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新プログラム方式による研究の改善について(報告) (学術審議会新プログラム・COE特別委員会 平成10年7月7日)

平成10年7月7日
学術審議会新プログラム・COE特別委員会

1.はじめに

(1)新プログラム方式による研究は、平成元年7月の学術審議会建議「学術研究振興のための新たな方策について-学術の新しい展開のためのプログラムについて-」の提言を受け、学術研究をめぐる動向や社会的、国際的な要請に的確に対応するため、推進すべき研究分野等を国においてトップダウン方式により機動的、弾力的に定め、重点的に研究者及び研究費等を投入することにより、積極的に学術研究の振興を図る制度として平成2年度に創設され、これまで我が国の学術研究の振興において重要な役割を担ってきた。

(2)しかしながら、新プログラム方式による研究が開始されてから8年が経過し、この間、中核的研究拠点形成プログラムや出資金による事業など、研究費について種々の制度が創設されてきている。また、近年、学術研究の面からの社会的貢献への期待が各方面から高まっている一方で、財政構造改革の推進の中で補助金についての見直しが求められるとともに、学術研究に対する評価の充実が要請されている状況にある。

(3)本特別委員会においては、こうした状況をふまえ、本制度を学術研究をめぐる動向や社会的、国際的な要請に応える制度としてより生かされたものとするため、必要な改善策を講じようとするものである。

2.新プログラム方式による研究をとりまく状況

(1)我が国においては、平成7年11月に科学技術の振興に関する施策の基本となる事項等を定める「科学技術基本法」が制定され、平成8年7月には12年までの5年間の科学技術政策を具体化する「科学技術基本計画」が閣議決定されるなど、ここ数年において、科学技術に関連する国の方針などが定められたところである。

(2)研究費についてみると、平成7年度には、21世紀に向けて我が国の学術研究の新たな展開を図るためには、独創性豊かな最先端の学術研究を推進する卓越した研究拠点の形成を図ることが重要であるとの観点から、文部省のCOEプログラムが創設され、その後、日本学術振興会「未来開拓学術研究推進事業」が出資金により開始されるなど、他省庁を含め種々の制度が整備されてきている状況にある。

(3)一方、平成9年8月の「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」(内閣総理大臣決定)において、「科学技術の振興を図るためには、国費が投入された研究開発活動について、厳正な評価を実施し、その適切さを判断するとともに、評価の結果を適切に研究資金等の研究開発資源の配分に反映するなどにより、研究開発活動の効率化・活性化を図り、より優れた成果を上げていくことが必要である」とされ、同年11月に成立した「財政構造改革の推進に関する特別措置法」において、「政府は、科学技術振興費について、当該経費に係る研究開発の適切な評価を行い、その結果を予算の配分へ反映させること」とされたところである。

(4)学術研究においても、近年、学術研究水準の飛躍的向上への期待が高まる一方、科学研究費補助金を始めとする国の科学技術振興費が年々増加する背景の中で、従来にも増して研究費の有効使用や研究機関の効果的な整備といった観点、また、国民に対する説明責任の観点からも評価の充実が要請され、平成9年12月には、学術審議会において「学術研究における評価の在り方について」の建議が行われた。
 同建議においては、「創成的基礎研究費(新プログラム方式による研究)については、今後とも、評価結果の社会的発信や研究プロジェクトの選定自体をも含めた評価等に一層努めることが必要」と指摘している。

3.新プログラム方式の改善について

(1)目的・性格

1)学術研究は、本来、研究者の自由な発想と研究意欲を源泉として優れた成果が期待されるものであり、学術研究を推進するに当たっては、研究者の自主性を尊重することが基本である。
 しかしながら、新分野の開拓など我が国としての学術研究の発展を考えた場合、学術研究全体を俯瞰する立場から、学術審議会が主導権を持って立案、構築するための制度が必要である。
2)ここで推進する研究は、学問の新分野の開拓、国際的に対応を強く要請される研究、国民や社会のニーズに緊急に応える研究等、学術政策上特に推進する必要のある研究を対象とする。
3)このような研究を機動的・弾力的に推進するため、いわゆるトップダウンの要素を引き続き踏襲するものとする。

(2)具体的な運用方法

1)研究テーマの提案
 新プログラム方式による研究推進が必要と思われる研究テーマ等については、学術審議会の分科会・委員会等から提案を受けるものとする。
 各分科会・委員会等は、提案に当たって答申、建議等に十分配慮することとする。

2)研究テーマの具体的選定方法
 本特別委員会は、各分科会・委員会等からの研究テーマ等の提案をふまえ、研究リーダー候補者からのヒアリングを経て、推進すべき研究テーマを選定する。
 ヒアリング候補テーマの選定の際、よりきめ細かな評価に資するため、関連分野の研究者が作成する審査意見書を用いて審査する、いわゆるレフリー審査を新たに導入する。
 また、提案を受けた研究テーマのうち、本特別委員会が、具体的推進方法等について、より広い視野からの研究の進め方やより適切な研究内容とする必要があると判断した場合には、一定の方向性等を示した上で、研究リーダー、研究計画を募集することができることとする。この場合、研究テーマ別の審査専門委員会で審査の上、ヒアリング候補を選定し、本特別委員会に推薦理由を付して推薦するものとする。

3)研究推進の形態
 研究の推進に当たっては、研究テーマにより、当該年度からスタートするものと、フィージビリティー・スタディーとして実施するものが考えられる。
 フィージビリティー・スタディーについては、終了時点で改めて本特別委員会において研究テーマの必要性や研究リーダー及び研究組織の適切さ、研究実施期間にわたって質の高い研究が継続的に行われる推進体制となっているか等について評価を行い、新プログラムによる研究推進が適切であるかどうか判断するものとする。
 また、研究の目的・性格により、研究の規模、研究期間(原則5年間)についても弾力的に対応するものとする。

4)研究評価の充実
 評価については、平成9年8月の「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」や同年12月の学術審議会建議「学術研究における評価の在り方について」等をふまえ、きめ細かな評価を実施することとする。
 また、評価結果の適切な反映に努める観点から、研究経過が良好で、かつ、新プログラム方式の研究として継続して研究を推進する意義が高く、当該分野の発展に貢献すると認められる場合には、例外的に研究期間を超えて研究を継続させることができるものとする。この他、所期の目的を早期に達成してしまった場合や、研究状況の急な変化により、研究の打ち切りを余儀なくされる場合は、研究期間の短縮等、所要の措置を講ずることとする。

 学術審議会新プログラム・COE特別委員会(第16期)委員名簿

  阿部 謹也 一橋大学長
  阿部 博之 東北大学長
  池端 雪浦 東京外国語大学教授
  大崎 仁 前日本学術振興会理事長
  末松 安晴 高知工科大学長
  菅原 寛孝   高エネルギー加速器研究機構長
  鈴木 昭憲 東京大学名誉教授
  豊島 久真男 大阪府立成人病センター総長
  中村 桂子 JT生命誌研究館副館長
(主査) 野依 良治 名古屋大学教授

(職名は平成10年7月7日現在)

お問合せ先

学術国際局研究助成課

-- 登録:平成21年以前 --