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情報学研究の推進方策について(建議) (学術審議会)

平成10年1月14日
学術審議会

目次

はじめに

1 情報に関する学問の範囲・内容及びその推進の意義・必要性
 1 歴史的背景
 2 情報に関する学問の範囲・内容
 (1)現在の情報に関する学問の範囲
 (2)これからの情報に関する学問の範囲
 3 情報に関する研究推進の意義
 (1)学術研究上の意義
 (2)経済・社会上の意義

2 情報に関する学問の現状と課題
 1 大学の現状
 2 産業界の現状
 3 課題

3 今後の推進方向
 1 基本方針
 2 研究内容
 3 研究体制
 (1)研究所
 (2)学部・研究科
 4 研究費

おわりに

附属資料
 1 第15期学術審議会委員名簿
 2 学術審議会特定研究領域推進分科会情報学部会(第15期)委員名簿
 3 情報学部会における審議経過

はじめに

 情報に関する学問は、あらゆる学問分野の発展の基盤となるとともに、他の学問分野に働きかけ新しい研究課題や研究手法を生み出し、さらには、その応用化・技術化を通じて、我が国の産業・文化・国民生活等のあらゆる面に大きな影響を及ぼす。
 このような情報に関する研究の学問的重要性や社会・経済的意義などに鑑み、その飛躍的推進の必要性が強く指摘されるようになつてきた。
 このため、学術審議会では、特定研究領域推進分科会及び学術研究体制特別委員会において、平成8年11月から12月にわたり、情報に関する研究分野の推進方策を審議する部会の設置の要否について審議を行つた結果、特定研究領域推進分科会の下に本部会の設置が認められた。また、部会名称については、理工系のみならず、生命科学系、人文社会系まで幅広く関連することから、「情報学部会」とされた。
 本部会では、平成9年1月から、大学等における情報に関する研究の実態、産業界における研究開発の状況、日本学術会議勧告「計算機科学研究の推進について」(平成9年5月)などを踏まえ、その研究内容・研究体制の在り方などを中心に、その推進方策について審議を重ね、同年7月、中間まとめとして公表した。その後、この中間まとめに対する意見等を踏まえ、審議を行い、ここに建議として取りまとめた。

1 情報に関する学問の範囲・内容及びその推進の意義・必要性

1 歴史的背景

 情報科学・計算機科学の基礎研究から人文社会系の新たな潮流、そして実用システムの普及に至る、情報に関する学問の重層構造は、長期にわたる深い学術研究から生まれた。特に、チユーリング、フオンノイマン、シヤノン、ウイーナーらに代表されるような、1930年代から50年代初頭にかけての基礎研究に端を発した情報科学は、50年代以降、計算機科学、情報工学、人工知能、生命情報科学をはじめとする新たな学術分野を生み出し、さらには、経済学、社会学、言語学、心理学、文化人類学等の伝統的分野に大きな影響を与えた。他方、基礎的な情報科学がコンピユータ技術・通信技術、特にソフトウエア技術の新展開を生み、道具としての情報の利用方法に多大な影響を及ぼした。
 このような発展を踏まえて60年代以降、学術的側面だけでなく、産業、生活、教育、医療、その他あらゆる面にわたつて情報概念の応用と情報利用の道が開けた。

2 情報に関する学問の範囲・内容

 情報に関する学問は、情報科学や計算機科学に見られるように、計算の側面を中心とした学問体系として形成されてきた。しかし、近年、生命科学系や人文社会系との関わりが深くなつてきており、今後は、従来の情報科学・計算機科学よりも広い視野で捉えていくことが重要である。

(1)現在の情報に関する学問の範囲

 情報を対象とする学問は、計算機(コンピユータ)の出現以前にも存在したが、学問の上でも経済・社会の面でも重要な役割を果たすようになつたのは、「計算システム」の発展によるところが極めて大きい。
 情報に関する学問は、以下に示すような内容を持つ情報科学・計算機科学をその中核とし、現在更に発展しつつある。同時に、生命科学系や人文社会系の分野との関わりを持つ領域を増やしている。
 基礎数理学、算法理論・設計、計算モデル、基本ソフトウエア、計算機言語理論・設計・処理系、計算機アーキテクチヤ、計算情報処理、ソフトウエア設計、情報ベース、コンピユータグラフイクス、知識情報処理、認知機構、自然言語処理、ロボテイクス、ヒユーマンインタフエース、情報ネツトワーク、情報セキユリテイなど
 すなわち、情報科学・計算機科学が生み出した、情報の伝達、変換、表現、処理、蓄積などに関する方法や機構は、それを媒介として、理工系のみならず、生命科学系、人文社会系まで広範な学問領域に新たな方法論や表現法を提供し、それら学問の深化に貢献している。同時に、それら学問領域との相互作用により、情報に関する学問分野自身も高度な発展を遂げつつある。情報に関する学問分野と関連する学問分野の間には、単なる相互作用だけでなく、ある種の融合現象が見られ、融合領域のうち成熟度の高いものは、将来、情報に関する学問分野の重要な構成分野として位置づけられるものと考えられる。

(2)これからの情報に関する学問の範囲

 将来確立されるべき情報に関する学問は、(ア)計算的側面、(イ)生物・知能的側面、(ウ)社会・コミユニケーシヨン的側面の3つの側面を持つと考えられる(図1)。

(図1)情報に関する学問の構成

(省略)

 情報に関する学問の第一の側面である計算的側面に関しては、ほとんど全ての理工系分野の発展や新たな展開に多大な貢献をすると同時に、これら関連諸分野からの要請を原動力として、その高度化が今後とも押し進められていくものと考えられる。
 一方、社会・コミユニケーシヨン的側面に関しては、情報に関する学問が人文社会系の学問領域に新たな問題意識と研究課題を提供するとともに、これらの領域の新しい知見や研究成果が逆に情報に関する学問に生かされることにより、その調和のとれた発展を促すことが期待できる。
 生物・知能に関する側面についても、情報に関する学問は、遺伝子情報の解析などに顕著に見られるように、生命科学系関連分野の方法論に直接・間接的な影響を与える。また、生物が持つ「発生」「適応」「自己組織」機能や人間が持つ知能の諸機能の解析は、斬新な計算モデルや情報処理モデルの考案に意義深い示唆を与え、情報に関する学問の今後の深化に大きく寄与する可能性を内包している。

 将来確立されるべき情報に関する学問(情報学)の近未来における学問的構成分野を示すことは現段階においては極めて困難であるが、今後の検討に資するため、一応の目安として示せば、例えば、以下のものが考えられる(以下に言う「システム」は、非常に広く解釈するもので、数学的理論から始まり、ある程度体系だつた学問分野まで含むものとする)。

○ 情報数理
○ 算法分析・設計
○ 計算モデル・ソフトウエア記述システム
○ ソフトウエア/プログラム分析・設計
○ 計算機ハードウエア・ソフトウエアアーキテクチヤー
○ 情報ベース・ネツトワークシステム
○ ヒユーマンインターフエース・メデイア情報処理
○ 自然言語処理・知識処理
○ 認知・学習・行動システム
○ 生命・生物情報システム
○ 社会・法・経済・文化情報システム

・・・・・

 一方、より長期的展望のなかでは、いわば「高次」あるいは「高階」の情報学とでも呼ぶべき学問分野を構築することが重要である。これは、全ての学問分野を「情報」という視点から捉え直し、その情報構造を体系化しようとするものである。物理学が、理工系を含む多くの学問領域の基底として機能しているように、この「高次」の情報学が、物理と対置される基底学問となることが期待される。

3 情報に関する研究推進の意義

(1)学術研究上の意義

 情報に関する研究から生み出される成果の一つは、情報の統一的で体系的な取り扱いに関する方法学である。情報に関する概念・手法・技術は、全ての学問分野に活用でき、それら学問の発展に貢献することができる。

ア 概念の活用

 多くの学問分野では、何らかの形で情報を扱つており、情報に関する研究によつて作り出される諸概念は、理工系から生命科学系、人文社会系に至るほとんどすべての学問分野において対象に対する新たな視点を与えることが期待できる。特に、人文社会系の分野は、この数十年の間に情報概念や情報技術の利用によつて大きな変化を受けている。したがつて、情報に関する学問の中核的な内容をはじめとして生命科学系、人文社会系に至る適切な学問の重層構造が提示されれば、情報概念の上に立つた人文社会系などの新たな発展が期待できる。

イ 情報処理技術の提供

 情報に関する研究によつて作り出される情報処理技術は、多くの学問分野において、研究を進める上で強力な道具を提供する。これは、多くの研究者が研究を遂行する上でコンピユータを必要とすることでも明らかである。例えば、遺伝子情報の解析においては、情報処理技術を用いることによつて、人間の能力では行えないような極めて長い記号列の比較・探索が容易に行えるようになり、新しい解析手法が実現した。また、物理学における各種のシミユレーシヨンでは、情報処理量の大規模化・高速化に伴い、より細部の物理現象の解析が可能になつている。これらは、情報処理の量的性能向上が学術研究の質的変化につながつた例と見ることができる。さらに、人のシンセサス活動や仮説形成における情報処理プロセスが解明されれば、人工物の創造活動における視点の限定を大幅に取り除くことが期待できる。

ウ 新しい学問分野の創出

 情報に関する学問は、関連する学問分野が非常に広いので、それらとの連携により、新たな学問分野を創出することが期待される。例えば、言語学に対する計算機科学からのアプローチの進展により、計算言語学という分野が作り出された。また、社会を情報の交換・流通・創造という観点から捉える学問分野も形成されつつある。
 総じて、多くの学問分野で直面している情報関連の基本的課題は、今後得られる、情報に関する研究分野から提供される知識で解決できるものと期待される。

(2)経済・社会上の意義

 情報に関する研究による成果は、学術研究面のほか、公的・私的な社会生活、経済活動など、ほとんどすべての領域に活用することができる。また、計算機や通信の高速化と広域性により、様々な領域において惹起する複雑化した諸問題の解決を可能にする。
 このように、情報に関する学問は、産業・経済の拡大や多様化を生み出し、国力の基盤を担う戦略的要因の一つであるとともに、国民生活・文化の向上に大きく貢献する。

ア 知識・文化資産の蓄積・流通の支援

 情報処理技術の大容量化と情報ネツトワークの広域化、電子的表現の多様化・マルチメデイア化によつて、情報は、時間や空間の制約を超越して流通することが可能になりつつある。例えば、電子図書館・博物館・美術館が実現すれば、我々が文化的資産に触れる機会を飛躍的に増すことができる。また、情報を論理的に表現する方法が進展すれば、言語では表現しにくい技術の移転や継承も可能となつてくる。

イ 情報関連産業の振興と新しい産業の創出

 情報関連の産業は、情報処理技術の進歩が新しい産業を生み出し、新しい産業が既存の産業を振興するという連鎖の中で発展してきた。例えば、インターネツトの普及は、コンピユータの需要を増やすとともに、インターネツト上で利用できる各種ソフトウエアの開発を促し、WWWブラウザのような新しいソフトウエアの分野を作り出してきた。米国が世界の情報産業をリードすることに成功した背景の一つには、情報に関わる新しい技術の発見、実用化、国際的展開を支える学術研究の核が存在していたことが考えられる。
 新技術の萌芽を見つけ出し、実用化につなげる学術研究の役割は極めて重要であり、その推進は、情報関連産業の振興と新産業の創出にも資する。

2 情報に関する学問の現状と課題

1 大学の現状

 我が国の大学においては、「情報」の名を冠した学科、専攻、更には研究科や学部が相当程度整備されつつあるが、研究・教育内容や教員構成について偏りが見られる研究組織も少なくなく、研究組織や研究者間の交流・連携は、必ずしも十分でない。
 研究者数については、我が国全体の数で見ても、世界のトツプレベルの研究者数で見ても、不十分と言わざるを得ない。
 また、情報に関する本格的な研究所は、大学附置研究所などでは設置されていない。大学共同利用機関である学術情報センターは、情報関連事業の実施とともに研究開発を併せ行つている。
 このように、我が国の情報関連研究は、ハードウエアとその関連技術について一定の進展は見られるものの、研究内容・水準、研究者数、研究体制等について、その学問的、社会的重要性にもかかわらず、不十分であり、世界の趨勢特に米国に比べ著しく遅れている。
 このような状況では、特に米国における厚みのある情報関連研究に追いつくことも、また、新しい情報に関する学問を構築することも困難であると言わざるを得ない。
 一方、産業界から大学への要請として、革新的なテーマの発掘、桁違いの高度技術の開発、人文社会系にまでわたる新しい学問分野の構築、新しいマーケツトの創造などが期待されている。また、我が国は、新規性を持つたソフト作成能力に欠けていると言われている。そのためには、世の中のニーズを的確につかみ取る感性、優れたソフトウエア構築する設計力、実際にソフトウエアを作り出すための技術力が必要である。このような能力を備えた人材の養成も大学に強く期待されている。

2 産業界の現状

 我が国の産業界は、通信用ハードウエア機器、コンピユータ用メモリIC、情報圧縮システム等において世界をリードしてきた面はあるが、コンピユータの基本ソフトウエア、プロセツサIC、分散ネツトワーク技術等の基幹技術では、特に米国に大きく水をあけられている。また、このような技術の立遅れが種々のソフトウエア、ハードウエアのデフアクトスタンダード確保の立遅れにつながり、さらには、マルチメデイアコンテンツ、ソフトウエア知的財産権等に至る情報内容の所有自体の遅れにつながつている。
 我が国の情報関連産業界は、このような遅れを早急に取り戻し、最も将来性のある産業分野の筆頭に挙げられている情報通信分野において確固たる地位を確立するため、海外に研究所を設置し研究開発や情報収集に努めたり、海外の大学と共同研究を行うようになつている。また、海外のベンチヤー企業への出資やコンテンツを豊富に持つ企業の買収等によつて、研究開発や情報内容獲得の実と利益を短時間のうちに求めるようになつてきている。

3 課題

ア 情報に関する研究の中核を作る研究体制の確立

 米国において情報に関する研究及び産業が著しく進展した理由の一つに、情報の研究領域の中核として計算機科学が存在し、そこが新たな概念、人材、技術を創出するだけの層の厚さと質を維持していたことが挙げられる。一方、前述したように、我が国では、大学において、情報科学・情報工学等に関する学科・専攻等の整備が進められているものの、研究者が異なる学科・専攻に分散したり、偏つた教員構成となつているものも少なくない。また、研究組織、研究者のいずれのレベルにおいても、他の大学、国立研究機関、企業等との柔軟性に富んだ連携協力は十分行われていない。
 情報に関する研究については、新しい学問分野の創出等の要請に応えるため、既存の研究組織の一層の充実とともに、中核となる研究組織の確立が必要である。このような研究組織の核が形成されることにより、その他の研究組織と十分連携し、我が国全体の情報関連研究の飛躍的推進を図ることが喫緊の課題である。

イ 人材養成

 上記1で述べたように、我が国の大学における研究者数は、情報に関する研究の重要性に照らして、また、米国等との比較からしても極めて不十分と言わざるを得ない。
 若手を中心として研究者の飛躍的拡充が必要であり、厚みのある研究者層の形成が世界のトツプレベルの研究者を多数産み出し、真に独創的で優れた研究成果をもたらすことができる。若手研究者を中心とする研究者の確保が情報に関する研究の発展を促すとともに、研究の進展が新たな研究者を育てるという循環を作り上げることが望まれる。
 また、情報に関する高度な専門人材に対する社会の需要も逼迫している。日米の大学院の違いもあるが、博士課程修了者数でみると、米国に比して、我が国は極めて少ない状況である。21世紀の高度情報社会に向けて、必要とする高度なシステムを構築できる人材、情報を適切に処理し重要な判断ができ組織の中核となれる人材などの養成が急務である。

3 今後の推進方向

1 基本方針

 21世紀に向けて、我が国の情報分野の研究が欧米等に著しく遅れている現状を早急に是正し、世界に貢献する観点から、第一に、当面の急務の課題である研究体制の飛躍的な整備・充実を人材養成と併せて推進する。その際、現在、情報に関する学問の中核となつている情報科学・計算機科学の充実とともに、生命科学系、人文社会系などの分野と広く関連を深めていく方向でその推進を図る。並行して、第二に、人文社会系まで含み、情報の意味や価値を見据える、情報に関する学問の体系化に向け、必要な研究を進める。

2 研究内容

 今日、世界的規模で爆発的に進展する社会の情報化や、生命科学系、人文社会系における高度な情報技術の適用を可能にしたのは、情報科学・計算機科学の基礎研究の重層的かつ長期的な積上げである。
 このような状況を背景に生命科学系、人文社会系の学問分野との相互作用を促進することにより、情報に関する学問の幅を広げるとともに、理工系、生命科学系、人文社会系の各分野の進展に寄与することが重要である。そこで、当面、例えば、次のような領域に関し高度な研究が必要とされる。

○ ソフトウエア、プログラミング方法論の基礎から応用まで
○ プログラミング言語・システムソフトウエアの基礎理論・設計・処理系
○ 並列・分散・開放型のモデル・算法・アーキテクチヤー
○ ヒユーマンインターフエース・ロボテイクスの基礎から応用まで
○ 情報ベース・ネツトワーク・セキユリテイの基礎から応用まで
○ 自然言語処理及び、知覚・認知・学習・行動に関する情報の観点からのアプローチ
○ 神経・生理学、脳科学に基づく新しい情報処理機構・方式など
○ 社会・法・経済・コミユニケーシヨン・文化に関する情報の観点からのアプローチ

 一方、長期的には、情報科学・計算機科学から人文社会系までの全ての学問を「情報」という視点から見直し体系化する「高次」の情報学とでも呼ぶべき学問の創設が期待される。

3 研究体制

(1)研究所

 情報分野の学術研究の深化の重要性にかんがみ、この分野の中核的な研究機関を大学共同利用機関として設置することが重要である。
 設置に当たつては、既存の大学共同利用機関又は大学附置研究所等の改組等を含め検討することが適当である。また、大学のみならず、国立試験研究機関、企業の研究所や海外の関係機関等と柔軟に連携し、幅広いネツトワークを形成することにより、我が国全体として情報関連分野の研究を総合的・飛躍的に推進することが強く求められる。
 その際、日本学術会議の勧告をも踏まえ、情報科学・計算機科学を中心とした基礎研究から実証的な研究まで重層的な研究が可能な体制を持つ研究機関として整備していく視点も重要である。

(2)学部・研究科

 現在、情報関係学科・専攻等は、相当程度整備されつつあるが、まだ量的に不十分であり、内容面も含め、学部や研究科に関しては、質・量ともに一層の拡充が求められる。
 特に、研究者や社会の高度な情報専門人材の大幅な増加が強く要請されていることから、新しい情報に関する研究科の創設を含め、大学院レベルの大幅な拡充が重要である。
 また、学部、研究科のいずれにおいても体系的教育の一層の充実が必要である。

4 研究費

 科学研究費補助金の特定領域研究や日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業などによる情報関連分野の重点的な支援が強く望まれる。

おわりに

 本建議は、情報に関する研究の重要性と今後の推進方策の基本方向について初めて提言したものである。文部省はじめ関係方面においては、本建議を踏まえ、情報に関する学問研究に関し一層飛躍的な充実に取り組まれることを切に期待する。

(附属資料1)

第15期学術審議会委員名簿

(任期 平成8年2月16日~平成10年2月15日)

阿部 謹也 一橋大学長
池端 雪浦 東京外国語大学教授(アジア・アフリカ言語文化研究所)
石井 紫郎 国際日本文化研究センター教授
伊藤 正男 理化学研究所脳科学総合研究センター所長
 (会 長)
猪瀬博 学術情報センター所長
井村 裕夫 前京都大学長
宇井 理生 東京都臨床医学総合研究所長
江崎 玲於奈 筑波大学長
大崎 仁 日本学術振興会理事長
奥島 孝康 早稲田大学総長
河合 隼雄 国際日本文化研究センター所長
志村 令郎 生物分子工学研究所長
鈴木 昭憲 東京大学名誉教授
高久 史麿 自治医科大学長
 (副会長)
天滿 美智子 津田塾大学名誉教授
豊島 久真男 大阪府立成人病センター総長
鳥井 弘之 日本経済新聞社論説委員
中村 桂子 JT生命誌研究館副館長
西川 哲治 東京理科大学長
西澤 潤一 東北大学名誉教授
野依 良治 名古屋大学教授(大学院理学研究科長)
原田(太田) 朋子 国立遺伝学研究所名誉教授
増本 健 財団法人電気磁気材料研究所長
水野 繁 株式会社整理回収銀行社長
三田 勝茂 株式会社日立製作所取締役会長
山本 明夫 早稲田大学教授(大学院理工学研究科)
吉川 弘之 日本学術会議会長

(職名は平成10年1月14日現在)

(附属資料2)

学術審議会特定研究領域推進分科会情報学部会委員名簿

〔委員〕

石井 紫郎 国際日本文化研究センター教授
宇井 理生 東京都臨床医学総合研究所長
鈴木 昭憲 東京大学名誉教授
(部会長)天滿 美智子 津田塾大学名誉教授
吉川 弘之 日本学術会議会長

〔専門委員〕

安西 祐一郎 慶應義塾大学理工学部長
池田 克夫 京都大学大学院工学研究科教授
小野 欽司 学術情報センター研究開発部長
松村 多美子 図書館情報大学教授
米澤 明憲 東京大学大学院理学系研究科教授
渡辺 茂 慶應義塾大学文学部教授

(職名は平成10年1月14日現在)

(附属資料3)

情報学部会における審議経過

平成9年1月17日(金曜日) 情報学部会(第1回)

  • 部会長に天滿美智子委員を選任
  • 情報学に関する問題点、今後の検討の視点・基本方向等について自由討議

3月4日(火曜日) 情報学部会(第2回)

  • 「情報学に関する現状認識や今後の方策」について、各委員の作成したメモに基づき意見交換

4月10日(火曜日) 情報学部会(第3回)

  • 「情報学に関する現状認識や今後の方策」について、各委員の作成したメモに基づき意見交換

4月30日(水曜日) 情報学部会(第4回)

  • 「産業界等の研究開発の現状と今後の方向・方策、大学の研究に期待するもの」等について外部有識者の ヒアリングを実施
  • 「議論を深めていただきたい事項(案)」について討議

5月29日(木曜日) 情報学部会(第5回)

  • 「情報学研究の長期的・総合的推進方策に関するこれまで出された意見と検討を要する事項(案)」につい て討議

6月11日(水曜日) 情報学部会(第6回)

  • 「日本学術会議勧告・計算機科学研究の推進について」について討議
  • 「情報学研究の長期的総合的な推進方策について 審議経過報告 (構成と骨子)(案)」について討議
  • 審議経過報告をまとめるにあたり、ワーキンググループを設置し、検討を進めることについて了承

7月4日(金曜日) 情報学部会(第7回)

  • ワーキンググループにおいて作成された「情報学研究の長期的総合的な推進方策について 中間まとめ ( 案)」について討議し、一部修正の上、本部会の中間まとめとすることを了承

7月 9日(水曜日) 特定研究領域推進分科会運営会議

  • 「情報学研究の推進方策について 中間まとめ(案)」について討議・了承

7月15日(火曜日) 学術研究体制特別委員会

  • 「情報学研究の推進方策について 中間まとめ(案)」について討議・了承

7月25日(金曜日) 学術審議会総会

  • 「情報学研究の推進方策について 中間まとめ(案)」について討議・了承

12月16日(火曜日) 情報学部会(第8回)

  • 「情報学研究の推進方策について(建議)(案)」について討議し、一部修正の上、建議として取りまとめるこ とを了承

平成10年1月13日(火曜日)特定研究領域推進分科会運営会議

  • 「情報学研究の推進方策について(建議)(案)」について討議・了承

1月14日(水曜日) 学術研究体制特別委員会

  • 「情報学研究の推進方策について(建議)(案)」について討議・了承

1月14日(水曜日) 学術審議会総会

  • 「情報学研究の推進方策について(建議)(案)」について討議・了承

お問合せ先

学術国際局学術情報課

-- 登録:平成21年以前 --