・流通などを推進していくことが必要である。

(第三者評価の必要性)

○ 大学等における自己点検・評価の取組が広がるにつれて、その限界が浮き彫りになりつつあり、それを補い、さらには評価の結果をより広い目的に活用することができる第三者による研究評価(被評価機関以外の者が自律的に行う評価であり、以下「第三者評価」という。)について考え方を整理することが必要になっている。

○ 研究機関の活動を正確に評価し、研究の一層の活性化を促すためには、第三者から、自己点検・評価では得られない観点や広い視野からの評価を得ることによって、他機関との比較も踏まえた短所・長所を明らかにして、当該機関の改善につなげていくことが大切である。

○ 近年の厳しい財政状況を踏まえると、今後、学術研究についてもより一層効果的な資源配分を求める声が強まると考えられる。このため、研究機関を正確に評価し、優れた学術研究を行う研究機関を重点的に支援する方向で資源配分を行うことが今後一層重要になってくる。このような観点から効果的な資源配分(研究費・定員の配分、機関の改組等)の参考となるような資料を提供することを目的として、公正かつ中立的な立場から行う第三者評価の仕組みを整備することが必要である。

○ また、公財政の支援を受ける機関である大学等、特に国立大学・大学共同利用機関は、その研究活動について納税者に対する説明責任を負っている。このような説明責任を納税者の信頼に足るかたちで果たすためには、公正かつ中立的な立場から行う第三者評価が必要である。なお、このような説明責任を果たすことは、厳しい財政事情の下、国民の理解を得て必要な予算を確保するためにも有意義である。

(第三者評価の方法・基準)

○ 第三者評価においては、建議において取りまとめられている評価の視点等関連部分の他、特に次の点に留意することが必要である。

  • 外部評価を含む自己点検・評価を充実しつつ、これを基盤とすること。
  • 資源配分にも役立つような参考情報を提供できるように公正な仕組みとし、評価システムの透明性を確保すること。
  • 当該専門分野の研究者による評価(ピアレビュー)を中心としつつ、各種データも活用した総合的な評価を行うこと。その際、評価者及び被評価者の負担が過重にならないように留意すること。
  • 画一的・短期的な視点から目に見える成果のみを性急に期待するのではなく、長期的に優れた学術研究を育むという観点を重視すること。
  • 独創的研究・萌芽的研究の芽を育てるように留意すること。また、創造性豊かな研究の推進という観点を重視すること。さらに、研究成果のみでなく、そのプロセスも評価すること。
  • 過去の研究業績・成果はもとより、現在の研究内容や今後の研究動向にも留意すること。
  • 研究分野によっては、長期の研究を必要とするものもあるので留意すること。
  • 大学等においては、教育と研究を一体的に推進しているため、研究評価においても教育、人材養成への貢献について配慮すること。
  • 相対的に劣悪な研究環境にあっても比較的大きな成果を上げている場合もあるので、研究者数や研究環境にも留意すること。
  • 単に論文数などによらず、研究活動・研究成果の質的評価を中心に行うとともに、他機関との比較も可能な方式とすること。
  • 次のような多元的な視点から質的評価を行うこと。
    ア.国際的な視点を踏まえた研究水準、独創性、当該研究の今後の発展性、他の研究分野・学問分野への貢献
    イ.新技術の創出、特許等の知的財産の形成、新産業基盤の構築、生活基盤の強化、政策形成への寄与、地球規模の課題の解決を含む社会・経済への貢献
    ウ.研究機関の設置目的・使命や目指す方向に照らした達成状況・研究評価の結果について、被評価機関による意見表明の機会を確保すること。

(第三者評価システムを構築する際の留意点)

○ 第三者評価の実施に当たっては、まず、その実施方法、有効性などについて十分な調査研究が行われることが必要である。

○ 第三者評価においては、学問の動向をも踏まえ、高い見識を持ち、その評価が敬意をもって受け入れられるような優れた評価者を育てることが必要である。

○ 優れた評価者を育てることや必要なデータを収集することも含めて、充実した第三者評価を行うためには、必要な経費を確保することが必要である。その際、ピアレビューに適切な人材を得るためにも、評価に参加する研究者への報酬について業務に相応しいものとなるように配慮することが必要である。

○ 第三者評価を行う際には、研究に関する情報収集の中核的機関である学術情報センターとの連携・協力を図ることが必要である。

○ 学術研究推進のためには、研究機関の在り方など研究体制についても、研究者の専門的な見地からの意向が反映されることが大切である。このため、学術審議会は、これまで実質的に行ってきた第三者的な立場からの機関評価的な機能を含め、これまでの役割を引き続き担っていくことが必要である。

学術研究に関する国民理解の増進(主な意見の整理)

 近年、学術研究、特に自然科学分野に関する国民理解の必要性が強調されているため、以下では同分野を念頭においた意見を整理した。

[現状と基本的方向]

○ 学術研究は、社会・経済・文化の基盤を形成・継承するものであり、その成果はできる限り多くの人々に享受されることが大切である。また、学術研究の発展のためには、広く国民の理解と支持を得ることが必要である。しかし、近年の学術研究の専門分化や急速な進展により研究成果やその効果が、国民にわかり難いものとなっており、それが特に自然科学分野において著しい。

○ このような状況を背景にいわゆる科学技術離れが児童・生徒等若者の間にも広がっていることが指摘されている。このような状況が続くと将来の優秀な研究者を得難くなる可能性がある。

○ また、クローン研究が生命倫理問題を引き起こしているように、最先端分野の学術研究が社会問題をもたらす現象も生じてきており、このような研究について、国民の健全な評価・判断が難しくなってきている。さらに、自然科学分野の研究内容や研究成果に対する関心が薄れるとともに、時にはそれが害悪をもたらすのではないかという不安が広がっている。

○ さらに、研究者養成において、広い視野や豊かな教養を培う教育が十分に行われておらず専門分野の研究のみに関心が集中している研究者もいるため、研究者全体としては、国民一般に自己の研究やその成果の意義を伝えようとする意欲や姿勢が弱いことも、国民の理解が進まない一因となっている。

○ このような状況が続くと、研究活動の価値や意義が理解されなくなる恐れがある。
 その結果、特に高額の経費を要する学術研究に対する国民の理解と支持が得られなくなり、研究の推進に支障をきたす可能性もある。

○ 大学審議会答申(平成10年10月)においても、「大学は公共的な機関であり、大学の教育研究活動に関する情報を社会に対して提供することは、大学の社会的な責務である。」としており、大学等がその活動に関する理解増進に努めることを積極的に促している。

○ 学術研究に関する国民理解を得る上でのより長期的な課題として、自然科学の発展に付随して生じている諸問題に学術研究が積極的に取り組むとともに、今後そのような問題の発生を未然に防ぐ仕組みについて検討する必要がある。

[具体的施策]

○ 将来の優秀な研究者を確保するとともに、学術研究に関する国民の理解と支持を得るためには、初等中等教育の理科教育などにおいて、自ら学び自ら考える力や創造性の基礎となる力の育成を目指した教育の充実に努めていく必要がある。大学の研究者もこれに積極的に協力することをはじめ、その研究活動・研究成果について、できる限り多くの機会をとらえて国民を啓発していくことが必要である。また、大学等においても教養教育や公開講座などを通じて自然科学に関する基礎的な教育や啓発を行うことが必要である。

○ 現在、大学等の学術研究の成果を社会に還元すると同時に、国民に身近なものとしていくため、科学研究費補助金の研究成果公開促進費により「大学と科学」公開シンポジウムなどが開催されているが、今後、大学等が日常的に研究活動・研究成果に関する情報提供を積極的に行うことができるように、別途経費を確保する方途を検討することが必要である。

○ 既に多くの大学等で研究活動・研究成果の公開事業などによる情報提供が行われているが、未だ十分な効果をあげているとは言えない。このため、インターネットの効果的な活用方法などについて検討していくことが必要である。また、広報活動充実の一方策として、例えば、学術研究の広報に関する機能を充実するなどの設けるなどの措置について検討することが必要である。

○ 研究者個人においても、学生のためのテキストのみならず一般向けにわかりやすい啓発書を書くことや研究成果等を踏まえテレビなどのメディアにおいて学術研究に関わる社会問題などについてわかりやすく解説することなどを行うことが必要である。特に社会的に影響の大きい研究や社会問題となっている研究については積極的に取り組むことが必要である。大学等も研究者のこのような活動を積極的に奨励・支援・評価することが大切であり、例えば、自己点検・評価の際の項目に加えることも考えられる。また、学会等においても、研究者の当該分野に関する理解増進活動を評価することが必要である。

○ 国民が学術研究を身近なものとして捉える上で、社会の情報発信源としてのマスメディアの役割は大きく、例えば、テレビなどのメディアを活用した効果的な広報活動が望まれる。また、特に、自然科学分野の研究の有能な解説者である科学ジャーナリストの果たすべき役割は大きく、その活躍が望まれる。

○ 学術研究に関する国民理解を得る上でのより長期的な課題として、研究の負の効果をもあらかじめ把握して多面的かつ同時並行的に評価する俯瞰的な視点を備えた研究プロジェクトの仕組みを構築することが求められている。このため、人文・社会科学から自然科学まで、関係する分野・領域の研究者を幅広く含むプロジェクトの推進について検討することが必要である。

○ さらに、国民の理解と支持を得るためには、各分野における研究者が倫理的な視点を持つことが期待される。

研究組織の整備について(主な意見の整理)

〔基本的考え方〕

○ 我が国の学術研究は、大学の学部・大学院のほか、大学共同利用機関、附置研究所、附属施設等を中心として推進され、これらについては従来、
 (1)共同研究体制の拡充(大学共同利用機関の整備、附置研究所の全国共同利用化等)
 (2)研究組織の弾力化(大部門化等)
 (3)研究者の流動性の促進(流動研究部門、客員研究部門の整備等)
等の観点から整備を行ってきた。

○ このような研究体制は、我が国の学術研究水準の向上、研究の国際的展開等に貢献してきたが、その一方で、現在の研究体制には次のような問題も生じている。
 (1)一部で研究組織が硬直化する傾向
 (2)一部で学部・大学院と研究機関との間の障壁が存在
 (3)研究機関の教育への組織的参加が進んだ結果、大学院と研究機関の在り方についての検討の必要性
 (4)研究体制の重点的整備の仕組みが不十分(対象分野の設定、評価システムなど)
 (5)大学等の研究機関と大学以外の研究機関との組織的連携の仕組みが必要

○今後の研究体制を考えるに当たっては、次のような観点から検討する必要がある。
 (1)学問の急速な展開への対応
 (2)国民に対するアカウンタビリティーの確保
 (3)学内・学外の研究機関間の有機的連携(大学院や大学内の他の研究組織の拡大、大学以外の研究機能の拡大)
 (4)行財政改革の進展

○ 研究組織の役割は多様であり、各機関がそれぞれその役割を明確にし、その活性化を図るとともに、全国的な観点から、研究領域ごとの研究組織の在り方について検討していく場を学術審議会に設けることが望ましい。

〔大学等の研究機関の今後の役割〕

(多様性)

○ 大学共同利用機関や附置研究所等の役割は多様であり、各機関ごとにその役割を明確にし、それぞれが有している特色を出す上でふさわしい組織・運営等を考えていく必要がある。

○ 大学共同利用機関には、(1)非常に大型の研究手段を共有するためのもの、(2)研究者のフォーラム的なもの、(3)個別大学における基盤は不十分だが重要な分野であるため研究者の拠点として設置されたもの、の3類型が考えられる。

○ 研究機関には、研究に専念するもの、流動的な組織運営体制のもの、多数のポスドクを受け入れて彼らが研究の主体となるように育てるもの、教育への貢献を比較的重視するものなど、教育への関わり方においても様々なタイプがあることが考えられる。

○ 附置研究所の中には、特定の大学に附置するのではなく、独立した大学共同利用機関に転換するなど、思い切った見直しが必要なものも考えられる。

(大学にとっての附置研究所の意義)

○なぜ附置研究所として大学に附置されているのかという議論だけでなく、大学がなぜ附置研究所を必要としているのかという観点からの積極的な意義付けが必要である。

○学部・大学院と附置研究所とは個性という点で異なる。学部・大学院は教育に一層の力を入れ、一方、附置研究所は産学連携、新領域の開拓といった個性を発揮する運命共同体的なコミュニティーとしてやっていくべきである。すなわち、どのような形であれば研究の個性が出せるのかを考えた場合、やはり心が大切であり、互いの気心が知れて批判も自由にできる集団が同じ使命の下に進むことが望ましい。
 附置研究所はその個性により、当該研究所が置かれている大学に個性を持たせていく役割をも果たしており、このような組織も大学にとって必要である。

(COE性)

○附置研究所として設けられているものは、基本的には、そこがその分野におけるCOEであることの現れである。また、附置研究所が孤立しているのではなく、大学における教育と研究との密接な連携を前提としてCOE性が発揮されているということである。仮にCOE性を失っている附置研究所があれば、廃止・転換も含めその在り方を検討することが必要である。

○現在、附置研究所が本来の目的を果たしているとは必ずしも言えない。附置研究所は、大学に置かれた機関ではあるが全国的・国際的な役割も要求されるため、いわば当該分野のトップランナーとして望ましい組織を考える必要がある。その際、まず附置研究所の本来の目的を明確にし、その上で、学部・大学院との協力体制等について整理すべきである。

○学部・大学院では教育負担が増大しており、また研究も大学院学生に依存している現状では国際的水準の研究はできない。その意味で、附置研究所が学部・大学院より教育の負担が少ないことはメリットである。また、附置研究所では、国際的にポスドクを集めるべきであり、このためには優秀な研究リーダーを集めることが必要である。

(特定領域の研究)

○附置研究所は、特定の研究領域に特化し、集中的にその領域の研究を深めていくところに意義がある。

(学際性・総合性)

○特に総合大学の附置研究所の役割の一つとして、学際性を有することがあり、また、附置研究所を各大学が持つことの意義付けとしては、総合大学としての機能発揮への貢献という側面もある。

(教育機能)

○附置研究所が国立試験研究機関(国研)と異なる点としては、教育との関わりが大きなポイントである。

○附置研究所は研究面で評価されるべきである。附置研究所が大学院教育を行うことは、大学院学生に研究の場で学ぶ機会を与えるという意味で重要である。

(複合性)

○ 附置研究所は、教育上の組織に比べ極めて複合的である場合が多いことが大学院と異なる特徴の一つであり、そのような場を大学院学生が経験するメリットは大きい。

(附置研究所と学部・大学院との関係について)

○ 附置研究所がその人的・物的資源を活用して、大学院教育に積極的に参加することは有意義である一方、大学院教育に直接関わらない研究特化の附置研究所もあってよい。

○ 附置研究所の在り方を検討するに当たっては、附置研究所本来の目的や個性を明確にする必要があるが、その際、大学の中での役割を踏まえた、大学全体の在り方の中で検討する必要がある。

○ 附置研究所については、学内の学部・大学院と交流しようとしてもこれらと研究分野があまり一致しない場合もあるため、広い視点からその在り方を考えることが必要である。

○ 附置研究所が修士課程の学生まで受け入れるならば、コースワークをきちんと行うべきである。附置研究所の研究者がそこまでやることがよいのか。少なくとも修士課程段階では研究よりも将来のための教育を受けることが重要であり、研究しながら成長するのは後期博士課程からでもよいのではないか。附置研究所がそこまでやるのであれば、大学院に吸収するという考え方もあり得る。

○ 環境等の複合領域などについては、附置研究所の研究者を中核とする研究科を設置することが望ましい場合も考えられる。

○ 学部・大学院とは別に附置研究所を設ける意義が薄れていると考えられる場合には、附置研究所を廃止・転換し、例えば大学院と一体化することも考えられる。

○ 研究所を大学院に転換するという考え方もあるが、逆に研究科を附置研究所に再編してミッションを明確にする方法も考えられる。

○ 学部・大学院は学問の継承という使命を持っているので、体系的である程度安定した組織編制をとっている。一方、附置研究所は、時代や学問の変化に応じて新領域を開拓しやすいという特徴を持っていることが望ましい。

○ 附置研究所が単独で研究科を持った場合、学問の継承にとらわれて新領域への挑戦が困難になることが考えられるため、基本的には現在のような形で大学院教育に参加することが望ましい。

○ 附置研究所は、ある種の自由度を持って、学部・大学院ではできない自由な活動をすることに意味がある。附置研究所を育てるためには、大学院学生の活用とは別の形で何らかのマンパワーの形成を考える必要がある。

〔研究組織の活性化のための方策〕

(研究者の流動化の促進)

○ 期間を限った研究になじむものについては、研究課題や研究者が一定期間ごとに入れ替わるタイプの研究組織(いわゆる「流動的研究施設」)の設置を促進することが望まれる。また、非常勤研究員や流動研究部門について、制度面の検討を行いつつその拡充を図ることも重要である。

○ 流動研究部門を普及させるには、これを要求しやすくする工夫が必要である。

○ 任期制は、研究活性化の面から有用であり、積極的に活用されることが望まれる。

○ 研究者が学内または学外の組織の職を兼務することは、本人の視野を広げる上で有意義であり、また、個人の能力を幅広く活用できるメリットがある。

○ 研究に集中したいときには一定期間研究機関に所属し、その研究が終了すれば再び学部・大学院に戻るというような流動的な仕組みが必要である。その際、併任などをもっと柔軟にできるようにすることも必要である。

○ 研究機関に特色があり、大学の個性が研究の方向で出てくれば、流動性がもっと生まれてくると考えられる。

(研究組織の柔軟性の向上)

○ 各大学等が、自らの判断と責任により、学術研究の動向に応じて研究部門や附属施設等の研究組織をより柔軟に設計できるようにする仕組みを設けることも考えられる。

○ 研究者の所属機関や研究施設は現状のままで、これらを新たな考え方で括って研究プロジェクトを進めることも考えられる。

○ 附属施設の中には小規模なものも多いが、それらの今後の在り方についても検討する必要がある。

(他の研究機関との連携の促進)

○ CNRS等の例を踏まえ、大学の研究の中から生まれたものをさらに発展させる手段として、または、国研等との連携・協力を円滑に進めるための仕組みとして、大学外に研究ユニットを柔軟に設置できるような仕組みを設けることも考えられる。

○ 環境、海洋等の新しい複合的・学際的な研究領域の開拓のため、または、国研等との連携・協力のため、複数の研究組織の間で、プロジェクト研究等に必要な予算・人員を一元的に運営できる仕組みを設けることも考えられる。

(行財政改革を踏まえた整備)

○ これまでのように学部・大学院や附置研究所など大学の組織を拡充するのではなく、大学から独立した研究機関を設置し、当該研究機関から大学へ研究者を派遣するという仕組みを設けることも考えられる。

○ 研究支援については、助手が減ってきていることもあり、非常勤の形で技術者やポスドクを確保することも含めて、様々な施策を講じていくべきである。

○ 行政側で研究機関と学部・大学院を異なる部局が担当しているため全体を見て判断する部署がないという現状を見直すことが必要である。
 また、本審議会は、これらの両部局の視点を併せ持った観点からの議論を行うべきである。

(分野ごとの在り方や重点分野の特定に関する検討の場の設置)

○ 個々の大学の枠を超えて、全国的な観点から、研究領域ごとの研究組織の在り方について、レビューし提言する仕組みを学術審議会に設けることを検討することが望ましい。
 例えば、現在の研究組織の区分(大学共同利用機関、附置研究所、附属施設等)の適切性など、学部・大学院に転換することを含め、各研究組織が研究を行う上で適切な体制が採られているか等について継続的に審議し提言を行うことが考えられる。
 その際、研究機関や学部・大学院だけでなく、国研や公私立の研究所の状況をも視野に入れることが必要である。

○ 今後、総合科学技術会議等の場での日本全体としての政策的な議論も必要である。

○ 環境、生命科学などの新しい分野を担う研究機関を整備することが重要である。
 今後重点的に整備すべき研究領域の特定について審議する仕組みを学術審議会に設けることを検討することが望ましい。

○ 分野ごとの審議の基礎となるデータの積み上げが必要。当面の研究費だけでなく、施設や人員の蓄積についても考慮する必要がある。

研究施設・設備の整備について(主な意見の整理)

【研究施設の整備について】

[基本的方向]

○ 近年、大学院生、特別研究員、プロジェクト研究に従事する研究員等及び外国人留学生の増加によって研究用スペースの狭隘化が進んでいる。これに加え、近年の競争的研究資金の拡充を背景に、外部からの研究費による実験機器等の設備の導入が進んでいることなどから研究用スペースの狭隘化が深刻な問題となっている。

○ 各国の制度の相違から厳密な比較は困難であるが、国立大学等の施設の水準は、近年に整備されたものを除き、米国の主要大学の施設と比べて劣っていると指摘されている。

○ 特に、研究用スペースの狭隘化は、研究の効率を低下させるとともに、場合によっては、研究者の安全確保上の問題を引き起こすような状況になっている。

○ さらに、世界水準の研究を行うためには諸外国から優秀な研究者が参集するような研究環境を備えておくことが必要であり、その重要な要素の一つとして研究施設の整備を図ることが必要である。

○ 平成8年に策定された科学技術基本計画においては、国立大学等について、「新たな基準による狭隘化の解消及び老朽施設の改築・改修に約1,200万m2が見込まれている」とさており、今後とも老朽施設の改築・改修及び狭隘化の解消について、一層の計画的整備を図っていくことが必要である。
 一方、限られた予算の下、短期間に必要な施設整備を行うことは極めて困難であることから、学問の動向、研究活動の状況、COEの形成などの観点から、ある程度対象を絞り込む重点的な整備や、施設の利用形態の見直し等既存施設の有効活用を進めていくことが必要になっている。

○ 私立大学については、日本私立学校振興・共済事業団が行う長期・低利の貸付事業により研究施設整備に対する支援がなされているほか、学術フロンティア推進事業等の補助が行われてきているところであり、今後もこの種の事業の推進により研究施設の充実を図る必要がある。

[具体的施策]

○ 重点的な研究施設の整備は、施設に関する点検・評価とともに、研究活動等に関する適正な評価を踏まえつつ、学問の動向、COEの形成などの観点から行われることが重要であり、その具体的方法について検討していく必要がある。

○ 効率的な研究施設の活用については、既に大学共同利用機関をはじめとする共同利用施設の整備が進められているところであり、今後も施設の共同利用化の推進を進めていくことが重要である。

○ 多額の研究費を得ても、十分な研究用スペースがなく、効果的な研究が展開できにくいという状況も一部で指摘されており、大学に全学共用の研究専用施設を設置し、多額の研究費を得た研究者が一定期間使用できるようにするなどの方法について検討することが必要がある。

○ 研究費については、競争的研究資金の拡充により、真に優れた研究を行う研究者に重点的な研究費の配分が行われる仕組みが整備されてきている。
 研究施設についても、大学等が学内等において、その研究用スペースをより重点的に配分する仕組みを整備することも考えられる。その際には、科学研究費補助金や外部資金の獲得状況に応じた配分を行うことなどが考えられる。

○ 多数の大学院生、特別研究員、プロジェクト研究に従事する研究員等及び外国人留学生を抱える研究室や実験室については、それに見合った十分な研究用スペースを確保することが必要である。特に、大学院生のためのスペースの確保については、大学院の拡充に併せて速やかに整備されることが望まれる。

○ 大学等の施設の狭隘化を解消する方策の一つとして、大学等が研究施設を外部に設置することも検討する必要がある。例えば、外部資金を受け入れた場合には、その研究費の一部をレンタル等による施設の借り上げに充てるなどして研究用スペース確保を図ることなどが考えられる。
 外部に置く研究施設は、特別な設備の据え付けが必要でなく、かつ、一定の期間に限って研究を推進するプロジェクト研究において、特に有効と考えられる。例えば、フランスのCNRSの研究所については、保有施設はわずかであり、多くは時限付きで共同研究に便利な場所に研究施設を作るなどして研究を実施している。

○ また、大学等と都道府県などの地方公共団体が連携・協力し、共同の研究施設を設置することなども、検討することが必要である。

○ 公、私立大学の研究施設についても、引き続き整備を図っていく必要がある。

【研究設備の整備について】

[基本的方向]

○ 近年、学術研究の進展とともに、研究設備は大型化、高性能化の傾向にある。
 先端的・独創的な学術研究の推進を図るためには、研究者が常に最先端の研究設備により研究を実施し得る研究環境の整備が不可欠である。

○ このため、厳しい財政状況の中にあって、設備費の充実が図られてきたところである。

○ しかし、現状では、研究設備の整備がなお十分でなく、また、全体的に老朽化・陳腐化し、必須の研究設備も不足する傾向にあることが指摘されている。

○ 今後とも、維持・管理経費の確保を含む研究設備の整備を、一層積極的に推進していくことが必要である。

[具体的施策]

○ いかなる分野の研究の遂行においても必要不可欠な基盤的設備の計画的な整備及び新しい研究分野の開拓に資するような先導的設備の重点的整備を進めるためには、設備費の拡充が必要である。
 また、設備の老朽化、陳腐化に対応するために、購入後10年程度経過した設備を、できるだけ早期に順次更新していくことが必要である。

○ 研究設備の整備に当たっては、設備の有効利用及び整備の効率化等の観点から、共同利用の促進を図ることが重要である。

○ 研究設備の整備及び共同利用化に関連して、設備の性能を最大限生かし、有効利用していくためには、設備の運転・維持管理等に係る維持費の充実に努めることが必要である。

研究支援体制について(主な意見の整理)

[現状と基本的方向]

○ 学術研究推進のためには、研究を支援する人材の養成・確保が必要不可欠である。
 科学技術基本計画では、「国立大学等において研究者一人当たりの研究支援者数が英・独・仏並の約1人となることを目標として、研究者2人当たりの研究支援者数が早期に約1人となるよう、大学院学生のリサーチ・アシスタント制度や高度な技能を有する外部人材の活用を図る研究支援推進事業の拡充等により、研究補助者及び技能者を新たに確保する。」とされている。
 平成10年度においては、研究者1人当たりの研究支援者数は、0.13人で(総務庁調べ)あり、目標値にはほど遠い状況である。

○ 研究支援職員が不足していることと研究支援業務の高度化を背景に、大学院生が研究支援者としての役割の一部を担う状況が生じている。大学院生が提供する補助的業務については、リサーチ・アシスタントへの手当が支給されている。同制度は、大学院生が研究の補助的業務を通じて自らの研究能力の向上を図ることを期待するものであり、今後も拡充することが必要である。さらに、研究支援体制の強化のためには、本来の研究支援職員の確保を図ることが必要である。

○ 研究支援業務の中には、外部委託等により対応が可能なものについては、外部委託を促進することが考えられるが、自然科学(特に実験系研究の一部の分野)では、装置を手作りすることの意義が大きい面もある。大学等における装置の製作については、研究者と技術者が一緒に自分達で考えながら物を作っていくという姿勢が、独創的あるいはユニークな研究をする上で不可欠である。また、研究者と研究支援者との密接な関わりあいの中で、研究者が触発されることも多く、技術者にとっても教育効果があると考えられる。

○ このような状況の下、優秀な研究支援職員の確保が極めて重要な課題になっている。しかし、処遇面での改善も十分でないため、優秀な人材の確保が困難になっていることが指摘されている。

○ 研究支援機能の充実を図るとともに、研究支援職員の処遇面を改善するには、技術系職員が経歴を形成していくことができるように研究支援のための組織を確立することが必要である。また、数少ない高度な技術を有する研究支援職員が、技術を継承しつつ幅広く活躍できるように附置研究所、学部・大学院等の枠を越えて研究支援を行う体制の整備が必要である。
 このため、附置研究所、学部・大学院等の枠を越えて、機器・装置の要員、オペレーターなどを集めた共通の研究支援のための組織を整備することが必要である。

○ 限られた研究支援に係る人材が、十分に活躍できるように、また、相互の交流を通じて技術の向上などが図られるように、大学等の間の連携・協力を推進することが必要である。

○ 一方で、今後も国立大学等の定員が増加することは極めて困難であると考えられるため、研究支援者等となりうる人材を発掘し、非常勤職員などのかたちで活用していくことが必要である。また、国公私立大学を通じて研究支援者を確保するため、人材派遣業の活用も積極的に推進することが必要である。
 さらに、今後研究支援者に能力の高い人材を確保するため、研究支援者の養成制度についても検討することが望まれる。

○ 技術支援以外でも例えば、情報業務、国際業務、特許業務等についても支援に対する要望が増大している。こういった事務的支援については、既存の関係事務部門を改組・充実するとともに、専門性を持った職員を配置することが必要である。

[具体的施策]

○ 大学等において、組織的な技術の継承が望まれており、このためには、研究支援のための独立した組織(技術部・室)が確立される方向で組織の整備を図るとともに、研究支援者の技術や組織における役割に応じた適切な処遇が確保されるように努めることが必要である。

○ 研究支援者がその経歴を形成していく過程においては、研究の第一線で研究者と共同作業をしているという誇りや生き甲斐が必要である。研究支援業務については、それによって支えられた研究の進展を踏まえた評価がされ、その評価に基づいて研究支援者が適切に処遇されることが必要である。

○ 特殊な分野で高い技術を持った人材が大学外にいるが、そうした人材に関する情報が不足している。したがって、以前に技術職であった者など研究支援者の人材に関する情報や、そうした人材を求めている大学等に関する情報を集中的に収集・提供することが必要である。

○ 研究支援者養成の観点から、修士課程修了者や学部卒業者が、例えば一定の期間(3年間程度)、研究支援組織がある大学等において、奨励金の支給を受けながら技術者としての実務研修を受ける仕組みを検討することが必要である。

研究者の養成・確保(主な意見の整理)

[現状と基本的方向]

(研究者の養成・確保の現状と課題)

○ 学術研究は、知的創造活動であり、その担い手である研究者の養成・確保は学術研究振興施策のうちでももっとも重要なものの一つである。また、国立試験研究機関等や産業界の研究者についても、その主たる養成機関は大学等であり、この観点からも大学等における研究者養成のための施策を充実することが重要である。

○ 特に、若手研究者は、柔軟な考え方や新しい発想により、萌芽的研究の推進や学問の統合による新しい学問の創造などを通じて学問の発展に大きく寄与する可能性を持っており、その確保が極めて重要な課題である。

○ 一方で、最近の若手研究者については、細分化された専門分野の個別課題のみに関心が集中する傾向があるが、自分の専門分野を超えた広い視野を持つことの必要性が指摘されている。また、世界水準の研究者を確保するためには、高い志や使命感、自立性・主体性、想像力・構想力、文化的素養、外国語能力を含む対話能力などを十分に身に付けた若手研究者の養成が必要である。

○ 研究者の養成及び若手研究者の確保のための施策のうちの中心的課題である大学院生及び博士課程修了者に対する施策については、日本学術振興会の特別研究員制度などを柱とする「ポストドクター等1万人支援計画」(以下「1万人支援計画」という。)などにより、近年格段の推進が図られてきている。

○ 1万人支援計画において約6割を占めることとされている日本学術振興会の特別研究員制度は、優れた若手研究者に自由な発想の下で研究課題、研究の場を自ら選んで研究に専念できる機会を与えるものであり、昭和60年度の創設以来、研究者の養成・確保の中核的施策として高く評価されてきている。例えば、平成元年4月から平成3年3月まで採用された特別研究員の5年後の就職状況を見ると、9割以上の者が常勤の研究職に就いており、研究者養成において大きな役割を果たしている。

○ 一方、1万人支援計画の残りのうちの相当部分は、各省庁所管の特殊法人等における政府出資金を活用した基礎研究推進制度などにおいて、プロジェクト研究に参加することとなる博士課程修了者が占めている。
 米国などにおいては、研究助成金によりこのような博士課程修了者を機動的に多数確保して研究を迅速に進めることができる体制になっている。我が国においても、これらの博士課程修了者は、研究推進において大きな役割を果たすようになっており、プロジェクト研究のリーダー的な立場にある研究者は、このような博士課程修了者をより多く、機動的に活用できる体制を整備することを強く求めている。
 今後、大学等の教員の新規採用数が増加しないことが予想されるため、研究者の高齢化が進行すると考えられ、研究の活力を維持・向上するためにも、博士課程修了後の若手研究者を学術研究推進のために確保することが必要になる。
 ただし、研究者養成の観点から見ると、プロジェクト研究に参加する場合には、研究者として養成するというより活用するという側面が強くなることが指摘されている。

○ 博士課程修了者の需給予測によれば、現在までの大学院博士後期課程(以下「博士課程」という。)への進学動向や博士課程修了者の就職動向を前提とすると、平成22年においては供給過剰になるとの予測もある(末尾の「博士課程修了者の需給見通し」参照)。このため、今後の施策については、研究者に対する需給見通しを踏まえつつ、真に優秀な人材の確保及び研究者養成に着目した対応が必要である。

○ 終身雇用がなお一般的な我が国においては、できるだけ早く助手等の常勤の職に就こうとする安定志向が強い。このため、研究能力が急速に高まり、柔軟な考え方や新しい発想の能力を発揮しやすい時期に自ら研究課題や研究の場を選び、緊張感をもって自立した研究活動を行い、いわば「修行」する機会が十分に確保されていない。博士課程修了後の数年間、ポストドクトラル研究者として多様な研究に従事し、研究能力を高めることが通常となり、就職に際し、こうした経歴が研究歴として積極的に評価されるように、分野ごとの状況にも配慮しつつ様々な措置を講じることが必要である。

○ また、研究活動の活性化を図るためには、研究者の国の内外での流動化が求められるが、特に若手研究者が異なる環境の下で刺激を受けることは、研究者養成の上で有益である。このため、若手研究者が常勤の職に就く前に、出身大学にとらわれることなく、自らの研究の発展に最も適した研究機関においてポストドクトラル研究者として研究を発展させることができるように制度等環境を整備することが必要である。

○ さらに、若手研究者を含む研究者全体の流動化を図るためにも、任期制の一層の活用を図ることが必要である。

○ 若手研究者の海外派遣や外国人若手研究者の受け入れは、世界水準の研究に触れる機会や異なる発想法を持つ者との交流による知的刺激の授受の機会を拡大することを通じて学術研究の進展に大きく寄与するものであり、必要な施策を推進していくことが大切である。特に外国人若手研究者の受入れについては、米国が外国人若手研究者を多く受け入れることにより、これら研究者の養成と研究の活性化に成功していることが指摘されている。今後、我が国においても、諸外国の研究者養成に寄与しつつ、研究を格段に推進していくことができるように、外国人若手研究者の受入れを積極的に進めていくことが必要である。

(今後求められる研究者の資質・能力)

○ 本来、学術研究を担う研究者には、鋭い洞察力、分析能力、専門分野に関する深い知識などが求められる。これに加えて、今後の学術研究においては、特に萌芽的研究の推進や学問の統合による新しい学問の創造などを通じて先導的・独創的な研究を展開していくことが重要であり、そのためには、細分化された専門分野に閉じこもることなく、社会や学問全体を視野に入れながら、俯瞰的な視点を持って研究に取り組む能力や自立性・主体性、想像力・構想力などが重要である。
 このような観点から、専門領域や分野を越えた知識や十分な文化的素養を身に付けておくことも重要である。

○ また、学術研究における国際交流の意義や我が国が学術研究を通じて国際社会においてその立場にふさわしい貢献をしていくことの重要性を踏まえると、研究者が外国語能力を含む対話能力を身に付けていることが極めて大切である。

○ さらに、今後世界的水準の研究を推進していくためには、上記の資質・能力に加え、国の内外の優秀な研究者を引きつけることができるような高い志や使命感を持った魅力的なリーダーとなりうる研究者の養成が求められている。

○ 研究者の養成においては、将来における研究者としての資質・能力を高めることが重要であり、そのため、特別研究員の採用審査などの際には、今後も、単に論文数などに着目した業績評価に偏ることなく、将来の可能性を含む能力評価も重視することが大切である。

[具体的施策]

(大学院における教育・研究指導の改善・充実)

○ 研究者に求められる資質・能力の中には、学部卒業までの教育によって培われるものもあるが、大学院が研究者養成の中心的機関であることから、特に大学院における教育・研究指導の改善・充実が重要な課題である。

○ 博士課程においては、研究指導を通じて研究者が細分化された専門分野に閉じこもる傾向が醸成されているとの指摘もある。これについては、最近、複数指導(者)体制などの工夫が行われているところであるが、今後は、各大学において、専門分野を超えて幅広い分野について教育を行うことができるように、関係教員が協力してカリキュラムを含む教育体制の一層の整備を図ることが必要である。その際、関連領域や異分野の基礎知識の修得も視野に入れておくことが大切である。

○ また、若手研究者の養成課程において、論文数を重視し過ぎる傾向があるため、独創的な課題に挑戦する意欲を削ぐことになっているとの指摘もある。今後は、特に博士論文の審査において独創性やチャレンジ精神を重視するなどして、このような傾向を改めていくことが必要である。

○ 近年、大学院は急速に量的拡大を遂げているが、学生数に見合う教員数の整備が行われていないため、教育研究環境が悪化しているとの指摘もあるので、教員組織と施設・設備を充実しつつ体制整備をしていくことが必要である。

(博士課程在学者に対する施策)

○ 日本学術振興会の博士課程在学者を対象とする特別研究員(以下「DC特別研究員」という。)は、専門の研究者による厳正な審査を経た者に対して研究奨励金及び科学研究費を支給するものであり、特に優秀な学生が研究者として一人立ちしていくことを支援する制度として高く評価されている。このため、博士課程に研究者志向の優秀な人材を引きつける上で、最大の効果を発揮してきている。このDC特別研究員は、1万人支援計画の一環として位置付けられており、着実な増員が図られている。現在、総採用者数は2,860人(平成11年度予算案)であり、博士課程在学者の5%弱となっているが、今後、博士課程修了者の需給予測、採用者の「質」や博士課程在学者数が拡大していくことも踏まえつつ拡充していくことが必要である。

○ リサーチ・アシスタント(RA)は、研究に関連する補助的業務の提供に対して手当を支給することで、研究の活性化と大学院学生に対する支援の推進を図るものであり、研究推進と研究者養成の両面から効果的な制度である。しかし、その手当の額や対象者の規模(平成11年度予算案においては2,761人)は、現実に大学院学生が提供している補助的業務の質・量に比べて不十分であるとの指摘が多い。
 このため、大学審議会答申(平成10年10月26日)の趣旨をも踏まえつつ、一層の拡充を図ることが必要である。

○ これらのことから、今後、博士課程修了者の需要予測を踏まえつつ、真に優秀な研究者志向の学生を確保し養成するため、DC特別研究員等の拡充に努めることが必要である。

○ 博士課程の在学者は、通常経済的に自立する年齢に達しているものであるが、学費と生活費を親などに負担させることが多い我が国の状況は、欧米諸国に比べて異例のものとなっている。このような経済的負担が、優秀な人材の博士課程への進学を断念させる事例が多いことも指摘されている。博士課程進学者の「質」が全体として高いことが優秀な研究者を養成・確保するための前提条件であり、様々な制度により博士課程在学者に対する経済的支援を拡充していくことが必要である。

○ 日本育英会の育英奨学事業においては、博士課程在学者の約4割が支援の対象となっている。今後も、同事業の質的・量的な充実を図ることにより、対象者の層を格段に広げていくことが必要である。

○ ティーチング・アシスタント(TA)制度は、教育に関連する補助的業務の提供に対して手当を支給することで、教育の活性化、教育者としての養成・訓練と大学院学生に対する支援の推進を図るものであり、一層の拡充を図ることが必要である。

(博士課程修了者に対する施策)

○ 博士課程修了後の段階は、若手研究者が研究遂行能力を大きく伸ばし、研究者として自立していく極めて重要な時期であり、この時期に研究課題や研究の場を自ら選んで、自立して研究に専念することを奨励支援することは、極めて重要な施策である。

○ 日本学術振興会の博士課程修了者を対象とする特別研究員(以下「PD特別研究員」という。)は、優れた若手研究者が自立した研究に専念できるようにする制度であり、DC特別研究員と並んで研究者養成の中核的施策である。同制度も、1万人支援計画の中心に位置づけられ、総採用者数は1,550人(平成11年度予算案)となっている。

○ 博士課程修了者に関する需給予測については、企業の採用動向が大幅に変わり、需要が増加するなどしない場合には、平成22年において、供給過剰の可能性がある。このため、PD特別研究員についても、各分野の博士課程修了者の需給予測を踏まえつつ、真に優秀な人材の確保や研究者としての適切な経歴形成の観点から対応していくことが必要である。

○ 平成9年の博士課程修了者9,860人のうち、直ちに大学・短期大学の教員の常勤職を得た者は1,828人となっている。1万人支援計画の今後の在り方としてPD特別研究員の量的な目標を検討する際には、これらの研究者についても(後に述べるように)プロジェクトに参加する場合を含め、適切な支援を受けつつ3年程度研究に従事した後、常勤の職に就くことが定着する方向で段階的に環境が整備されることが望ましいことなどを考慮する必要がある。
 なお、PD特別研究員の研究奨励金等の待遇については、他の類似制度との不均衡を解消する方向で計画的に改善していくことが必要である。

(若手研究者の適切な経歴形成と流動化の促進)

○ 若手研究者がその能力を伸ばしていくためには、異なる場で研究体験を持ち、刺激を受けることが大切であり、博士課程修了後の研究に入る際などには国の内外で大学等を移動することが望ましい。このため、受入れ側においても、任期制の一層の活用を含め若手研究者の流動性の向上に留意することが望まれる。

○ また、産学官の交流は、研究者の視野を広げ、社会の諸問題への関心を高めることが期待されるが、特に若手研究者が交流に関わることは、企業等にとってより魅力的な人材の育成や、自分の適性にあった就職先の発見にもつながるものであり、今後適切な方策を講じ、その推進に努めることが必要である。

○ 日本学術振興会では、特別研究員採用時には大学等を移動することを奨励しており、「PD特別研究員」で実際に研究室を移動した者は約5割となっているが、今後も流動化に努めることが必要である。また、国際的な流動化を促進する観点から、海外特別研究員などの海外派遣事業を拡充することも必要である。

○ 若手研究者の流動化を促進するためには、PD特別研究員の移動が全国的な規模で行われるように、博士課程修了者が提供する関心分野等に関する情報や博士課程修了者の受入れを希望する大学等・研究者に関する情報について収集・提供する仕組みを創設することが必要である。

○ 最近では、若手研究者が一部の有名大学に集まるかたちでの流動化の傾向が見られるようになっているが、我が国の学術研究の発展のためには、若手研究者が各分野における大学等のCOE性などに着目して、真に自らの研究の発展に適した研究場所を得るために移動することが必要である。

○ 若手研究者の適切な経歴の形成のために、支援制度に支えられた博士課程終了後の数年の期間を経て、常勤の職に就くことが一般的な研究者の経歴となるように、上記のPD特別研究員や国立大学等に設置している非常勤研究員などの施策を充実すると同時に、助手の在り方についての見直しを行うことが必要である。

(若手研究者のプロジェクト研究への参加の促進)

○ 博士課程在学生を含む若手研究者がプロジェクト研究に参加することは、研究の推進に大きく寄与するものであり、プロジェクト研究のリーダー的立場にある研究者から一層の拡充を求める声が強い。また、このことは、若手研究者にとっても、相応の報酬を得つつ、自らの研究能力を高めることができる有益な機会となっている。

○ このため、今後も若手研究者のプロジェクト研究への参加を推進するため、学術研究推進における中核的研究費である科学研究費補助金の活用を促進するなど環境を整備していくことが必要である。

○ また、プロジェクト研究への若手研究者の参加を促進するためにも、プロジェクト研究を推進する立場の研究者が応募して博士課程修了者を確保するような方策の必要性について検討することが必要である。

○なお、1万人支援計画には、こうしたプロジェクト研究へ参加する若手研究者も含まれている。しかし、このような形態の施策は、必ずしも研究者養成に重点を置いているわけではなく、場合によっては、研究推進が主たる目的の場合もあり得る。
 このため、このようなプロジェクト研究に参加しようとする者は、参加することの意義や自らの研究者としての適性を見極めて、自己の責任において判断することが必要である。また、受入れ側もプロジェクト研究の内容や、参加者の役割分担等について十分な説明を行うことが必要である。

(女性研究者の活躍の機会の拡大)

○ 学術研究の健全な発展のためには、優秀な女性研究者の確保も重要であり、女性であることが研究者としての経歴形成の障害となることのないように、出産・育児期における勤務形態の多様化など女性研究者活躍のための条件整備に努めることが必要である。

(研究者の養成・確保における国際的連携)

○ 若手研究者の国際交流は、世界水準の研究に触れる機会や異なる発想法を持つ者との交流による知的刺激の授受の機会を拡大することを通じて学術研究の進展に大きく寄与するものである。このため、今後も日本学術振興会の海外特別研究員や外国人特別研究員の採用数を計画的に拡充していくことが必要である。

○ また、外国人若手研究者の受入れについては、研究者養成及び研究の推進の観点から積極的に対応することが必要である。このため、外国人特別研究員だけでなく、各種プロジェクト研究においても受入れが進むように環境を整備していくことが必要である。

○ さらに、各国の研究者と我が国の研究者が共同して実施する研究やセミナーに、我が国の大学院博士課程在学者や博士課程修了者を含めた若手研究者の参加を積極的に進めることが求められる。

(参考)

(博士課程修了者の需給見通し)

○ 大学院博士後期課程在学者は、昭和62年(1987年)から平成9年(1997年)の10年間に24,562人から52,141人へと約2.1倍の大幅な拡大を見せている。しかし、大学審議会の答申(平成10年10月26日)においても指摘されているとおり、学部学生数に対する大学院学生数の比率の国際比較や社会状況の変化などを踏まえると、我が国の大学院学生数の規模は今後も拡大していくことが予想されるところである。このため、過去の動向に基づく将来推計によれば、博士課程卒業者は、平成9年の9,860人が平成22年には18,000人弱にまで拡大することが見込まれる。この場合の博士課程在学者数は、約82,000人になると推計される。

○ 一方、博士課程卒業者の就職状況を見ると、量的にもっとも安定した研究者としての就職先である大学・短期大学の教員需要については、18歳人口の減少を背景に、今後拡大は見込めない。大学・短期大学の教員の規模は、平成7年の約15万8,000人が平成22年には約15万3,000人へと減少すると推計されている。このため、退職者に対する補充のための需要が中心になり、その規模は、毎年9,000人から10,000人程度と推計されている。ただし、このうち、新規卒業者に対する需要は4分の1程度と見込まれている。
 企業等への就職者については、過去においては、理学系、工学系、農学系の博士課程卒業者を中心に比較的大きな伸びを見せてきたが、今後の動向は景気動向などをも踏まえた企業の採用意欲や産業構造の変化によって大きく変化すると考えられるため、信頼度の高い推計を行うことは困難である。これについても、一応のめやすとして過去の動向を基に推計を行うと、平成9年から平成22年の間に、製造業における需要が922人から1,400人~1,700人程度に増加し、また、サービス業における需要が822人から1,600人~2,000人程度に増加すると見込まれる。
 これらの需要に医師等の需要を加えた合計は、12,000人~13,000人程度になると見込まれる。

○ このため、平成22年における博士課程卒業者の需給は、供給側が18,000人弱、需要側が12,000人~13,000人となり、供給過剰の状況が生じると考えられる。この過剰分のうちの相当数は、いわゆる社会人学生等で就職の必要性がない者や特別研究員などの諸制度による支援を受けて研究に従事する者であることを考慮しても、博士課程修了者の就職先が多様化せず、企業の採用が増加しない場合には供給過剰が深刻な問題をもたらす可能性がある。

研究費について(主な意見の整理)

(競争的研究環境の整備)

[現状と基本的方向]

○ 我が国の大学等の研究費は、基盤的な研究施設・設備、図書資料、学術資料等の整備に必要な経費や経常的研究費など研究者の基礎的な活動に関わる基盤的研究資金と、科学研究費補助金などの競争的研究資金で構成されている。このような二面支援制度は、これまで学術研究の推進において有効に機能してきたと評価されている。
 近年、厳しい財政状況を背景に、研究費の効率的使用を求める声が国民の間に高まっていることなどから、一律配分の傾向が強い経常的研究費を中心に基盤的研究資金が厳しく抑制される一方、競争的研究資金の拡充が進んでいる。その結果、研究費の構造を見ると、競争的研究資金の比率が高まってきている。このような状況については、これ以上基盤的研究資金の抑制が続くと基礎的研究環境を維持することができなくなるとの声が多くなっており、基盤的研究資金と競争的研究資金による二面支援制度の趣旨が十分活かされない状況が生じつつある。

○ 厳しい財政状況は、今後も続くことが予想されるため、研究費についても効率的な使用を求める声が益々強くなっていくものと考えられる。我が国においては、一般に大半の大学教員が研究志向であり、教育に対する関心が薄いとの指摘がある。
 しかし、大学の機能は言うまでもなく教育研究であり、今後、適性に応じて教育に重点を置く教員も増加していくことが必要である。
 競争的研究資金を拡充し、競争的研究環境を整備することは、研究費の効果的・効率的使用を進めるとともに、真に研究面で活動的な研究者に研究費を重点的に配分することを通じて、研究に重点を置く者と教育に重点を置く者(第一線の研究活動の時期を過ぎた研究者を含む)との役割分担を促すものであり、これを推進することが必要である。

○ これらのことから、今後、二面支援制度を維持することを前提に独創的な研究の芽を生み出すことにつながる基盤的研究資金の確保を図るとともに、適切な審査・評価に基づいて選択的に配分される競争的研究資金を格段に拡充することを通じて競争的研究環境を創出していくことが必要である。

○ また、大学等が競争的研究資金から必要なオーバーヘッドを徴収する制度を確立し、当該大学の研究基盤の整備にこれを活用できるようにすることにより、欧米諸国の大学のように競争的研究資金を獲得できる研究者をより多く確保しようとする動機を大学等に付与することが必要である。これにより、研究者の流動化が促進し、大学間の競争的研究環境が創出されることが期待される。

※(注)欧米諸国における一般的なオーバーヘッドの概念は、設備・備品の減価償却費、建物の管理運営費・保守関係費、研究設備の維持・運営費、図書経費、研究室の事務費、当該大学の事務費等である。

○ さらに、現在の研究費には、様々な規制があり、弾力的な使用ができないため、研究の円滑な進展が阻害されているとの指摘がある。このため、研究費の効率的な使用を図るため、研究費を研究者にとって使い勝手のよいものに改善していくことが大切であり、研究費に係る様々な規制の緩和や、弾力的な使用を可能にする国立大学の委任経理金制度の適用範囲を拡大することが必要である。

[具体的施策]

 基盤的研究資金は研究者の基礎的な活動に関わる研究費であり、今後もその充実に努めていくことが必要である。特に、経常的研究費は、個々の研究者が継続的に実施している研究や萌芽的研究などを支え、その中から独創的な研究を生み出すことによって学術研究の推進に大きな役割を果たしている。具体的には、経常的研究費による研究の蓄積が競争的研究資金による研究につながっている場合も多い。また、日常的な観測とデータの分析を中心とする研究活動を経常的研究費で支えつつ世界水準の研究を行っている場合も多い。しかしながら、近年、経常的研究費は厳しく抑制されており、例えば、国立大学において日常的な教育研究活動を維持するための基盤的な経費として措置されている教官当積算校費の単価は、消費者物価指数の上昇を考慮すると過去10年間に約5%の減となっている。
 このため、これまでも機能してきている基盤的研究資金と競争的研究資金による二面支援制度を維持することを基本として、経常的研究費を始めとする基盤的研究資金の確保と競争的研究資金の格段の拡充を図ることにより結果として競争的研究資金の比率を相対的に高めていくことが必要である。

○ 経常的研究費のうち、国立大学の教官当積算校費については、特に人文・社会科学の諸分野に関して、自然科学的研究手法の充実などを背景に、実験系・非実験系による単価の適用領域が必ずしも合理的でない場合があるとの指摘もあり、見直しが必要である。また、博士課程の学生が多く在籍して研究している場合、研究指導等による研究費が経常的研究費を圧迫しており、大学院における学生当積算校費の改善が必要である。

○ 我が国においては、競争的研究資金は、基盤的研究資金により用意される基礎的研究環境を前提として活用されるという考え方がとられているため、これまでのところオーバーヘッドを徴収する制度は確立されていない。
 一方、欧米諸国の大学では、オーバーヘッドを徴収し、これを当該大学の研究基盤の整備に活用することが定着しており、徴収できるオーバーヘッドを潤沢にするため、競争的研究資金を獲得できる研究者をより多く確保しようとする動機付けとなっている。このような仕組みが研究者の流動化を促進する一つの要因となっており、大学間の競争的研究環境の創出に寄与している。
 我が国と欧米諸国とでは、人事に係る制度・慣習が異なるため、オーバーヘッドを徴収する制度の確立が、直ちに同様の効果をもたらすとは限らないが、競争的研究環境創出の一助として適切な措置を講じていくことが必要である。

○ さらに、競争的研究資金の拡充を背景に、大学によっては競争的研究資金への依存度が高くなっている。その場合、競争的研究資金による研究を行うことに伴う諸経費の負担が大きい。しかしながら、競争的研究資金から、これらを徴収することが困難なため、これが経常的研究費によって賄われる状況が生じている。その結果、基盤的研究資金が本来の役割を果たせなくなるという問題も生じている。本来、競争的研究資金は、基盤的研究資金により用意される基礎的研究環境を前提として活用されるものと考えられているが、近年の競争的研究資金の比率の増大、基盤的研究資金の抑制などの事情を背景に、このような考え方が実態に合わなくなっている。
 このような観点からも、競争的研究資金から必要なオーバーヘッドを徴収する制度の改善・充実は喫緊の課題となっている。また、徴収したオーバーヘッドについては、当該大学が研究基盤の整備に使いやすいように国立大学においては委任経理金制度と同等とすることが必要である。

○ また、研究費の拡充とともに、研究者にとって使い勝手のよい研究費になるよう質的充実を図っていくことも、その効率的活用の観点から重要である。例えば、単年度予算の原則の制約の緩和や、研究費の費目間の流用を容易にすることにより研究費の効果的な活用を格段に進めることができる。さらに、研究に携わる人材不足が研究進展の障害になっている場合などには、研究費により大学院博士課程修了者や研究支援者、外国人研究者などを雇用できるように、制度・環境を整備することも大切である。

○ さらに、国立大学については、現在奨学寄附金にのみ適用されている委任経理金制度を受託研究経費や共同研究経費にも拡大するなどして、外部資金の弾力的な使用を可能にすることも必要である。

○ また、公立大学においても国立大学と同様に委任経理金制度を導入して外部資金の弾力的な使用に途を開くことが必要である。

○ 私立大学においては、外部資金の導入を促進するため、国公立大学と同様に受託研究を行った場合の受託料収入の非課税措置を講じることが必要である。

第16期学術審議会学術研究体制特別委員会

委員 阿部 博之 東北大学長
  池端 雪浦 東京外国語大学教授(アジア・アフリカ言語文化研究所)
  井村 裕夫 科学技術会議議員
  宇井 理生 東京都臨床医学総合研究所長
  大崎 仁 日本学術振興会顧問
河合 隼雄 国際日本文化研究センター所長
  末松 安晴 高知工科大学長
  鈴木 昭憲 東京大学名誉教授
  高橋 真理子 朝日新聞東京本社論説委員
  武田 康嗣 株式会社日立製作所専務取締役
  豊島 久真男 大阪府立成人病センター総長
  鳥居 泰彦 慶應義塾大学長
  中村 桂子 JT生命誌研究館副館長
  野依 良治 名古屋大学教授(大学院理学研究科長)
  蓮實 重彦 東京大学長
  水野 繁 株式会社整理回収銀行代表取締役社長
会長 猪瀬 博 学術情報センター所長
副会長 奥島 孝康 早稲田大学長
  吉川 弘之 日本学術会議会長
科学官 岩村 俶 京都大学教授(大学院農学研究科)
  勝木 元也 東京大学教授(医科学研究所)
  齋藤 軍治 京都大学教授(大学院理学研究科)
  新庄 輝也 京都大学教授(化学研究所)
  中村 健蔵 高エネルギー加速器研究機構教授(素粒子原子核研究所物理第三研究系)
  吉田 集而 国立民族学博物館教授(地域研究企画交流センター)
  広瀬 茂男 東京工業大学教授(工学部)
  宮島 洋 東京大学教授(大学院経済学研究科)

注)◎は主査を表す。

(職名は平成11年3月2日現在)

第16期学術審議会学術研究体制特別委員会基本問題小委員会

委員 阿部 謹也 一橋大学名誉教授
阿部 博之 東北大学長
井村 裕夫 科学技術会議議員
  大崎 仁 日本学術振興会顧問
  大塚 榮子 北海道大学教授(薬学部)
  末松 安晴 高知工科大学長
  平朝 彦 東京大学教授(海洋研究所)
  高橋 真理子 朝日新聞東京本社論説委員
  武田 康嗣 株式会社日立製作所専務取締役
  鳥居 泰彦 慶應義塾大学長
  中村 桂子 JT生命誌研究館副館長
  水野 繁 株式会社整理回収銀行代表取締役社長
専門委員 木村 茂行 無機材質研究所長
  西田 篤弘 宇宙科学研究所長
会長 猪瀬 博 学術情報センター所長
副会長 奥島 孝康 早稲田大学長
研特主査 河合 隼雄 国際日本文化研究センター所長
科学官 岩村 俶 京都大学教授(大学院農学研究科)
  齋藤 軍治 京都大学教授(大学院理学研究科)
  吉田 集而 国立民族学博物館教授(地域研究企画交流センター)
  広瀬 茂男 東京工業大学教授(工学部)

注)◎は主査を、○は副主査を表す。

(職名は平成11年3月2日現在)

学術審議会学術研究体制特別委員会基本問題小委員会 学術研究の社会的協力・連携ワーキング・グループ

委員◎ 阿部 博之 東北大学長
  高橋 真理子 朝日新聞東京本社論説委員
  武田 康嗣 株式会社日立製作所専務取締役
専門委員 筏 義人 京都大学教授(再生医科学研究所)
  今田 哲 奈良先端科学技術大学院大学教授
  小野田 武 三菱化学株式会社専務取締役
  木村 茂行 無機材質研究所長
  田中 道七 立命館大学教授(BKCリエゾンオフィス室長)
  西藤 公司 新潟県企画調整部長
  南 努 大阪府立大学教授
  安井 至 東京大学教授(国際・産学共同研究センター長)
  四ツ柳 隆夫 東北大学教授(大学院工学研究科長)
科学官 岩村 俶 京都大学教授(大学院農学研究科)
  宮島 洋 東京大学教授(大学院経済学研究科)

注)◎は座長を表す。

(職名は平成11年1月29日現在)

学術審議会学術研究体制特別委員会基本問題小委員会 学術国際交流ワーキング・グループ

委員 大崎 仁 日本学術振興会顧問
  菅原 寛孝 高エネルギー加速器研究機構長
  平 朝彦 東京大学教授(海洋研究所)
豊島 久真男 大阪府立成人病センター総長
専門委員 片倉 素子 中央大学教授
  小平 桂一 国立天文台長
  立本 成文 京都大学教授(東南アジア研究センター長)
  安井 至 東京大学教授(国際・産学共同研究センター長)
科学官 新庄 輝也 京都大学教授(化学研究所)
  中村 健蔵 高エネルギー加速器研究機構教授(素粒子原子核研究所物理第三研究系)

注)◎は座長を表す。

(職名は平成10年7月14日現在)

学術審議会学術研究体制特別委員会基本問題小委員会 研究評価ワーキング・グループ

委員◎ 阿部 博之 東北大学長
  池端 雪浦 東京外国語大学教授(アジア・アフリカ言語文化研究所)
  宇井 理生 東京都臨床医学総合研究所長
専門委員 石井 紫郎 国際日本文化研究センター教授
  木村 孟 学位授与機構長
  黒川 清 東海大学教授(医学部長)
  竹内 伸 東京理科大学教授(基礎工学部)
  中井 浩二 東京理科大学教授(理工学部)
  中嶋 嶺雄 東京外国語大学長
  西田 篤弘 宇宙科学研究所長
科学官 齋藤 軍治 京都大学教授(大学院理学研究科)
  宮島 洋 東京大学教授(大学院経済学研究科)

注)◎は座長を表す。

(職名は平成10年7月14日現在)

第16期学術審議会学術研究体制特別委員会研究基盤小委員会

委員 青木 利晴 日本電信電話株式会社代表取締役副社長
  池端 雪浦 東京外国語大学教授(アジア・アフリカ言語文化研究所)
  宇井 理生 東京都臨床医学総合研究所長
  太田 朋子 国立遺伝学研究所名誉教授
  菅原 寛孝 高エネルギー加速器研究機構長
鈴木 昭憲 東京大学名誉教授
  谷口 維紹 東京大学教授(大学院医学系研究科)
豊島 久真男 大阪府立成人病センター総長
  野依 良治 名古屋大学教授(大学院理学研究科長)
  蓮實 重彦 東京大学長
  増本 健 財団法人電気磁気材料研究所長
  山本 明夫 早稲田大学教授(大学院理工学研究科)
専門委員 古濱 洋治 通信総合研究所長
  毛利 秀雄 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長
会長 猪瀬 博 学術情報センター所長
副会長 奥島 孝康 早稲田大学長
研特主査 河合 隼雄 国際日本文化研究センター所長
科学官 勝木 元也 東京大学教授(医科学研究所)
  新庄 輝也 京都大学教授(化学研究所)
  中村 健蔵 高エネルギー加速器研究機構教授(素粒子原子核研究所物理第三研究系)
  宮島 洋 東京大学教授(大学院経済学研究科)

注)◎は主査、○は副主査を表す。

(職名は平成11年3月2日現在)

学術審議会学術研究体制特別委員会研究基盤小委員会 研究者の養成・確保ワーキング・グループ

委員 武田 康嗣 株式会社日立製作所専務取締役
野依 良治 名古屋大学教授(大学院理学研究科長)
  増本 健 財団法人電気磁気材料研究所長
専門委員 安藤 恒也 東京大学教授(物性研究所)
  小林 信一 電気通信大学助教授(大学院情報システム学研究科)
  毛利 秀雄 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長
  吉田 光昭 東京大学教授(医科学研究所)
科学官 齊藤 忠夫 東京大学教授(大学院工学系研究科)
  宮島 洋 東京大学教授(大学院経済学研究科)
  吉田 集而 国立民族学博物館教授(地域研究企画交流センター)

注)◎は座長を表す。

(職名は平成10年7月14日現在)

お問合せ先

学術国際局学術課学術政策室

(学術国際局学術課学術政策室)

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